JP2006245148A - 投影光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所期の解像度と配置上の条件を両立させることが可能な投影光学系及びそれを有する露光装置、並びに、かかる露光装置を利用したデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】 物体面上のパターンを像面上に縮小投影し、像側の開口数NAが0.23以上の反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を第1乃至第6反射面の順に反射する6枚の反射面を有し、開口絞りを第1反射面と第2反射面の光路の間に配置し、開口絞りの半径RstoがRsto/NA<135を満たすことを特徴とする投影光学系を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 物体面上のパターンを像面上に縮小投影し、像側の開口数NAが0.23以上の反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を第1乃至第6反射面の順に反射する6枚の反射面を有し、開口絞りを第1反射面と第2反射面の光路の間に配置し、開口絞りの半径RstoがRsto/NA<135を満たすことを特徴とする投影光学系を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、一般には、投影光学系及びそれを有する露光装置に係り、特に、紫外線や極端紫外線(EUV:extreme ultraviolet)光を利用して半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などの被露光体を投影露光する反射型投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなっている。このため、半導体素子の微細化の要請から、紫外光よりも更に波長が短い波長20nm以下(例えば、約13.5nm)のEUV光を用いた縮小投影露光装置(以下、「EUV露光装置」という。)の実用化が検討されている。露光光がEUV光になると使用できる硝材は存在しなくなるため、投影光学系をミラー(例えば、多層膜ミラー)のみで構成する反射型投影光学系が提案されている。
反射型投影光学系においては、光学系全体の反射率を高めるためにミラーの枚数を少なくすることが望ましい。また、マスクとウェハの機械的な干渉を防止するため、マスクとウェハが瞳を介して反対側に位置するようにミラーの枚数は偶数枚であることが望ましい。更に、EUV露光装置に要求される線幅(解像度)が従来の値より小さくなってきたため(例えば、現在ではいわゆる32nmノードが要求されている)像側の開口数(NA)を増加する必要があるが、3、4枚のミラーでは、波面収差を減らすことが困難である。そこで、波面収差補正の自由度を増やすためにもミラーの数を6枚にすることが好ましい(以下、本出願では、かかる光学系を6枚ミラー系と表現する場合もある)。
6枚ミラー系においては、物体面から光路にそって第1反射面と第2反射面の間に開口絞りを配置することが好ましい。一般に、NAの増加のために第6反射面の有効径は非常に大きくなり、第6反射面でケラレずに第5反射面へ光束を導くために第4反射面を光軸から大きく離す必要が生じる。そして、開口絞りを第1反射面から第2反射面の光路の間に配置すると、2つの反射面(第2反射面及び第3反射面)を用いて光束を第4反射面に導くことが可能となり、設計自由度が増加するためである。
なお、従来技術としては特許文献1乃至11がある。
特開2002−6221号公報
米国特許第6172825号明細書
国際特許第2002/056114号パンフレット
国際特許2002/48796号パンフレット
特許2004−138926号公報
特開2004−258178号公報
米国特許第5815310号明細書
米国特許第6199991号明細書
特開2000−235144号公報
米国特許出願公開第2003/0076483号明細書
米国特許第5686728号明細書
32nmノードを実現するためには投影光学系の像側NAはある程度大きくする必要がある。また、開口絞りは、物体面から第1反射面に向かう光束、第1反射面から第2反射面に向かう光束、第2反射面から第3反射面に向かう光束をケラないように、また、周囲の部材との機械的干渉がないように配置する必要があるため、その径には上限がある。
また、第2乃至第4反射面の有効部の大きさも問題となる。第2及び第3反射面が大きすぎると厚さも増加し、光束のケラレや干渉などの配置上の問題が発生し、第4反射面が大きすぎると投影光学系全体の最大有効径が増加して加工計測が困難になる。一方、第2乃至第4反射面の有効部が小さすぎるとミラーに近いところに中間像が生成され、ミラー表面のゴミの転写や加工時の表面のうねりにより像性能が悪化しやすい。
従来技術は、所期の解像度(例えば、32nmノード)と配置上の条件を両立させることについて十分ではない。
そこで、本発明は、所期の解像度と配置上の条件を両立させることが可能な投影光学系及びそれを有する露光装置、並びに、かかる露光装置を利用したデバイス製造方法を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面としての投影光学系は、物体面上のパターンを像面上に縮小投影し、像側の開口数NAが0.23以上の反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を第1乃至第6反射面の順に反射する6枚の反射面を有し、開口絞りを第1反射面と第2反射面の光路の間に配置し、開口絞りの半径RstoがRsto/NA<135mmを満たすことを特徴とする投影光学系を提供する。
本発明の別の一側面としての投影光学系は、物体面上のパターンを像面上に縮小投影する反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を第1乃至第6反射面の順に反射する6枚の反射面を有し、開口絞りを第1反射面と第2反射面の光路の間に配置し、前記物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点から射出する光束が、所定の平面上において、前記第2反射面乃至前記第4反射面の各々において広がる照射領域の半径SCAと像側の開口数NAとの比SCA/NAが70mmより大きく105mmよりも小さく、前記円弧形状の照明領域は円弧を弦の垂直二等分線に沿って所定距離だけ平行移動した領域であり、前記円弧形状の照明領域の前記中心は前記円弧を前記弦の前記垂直二等分線に沿って前記所定距離の半分だけ移動したものと前記垂直二等分線との交点であり、前記所定の平面は前記垂直2等分線と前記光軸とを含む平面であり、前記広がり半径は、前記所定の平面上で前記照射領域の前記垂直二等分線に沿った方向に投影した距離の半分であることを特徴とする。
かかる投影光学系を有することを特徴とする露光装置も本発明の一側面を構成する。本発明の別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被露光体を露光するステップと、露光された前記被露光体を現像するステップとを有することを特徴とする。上述の露光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及ぶ。また、かかるデバイスは例えば、LSIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、所期の解像度と配置上の条件を両立させることが可能な投影光学系及びそれを有する露光装置、並びに、かかる露光装置を利用したデバイス製造方法を提供することができる。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の反射型縮小投影光学系100乃至100F(参照番号100はこれらを総括する。)について説明する。本発明の反射縮小投影光学系は、物体面MS(例えば、マスク面)上のパターンを像面W(例えば、基板などの被処理体面)上に縮小投影する反射型投影光学系であって、特に、EUV光(波長は10〜15nm、より好ましくは13.4〜13.5nm)に好適な光学系である。
投影光学系100は6枚ミラー系であり、基本的に物体面MS側から光路に沿って光を反射する順番に、第1の反射鏡M1(凹面)と、第2の反射鏡M2(凸面)と、第3の反射鏡M3(凸面)と、第4の反射鏡M4(凹面)と、第5の反射鏡M5(凸面)と、第6の反射鏡M6(凹面)とを有する。これにより、投影光学系100は、光学系全体として所定の反射率を確保し、マスクとウェハの機械的干渉を防止し、波面収差補正の自由度を増やしている。
また、本実施例の投影光学系100は、像側の開口数NAが0.23以上である。これは、一般に、波動光学的にNAが0.22以下ではいわゆる32nmノードを達成することが困難である。この点、特許文献3は、NA=0.22を開示し、当業者はNAを増加することが可能であると記載している。しかし、特許文献3の設計値のままNAを0.23以上に増加させると実際には干渉が生じてしまうため、特許文献3によって32nmノードを達成することは困難である。
6面の反射鏡(の反射面)の各々の曲率中心を結ぶ直線を光軸と称する。但し、6面の反射鏡の曲率中心は必ずしも一直線上に並んでいるとは限らず、収差補正等を目的として所定の反射鏡の曲率中心が光軸から微小にずれる(その反射鏡の曲率半径の1%以下)場合も考えられる。また、反射鏡の曲率中心とは、反射鏡が球面ではなく非球面の場合には、非球面のベースである球面の曲率中心のことを意味するものであり、反射鏡の曲率半径とは、同じく非球面のベースである球面の曲率半径のことを意味する。換言すると、反射面の回転中心の軸(反射面が球面の場合はこの球面の中心を通るすべての直線が回転中心の軸となり、その軸のいずれを意味しても良い。一方反射面が非球面の場合は、反射面を含む回転対称な非球面の回転中心の軸のことを意味する。)近傍の曲率に基づいた曲率中心を意味する。
更に、投影光学系100は、第1反射面と第2反射面との光路の間に開口絞りを配置している。一般に、NAの増加のために第6反射面の有効径は非常に大きくなり、第6反射面でケラレずに第5反射面へ光束を導くために第4反射面を光軸から大きく離す必要が生じる。開口絞りを第1反射面と第2反射面との光路の間に配置すると、2つの反射面(第2反射面及び第3反射面)を用いて光束を第4反射面に導くことが可能となり、設計自由度が増加する。
投影光学系100は、開口絞りの半径Rstoの像側の開口数NAとの比(即ち、Rsto/NA)の上限が135mm以下、好ましくは125.3mm以下を満足する。Rsto/NAが大きすぎると、開口絞りは、物体面から第1反射面に向かう光束、第1反射面から第2反射面に向かう光束、第2反射面から第3反射面に向かう光束がケラレたり、また、周囲の部材との機械的干渉が発生するからである。また、Rsto/NAが小さくなりすぎると第1反射面のパワーを大きくする必要が生じ、パワーを大きくすると収差補正が困難になるためRsto/NAは下限を有する。NA=0.32程度までは下限は120mm以上であるが、今後一層の高NA化が進む状況では下限は100mm以上までは許容される。
本実施例では、第2乃至第4反射面の有効部を適切な範囲に設定している。第2及び第3反射面が大きすぎると厚さも増加し、光束のケラレや干渉などの配置上の問題が発生し、第4反射面が大きすぎると投影光学系全体の最大有効径が増加して加工計測が困難になる。一方、第2乃至第4反射面の有効部が小さすぎるとミラーに近いところに中間像が生成され、ミラー表面のゴミの転写や加工時の表面のうねりにより像性能が悪化しやすい。
第2乃至第4反射面の有効部を評価するために、本実施例は、物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点から射出する光束が、所定の平面上において、第2乃至第4反射面の各々において広がる照射領域の半径SCAと像側の開口数NAとの比SCA/NAを導入している。以下、図12(a)乃至図12(c)を参照して、第2乃至第4反射面の有効部の評価についてより詳細に説明する。ここで、図12(a)は、投影光学系100の光路図であり、図12(b)は、物体面上の円弧形状の照明領域を説明する概略斜視図であり、図12(c)は円弧形状の照明領域の拡大平面図である。
図12(a)乃至図12(c)を参照するに、物体面MS上の円弧形状の照明領域AIRとは、円弧ACを図12(b)の点線で示す弦Cの垂直二等分線PBに沿って所定距離Dだけ移動することによって定義される領域である。また、照明領域AIRの中心Bは、円弧ACを弦Cの垂直二等分線PBに沿って所定距離D/2だけ移動したものと垂直二等分線PBとの交点である。今、図12(b)に示すように、XYZ座標を設定し、垂直二等分線PBをY軸に一致させ、円弧ACの曲率中心を原点Oとし、照明領域AIRの下側の円弧ACのY軸と交わる座標を(0、R、0)とすると、中心Bの座標は(0、R+D/2、0)である。換言すると、中心Bは、重心G又は中心Oと光軸AXとを含む所定の平面P(垂直2等分線PBと光軸AXとを含む平面、即ち、図12(a)に示す紙面若しくは図12(b)のYZ平面)において、平面Pと照明領域AIRとが交わる線分LSの中点である。
各反射面における広がり半径とは、中点Bから射出した光束が各反射面に形成する照射領域によって規定される。具体的には、照射領域のうち図12(a)の平面上で光軸AXから最も遠い位置と光軸AXとの距離と照射領域のうち図12(a)の平面上で光軸AXから最も近い位置と光軸AXとの距離との差の半分である。換言すれば、図12(a)において、各照射領域をY軸に正射影した長さの半分SCA2、SCA3及びSCA4がそれぞれ第2反射面乃至第4反射面における広がり半径である。図12(a)は、直径2SCA2、2SCA3及び2SCA4を示している。本実施例では、上述の問題を解決するために、SCA2/NA、SCA3/NA及びSCA4/NAの全てが70mmより大きく105mmよりも小さくなるようにしている。特に、SCA2/NAは94mmより大きく105mmより小さい(望ましくは100mmより大きく105mmより小さい)値で、SCA3/NAは72mmより大きく84mmより小さい(望ましくは78.5mmより大きく84mmより小さい)値で、SCA4/NAは75mmより大きく98mmより小さい(望ましくは89mmより大きく98.5mmより小さい)値を採ることが望ましい。
上述のように、NAの増加を図る目的で第4反射面を光軸から大きく離しつつ物体面から第4反射面に光束を導く際には、光束を急激な角度で偏向(=反射面で光束の進行方向を変えるという意味。)しないことが収差の低減及び多層膜ミラーでの反射率低下を抑えるために必要である。このため、物点〜第1反射面の有効領域の光軸に垂直方向の距離、第1反射面〜第2反射面の有効領域の光軸に垂直方向の距離、第2反射面〜第3反射面の有効領域の光軸に垂直方向の距離、第3反射面〜第4反射面の有効領域の光軸に垂直方向の距離が極端に異なる値とならず、かつ第1反射面と第2反射面との面頂点間隔、第2反射面と第3反射面との面頂点間隔、第3反射面と第4反射面との面頂点間隔が極端に短くならないことが重要である。
以下、物点から第4反射面への光線の取り回しについて図13を参照して説明する。ここで、図13(a)及び図13(b)は、投影光学系100の光路図である。照明領域AIRの中心Bにある物点から射出する主光線(図13(a)における中央の線)と第1乃至第4反射面との交点をそれぞれ第1乃至第4の交点S1乃至S4とする。物点と第1の交点S1を光軸(Z軸方向)に垂直なY軸方向に投影した距離をLa1とする。第1及び第2の交点S1及びS2を同様にY軸方向に投影した距離をLa2とする。第2及び第3の交点S2及びS3を同様にY軸方向に投影した距離をLa3とする。第3及び第4の交点S3及びS4を同様にY軸方向に投影した距離をLa4とする。そして、上述の問題に鑑みて、投影光学系100は、La1乃至La4のうちの最大値/最小値の値を2.2以下に設定している。また、好ましくは、投影光学系100は、最大値/最小値の値を2.0以上、より好ましくは2.06以上に設定する。これにより、機械的干渉や光線のケラレをより効果的に防止することができる。
次に、13(b)を参照するに、第1乃至第4の反射面の曲率中心を中心とし曲率半径を半径とする略球面と前記光軸との交点のうち、前記光束の反射位置に最も近い交点を面頂点とし、第1反射面と前記第2反射面の面頂点の間隔をLb1、前記第2反射面と前記第3反射面の面頂点の間隔をLb2、前記第3反射面と前記第4反射面の面頂点間隔をLb3とする。そして、上述の問題に鑑みて、投影光学系100は、Lb1乃至Lb3のうちの最大値/最小値の値が2.0以下に設定している。
特に、第2反射面及び第3反射面で光束を急激に偏向しないように、投影光学系100は、第2反射面の近軸曲率半径r2及び第3反射面の近軸曲率半径r3と物像間距離TTとの比を以下のように設定している。
より具体的には、数式1において、|r2/TT|を0.52以上としたのは光束を急激に偏向しない範囲で光束を第4反射面方向に向けるためである。また、|r2/TT|を0.63以下としたのは第2反射面が余りに平面に近づきすぎると加工精度を維持することが困難になるからである。また、数式2において、|r3/TT|を0.26以上としたのは光束を急激に偏向しない範囲で光束を第4反射面方向に向けるためである。また、|r3/TT|を0.35以下としたのは第4反射面をより光軸から話して高NAを確保するためである。
また、第1反射面の近軸曲率半径r1、第4反射面の近軸曲率半径r4、第5反射面の近軸曲率半径をr5、第6反射面の近軸曲率半径をr6とすると、物像間距離TTとの比は以下の条件を満たしている。
数式3乃至数式6において、下限は光束を急激に偏向しないためのものである。数式3の上限は光線を第4反射面に導くためである。数式4の上限は第4反射面をより光軸から離して高NAを確保すると共に投影光学系の最大有効径を抑えるためである。数式5及び数式6の上限は光束のケラレや機械的干渉を防止するためである。
また、多層膜ミラーが高い反射率を得るためには入射角度は28度よりも小さい方が好ましく、更に光線を急激に無理に曲げずに収差を抑えるために、入射角度はM1から順にM2、M3と次第に大きくするのが好ましい。
中心Bから射出する光束の主光線に関して、第1反射面の面法線に対する入射角度θ11、第2反射面の面法線に対する入射角度θ21、第3反射面の面法線に対する入射角度θ31とし、A1=θ21/θ11、B1=θ31/θ11とすると、1.5<A1<1.6、2.3<B1<2.5を満足することが好ましい。この条件式の下限値を下回ると、入射角度が小さくなりすぎ光軸から離れた場所へ光束を導くことが困難になり、各ミラーや開口絞りの有効部が重なり合うおそれがある。また、この条件式が上限値を上回ると、多層膜の特性から反射率を得られなくなる。また、同様の理由から、中心Bから射出する光束の主光線に関して、第1反射面の光軸に対する入射角度θ12、第2反射面の光軸に対する入射角度θ22、第3反射面の光軸に対する入射角度θ32とし、A2=θ22/θ12、B2=θ32/θ12とすると、2.4<A2<2.7、2.8<B2<3.2を満足することが好ましい。
中心Bから射出する光束の主光線の第1反射面の面法線に対する入射角度θ11、第2反射面の面法線に対する入射角度θ21、第3反射面の面法線に対する入射角度θ31は以下の条件を満たすのが好ましい。
中心Bから射出する光束の主光線の第4反射面の面法線に対する入射角度θ41、第5反射面の面法線に対する入射角度θ51、第6反射面の面法線に対する入射角度θ61が以下の条件を満たすのが好ましい。
中心Bから射出する光束の主光線の第1反射面の光軸に対する入射角度θ12、第2反射面の光軸に対する入射角度θ22、第3反射面の光軸に対する入射角度θ32が以下の条件を満たすのが好ましい。
中心Bから射出する光束の主光線の第4反射面の光軸に対する入射角度θ42、第5反射面の光軸に対する入射角度θ52、第6反射面の光軸に対する入射角度θ62が以下の条件を満たすのが好ましい。
また、面間隔を以下のように設定すると光線の反射と部材配置が容易になる。即ち、第1反射面と第2反射面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le1は、第2反射面と第3反射面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le2、第3反射面と第4反射面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le3よりも大きくすることが好ましい。これは、Le1よりもLe2を大きくした場合、第3反射面の配置位置が第6反射面に近くなってしまい、部材の配置が困難になるからである。更に、それを考慮してLe2をLe1より短くした場合、Le3をLe1よりも小さくすることが好ましい。これは、Le3をLe1よりも大きくすると第4反射面の配置位置が物体面近傍となり、レチクルステージや照明系の跳ね上げミラー等の配置に困難が生じるためである。以上の理由から下記条件式を満足することが好ましい。
物面と像面の光軸上での面頂点間隔の絶対値TT、物体面と第1反射面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le0、第4反射面と第5反射面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le4、第5反射面と第6反射面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le5、第6反射面と像面の光軸上での面頂点間隔の絶対値Le6が下記条件を満たすことが好ましい。
レチクルのパターン面(物体面)から像面に至るある光線の光路において、第2反射面から第3反射面に入射する光路と、第4反射面から第5反射面に入射する光路とが交差しないようにしている。これにより、有効径が大きな面が2面以上できてしまうことを回避し、光路が複雑になることにより部材の配置が困難になることを防いでいる。
加工・計測がより容易となるように、第2反射面の曲率半径の絶対値が1800mm以下、更に好ましくは1600mm以下にしている。
中間像を第4反射面と第5反射面との間に形成することにより、有効径の大きな第6反射面の横で光束を絞り、光束のケラレを防止できる。中間像は6枚の反射面のいずれとも一致しない位置に形成されている。物体面上のパターンの中間像が6面の反射面のうち光路において隣り合う2面の反射面の間に形成されており、2面の反射面間の光路長をLimとするとき、中間像が2面の反射面のいずれに対してもLim×0.35以上離れている。中間像が2面の反射面のいずれに対してもLim×0.4以上離れるとなおよい。かかる構成により、反射面上での光束の広がりが適度に大きくなり、反射面上のゴミやうねり、ミラー材質中の泡などによる結像特性の劣化を抑えることができる。
物体面MSから第1ミラー(M1)へ入射する光線は非テレセントリックであり、像側の射出光線はテレセントリックに設定されている。別途具備されている照明光学系によって物体面MSに配置されたレチクルを照明し、その像を像面Wであるウェハ上に結像するため、物体側はある入射角を持つ必要がある。一方、像面側は、像面に配置されるウェハWが光軸方向に移動しても倍率の変化を少なくするために、テレセントリックにすることが望ましい。
投影光学系100は、基本的には1本の光軸の回りに軸対称な共軸光学系であり、光軸を中心とした狭いリング状の領域でのみ収差を補正すればよい。但し、収差補正上又は収差調整上、6枚のミラーが完全な共軸系になるように配置される必要はなく、若干の偏芯をさせて収差や配置上の自由度を向上させる手法も行われる。
NAを大きく、バックフォーカスを保って結像するためには、第5ミラー(M5)を凸面鏡、第6ミラー(M6)を凹面鏡にすることが好ましい。また、第1反射面はマスクからの発散光を収束させ、光束の偏向を容易にするために凹面形状であることが好ましい。第4反射面は有効径の大きな第6反射面を避けて光軸に近い第5反射面へ光束を導くために凹面形状であることが好ましい。また、物面から像面の間にすべての反射面が含まれているため、レチクルステージ及びウェハステージの配置が容易である。また、パワーを有する光学素子の全てが物体面と像面の間に配置されている。
開口絞りを第1反射面と第2反射面との間に配置することに加え、第2及び第3反射面を凸面形状にしているので、光束を開口絞りから2つの反射面を用いて第4反射面に段階的かつ容易に導くことができる。第3反射面と第4反射面との距離を極端に大きくしなくてもよいので入射角を小さく保ちつつ第4反射面の広がりを抑え、最大有効径を比較的小さくできる。更にフロントフォーカス(今回は物面から第4反射面の距離)を適度に大きくできるために部材の配置が容易である。
入射角度を比較的小さくし、比較的小さな最大有効系であり、十分なフロントフォーカスを有する系を構成するためには、物面から物面の最近接反射面との距離(本実施例においては物体面から第4反射面までの距離となるが、勿論この限りではなく、物体面から第2反射面までの距離としても構わないし、物体面と第2、第4反射面以外の反射面との距離としても構わない。)をL1、物面の最近接反射面から第1反射面との距離をL2とする時、L1とL2が次の式を満たすようにすることが好ましい。
より好ましくは、
を満たすようにすれば良い。
また、次の条件を満たすようにすればなお良い。
また、次の条件を満たすようにすればなお良い。
または、
レチクルへの斜め入射によって結像特性の劣化が生じる場合には物体側テレセン度を小さくする必要がある。この場合、第2反射面と開口絞り面が一致していたのでは、第2反射面で物面から第1反射面へと入射する光束がケラレてしまう。投影光学系100では絞りを第1反射面と第2反射面との間に配置しているために上記の問題が起こりにくい。
反射面上での光束の広がりが小さい場合、加工時に生じるミラー表面のうねりや、ミラー材質中の気泡が結像特性の劣化に直接影響したり、エネルギー集中によるミラーの変形やゴミの転写が発生したりする。そこで、中心Bから発する光束が第4反射面に入射する光入射領域の、光軸からの距離の最大値と最小値との差が30mm以上、より好ましくは40mm以上にしている。但し、極端に大きい場合は加工計測が困難となる。第3反射面と第4反射面との距離は比較的小さいので第4反射面上での光束の広がりは小さくなるが、第2反射面と第3反射面を共に凸面形状としており、光束を適度に広げて各反射面上に入射させることができ、第4反射面上での光束の広がりは適当である。
各ミラーの曲率半径をr1〜r6とした場合、下記の数式32、数式33で示したようなペッツバール項の和がゼロかほぼゼロになることが必要である。
投影光学系100は6枚ミラー系であるが、少なくとも1枚以上が非球面であればよく、その形状は数式34に示した一般式で表される。但し収差補正の観点から、できるだけ非球面の枚数が多い方がよく、6枚全てが非球面であれば好ましい。
数式34において、Zは光軸方向の座標、cは曲率(曲率半径rの逆数)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A、B、C、D、E、F、G、H、J、・・・は各々、4次、6次、8次、10次、12次、14次、16次、18次、20次、・・・の非球面係数である。
更に、各ミラーにはEUV光を反射させる多層膜が施されており、これによって光を強め合う作用を利用する。20nm以下のEUV光を反射するために可能な多層膜は、例えばモリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層したMo/Si多層膜や、モリブデン(Mo)とベリリウム(Be)を交互に積層したMo/Be多層膜などがあり、使用波長によって最適な材料を選択する。但し本発明の多層膜はこの材料に限ったものではなく、同様の効果をもつ材料はいずれの適用も可能である。
一般に多層膜の特性から、高い反射率を得るためには、入射角度の最大値が大きい場合には入射角度の幅を比較的小さくせねばならず、入射角度の最大値が小さい場合には入射角度の幅が比較的大きくてもよい。6枚の反射面のうち最大入射角が最大である面は第3反射面で凸面形状であり、第3反射面に収束光束が入射し、発散光束が出射することが望ましい。比較的入射角度を小さく抑えているが、この第3反射面が反射率の低下につながりやすい。そこで、投影光学系100は、第3反射面における入射角度特性を次のように設定し、反射率を維持している。ここで、θmaxは第3反射面での最大入射角度を表し、Δθは第3反射面での最大入射角度と最小入射角度の差、即ち、入射角度の幅を表している。これらθmaxとΔθとが次式を満たすようにしている。
及び/又は、
より好ましくは、
各反射面は、それぞれの光入射領域内に光を通過、吸収、若しくは透過させる領域を有さない。本実施例では、各反射面の光入射領域内に開口等を有さない。これを被露光体(ウエハ)に到達する光束で考えると、第6反射面から被露光体(像面)に至る光束の、光軸に直交する断面における外周の内部に、光線が無い領域をなくしている。言い換えると、瞳に遮蔽を有さない。瞳に遮蔽があると、結像特性に著しい悪影響を及ぼすためである。
第2反射面から凸面形状の第3反射面へ収束光束を入射させ、凸面形状の第3反射面から第4反射面へと発散光束を入射させている。第3反射面内において、光束の入射する有効部内での半径方向(光軸と垂直方向)の各点における最大入射角度が、有効部内において極大値となるような特性となり、それが入射角度幅を比較的小さくすることにつながり多層膜による特性の劣化を防いでいる。具体的には、第3反射面で、物体面上の円弧形状の照明領域からの光が入射する光入射領域と、物体面上の円弧形状の照明領域の弦の中心点と光軸とを含む平面との交線において、交線上の点の光軸からの距離の最小値をLmin、最大値をLmaxとしたとき、交線上のLmin+0.3×(Lmax−Lmin)以上Lmax以下の領域内で、交線上の各点における最大入射角度が極値を有する。更に、交線上の(Lmax+Lmin)/2±0.2×(Lmax−Lmin)の領域内で、交線上の各点における最大入射角度が極値を有すると好ましい。
各反射面の曲率中心を中心とし各々の反射面の曲率半径を半径とする略球面と光軸との交点のうち、各々の反射面における光の反射位置に最も近い交点を面頂点とするとき、6面の反射面の面頂点が、光軸に沿って物体面側から像面側に向かって、第4反射面、第2反射面、第3反射面、第1反射面、第6反射面、第5射面の順に配置している。
面間隔が小さくなると、ミラー厚さを確保しにくくなり、保持機構、冷却機構などの部材が配置しにくくなる。このため、6面の反射面のうち物体面に最も近い反射面の面頂点と物体面との距離を250mm以上、好ましくは310mm以上に設定している。また、第2反射面の面頂点と第4反射面の面頂点との光軸上での距離を5mm以上、好ましくは10mm以上、更に好ましくは15mm以上に設定している。また、光軸上における物体面と像面との距離をLallとすると、第2反射面の面頂点と第4反射面の面頂点との間隔L24は、次式を満足することが望ましい。
ここで好ましくは、
及び/又は
一般に有効径の大きな第6反射面はミラー厚が大きくなるため、第6反射面の面頂点とその最近接反射面の面頂点との光軸上での間隔が100mm以上、好ましくは110mm以上、更に好ましくは115mm以上に設定すると構成が容易となる。
投影光学系の全長をLallとすると、以下の条件を満たすことが望ましい。即ち、第6反射面の面頂点とその最近接反射面の面頂点との光軸上での間隔をL6とすると次の条件を満足する。
及び/又は
第3反射面の面頂点は第6反射面の面頂点よりも物体側にあることが好ましい。第3反射面は第6反射面よりも物体面側に近い位置に配置されることが好ましい。開口絞りの位置が光路に沿った距離で6面の反射面のうち第2反射面に最も近くなるように構成することが望ましい。
第1反射面と第2反射面との間の光路長をLstとすると、開口絞りは第1反射面及び第2反射面から、Lst/10以上、好ましくはLst/5以上離れている。かかる構成により、光束を第2反射面から第4反射面に容易に導くことができる。
スループットを改善するために円弧形状の照明領域の幅を広げることが有効である。現状の光源要求仕様から、投影光学系のNA0.2〜0.4の場合に、光源からの光を無駄なく利用するためには円弧形状視野の幅Wは3.5mm以上が必要である。しかし、幅が大きくなりすぎると投影光学系の収差補正が困難となるため、8mm以下、好ましくは4mm以上6mm以下に設定することが好ましい。また、NAと円弧形状視野の幅が次の条件を満たすことが好ましい。
次に、図1〜10を参照して、投影光学系100の実施例を説明する。
図1、表1を用いて本発明の実施例1について説明する。実施例1の反射型投影光学系100は6枚の反射鏡を有し、基本的に物体面MS側から光が通過する順番に、第1の反射面M1(凹面)と、開口絞り、第2の反射面M2(凸面)、第3の反射面M3(凸面)、第4の反射面M4(凹面)と第5の反射面M5(凸面)、第6の反射面M6(凹面)とを有し、M4からM5の光路の間で中間像IMを結像させ、この中間像IMを残りの面で像面W上に再結像させている。なお、表1の曲率半径及び面間隔の単位は[mm]である。図1中の一点鎖線は光軸であり、第1乃至第6反射面それぞれの曲率中心を結んだ直線である。
光軸上における物体面と像面との距離(全長)は実施例1においては、約1252.384mmである。MSは物体面位置に置かれた反射型マスク、Wは像面位置に置かれたウェハを示している。照明光学系によって照明された反射型マスクを本発明である反射型縮小投影光学系によって像面であるウェハに縮小投影する。像側開口数NAは0.25で、倍率は1/4倍、物体高は119〜139mm(像側で幅5mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは17.4mλ、スタティックディストーションはレンジで2.7nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くできる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは45.2mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。また、最大有効径も585mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.654Lst、第2反射面からの距離が0.346Lstである。
また、6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は4.4度である。比較的小さく抑え、多層膜による反射率の低下を抑えている。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は321.9mmであり十分なフロントフォーカスを有している。第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は61.4mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は116mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.830であるため、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は25.1度と小さく、収差の低減、多層膜での反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物体面からの光束をM4へケラレずに導ける。図11はM4の面法線に対する入射角度及び光軸に対する入射角度の説明図である。他の面の入射角度に対しても同様に決めることとする。面法線に対する各面での入射角度は、θ11=10.4°、θ21=16.0°、θ31=25.1°、θ41=8.6°、θ51=11.9°、θ61=4.0°である。光軸に対する面法線での入射角度は、θ12=5.9°、θ22=14.9°、θ32=17.2°、θ42=32.9°、θ52=15.7°、θ62=8.0°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共にケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.261、Le2/TT=0.179、Le3/TT=0.229、Le0/TT=0.567、Le4/TT=0.709、Le5/TT=0.307、Le6/TT=0.341である。
開口絞りの半径Rstoは32.5mmであり、Rsto/NAは130mmである。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞りでケラレを防ぎ、NA0.25という高いNAを保持しつつスリット幅5mmという広スリット幅を実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は25.23mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は19.80mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は22.57mmである。各々を像側NA0.25で割った値は70〜105の範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、更にゴミ転写等による像性能の劣化を抑えた光学系を実現している。
尚、これらの条件式の値(実施例1〜7の各条件式の値)に関しては、表8に詳細に示している。
中心物高129mmから入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=72.89mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=86.20mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=71.93mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=154.18mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.14である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
図2、表2を用いて本発明の実施例2について説明する。特に断らない限り、実施例1と同様である。実施例2の全長は、約1267.046mmである。像側開口数NAは0.237で、倍率は1/4倍、物体高は117.5〜140.5mm(像側で幅5.75mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは17.6mλ、スタティックディストーションはレンジで1.5nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くできる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは45.5mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。また、最大有効径も585mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.656Lst、第2反射面からの距離が0.344Lstである。
6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は4.8度である。比較的小さく抑え、多層膜による反射率の低下を抑えている。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は336.6mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は52.6mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は116mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。また、物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.888であり、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。ここで、第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は24.8度と小さく、収差の低減、多層膜での反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物面からの光束をM4へケラレずに導ける。面法線に対する各面の入射角度は、θ11=10.3°、θ21=15.8°、θ31=24.8°、θ41=8.6°、θ51=11.7°、θ61=3.9°である。光軸に対する各面の入射角度は、θ12=5.9°、θ22=14.7°、θ32=16.9°、θ42=32.7°、θ52=15.5°、θ62=7.8°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共に、ケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.258、Le2/TT=0.182、Le3/TT=0.223、Le0/TT=0.564、Le4/TT=0.701、Le5/TT=0.310、Le6/TT=0.343である。
開口絞りの半径Rstoは31.23mmであり、Rsto/NAは131.8である。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞り面でけられることを防ぎ、スリット幅5.75mmという広スリット幅を実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は24.0455mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は19.49mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は22.755mmである。各々を像側NA0.237で割った値は70mm〜105mmの範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、ゴミ転写等による像性能の劣化を抑えた光学系を実現している。
中心物点から入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=73.51mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=84.97mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=72.38mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=151.12mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.09である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
図3、表3を用いて本発明の実施例3について説明する。特に断らない限り、実施例1及び2と同様である。実施例3の全長は、約1268.513mmである。像側開口数NAは0.23で、倍率は1/4倍、物体高は117〜141mm(像側で6mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは17.0mλ、スタティックディストーションはレンジで3.0nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くすることができる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは45.0mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくくなる。また、最大有効径も585mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.659Lst、第2反射面からの距離が0.341Lstである。
6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は4.9度である。入射角度分布を小さく抑え、多層膜による反射率の低下を防止している。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は340.8mmであり十分なフロントフォーカスを有している。第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は50.7mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は116mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。また、物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.907であり、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は24.7度と小さく、収差の低減、多層膜出の反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物面からの光束をM4へケラレずに導ける。面法線に対する各面での入射角度は、θ11=10.3°、θ21=15.8°、θ31=24.7°、θ41=8.5°、θ51=11.6°、θ61=3.9°である。光軸に対する各面での入射角度は、θ12=5.9°、θ22=14.6°、θ32=16.9°、θ42=32.6°、θ52=15.5°、θ62=7.8°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共に、ケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.256、Le2/TT=0.183、Le3/TT=0.223、Le0/TT=0.565、Le4/TT=0.698、Le5/TT=0.311、Le6/TT=0.344である。
開口絞りの半径Rstoは30.4mmであり、Rsto/NAは132である。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞り面でけられることを防ぎスリット幅6mmという広スリット幅を実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は23.93mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は19.135mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は22.50mmである。各々を像側NA0.23で割った値は70mm〜105mmの範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、ゴミ転写による像性能の劣化を抑えた光学系を実現している。
中心物点から入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=73.59mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=84.38mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=72.57mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=150.59mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.07である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
図4、表4を用いて本発明の実施例4について説明する。特に断らない限り、実施例1乃至3と同様である。実施例4の全長は、約1197.8mmである。像側開口数NAは0.28で、倍率は1/4倍、物体高は122.75〜130.75mm(像側で2mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは14.3mλ、スタティックディストーションはレンジで3.0nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くできる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高126.75mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは42.4mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。また、最大有効径も550mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.660Lst、第2反射面からの距離が0.340Lstである。
6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は26.9度、入射角度の分布は2.59度である。入射角度分布を小さく抑え、多層膜による反射率の低下を防止している。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は317.5mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は42.0mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は118mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。また、物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.899であり、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は26.1度と小さく、収差の低減、多層膜出の反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物面からの光束をM4へケラレずに導ける。面法線に対する各面の入射角度は、θ11=10.8°、θ21=17.0°、θ31=26.1°、θ41=8.8°、θ51=11.9°、θ61=4.2°である。光軸に対する各面の入射角度は、θ12=5.9°、θ22=15.7°、θ32=18.3°、θ42=33.9°、θ52=16.3°、θ62=7.5°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共に、ケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.260、Le2/TT=0.187、Le3/TT=0.222、Le0/TT=0.560、Le4/TT=0.702、Le5/TT=0.309、Le6/TT=0.342である。
開口絞りの半径Rstoは34.16mmであり、Rsto/NAは122である。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞り面でけられることを防ぎ、NA0.28という高いNAを実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は26.445mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は20.28mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は21.215mmである。各々を像側NA0.28で割った値は70〜105の範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、ゴミ転写による像性能の劣化を抑えた光学系を実現している。
中心物点から入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=69.62mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=87.05mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=76.75mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=145.86mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.10である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
図5、表5を用いて本発明の実施例5について説明する。特に断らない限り、実施例1乃至4と同様である。実施例5の全長は、約1217.03mmである。像側開口数NAは0.3で、倍率は1/4倍、物体高は126.8〜132.8mm(像側で1.5mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは13.6mλ、スタティックディストーションはレンジで3.0nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くできる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高129.8mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは49.0mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。また、最大有効径も560mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.653Lst、第2反射面からの距離が0.347Lstである。
6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は27.0度、入射角度の分布は2.06度である。入射角度分布を小さく抑え、多層膜による反射率の低下を防止している。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は333.3mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は27.4mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は117mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。また、物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.941であり、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は23度と小さく、収差の低減、多層膜出の反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物面からの光束をM4へケラレずに導ける。面法線に対する各面の入射角度は、θ11=10.8°、θ21=17.1°、θ31=26.4°、θ41=8.8°、θ51=12.1°、θ61=4.2°である。光軸に対する各面の入射角度は、θ12=5.9°、θ22=15.7°、θ32=18.6°、θ42=34.2°、θ52=16.6°、θ62=7.7°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共に、ケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.268、Le2/TT=0.192、Le3/TT=0.215、Le0/TT=0.565、Le4/TT=0.694、Le5/TT=0.307、Le6/TT=0.339である。
開口絞りの半径Rstoは37.53mmであり、Rsto/NAは125である。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞り面でけられることを防ぎ、NA0.3という高いNAを実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は28.845mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は22.99mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は24.52mmである。各々を像側NA0.3で割った値は70〜105の範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、ゴミ転写による像性能の劣化を抑えた光学系を実現している。
中心物点から入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=70.63mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=90.63mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=80.89mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=143.01mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.03である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
図6、表6を用いて本発明の実施例6について説明する。特に断らない限り、実施例1乃至5と同様である。実施例6の全長は、約1177.13mmである。像側開口数NAは0.32で、倍率は1/4倍、物体高は128.5〜132.5mm(像側で1mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは14.2mλ、スタティックディストーションはレンジで1.7nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が107mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くできる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高130.5mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは50.2mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。また、最大有効径も568mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.645Lst、第2反射面からの距離が0.355Lstである。
6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は27.1度、入射角度の分布は1.80度である。入射角度分布を小さく抑え、多層膜による反射率の低下を防止している。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は311.2mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は22.8mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は116mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。また、物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.892であり、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。ここで、第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は26.7度と小さく、収差の低減、多層膜出の反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物面からの光束をM4へケラレずに導けることが分かる。面法線に対する各面の入射角度は、θ11=11.1°、θ21=17.4°、θ31=26.7°、θ41=8.6°、θ51=12.7°、θ61=4.4°である。光軸に対する各面の入射角度は、θ12=6.1°、θ22=16.1°、θ32=18.7°、θ42=34.7°、θ52=17.4°、θ62=7.9°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共に、ケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.278、Le2/TT=0.204、Le3/TT=0.224、Le0/TT=0.562、Le4/TT=0.702、Le5/TT=0.306、Le6/TT=0.339である。
開口絞りの半径Rstoは39.5mmであり、Rsto/NAは123.4である。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞り面でけられることを防ぎ、NA0.32という高いNAを実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は30.67mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は23.97mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は25.095mmである。各々を像側NA0.32で割った値は70〜105の範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、ゴミ転写による像性能劣化を抑えた光学系を実現している。
中心物点から入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=70.47mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=93.56mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=84.53mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=145.84mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.07である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
図7、表7を用いて本発明の実施例7について説明する。特に断らない限り、実施例1乃至6と同様である。実施例7の全長は、約1231.8mmである。像側開口数NAは0.26で、倍率は1/4倍、物体高は121〜137mm(像側で4mmの円弧形状視野)である。波面収差のRMSは15.6mλ、スタティックディストーションはレンジで4.0nmである。
開口絞りをM1とM2との間に配置しているため、物体側テレセン度が103mradと小さいながら、物面からM1へと入射する光束のケラレを防いでいる。また、開口絞りから光軸から離れたM4へと光束を導く際に、M2とM3とで段階的に導いているために、最大入射角を27度に抑えながらM3〜M4距離を比較的短くできる。更に、第2反射面が凸面形状であることから第4反射面上での光束の広がりが適当である。
具体的には、物体高129mmの物点から入射した光束の第4反射面上での光軸に対して垂直な方向の広がりは49.7mmである。かかる構成により、ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。また、最大有効径も582mmに抑えることができる。
開口絞りは、第1反射面M1及び第2反射面M2から適切な距離離れていることが好ましい。本実施例においては、第1反射面と第2反射面の光軸上の距離をLstとしたとき、第1反射面M1からの距離が0.657Lst、第2反射面からの距離が0.343Lstである。
6面の反射面のうち光線入射角度の最大値が最大の面は第3反射面であり、第3反射面における最大の入射角度は27度、入射角度の分布は3.50度である。入射角度分布を小さく抑え、多層膜による反射率の低下を防止している。
物体面と物体面の最近接反射面である第4反射面との距離は309.8mmであり十分なフロントフォーカスを有している。また、第4反射面の面頂点と第2反射面の面頂点の光軸上での間隔は64.0mmであり、第6反射面の面頂点と第6反射面の最近接反射面である第1反射面の面頂点との距離は116mmである。かかる構成により、十分なミラーの厚みを確保でき、更に調整機構や、冷却機構を配置する空間を確保することができる。また、物体面と物体面の最近接面であるM4の面頂点との距離L1、その物体面の最近接面であるM4の面頂点と第1反射面の面頂点との距離L2については、L1/L2が0.794であり、十分なフロントフォーカスを有しつつ入射角度を抑えやすい。
M2、M3を共に凸面としているために中間像をミラーから離れた場所に形成でき、ミラー面上での光束の広がりが適当である。ミラー表面のうねり、ミラー材料中の気泡や、エネルギー集中によるミラーの変形、ゴミの転写などの影響を受けにくく、結像特性の劣化が起こりにくい。ここで、第4反射面と第5反射面との間の光路長をLimとしたとき、中間像は、第4反射面から0.4Lim以上0.6Limの範囲内に形成されている。
物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点からの主光線の、各面における入射角度は以下の通りである。面法線に対する入射角度はM3で最大であるがその値は25.4度と小さく、収差の低減、多層膜出の反射率低下が起こりにくい。更にM1、M2、M3の順で次第に入射角度が増加するため、物面からの光束をM4へケラレずに導ける。面法線に対する各面の入射角度は、θ11=10.5°、θ21=16.3°、θ31=25.4°、θ41=8.7°、θ51=12.0°、θ61=4.1°である。光軸に対する各面の入射角度は、θ12=5.9°、θ22=15.1°、θ32=17.5°、θ42=33.3°、θ52=15.9°、θ62=8.1°である。
各面頂点間隔の絶対値Le1〜Le6と全長TTとの比は以下の通りである。M1とM2の面頂点間隔の絶対値Le1が最大となり、M2とM3の面頂点間隔絶対値Le2及びM3とM4の面頂点間隔の絶対値Le3が同程度である。各部材配置のための空間を大きく確保できると共に、ケラレずに光束を反射させることが容易となり、収差や多層膜の特性の点で有利である。面間隔と全長の比は、Le1/TT=0.265、Le2/TT=0.179、Le3/TT=0.230、Le0/TT=0.568、Le4/TT=0.713、Le5/TT=0.302、Le6/TT=0.338である。
開口絞りの半径Rstoは33.65mmであり、Rsto/NAは129である。開口絞りの半径を小さく抑えることで、物面から第1反射面へ入射する光束と、第2反射面から第3反射面へ入射する光束が開口絞り面でけられることを防ぎ、NA0.26という高いNAを保持しつつスリット幅4mmという広スリット幅を実現している。
第2反射面上での光束の広がり半径SCA2は26.055mm、第3反射面上での光束の広がり半径SCA3は20.675mm、第4反射面上での光束の広がり半径SCA4は23.745mmである。各々を像側NA0.26で割った値は70〜105の範囲に分布しており、第2乃至第4反射面の有効領域は適度に小さく、部材の配置が容易で最大有効径を抑え、ゴミ転写による像性能劣化を抑えた光学系を実現している。
中心物点から入射した主光線に関して、物点〜第1反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離La1=72.49mm、第1反射面上の交点〜第2反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa2=87.13mm、第2反射面上の交点〜第3反射面上の交点の光軸に垂直方向の距離をLa3=73.12mm、第3反射面上の交点〜第4反射面上の交点をLa4=155.32mmとなり、それらを全長で割った値の最大値/最小値は2.14である。また、第1反射面と第2反射面の面頂点間隔、第2反射面と第3反射面の面頂点間隔、第3反射面と第4反射面の面頂点間隔の最大値/最小値の値は2.0以下である。
ここで、上記実施例1〜7の投影光学系に関して、各実施例の投影光学系の条件式の値について簡単に表8に示す。表8を見れば、前述の条件式を満たしていることが分かる。ここで、Rsto、Rsto/NA、TT、SCA2〜4、SCA2〜4/NAの値に関しては、単位はmmである。勿論、単位をcmにしたり、inchにしたり、mにしたり、μmにしたりする実施例も考え得る。
また、ここで、前述のSCA2〜4/NAをさらに全長TTで割った値についても規定した。ここで、SCA2〜4/NA/TTの値は、0.0600より大きく0.0825よりも小さい値、さらに望ましくは0.062より大きく0.082より小さい値であると良い。特にSCA2/NA/TTは、0.078より大きく0.0825より小さく(さらに望ましくは0.080より大きく0.0820より小さいことが良い)、特にSCA3/NA/TTは、0.0600より大きく0.0660より小さく(さらに望ましくは0.0630より大きく0.0650より小さいことが良い)、特にSCA4/NA/TTは、0.0630より大きく0.0780より小さい(さらに望ましくは0.0720より大きく0.0775より小さいことが良い)値であることが望ましい。
次に、図8を用いて投影光学系100乃至100Fを適用可能な露光装置200について説明する。ここで、図8は、露光装置200の概略ブロック図である。
露光装置200は、露光用の照明光としてEUV光(例えば、波長13.5nm)を用いて、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でマスク220に形成された回路パターンを被露光体240に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施例ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、マスクに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」は、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
図8を参照するに、露光装置200は、光源からの光でマスク220を照明する照明装置210と、マスク220を載置するマスクステージ225と、マスク220からの光を被露光体240に導く投影光学系230(ここでは、この投影光学系は4面のミラーから成る構成としているが、実際には他の実施例に記載したように6面のミラーを有している。)と、被露光体240を載置するウェハステージ245と、アライメント検出機構250と、フォーカス位置検出機構260とを有する。なお、図8は、簡略的に投影光学系230のミラーの枚数を4枚にしているが、投影光学系230のミラーの枚数は、上述の通り6枚である。勿論本発明の趣旨が変わらない範囲内で枚数を増加させてもよい。
図8に示すように、EUV光は、大気に対する透過率が低く、残留ガス(高分子有機ガスなど)成分との反応によりコンタミを生成してしまうため、少なくとも、EUV光が通る光路中(即ち、光学系全体)は真空雰囲気VCである。
照明装置210は、投影光学系230の円弧状の視野に対する円弧状のEUV光によりマスク220を照明する照明装置であって、EUV光源212と、照明光学系214とを有する。
EUV光源212は、例えば、レーザープラズマ光源が用いられる。これは、真空容器中のターゲット材に高強度のパルスレーザー光を照射し、高温のプラズマを発生させ、これから放射される、例えば、波長13nm程度のEUV光を利用するものである。ターゲット材としては、金属膜、ガスジェット、液滴などが用いられる。放射されるEUV光の平均強度を高くするためにはパルスレーザーの繰り返し周波数は高い方がよく、通常数kHzの繰り返し周波数で運転される。
照明光学系214は、集光ミラー214a、オプティカルインテグレーター214b、アパーチャ214c、折り返しミラー214dから構成される。集光ミラー214aは、レーザープラズマからほぼ等方的に放射されるEUV光を集める役割を果たす。オプティカルインテグレーター214bは、マスク220を均一に所定の開口数で照明する役割を持っている。また、照明光学系214は、マスク220と共役な位置に、マスク220の照明領域を円弧状に限定するためのアパーチャ214cが設けられている。かかる照明光学系214を構成する光学部材である集光ミラー214a及びオプティカルインテグレーター214bを冷却する冷却装置を設けても良い。集光ミラー214a及びオプティカルインテグレーター214bを冷却することにより熱膨張による変形を防止して、優れた結像性能を発揮することができる。
マスク220は、反射型マスクで、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、マスクステージ225に支持及び駆動されている。マスク220から発せられた回折光は、投影光学系230で反射されて被露光体240上に投影される。マスク220と被露光体240とは、光学的に共役の関係に配置される。露光装置200は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、マスク220と被露光体240を走査することによりマスク220のパターンを被露光体240上に縮小投影する。
マスクステージ225は、マスク220を支持して図示しない移動機構に接続されている。マスクステージ225は、当業界周知のいかなる構造をも適用することができる。図示しない移動機構は、リニアモーターなどで構成され、少なくともX方向にマスクステージ225を駆動することでマスク220を移動することができる。露光装置200は、マスク220と被露光体240を同期した状態で走査する。
投影光学系230は、上述の投影光学系100を利用する。投影光学系230は、複数の反射ミラー(即ち、多層膜ミラー)230aを用いて、マスク220面上のパターンを像面である被露光体240上に縮小投影する。少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状の領域(リングフィールド)だけを用いて、マスク220と被露光体240を同時に走査して広い面積を転写する。投影光学系230の開口数(NA)は、0.2乃至0.3程度である。ミラー230aを冷却装置を用いて冷却すれば熱膨張による変形を防止して、優れた結像性能を発揮することができる。
被露光体240は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板その他の被処理体を広く含む。被露光体240には、フォトレジストが塗布されている。
ウェハステージ245は、ウェハチャック245aによって被露光体240を支持する。ウェハステージ245は、例えば、リニアモーターを利用してXYZ方向に被露光体240を移動する。マスク220と被露光体240は同期して走査される。また、マスクステージ225の位置とウェハステージ245の位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。
アライメント検出機構250は、マスク220の位置と投影光学系230の光軸との位置関係、及び、被露光体240の位置と投影光学系230の光軸との位置関係を計測し、マスク220の投影像が被露光体240の所定の位置に一致するようにマスクステージ225及びウェハステージ245の位置と角度を設定する。
フォーカス位置検出機構260は、被露光体240面でフォーカス位置を計測し、ウェハステージ245の位置及び角度を制御することによって、露光中、常時被露光体240面を投影光学系230による結像位置に保つ。
露光において、照明装置210から射出されたEUV光はマスク220を照明し、マスク220面上のパターンを被露光体240面上に結像する。本実施形態において、像面は円弧状(リング状)の像面となり、マスク220と被露光体240を縮小倍率比の速度比で走査することにより、マスク220の全面を露光する。投影光学系230(100)は、高NAと高スループットを省スペースな構成で達成することができ、所期の解像度(例えば、32nmノード)を実現することができる。
次に、図9及び図10を参照して、上述の露光装置200を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図9は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。本実施形態においては、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
図10は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置200を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
M1〜M6 第1反射面〜第6反射面
AS 開口絞り
IM 中間像
AX 光軸
MS 物体面
W 像面
AS 開口絞り
IM 中間像
AX 光軸
MS 物体面
W 像面
Claims (14)
- 物体面上のパターンを像面上に縮小投影し、像側の開口数NAが0.23以上の反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を第1乃至第6反射面の順に反射する6枚の反射面を有し、開口絞りを第1反射面と第2反射面の光路の間に配置し、前記開口絞りの半径RstoがRsto/NA<135mmを満たすことを特徴とする投影光学系。
- 前記像側の開口数NAが0.26以上であることを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
- 前記像側の開口数NAが0.3以上であることを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
- Rsto/NAは100mm以上であることを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
- Rsto/NAは120mm以上であることを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
- Rsto/NAは125.3mm以下であることを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
- 物体面上のパターンを像面上に縮小投影する反射型投影光学系であって、前記物体面からの光を第1乃至第6反射面の順に反射する6枚の反射面を有し、
開口絞りを第1反射面と第2反射面の光路の間に配置し、
前記物体面上の円弧形状の照明領域の中心にある物点から射出する光束が、所定の平面上において、前記第2反射面乃至前記第4反射面の各々において広がる照射領域の半径SCAと像側の開口数NAとの比SCA/NAが70mmより大きく105mmよりも小さく、
前記円弧形状の照明領域は円弧を弦の垂直二等分線に沿って所定距離だけ平行移動した領域であり、前記円弧形状の照明領域の前記中心は前記円弧を前記弦の前記垂直二等分線に沿って前記所定距離の半分だけ移動したものと前記垂直二等分線との交点であり、
前記所定の平面は前記垂直2等分線と前記光軸とを含む平面であり、
前記広がり半径は、前記所定の平面上で前記照射領域の前記垂直二等分線に沿った方向に投影した距離の半分であることを特徴とする投影光学系。 - 前記第2反射面が凸面形状であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の投影光学系。
- 前記第3反射面が凸面形状であることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の投影光学系。
- 前記第1反射面が凹面形状であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の投影光学系。
- 前記第4反射面が凹面形状であることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の投影光学系。
- 前記第4反射面から前記第5反射面の光路の間に中間像を形成することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の投影光学系。
- 光源からの光を用いて前記物体面上のパターンを照明する照明光学系と、
前記物体面上のパターンを前記像面上に縮小投影する、請求項1乃至12のうちいずれか一項記載の投影光学系とを有することを特徴とする露光装置。 - 請求項13に記載の露光装置を用いて被露光体を露光するステップと、
露光された前記被露光体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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WO2010052961A1 (ja) * | 2008-11-10 | 2010-05-14 | 株式会社ニコン | 結像光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 |
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2005
- 2005-03-01 JP JP2005056702A patent/JP2006245148A/ja not_active Withdrawn
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