本発明は、一般には、露光装置に係り、特に、紫外線や極端紫外線(EUV:extreme ultraviolet)光を利用して半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などの被処理体を投影露光する反射型投影光学系、当該投影光学系を有する露光装置、並びに、デバイス製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなっている。例えば、マスクパターンに対するデザインルールはライン・アンド・スペース(L&S)0.1μm以下の寸法像を広範囲に形成することが要求され、今後は更に80nm以下の回路パターン形成に移行することが予想される。L&Sは、露光においてラインとスペースの幅が等しい状態でウェハ上に投影された像であり、露光の解像度を示す尺度である。
半導体製造用の代表的な露光装置である投影露光装置は、マスク(レチクル)上に描画されたパターンをウェハに投影露光する投影光学系を備えている。投影露光装置の解像度(正確に転写できる最小寸法)Rは、光源の波長λと投影光学系の開口数(NA)を用いて次式で与えられる。
従って、波長を短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、解像度はよくなる。近年では、解像度はより小さい値を要求されNAを上げるだけではこの要求を満足するには限界となっており、短波長化により解像度の向上を見込んでいる。現在では、露光光源は、KrFエキシマレーザー(波長約248nm)及びArFエキシマレーザー(波長約193nm)からF2レーザー(波長約157nm)に移行しており、更には、EUV(extreme ultraviolet)光の実用化も進んでいる。
しかし、光の短波長化が進むと光が透過する硝材が限られてしまうために屈折素子、即ち、レンズを多用することは難しく、投影光学系に反射素子、即ち、ミラーを含めることが有利になる。更に、露光光がEUV光になると利用できる硝材は存在しなくなり、投影光学系にレンズを含めることは不可能となる。そこで、投影光学系をミラー(例えば、多層膜ミラー)のみで構成する反射型投影光学系が提案されている。
反射型投影光学系においては、ミラーにおける反射率を高めるために反射した光が強め合うようミラーには多層膜が形成されているが、光学系全体での反射率を高めるためにできるだけ少ない枚数のミラーで構成することが望ましい。また、マスクとウェハの機械的な干渉を防止するため、マスクとウェハが瞳を介して反対側に位置するよう投影光学系を構成するミラーの枚数は偶数枚であることが望ましい。
更に、EUV露光装置に要求される線幅(解像度)が従来の値より小さくなってきたためNAを上げる必要があるが(例えば、波長13.5nmにおいてNA0.2)、従来の3枚乃至4枚のミラーでは、波面収差を減らすことが困難である。そこで、波面収差補正の自由度を増やすためにもミラーの数を6枚程度にする必要が生じてきており(以下、本出願では、かかる光学系を6枚ミラー系と称する場合もある。)、この種の6枚ミラー系が数多く提案されている(例えば、特許文献1及び8参照。)。
特許文献1には、6枚ミラー系の典型的な反射型投影光学系が2つ開示されている。かかる反射型投影光学系は、物体面からの入射光を受け、凹面形状の第1の反射面、凹面又は凸面形状の第2の反射面、凸面形状の第3の反射面、凹面形状の第4の反射面の4枚のミラーで中間像を形成し、かかる中間像を凸面形状の第5の反射面及び凹面形状の第6の反射面を介して像面上に再結像させている。また、第2の反射面上に開口絞りを配置している。
特許文献2には、6枚ミラー系の典型的な反射型投影光学系が3つ開示されている。かかる反射型投影光学系は、物体面からの入射光を受け、凹面形状の第1の反射面及び凹面形状の第2の反射面の2枚のミラーで中間像を形成し、かかる中間像を凸面形状の第3の反射面、凹面形状の第4の反射面、凸面形状の第5の反射面、凹面形状の第6の反射面を介して像面上に再結像させている。また、第1の反射面と第2の反射面の光路の間に配置している。
更には、特許文献3乃至8にも、同様の光学系が開示されている。
米国特許第6033079号
国際公開第02/48796号パンフレット
国際公開第03/5097号パンフレット
米国公開公報2003/0076483号公報
特開2001−181580号公報
米国特許第6172825号
特開2002−6221号公報
国際公開第02/48796号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示されている光学系は、開口絞りが第2の反射面と一致しているために、第4の反射面の有効径が大きくなってしまうという問題を生じる。それは、ミラー表面に施された多層膜に起因する。多層膜の特性から、光線の入射角度(光線と反射面の法線との成す角)は小さくした方がよい。また、反射型投影光学系では、NAを大きくし解像度を高めるために第6の反射面の有効径が大きくなっており、そこでケラレを防ぐためには光軸から離れた位置に第4の反射面を配置する必要がある。特許文献1に開示されている光学系は、第2の反射面と開口絞りとが一致しているために、第3の反射面のみで光軸から離れた位置に配置された第4の反射面に光束を導く必要がある。また、上述したように、入射角を抑える必要があるために、第3の反射面と第4の反射面との距離を大きくしなければならない。従って、第4の反射面上での光束の広がりが大きくなりすぎ、最大有効径が700mmと非常に大きくなっており、加工計測の困難な系となっている。
特許文献2に開示されている光学系は、第1の反射面及び第2の反射面が凹面形状であり、物体面に近い面で強く光束を集光させる傾向がある。従って、第3の反射面付近に中間像が形成され、第3の反射面上での光束の広がりが小さくなってしまう。このような場合、加工工程で形成されるミラー表面のうねりや、ミラー材質中の気泡などが結像性能の劣化につながってしまう問題が生じる。また、エネルギーの集中によって反射面の温度が上昇して形状が変化したり、ミラー表面のゴミをウェハ上に転写してしまう等の問題も生じる。
更に、特許文献2に開示されている光学系は、開口絞りから光軸から離れた位置に配置された第4の反射面に光束を導く際に、第2の反射面と第3の反射面の2枚を使用して段階的に光束を導いている。しかしながら、第2の反射面が凹面形状であるために、第2の反射面から第3の反射面に向かう光束が光軸に近づく傾向があり、光軸から離れた位置に配置された第4の反射面に光束を導きにくいという問題がある。
そこで、本発明は、EUVリソグラフィーに適用可能で、入射角度を抑えながら、反射鏡の最大有効径及び全長が小さく、反射鏡上で光束が適度な広がりを有し、結像性能に優れた反射型投影光学系、当該反射型投影光学系を有する露光装置、並びに、デバイス製造方法を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面としての反射型投影光学系は、物体面上のパターンを像面上に縮小投影する反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を、凹面形状の第1の反射面、凸面形状の第2の反射面、凸面形状の第3の反射面、凹面形状の第4の反射面、凸面形状の第5の反射面、凹面形状の第6の反射面の順に反射するように、前記物体面と前記像面との間に配置されている6つの反射面で構成され、前記第1の反射面と前記第2の反射面との間の光路に配置されている開口絞りを有し、前記第4の反射面と前記第5の反射面との間の光路に前記パターンの中間像を形成し、前記6つの反射面は、前記6つの反射面の曲率中心が光軸上に並ぶように配置され、前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする球面と前記光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点としたとき、前記6つの反射面の面頂点は、前記光軸に沿って前記物体面側から前記像面側に向かって、前記第4の反射面、前記第2の反射面、前記第3の反射面、前記第1の反射面、前記第6の反射面、前記第5の反射面の順に並んでおり、前記物体面と前記物体面に最も近い面頂点との間隔L1と、前記物体面に最も近い面頂点と前記第1の反射面の面頂点との間隔L2は、0.75<L1/L2<1.25の関係を満足し、前記光軸上における前記物体面と前記像面との距離Lallと、前記第2の反射面の面頂点と前記第4の反射面の面頂点との間隔L24は、Lall/200<L24<Lall/10の関係を満足することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、光源からの光を用いて物体面上のパターンを照明する照明光学系と、前記物体面上のパターンを像面上に縮小投影する上述の反射型投影光学系とを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とする。
本発明の他の目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、EUVリソグラフィーに適用可能で、入射角度を抑えながら、反射鏡の最大有効径及び全長が小さく、反射鏡上で光束が適度な広がりを有し、結像性能に優れた反射型投影光学系、当該反射型投影光学系を有する露光装置、並びに、デバイス製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面である反射型投影光学系について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本発明の例示的一態様である反射型投影光学系の理解を深めるために、本発明の反射型投影光学系の特徴的な事項について説明する。
本発明の反射型投影光学系は、物体面上のパターンを像面上に縮小投影する反射型投影光学系であって、前記物体面から、第1の反射面、凸面形状の第2の反射面、凸面形状の第3の反射面、第4の反射面、第5の反射面、第6の反射面の順に光を反射するような6つの反射面と、前記第2の反射面と前記第3の反射面との間に配置された開口絞りとを有し、前記6つの反射面は、前記6つの反射面の曲率中心が実質的に所定の光軸上に並ぶように配置され、前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記所定の光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点としたとき、前記物体面と前記物体面に最も近い面頂点との間隔(即ち、前記6つの反射面の6つの面頂点のうち、最も前記物体面に近い面頂点と前記物体面との距離)L1と、前記物体面に最も近い面頂点と前記第1の反射面の面頂点との間隔L2は、以下の数式2で示される関係を満足する。
また、本発明の別の反射型投影光学系は、物体面上のパターンを像面上に縮小投影する反射型投影光学系であって、中間像を形成する結像系であり、前記物体面から、第1の反射面、第2の反射面、凸面形状の第3の反射面、第4の反射面、第5の反射面、第6の反射面の順に光を反射するような6つの反射面と、前記第2の反射面と前記第3の反射面との間に配置された開口絞りとを有し、前記6つの反射面は、前記6つの反射面の曲率中心が実質的に所定の光軸上に並ぶように配置され、前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記所定の光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点としたとき、前記物体面と前記物体面に最も近い面頂点との間隔(即ち、前記6つの反射面の6つの面頂点のうち、最も前記物体面に近い面頂点と前記物体面との距離)L1と、前記物体面に最も近い面頂点と前記第1の反射面の面頂点との間隔L2は、上述の数式2で示される関係式を満足する。
ここで、前記第1の反射面が凹面形状であることが望ましい。また、前記第4の反射面が凹面形状であることが望ましい。更に、前記第4の反射面から前記第5の反射面の光路の間に中間像を形成することが望ましい。
また、前記6つの反射面のうち光線の入射角の最大値が最も大きい反射面における最大入射角θmaxと、入射角度幅Δθが、以下の数式3で示される関係を満足することが望ましく、より好ましくは以下の数式4で示される関係を満足することが望ましい。
更に、前記6つの反射面は、前記6つの反射面の曲率中心が実質的に所定の光軸上に並ぶように配置され、前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記所定の光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点としたとき、前記物体面と前記物体面に最も近い面頂点との間隔L1と、前記物体面に最も近い面頂点と前記第1の反射面の面頂点との間隔L2は、以下の数式5で示される関係を満足することが望ましい。
なお、物体面とは、物体が配置された面のことであり、距離L1を詳細に定義すると、前記物体面と前記光軸との交点と前記面頂点のうち前記物体面に最も近い面頂点との距離のことである。
また、前記6つの反射面が、それぞれの光入射領域内に光を通過、吸収、若しくは、透過させる領域を有さないことが望ましい。また、前記物体面から前記像面に至るある光線の光路において、前記第2の反射面から前記第3の反射面に入射する光路と、前記第4の反射面から前記第5の反射面に入射する光路とが交差しないことが望ましい。また、前記第1の反射面、前記第2の反射面、前記第3の反射面、前記第4の反射面、前記第5の反射面及び前記第6の反射面のそれぞれの曲率中心が実質的に所定の光軸上に並ぶように、前記6つの反射面が配置されていることが望ましい。
更に、前記6つの反射面のうち光線の入射角の最大値が最も大きい反射面内の前記物体面上の円弧形状の照明領域からの光が入射する光入射領域と、前記物体面上の円弧形状の照明領域の弦の中心点と前記光軸とを含む平面との交線において、前記交線上の点の前記光軸からの距離の最小値及び最大値をLmin及びLmaxとしたとき、前記交線上のLmin+0.3×(Lmax−Lmin)以上Lmax以下の領域内で、前記交線上の各点における最大入射角度が極値を有することが望ましい。ここで、前記光線上の(Lmax+Lmin)/2±0.2×(Lmax−Lmin)の領域内で、前記光線上の各点における最大入射角度が極値を有することが望ましい。
また、前記6つの反射面のうち光線の入射角の最大値が最も大きい反射面が、前記第3の反射面であることが望ましい。
更に、前記6つの反射面のうち光線の入射角の最大値が最も大きい反射面は凸面形状であり、かかる反射面に収束光束が入射し、かかる反射面から発散光束が射出することが望ましい。
更に、前記物体面上の円弧形状の照明領域の中心(重心)と光軸を含む平面と前記照明領域との交線の中心から発する光束が前記第4の反射面に入射する光入射領域の、前記光軸からの距離の最大値と最小値の差が30mm以上であることが望ましい。ここで、より好ましくは、前記物体面上の円弧形状の照明領域の中心と光軸を含む平面と前記照明領域との交線の中心から発する光束が前記第4の反射面に入射する光入射領域の、前記光軸からの距離の最大値と最小値の差が40mm以上であることが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心(反射面が球面の場合は、かかる反射面の曲率中心を意味し、反射面が非球面の場合は、かかる反射面の非球面成分を除去した球面の曲率中心を意味する。)を中心とし前記各々の反射面の曲率半径(前記各々の反射面が非球面の場合、各々の反射面の非球面成分を除去した球面の曲率半径)を半径とする略球面と前記光軸との交点のうち、前記各々の反射面における前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、前記6つの反射面の面頂点が、光軸に沿って前記物体面から前記像面に向かって、前記第4の反射面、前記第2の反射面、前記第3の反射面、前記第1の反射面、前記第6の反射面、前記第5の反射面の順に配置されることが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記光軸との交点のうち、前記各々の反射面における前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、前記6つの反射面のうち前記物体面に最も近い反射面の面頂点と前記物体面との距離が250mm以上、より好ましくは、310mm以上であることが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記光軸との交点のうち、前記各々の反射面における前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、前記第2の反射面の面頂点と前記第4の反射面の面頂点との光軸上での距離が5mm以上であることが望ましい。ここで、前記第2の反射面と前記第4の反射面との光軸上での距離が10mm以上、より好ましくは、15mm以上であることが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記所定の光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とし、前記所定の光軸上における前記物体面と前記像面との距離をLallとするとき、前記第2の反射面の面頂点と前記第4の反射面の面頂点との間隔L24は、以下の数式6で示される関係を満足することが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記光軸との交点のうち、前記各々の反射面における前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、前記第6の反射面の面頂点と前記第6の反射面の最近接反射面の面頂点との光軸上での間隔が110mm以上、より好ましくは、115mm以上であることが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記所定の光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とし、前記所定の光軸上における前記物体面と前記像面との距離をLallとするとき、
前記第6の反射面の面頂点と前記第6の反射面の最近接反射面の面頂点との光軸上での間隔L6は、以下の数式7で示される関係を満足することが望ましく、より好ましくは、以下の数式8で示される関係を満足することが望ましい。
前記6つの反射面の各々の反射面に関して、前記各々の反射面の曲率中心を中心とし前記各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と前記所定の光軸との交点のうち、前記各々の反射面の前記光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、前記第3の反射面の面頂点が、前記第6の反射面の面頂点よりも前記物体面側であることが望ましい。
前記第3の反射面は、前記第6の反射面よりも前記物体面側に近い位置に配置されていることが望ましい。
前記第2の反射面の曲率半径の絶対値は、1800mm以下であることが望ましく、より好ましくは、1600mm以下であることが望ましい。
前記6つの反射面のいずれとも一致しない位置に前記パターンの中間像を形成することが望ましい。
前記物体面上のパターンの中間像は、前記6つの反射面のうち前記光の光路において隣り合う2つの反射面の間に形成され、前記2つの反射面の間の光路長をLimとするとき、前記中間像が前記2つの反射面に対してLim×0.35以上、より好ましくは、Lim×0.4以上離れていることが望ましい。
光路に沿った距離で、前記開口絞りの位置が前記6つの反射面のうち前記第2の反射面に最も近いことが望ましい。
前記開口絞りは、前記第1の反射面と前記第2の反射面との間に配置され、前記第1の反射面と前記第2の反射面との間の光路長をLstとしたとき、前記開口絞りが前記第1の反射面及び第2の反射面からLst/10以上、より好ましくは、Lst/5以上離れていることが望ましい。
前記開口絞りは、前記第1の反射面と前記第2の反射面との間の光路上に配置されていることが望ましい。
前記6つの反射面は、前記物体面から前記像面の間に配置される(前記6つの反射面が前記物体面、若しくは、かかる物体面を含む物体面側平面と前記像面、若しくは、かかる像面を含む像面側平面との間に配置される)ことが望ましい。
前記反射型投影光学系の光学パワーを有する全ての光学素子は、前記物体面から前記像面の間に配置されることが望ましい。
前記6つの反射面のうち少なくとも1つは、EUV光を反射する多層膜を有する非球面ミラーであることが望ましい。
前記6つの反射面の全ては、EUV光を反射する多層膜を有する非球面ミラーであることが望ましい。
前記反射型投影光学系で用いる光は、波長が10nm以上20nm以下、より好ましくは、13nm以上14nm以下のEUV光であることが望ましい。
前記物体面側が非テレセントリックであることが望ましい。より好ましくは、前記像面側が実質的にテレセントリックであることが望ましい。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の反射型投影光学系を具体的に説明する。図1は、本発明の反射型投影光学系100の例示的一形態及びその光路を示した概略断面図である。図2は、図1に示す反射型投影光学系100の別の形態を示した反射型投影光学系100A及びその光路を示す概略断面図である。図3は、図1に示す反射型投影光学系100の更に別の形態を示した反射型投影光学系100B及びその光路を示す概略断面図である。図4は、図1に示す反射型投影光学系100の更に別の形態を示した反射型投影光学系100C及びその光路を示す概略断面図である。図5は、図1に示す反射型投影光学系100の更に別の形態を示した反射型投影光学系100D及びその光路を示す概略断面図である。図6は、図1に示す反射型投影光学系100の更に別の形態を示した反射型投影光学系100E及びその光路を示す概略断面図である。なお、以下の説明において特に断らない限り、反射型投影光学系100は、反射型投影光学系100A、100B、100C、100D及び100Eを総括するものとする。
図1乃至図6を参照するに、本発明の反射型投影光学系100は、物体面(例えば、マスク面)MS上のパターンを像面(例えば、基板などの被処理体面)W上に縮小投影する反射型投影光学系であって、特に、EUV光(例えば、波長10nm乃至15nm、より好ましくは、波長13.4nm乃至13.5nm)に好適な光学系である。
反射型投影光学系100は、6つの反射鏡を有し、基本的に、物体面MS側から光を反射する順番に、第1の反射鏡(凹面鏡)M1と、第2の反射鏡(凸面鏡)と、第3の反射鏡(凸面鏡)と、第4の反射鏡(凹面鏡)と、第5の反射鏡(凸面鏡)と、第6の反射鏡(凹面鏡)とを有し、第1の反射鏡M1(の反射面)と第2の反射鏡M2(の反射面)との光路の間に開口絞りASが配置されている。ここで、6つの反射鏡(の反射面)の各々の曲率中心を結ぶ直線を光軸AXと称する。但し、6つの反射鏡の曲率中心は必ずしも一直線上に並んでいるとは限らず、収差補正を目的として所定の反射鏡の曲率中心が光軸AXから微小にずれる(例えば、その反射鏡の曲率半径の1%以下)場合もある。また、反射鏡の曲率中心とは、反射鏡が球面ではなく非球面の場合、非球面のベースとなっている球面の曲率中心のことを意味し、反射鏡の曲率半径とは、同様に、非球面のベースとなっている球面の曲率半径のことを意味する。
反射型投影光学系100は、物体面(マスクのパターン面)MSから像面に至るある光線の光路において、第2の反射鏡M2(の反射面)から第3の反射面M3(の反射面)に入射する光路と、前記第4の反射鏡M4(の反射面)から第5の反射面M5(の反射面)に入射する光路とが交差しないように構成している。これにより、有効径が大きい反射面が2つ以上できてしまうことを回避し、光路が複雑になることによって部材の配置が困難になることを防止している。
また、加工及び計測がより容易となるように、第2の反射鏡M2(の反射面)の曲率半径の絶対値が1800mm以下、より好ましくは、1600mm以下となるように構成する。
更に、反射型投影光学系100は、中間像IMを第4の反射鏡M4(の反射面)と第5の反射鏡M5(の反射面)との間に形成している。これにより、有効径の大きな第6の反射鏡M6(の反射面)の横で光束を絞ることが可能となり、よりケラレにくい構成となる。
また、中間像IMは、6つの反射鏡(の反射面)のいずれとも一致しない位置に形成されている。物体面MS上のパターンの中間像IMが6つの反射鏡(の反射面)のうち光の光路において隣り合う2つの反射面の間に形成されており、かかる2つの反射面間の光路長をLimとするとき、中間像IMは2つの反射面のいずれに対してもLim×0.35以上離れている。ここで、中間像IMが2つの反射面のいずれに対してもLim×0.4以上離れるように構成するとなおよい。これにより、反射面上での光束の広がりが適度に大きくなり、反射面上のゴミやうねり、ミラー材質中の泡などによる結像性能の劣化を抑えることができる。
ここで、反射型投影光学系100は、第1の反射鏡M1(の反射面)、第2の反射鏡M2(の反射面)、第3の反射鏡M3(の反射面)、第4の反射鏡M4(の反射面)、第5の反射鏡M5(の反射面)及び第6の反射面M6(の反射面)のそれぞれの曲率中心が、実質的に光軸AX上に並ぶように、6つの反射鏡を配置している。なお、曲率中心とは、反射面が実質的に球面の場合、かかる球面の曲率中心を意味するが、反射面が実質的に非球面である場合、かかる非球面の非球面成分を除去して求められる球面の曲率中心を意味するものとする。換言すれば、反射面の回転中心の軸(反射面が球面の場合、かかる球面の中心を通る全ての直線が回転中心の軸となり、その軸のいずれを意味してもよい。一方、反射面が非球面の場合、反射面を含む回転対称な非球面の回転中心の軸のことを意味する。)近傍の曲率に基づいた曲率中心を意味する。
また、反射型投影光学系100は、物体面MSから第1の反射鏡M1に入射する光線が非テレセントリックであり、且つ、像面Wの射出光線がテレセントリックであることも特徴とする。例えば、照明光学系によって物体面MSに配置されたマスクを照明し、その像を像面Wである被処理体上に結像するためには、物体面MS側はある入射角を有することが必須となる。一方、像面W側は、例えば、像面Wに配置されるウェハが光軸方向に移動しても倍率の変化を少なくするために、テレセントリックにすることが望ましい。
また、本発明の反射型投影光学系100は、基本的には、1本の光軸の回りに軸対称な共軸光学系であり、光軸を中心とした狭いリング状の領域でのみ収差を補正すればよい。但し、収差補正上又は収差調整上、反射型投影光学系100を構成する6つの反射鏡が完全な共軸系となるように配置される必要はなく、若干の偏心をさせて収差を改善したり、配置上の自由度を向上させたりしてもよい。
NAを大きく、且つ、バックフォーカスを保って結像させるためには、第5の反射鏡M5を凸面鏡、第6の反射鏡M6を凹面鏡にすることが好ましい。また、第1の反射鏡M1は、物体面MSからの発散光を収束させ、光束の取り回しを容易にするために凹面鏡であることが好ましい。また、第4の反射鏡M4は、有効径の大きな第6の反射鏡M6を避けて光軸に近い第5の反射鏡M5に光束を導くために凹面鏡であることが好ましい。
また、反射型投影光学系100は、物体面MSから像面Wの間に全ての反射鏡(即ち、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6)が配置されており、マスクステージ及びウェハステージの配置が容易である。
一般には、有効径の大きな第6の反射鏡M6でのケラレを防ぐために、第4の反射鏡M4は、光軸から離れた位置に配置しなければならない。本実施形態では、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しており、更に、第3の反射鏡M3に加えて第2の反射鏡M2も凸面鏡としている。これにより、光束を開口絞りASから第4の反射鏡M4に導くとき、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3の2つの反射面を用いて段階的に第4の反射鏡M4に導くことが可能となり、第3の反射鏡M3と第4の反射鏡M4との距離を極端に大きくしなくてもよい。従って、入射角を小さく保つと共に、第4の反射面M4の広がりを抑え、最大有効径が比較的小さな系を構成することができる。更に、フロントフォーカス(本実施形態では、物体面MSから第4の反射鏡M4までの距離)を適度に大きくすることができるため、部材の配置が容易である。
更に、入射角度を比較的小さくし、比較的小さな最大有効径で十分なフロントフォーカスを有する系を構成するためには、物体面MSから物体面MSの最近接反射面との距離(本実施形態では、物体面MSから第4の反射面M4までの距離であるが、これに限定するものではなく、例えば、物体面MSから第2の反射鏡M2までの距離としてもよいし、物体面MSから第2の反射鏡M2又は第4の反射鏡M4以外の反射鏡までの距離としてもよい。)をL1、物体面MSの最近接反射面から第1の反射鏡M1との距離をL2とするとき、0.75<L1/L2<1.25、より好ましくは、0.90<L1/L2<1.1を満たすようにすればよい。
また、マスクへの斜め入射の影響によって結像特性の劣化が生じる問題があり、かかる問題を回避するためには、物体面MS側のテレセン度を小さくする必要がある。この場合、第2の反射鏡M2と開口絞りASが一致していたのでは、第2の反射鏡M2で物体面MSから第1の反射鏡M1に入射する光束がケラレることになってしまう。反射型投影光学系100では、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているために、上述の問題が起こりにくくなっている。
反射鏡上での光束の広がりが小さい場合、加工時に生じる反射面の表面のうねりや、ミラー材質中の気泡が結像性能の劣化に直接影響してしまう問題が生じる。また、エネルギー集中による反射面の変形やゴミを転写してしまう問題も生じる。これらの問題を解決するために、反射型投影光学系100は、物体面MS上の円弧形状の照明領域の中心(重心であってもよいし、若しくは、円弧形状の円周方向に関する中心線上の中心点であってもよい。)と光軸を含む平面と照明領域との交線の中心から発する光束が第4の反射鏡M4に入射する光入射領域の、光軸からの距離の最大値と最小値との差が30mm以上、より好ましくは、40mm以上となるように構成している。但し、光軸からの距離の最大値と最小値との差が極端に大きい場合は、加工計測が困難となる。反射型投影光学系100は、上述したように、第3の反射鏡M3と第4の反射鏡M4との距離を比較的小さくしており、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが小さくなる傾向にあるが、第2の反射鏡M2と第3の反射鏡M3を共に凸面鏡とすることで、光束を適度に広げて各反射面上に入射させることができ、第4の反射鏡M4上での光束の広がりを適度なものにしている。
第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6の曲率半径をr1乃至r6とした場合、以下の数式9及び10で示すようなペッツバール項の和がゼロかほぼゼロになることが必要である。
反射型投影光学系100は、6つの反射鏡で構成されているが、少なくとも1枚以上が非球面であればよく、かかる非球面の形状は、以下の数式11に示す一般的な非球面の式で表される。但し、反射鏡を非球面で構成することは収差を補正する上で好ましいという長所を有しており、できるだけ多くの反射鏡(好ましくは、6つ)を非球面で構成するとよい。
数式11において、Zは光軸方向の座標、cは曲率(曲率半径rの逆数)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A、B、C、D、E、F、G、H、J、・・・は各々、4次、6次、8次、10次、12次、14次、16次、18次、20次、・・・の非球面係数である。
第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6の表面には、EUV光を反射させる多層膜が施されており、かかる多層膜により光を強め合う作用を奏する。波長20nm以下のEUV光を反射することが可能な多層膜は、例えば、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/Si多層膜や、Mo層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be多層膜などが考えられ、使用波長によって最適な材料を選択する。但し、本発明の多層膜は、上記した材料に限定されず、これと同様の作用及び効果を有する多層膜を適用することができる。
また、一般には、多層膜の特性から、高い反射率を得るためには、入射角度の最大値が大きい場合、入射角度の幅を比較的小さくしなければならず、入射角度の最大値が小さい場合、入射角度の幅を比較的大きくしてもよい。反射型投影光学系100では、6つの反射鏡のうち最大入射角が最大である反射鏡は、第3の反射鏡M3であり、入射角度を比較的小さく抑えているものの、かかる第3の反射鏡M3が反射率の低下に繋がりやすい。そこで、反射型投影光学系100は、上述した多層膜の特性を考慮して、第3の反射鏡M3における入射角度特性が、25°<θmax+△θ<35°、より好ましくは、28°<θmax+△θ、及び/又は、θmax+△θ<32°、及び/又は、θmax+△θ<30°を満たすように構成することで、反射率の低下を防止している。ここで、θmaxは第3の反射鏡M3での最大入射角度を表し、Δθは第3の反射鏡M3での最大入射角度と最小入射角度との差、即ち、入射角度の幅を表している。
また、反射型投影光学系100は、6つの反射鏡(の反射面)がそれぞれの光入射領域内に光を通過、吸収、若しくは、透過させる領域を有さないように構成している。本実施形態では、各反射面の光入射領域内に開口等を有さない構成としている。これを被処理体(ウェハ)に到達する光束で考えると、第6の反射鏡M6から被処理体(像面W)に至る光束の、光軸に直交する断面における外周の内部に、光線がない領域が存在しないように構成している。換言すれば、瞳に遮蔽を有さないように構成しているということになる。一般に、瞳に遮蔽があると、結像特性に著しい悪影響をおよぼすが、反射型投影光学系100は、かかる悪影響を防いでいるのである。
また、反射型投影光学系100は、第2の反射鏡M2から凸面鏡の第3の反射鏡M3に収束光束を入射させ、凸面鏡の第3反射鏡M3から第4の反射鏡M4に発散光束を入射させる構成としている。これにより、第3の反射鏡M3において、光束の入射する有効部内での半径方向(光軸と垂直方向)の各点における最大入射角度が、かかる有効部内において極大値となるため、入射角度幅を比較的小さくすることにつながり、多層膜に起因する光学性能の劣化を防いでいる。具体的には、反射型投影光学系100は、第3の反射鏡M3において、物体面MS上の円弧形状の照明領域からの光が入射する光入射領域と、物体面MS上の円弧形状の照明領域の弦の中心点と光軸とを含む平面との交線において、交線上の点の光軸からの距離の最小値をLmin、最大値をLmaxとしたとき、交線上のLmin+0.3×(Lmax−Lmin)以上Lmax以下の領域内で、交線上の各点における最大入射角度が極値を有するように、より好ましくは、光線上の(Lmax+Lmin)/2±0.2×(Lmax−Lmin)の領域内で、交線上の各点における最大入射角度が極値を有するように構成している。
反射型投影光学系100は、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6の各々の反射面に関して、各々の反射面の曲率中心(反射面が球面の場合は、かかる球面の曲率中心を意味し、反射面が非球面の場合は、かかる反射面の非球面成分を除去した球面の曲率中心、若しくは、かかる非球面を含む回転対称な非球面の、回転対称の軸近傍の曲率に基づいた曲率中心を意味する。)を中心とし各々の反射面の曲率半径(反射面が球面の場合は、かかる球面の曲率半径を意味し、反射面が非球面の場合は、かかる反射面の非球面成分を除去した球面の曲率半径、若しくは、かかる非球面を含む回転対称な非球面の、回転対称の軸近傍の曲率に基づいた曲率半径を意味する。)を半径とする略球面と光軸との交点のうち、各々の反射面における光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、6つの反射面の面頂点が、光軸に沿って物体面MS側から像面W側に向かって、第4の反射鏡M4(の反射面)、第2の反射鏡M2(の反射面)、第3の反射鏡M3(の反射面)、第1の反射鏡M1(の反射面)、第6の反射鏡M6(の反射面)、第5の反射鏡M5(の反射面)の順に配置している。
反射鏡の間隔が小さくなると、反射鏡の厚さを確保しにくくなり、例えば、保持機構や冷却機構などの部材が配置しにくくなる問題がある。そこで、反射型投影光学系100では、6つの反射鏡のうち物体面MSに最も近い反射鏡(の反射面)の面頂点と物体面MSとの距離が250mm以上、より好ましくは、310mm以上となるように構成している。また、反射型投影光学系100は、第2の反射鏡M2(の反射面)の面頂点と第4の反射鏡M4(の反射面)の面頂点との光軸上での距離が5mm以上、より好ましくは、10mm以上となるように構成している。更に好ましくは、第2の反射鏡M2(の反射面)の面頂点と第4の反射鏡M4(の反射面)の面頂点との光軸上での距離が15mm以上となることが望ましい。
ここで、反射型投影光学系100の全長、即ち、6つの反射鏡の各々の反射面に関して、各々の反射面の曲率中心を中心とし各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と光軸との交点のうち、各々の反射面における光の反射位置に最も近い交点を面頂点とし、光軸上における物体面と像面との距離をLallとするとき、第2の反射鏡M2(の反射面)の面頂点と第4の反射鏡M4(の反射面)の面頂点との間隔L24が、Lall/200<L24<Lall/10、より好ましくは、Lall/100<L24、及び/又は、L24<Lall/18であることが望ましい。
また、一般に、有効径の大きな第6の反射鏡M6は、反射鏡の厚さが大きくなるため、第6の反射鏡M6(の反射面)の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面の面頂点との光軸上での間隔が100mm以上、好ましくは、110mm以上、更に好ましくは、115mm以上となるようにすると望ましい。反射型投影光学系100は、上述の条件を満足する値となっており、より構成が容易な光学系となっている。
ここで、上述したように、反射型投影光学系100の全長をLall、第6の反射鏡M6(の反射面)の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面の面頂点との光軸上での間隔をL6としたとき、Lall/20<L6<Lall/6、より好ましくは、Lall/12<L6、及び/又は、L6<Lall/9であることが望ましい。
反射型投影光学系100は、6つの反射鏡の各々の反射面に関して、各々の反射面の曲率中心を中心とし各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と光軸との交点のうち、各々の反射面における光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、第3の反射鏡M3(の反射面)の面頂点が、第6の反射鏡M6(の反射面)の面頂点よりも物体MS側となるように構成している。また、第3の反射鏡M3(の反射面)は、第6の反射鏡M6(の反射面)よりも物体面MS側に近い位置に配置されている。
開口絞りASは、光軸に沿った距離で、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち第2の反射鏡M2(の反射鏡)に最も近くなるように配置することが望ましい。
反射型投影光学系100は、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間、及び/又は、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間の光路上に配置しており、第1の反射鏡M1(の反射面)と第2の反射鏡M2(の反射面)との間の光路長をLstとしたとき、開口絞りASが、第1の反射鏡M1(の反射面)及び第2の反射鏡M2(の反射面)からLst/10以上離れている。なお、開口絞りASが、第1の反射鏡M1(の反射面)及び第2の反射鏡M2(の反射面)からLst/5以上離れていると更に好ましい。これにより、反射型投影光学系100は、光軸から離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2を有効に利用することができる。
更に、反射型投影光学系100は、6つの反射鏡を物体面MSから像面Wの間に配置する(即ち、6つの反射鏡の反射面が、物体面MS、若しくは、物体面MSを含む物体側平面と、像面W、若しくは、像面Wを含む像側平面との間に配置される)ことが望ましい。また、反射型投影光学系100の光学パワーを有する全ての光学素子が、物体面MSから像面Wの間に配置されている。
また、反射型投影光学系100は、6つの反射鏡のうち少なくとも1つはEUV光を反射する多層膜を有する非球面ミラーで構成されている。更に、6つの反射鏡の全てがEUV光を反射する多層膜を有する非球面ミラーであることが望ましい。
反射型投影光学系100で用いる光は、波長が10nm以上20nm以下のEUV光、更に好ましくは、波長が13nm以上14nm以下のEUV光である。
反射型投影光学系100は、物体面MS側が非テレセントリックであり、像面W側が実質的にテレセントリックであるように構成されている。
図1を参照するに、本実施形態の反射型投影光学系100は、6つの反射鏡M1乃至M6を有し、基本的に物体面MS側から光が通過する順番に、第1の反射鏡M1(凹面鏡)と、開口絞りAS、第2の反射鏡M2(凸面鏡)、第3の反射鏡M3(凸面鏡)、第4の反射鏡M4(凹面鏡)と第5の反射鏡M5(凸面鏡)、第6の反射鏡M6(凹面鏡)を配置し、第4の反射鏡M4から第5の反射鏡M5の光路の間で中間像IMを結像させ、かかる中間像IMを残りの反射鏡で像面W上に再結像するように構成されている。
図1中の一点鎖線の直線が光軸AXであり、光軸AXは、第1の反射鏡M1、第2の反射鏡M2、第3の反射鏡M3、第4の反射鏡M4、第5の反射鏡M5、第6の反射鏡M6の各々の曲率中心を結んだ直線として定義することができる。但し、各反射鏡は、収差を補正するなどの目的で偏心させたり傾けたりすることがあるため、各反射面の曲率中心が必ずしも光軸AX上に並ぶとは限らず、ある反射面の曲率中心が若干光軸AXからずれた位置になることもありえる。
ここでは、光軸AX上における物体面MSと像面Wとの距離を全長と称し、本実施形態の反射型投影光学系100の全長は、約1230.428mmである。
MSは物体面位置に置かれた反射型マスク、Wは像面位置に置かれたウェハを示している。波長13.4nm付近のEUV光を放射する図示しない照明系によりマスクMSが照明され、マスクMSからの反射EUV光が、本実施形態の反射型投影光学系100によって像面であるウェハW上に縮小投影される。
ここで、図1に示す反射型投影光学系100の数値(曲率半径、面間隔、非球面係数など)を表1に示す。なお、図1に示す反射型投影光学系100において、像側の開口数NA=0.26、縮小倍率=1/4倍、物体高=126mm乃至134mmの像側で幅2mmの円弧形状視野である。図1に示す反射型投影光学系100の製造誤差を含まない収差は、波面収差=7.2mλrms、スタティックディストーション=2.2nmである。
上述したように、反射型投影光学系100は、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物体面から第1の反射鏡M1に入射する光束のケラレを防いでいる。
また、反射型投影光学系100は、開口絞りASから光軸AXから離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3によって段階的に導いているために、最大入射角を26.5度に抑えながら第3の反射鏡M3乃至第4の反射鏡M4間の距離を比較的短くすることができ、第2の反射鏡が凸面鏡であることと合わせて、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが適度なものとなっている。具体的には、物体高130mmの物点から入射した光束の第4の反射鏡M4上における光軸AXに対して垂直な方向の広がり(即ち、第4の反射鏡M4上での光の入射領域の光軸AXからの距離の最大値と最小値の差)は、40.8mmである。これにより、反射型投影光学系100は、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成にすることができる。従って、第4の反射鏡M4での光束の広がりが適度なものとなり、最大有効径も560mmに抑えられている。
開口絞りASは、第1の反射鏡M1及び第2の反射鏡M2から適切な距離だけ離れていることが好ましい。本実施形態においては、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2の光路上の距離をLstとしたとき、第1の反射鏡M1からの距離が0.668Lst、第2の反射鏡M2からの距離が0.332Lstの位置に開口絞りASを配置している。
また、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち光線入射角度の最大値が最大の反射鏡は第3の反射鏡M3である。本実施形態では、第3の反射鏡M3における最大の入射角度は26.5度で、入射角度分布範囲は2.5度である。本実施形態の反射型投影光学系100は、特に、入射角度分布が小さく、多層膜による反射率の低下を抑えた構成である。
また、物体面と物体面に最も近い反射鏡である第4の反射鏡M4の面頂点との距離は333.7mmであり、十分なフロントフォーカスを有している。また、第4の反射鏡M4の面頂点と第2の反射鏡M2の面頂点の光軸AX上での間隔は46.1mmであり、第6の反射鏡M6の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面である第1の反射鏡M1の面頂点との距離は120mmである。これにより、空間を確保することが可能となり、駆動機構、或いは、冷却機構などの様々な部材の配置が容易となる。
また、物体面と物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点との距離L1、物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点と第1の反射鏡M1の面頂点との距離L2において、L1/L2が0.92となっており、反射型投影光学系100は、十分なフロントフォーカスを有すると共に、入射角度を抑えやすい構成となっている。
反射型投影光学系100は、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3を凸面鏡としているために、中間像MIを反射鏡から離れた位置に形成することができ、反射鏡面上での光束の広がりが適度なものとなっている。これにより、反射型投影光学系100は、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成となっている。ここで、第4の反射鏡M4と第5の反射鏡M5との間の光路長をLimとしたとき、中間像MIは、第4の反射鏡M4から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
図2を参照するに、本実施形態の反射型投影光学系100Aは、後述する構成以外は、実施例1と同様である。本実施形態の反射型投影光学系100Aの全長は、約1211.432mmである。
ここで、図2に示す反射型投影光学系100Aの数値(曲率半径、面間隔、非球面係数など)を表2に示す。なお、図2に示す反射型投影光学系100Aにおいて、像側の開口数NA=0.26、縮小倍率=1/4倍、物体高=126mm乃至134mmの像側で幅2mmの円弧形状視野である。図2に示す反射型投影光学系100Aの製造誤差を含まない収差は、波面収差=13mλrms、スタティックディストーション=2.7nmである。
反射型投影光学系100Aは、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているため、物体側テレセン度が106.5mradと小さいながら、物体面から第1の反射鏡M1に入射する光束のケラレを防いでいる。
また、反射型投影光学系100Aは、開口絞りASから光軸AXから離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3によって段階的に導いているために、最大入射角を25.4度に抑えながら第3の反射鏡M3乃至第4の反射鏡M4間の距離を比較的短くすることができる。更に、第2の反射鏡M2が凸面鏡であることから、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが適度なものとなっている。具体的には、物体高130mmの物点から入射した光束の第4の反射鏡M4上における光軸AXに対して垂直な方向の広がりは60.3mmである。これにより、反射型投影光学系100Aは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成にすることができている。また、最大有効径も560mmに抑えることができる。
開口絞りASは、第1の反射鏡M1及び第2反射鏡M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施形態においては、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2の光路上の距離をLstとしたとき、第1の反射鏡M1からの距離が0.685Lst、第2の反射面M2からの距離が0.315Lstの位置に開口絞りASを配置している。
また、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち光線入射角度の最大値が最大の反射鏡は第3の反射鏡M3であり、第3の反射鏡M3における最大の入射角度は25.4度、入射角度の分布は3.3度である。反射型投影光学系100Aは、第3の反射鏡M3における最大の入射角度及び入射角度の分布を小さく抑えており、多層膜による反射率の低下を抑えることができる。
また、物体面と物体面に最も近い反射鏡である第4の反射鏡M4との距離は329.2mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4の反射鏡M4の面頂点と第2の反射鏡M2の面頂点の光軸AX上での間隔は30.5mmであり、第6の反射鏡M6の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面である第1の反射鏡M1の面頂点との距離は120mmである。これにより、空間を確保することが可能となり、駆動機構、或いは、冷却機構などの様々な部材の配置が容易となる。
また、物体面と物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点との距離L1、物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点と第1の反射鏡M1の面頂点との距離L2において、L1/L2が0.92となっており、反射型投影光学系100Aは、十分なフロントフォーカスを有すると共に、入射角度を抑えやすい構成となっている。
反射型投影光学系100Aは、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3を凸面鏡としているために中間像MIを反射鏡から離れた位置に形成することができ、反射鏡面上での光束の広がりが適度なものとなっている。これにより、反射型投影光学系100Aは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成となっている。ここで、第4の反射鏡M4と第5の反射鏡M5との間の光路長をLimとしたとき、中間像MIは、第4の反射鏡M4から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
図3を参照するに、本実施形態の反射型投影光学系100Bは、後述する構成以外は、実施例1及び実施例2と同様である。本実施形態の反射型投影光学系100Bの全長は、約1206.092mmである。
ここで、図3に示す反射型投影光学系100Bの数値(曲率半径、面間隔、非球面係数など)を表3に示す。なお、図3に示す反射型投影光学系100Bにおいて、像側の開口数NA=0.27、縮小倍率=1/4倍、物体高=126mm乃至134mmの像側で幅2mmの円弧形状視野である。図3に示す反射型投影光学系100Bの製造誤差を含まない収差は、波面収差=14.4mλrms、スタティックディストーション=2.3nmである。
反射型投影光学系100Bは、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物体面から第1の反射鏡M1に入射する光束のケラレを防いでいる。
また、反射型投影光学系100Bは、開口絞りASから光軸AXから離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3によって段階的に導いているために、最大入射角を26.5度に抑えながら第3の反射鏡M3乃至第4の反射鏡M4間の距離を比較的短くすることができる。更に、第2の反射鏡M2が凸面鏡であることから、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが適度なものとなっている。具体的には、物体高130mmの物点から入射した光束の第4の反射鏡M4上における光軸AXに対して垂直な方向の広がりは60.3mmである。これにより、反射型投影光学系100Bは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成にすることができている。また、最大有効径も560mmに抑えることができる。
開口絞りASは、第1の反射鏡M1及び第2の反射鏡M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施形態においては、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2の光路上の距離をLstとしたとき、第1の反射鏡M1からの距離が0.657Lst、第2の反射鏡M2からの距離が0.343Lstの位置に開口絞りASを配置している。
また、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち光線入射角度の最大値が最大の反射鏡は第3の反射鏡M3であり、第3の反射鏡M3における最大の入射角度は26.5度、入射角度の分布は2.2度である。反射型投影光学系100Bは、特に、入射角度分布が小さく抑えられており、多層膜による反射率の低下を抑えることができる。
また、物体面と物体面に最も近い反射鏡である第4の反射鏡M4との距離は341.5mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4の反射面M4の面頂点と第2の反射鏡M2の面頂点の光軸AX上での間隔は20mmであり、第6の反射鏡M6の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面である第1の反射鏡M1の面頂点との距離は120mmである。これにより、空間を確保することが可能となり、駆動機構、或いは、冷却機構などの様々な部材の配置が容易となる。
また、物体面と物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点との距離L1、物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点と第1の反射鏡の面頂点との距離L2において、L1/L2が0.97となっており、反射型投影光学系100Bは、十分なフロントフォーカスを有すると共に、入射角度を抑えやすい構成となっている。
反射型投影光学系100Bは、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3を凸面鏡としているために中間像MIを反射鏡から離れた位置に形成することができ、反射鏡上での光束の広がりが適度なものとなっている。これにより、反射型投影光学系100Bは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成となっている。ここで、第4の反射鏡M4と第5の反射鏡M5との間の光路長をLimとしたとき、中間像MIは、第4の反射鏡M4から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
図4を参照するに、本実施形態の反射型投影光学系100Cは、後述する構成以外は、実施例1乃至実施例3と同様である。本実施形態の反射型投影光学系100Cの全長は、約1252.384mmである。
ここで、図4に示す反射型投影光学系100Cの数値(曲率半径、面間隔、非球面係数など)を表4に示す。なお、図4に示す反射型投影光学系100Cにおいて、像側の開口数NA=0.25、縮小倍率=1/4倍、物体高=119mm乃至139mmの像側で幅5mmの円弧形状視野である。図4に示す反射型投影光学系100Cの製造誤差を含まない収差は、波面収差=17.4mλrms、スタティックディストーション=2.7nmである。
反射型投影光学系100Cは、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物体面から第1の反射面M1に入射する光束のケラレを防いでいる。
また、反射型投影光学系100Cは、開口絞りASから光軸AXから離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3によって段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながら第3の反射鏡M3乃至第4の反射鏡M4間の距離を比較的短くすることができる。更に、第2の反射鏡M2が凸面鏡であることから、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが適度なものとなっている。具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4の反射鏡M4上における光軸AXに対して垂直な方向の広がりは45.2mmである。これにより、反射型投影光学系100Cは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成にすることができている。また、最大有効径も585mmに抑えることができる。
開口絞りASは、第1の反射鏡M1及び第2の反射鏡M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施形態においては、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2の光路上の距離をLstとしたとき、第1の反射鏡M1からの距離が0.654Lst、第2の反射鏡M2からの距離が0.346Lstの位置に開口絞りASを配置している。
また、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち光線入射角度の最大値が最大の反射鏡は第3の反射鏡M3であり、第3の反射鏡M3における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は4.4度である。反射型投影光学系100Cは、第3の反射鏡M3における最大の入射角度及び入射角度の分布を比較的小さく抑えており、多層膜による反射率の低下を抑えることができる。
また、物体面と物体面の最近接反射面である第4の反射鏡M4との距離は321.9mmであり、十分なフロントフォーカスを有している。また、第4の反射鏡M4の面頂点と第2の反射鏡M2の面頂点の光軸AX上での間隔は61.4mmであり、第6の反射鏡M6の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面である第1の反射鏡M1の面頂点との距離は116mmである。これにより、十分な反射鏡の厚みを確保することができ、更に、調整機構や冷却機構などの様々な部材を配置する空間を確保することができる。
また、物体面と物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点との距離L1、物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点と第1の反射鏡M1の面頂点との距離L2において、L1/L2が0.830となっており、反射型投影光学系100Cは、十分なフロントフォーカスを有すると共に、入射角度を抑えやすい構成となっている。
反射型投影光学系100Cは、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3を凸面鏡としているために中間像MIを反射鏡から離れた位置に形成することができ、反射鏡面上での光束の広がりが適度なものとなっている。これにより、反射型投影光学系100Cは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成となっている。ここで、第4の反射鏡M4と第5の反射鏡M5との間の光路長をLimとしたとき、中間像MIは、第4の反射鏡M4から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
図5を参照するに、本実施形態の反射型投影光学系100Dは、後述する構成以外は、実施例1乃至実施例4と同様である。本実施形態の反射型投影光学系100Dの全長は、約1267.046mmである。
ここで、図5に示す反射型投影光学系100Dの数値(曲率半径、面間隔、非球面係数など)を表5に示す。なお、図5に示す反射型投影光学系100Dにおいて、像側の開口数NA=0.237、縮小倍率=1/4倍、物体高=117.5mm乃至140.5mmの像側で幅5.75mmの円弧形状視野である。図5に示す反射型投影光学系100Dの製造誤差を含まない収差は、波面収差=17.6mλrms、スタティックディストーション=1.5nmである。
反射型投影光学系100Dは、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物体面から第1の反射鏡M1に入射する光束のケラレを防いでいる。
また、反射型投影光学系100Dは、開口絞りASから光軸AXから離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3によって段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながら第3の反射鏡M3乃至第4の反射鏡M4間の距離を比較的短くすることができる。更に、第2の反射鏡M2が凸面鏡であることから、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが適度なものとなっている。具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4の反射鏡M4上における光軸AXに対して垂直な方向の広がりは45.5mmである。これにより、反射型投影光学系100Dは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成にすることができる。また、最大有効径も585mmに抑えることができる。
開口絞りASは、第1の反射鏡M1及び第2の反射鏡M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施形態においては、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2の光路上の距離をLstとしたとき、第1の反射鏡M1からの距離が0.656Lst、第2の反射鏡M2からの距離が0.344Lstの位置に開口絞りASを配置している。
また、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち光線入射角度の最大値が最大の反射鏡は第3の反射鏡M3であり、第3の反射鏡M3における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は4.8度である。反射型投影光学系100Dは、第3の反射鏡M3における最大の入射角度及び入射角度の分布を比較的小さく抑えており、多層膜による反射率の低下を抑えることができる。
また、物体面と物体面の最近接反射面である第4の反射鏡M4との距離は336.6mmであり、十分なフロントフォーカスを有している。また、第4の反射鏡M4の面頂点と第2の反射鏡M2の面頂点の光軸AX上での間隔は52.6mmであり、第6の反射鏡M6の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面である第1の反射鏡M1の面頂点との距離は116mmである。これにより、十分な反射鏡の厚みを確保することができ、更に、調整機構や冷却機構などの様々な部材を配置する空間を確保することができる。
また、物体面と物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点との距離L1、物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点と第1の反射鏡M1の面頂点との距離L2において、L1/L2が0.888となっており、反射型投影光学系100Dは、十分なフロントフォーカスを有すると共に、入射角度を抑えやすい構成となっている。
反射型投影光学系100Dは、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3を凸面鏡としているために中間像MIを反射鏡から離れた位置に形成することができ、反射鏡面上での光束の広がりが適度なものとなっている。これにより、反射型投影光学系100Dは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成となっている。ここで、第4の反射鏡M4と第5の反射鏡M5との間の光路長をLimとしたとき、中間像MIは、第4の反射鏡M4から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
図6を参照するに、本実施形態の反射型投影光学系100Eは、後述する構成以外は、実施例1乃至実施例5と同様である。本実施形態の反射型投影光学系100Eの全長は、約1268.513mmである。
ここで、図6に示す反射型投影光学系100Eの数値(曲率半径、面間隔、非球面係数など)を表6に示す。なお、図6に示す反射型投影光学系100Eにおいて、像側の開口数NA=0.23、縮小倍率=1/4倍、物体高=117mm乃至141mmの像側で幅6mmの円弧形状視野である。図6に示す反射型投影光学系100Eの製造誤差を含まない収差は、波面収差=17.0mλrms、スタティックディストーション=3.0nmである。
反射型投影光学系100Eは、開口絞りASを第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物体面から第1の反射鏡M1に入射する光束のケラレを防いでいる。
また、反射型投影光学系100Eは、開口絞りASから光軸AXから離れた位置に配置された第4の反射鏡M4に光束を導く際に、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3によって段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながら第3の反射鏡M3乃至第4の反射鏡M4間の距離を比較的短くすることができる。更に、第2の反射鏡M2が凸面鏡であることから、第4の反射鏡M4上での光束の広がりが適度なものとなっている。具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4の反射鏡M4上における光軸AXに対して垂直な方向の広がりは45.0mmである。これにより、反射型投影光学系100Eは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成にすることができる。また、最大有効径も585mmに抑えることができる。
開口絞りASは、第1の反射鏡M1及び第2反射鏡M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施形態においては、第1の反射鏡M1と第2の反射鏡M2の光路上の距離をLstとしたとき、第1の反射鏡M1からの距離が0.659Lst、第2の反射鏡M2からの距離が0.341Lstの位置に開口絞りASを配置している。
また、第1の反射鏡M1乃至第6の反射鏡M6のうち光線入射角度の最大値が最大の反射鏡は第3の反射鏡M3であり、第3の反射鏡M3における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は4.9度である。反射型投影光学系100Eは、特に、第3の反射鏡M3における入射角度分布を小さく抑えており、多層膜による反射率の低下を抑えることができる。
また、物体面と物体面の最近接反射面である第4の反射鏡M4との距離は340.8mmであり、十分なフロントフォーカスを有している。また、第4の反射鏡M4の面頂点と第2の反射鏡M2の面頂点の光軸AX上での間隔は50.7mmであり、第6の反射鏡M6の面頂点と第6の反射鏡M6の最近接反射面である第1の反射鏡M1の面頂点との距離は116mmである。これにより、十分な反射鏡の厚みを確保することができ、更に、調整機構や冷却機構などの様々な部材を配置する空間を確保することができる。
また、物体面と物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点との距離L1、物体面の最近接面である第4の反射鏡M4の面頂点と第1の反射鏡M1の面頂点との距離L2において、L1/L2が0.907となっており、反射型投影光学系100Eは、十分なフロントフォーカスを有すると共に、入射角度を抑えやすい構成となっている。
反射型投影光学系100Eは、第2の反射鏡M2及び第3の反射鏡M3を凸面鏡としているために中間像MIを反射鏡から離れた位置に形成することができ、反射鏡面上での光束の広がりが適度なものとなっている。これにより、反射型投影光学系100Eは、反射鏡の反射面のうねり、ミラー材料中の気泡やエネルギー集中による反射鏡の変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像性能の劣化が起こりにくい構成となっている。ここで、第4の反射鏡M4と第5の反射鏡M5との間の光路長をLimとしたとき、中間像MIは、第4の反射鏡M4から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
以上のように、本発明の反射型投影光学系100、100A、100B、100C、100D及び100Eは、入射角度を抑えながら、反射鏡の最大有効径が小さく、反射鏡上で光束が適度な広がりを有し、結像性能に優れている。
以下、図7を参照して、本発明の反射型投影光学系100、100A、100B、100C、100D及び100Eを適用した露光装置200について説明する。図7は、本発明の一側面としての露光装置200の構成を示す概略断面図である。
本発明の露光装置200は、露光用の照明光としてEUV光(例えば、波長13.4nm)を用いて、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でマスク220に形成された回路パターンを被処理体240に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、マスクに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」は、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
図7を参照するに、露光装置200は、照明装置210と、マスク220を載置するマスクステージ225と、反射型投影光学系100と、被処理体240を載置するウェハステージ245と、アライメント検出機構250と、フォーカス位置検出機構260と、図示しない制御部とを有する。
また、図7に示すように、EUV光は、大気に対する透過率が低く、残留ガス(高分子有機ガスなど)成分との反応によりコンタミを生成してしまうため、少なくとも、EUV光が通る光路中(即ち、光学系全体)は真空雰囲気VCとなっている。
照明装置210は、反射型投影光学系100の円弧状の視野に対する円弧状のEUV光(例えば、波長13.4nm)によりマスク220を照明する照明装置であって、EUV光源212と、照明光学系214とを有する。
EUV光源212は、例えば、レーザープラズマ光源が用いられる。これは、真空容器中のターゲット材に高強度のパルスレーザー光を照射し、高温のプラズマを発生させ、これから放射される、例えば、波長13nm程度のEUV光を利用するものである。ターゲット材としては、金属膜、ガスジェット、液滴などが用いられる。放射されるEUV光の平均強度を高くするためにはパルスレーザーの繰り返し周波数は高い方がよく、通常数kHzの繰り返し周波数で運転される。
照明光学系214は、集光ミラー214a、オプティカルインテグレーター214bから構成される。集光ミラー214aは、レーザープラズマからほぼ等方的に放射されるEUV光を集める役割を果たす。オプティカルインテグレーター214bは、マスク220を均一に所定の開口数で照明する役割を持っている。また、照明光学系214は、マスク220と共役な位置に、マスク220の照明領域を円弧状に限定するためのアパーチャ214cが設けられている。
マスク220は、反射型マスクで、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、マスクステージ225に支持及び駆動されている。マスク220から発せられた回折光は、反射型投影光学系100で反射されて被処理体240上に投影される。マスク220と被処理体240とは、光学的に共役の関係に配置される。露光装置200は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、マスク220と被処理体240を走査することによりマスク220のパターンを被処理体240上に縮小投影する。
マスクステージ225は、マスク220を支持して図示しない移動機構に接続されている。マスクステージ225は、当業界周知のいかなる構造をも適用することができる。図示しない移動機構は、リニアモーターなどで構成され、少なくともX方向にマスクステージ225を駆動することでマスク220を移動することができる。露光装置200は、マスク220と被処理体240を同期した状態で走査する。
反射型投影光学系100は、マスク220面上のパターンを被処理体240上に縮小投影する反射型投影光学系である。図7において、反射型投影光学系100は、図を簡略化するために、4つの反射鏡(反射面)を有するように図示されているが、反射型投影光学系100の反射鏡は、実施例1乃至6に記載したように、6つであることが好ましい。勿論、本発明の趣旨が変わらない範囲内で枚数を変化させてもよいことは言うまでもない。少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状の領域(リングフィールド)だけを用いて、マスク220と被処理体240を同時に走査して広い面積を転写する。投影光学系230の開口数(NA)は、0.2乃至0.3程度である。
被処理体240は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板その他の被処理体を広く含む。被処理体240には、フォトレジストが塗布されている。
ウェハステージ245は、ウェハチャック245aによって被処理体240を支持する。ウェハステージ245は、例えば、リニアモーターを利用してXYZ方向に被処理体240を移動する。マスク220と被処理体240は同期して走査される。また、マスクステージ225の位置とウェハステージ245の位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。
アライメント検出機構250は、マスク220の位置と反射型投影光学系100の光軸との位置関係、及び、被処理体240の位置と反射型投影光学系100の光軸との位置関係を計測し、マスク220の投影像が被処理体240の所定の位置に一致するようにマスクステージ225及びウェハステージ245の位置と角度を設定する。
フォーカス位置検出機構260は、被処理体240面でフォーカス位置を計測し、ウェハステージ245の位置及び角度を制御することによって、露光中、常時被処理体240面を投影光学系230による結像位置に保つ。
図示しない制御部は、例えば、CPU、メモリを有し、露光装置200の動作を制御する。制御部は、照明装置210、マスクステージ220(即ち、マスクステージ225の図示しない移動機構)、ウェハステージ245(即ち、ウェハステージ245の図示しない移動機構)と電気的に接続されている。CPUは、MPUなど名前の如何を問わずいかなるプロセッサも含み、各部の動作を制御する。メモリは、ROM及びRAMより構成され、露光装置200を動作するファームウェアを格納する。
露光において、照明装置210から射出されたEUV光はマスク220を照明し、マスク220面上のパターンを被処理体240面上に結像する。本実施形態において、像面は円弧状(リング状)の像面となり、マスク220と被処理体240を縮小倍率比の速度比で走査することにより、マスク220の全面を露光する。
次に、図8及び図9を参照して、上述の露光装置200を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図8は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。本実施形態においては、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
図9は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置200を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明は、ArFエキシマレーザーやF2レーザーなどのEUV光以外の波長200nm以下の紫外線用の反射型投影光学系として用いることもでき、大画面をスキャン露光する露光装置にもスキャンしない露光をする露光装置にも適用可能である。
本発明の反射型投影光学系の例示的一形態及びその光路を示した概略断面図である。
図1に示す反射型投影光学系の別の形態を示した反射型投影光学系及びその光路を示す概略断面図である。
図1に示す反射型投影光学系の更に別の形態を示した反射型投影光学系及びその光路を示す概略断面図である。
図1に示す反射型投影光学系の更に別の形態を示した反射型投影光学系及びその光路を示す概略断面図である。
図1に示す反射型投影光学系の更に別の形態を示した反射型投影光学系及びその光路を示す概略断面図である。
図1に示す反射型投影光学系の更に別の形態を示した反射型投影光学系及びその光路を示す概略断面図である。
本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略断面図である。
デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
図8に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
100、100A乃至100E 反射型投影光学系
M1 第1の反射鏡
M2 第2の反射鏡
M3 第3の反射鏡
M4 第4の反射鏡
M5 第5の反射鏡
M6 第6の反射鏡
MS マスク(物体面)
W ウェハ(像面)
AS 開口絞り
AX 光軸
IM 中間像
200 露光装置