JP2003100590A - Euv露光装置 - Google Patents

Euv露光装置

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JP2003100590A
JP2003100590A JP2001289441A JP2001289441A JP2003100590A JP 2003100590 A JP2003100590 A JP 2003100590A JP 2001289441 A JP2001289441 A JP 2001289441A JP 2001289441 A JP2001289441 A JP 2001289441A JP 2003100590 A JP2003100590 A JP 2003100590A
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reticle
light
wafer
mirror
euv
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Kazuya Ota
和哉 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェハ上での露光転写位置精度が良好なEU
V露光装置を提供する。 【解決手段】 光源を含む照明系ILから放射されたE
UV光は折り返しミラー1によってレチクル2に照射さ
れる。レチクル2によって反射されたEUV光は、レチ
クル2に描かれた回路パターンの情報を含んでいる。E
UV光はミラー6によって反射され、順次ミラー7、ミ
ラー8、ミラー9によって反射されて最終的にはウェハ
10に対して垂直に入射する。主としてミラー6〜ミラ
ー9からなる投影光学系の縮小倍率は、慣習的に1/4
が用いられているが、ウェハ上での露光転写位置精度を
向上させるためには、1/5より大きくすることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はEUV(Extreme Ul
tra Violet)光(波長5〜20nm)を使用した露光装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセス等に使用される露光
装置は、従来可視光や紫外光を使用したものが一般に使
用されてきたが、近年、要求されるパターン密度の増
大、すなわちパターン線幅の微細化に対応するために、
EUV光(軟X線)を使用した露光装置の開発が進めら
れている。このようなEUV露光装置の例を図1に示
す。
【0003】光源を含む照明系ILから放射されたEU
V光(一般に波長5−20nm、具体的には13nmや11nm)は
折り返しミラー1によってレチクル2に照射される。レ
チクル2はレチクルステージ3に保持されている。レチ
クルステージ3は、走査方向(Y軸)に100mm以上のス
トロークを持ち、レチクル面内走査方向と直交する方向
(X軸)に微小ストロークを持ち、光軸方向(Z軸)に
も微小ストロークを持つ。XY方向の位置は不図示のレ
ーザ干渉計によって高精度にモニタされ、Z方向にはレ
チクルフォーカスセンサ4、5によってモニタされてい
る。
【0004】レチクル2によって反射されたEUV光
は、レチクル2に描かれた回路パターンの情報を含んで
いる。レチクルにはEUV光を反射する多層膜(例えば
Mo/SiやMo/Be)の上に吸収層(例えばNiやAl)の有無で
パターニングされている。EUV光はミラー6によって
反射され、順次ミラー7、ミラー8、ミラー9によって
反射されて最終的にはウェハ10に対して垂直に入射す
る。主としてミラー6〜ミラー9からなる投影光学系の
縮小倍率は、慣習的に1/4が用いられている。図1で
は、投影光学系のミラーは4枚であるが、N.A.をよ
り大きくするためには、6枚あるいは8枚にすると効果
的である。
【0005】ウェハ10はウェハステージ11上に載せ
られている。ウェハステージ11は光軸と直交する面内
(XY平面)を自由に移動することができ、ストローク
は例えば300−400mmである。光軸方向(Z軸)にも微小
ストロークの上下が可能で、Z方向の位置はウェハフォ
ーカスセンサ12、13によってモニタされている。X
Y方向の位置は不図示のレーザ干渉計によって高精度に
モニタされている。露光動作において、レチクルステー
ジ3とウェハステージ11は、投影系の縮小倍率と同じ
速度比で同期走査する。なお、14は鏡筒、15はオフ
アクシス顕微鏡である。
【0006】このようなEUV露光装置においては、E
UV波長域において透明で屈折率を有する光学素子がな
いため反射鏡により光学系を構成せざるを得ず、また、
レチクルも反射レチクルとせざるを得ない。よって、E
UV露光装置は図1に示すように、反射鏡よりなる光学
系で構成されており、かつ、反射レチクルが使用されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のような制限の他
に、EUV波長域においては、ハーフミラー又はそれに
類似する機能を有する光学素子も存在しないため、照明
光をレチクルに入射する場合、照明光の光学素子による
反射光のけられを防ぐためには、垂直入射させることは
不可能であり、ある角度だけ傾けた斜め入射をせざるを
得ない。このことに起因して、以下のような2つの問題
点が生じる。
【0008】第1の問題点は、レチクルのz方向(光軸
方向)のずれが、ウェハ上でパターン位置のxy方向(横
方向)のずれとなることであり、幾何光学的に説明でき
る。レチクル面における照明光の垂直からの傾き角度を
θ、z方向のずれをΔz、縮小倍率をmとすれば、ウェ
ハ上でのパターン位置ずれΔxは、以下の式で表わされ
る。 Δx = m Δz sinθ …(1)
【0009】ここで縮小倍率mは、レチクル像を例えば
1/4に縮小して投影する場合、m=1/4と表す。また、1/
4より1/5の方が、縮小率が高い(大きい)と定義する。
傾き角度θは、入射光と反射光が重ならないよう、レチ
クル照明光の開口数(NA)より大きくなくてはならな
い。レチクル照明光のNAは、投影系のウェハ側NAに
縮小倍率mとコヒーレンスファクタを乗じたものであ
る。ウェハ側NAは露光機に求められる解像度によって
ほぼ一義的に決定される。
【0010】解像度を向上するためには、NAを大きく
する必要があり、傾き角度θも自動的に大きくならざる
を得ない。逆に、高い解像度が要求される場合、オーバ
レイ要求(ウェハ上での光軸に垂直な方向の転写位置精
度)も比例して厳しくなるため、上式のΔxは小さくな
くてはならない。整理すると、高い解像度を得るために
は、レチクル照明光の傾き角度θを大きくしなければな
らないと共に、オーバレイ要求からくるパターン位置ず
れ許容量Δxを小さくしなければならず、結果として縮
小倍率mとz方向のずれ許容量Δzを小さくする必要が
る。
【0011】第2の問題点は、レチクルに描かれる回路
パターンは、有限の厚みを持つ吸収層で構成されてお
り、照明光が斜めから照射されるとウェハ上で線幅変化
やテレセン性の崩れが生じる問題であり、波動光学的な
現象として理解できる。
【0012】図2は、EUVレチクルと斜めから照射さ
れる照明光の様子を説明する図である。レチクル材は、
熱膨張しないよう、線膨張係数の極めて小さい部材が用
いられ、表面にEUVを反射するための多層膜コートが
施される。一般に、波長13nmから14nm付近のEUV光に
対して有効な多層膜は、Mo/Si多層膜であり、MoとSiを
波長の約半分の周期で40-50層前後積層したものであ
る。
【0013】多層膜の上に吸収層が形成され、回路パタ
ーンとなる。吸収層に用いられる材質はCr、Ta、TaNな
どであり、厚みは100nm前後である。そこに照明光が垂
直からθだけ傾いた角度で照射される。吸収層が暗部、
多層膜が露出している部分が明部となって、ウェハに投
影される。
【0014】レチクル照明光とレチクルパターンの相対
位置によって、4つのケースを考える。は多層膜反射
面に直接当たり、そのまま約70%の反射率で反射されて
投影系に向かう。は吸収層に当たり、ごくわずか反射
するにはするが、ほとんど吸収されてしまう。はパタ
ーンのすぐ左側の多層膜面に照射され、同様約70%が
反射されるが、吸収層の側壁に当たって減衰する。側壁
で反射され入射光の来る方向に戻る成分も存在する。
は吸収層に当たるが、途中で再び吸収層を出て多層膜に
入射し、反射される。吸収層で減衰するため、直接多層
膜に照射されるに比べて光量は弱くなる。、のよ
うなパターン左右近傍の現象により、回路パターンから
発生する回折光は、+次数と−次数で強度分布や強度そ
のものが異なる。結果として、ウェハに投影されるパタ
ーンの線幅が本来の設計値から狂う、いわゆる線幅制御
誤差や、テレセン性の狂いが生じる。テレセン性が狂う
と、ウェハ面がフォーカス最良点から上下方向にずれた
とき、すなわちデフォーカスしたとき、パターン位置が
左右方向にシフトし、パターン位置ずれとなる。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ウェハ上での露光転写位置精度が良好なEUV
露光装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、EUV光を使用した露光装置であっ
て、投影縮小倍率が1/5以上とされていることを特徴
とするEUV露光装置(請求項5)である。
【0017】従来、慣習的に縮小倍率は1/4が使用さ
れてきたが、後に実施の形態の欄で詳しく説明するよう
に、EUV露光機が使用されるパターン線幅に許される
オーバレイ精度、レチクル照明光の傾きによって生じる
テレセン性の狂いとデフォーカス量、レチクル平坦度及
びレチクルの光軸方向位置制御を全て考慮すると、縮小
倍率はこれより大きい方がよく、1/5以上とすること
が好ましいことが発明者の検討の結果判明した。
【0018】前記課題を解決するための第2の手段は、
EUV光を使用した露光装置であって、投影縮小倍率が
1/5とされていることを特徴とするEUV露光装置で
ある。
【0019】前述のように、パターン線幅に許されるオ
ーバレイ精度、レチクル照明光の傾きによって生じるテ
レセン性の狂いとデフォーカス量、レチクル平坦度及び
レチクルz制御の観点からは、縮小倍率は大きい方が好
ましいが、一方、現実のレチクルサイズ、フィールドサ
イズを考慮した場合、スループットの観点からは、投影
縮小倍率を1/6以上とすることは問題があることが、
発明者の検討の結果判明した。よって、ウェハ上での露
光転写位置精度と、テレセン性、スループットを考慮し
た場合、投影縮小倍率を1/5とすることが最も好まし
い。
【0020】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、レチクルを照
明する照明光の入射角度が、10°以下とされていること
を特徴とするもの(請求項3)である。
【0021】後に実施の形態の欄で詳しく説明するよう
に、レチクルを照明する照明光の入射角度を10°以下と
すれば、シャドウイング効果によるテレセン性の崩れに
起因するウェハ上でのパターンの位置シフトを、2nm以
下に抑えることができ、最小線幅20nmのパターンを製造
する場合に許容可能な範囲とすることができる。
【0022】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、使
用するレチクルの平坦度が、90nm以下とされていること
を特徴とするもの(請求項4)である。
【0023】後に実施の形態の欄で詳しく説明するよう
に、投影縮小倍率が1/5の場合でも、使用するレチクル
の平坦度を90nm以下としておけば、レチクル表面の光軸
方向位置変動に起因するウェハ上でのパターンの位置シ
フトを、2nm以下に抑えることができ、最小線幅20nmの
パターンを製造する場合に許容可能な範囲とすることが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。本発明の実施の形態の1例で
あるEUV露光装置の基本的な構成は、図1に示した従
来のEUV露光装置と変わるところがないので、それを
引用する。
【0025】まず、入射光と反射光がオーバーラップし
ないためには、照明光の傾き角度θをどの範囲に設定す
ればよいか求める。図3を使って、レチクルを照明する
入射光が反射光とオーバーラップしない条件を説明す
る。照明光は角度θ傾いた状態でレチクルを照明する。
レチクル側の開口数NAは、ウェハ側の開口数をNA
、縮小倍率をmとしたとき、以下の式で表わされる。 NA=m*NA …(2)
【0026】投影光学系の持つ露光エリアは、円弧状の
フィールドであり、ウェハにおけるフィールド短手幅を
とすれば、レチクルにおけるフィールドの短手幅w
との間に、w=w/mの関係が成り立つ。照明光
をレチクル2に跳ね上げる折り返しミラー1とレチクル
2の距離(ヘッドクリアランス)をhとする。照射光は
レチクル2に角度θで入射するものとする。短手幅W
のレチクルパターンの右端P1に入射する光の正反射光
は、角度θで反射されて、hだけ離れた距離ではB1’
に到達する。この光は折り返しミラー1で折り返され、
レチクル2からhだけ離れた点A1’を通るものとする
と、A1’とB1’の距離は2hθである。
【0027】これに対し、レチクル2に入射する光の入
射角は半角でNAだけ広がるので、図3のA1まで広が
る。A1とA1’の距離はhNAである。また、レチク
ル2での反射光は半角でNAだけ広がるので、図のB1
に示す点まで反射光が広がる。B1とB1’の距離はh
NAである。同様にして、短手幅Wのレチクルパター
ンの左端P2に入射する光は、折り返しミラー1で折り
返されてレチクル2からhだけ離れた点A2’を通り、
P2で反射されて、レチクル2からhだけ離れた距離で
はB2にまで広がる。B1とB2の距離はP1とP2の
距離に等しくW である。よって、反射光が折り返しミ
ラー1を通過する点における入射光と反射光の最短距離
(サイドクリアランス)Sは、以下の(3)式によって
表される。 s = 2h (θ-m NA) - w/m …(3)
【0028】右辺第1項は縮小倍率mに比例するが、逆
に第2項は反比例する。フィールド短手幅wは、投影
光学系の収差やディストーションを許容値以下にするた
めにはむやみに広げることはできず、一般に1mmから数
mmである。それに対し、ヘッドクリアランスはある程度
自由度を持って設定することができる。NAは露光機
に必要な解像度で決定される。よく知られているのが、
以下のレイリーの式である。 RES = k1 (λ/NA) …(4)
【0029】ここに、RESは解像度、k1は一般に0.5〜1.
0の値をとる定数で、理論限界は0.25である。波長λは
露光に使用する波長で、EUV露光機では例えば13.5nm
である。仮に、k1=0.6とすれば、NA=0.2で解像度40n
m、NA=0.3で解像度27nm、NA =0.4で解像度20nmが得
られる。反射光学系では、ミラーの相互位置が干渉する
ので、むやみにNAを大きくする設計は不可能である
が、ミラーを8枚えばNA =0.4程度とすることが可能で
あり、この場合、20nmの解像度が得られる。
【0030】以上の前提の下、サイドクリアランスを20
mm、NAを0.4としたときの、ヘッドクリアランスと
傾き角度θの関係を図4に示す。縮小倍率mは、1/4と1
/5の2種類を示した。ヘッドクリアランスが小さい場合
は縮小倍率が1/4と1/5で傾き角度θに大きな差は出ない
が、ヘッドクリアランスを400mm確保すれば、有意な差
が生じ、1/5の方が約15%垂直に近付けられる。
【0031】次に、傾き角度θの違いにより、レチクル
のz方向(光軸方向)誤差によって生じるウェハ上での
パターン位置シフト量を見積もる。レチクルのあるパタ
ーンを照明した光は、角度θ方向に反射する。z方向の
レチクルパターンずれをΔzとすれば、ウェハ上で生じ
るパターン位置シフトΔxは次式で表わされる。 Δx = m Δz θ・・・・・・ (5)
【0032】ヘッドクリアランスを400mm、NAを0.
4、サイドクリアランスを20mmとしたときに得られる傾
き角度を(3)式から求め、(5)式に代入してレチクルのz
方向変位Δzとウェハ上の位置シフトΔxの関係を求めた
ものを図5に示す。両者の関係はリニアであり、縮小倍
率1/5の線の傾きは、1/4の線の傾きの68%である。
【0033】ここで、レチクルのz方向の変位によって
生じるウェハ上のパターン位置シフト許容量について考
察する。一般に、半導体デバイスを作るとき、前層との
オーバレイ精度要求は、最小線幅の1/3以内とすること
が必要であるといわれている。先ほど、20nmの解像度が
得られることについて述べた。最小線幅が20nmならば、
必要なオーバレイ精度は約7nmである。
【0034】オーバレイを左右する誤差要因は、ウェハ
ステージの位置決め精度、ウェハアライメント精度、投
影光学系の持つディストーション、レチクルパターン描
画精度などがあるが、EUV露光機の場合、これらに加
えて、新たにレチクルのz方向変位によるパターン位置
シフトが誤差要因として加わる。各誤差要因に許される
量は、およそ1nmから2nmである。
【0035】仮に、レチクルのz方向変位によるパター
ン位置シフトをΔx=1nmとすれば、許されるz変位Δ
zは縮小倍率1/4の場合30nm、1/5の場合45nmである。Δ
x=2nmならば、Δzは縮小倍率1/4の場合60nm、1/5の
場合90nmである。レチクルのz方向誤差の要因のひとつ
はレチクル自身の持つ平坦度であり、±50nmを全面で保
証されるような基板を作製することは、技術的にもコス
ト的にも決して容易ではない。したがって、縮小倍率は
大きいほどよく、縮小倍率1/4では、要求されるレチク
ル平坦度を実現する見込みが小さい。よって、縮小倍率
は、1/5かそれ以上が望ましい。
【0036】次に考慮すべき点は、レチクルパターンが
形成されている吸収層の厚みがあるため、傾き角度θで
照明されたときに生じるシャドウイング効果が生じ、結
果として発生するウェハ上テレセン性の崩れである。波
動光学的なシミュレーションをすると、このようなシャ
ドウイング効果により、レチクルパターンによる瞳上で
の回折光分布は図6のようになる。
【0037】図6において、横軸は正規化された瞳上の
位置(光軸を0とする)であり、縦軸は入射光の強度を
100%としたときの相対強度である。0次光、+1次
光、−1次光の各回折光は、それぞれ図に示すような傾
いた強度分布となる。更に、+1次光と−1次光の平均
強度比を見ると、明らかに異なることが分かる。これに
より、投影光学系のウェハ側が本来テレセントリックに
設計されていたとしても、見かけ上テレセン性が崩れた
ようになってしまう。
【0038】図7にテレセン性の崩れを示す。図7にお
いて横軸はレチクルへの照明光の入射角度、縦軸はテレ
セン性の誤差を示す。図7は、吸収層に厚さ100nmのTa
を用い、照明のコヒーレンスファクタσを0、0.25、0.
5、0.75、1.0と5段階にわたって変化させた場合のデー
タである。照明条件によりテレセン性の崩れ量は異なる
が、最悪値で見ると、傾き角度θが4°のとき2.5mra
d、6°のとき7mrad、8°のとき16mradである。ま
た、外挿により求めると、10°のとき20mradとなる。
【0039】ウェハ側での焦点深度は大体±100nmであ
るから、焦点深度内でデフォーカスした場合、テレセン
性の崩れによるパターン位置シフトの最大値は、照明傾
き角度θが4°のとき0.25nm、6°のとき0.7nm、8°
のとき1.6nmとなる。パターン位置シフトが悪最でも2n
mまでしか許されないとすれば、照明光の傾き角度最大
許容量はおよそ10°である。
【0040】先に示した例で用いた照明の傾き角度は、
縮小倍率1/4では0.13rad(7.4°)、1/5では0.11rad(6.3
°)である。したがって、テレセン性の崩れとデフォー
カスによって生じるウェハ上位置シフトは、縮小倍率1/
4では約1.5nm、1/5では約0.74nmとなり、2倍もの違い
が生じる。オーバレイバジェットは様々な要因で決めら
れるが、この位置シフトに1.5nmとられると、他のバジ
ェットが厳しくなるため、縮小倍率が1/5の場合が非常
に優れていることが分かる。
【0041】以上から、EUV露光機において、投影光
学系の縮小倍率は大きければ大きいほどオーバレイ精度
の向上の観点から見て望ましい。そして、縮小倍率1/4
では、オーバレイ計算上無視できない位置シフトが発生
するため、縮小倍率は1/5かそれ以上が望ましい。
【0042】最後にフィールドサイズについて考察す
る。EUV露光機は、DUV等の光とのミックスアンド
マッチとして使用される可能性が高く、各露光機間のフ
ィールドサイズのマッチングは極めて重要な要因とな
る。EUV露光機は、DUV走査型露光機と同じく、走
査型の露光機であり、レチクルが投影されるのは円弧状
のフィールドで、それを短手方向に走査して矩形の露光
フィールドを得る。現在DUV走査型露光機で一般的に
用いられているフィールドサイズは、25mm×33mmであ
る。これは縮小倍率1/4の場合、レチクル上で100mm×13
2mmとなり、6インチレチクル(□150mm)に描画できる大
きさである。
【0043】もし縮小倍率を1/5にしたならば、同じフ
ィールドサイズを実現するために、レチクルの描画エリ
アは125mm×165mm必要で、6インチレチクルには収まら
ない。6インチレチクルを用いた場合に実現可能なサイ
ズは、ウェハ上フィールドサイズで22mm×26mm、レチク
ル側で110mm×130mm程度であると考えられる。このサイ
ズは、走査露光を行なわないタイプの露光機(ステップ
アンドリピート方式)、いわゆるステッパの標準フィー
ルドサイズ22mm×22mmを満たすため、この種の露光機と
のミックスアンドマッチに適する。。
【0044】更に縮小倍率を1/6に上げた場合を考え
る。6インチレチクルは150mm×150mmの大きさを持つ
が、その中には、レチクルを位置合わせするためのマー
クとか、遮光帯とかが存在し、実際に回路パターンを描
ける範囲は、せいぜい120mm×132mmである。これを1/6
に縮小して得られるウェハ上のフィールドサイズは、20
mm×22mmとなり、走査露光を行なわないタイプの露光
機、いわゆるステッパの標準フィールドサイズ22mm×22
mmに満たない。従って、1/6縮小はフィールドサイズの
点から使用が困難となる。
【0045】半導体デバイスを生産する時、20-30層の
リソグラフィ工程があるが、うち線幅が非常に細い層を
クリティカルレーヤと呼び、その割合は全体の半分以下
である。残りはラフレーヤであり、露光機のコストを考
えて解像度のあまり要らないステッパを用いるケースが
ほとんどである。したがって、一部のクリティカルレー
ヤのために、そのステッパのフィールドサイズを小さく
すると、露光機の生産性(スループット)を著しく低下
させる。フィールドサイズを小さくする代わりにレチク
ルサイズを大きくすれば、スループットの低下を抑える
ことができるが、6インチ以上のレチクルを製造するた
めにはインフラを再整備する必要があり、現状では事実
上不可能である。これらから、縮小倍率を1/6かそれ以
上にすることは、現状では難しい。
【0046】ウェハ上に露光するフィールド数は、フィ
ールドサイズと相反する関係にあり、フィールドサイズ
が大きいほどフィールド数は減る。これに応じて、露光
走査回数や、露光から次の露光の間にフィールド間をウ
ェハステージが移動する回数が減り、一定時間内に処理
できるウェハ枚数は増加する。つまり、縮小倍率1/4と1
/5を比較した場合、スループットの点では1/4の方が有
利である。実際に計算してみると、1/4の方が1/5の場合
よりもおよそ10%高いスループットを得られる。しか
し、いくらスループットが高くても、オーバレイ精度が
許容値を超えていれば、歩留まりは下がり、結果的には
生産性が低下することになる。
【0047】以上全ての考察をまとめると、レチクルの
平坦度の実現性の観点からは、縮小倍率は1/5以上にす
べきである。斜入射照明によるテレセン性の崩れの観点
からは、やはり縮小倍率は1/5以上にすべきである。し
かし、現状のフィールドサイズの制限から、スループッ
トを考慮した場合、縮小倍率は1/5かそれ以下であるこ
とが好ましい。よって、EUV露光機の投影光学系の持
つ縮小倍率は1/5が望ましい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ウェハ上での露光転写位置精度が良好なEUV露光装置
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EUV露光装置の構成の概要を示す図である。
【図2】レチクルに入射、反射する光の道筋を表わす図
である。
【図3】レチクルへの入射光と反射光がオーバーラップ
しないような配置の条件を示す図である
【図4】折り返しミラーのヘッドクリアランスとレチク
ル照明光の傾き角度の関係を示す図である。
【図5】レチクルのz方向変位と、ウェハ上のパターン
位置シフトの関係を示す図である。
【図6】シャドウイング効果により発生する、瞳上での
回折光の非対称を表わす図である。
【図7】レチクル照明光の入射角度と、シャドウイング
効果によって生じるウェハ上のパターン位置シフトの関
係を表わす図である。
【符号の説明】
1…折り返しミラー、2…レチクル、3…レチクルステ
ージ、4…レチクルフォーカス送光系、5…レチクルフ
ォーカス受光系、6…第一ミラー、7…第二ミラー、8
…第三ミラー、9…第四ミラー、10…ウェハ、11…
ウェハステージ、12…ウェハオートフォーカス送光
系、13…ウェハオートフォーカス受光系、14…鏡
筒、15…オフアクシス顕微鏡

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EUV光を使用した露光装置であって、
    投影縮小倍率が1/5以上とされていることを特徴とす
    るEUV露光装置。
  2. 【請求項2】 EUV光を使用した露光装置であって、
    投影縮小倍率が1/5とされていることを特徴とするE
    UV露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のEUV露
    光装置であって、レチクルを照明する照明光の入射角度
    が、10°以下とされていることを特徴とするEUV露光
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
    項に記載のEUV露光装置であって、使用するレチクル
    の平坦度が、90nm以下とされていることを特徴とするE
    UV露光装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007258625A (ja) * 2006-03-27 2007-10-04 Nikon Corp 露光装置及びレチクル
JP2008541439A (ja) * 2005-05-13 2008-11-20 カール ツァイス エスエムテー アーゲー 6枚の反射鏡を備えたeuv投影光学系
JP2013532381A (ja) * 2010-06-15 2013-08-15 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー Euvリソグラフィ用のマスク、euvリソグラフィシステム、及びマスクの結像を最適化する方法

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