JP2535889C - - Google Patents

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JP2535889C
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明はLSI等の製造におけるリソグラフィー工程のマイクロパターン転写 に用いられる(投影光学系)装置に関するものである。 【従来の技術】 従来、最先端の微細化したLSIのパターン転写を量産時に行なうには超高圧
水銀ランプのg線スペクトル(波長433nm)で投射する縮小投影型露光装置
(ステッパー)が最も広く用られてきたが、今後さらに微細なパターン転写を高
いスループットで行なう装置としてXeCl、KrF、ArF等のエキシマレー
ザを光源とするステッパーが注目されている。エキシマレーザ光で結像する投影
レンズ系には月刊Semiconductor World 1986年8月号
P69〜に開示されているように、エキシマレーザを自然発振させた広いスペク
トル幅(例えば0.4nm程度)の光に対して色収差補正された広帯域レンズと
、発振スペクトル幅が0.01nm程度以下のエキシマレーザ光に対応した狭帯
域レンズがある。広帯域レンズは石英とホタル石で構成され、広いスペクトル幅
のコヒーレンスの悪いエキシマレーザ光を用いることができるのでスペックルの
でる心配もなく、またレジストの非感光スペタトルの光に対しても収差補正が可
能なのでスルーザレンズアライメント(TTL)のできる可能性が強いが、LS
Iの量産に需要の多いウェハ上で直径22mm以上の転写領域を持ち、NA(開
口数)0.35以上のレンズを作るのは現状のレンズ製造技術では困難である。 これに対して狭帯域レンズは全て石英で構成され、製造技術も現状の最先端の
ものをもってすれば十分であるので早期に実用化されるものと期待されている。 【発明が解決しようとする問題点】 このような狭帯域レンズでは直径22mm程度の領域で0.5μm以下の分解
能が得られたとしても、スルーザレンズアライメントを行なう良い技術がなかっ
た。その1つの理由は狭帯域レンズでは露光焼付用のエキシマレーザ光のスペク
トルでしか色消しされておらず、非感光光でアライメントしようとしても収差捕
正ができない為ウェハ面のパターンを高分解に観測できないことであり、他の理
由は露光焼付用のエキシマレーザ光をアライメントのための照明光に用いてアラ
イメントの位置ずれ計測をしようとしても、用いられるフォトレジストの吸収が
大きい場合がほとんどであり、レジストを通したウェハ面の観察ができないこと
である。本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、焼付光に対
して吸収の激しいレジストを用いてもTTLアライメントを可能とし、良好な露
光位置合わせ精度が得られる投影光学装置を得ることを目的とする。 【問題点を解決する為の手段】 上記問題の解決の為に本発明では、投影レンズの瞳の部分からアライメント用
の非感光光(第2波長)を分岐して投影レンズ外に射出する構成とし、焼付露光
光(第1波長)のみが通過する投影レンズの部分(例えば瞳からレチクル側)は
、石英のみを用い、焼付露光光とアライメント光が通過する投影レンズの部分(
例えば瞳からウェハ側)は焼付露光光とアライメント用の別波長光に対して収差
補正されるように、例えば石英と螢石を用いて光学系を構成し、投影レンズ外部
のアライメント光専用の光学系はアライメント光のみに対して収差補正するよう
にした。 【作用】 本発明においては焼付光のみの通過する部分は、例えば狭帯域レーザのスペク
トル幅のみに対して収差補正すればよいので、レンズの製造が容易であり、瞳を
分割して光分岐要素(反射手段)を設けても焼付光の結像性能に対して悪影響を
与えず、アライメント光に対しても収差補正がなされ、アライメント光を非感光
光とすることで焼付光に対して吸収の激しいレジストを用いてもウェハ上のアラ
イメントマークを高い解像力で観察することができる。 【実施例】 図1は本発明の第1の実施例による投影光学装置の主な光学系の概略的な構成 を示す斜視図であり、図2は本装置の全体構成を示す図である。 図1において、回路パターン領域50とアライメント用のマーク領域RMA,
RMBとを有するレチクルRは、レンズ群(前群)L1とレンズ群(後群)L2
構成される投影レンズの光軸AXに対して位置決めして保持される。前群L1
後群L2との間には瞳EPが空間中に位置し、瞳EPの中心には瞳EPの径より
も小さな寸法で反射ミラーMが適宜の保持法により斜設される。レチクルRの各
パターンは投影レンズにより感光基板としてのウェハW上に投影される。ウェハ
W上には予め複数のショット領域CPがマトリックス状に形成されおり、その1
つのショット領域にレチクルRのパターン領域50の投影像50’が重ね合わせ
て転写される。ウェハW上の各ショット領域にはレチクルRのマーク領域RMA
,RMBの各投影位置に対応して予めアライメント用のマーク領域WMA,WM
Bが形成されている。 さて、投影レンズ内の反射ミラーMを通り、光軸AXと直交する光軸AX’に
沿って、色フィルターFL、検出光学系L3、及びアライメント用の対物レンズ
系40A,40Bが配置される。そして検出光学系L3、反射ミラーM、後群L2
との合成系は、ウェハWの表面と共役な像面IVを作り出す。この像面IV内の
位置APA,APBには、ウェハW上のマーク領域WMA,WMBの像が、ショ
ット領域のCPの像CP’を挟んで結像される。さらに像面IVには、レチクル
Rのパターン領域50とマーク領域RMA,RMBのウェハW上、特に感光層(
レジスト)上に形成された投影像に関する光情報も結像することになる。従って
像面IVの位置APAには、レチクルRのマーク領域RMAとウェハW上のマー
ク領域WMAとの重ね合わせに関する像が形成され、それは対物レンズ系40A
により観察又は検出される。同様にレチクルRのマーク領域RMBとウェハWの
マーク領域WMBとの重ね合わせに関する像は、対物レンズ系40Bにより観察
、又は検出される。 以上、図1に示した概略構成で、投影レンズの前群L1はエキシマレーザ光等
の紫外域の露光光に対して吸収の少ない石英で構成され、後群L2、ミラーM、
検出光学系L3を含む合成系は、感光光(エキシマレーザ光)とは異なる特定波
長成分の光(アライメント用の照明光)に対して色収差が捕正される。本実施例 では、後群L2に石英以外にホタル石等が使われ、この後群L2のみによって色収
差がある程度補正されるように構成される。また本実施例ではアライメント用の
照明光(別波長)は対物レンズ系40A,40Bを介してウェハWへ送光される
。したがって本実施例ではウェハW上で生じたマーク領域WMA,WMBとRM
A,RMBとの重ね合わせ(アライメント)状態を、瞳EPから取り出して観察
することになる。 尚、前群L1と後群L2から成る投影レンズは少なくとも像側(ウェハW側)が
テレセントリック系であればよく、後群L2、ミラーM、検出光学系L3から成る
合成系は両側(ウェハWと像面IV)でテレセントリックとなるように構成され
る。 次に本実施例の詳細な構成を図2を参照して説明する。尚、図2においては説
明の関係上、レチクルR上のマーク位置に対応した対物レンズ系40A,40B
の配置関係及びミラーMの方向は図1に示したものと異なる。実際の装置化にお
いては図1に示すように2本の対物レンズ系40A,40Bの各光軸を含む平面
を水平にすることが望ましい。 さて、ウェハWに塗布されたレジスト層を感光させる波長域の発振スペクトル
を有するエキシマレーザ発振器1の内部には、射出するレーザ光の波長幅(スペ
クトル幅)を狭帯域するためのエタロン等が設けられている。発振されたレーザ
光(スペクトル幅0.01nm以下)はビームスプリッタ3で一部反射され、ミ
ラー2a,2bで折り返された後、光量制御器4に入射する。光量制御器4はシ
ャッター、又は可変アテニュエータ等で構成され、レーザ光の光量を連続、又は
段階的に調整する。光量調整されたレーザ光は、エクスパンダ又はシリンドリカ
ルビームエクスパンダ等のビーム形状寸法変換器5、ミラー6,7,8を通った
後、照明強度の一様化を行なうフライアイ・レンズ9、フィールドルンズ10、
反射率が透過率よも小さなビームスプリッタ11を介して第1コンデンサレンズ
12に入射する。第1コンデンサレンズ12はレチクルRへの照明領域を可変と
する開口形状・寸法可変のブラインド13へ均一にレーザ光を入射させる。ブラ
インド13を通過したレーザ光は第1コンデンサレンズ14、ミラー15、及び
メインコンデンサ16を介してレチクルRを一様の照度で照明する。ブラインド 13の開口像は第1コンデンサレンズ14、メインコンデンサレンズ16によっ
てレチクルR下面のパターン面(クロム層形成面)に結像され、ブラインド13
の形状を変えることにより、レチクルRのパターン面を選択的に照明することが
できる。 さて、ビームスプリッタ11は表面コートなしの石英平板、又は反射防止コー
トを行なった石英平板等で構成され、その表面反射を利用して、レーザ光の一部
をレンズ系34を介してエネルギーモニター(光電素子等)35に導びく。エネ
ルギーモニター35はレンズ系34で集光された一部のレーザ光の光量を検出し
て、ウェハWに達するエネルギー量をモニターするために使われる。またビーム
スプリッタ3は上述した露光用照明系へレーザ光を送るとともに、レチクルRの
マーク領域RMA,RMBのみに部分的にレーザ光を送るために設けられが、通
常の半透過鏡以外に表面が鏡仕上げされた金属性メッシュ型のものでも同様に利
用できる。さらにビームスプリッタ3は光量損失のない点で全反射鏡に置き換え
て、必要に応じて光路に出し入れするようにしてもよい。ミラー6,7,9はレ
ーザ光の空間コヒーレンズが良く、スペックルが発生する場合、フライアイレン
ズ9に入射するレーザ光(ビーム)の角度を、エキシマレーザ光のパルス発光毎
に変える走査ミラーと置換することもできる。この場合1回のショット領域の露
光にあたって複数のパルス発光が必要であるが、ウェハW上におけるスペックル
の影響を小さくすることができる。 さて、レチクルRのマーク領域RMA,RMBの上方には小さな全反射ミラー
MA,MBが斜設され、駆動部MAD,MBDにより、レチクルRのパターン領
域50に対する露光照明の妨害とならないように脱着駆動される。マーク領域R
MA,RMBに対する部分的なレーザ光の照射は、コンデンサーレンズ21A,
21Bと視野絞り20A,20Bを介して行なわれる。そのためビームスプリッ
タ32で1:1の割合で分割され、一方はミラー33を介して視野絞り20Aを
ほぼ均一に照明し、他方は不図示のミラーを介して視野絞り20Bをほぼ均一に
照明する。そしてコンデンサーレンズ(対物レンズ)21A,21Bの働きでレ
チクルRのパターン面のマーク領域RMA,RMBの夫々には視野絞り20A,
20Bの開口像が投影される。また本実施例では投影レンズ(前群L1,後群L 2 )を両側テレセントリックとするため、コンデンサーレンズ21A,21Bの
各光軸は投影レンズの瞳EPの中心を通り主光線と一致するように定められる。 上記ミラーMA,MB、視野絞り20A,20B及びコンデンサーレンズ21
A,21Bによって、露光光(エキシマレーザ光)を使ったアライメントのため
の照明系が構成される。これら照明系(ミラーMA、視野絞り20A、コンデン
サーレンズ21A)はレチクルR上のマーク領域RMAの位置(すなわちパター
ン領域50のサイズ)に応じて一体に可動に構成される。ミラーMB、視野絞り
20B、コンデンサーレンズ21Aから成る照明系も同様に構成される。 さて、レチクルRは駆動部RDにより2次元的に可動なレチクルステージRS
に保持され、レチクルRを装置に対して位置決めするとき等は、不図示のレチク
ルアライメントセンサーでレチクルR上のマークを検出してレチクルステージR
Sをx,y方向に並進移動させるとともに、xy平面内て回転移動させる。 ところで、エキシマレーザ光の波長のもとでレチクルRと共役に配置されたウ
ェハWは、真空吸着により平面度を矯正して保持するウェハホルダーWHに載置
され、このホルダーWHはウェハステージWS上に取り付けられる。ウェハステ
ージWSは水平面(x,y平面)内で2次元的に移動するXYステージと、その
上に光軸AXに沿って上下動するZステージとで構成され、そのZステージの上
にはウェハホルダーWHを微小回転させるθステージが設けられている。これら
XYステージ、Zステージ、θステージは不図示ではあるが駆動部SDにより適
宜所定の動きをするように各々独立に駆動される。図2ではX,Y,Z,θの独
立した駆動機能を1つの駆動部SDに代表して示してある。またZステージはウ
ェハWを上下動させて、投影レンズによるレチクルRのパターン(又はマーク)
像をウェハWのレジスト層に結像させるためのものであり、例えば公知のフォー
カスセンサーAF1,AF2とともに働く。フォーカスセンサーAF1,AF2はウ
ェハ表面の位置がレチクルRの投影像面からどれだけずれているのかを光学式に
計測するもので、ウェハW上の投影領域内にレジスト層を感光させない波長成分
の光を斜入射させる方式のものである。 またウェハWの2次元的な位置、すなわちウェハステージWSの座標位置はレ ーザ光波干渉式測長器(干渉計)18により検出される。図2では干渉計18が
一次元方向にしか示していないが、x方向とy方向との夫々について独立に干渉
計が設けられる。 一方、先に説明したエネルギーモニター35からの出力信号は露光量制御部3
6に入力する。この制御部36はレーザ光のパルス発光が行なわれる毎に、その
パルスの光量を積算して予め設定された適正露光量が得られるように、エキシマ
レーザ発振器1に対してトリガ信号を出力するとともに光量制御器4に所定の制
御信号を出力する。 次に、本実施例の特徴的な部分であるアライメント光学系について説明する。
図1にも示したように前群L1と後群L2の間の瞳EPの位置には小ミラーMが配
置され、光軸AX’に沿って色フィルターFL、検出光学系L3、アライメント
用対物レンズ系40A,40Bが設けられる。本実施例では前群L1と後群L2
よる投影レンズの全系はエキシマレーザ光の波長スペクトルに対して良好に収差
補正される。この際、前群L1は石英のみによってレンズ素子が構成され、後群
2は石英とホタル石とによってレンズ素子が構成される。そして後群L2と検出
光学系L3による合成系は、レジスト層に対して非感光の波長成分、例えば水銀
ランプの緑、黄、橙、赤色のスペクトル領域にある発光スペクトル(輝線)の少
なくとも1つ、又はCW(連続発振)レーザ光の発振スペクトルに対して収差が
補正される。もちろん完全に収差補正されることが望ましいが、露光用のレーザ
光波長とアライメントに使う照明光波長との組み合わせによっては、必らずしも
完全に補正されるとは限らない。この補正の程度はアライメントに支障のない程
度で、ウェハW上のパターン(マーク)が像面IV上で十分解像できていればよ
い。 さて、色フィルターFLはウェハWからの光情報のうち露光用のレーザ光の波
長成分をカットし、アライメント用の光の波長域を通過させるものであり、紫外
域の光によって検出光学系L3や対物レンズ系40A,40B等のガラス材料が
変質することを防ぐ働きもある。このフィルターFL自体が紫外域の光により変
質する場合は、フィルターFLのみを交換可能にしておけばよい。別波長のアラ
イメント用照射光は、光ファイバー43A,43Bによって所定の光源3から導 びかれ、コンデンサーレンズ42A,42B、ビームスプリッタ41A,41B
をそれぞれ介して対物レンズ系40A,40Bに入射し、検出光学系L3を通っ
てミラーMに達し、ここで瞳EPの中心部に相当する領域に照明光が通るように
反射されて後群L2に入射する。別波長の照明光はウェハW上のマーク領域WM
A,WMBの夫々を含む局所領域を照射する。そしてマーク領域WMA,WMB
からの光情報(反射光、又はレジスト層から発生する螢光等)は再び後群L2
小ミラーM、検出光学系L3を介して像面IVに結像する。これら像は対物レン
ズ系40A,40Bによりビームスプリッタ41A,41B介して撮像素子44
A,44Bの各受光面に再結像される。この撮像素子44A(44B)はウュハ
W上のマーク領域WMA(WMB)に形成されたアライメントマークの像を、光
ファイバー43A(43B)からの照明光のもとで検出するとともに、マーク領
域WMA(WMB)の上に塗布されたレジスト層から発生する螢光による像も検
出することができる。レジスト層からの螢光の発生は、本実施例ではレチクルR
のマーク領域RMA,RMBをエキシマレーザ光で照明して投影レンズによりレ
ジスト層にマーク像を投影したときに起きる。すなわち本実施例では、レジスト
層に投影露光されたレチクルRのマークパターンの螢光像と、レジスト層の下地
に形成されているマーク領域WMA,WMBとをミラーM、検出光学系L3、対
物レンズ系40A,40B及び撮像素子44A,44B等から成るアライメント
光学系で検出することにより、レチクルRのパターン領域50とウェハW上の1
つのショット領域CPとを位置合わせするように構成した。 さて、このアライメント光学系は、レチクルR上のマーク領域とウェハW上の
マーク領域との位置が回路パターンのサイズや種類によって異なるため、像面I
V上での観察位置が変えられるようになっている。具体的には対物レンズ系40
A(40B)、ビームスプリッタ41A(41B)、コンデンサーレンズ42A
(42B)、光ファイバー43A(43B)及び撮像素子44A(44B)が一
体になって、像面IVに平行な面内で2次元的に移動、固定できるようにする。 またレジスト層から発生する螢光のスペクトルのうち、アライメントの際の結
像の使われるスペクトルは、光ファイバー43A,43Bから射出される別波長
照明光のスペクトルと一致させるようにした方が色収差補正の点からは望ましい 。そのために、ミラーMから撮像素子44A,44Bまでの光路中に光学的なバ
ンドパスフィルター等を挿入する。光ファイバー43A,43Bの他端に位置す
る光源は図示されてはいないが、必要に応じて光を断続できるような構成(シャ
ッター等)になっている。そして撮像素子44A,44Bとしてはフォトダイオ
ードアレー、ITVカメラ(撮像管、CCD)、又は走査スリットと光検知器の
組み合わせ等を用いることができる。尚、撮像素子は2次元の他に1次元のもの
でも利用でき、この場合は撮像光路を2つに分け、各光路に1次元の撮像素子を
互いに直交する方向(x,y)に伸びるように位置し、該2方向について独立に
一次元の像検出できるように構成する。撮像素子44A,44Bからの各画像信
号は信号処理部45に入力し、検出した像の位置情報に変換される。 さて、中央制御部46は装置全体を総括制御し、アライメントシーケンスや露
光シーケンスも管理する。中央制御部46は干渉系18からの座標情報信号処理
部45からの位置情報等の入力に基づいて、ウェハステージWSのXYステージ
の移動(アライメントのための微動やステップアンドリピート露光時のステッピ
ング)を指令するとともに、フォーカスセンサーAF1,AF2からの位置ずれ情
報の入力に基づいてウェハステージWS内のZステージの移動を指令する。さら
に中央制御部46は露光量制御部36に露光開始指令や適正露光量情報等を送る
とともに、露光量制御部36からは露光状態の情報を受け取る。また中央制御部
46はレチクルRのマーク領域のみを照明するエキシマレーザ光に対するシャッ
ター31に開閉指令を出力するとともに、レチクルRのアライメント時には駆動
部RDに駆動指令を出力する。 図3は、本実施例の装置に装着されるレチクルRのパターン配置を示す平面図
である。図3において矩形のパターン領域50の中心には光軸AXが通るように
設定され、この中心を原点としてxy座標軸を定めたとき、マーク領域RMA,
RMBはパターン領域50の両脇のX軸上に設けられる。マーク領域RMA内に
はアライメント用のマークRXA,RYAが設けられ、マークRXAはy方向に
伸びた複数のスリットをx方向に配列したもので、マークRYAはx方向に伸び
た複数のスリットをy方向に配列したものである。マーク領域RMB内にも同様
のマークRXB,RYBが設けられる。これらマークRXA,RXBはX方向の アライメント(又は位置ずれ)検出に使われ、マークRYA,RYBはy方向の
アライメント(又は位置ずれ)検出に使われる。 図4は上記マークRXA,RXB,RYA,RYBのうちマークRXA,RX
Bを拡大した様子を示す平面図であり、本実施例では5本のスリットパターンR
1,RX2,……RX5で構成され、このスリットパターン部のみが光透過性に
なっている。スリットパターンRX1,RX2,……RX5の各々の幅と長さは同
一に定められ、一定の間隔dsで並んでいるものとする。 図5はウェハW上にステップアンドリピート露光により形成されたショット領
域CPとマーク領域WMA,WMBの配列を示す平面図であり、各ショット領域
CPの両脇のストリート(スクライブ)線上にマーク領域WMA,WMBが形成
される。これらショット領域CPとマーク領域WMA,WMBとは例えば第1層
の露光時に同時に転写されるものである。各マーク領域WMAにはx方向の位置
ずれを検出するためのマークWXAとy方向の位置ずれを検出するためのマーク
WYAとが形成され、マークWMAはy方向に伸びたスリットパターンをx方向
に複数本配列したものであり、マークWYAはx方向に伸びたスリットパターン
をy方向に複数本配列したものである。各マーク領域WMBについても同様のマ
ークWXB,WYBが形成される。 図6はウェハW上のマークWXA,WYA,WXB,WYBのうちマークWX
A,WXBの形状を拡大して示す平面図である。マークWXは4本のスリット状
のパターンWX1,WX2,WX3,WX4で構成され、各パターンWX1〜WX4
ともに同一の幅、長さに定められ、そのピッチも一定に定められる。このパター
ンWX1〜WX4の夫々のx方向の幅は、レチクルR上の寸法に換算したときマー
クRXのスリットパターンRX1〜RX5の間隔dsよりも小さくなるように設定
され、かつパターンWX1〜WX4はレチクルRとウェハWとがアライメントされ
たとき、スリットパターンRX1〜RX5の各スリットの間の遮光部によって完全
に遮へいされるように設計されている。またマークWYA,WYBの構成につい
ても全く同様である。尚、図6の下はマークWXの断面形状を表わし、ここでは
凸状のスリットパターンWX1〜WX4が形成されているものとする。 以上、本実施例の構成を説明したが、上記構成において、アライメント時には
レチクルRのマークRXA,RYA,RXB,RYBのみがエキシマレーザ光で
照明されるように、シャッター31が開かれるとともに光量制御器4は露光用の
エキシマレーザ光を遮断する。そしてパターン領域50のウェハwへの露光時に
はアライメントマークRXA,RYA,RXB,RYBにエキシマレーザ光が照
射されないようにシャッター31が閉じられるとともにブラインド13がマーク
領域RMA,RMBを遮へいするように開口形状寸法が設定される。またアライ
メント時の位置ずれの補正は、ウェハステージWSの駆動部SD、又はレチクル
ステージRSの駆動部RDにより行なわれる。この位置ずれ補正がx方向とy方
向の平行移動だけでよい場合は、投影レンズが雨側テレセントリックであること
を前提として、前群L1中のレチクルR側に位置するフィールドレンズをx,y
方向に微動させるような構成にしても微動なアライメント動作が可能となる。ま
た回転方向のずれ補正についてはショット領域CPの両脇に付随した2つのマー
クWYA,WYBを用いたそれぞれのy方向のずれ量の差により回転誤差量を検
出して、ウェハステージWS内のθステージの駆動、又はレチクルステージRS
の回転駆動を行なえばよい。また投影レンズの瞳EPの中心にミラーMがあるた
め、露光時においてはこのミラーMによって一部のエキシマレーザ光がけられる
ことになり、投影レンズの解像力や像質に影響を及ぼすことになる。しかしなが
ら、瞳EP内にしめるミラーMの面積をある程度よりも小さくすると、実用上は
ほとんど無視できるようになる。これは光学系のOTF特性の設計シミュレーシ
ョンによっても容易に確認することができる。 次に、本実施例におけるアライメント(レチクルRとウェハWとのTTLアラ
イメント)手法を図7、図8、図9を参照して説明する。 図7はレジスト層で塗布されたウエハW上のマークWXに別波長のアライメン
ト用照明光のみを照射したときに撮像素子44A、又は44Bで検出されるマー
クWXの像のx方向の強度分布を示し、これはx方向の走査線SL(図6参照)
に応じた画像信号の波形にも対応している。図7の波形60のように、ウェハW
上のマークのスリットパターンWX1〜WX4に対応する部分の強度が変化し、ボ
トム波形62,63,64,65のようになる。特にマークWX1〜WX4の 各々の段差エッジ部では散乱光が多く発生し、瞳EP内のミラーMに戻ってくる
反射光量が極端に低下する。そこで一定のスライスレベル61と波形60とを比
較してボトム波形62,63,64,65との交点(XW1A,XW1B)を求
め、その交点の中点から各ボトム波形の中心座標値XW1C,XW2C,XW3
C,XW4Cを求める。この値がウェハW上のマークWXの各スリットパターン
の位置である。 図8は、レチクルRのマーク領域のマークRXにエキシマレーザ光を照射し、
マークRX内のスリットパターンRX1〜RX5の像を励起光としてレジスト層に
投影露光したときに生じる螢光像のx方向の強度分布を示す波形図である。この
強度分布は撮像素子44A,44Bにて検出された画像信号にも対応し、マーク
RXのスリットパターンRX1〜RX5の夫々は、波形上のピーク67,68,6
9,70,71に対応する。そこでその画像信号に基づいて所定のスライスレベ
ル67と比較し、各ピークの中心点の座標値XR1,XR2,XR3,XR4,XR
5を求める。 図9はレジストRのマークRXとウェハWのマークWXとが正確にアライメン
トされたときに、マークRXにエキシマレーザ光を照射して螢光像を形成した場
合のウエハWのx方向の断面を示す図である。ウェハWの下地基板79にはマー
クWXのスリットパターンWX1,WX2,WX3,WX4が凸状に形成され、その
上に第1のレジスト層80が形成され、さらにその上に第2のレジスト層81が
形成される。図9に示したレジスト層は所謂多層レジスト構造と呼ばれるもので
ある。レチクルR上のマークRXのエキシマレーザ光による像がウェハ上に投影
されると、この像は第2レジスト層81上で明るいスリット状の螢光発生部LX
1,LX2,LX3,LX4,LX5となる。この図9のようにレチクルRとウェハ
Wが理想的に重ね合わされた時に、レチクルRのスリットパターンRX1〜RX5
の間のスペース部(遮光部)の中点にウェハWのスリットパターンWX1〜WX4
の各々が位置するように設計されているものとすると、ウェハWのマークWXの
撮像中心位置XWcとレチクルRのマークRXの螢光像中心位置XRcはそれぞ
れ次の(1)、(2)式によって算出される。 そして、螢光像を作るためにレチクルRのマークにエキシマレーザ光を照射し
たときに、レチクルRとウェハWとに相対的なずれがあると、そのずれ量ΔXは
(3)式により求められる。 ΔX=XWc−XRc ………(3) このずれ量ΔXはレチクルRとウェハWに対して共通の撮像素子44A,44B
により検出されたものであり、また螢光発光部とマークWXとが同じウェハW上
にあることから、システム上のオフセットは全く含まれない。しかしながら螢光
の波長スペクトルとマークWXを検出するための別波長の照明光スペクトルとの
わずかなちがいによるディストーション誤差、特に倍率色収差が含まれることが
ある。本実施例ではこのディストーション誤差を極力小さくするように光学系の
色収差を捕正するため、実用上はあまり問題にはならない。それはマーク領域R
MAとRMB及びマーク領域WMAとWMBがアライメント時に投影レンズの光
軸AXに対して点対称に配置されることにもよる。また瞳EPの径に対して小さ
な面積のミラーMを介してウェハ面を観察するため、後群L2はウェハW側の最
大のN.A.(開口数)よりもかなり小さなN.A.に制限して使われることに
なり、見かけ上の焦点深度が大きくなることにもよる。 次に、本実施例による装置の全体的な動作について図10のフローチャート図
を参照して説明する。このフローチャート図は主にアライメント露光の動作を表
わし,中央制御部46によって実行されるものである。尚、ウェハW上には図5
に示したようにアライメントマークが形成されているものとする。 まずステップ100でウェハWをその外形を基準としてプリアライメントした
後ウェハステージWS上にローディングし、ステップ101でオフアキレス系の
アライメントセンサー(不図示)を使用してウェハWのグローバルアライメント
を行ない、ステップ102ではウェハW内の最初の露光位置(第1ショット位置
)へウェハステージWSを移動させるべく指示を出し、ステップ103ではウェ ハアライメントの別波長の照明光(光ファイバー43からの光)を点灯する。ス
テップ104ではウェハステージWS用の干渉計18から出力される座標計測値
に基いて所定の露光位置(ショット位置)にウェハステージWSが来ているかど
うかを一定の許容誤差をもって判定し、許容誤差内に入っていなければステップ
105で続けてウェハステージWSの駆動を行なう。 ウェハステージWSが許容誤差内に入ると、ステップ106ではウェハWのア
ライメントマークの画像信号を信号処理部45を介して撮像素子44A,44B
の出力から取り込み、信号波形の特徴からマークWX,WYが検出されたかどう
かをステップ107で判定する。アライメントマークWX,WYが見つからない
場合は、ステップ108でウェハ内の最初の露光ショット位置かどうか判定し、
最初のショット位置ならばステップ101に戻ってグローバルアライメントから
やり直す。そのウェハW上に第2ショット以降ならばステップ109において撮
像素子44A,44Bの信号電送系の増幅度又は、信号有無の判定レベル又はア
ライメント光の照明強度等のアライメント条件を変えてステップ106に戻る。
ステップ107でウェハアライメントマークが検出されたことがわかればステッ
プ110でレチクルアライメントマークRX,RYの照明用のミラーMA,MB
の繰り返し、シャッター31を開けて、TTR(スルーザレチクル)照明系を設
定する。そしてステップ111でウェハアライメントマークWX,WYの画像信
号を再度、撮像素子44A,44Bより取り込んだ次の瞬間に、ステップ112
でエキシマレーザ発振器1のトリガ(発光)と干渉計18からの座標値のラッチ
を同時に行なう。そしてレチクルアライメントマークRX,RYのレジスト層上
の螢光像(LX1〜LX5)に対応した画像信号を撮像素子44A,44Bより取
り込む。エキシマレーザの発光のパルス数は1発で十分な検出信号が得られれば
よいが、十分でなければ続けて複数パルス発光させる。ステップ113で信号処
理部45の働きにより各アライメントマーク間の位置ずれ量を式(1)、(2)
、(3)に基づいて計算して中央制御部46に出力し、ステップ114でウェハ
W又はレチクルRの実際に動かすべき変位量に変換される。ステップ115では
計算された変位量と先にラッチした座標値とに基き、ウェハW又はレチクルRを
移動させる。ステップ116では中央制御部46により指示された変位量だけ 、ウェハW又はレチクルRが移動したかどうかを、例えばウエハWを動かす場合
には干渉計18の出力する座標計測値により判定する。この判定により許容誤差
に入っていなければ再度ファイバー43の照明光を点灯してステップ111へ戻
ってアライメントマークの画像信号の取り込みを行なう。許容誤差内ならばステ
ップ117へ進み別波長の照明光が消灯され、レチクルアライメントマーク照明
用のミラーMA及びMBが退避し、シャッター31が閉成されてTTR照明系が
退避する。そしてステップ118でエキシマレーザ発振器1を発光させて、露光
量制御部36の働きで、必要とされる露光エネルギーが、レチクルRを通してウ
ェハW上のレジスト層に与えられる。ステップ119ではウェハW内のショット
領域のうちの最後のショットであったかどうか判定し、最後のショットでなけれ
ば、ステップ120でウェハステージWSが次の露光位置へ進むよう指示(ステ
ッピング)を出してステップ103に戻り、最後のショットであればステップ1
21でウェハWをウェハステージWSからアンロードする。ステップ122では
アンロードしたウェハWが連続して露光する一連のウェハの最後のウェハであっ
たかどうかを判定し、最後のウェハであれば露光は終了し、そうでなければステ
ップ100へ戻る。 以上のシーケンスの中でステップ103ではウェハアライメント用の別波長の
照明光を点灯状態にしているが、フォトダイオードアレー等の蓄積型の撮像素子
を用い、かつアライメント用の別波長照明光のスペクトルでレジストに対する感
光効果が非常に弱ければ、別波長照明光をはじめから点灯し続けていてもよい。
具体的にはステップ111でウェハ上のマークWX,WYの画像信号を取り込ん
だ時にエキシマレーザ発振器1を発光させて、即座に画像信号の取り込みを行な
うようにすれば、ウェハWとレチクルRの機械的な相対変位が生ずる前に、マー
クWX,WYと螢光像との両方の画像信号をほぼ同時に取り込むことができる。 また以上の第1の実施例の中で図1、図2の対物レンズ系40A,40Bから
撮像素子44A,44Bに至る部分はアライメントマークの検出、計測に用いる
ものとしたが、回路パターンをエキシマレーザ光によって転写中であっても、瞳
EPの中心には小ミラーMが配置されたままなので転写されているパターンの螢
光像を観測するのに使用することもできる。このためウェハW上の下地のパター ンと螢光像との相対位置ずれすなわち実際の重ね合わせ状態を観測するのに用い
ることもできる。 また、図4にレチクルアライメントマークRXの例を示したが、このようなマ
ークによると図9に示すようにウェハW上に投影されるマークRXのスリットパ
ターンの像をウェハW上のアライメントマークWXのスリットパターン部分と重
ならないようにできる。このため異なるレイヤー(焼き付け層)に対するレチク
ルアライメントマークRX中のスリットパターンの幅を、後で焼付けるレイヤー
のレチクル程太くしていけばウェハW上のマークWXをレイヤー毎に移し替える
必要がないのでよい。 また図1、図2におけるミラーMは瞳中心にあって小さいものとしたが、ウェ
ハ上の像の観測に対しては解像度の高い光学系が望まれる為、ミラーMの外径を
大きくし、中心部の投影レンズNAにして例えば0.35に相当する瞳上の部分
はエキシマレーザ光の投影結像の為に穴を開けて中空とし、その周辺部の例えば
NA0.35〜0.45に相当する瞳上の部分をウェハW上の像観測に用いるも
のとしてもよい。このためミラーMは瞳EPの位置に斜設した輪帯状の反射面を
もつとともに、投影レンズのウェハ側のNAはもともとNA0.45程度が必要
となる。また上記シーケンス中のステップ112においで、エキシマレーザ光で
レチクルマークRX,RYの像をレジスト層に転写したとき、レジスト像からの
螢光はごく短時間に消えてしまう。このため、撮像素子44A,44Bによる螢
光像の取り込みは早いタイミングで行なわれる。また別波長の照明光スペクトル
と螢光のスペクトルとが近いか一致していると、螢光像を検出するときウェハW
上のマークWX,WYの像も重畳して検出されることになるが、螢光像は自ら発
光するものであり、マークWX,WYの像はレジスト層の下地からの反射で作ら
れるものであることから、撮像したとき両者にはコントラストができる。 尚、そのコントラストが弱い場合は、螢光像検出時に別波長照明光を消灯して
おけばよい。 また上記シーケンス中には焦点合わせの説明が省かれているが、ウェハWと投
影レンズ後群L2との間隔はギャップセンサーでも均一され、ギャップが一定に
なるように制御されている。 【第2の実施例】 第2の実施例においては図11に示すように前群L1の瞳EP側から見て凹面
になっているレンズL10の片側の凹面M10上に、エキシマレーザ光に対しては反
射防止(高透過率)となるが、アライメント用の別波長の光に対しては部分的反
射を行なうような波長選択性の薄膜が形成される。そしてウェハW上のパターン
(又はマーク)をアライメント光(別波長照明光)で観測する際に結像する光は
、後群L2を上向きに進み、瞳EP全面のうちミラーMの外側を通り、凹面M10
により下向きにミラーMに向けて反射収束され、ミラーMで反射して、検出光学
系L3に入って結像面IV上にウェハ上のパターン(マーク)像を結ぶようにな
っている。従って、別波長照明光、又はレジスト層からの螢光のスペクトルに対
する収差補正は、前群L1中の凹面M10以下のレンズ部分L11と、検出光学系L3
を用いてでき、かつ、ウェハW上のパターン(マーク、螢光像)観測時に利用さ
れる投影レンズのNAは、エキシマレーザ光でパターン投影露光する時のNAと
同じとなって、第1の実施例に対して高解像の観察ができ、従って高精度のアラ
イメント(マーク検出)ができるという特徴がある。また別波長照明光や螢光の
スペクトルに対する収差補正を前群L1の一部のレンズ(L10,L11)を使用し
て行なうことができ、場合によっては、前群L1のうちの凹面M10以下の部分(
例えばL10,L11)に石英以外の光学材料、例えば螢石を用いて収差を良好に補
正することができる。 第2の実施例においてもアライメントマークの形状や配置、装置の動作シーケ
ンスは第1の実施例と同じであるので説明を省略する。尚、第2の実施例におい
て、ファイバー43A,43Bから射出した別波長照明光もミラーMを介して凹
面M10で下向きに反射されてウェハWに達する。 本実施例では、ミラーM以外に凹面M10に形成された波長選択性の薄膜も、本
発明の反射手段に相当し、後群L2、前群L1のレンズ部(L10,L11)反射面M
10、ミラーM及び検出光学系L3との合成系において、別波長照明光や螢光の各
スペクトルに対する収差補正がなされる。 【第3の実施例】 第1、第2の実施例においては、レチクルアライメントマークの投影像はウェ ハWの上にあるレジスト層で生じる螢光像に変換しで観測するものとしたが、第
3の実施例においてはエキシマレーザ光によるアライメントマーク像がレジスト
層に作用して生じるアブレーション(薄減り)の像又は潜像を検出することによ
り行なうものである。光学系及び制御系は第1又は第2の実施例のものを共通に
使用できる。しかしアライメントと露光のシーケンスの一部が異なるので、その
部分について説明する。本実施例においては特にフローチャートを図示しないが
、第1の実施例におけるフローチャート(図10)中のステップ111,112
,113が異なり、ステップ116が省略される。ステップ110までとステッ
プ117以降は図10と同じであるから説明を省略する。ステップ110におい
てレチクルアライメントマーク照明用のミラーMA,MBが出て、シャッター3
1が開き、TTR照明系の設定が終わると、ステップ111においてエキシマレ
ーザ発振器1を発光させてレチクルアライメントマークRX,RYのみを照明し
てウェハW上のレジスト層にマークRX,RYのアブレーション像又は潜像を形
成する。アブレーション像として形成する場合は、レチクルR上のマークRX,
RYの転写時のエキシマレーザ光の1パルス当りの露光エネルギーを大きくした
方が、レジストの膜減りが大きくなってレジスト上に残るレチクルアライメント
マーク像(レチクル層表面が段差となってエッジが形成される)を観測し易くな
る。ステップ112においてはウェハW上のアライメントマークWX,WYと、
レチクルアライメントマークRX,RYのアブレーション又は潜像の光情報に対
応した画像信号を撮像素子44A,44Bにより取り込む。ステップ113にお
いては信号処理部45の働きにより各アライメントマーク間の位置ずれ量を計算
して中央制御部46に出力し、ステップ114でウェハW又はレチクルRの実際
に動かすべき変位量に変換される。ステップ115では計算された変位量に基き
、ウェハW又はレチクルRを移動させる。ステップ117ではレチクルアライメ
ントマーク照明用のミラーMA及びMBが引込み、シャッター31が閉じられて
TTR照明系の退避が行なわれ、アライメント用の別波長照明光が消灯される。 第3の実施例においては、レジスト上に一度レチクルアライメントマークの像
を焼付けてアブレーション像又は潜像としてしまうと、同一位置に再びレチクル
アライメントマークの像を形成できないので、アライメントが終了した位置でア ライメント精度の最終確認を行なえない。しかし、レチクル上にパターンとして
残るので、ゆっくりとした撮像、例えばメカニカルなスリット走査による画像信
号の取り込みができ、また全方位に向けて放射される螢光を用いる第1、第2の
実施例と異なり照明のし方を工夫すればレチクルアライメントマーク像の計測も
コントラストを強調して行なうこともできる。また本実施例において、最終的な
アライメント動作をウェハステージWSを用いて行なうものとすれば、ステップ
112においてエキシマレーザ光を発光させる時のウェハWのアライメントマー
ク又はレチクルアライメントマーク像の計測位置を記録し、ステップ115でウ
ェハWを移動させる時は、ウェハアライメントマーク又はレチクルアライメント
マーク像を撮像素子44A,44Bによって位置計測し続け、補正すべき位置ず
れ量だけウェハWが移動したかどうかを計測し、判定できる。これに対し、第1
又は第2の実施例においては、エキシマレーザ光発光時のウェハアライメントマ
ーク位置を記憶し、その後のウェハアライメントマーク位置の移動を計測すれば
ウェハWの実際の移動量が計測できる。このようにウェハW上のアライメントマ
ーク位置を画像信号に基づいて直接計測した方が、レーザ干渉計18を用いるよ
りも、空気の屈折率揺らぎの影響を受けにくく、アライメント精度は良くなる。 【第4の実施例】 さて、第4の実施例においては図12に示すようにウェハ上のマーク観測にお
いて、暗視野照明可能としたもので、基本的には図11の光学系をベースにして
、別波長照明系200を付加したものである。アライメント光照明用ファイバー
201A,201Bからは第1〜第3の実施例と同様、レジストに対してある程
度の透過性を持ったスペクトルの光(非感光性が望ましい)が射出され、コンデ
ンサーレンズ202A,202Bにより、ウェハW上のアライメントマーク位置
に対応する部分を照明する。レンズ系L4を介して両面が反射面とされたミラー
Mに向かった照明光はミラーMの下面で反射されて後群L2に向かい、ウェハW
上のアライメントマーク領域を照明する。この照明系200はウェハアライメン
トマーク又はレチクルアライメントマークの位置が変わると、それに合わせて照
明場所が変えられるように、ウェハWと共役な像面11に沿ってコンデンサーレ
ンズ202A,202Bが移動する構成となっている。このように瞳EPのミラ ーMの下面の反射を用いるので、ウェハへ向う、照明光とウェハからの結像光と
は瞳上の場所が分離され、照明系200を用いて撮像素子44A,44Bで得ら
れた像は暗視野像となってマークエッジ部が強調され、アライメントマーク位置
の計測が容易になるという特徴がある。尚、本実施例では照明部分を可動とし、
2ケ所を選択的に照明したが、照明の光強度が十分とれ、フレアの問題が生じな
い場合には、ウェハWのアライメントマークが存在し得る領域全体を照明しても
よい。その場合は照明部分をアライメントマーク位置に応じて移動させる必要が
なくなるという利点が生じる。 以上の実施例のうち第2、第4の実施例によれば、ウェハW上で発生する螢光
を効率よく、しかも結像光学系の(後群L2、検出光学系L3等)光軸(主光線)
に対して対称な受光角で受光できるので、ウェハWのアライメントマークとレチ
クルRの像の合致度を直接測定するような場合、例えばProceeding
of SPIE Vol.565の6ページから13ページに開示されたような
螢光検出に用いると良い精度が期待できる。 また以上の全ての実施例において、アライメントマーク観測位置は投影レンズ
の視野内の2つの部分のみとして説明したがそれ以上の部分に対して観測するよ
うな構成も可能である。 例えば、アライメント用の結像光学系(合成系)において収差の補正が完全に
補正できないような場合、露光領域の周辺の少なくとも3ケ所以上の点でサジタ
ル方向(光軸AXに対して放射方向)にアライメントマークの位置ずれを検出す
るような構成にする必要がある。 また本発明の各実施例においては、投影レンズの後群L2とミラーM(又は反
射凹面M10)と検出光学系L3とによる合成系において、別波長の光に対して収
差補正されるとしたが、後群L2のみに対して色収差捕正するようにしても、結
果的には上記合成系において収差補正されているのと実質的に同一のことである
。さらに各実施例に示した検出光学系L3(像面IVを作りだすこと)は必ずし
も必要ではなく、対物レンズ系40A,40Bが瞳EPのミラーMを直接観察す
る瞳像抽出式のアライメント系の場合でも、本発明を同様に適用できる。この場
合は対物レンズ系40A,40Bが本発明の検出光学系に相当し、投影レンズの 後群L2のみに関して別波長の光に対しても収差補正が行なわれる。このような
瞳像抽出式の場合は、マーク、又は螢光発光部を像として検出することはできな
いため、照明光をスポットにして走査するための走査手段等が必要となる。 さらに本発明においては、アライメント用の別波長照明光としてCWレーザ等
の単色光だけでなく、ハロゲンランプ、水銀ランプ等のスペクトル幅の広い光も
用いることができるので、反射率が高くかつ粒子性のあるアルミニウム層で覆わ
れたウェハWに対してアライメントマーク検出する場合、レジスト膜厚変化によ
る干渉や粒子性によるスペックルの影響を防止でき、従って精度のよいアライメ
ントマーク検出を行なうことができるという利点もある。 また本発明によれば撮像素子としてのアライメント用に用いるものは紫外光用
のものは必要ではなく、可視用のものでよいので安価で感度が良く、経時変化や
紫外光による感度変動がない撮像素子(光電素子)を用いることができ、後群L
2以外のアライメント光学系は可視域でも構成できるので、レンズ材料が多くの
種類から選択できて光学設計も容易で、光学系の調整も行ない易いという利点が
ある。 尚、本発明は、紫外域のエキシマレーザ光を用いた投影結像式のアライメント
装置に対して最も効果を発揮するが、その他のスペクトル領域を用いた結像光学
系を組み込んだアライメント装置又は投影光学装置に対しても適用すれば良好な
アライメント精度を得ることができ有用である。 【発明の効果】 以上のように本発明によれば、パターン転写用の投影光学系の結像性能を下げ
ることなく、エキシマ等の第1波長の光に関して吸収の激しいレジスト層を透過
するスペクトルの第2波長の光に対して収差捕正された光学系を用いてアライメ
ントずれをスルーザレンズで高精度に計測できるので高いアライメント精度が達
成されるという効果がある。本発明はレチクルパターンの転写にあたってスペク
トル幅を狭帯域化したエキシマレーザ光(第1波長光)について収差補正された
投影光学を用いたスレーザレンズアライメントを可能としただけでなく、広帯域
で自然発振するエキシマレーザ光に対して色消し(収差補正)された投影光学系
を用いて、他のアライメント用スペクトル光(第2波長光)についても色消しさ れた光学系(合成系又は後群L2)を設けるため高精度なアライメント手段とし
て適用できる。 また本発明のアライメントマーク観測系を用いて、回路パターンの露光中にも
ウェハアライメントマーク位置を計測することができ、露光中にウェハWが移動
しないかどうかのチェックできるだけでなく、ウェハアライメントマークの位置
信号をウェハステージWSやレチクルステージRSの駆動系のサーボ系にフィー
ドバックしてウェハWの位置(レチクルRの投影像とウェハWとの相対的位置)
の安定化にも使用できるので、ウェハステージWSの移動によるアライメント精
度劣化や解像力低下も防ぐことができて有効である。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1の実施例による投影光学装置の主要な光学系の配置を示す斜視図
。 【図2】 第1実施例による投影光学装置の全体の構成を示す図。 【図3】 レチクル上のパターン、マークの配置を示す平面図。 【図4】 レチクル上のマークの拡大平面図。 【図5】 ウェハ上のショット領域とマークとの配置を示す平面図。 【図6】 ウェハ上のマークの拡大平面図。 【図7】 ウェハ上のマークを光電検出したときの波形図。 【図8】 レジストから生じるレチクルマーク転写像に対応した螢光像を光電検出したと
きの波形図。 【図9】 アライメント時におけるウェハ上のレジストの様子を示すウェハ断面図。 【図10】 第1実施例の装置による動作シーケンスを示すフローチャート図。 【図11】 本発明の第2の実施例による投影光学装置の光学配置を示す図。 【図12】 本発明の第4の実施例による投影光学装置を示す図。 【主要部分の符号の説明】 R・・・レチクル、W・・・ウェハ、L1・・・投影レンズの前群、L2投影レン
ズの後群、EP・・・瞳、M・・・ミラー、L3・・・検出光学系、IV・・・
像面、1・・・エキシマレーザ発振器、43A,43B,201A,201B・
・・別波長の照明光用のファイバー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定の第1パターンを有する第1基板を投影用の第1照明光で
    照射し、前記第1パターンの像を投影光学系を介して第2基板に投影するととも
    に、前記第1基板と第2基板との位置合わせのために、前記第1照明光と異なる
    波長成分の第2照明光で前記第2基板を照射する装置において、 前記投影光学系のほぼ瞳位置に配置されて、前記第2照明光の照射により前記
    第2基板に形成された第2パターンから発生して前記投影光学系に入射してきた
    光情報を取り出す反射手段と、 該取り出された光情報を入射して前記第2パターンを検出する検出光学系とを
    有し、 前記第1照明光はエキシマレーザであり、前記投影光学系は前記エキシマレー
    ザの波長域に対して収差がほぼ補正されるとともに、前記投影光学系のうちで前
    記反射手段から前記第2基板側に位置する光学系は前記第2照明光の波長成分に
    対して収差がほぼ補正されていることを特徴とする投影光学装置。 【請求項2】 前記投影光学装置は、前記第2基板の表面に形成された感光層
    に対して透過性を有する光を前記第2照明光として射出するアライメント用照明
    系を有し、前記第2照明光は前記検出光学系と前記反射手段とを介して前記第2
    基板に照射されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。 【請求項3】 前記投影光学装置は、前記第2基板に前記第1パターンの像を
    投影するために、前記感光層を感光させ得る波長成分の光を前記第1照明光とし
    て前記第1基板へ射出する投影用照明系を有し、前記感光層に投影された前記第
    1パターンの潜像、アブレーション像、もしくは前記第1パターンの像に対応し
    た蛍光像、リン光像を検出するとともに、該感光層の下地に形成された前記第2
    パターンの像を検出することを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の装置。

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