JP2004019642A - 燃焼室取付部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】挿入型シール構造を採用してシールコストの低減,デザインの容易さおよび音振伝達の低減を実現しつつ、シールの信頼性および組付け作業性の双方の両立も実現する。
【解決手段】エンジンの燃焼室5に設けられたインジェクタボア6に嵌合されるノズル11と、ノズル11に軸方向に隣接した状態で嵌装されてノズル11とインジェクタボア6との間をシールする2個のシールリング13,14を備え、燃焼室5内部側に位置する燃焼室側シールリング14を90〜100質量%のフッ素樹脂および0〜10質量%の無機フィラーからなる材料で形成し、燃焼室側シールリング14の室温での圧縮弾性率を350〜600MPaとすると共に燃焼室5外部側に位置する大気側シールリング13の室温での圧縮弾性率を700〜1000MPaとし、大気側シールリング13の体積を燃焼室側シールリング14の体積の5〜30%する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直噴型エンジンのフューエルインジェクタなどのエンジン燃焼室に取り付けられる燃焼室取付部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記したような燃焼室取付部品、例えば、フューエルインジェクタをエンジンの燃焼室に取り付ける場合には、延性を有する金属、あるいは、弾性を有する金属からなるワッシャなどの部材を高い面圧で押し潰すことによって、燃焼ガスが漏れ出るのを阻止するようにしていた。
【0003】
近年、フューエルインジェクタの締結構造簡略化によるコストの低減や、省スペース化によるデザインの容易さや、インジェクタ作動音の音振伝達の低減を図るうえで、フューエルインジェクタのノズルに耐熱性の高いフッ素樹脂製のシールリングを嵌装し、燃焼室に設けた部品取付用ボアにノズルとともに嵌合する、いわゆる挿入型シール構造の検討がなされている(特開平11−13593号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した燃焼室取付部品において、ノズルに嵌装した非強化のフッ素樹脂製シールリングのクリープ変形が大きいことから、高温高圧の燃焼ガスによってシールリングのはみ出しが生じてしまい、燃焼ガスが漏れ出る可能性がないとは言えないという問題を有していた。
【0005】
また、上記燃焼ガスが漏れ出す懸念を払拭するために、フッ素樹脂に所定の無機フィラーを加えた強化フッ素樹脂をシールリングに用いたうえで、寸法管理をより厳格に行うと、耐クリープ性は向上するものの、無機フィラーを加えたことで圧縮弾性率も上昇することから、フューエルインジェクタのノズルを燃焼室の部品取付用ボアに嵌合する際の挿入荷重が大きくなり、組付け作業性の低下を招いてしまうといった問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、挿入型シール構造を採用してシールコストの低減,デザインの容易さおよび音振伝達の低減を実現しつつ、シールの信頼性および組付け作業性の双方を両立させることが可能である燃焼室取付部品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、鋭意研究を重ねてきた結果、フッ素樹脂および無機フィラーの各含有率や、圧縮弾性率や、体積の互いに異なる2個のシールリングを燃焼室の部品取付用ボアに嵌合する円筒部に嵌装することで、上記目的を達成し得ることを見出すに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係わる燃焼室取付部品は、エンジンの燃焼室に取り付けられる燃焼室取付部品であって、燃焼室に設けられた部品取付用ボアに嵌合される円筒部と、この円筒部に軸方向に隣接した状態で嵌装されて円筒部と燃焼室の部品取付用ボアとの間をシールする2個のシールリングを備え、2個のシールリングのうちの燃焼室内部側に位置する燃焼室側シールリングを90〜100質量%のフッ素樹脂および0〜10質量%の無機フィラーからなる材料で形成し、この燃焼室側シールリングの室温での圧縮弾性率を350〜600MPaとすると共に2個のシールリングのうちの燃焼室外部側に位置する大気側シールリングの室温での圧縮弾性率を700〜1000MPaとし、大気側シールリングの体積を燃焼室側シールリングの体積の5〜30%とした構成としたことを特徴としており、この燃焼室取付部品の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係わる燃焼室取付部品によれば、上記した構成としているので、シールコストの低減,デザインの容易さおよび音振伝達の低減を実現することができるのは勿論のこと、シール性の向上および円筒部を燃焼室の部品取付用ボアに嵌合する際の組付け作業性の向上をいずれも実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係わる燃焼室取付部品において、軟質でかつ摩擦係数が小さいフッ素樹脂からなり、室温での圧縮弾性率を350〜600MPaとした燃焼室側シールリングが、シール部分の大半を占めているので、円筒部を燃焼室の部品取付用ボアに嵌合する際には、すなわち、円筒部の挿入組付け時には、このシールリングを規定された圧縮率に圧縮するのに必要な力が少なくて済み、少ない力で挿入し得る分だけ組付け作業性が良好なものとなり、加えて、部品取付用ボアのシール面の凹凸に対する追従性も有しているので、気密性に優れたものとなる。
【0011】
この際、燃焼室側シールリングに用いるフッ素樹脂の室温での圧縮弾性率が350MPaよりも小さいと、圧縮反力が小さくなって高圧ガスのシール材料には不適となり、室温での圧縮弾性率が600MPaよりも大きいと、組付け時に必要な力が大きくなってしまう。
【0012】
また、ポリテトラフルオロエチレン,四フッ化エチレン,六フッ化エチレン共重合樹脂,四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体,四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂などの通常よく知られたフッ素樹脂は、耐熱老化性が良好であり、燃焼室内の約160℃の温度に長期間にわたって耐えることができる。
【0013】
一方、大気側シールリングの室温での圧縮弾性率を700〜1000MPaとしているので、規定圧縮率に圧縮した際の面圧が高くなって、燃焼室側シールリングが燃焼ガスで簡単に変形してしまうのを阻止し得ることとなる。
【0014】
この際、大気側シールリングの室温での圧縮弾性率が700MPaよりも小さいと、燃焼ガスによる燃焼室側シールリングのはみ出し変形を防ぐ圧縮反力を得ることができず、室温での圧縮弾性率が1000MPaよりも大きいと、組付け時に破損してしまう可能性があり、したがって、挿入型シール構造のシール材料には不適となる。
【0015】
また、大気側シールリングの体積を燃焼室側シールリングの体積の5〜30%としているが、大気側シールリングの体積が燃焼室側シールリングの体積の5%よりも小さいと、燃焼ガスによる燃焼室側シールリングのはみ出し変形を防ぐ圧縮反力を得ることができず、大気側シールリングの体積が燃焼室側シールリングの体積の30%を超えると、組付け時に必要な力が大きくなってしまう。
【0016】
本発明の請求項2に係わる燃焼室取付部品では、大気側シールリングも耐熱老化性が長期にわたって良好になるので、燃焼室内の約160℃の温度に長期間耐え得ることとなり、加えて、無機フィラーによる強化作用によって燃焼室側シールリングよりも耐クリープ性が良好になるので、クリープ歪によるはみ出し破損が抑えられて、高温高圧の燃焼ガスに対して、長期間にわたって良好なシール性を発揮することとなる。
【0017】
本発明の請求項3および4に係わる燃焼室取付部品では、無機フィラーの種類や量を変えることで、圧縮弾性率の調整を容易に行い得ることとなり、加えて、部品取付用ボアのシール面への追従性が良好であるため、シール性に優れたものとなる。
【0018】
本発明の請求項5および6に係わる燃焼室取付部品では、無機フィラーの種類や量や組み合わせを変えることで、燃焼ガスのシールに対する最適な圧縮弾性率や耐クリープ性などの特性を有するシールリング材料の調整が可能となる。
【0019】
この際、金属粉には、アルミニウム,ブロンズ,鉛,ステンレススチール,亜鉛などが挙げられ、ウィスカには、上記金属粉材に加えて、炭化珪素,窒化珪素,酸化亜鉛,炭化チタン,アルミナなどのセラミックが挙げられ、無機化合物には、炭酸カルシウム,二硫化モリブデン,硫酸バリウム,酸化亜鉛,アルミナ,マグネシア,チタニア,ジルコニア,炭化珪素,窒化珪素,炭化チタン,窒化チタンなどが挙げられる。
【0020】
本発明の請求項7に係わる燃焼室取付部品では、円筒部の組付け時において、シールリング収容溝の凸部との接触部分、すなわち、燃焼室側シールリングの内周面に位置する凹部が集中的に圧縮されるので、組み付けに要する力が大幅に軽減することとなり、本発明の請求項8に係わる燃焼室取付部品では、燃焼室側シールリングに燃焼圧が負荷された段階において、燃焼室側シールリングおよび大気側シールリングの相互の接触面が互いに滑って楔効果が発生するので、大気側シールリングが燃焼室の部品取付用ボアの内周面に押圧されて、良好なシール性が得られる。
【0021】
本発明の請求項9に係わる燃焼室取付部品では、燃焼室側シールリングに燃焼圧が負荷された段階において、大気側シールリングおよびシールリング収容溝の相互の接触面が互いに滑って、両者間に生じた応力が大気側シールリングの圧縮方向の力に分散されるので、良好なシール性が得られ、本発明の請求項10に係わる燃焼室取付部品において、円筒部を部品取付用ボアに嵌合する段階には、大気側シールリングの径が縮む方向に斜めの切断面がずれるので、組み付けに要する力が軽減され、一方、燃焼室側シールリングを介して燃焼圧が負荷された段階には、大気側シールリングの径が拡がる方向に上記切断面がずれて応力が大気側シールリングの圧縮方向の力に分散されるので、良好なシール性が得られる。
【0022】
この場合、大気側シールリングの斜め切断面の角度は、リング平面に対して22〜25°とすることが望ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0024】
[実施例1]
図1および図2は、本発明に係わる燃焼室取付部品の一実施例を示しており、この実施例では、本発明に係わる燃焼室取付部品が直噴型自動車エンジンのフューエルインジェクタである場合を示す。
【0025】
図2に示すように、燃焼室取付部品としてのフューエルインジェクタ10は、シリンダヘッド2にホルダ3を介して固定してあり、コモンレール4から導かれる燃料は、このフューエルインジェクタ1を通してシリンダヘッド2内の燃焼室5に供給されるようになっている。
【0026】
フューエルインジェクタ1は、図1に示すように、燃焼室5すなわちシリンダヘッド2に設けられたインジェクタボア(部品取付用ボア)6に嵌合されるノズル(円筒部)11と、このノズル11の外周面に設けたシールリング収容溝12に軸方向に隣接して収容した2個のシールリング13,14を備えており、シリンダヘッド2のインジェクタボア6と燃焼室5に曝されるノズル11との間で圧縮される2個のシールリング13,14によって、両者間の隙間Sに入り込んだ高温高圧の燃焼ガスを封止している。
【0027】
この場合、2個のシールリング13,14のうちの燃焼室5の外部側に位置する大気側シールリング13は、圧縮方向への室温における圧縮弾性率が約400MPaの純ポリテトラフルオロエチレンで形成してあり、一方、2個のシールリング13,14のうちの燃焼室5の内部側に位置する燃焼室側シールリング14は、圧縮方向への室温における圧縮弾性率が約750MPaの40質量%のブロンズを含有したポリテトラフルオロエチレンで形成してあり、大気側シールリング13と燃焼室側シールリング14との体積比を1:5としていると共に、圧縮率をいずれも10%に設定している。
【0028】
このフューエルインジェクタ10をシリンダヘッド2のインジェクタボア6に組付けるに際しては、2個のシールリング13,14は所定の圧縮率に圧縮されるが、大気側シールリング13に比べて室温時の圧縮弾性率が小さい燃焼室側シールリング14の体積比率が大きいことから、挿入組付けに要する力が100N以下の小さな力で済むこととなり、特殊工具を用いることなく手作業による組付けが可能となる。
【0029】
また、このフューエルインジェクタ10のノズル11が高温高圧の燃焼ガスに曝されると、燃焼室側シールリング14は、高温高圧の燃焼ガスによるクリープ変形によって、インジェクタボア6とノズル11との間から大気側(図示上側)にはみ出そうとするが、耐クリープ性が良好な大気側シールリング13が燃焼室側シールリング14のはみ出しを阻止することから、シール性が長期にわたって良好に保たれる。
【0030】
この際、大気側シールリング13を室温の圧縮弾性率が約500MPaのガラス繊維5%強化ポリテトラフルオロエチレンで形成したところ、挿入組付けに要する力が100N以下の小さな力で済むうえ、低温での収縮が小さくて、低温シール性も良好であった。
【0031】
ここで、フューエルインジェクタのシールリングを1個として、このシールリングを室温の圧縮弾性率が約650MPaのガラス繊維15%強化ポリテトラフルオロエチレンで形成し、その圧縮率を10%としたところ、燃焼ガスのクリープによるはみ出しが発生した。
【0032】
また、この比較例のフューエルインジェクタにおいて、ガラス繊維15%強化ポリテトラフルオロエチレンに替えて、室温における圧縮弾性率が約750MPaの40質量%のブロンズを含有したポリテトラフルオロエチレンでシールリングを形成したところ、シール性は長期にわたって良好であったが、挿入組付けに要する力が300N以上と大きく、特殊工具も必要であった。
【0033】
したがって、上記実施例に係わるフューエルインジェクタ10では、シール性に優れているだけでなく、組付け作業性にも優れていることが実証できた。
【0034】
[実施例2]
図3は、本発明に係わる燃焼室取付部品の他の実施例を示しており、この実施例においても、本発明に係わる燃焼室取付部品が直噴型自動車エンジンのフューエルインジェクタである場合を示す。
【0035】
図3に示すように、この実施例におけるフューエルインジェクタ20では、ノズル21の外周面に設けたシールリング収容溝22の溝底に凸部25を設け、この凸部25と燃焼室側シールリング24の内周面に設けた凹部26とを係合させた構成をなしており、他の構成は先の実施例によるフューエルインジェクタ10と同じである。
【0036】
この実施例において、ノズル21の組付け時において、燃焼室側シールリング24の凸部25との接触部分が集中的に圧縮されるので、すなわち、燃焼室側シールリング24の内周面に位置する凹部26が集中的に圧縮されるので、組み付けに要する力が大幅に軽減することとなる。
【0037】
[実施例3]
図4は、本発明に係わる燃焼室取付部品のさらに他の実施例を示しており、この実施例においても、本発明に係わる燃焼室取付部品が直噴型自動車エンジンのフューエルインジェクタである場合を示す。
【0038】
図4に示すように、この実施例におけるフューエルインジェクタ30では、燃焼室側シールリング34および大気側シールリング33の相互の接触面34a,33aをいずれもテーパ面とした構成をなしており、他の構成は、先の実施例によるフューエルインジェクタ10と同じである。
【0039】
この実施例において、燃焼室側シールリング34に燃焼圧が負荷されると、燃焼室側シールリング34および大気側シールリング33の相互の接触面34a,33a(テーパ面)が互いに滑って楔効果が生じることから、大気側シールリング33がインジェクタボア6の内周面に押圧されて、良好なシール性が得られる。
【0040】
[実施例4]
図5は、本発明に係わる燃焼室取付部品のさらに他の実施例を示しており、この実施例においても、本発明に係わる燃焼室取付部品が直噴型自動車エンジンのフューエルインジェクタである場合を示す。
【0041】
図5に示すように、この実施例におけるフューエルインジェクタ40では、ノズル41の外周面に設けたシールリング収容溝42および大気側シールリング43の相互の接触面42a,43aをいずれもテーパ面とした構成をなしており、他の構成は、先の実施例によるフューエルインジェクタ10と同じである。
【0042】
この実施例において、燃焼室側シールリング14に燃焼圧が負荷されると、大気側シールリング43およびシールリング収容溝42の相互の接触面43a,42aが互いに滑って、両者間に生じた応力が大気側シールリング43の圧縮方向の力に分散されるので、良好なシール性が得られる。
【0043】
[実施例5]
図6は、上記した実施例1のフューエルインジェクタにおける大気側シールリングの他の構成例を示している。
【0044】
図6に示すように、この大気側シールリング53は、その周上における1箇所で斜めに切断してあり、この場合、大気側シールリング53の斜め切断面53aの角度θは、リング平面に対して22〜25°の範囲に設定してある。
【0045】
この大気側シールリング53において、ノズル11をインジェクタボア6に嵌合する段階には、リング径が縮む方向に斜めの切断面53a,53aが相互にずれるので、組み付けに要する力が軽減され、一方、燃焼室側シールリング14を介して燃焼圧が負荷された段階には、リング径が拡がる方向に斜めの切断面53a,53aが相互にずれて応力が圧縮方向の力に分散されるので、良好なシール性が得られることとなる。
【0046】
上記した実施例では、本発明に係わる燃焼室取付部品が直噴型自動車エンジンのフューエルインジェクタである場合を示したが、これに限定されるものではない。
【0047】
また、本発明に係わる燃焼室取付部品の詳細な構成は、上記した各実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる燃焼室取付部品の一実施例を示すフューエルインジェクタをエンジンのインジェクタボアに組付けた状態の部分断面説明図である。
【図2】本発明の一実施例によるフューエルインジェクタを組付けたエンジンの簡略断面説明図である。
【図3】本発明に係わる燃焼室取付部品の他の実施例を示すフューエルインジェクタをエンジンのインジェクタボアに組付けた状態の部分断面説明図である。
【図4】本発明に係わる燃焼室取付部品のさらに他の実施例を示すフューエルインジェクタをエンジンのインジェクタボアに組付けた状態の部分断面説明図である。
【図5】本発明に係わる燃焼室取付部品のさらに他の実施例を示すフューエルインジェクタをエンジンのインジェクタボアに組付けた状態の部分断面説明図である。
【図6】図1におけるフューエルインジェクタの大気側シールリングの他の構成例を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
5 燃焼室
6 インジェクタボア(部品取付用ボア)
10,20,30,40 フューエルインジェクタ(燃焼室取付部品)
11,21,41 ノズル(円筒部)
12,22,42 シールリング収容溝
13,33,43,53 大気側シールリング
14,24,34 燃焼室側シールリング
23 凸部
26 凹部
33a,34a,42a,43a 接触面(テーパ面)
53a 斜めの切断面

Claims (10)

  1. エンジンの燃焼室に取り付けられる燃焼室取付部品であって、燃焼室に設けられた部品取付用ボアに嵌合される円筒部と、この円筒部に軸方向に隣接した状態で嵌装されて円筒部と燃焼室の部品取付用ボアとの間をシールする2個のシールリングを備え、2個のシールリングのうちの燃焼室内部側に位置する燃焼室側シールリングを90〜100質量%のフッ素樹脂および0〜10質量%の無機フィラーからなる材料で形成し、この燃焼室側シールリングの室温での圧縮弾性率を350〜600MPaとすると共に2個のシールリングのうちの燃焼室外部側に位置する大気側シールリングの室温での圧縮弾性率を700〜1000MPaとし、大気側シールリングの体積を燃焼室側シールリングの体積の5〜30%としたことを特徴とする燃焼室取付部品。
  2. 大気側シールリングを40〜100質量%のフッ素樹脂および0〜60質量%の無機フィラーからなる材料で形成した請求項1に記載の燃焼室取付部品。
  3. 燃焼室側シールリングを形成する材料のフッ素樹脂をポリテトラフルオロエチレンとした請求項1または2に記載の燃焼室取付部品。
  4. 大気側シールリングを形成する材料のフッ素樹脂をポリテトラフルオロエチレンとした請求項1ないし3のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
  5. 燃焼室側シールリングを形成する材料の無機フィラーは、ガラス繊維,ガラスビーズ,カーボン繊維,カーボンブラック,グラファイト,金属粉,金属もしくはセラミックのウィスカ,マイカ,タルクおよび無機化合物のうちの少なくとも1つ以上からなっている請求項1ないし4のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
  6. 大気側シールリングを形成する材料の無機フィラーは、ガラス繊維,ガラスビーズ,カーボン繊維,カーボンブラック,グラファイト,金属粉,金属もしくはセラミックのウィスカ,マイカ,タルクおよび無機塩のうちの少なくとも1つ以上からなっている請求項2ないし5のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
  7. 円筒部の外周面に設けたシールリング収容溝の溝底に凸部を設け、この凸部と燃焼室側シールリングの内周面に設けた凹部とを係合させてある請求項1ないし6のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
  8. 燃焼室側シールリングに燃焼圧が負荷された段階で燃焼室側シールリングと隣接する大気側シールリングを燃焼室の部品取付用ボアの内周面に押圧するべく、燃焼室側シールリングおよび大気側シールリングの相互の接触面をテーパ面とした請求項1ないし7のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
  9. 燃焼室側シールリングに燃焼圧が負荷された段階で燃焼室側シールリングと隣接する大気側シールリングを燃焼室の部品取付用ボアの内周面に押圧するべく、大気側シールリングおよびシールリング収容溝の相互の接触面をテーパ面とした請求項1ないし8のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
  10. 円筒部を部品取付用ボアに嵌合する段階で大気側シールリングの径を縮めると共に、燃焼室側シールリングを介して燃焼圧が負荷された段階で大気側シールリングの径を拡げるべく、大気側シールリングをその周上における1箇所で斜めに切断してある請求項1ないし9のいずれかに記載の燃焼室取付部品。
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