JP4913174B2 - インジェクタの取付構造およびシリンダヘッド側部材並びにこれを備える内燃機関 - Google Patents

インジェクタの取付構造およびシリンダヘッド側部材並びにこれを備える内燃機関 Download PDF

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Description

本発明は、インジェクタの取付構造およびシリンダヘッド側部材並びにこれを備える内燃機関に関するものである。
従来、この種のインジェクタの取付構造としては、特許文献1に開示されているように、各気筒の各々に対して燃料を噴射するためのインジェクタと、このインジェクタに燃料を供給するためのフューエルチューブとをユニット化した状態で、インジェクタをシリンダヘッド本体に形成したインジェクタ装填孔に挿入することにより、ユニット化したインジェクタをシリンダヘッド本体に取り付けるものが提案されている。
このシリンダヘッド装置では、インジェクタのノズル部に取り付けたOリングをインジェクタ装填孔に弾着することにより、インジェクタ装填孔から燃料が漏れ出るのを防止している。
特開2006−90282号公報
ところで、上記特許文献1に開示されているインジェクタの取付構造では、Oリングがインジェクタ装填孔に挿入される際に圧縮変形を生じ、この圧縮時の荷重が、そのままインジェクタをインジェクタ装填孔に挿入するのに必要な挿入荷重となる。
ユニット化されたインジェクタでは、複数のインジェクタのOリングがほぼ同じタイミングで圧縮変形されることになるから、インジェクタの挿入荷重が大きなものとなり、取り付け作業が困難なものとなるという問題点があった。
本発明のインジェクタの取付構造は、ユニット化されたインジェクタの組み付け性の向上を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明は、第1シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第1インジェクタと、第2シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第2インジェクタと、該第1インジェクタおよび該第2インジェクタに燃料を分配可能な燃料分配管と、を互いにユニット化した状態で、前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタをシリンダヘッド側部材に形成した少なくとも1つの第1挿入孔および少なくとも1つの第2挿入孔に夫々挿入することにより、ユニット化したインジェクタを前記シリンダヘッド側部材に取り付けるインジェクタの取付構造であって、
前記第1挿入孔は、前記第1シール部材が嵌合する第1嵌合部が形成されてなり、
前記第2挿入孔は、前記第2シール部材が嵌合する第2嵌合部が形成されてなり、
前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となる時期と前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が最大となる時期とが一致しないよう前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に夫々挿入することにより、ユニット化された前記インジェクタを前記シリンダヘッド側部材に取り付けてなる
ことを要旨とする。
本発明のインジェクタユニットの取付構造では、第1シール部材の第1嵌合部による圧縮変形が最大となる時期と第2シール部材の第2嵌合部による圧縮変形が最大となる時期とが一致しないようにするから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取付ける際の挿入荷重の低減を図ることができる。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性を向上することができる。
ここで、シリンダヘッド側部材には、シリンダヘッド本体を含むことはもちろんのこと、シリンダヘッド本体に取り付けるインテークマニホールドや、このインテークマニホールドをシリンダヘッド本体に取り付ける際に用いられるアダプタープレートなどが含まれる。
本発明のインジェクタの取付構造において、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった後から前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が開始するよう前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に夫々挿入することにより、ユニット化された前記インジェクタを前記シリンダヘッド側部材に取り付けてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1シール部材の第1嵌合部による圧縮変形が最大となった後から第2シール部材の第2嵌合部による圧縮変形が開始するから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に組み付ける際に、第1シール部材の圧縮変形による最大圧縮荷重が発生した後から第2シール部材の圧縮変形を開始することができる。即ち、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際に要するインジェクタの挿入荷重のピークの発生タイミングを各インジェクタで異ならせることができる。
また、本発明のインジェクタの取付構造において、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった状態から、第1挿入量だけ前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入したときに前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形を始めてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1インジェクタの第1挿入孔への挿入荷重が最大となった状態から挿入荷重が低減したときに第2シール部材の第2嵌合部による圧縮変形を始めるから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取付ける際の挿入荷重の低減をより効果的なものとすることができる。
こうした態様の本発明のインジェクタの取付構造において、前記第1挿入量は、前記第1インジェクタの前記第1挿入孔への挿入荷重が最大となった状態から該挿入荷重が低減しきった状態となるまでの値に設定されてなるものとすることもできる。
こうすれば、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重を最大限に低減することができる。
また、本発明のインジェクタの取付構造において、前記第1挿入孔における前記第1嵌合部の形成位置は、前記第2挿入孔における前記第2嵌合部の形成位置に比して深さ方向において浅い位置に形成されてなるものとすることができる。
こうすれば、第1嵌合部の形成位置を第2嵌合部の形成位置に比べて深さ方向において浅い位置に形成するだけだから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重のピークの発生タイミングを各インジェクタで異ならせる構造を簡易に確保することができる。
また、本発明のインジェクタの取付構造において、前記シリンダヘッド側部材としてのシリンダヘッド本体は、気筒を構成する燃焼室が複数形成されてなり、1つの前記燃焼室に対して2つのインジェクタから前記燃料を噴射できるように前記第1挿入孔および前記第2挿入孔が配設されてなるものとすることもできる。
こうすれば、一つの燃焼室に二本のインジェクタから燃料を噴射する所謂ツインインジェクタ方式のようにインジェクタの本数が多い場合におけるインジェクタのシリンダヘッド側部材への取り付けの際の挿入荷重を低減することができる。この結果、ツインインジェクタ方式であってもユニット化されたインジェクタを容易に組み付けることができる。
このツインインジェクタ方式のインジェクタの取付構造において、前記シリンダヘッド本体は、前記燃焼室が直列に複数個形成されてなり、前記第1挿入孔と前記第2挿入孔との夫々は、前記燃焼室の列方向に対して直角な面であって該列方向に並んだ前記燃焼室の燃焼室列における中央を通る直角中央面に対して対称となるよう配設されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1挿入孔と第2挿入孔との夫々が、燃焼室の列方向に対して直角な面であって燃焼室列の中央を通る直角中央面に対して対称に配設されるから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド部材側に取付ける際の挿入荷重を直角中央面に対して対称とすることができる。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性をより向上することができる。
また、本発明のインジェクタの取付構造において、前記シリンダヘッド側部材としてのシリンダヘッド本体は、気筒を構成する燃焼室が直列に複数個形成されてなり、前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とは、夫々異なる前記燃焼室に対して配設されてなるものとすることもできる。
こうすれば、燃焼室ごとにシール部材の圧縮変形開始時における圧縮荷重の発生タイミングを異ならせることができるから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド部材側に取り付ける際の挿入荷重の低減を図ることができる。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性を向上することができる。
この第1挿入孔と第2挿入孔とが夫々異なる燃焼室に配設されてなる場合のインジェクタの取付構造において、前記シリンダヘッド本体には、前記燃焼室が少なくとも3つ形成されてなり、前記第1挿入孔と前記第2挿入孔との夫々は、前記燃焼室の列方向に対して直角な面であって該列方向に並んだ前記燃焼室の燃焼室列における中央を通る直角中央面に対して対称となるよう配設されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1挿入孔と前記第2挿入孔との夫々が、燃焼室の列方向に対して直角な面であって燃焼室列の中央を通る直角中央面に対して対称に配設されるから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド部材側に取り付ける際の挿入荷重を直角中央面に対して対称とすることができる。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性をより向上することができる。
また、本発明のインジェクタの取付構造において、前記第1インジェクタにおける前記第1シール部材の取り付け位置は、前記第2インジェクタにおける前記第2シール部材の取り付け位置に比して、前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入する挿入方向において前側の位置に取り付けられてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1シール部材と第2シール部材との取り付け位置を異ならせるだけだから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重のピークの発生タイミングを各インジェクタで異ならせる構造を簡易に確保することができる。
また、本発明のシリンダヘッド側部材は、
第1シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第1インジェクタを挿入可能な少なくとも1つの第1挿入孔と、第2シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第2インジェクタを挿入可能な少なくとも1つの第2挿入孔と、を備えるシリンダヘッド側部材であって、
前記第1挿入孔は、前記第1シール部材が嵌合する第1嵌合部が形成されてなり、
前記第2挿入孔は、前記第2シール部材が嵌合する第2嵌合部が形成されてなり、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となる時期と前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が最大となる時期とが一致しないような位置関係で前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とに夫々形成されてなる
ことを要旨とする。
本発明のシリンダヘッド側部材では、第1嵌合部と第2嵌合部とは、第1シール部材の第1嵌合部による圧縮変形が最大となる時期と第2シール部材の第2嵌合部による圧縮変形が最大となる時期とが一致しないような位置関係で第1挿入孔と第2挿入孔とに夫々形成するから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重を低減することができる。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性を向上することができる。
ここで、シリンダヘッド側部材には、シリンダヘッド本体を含むことはもちろんのこと、シリンダヘッド本体に取り付けるインテークマニホールドや、このインテークマニホールドをシリンダヘッド本体に取り付ける際に用いられるアダプタープレートなどが含まれる。
また、本発明のシリンダヘッド側部材において、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった後から前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が開始するような位置関係で前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とに夫々形成されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1嵌合部と第2嵌合部とは、第1シール部材の第1嵌合部による圧縮変形が最大となった後から第2シール部材の第2嵌合部による圧縮変形が開始するような位置関係で第1挿入孔と第2挿入孔とに夫々形成するから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際に、第1シール部材の圧縮変形による最大圧縮荷重が発生した後から第2シール部材の圧縮変形を開始することができる。即ち、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際に要するインジェクタの挿入荷重のピークの発生タイミングを各インジェクタによって異ならせることができる。
また、本発明のシリンダヘッド側部材において、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった状態から、第1挿入量だけ前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタが前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入されたときに前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が始まるような位置関係で前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とに夫々形成されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1インジェクタの第1挿入孔への挿入荷重が最大となった状態から挿入荷重が低減したときに第2シール部材の第2嵌合部による圧縮変形を始めるから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重の低減をより効果的なものとすることができる。
こうした態様の本発明のインジェクタの取付構造において、前記第1挿入量は、前記第1インジェクタの前記第1挿入孔への挿入荷重が最大となった状態から挿入荷重が低減しきった状態となるまでの値に設定されてなるものとすることもできる。
こうすれば、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重を最大限に低減することができる。
また、本発明のシリンダヘッド側部材において、前記第1挿入孔における前記第1嵌合部の形成位置は、前記第2挿入孔における前記第2嵌合部の形成位置に比して深さ方向において浅い位置に形成されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1嵌合部の形成位置を第2嵌合部の形成位置に比べて深さ方向において浅い位置に形成するだけだから、ユニット化されたインジェクタをシリンダヘッド側部材に取り付ける際の挿入荷重のピークの発生タイミングを各インジェクタで異ならせる構造を簡易に確保することができる。
また、本発明のシリンダヘッド側部材において、前記第1嵌合部および前記第2嵌合部における前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタの挿入方向後側端部には前記挿入方向前側から後側に向かって径が漸次拡径するテーパー状部が形成されてなるものとすることもできる。
こうすれば、シール部材の圧縮変形を徐々に生じさせることができるのでインジェクタの挿入がしやすくなる。
また、本発明の内燃機関は、上述した何れかの態様のインジェクタの取付構造により前記シリンダヘッド側部材に取り付けられた前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタから噴射される燃料を用いて出力軸としてのクランク軸に動力を出力してなることを要旨とする。
本発明の内燃機関では、上述した各態様の何れかの本発明のインジェクタの取付構造を用いてインジェクタを取り付けるから、本発明のインジェクタの取付構造が奏する効果と同様の効果、例えば、ユニット化されたインジェクタの組み付け性を向上する効果などを奏することができる。
インジェクタユニットを取り付けたエンジン1の構成図である。 エンジン1の要部縦断面拡大構成図である。 シリンダヘッド3を吸気通路側から視た側面要部拡大図である。 シリンダヘッドの平面拡大構成図である。 シリンダヘッドに形成されたインジェクタを取り付ける挿入孔の拡大断面構成図である。 インジェクタが挿入孔に挿入される際の挿入荷重線図である。 インジェクタ8が挿入孔16,17に挿入され始める状態図である。 インジェクタ8が挿入孔16,17に挿入される際のシールリング21の状態変化を示し、インジェクタのシールリングが圧縮され始めた状態図である。 インジェクタ8が挿入孔16,17に挿入される際のシールリング21の状態変化を示し、インジェクタが挿入孔内に挿入された後の状態図である。 インジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際に生ずる挿入力の変化を示す説明図である。 変形例のシリンダヘッドの平面拡大構成図である。 変形例のシリンダヘッドの平面拡大構成図である。 インジェクタユニットの取付構造を3気筒直列エンジンに適用した場合におけるシリンダヘッドの平面拡大構成図である。 変形例のシリンダヘッドの平面拡大構成図である。 変形例の3気筒直列エンジン用のシリンダヘッドの平面拡大構成図である。 変形例のインジェクタ608,609の外観を示す構成図である。 変形例のインジェクタユニットの取付構造におけるシリンダヘッド603の平面拡大構成図である。 シリンダヘッド603に形成されたインジェクタを取り付ける挿入孔の拡大断面構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのインジェクタユニットの取付構造を用いたエンジン1の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン1の縦断面拡大構成図であり、図3は、シリンダヘッド3を吸気通路側から視た側面要部拡大図であり、図4は、シリンダヘッドの平面拡大構成図であり、図5は、シリンダヘッドに形成されたインジェクタを取り付ける挿入孔の拡大断面構成図である。
エンジン1は、図1に示すように、シリンダブロック2と、シリンダブロック2上に設けられたシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3上に取り付けられたシリンダヘッドカバー4と、シリンダヘッド3に取り付けられたインジェクタユニット30とを備える。
シリンダヘッド3は、図2,図3および図4に示すように、燃焼室12と、カムシャフト15a,15bが収容された動弁機構室20と、吸気ポート6aを介して燃焼室12と連通接続された吸気通路6と、排気ポート13aを介して燃焼室12と連通接続された排気通路13と、インジェクタユニット30を取付固定するためのボルト19が締め込まれるボルト孔18と、インジェクタユニット30のうち後述するインジェクタ8が挿入される挿入孔16,17とが形成されている。
シリンダヘッド3は、実施例では、第1気筒14a,第2気筒14b,第3気筒14c,第4気筒14dが直列(図4における左右方向)に配置された直列4気筒エンジン用として構成されており、燃焼室12は、各気筒14a,14b,14c,14d同様直列に4つ配置されている。
挿入孔16,17は、図2,図3および図4に示すように、各吸気通路6に一対で形成されており、吸気通路6の上側外部(図2,図3および図4中上側)から吸気通路6内部に向かって吸気通路6に対して所定の角度をもって貫通形成されている。即ち、シリンダヘッド3は、所謂ツインインジェクタ方式用として構成されている。
挿入孔16,17は、図5に示すように、シリンダヘッド3の外部側から内部側に向かって径が漸次縮径する(後述するインジェクタ8の挿入方向で言うと挿入方前側から後側に向かって径が漸次拡径する)テーパー状部16a,17aと、このテーパー状部16a,18aに連続する嵌合部16b,17bと、この嵌合部16b,17bに連続する挿通部16c,17cとから形成されており、シリンダヘッド3の外部側から内部側に向かってテーパー状部16a,17a、嵌合部16b,17b、挿通部16c,17cの順に形成されている。
挿入孔16におけるテーパー状部16aの深さXの値Aは、挿入孔17におけるテーパー状部17aの深さXの値Bよりも小さく形成されている。即ち、挿入孔16における嵌合部16bの始まり位置が、挿入孔17における嵌合部17bの始まり位置よりも深さ方向において浅い位置に形成されている。ここで、値Aと値Bとは、嵌合部16bによる後述するシールリング21の圧縮変形が最大となった状態、即ち、挿入孔16内にインジェクタ8を挿入するのに要する挿入荷重が最大となった状態から、更にインジェクタユニット30をシリンダヘッド3側に押し込んで、挿入孔16内におけるインジェクタ8の挿入荷重が低下しきったときに、嵌合部17bによる後述するシールリング21の圧縮変形が始まるような関係となるように設定される。
値Bの設定は、実施例では、1本のインジェクタ8を挿入孔16に挿入したときの挿入荷重の変化を示す挿入荷重線図を予め実験などにより求めておき、求めた挿入荷重線図によりインジェクタ8の挿入荷重が発生してから挿入荷重がピーク値Fを経て後述するシールリング21の摩擦力程度に低下するまでの挿入量ΔSを測定しておき、測定した挿入量ΔSを値Aに加算することにより設定するものとした。挿入荷重線図の一例を図6に示す。
なお、挿入孔16,17は、図4に示すように、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室12からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒14bと第3気筒14cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して対称となるようにシリンダヘッド3に配設されている。即ち、挿入孔16,17は、第1気筒14aおよび第2気筒14bでは図4の左側から挿入孔16,挿入孔17の順に形成され、第3気筒14cおよび第4気筒14dでは図4の左側から挿入孔17,挿入孔16の順に形成されている。
インジェクタユニット30は、図1および図2に示すように、燃料を噴射する8本のインジェクタ8と、この8本のインジェクタ8のそれぞれに取り付けられたシールリング21と、8本のインジェクタ8に燃料を分配供給するための燃料分配管9とから構成されており、ボルト19によりシリンダヘッド3に取付固定される。
インジェクタ8は、図2,図5および図7に示すように、燃料が噴射される先端噴射部8aを有するノズル部8bと、シールリング21を取り付けるためのリング溝8dが形成された嵌合部8cと、燃料分配管9に挿入される図示しない根元部とから構成されており、8本とも同形状に形成されている。燃料分配管9には、図示しない燃料ポンプから送給される燃料が流れる燃料配管(図示せず)を接続するための接続部10が一体に形成されている。
次に、実施例のインジェクタの取付構造におけるインジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際の様子について説明する。
図7,図8および図9は、インジェクタ8が挿入孔16,17に挿入される際のシールリング21の状態変化を示す状態図であり、図10は、インジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際に生ずる挿入力の変化を示す説明図である。
8本のインジェクタ8を挿入孔16,17に挿入した状態でインジェクタユニット30をシリンダヘッド3側に向けて押し込むと、図7に示すように、挿入孔16,17に挿入された8本のインジェクタ8のうち挿入孔16に挿入された4本のインジェクタ8のシールリング21がテーパー状部16aに当接する。さらにインジェクタユニット30をシリンダヘッド3側に向けて押し込むと、図8に示すように、挿入孔16に挿入された4本のインジェクタ8のシールリング21が圧縮変形を開始し始め、挿入力が増加する(図10における挿入量Sが値S1までの区間)。ここで、シールリング21は、テーパー状部16aにより徐々に圧縮変形するから、挿入力の増加も比較的滑らかなものとなり、インジェクタ8の挿入がしやすいものとなる。
そして、挿入量Sが値S1に達したときに、挿入孔16内におけるシールリング21の圧縮変形は最大となり、挿入孔16における挿入力がピーク値F1’となる。このとき、挿入孔16内におけるシールリング21は、その大半が嵌合部16bとほぼ同じ径にまで変形している(図8)。一方、挿入孔17に挿入された4本のインジェクタ8のシールリング21は、まだテーパー状部17aに当接しておらず、圧縮変形も発生していない。挿入量Sが値S1の状態から、さらにインジェクタユニット30をシリンダヘッド3側に向けて押し込むと、挿入孔16内におけるシールリング21の変形は、その大半が嵌合部16bとほぼ同じ径まで変形したシールリング21の残りの部分を嵌合部16bとほぼ同じ径にまで変形させるだけとなるので、その挿入力は低減する(図10における挿入量Sが値S1から値S2までの区間)。そして、挿入量Sの値がS2に達した後は、図9に示すように、嵌合部16bとほぼ同じ径まで圧縮変形されたシールリング21を嵌合部16b内で移動させるだけとなるので、その挿入力は、ほぼシールリング21の摩擦力まで低減する(図10における挿入量Sが値S2の時点)。このとき、挿入孔17に挿入された4本のインジェクタ8のシールリング21がテーパー状部17aに当接して、圧縮変形を開始し始め、挿入量Sが値S3となるまで挿入力は増加する。ここで、シールリング21は、テーパー状部17aにより徐々に圧縮変形するから、挿入力の増加も比較的滑らかなものとなり、インジェクタ8の挿入がしやすいものとなる。
そして、挿入量Sが値S3となったときに、挿入孔17内におけるシールリング21の圧縮変形は最大となり、挿入孔17における挿入力がピーク値F2に達する。このとき、挿入孔17内におけるシールリング21の変形は、その大半が嵌合部17bとほぼ同じ径まで変形したシールリング21の残りの部分を嵌合部17bとほぼ同じ径にまで変形させるだけとなるので、その挿入力は低減する(図10における挿入量Sが値S3から値S4までの区間)。そして、挿入量Sの値がS3に達した後は、嵌合部17bとほぼ同じ径まで圧縮変形されたシールリング21を嵌合部17b内で移動させるだけとなるので、その挿入力は、ほぼシールリング21の摩擦力まで低減する(図10における挿入量Sが値S4の時点)。こうして、インジェクタユニット30のシリンダヘッド3への取り付けが終了する。
なお、図10における破線は、挿入孔16におけるインジェクタ8の挿入荷重のピークと、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入荷重のピークとの発生タイミングが同時に発生した場合のインジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際の挿入荷重を示す。
以上説明した実施例のインジェクタユニット30の取付構造によれば、挿入孔16におけるインジェクタ8の挿入力のピークaと、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入力のピークbとの発生タイミングを異ならせるから、インジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際の挿入荷重を低減することができる。また、挿入孔16におけるインジェクタ8の挿入荷重が最大となってからシールリング21の摩擦力程度まで低減したときに、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入荷重が発生するようにするから、インジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際の挿入荷重の低減をより効果的なものとすることができる。さらに、挿入孔16における嵌合部16bの始まり位置を、挿入孔17における嵌合部17bの始まり位置よりも深さ方向において浅い位置に形成するだけだから、挿入孔16におけるインジェクタ8の挿入力のピークaと、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入力のピークbとの発生タイミングを異ならせる構造を簡易に確保することができる。
また、実施例のインジェクタユニット30の取付構造によれば、挿入孔16,17は、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室12からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒14bと第3気筒14cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して対称となるようにシリンダヘッド3に配設するから、インジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際の挿入荷重を直角中央面Pに対して対称とすることができる。即ち、インジェクタユニット30をシリンダヘッド3に取り付ける際に、インジェクタユニット30が気筒列方向に対して傾いたりすることがない。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性をより向上することができる。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16,17は、第1気筒14aおよび第2気筒14bでは図4の左側から挿入孔16,挿入孔17の順に形成し、第3気筒14cおよび第4気筒14dでは図4の左側から挿入孔17,挿入孔16の順に形成するものとしたが、挿入孔16,17は、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室12からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒14bと第3気筒14cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して対称であれば、如何なる配置であっても構わない。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16,17は、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室12からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒14bと第3気筒14cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して対称となるようにシリンダヘッド3に配設するものとしたが、図11の変形例のインジェクタユニットの取付構造におけるシリンダヘッド103に例示するように、挿入孔116,117は、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室112からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒114bと第3気筒114cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して非対称、例えば、第1気筒114a,第2気筒114b,第3気筒114cおよび第4気筒114dのそれぞれにおいて、図11の左側から挿入孔116,挿入孔117の順に配設するものとしても差し支えない。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16と挿入孔17とは、同じ数だけシリンダヘッド3に配設するものしたが、図12の変形例のインジェクタユニットの取付構造におけるシリンダヘッド203に例示するように、挿入孔216と挿入孔217との数は異なっていても差し支えない。
この場合でも、挿入孔216,217を、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室212からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒214bと第3気筒214cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して対称となるように、例えば、挿入孔216,217は、第1気筒214aでは図12の左側から挿入孔216,挿入孔217の順に形成され、第2気筒214bおよび第3気筒214cでは全て挿入孔217で形成し、第4気筒214dでは図12の左側から挿入孔217,挿入孔216の順に形成することにより、インジェクタユニットをシリンダヘッド203に取り付ける際に、インジェクタユニットが気筒列方向に対して傾いたりすることがない。この結果、ユニット化されたインジェクタの組み付け性をより向上することができる。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、4気筒直列エンジンに適用するものとしたが、気筒数はこれに限らず如何なる数であっても構わない。
図13は、インジェクタユニットの取付構造を3気筒直列エンジンに適用した場合におけるシリンダヘッド303を上面から見た平面図である。
シリンダヘッド303は、図示するように、第1気筒314a,第2気筒314b,第3気筒314cが直列(図13における左右方向)に配置された直列3気筒エンジン用として構成されており、燃焼室312は、各気筒314a,314b,314c同様直列に3つ配置されている。シリンダヘッド303には、インジェクタが挿入される挿入孔316,317が各吸気通路306に一対で形成されており、図示するように、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された3つの燃焼室312からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒314bのボア中心を通る直角中央面Pに対して対称となるようにシリンダヘッド303に配設されている。即ち、挿入孔316,317は、第1気筒314aでは図13の左側から挿入孔316,挿入孔317の順に形成され、第2気筒314bでは同じ挿入孔317,317が形成され、第3気筒314cでは図13の左側から挿入孔317,挿入孔316の順に形成されている。
この場合でも、挿入孔316におけるインジェクタの挿入力のピークと、挿入孔317におけるインジェクタ8の挿入力のピークとの発生タイミングが異なるから、インジェクタユニットをシリンダヘッド303に取り付ける際の挿入荷重を低減することができる。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16,17を各吸気通路6に一対で形成した所謂ツインインジェクタ方式のエンジン1に適用するものとしたが、挿入孔が吸気通路に1つずつ形成される通常のエンジンに適用するものとしても構わない。
図14は、インジェクタが各吸気通路に1つずつ配置される通常の4気筒直列エンジン用のシリンダヘッド403を上面から見た平面図であり、図15は、インジェクタが各吸気通路に1つずつ配置される通常の3気筒直列エンジン用のシリンダヘッド503を上面から見た平面図である。
4気筒直列エンジン用のシリンダヘッド403では、図14に示すように、挿入孔416,417が各吸気通路406にそれぞれ別々に形成されており、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室412からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒414bと第3気筒414cとの間の中央を通る直角中央面Pに対して対称となるようにシリンダヘッド403に配設されている。即ち、第1気筒414aおよび第4気筒414dには挿入孔416が形成されており、第2気筒414bおよび第3気筒414cには挿入孔417が形成されている。
また、3気筒直列エンジン用のシリンダヘッド503でも、図15に示すように、挿入孔516,517が各吸気通路506にそれぞれ別々に形成されており、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された3つの燃焼室512からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒514bのボア中心を通る直角中央面Pに対して対称となるようにシリンダヘッド503に配設されている。即ち、第1気筒514aおよび第3気筒514cには挿入孔516が形成されており、第2気筒514bには挿入孔517が形成されている。なお、挿入孔516と挿入孔517の配置は、上述した順序と逆であっても構わない。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16における嵌合部16bの始まり位置を挿入孔17における嵌合部17bの始まり位置よりも深さ方向において浅い位置に形成することにより、挿入孔16におけるインジェクタ8の挿入力のピークaと、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入力のピークbとの発生タイミングを異ならせるものとしたが、挿入孔16における嵌合部16bの始まり位置と挿入孔17における嵌合部17bの始まり位置とは同じ(挿入孔16と挿入孔17とは全く同じ形状の孔)とし、インジェクタ8におけるシールリング21を取り付けるためのリング溝8dの形成位置を変えることにより、挿入孔16におけるインジェクタの挿入力のピークaと、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入力のピークbとの発生タイミングを異ならせるものとしも構わない。
図16は、変形例のインジェクタ608,609の外観を示す構成図である。
インジェクタ608におけるリング溝608dの形成位置Y,Zの値を、インジェクタ609におけるリング溝609dの形成位置Y,Zの値よりも大きく形成する。ここで、リング溝608dの形成位置Y,Zの値とインジェクタ609におけるリング溝609dの形成位置Y,Zの値とは、インジェクタ608のシールリング21の圧縮変形が最大となった状態、即ち、挿入孔内にインジェクタ608を挿入するのに要する挿入力が最大となった状態から、更にインジェクタユニットをシリンダヘッド側に押し込んで、挿入孔内におけるインジェクタ608の挿入力が低下しきったときに、インジェクタ609のシールリング21の圧縮変形が始まるような関係となるように設定される。
なお、インジェクタ608,609は、気筒列方向に直角な面であって気筒列方向に配列された4つの燃焼室からなる燃焼室列の中央、即ち、第2気筒と第3気筒との間の中央を通る直角中央面に対して対称となるようにシリンダヘッドに取り付けられる。即ち、第1気筒および第2気筒では第1気筒側からインジェクタ608,インジェクタ609の順となるように燃料分配管に取り付けられ、第3気筒および第4気筒では第3気筒側からインジェクタ609,インジェクタ608の順となるように燃料分配管に取り付けられる。
こうしたインジェクタユニットの取付構造でも、挿入孔におけるインジェクタ608の挿入力のピークと、挿入孔におけるインジェクタ609の挿入力のピークとの発生タイミングを異ならせることができるから、インジェクタユニットをシリンダヘッドに取り付ける際の挿入荷重を低減することができる。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16における嵌合部16bの始まり位置を挿入孔17における嵌合部17bの始まり位置よりも深さ方向において浅い位置に形成することにより、挿入孔16におけるインジェクタ8の挿入力のピークaと、挿入孔17におけるインジェクタ8の挿入力のピークbとの発生タイミングを異ならせるものとしたが、各挿入孔の開始位置を異ならせることにより、各挿入孔におけるインジェクタの挿入力のピークの発生タイミングを異ならせるものしても構わない。
図17は、変形例のインジェクタユニットの取付構造におけるシリンダヘッド603を上面から見た平面図であり、図18は、シリンダヘッド603に形成されたインジェクタを取り付ける挿入孔の拡大断面構成図である。
シリンダヘッド603では、図17および図18に示すように、挿入孔616を形成する形成面603aと挿入孔617を形成する形成面603bとの高さが異なる。即ち、形成面603aの高さが形成面603bの高さよりも値X’だけ高くなっている。
このように、形成面603a,603bの高さ位置を異ならせるだけでも、挿入孔616におけるインジェクタ608の挿入力のピークと、挿入孔617におけるインジェクタ608の挿入力のピークとの発生タイミングを異ならせることができるから、インジェクタユニットをシリンダヘッド603に取り付ける際の挿入荷重を低減することができる。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、深さの異なる2つの挿入孔16,17で8つの挿入孔を形成するものとしたが、8つの挿入孔全てで深さを異ならしめるものとしても構わない。
実施例のインジェクタユニット30の取付構造では、挿入孔16と挿入孔17とは、シリンダヘッド3に形成するものとしたが、シリンダヘッド3の吸気通路に接続される図示しないインテークマニホールドに形成するものとしたり、或いは、シリンダヘッド3とインテークマニホールドとの間に取付固定される図示しないアダプタープレートに形成するものとしても構わない。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 エンジン
3,103,203,303,403,503,603 シリンダヘッド
6,306,406,506 吸気通路
8,608,609 インジェクタ
8b,608b,609b ノズル部
8c,608c,609c 嵌合部
8d,608d,609d リング溝
9 燃料分配管
12,112,212,312,412,512,612 燃焼室
16,17,116,117,216,217,316,317,416,417,516,517,616,617, 挿入孔
16a,17a テーパー状部
16b,17b 嵌合部
21 シールリング(シール部材)
30 インジェクタユニット

Claims (17)

  1. 第1シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第1インジェクタと、第2シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第2インジェクタと、該第1インジェクタおよび該第2インジェクタに燃料を分配可能な燃料分配管と、を互いにユニット化した状態で、前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタをシリンダヘッド側部材に形成した少なくとも1つの第1挿入孔および少なくとも1つの第2挿入孔に夫々挿入することにより、ユニット化したインジェクタを前記シリンダヘッド側部材に取り付けるインジェクタの取付構造であって、
    前記第1挿入孔は、前記第1シール部材が嵌合する第1嵌合部が形成されてなり、
    前記第2挿入孔は、前記第2シール部材が嵌合する第2嵌合部が形成されてなり、
    前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となる時期と前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が最大となる時期とが一致しないよう前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に夫々挿入することにより、ユニット化された前記インジェクタを前記シリンダヘッド側部材に取り付けてなる
    インジェクタの取付構造。
  2. 前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった後から前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が開始するよう前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に夫々挿入してなる請求項1記載のインジェクタの取付構造。
  3. 請求項2記載のインジェクタの取付構造であって、
    前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった状態から、第1挿入量だけ前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入したときに前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が開始されてなる
    インジェクタの取付構造。
  4. 前記第1挿入量は、前記第1インジェクタの前記第1挿入孔への挿入荷重が最大となった状態から該挿入荷重が低減しきった状態となるまでの値に設定されてなる請求項3記載のインジェクタの取付構造。
  5. 前記第1挿入孔における前記第1嵌合部の形成位置は、前記第2挿入孔における前記第2嵌合部の形成位置に比して深さ方向において浅い位置に形成されてなる請求項1ないし4いずれか記載のインジェクタの取付構造。
  6. 前記シリンダヘッド側部材としてのシリンダヘッド本体は、気筒を構成する燃焼室が複数形成されてなり、
    1つの前記燃焼室に対して2つのインジェクタから前記燃料を噴射できるように前記第1挿入孔および前記第2挿入孔が配設されてなる
    請求項1ないし5いずれか記載のインジェクタの取付構造。
  7. 前記シリンダヘッド本体は、前記燃焼室が直列に複数個形成されてなり、
    前記第1挿入孔と前記第2挿入孔との夫々は、前記燃焼室の列方向に対して直角な面であって該列方向に並んだ前記燃焼室の燃焼室列における中央を通る直角中央面に対して対称となるよう配設されてなる
    請求項6記載のインジェクタの取付構造。
  8. 前記シリンダヘッド側部材としてのシリンダヘッド本体は、気筒を構成する燃焼室が直列に複数個形成されてなり、
    前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とは、夫々異なる前記燃焼室に対して配設されてなる
    請求項1ないし5いずれか記載のインジェクタの取付構造。
  9. 前記シリンダヘッド本体には、前記燃焼室が少なくとも3つ形成されてなり、
    前記第1挿入孔と前記第2挿入孔との夫々は、前記燃焼室の列方向に対して直角な面であって該列方向に並んだ前記燃焼室の燃焼室列における中央を通る直角中央面に対して対称となるよう配設されてなる
    請求項8記載のインジェクタの取付構造。
  10. 前記第1インジェクタにおける前記第1シール部材の取り付け位置は、前記第2インジェクタにおける前記第2シール部材の取り付け位置に比して、前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタを前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入する挿入方向において前側の位置に取り付けられてなる請求項1ないし4いずれか記載のインジェクタの取付構造。
  11. 第1シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第1インジェクタを挿入可能な少なくとも1つの第1挿入孔と、第2シール部材が取り付けられた少なくとも1つの第2インジェクタを挿入可能な少なくとも1つの第2挿入孔と、を備えるシリンダヘッド側部材であって、
    前記第1挿入孔は、前記第1シール部材が嵌合する第1嵌合部が形成されてなり、
    前記第2挿入孔は、前記第2シール部材が嵌合する第2嵌合部が形成されてなり、
    前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となる時期と前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が最大となる時期とが一致しないような位置関係で前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とに夫々形成されてなる
    シリンダヘッド側部材。
  12. 前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった後から前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が開始するような位置関係で前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とに夫々形成されてなる請求項11記載のシリンダヘッド側部材。
  13. 前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは、前記第1シール部材の前記第1嵌合部による圧縮変形が最大となった状態から、第1挿入量だけ前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタが前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入されたときに前記第2シール部材の前記第2嵌合部による圧縮変形が始まるような位置関係で前記第1挿入孔と前記第2挿入孔とに夫々形成されてなる
    請求項12記載のシリンダヘッド側部材。
  14. 前記第1挿入量は、前記第1インジェクタの前記第1挿入孔への挿入荷重が最大となった状態から該挿入荷重が低減しきった状態となるまでの値に設定されてなる請求項13記載のインジェクタの取付構造。
  15. 前記第1挿入孔における前記第1嵌合部の形成位置は、前記第2挿入孔における前記第2嵌合部の形成位置に比して深さ方向において浅い位置に形成されてなる
    請求項11ないし14いずれか記載のシリンダヘッド側部材。
  16. 前記第1嵌合部および前記第2嵌合部における前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタの挿入方向後側端部には前記挿入方向前側から後側に向かって径が漸次拡径するテーパー状部が形成されてなる
    請求項11ないし15いずれか記載のシリンダヘッド側部材。
  17. 請求項1ないし10いずれか記載のインジェクタの取付構造により前記シリンダヘッド側部材に取り付けられた前記第1インジェクタおよび前記第2インジェクタから噴射される燃料を用いて出力軸としてのクランク軸に動力を出力してなる内燃機関。
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