JP4900728B2 - 積層型電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、共振器を備え、積層された複数の誘電体層を含む積層体を用いて構成された積層型電子部品に関する。
ブルートゥース(登録商標)規格の通信装置、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)用の通信装置、ワイマックス(WiMAX(登録商標);Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格の通信装置、携帯電話機等の無線通信装置では、小型化、薄型化の要求が強いことから、それに用いられる電子部品の小型化、薄型化が要求されている。上記無線通信装置における電子部品の一つに、受信信号を濾波するバンドパスフィルタがある。このバンドパスフィルタにおいても、小型化、薄型化が要求されている。そこで、上記の無線通信装置における使用周波数帯域に対応でき、且つ小型化、薄型化を実現可能なバンドパスフィルタとして、例えば特許文献1に示されるように、積層基板における導体層を用いて構成された複数の共振器を備えた積層型のフィルタが提案されている。
特許文献1には、複数の誘電体層が積層されて構成された誘電体基板の両主面に形成されたアース電極と、誘電体基板内に形成された共振電極とを備え、共振電極は、その一主面がアース電極に対して垂直になるように形成され、共振電極の短絡端側が誘電体基板の両主面に形成されたアース電極に接続された積層型誘電体フィルタが記載されている。特許文献1に記載された積層型誘電体フィルタは、更に、誘電体基板内に設けられ、誘電体層を挟んで共振電極と対向して、共振電極の開放端との間に容量を生じさせる内層アース電極を備えている。
特開2002−299906号公報
例えば特許文献1に記載されているような従来の積層型のフィルタでは、インダクタとして機能するインダクタ用導体層は積層基板の内部に設けられ、インダクタ用導体層の外面のうち、他の導体層に接続される部分以外の部分は誘電体によって覆われている。このような従来の積層型のフィルタでは、小型化、薄型化に伴って、インダクタ用導体層が小さくなると共に、インダクタ用導体層とグランドとの間の距離が小さくなり、これらに起因して共振器のQが小さくなるという問題点がある。共振器のQが小さくなると、積層型のフィルタの通過帯域における伝送品質が劣化する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、共振器を備え、積層された複数の誘電体層を含む積層体を用いて構成された積層型電子部品であって、共振器のQを大きくすることができるようにした積層型電子部品を提供することにある。
本発明の第1の積層型電子部品は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体と、積層体と一体化された共振器とを備えている。共振器は、互いに電気的に接続されたインダクタとキャパシタとを有している。インダクタは、積層体の外面上に配置され、インダクタとして機能するインダクタ用導体層を含んでいる。キャパシタは、インダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上のキャパシタ用導体層と、1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成され、積層体の内部に配置されている。
本発明の第1の積層型電子部品において、積層体は、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する第1および第2の端面を有し、インダクタ用導体層は第1の端面に配置されていてもよい。この場合、キャパシタは、複数の誘電体層の積層方向における積層体の中央と第2の端面との間に配置されていてもよい。
また、本発明の第1の積層型電子部品は、更に、積層体の外面上に配置され、信号の入力と出力の少なくとも一方のために用いられる信号端子と、グランドに電気的に接続されるグランド端子とを備えていてもよい。この場合、インダクタ用導体層は、信号端子とグランド端子とを電気的に接続していてもよく、1つ以上のキャパシタ用導体層は、信号端子に電気的に接続されていてもよく、1つ以上のグランド用導体層は、グランド端子に電気的に接続されていてもよい。
本発明の第2の積層型電子部品は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体と、積層体の外面上に配置され、信号の入力のために用いられる入力端子と、積層体の外面上に配置され、信号の出力のために用いられる出力端子と、積層体と一体化され、入力端子に電気的に接続された第1の共振器と、積層体と一体化され、出力端子に電気的に接続された第2の共振器とを備えている。第1の共振器は、互いに電気的に接続された第1のインダクタと第1のキャパシタとを有している。第2の共振器は、互いに電気的に接続された第2のインダクタと第2のキャパシタとを有している。第1のインダクタは、積層体の外面上に配置され、第1のインダクタとして機能する第1のインダクタ用導体層を含んでいる。第2のインダクタは、積層体の外面上に配置され、第2のインダクタとして機能する第2のインダクタ用導体層を含んでいる。第1のキャパシタは、第1のインダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上の第1のキャパシタ用導体層と、1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成されている。第2のキャパシタは、第2のインダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上の第2のキャパシタ用導体層と、1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成されている。第1および第2のキャパシタは、いずれも、積層体の内部に配置されている。
本発明の第2の積層型電子部品において、積層体は、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する第1および第2の端面を有し、第1および第2のインダクタ用導体層は、いずれも、第1の端面に配置されていてもよい。この場合、第1および第2のキャパシタは、いずれも、複数の誘電体層の積層方向における積層体の中央と第2の端面との間に配置されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型電子部品において、積層体は、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する第1および第2の端面を有し、第1のインダクタ用導体層は第1の端面に配置され、第2のインダクタ用導体層は第2の端面に配置されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型電子部品は、更に、積層体の外面上に配置され、グランドに電気的に接続されるグランド端子を備えていてもよい。第1のインダクタは、入力端子とグランド端子とを電気的に接続していてもよい。第2のインダクタは、出力端子とグランド端子とを電気的に接続していてもよい。1つ以上の第1のキャパシタ用導体層は、入力端子に電気的に接続されていてもよい。1つ以上の第2のキャパシタ用導体層は、出力端子に電気的に接続されていてもよい。1つ以上のグランド用導体層は、グランド端子に電気的に接続されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型電子部品において、第1および第2の共振器は、回路構成上、入力端子と出力端子との間に設けられ、バンドパスフィルタの機能を実現してもよい。なお、本出願において、「回路構成上」という表現は、物理的な構成における配置ではなく、回路図上での配置を指すために用いている。
また、本発明の第2の積層型電子部品は、更に、積層体と一体化され、回路構成上、第1の共振器と第2の共振器の間に設けられた第3の共振器を備えていてもよい。第3の共振器は、互いに電気的に接続された第3のインダクタと第3のキャパシタとを有し、第3のインダクタは、積層体の外面上に配置され、第3のインダクタとして機能する第3のインダクタ用導体層を含み、第3のキャパシタは、第3のインダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上の第3のキャパシタ用導体層と、1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成され、積層体の内部に配置されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型電子部品において、積層体は、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する第1および第2の端面を有し、第1ないし第3のインダクタ用導体層は、いずれも、第1の端面に配置されていてもよい。この場合、第1ないし第3のキャパシタは、いずれも、複数の誘電体層の積層方向における積層体の中央と第2の端面との間に配置されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型電子部品は、更に、積層体の外面上に配置され、グランドに電気的に接続されるグランド端子を備えていてもよい。第1のインダクタは、入力端子とグランド端子とを電気的に接続してもよい。第2のインダクタは、出力端子とグランド端子とを電気的に接続してもよい。第3のインダクタは、グランド端子に電気的に接続されていてもよい。1つ以上の第1のキャパシタ用導体層は、入力端子に電気的に接続されていてもよい。1つ以上の第2のキャパシタ用導体層は、出力端子に電気的に接続されていてもよい。1つ以上のグランド用導体層は、グランド端子に電気的に接続されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型電子部品において、第1ないし第3の共振器は、回路構成上、入力端子と出力端子との間に設けられ、バンドパスフィルタの機能を実現してもよい。
本発明の第1の積層型電子部品では、インダクタ用導体層が積層体の外面上に配置されていることから、インダクタ用導体層が積層体の内部に配置されている場合に比べて、インダクタ用導体層を大きくすることが可能である。また、本発明の第1の積層型電子部品では、インダクタ用導体層が積層体の外面上に配置されていることから、インダクタ用導体層と、積層体の内部に配置されたキャパシタとの間の距離を大きくすることが可能であり、その結果、インダクタ用導体層と、キャパシタを構成する1つ以上のグランド用導体層との間の距離を大きくすることが可能である。これらのことから、本発明の第1の積層型電子部品によれば、共振器のQを大きくすることが可能になるという効果を奏する。
本発明の第2の積層型電子部品では、第1および第2のインダクタ用導体層が積層体の外面上に配置されていることから、第1および第2のインダクタ用導体層が積層体の内部に配置されている場合に比べて、第1および第2のインダクタ用導体層を大きくすることが可能である。また、本発明の第2の積層型電子部品では、第1および第2のインダクタ用導体層が積層体の外面上に配置されていることから、第1および第2のインダクタ用導体層の各々と、積層体の内部に配置された第1および第2のキャパシタとの間の距離を大きくすることが可能であり、その結果、第1および第2のインダクタ用導体層の各々と、第1および第2のキャパシタを構成する1つ以上のグランド用導体層との間の距離を大きくすることが可能である。これらのことから、本発明の第2の積層型電子部品によれば、第1および第2の共振器のQを大きくすることが可能になるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る積層型電子部品の回路構成について説明する。本実施の形態に係る積層型電子部品(以下、単に電子部品と記す。)1は、バンドパスフィルタの機能を有している。図5に示したように、電子部品1は、信号の入力のために用いられる入力端子2と、信号の出力のために用いられる出力端子3と、入力端子2に電気的に接続された第1の共振器4と、出力端子3に電気的に接続された第2の共振器5と、キャパシタ15とを備えている。
第1の共振器4は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ11と第1のキャパシタ13とを有している。第2の共振器5は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ12と第2のキャパシタ14とを有している。共振器4,5は互いに誘導性結合する。また、インダクタ11,12も互いに誘導性結合する。図5では、インダクタ11,12間の誘導性結合を、記号Mを付した曲線で表している。
インダクタ11の一端とキャパシタ13,15の各一端は、入力端子2に電気的に接続されている。インダクタ11の他端とキャパシタ13の他端はグランドに電気的に接続されている。インダクタ12の一端、キャパシタ14の一端および出力端子3は、キャパシタ15の他端に電気的に接続されている。インダクタ12の他端とキャパシタ14の他端はグランドに電気的に接続されている。
共振器4,5は、回路構成上、入力端子2と出力端子3との間に設けられ、バンドパスフィルタの機能を実現する。共振器4,5はいずれも、一端が開放され他端が短絡された1/4波長共振器である。入力端子2と出力端子3は、いずれも、本発明における信号端子に対応する。
本実施の形態に係る電子部品1では、入力端子2に信号が入力されると、そのうちの所定の周波数帯域内の周波数の信号が選択的に、共振器4,5を用いて構成されたバンドパスフィルタを通過し、出力端子3から出力される。
次に、図1ないし図4を参照して、電子部品1の構造の概略について説明する。図1は、電子部品1の主要部分を示す斜視図である。図2は、電子部品1の外観を示す斜視図である。図3は、図1におけるA方向から見た電子部品1の主要部分を示す説明図である。図4は、図1におけるB方向から見た電子部品1の主要部分を示す説明図である。
電子部品1は、電子部品1の構成要素を一体化するための積層体20を備えている。後で詳しく説明するが、積層体20は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含んでいる。
積層体20は、外面として上面20Aと底面20Bと4つの側面20C〜20Fとを有する直方体形状をなしている。上面20Aと底面20Bは互いに反対側を向き、側面20C,20Dも互いに反対側を向き、側面20E,20Fも互いに反対側を向いている。側面20C〜20Fは、上面20Aおよび底面20Bに対して垂直になっている。積層体20において、上面20Aおよび底面20Bに垂直な方向が、複数の誘電体層の積層方向である。図1では、複数の誘電体層の積層方向を、記号Tを付した矢印で示している。上面20Aと底面20Bは、積層体20において、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する。上面20Aは本発明における第1の端面に対応し、底面20Bは本発明における第2の端面に対応する。
電子部品1は、更に、積層体20の外面上に配置された第1のインダクタ用導体層21、第2のインダクタ用導体層22、入力用導体層23、出力用導体層24およびグランド端子用導体層25,26を備えている。第1および第2のインダクタ用導体層21,22は上面20A上に配置されている。導体層23,24は側面20C上に配置されている。導体層25,26は側面20D上に配置されている。導体層21,22,23,24,25,26の平面形状は、いずれも矩形である。
第1のインダクタ用導体層21は、上面20Aと側面20Eとの間の稜線の近傍に配置されている。第1のインダクタ用導体層21の一端部は、上面20Aと側面20Cとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層21の他端部は、上面20Aと側面20Dとの間の稜線の位置に配置されている。
第2のインダクタ用導体層22は、上面20Aと側面20Fとの間の稜線の近傍に配置されている。第2のインダクタ用導体層22の一端部は、上面20Aと側面20Cとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層22の他端部は、上面20Aと側面20Dとの間の稜線の位置に配置されている。
入力用導体層23は、側面20Cと側面20Eとの間の稜線の近傍に配置されている。入力用導体層23の一端部は、上面20Aと側面20Cとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層21の一端部に接続されている。入力用導体層23の他端部は、底面20Bと側面20Cとの間の稜線の位置に配置されている。入力用導体層23は、入力端子2を構成している。
出力用導体層24は、側面20Cと側面20Fとの間の稜線の近傍に配置されている。出力用導体層24の一端部は、上面20Aと側面20Cとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層22の一端部に接続されている。出力用導体層24の他端部は、底面20Bと側面20Cとの間の稜線の位置に配置されている。出力用導体層24は、出力端子3を構成している。
グランド端子用導体層25は、側面20Dと側面20Eとの間の稜線の近傍に配置されている。グランド端子用導体層25の一端部は、上面20Aと側面20Dとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層21の他端部に接続されている。グランド端子用導体層25の他端部は、底面20Bと側面20Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層25は、グランドに電気的に接続されるグランド端子6を構成している。
グランド端子用導体層26は、側面20Dと側面20Fとの間の稜線の近傍に配置されている。グランド端子用導体層26の一端部は、上面20Aと側面20Dとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層22の他端部に接続されている。グランド端子用導体層26の他端部は、底面20Bと側面20Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層26は、グランドに電気的に接続されるグランド端子7を構成している。
次に、図6および図7を参照して、積層体20およびインダクタ用導体層21,22について詳しく説明する。図6において(a)〜(d)は、それぞれ、上から1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示している。図7において(a)〜(d)は、それぞれ、上から5層目ないし8層目の誘電体層の上面を示している。
図6(a)に示した1層目の誘電体層31の上面には、インダクタ用導体層21,22が形成されている。図6(b)に示した2層目の誘電体層32の上面には、キャパシタ用導体層321が形成されている。図6(c)に示した3層目の誘電体層33の上面には、キャパシタ用導体層331,332が形成されている。導体層331は導体層23に接続され、導体層332は導体層24に接続される。図6(d)に示した4層目の誘電体層34の上面には、グランド用導体層341が形成されている。この導体層341はグランド端子用導体層25,26に接続される。
図7(a)に示した5層目の誘電体層35の上面には、キャパシタ用導体層351,352が形成されている。導体層351は導体層23に接続され、導体層352は導体層24に接続される。図7(b)に示した6層目の誘電体層36の上面には、グランド用導体層361が形成されている。この導体層361はグランド端子用導体層25,26に接続される。図7(c)に示した7層目の誘電体層37の上面には、キャパシタ用導体層371,372が形成されている。導体層371は導体層23に接続され、導体層372は導体層24に接続される。図7(d)に示した8層目の誘電体層38の上面には、グランド用導体層381が形成されている。この導体層381はグランド端子用導体層25,26に接続される。
第1のインダクタ用導体層21は、入力端子2(入力用導体層23)に電気的に接続されたインダクタ11として機能する。また、第1のインダクタ用導体層21は、入力端子2(入力用導体層23)とグランド端子6(グランド端子用導体層25)とを電気的に接続する。第2のインダクタ用導体層22は、出力端子3(出力用導体層24)に電気的に接続されたインダクタ12として機能する。また、第2のインダクタ用導体層22は、出力端子3(出力用導体層24)とグランド端子7(グランド端子用導体層26)とを電気的に接続する。
キャパシタ用導体層321は、誘電体層32を介してキャパシタ用導体層331,332に対向している。導体層321,331,332および誘電体層32は、図5におけるキャパシタ15を構成する。
導体層341は、誘電体層33を介してキャパシタ用導体層331,332に対向していると共に、誘電体層34を介してキャパシタ用導体層351,352に対向している。導体層361は、誘電体層35を介してキャパシタ用導体層351,352に対向していると共に、誘電体層36を介してキャパシタ用導体層371,372に対向している。導体層381は、誘電体層37を介してキャパシタ用導体層371,372に対向している。
導体層331,341,351,361,371,381および誘電体層33,34,35,36,37は、図5におけるキャパシタ13を構成する。導体層332,341,352,361,372,381および誘電体層33,34,35,36,37は、図5におけるキャパシタ14を構成する。
図6および図7に示した誘電体層31〜38および複数の導体層のうちインダクタ用導体層21,22を除いたものが積層されて、図1および図2に示した積層体20が形成される。図1および図2に示した導体層21〜26は、この積層体20の外面上に形成される。
誘電体層31〜38の材料としては、樹脂、セラミック、あるいは両者を複合した材料等、種々のものを用いることができる。積層体20としては、特に、誘電体層31〜38の材料をセラミックとして低温同時焼成法によって作製したものが、高周波特性に優れるため好ましい。低温同時焼成法を用いる場合には、積層体20は以下のようにして作製される。まず、後に誘電体層32〜38となる各セラミックグリーンシート上に、後に導体層321,331,332,341,351,352,361,371,372,381となる焼成前の導体層を形成する。次に、これら導体層が形成されたセラミックグリーンシートと、後に誘電体層31となるセラミックグリーンシートとを積層し、セラミックと導体を低温同時焼成工程によって焼成して、積層体20を完成させる。
積層体20の外面上に導体層21〜26を形成する方法としては、例えば、積層体20の外面上に、導体ペーストを印刷することによって、後に導体層21〜26となる焼成前の導体層を形成した後、この導体層を焼成して導体層21〜26を形成する方法がある。積層体20の外面上に導体層21〜26を形成する他の方法としては、例えば、スパッタ法等を用いて積層体20の外面上に金属の薄膜を形成する方法や、金属の薄膜を導電接着剤によって積層体20の外面上に接着する方法がある。
なお、低温同時焼成法を用いて積層体20を作製する場合には、後に誘電体層31となるセラミックグリーンシートの上面に、後にインダクタ用導体層21,22となる焼成前の導体層を形成しておき、これらインダクタ用導体層21,22となる焼成前の導体層を低温同時焼成工程によって焼成して、積層体20と同時にインダクタ用導体層21,22を形成してもよい。ただし、この方法でインダクタ用導体層21,22を形成するよりも、前述のように、積層体20の完成後に積層体20の外面上にインダクタ用導体層21,22を形成する方が、容易に共振器4,5のQを大きくすることが可能である。その理由は、積層体20の完成後に積層体20の外面上にインダクタ用導体層21,22を形成する方が、容易にインダクタ用導体層21,22の厚みを大きくすることができると共に、インダクタ用導体層21,22を構成する金属が誘電体層に拡散することを抑制することができるためである。
以上説明したように、本実施の形態に係る電子部品1は、積層された複数の誘電体層31〜38と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体20と、積層体20の外面上に配置された入力端子2、出力端子3およびグランド端子6,7と、積層体20と一体化され、入力端子2に電気的に接続された第1の共振器4と、積層体20と一体化され、出力端子3に電気的に接続された第2の共振器5とを備えている。
第1の共振器4は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ11と第1のキャパシタ13とを有している。インダクタ11は、積層体20の外面上に配置され、インダクタ11として機能する第1のインダクタ用導体層21を含んでいる。第1のインダクタ用導体層21は、入力端子2(入力用導体層23)とグランド端子6(グランド端子用導体層25)とを電気的に接続する。第1のキャパシタ13は、積層体20の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ13は、入力端子2に電気的に接続された内部導体層である導体層331,351,371と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層341,361,381とを用いて構成されている。
第2の共振器5は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ12と第2のキャパシタ14とを有している。インダクタ12は、積層体20の外面上に配置され、インダクタ12として機能する第2のインダクタ用導体層22を含んでいる。第2のインダクタ用導体層22は、出力端子3(出力用導体層24)とグランド端子7(グランド端子用導体層26)とを電気的に接続する。第2のキャパシタ14は、積層体20の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ14は、出力端子3に電気的に接続された内部導体層である導体層332,352,372と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層341,361,381とを用いて構成されている。
ここで、図1に示したように、積層体20の上面20Aの縦、横の長さをそれぞれ記号D1,W1で表し、積層体20の厚みを記号H1で表す。D1,W1,H1は、それぞれ、例えば0.3mm、0.6mm、0.3mmである。また、図3において、複数の誘電体層の積層方向における積層体20の中央を、記号Cを付した一点鎖線で示す。本実施の形態では、インダクタ用導体層21,22は積層体20の上面20A上に配置され、キャパシタ13,14は、複数の誘電体層の積層方向における積層体20の中央Cと底面20Bとの間に配置されている。誘電体層32〜38の厚みは、例えば20μmである。この場合、誘電体層32の上面から積層体20の底面20Bまでの距離は、140μm(=0.14mm)であり、キャパシタ13,14は、複数の誘電体層の積層方向における積層体20の中央Cと底面20Bとの間に配置されている。
本実施の形態では、インダクタ用導体層21,22が積層体20の外面上に配置されている。そのため、本実施の形態によれば、電子部品1を小型化しながら、インダクタ用導体層21,22が積層体20の内部に配置されている場合に比べて、インダクタ用導体層21,22を大きくすることが可能である。また、本実施の形態では、インダクタ用導体層21,22が積層体20の内部に配置されている場合に比べて、インダクタ用導体層21,22と、積層体20の内部に配置されたキャパシタ13,14との間の距離を大きくすることが可能であり、その結果、インダクタ用導体層21,22の各々と、キャパシタ13,14を構成するグランド用導体層341,361,381との間の距離を大きくすることが可能である。これらのことから、本実施の形態によれば、共振器4,5のQを大きくすることが可能になる。
また、本実施の形態では、図3に示したように、インダクタ用導体層21,22は積層体20の上面20A上に配置され、キャパシタ13,14は、複数の誘電体層の積層方向における積層体20の中央Cと底面20Bとの間に配置されていることにより、効果的に、インダクタ用導体層21,22と、積層体20の内部に配置されたキャパシタ13,14との間の距離を大きくすることができ、その結果、インダクタ用導体層21,22の各々と、キャパシタ13,14を構成するグランド用導体層341,361,381との間の距離を大きくすることができる。
また、本実施の形態において、低温同時焼成法を用いて積層体20を作製する場合には、積層体20の完成後に積層体20の外面上にインダクタ用導体層21,22を形成することにより、積層体20と同時にインダクタ用導体層21,22を形成する場合に比べて、容易に共振器4,5のQを大きくすることが可能になる。
本実施の形態に係る電子部品1は、例えば、ブルートゥース(登録商標)規格の通信装置、無線LAN用の通信装置、ワイマックス(登録商標)規格の通信装置または携帯電話機におけるバンドパスフィルタとして用いられる。バンドパスフィルタの通過周波数帯域が高いほど、インダクタ用導体層21,22を小さくすることができる。そのため、本実施の形態に係る電子部品1を、2.5GHz帯、3.5GHz帯、5.8GHz帯等の高い通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタとして用いる場合には、インダクタ用導体層21,22を小さくすることができ、その結果、電子部品1をより小型化できる。本実施の形態に係る電子部品1を、比較的低い通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタとして用いる場合には、インダクタ用導体層21,22の平面形状を、例えばコイル形状としてもよい。これにより、電子部品1を小型化することが可能になる。
次に、シミュレーションによって、本実施の形態に係る電子部品1と第1の比較例の電子部品とで、通過・減衰特性を比較した結果について説明する。まず、図8を参照して、第1の比較例の電子部品の構成について説明する。図8は、第1の比較例の電子部品81の主要部分を示す斜視図である。第1の比較例の電子部品81は、本実施の形態に係る電子部品1とは、以下の点で異なっている。まず、第1の比較例の電子部品81では、インダクタ用導体層21,22が積層体20の内部に配置されている。すなわち、第1の比較例の電子部品81では、インダクタ用導体層21,22と積層体20の上面20Aの間に、誘電体層が配置されている。なお、シミュレーションにおいて、本実施の形態に係る電子部品1と第1の比較例の電子部品81とで、積層体20の大きさは等しい。また、シミュレーションでは、本実施の形態に係る電子部品1と第1の比較例の電子部品81のいずれも、通過帯域がおよそ2.4〜2.5GHzのバンドパスフィルタとして機能するように設計した。
図9は、第1の比較例の電子部品81の通過・減衰特性を示している。図10は、図9に示した通過・減衰特性の一部を拡大して示している。図11は、本実施の形態に係る電子部品1の通過・減衰特性を示している。図12は、図11に示した通過・減衰特性の一部を拡大して示している。図9ないし図12において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。
図10と図12とを比較すると分かるように、本実施の形態に係る電子部品1では、第1の比較例の電子部品81に比べて、通過帯域における減衰量が小さくなっている。また、図9と図11とを比較すると分かるように、本実施の形態に係る電子部品1では、第1の比較例の電子部品81に比べて、2つの減衰極における減衰量がいずれも大きくなっている。これらのことから、本実施の形態に係る電子部品1では、第1の比較例の電子部品81に比べて、共振器4,5のQが大きくなっていることが容易に理解できる。
また、本実施の形態に係る電子部品1では、インダクタ用導体層21,22が積層体20の外面上に配置されているため、第1の比較例の電子部品81のようにインダクタ用導体層21,22が誘電体層に挟まれている場合に比べて、インダクタ用導体層21,22の表面が平滑になり、インダクタ用導体層21,22の抵抗が小さくなり、インダクタ用導体層21,22における損失も小さくなる。このことによっても、本実施の形態に係る電子部品1によれば、第1の比較例の電子部品81に比べて、共振器4,5のQを大きくすることができる。本実施の形態において、特に、焼成により積層体20を完成させた後に積層体20の外面上にインダクタ用導体層21,22を形成した場合には、より一層、インダクタ用導体層21,22の表面が平滑になり、インダクタ用導体層21,22の抵抗が小さくなり、インダクタ用導体層21,22における損失も小さくなり、その結果、共振器4,5のQをより大きくすることが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電子部品について説明する。本実施の形態に係る電子部品101の回路構成は、第1の実施の形態に係る電子部品1と同じである。図13は、電子部品101の主要部分を示す斜視図である。図14は、電子部品101の外観を示す斜視図である。図15は、図13におけるA方向から見た電子部品101の主要部分を示す説明図である。図16は、図13におけるB方向から見た電子部品101の主要部分を示す説明図である。
電子部品101は、電子部品101の構成要素を一体化するための積層体120を備えている。後で詳しく説明するが、積層体120は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含んでいる。
積層体120は、外面として上面120Aと底面120Bと4つの側面120C〜120Fとを有する直方体形状をなしている。上面120Aと底面120Bは互いに反対側を向き、側面120C,120Dも互いに反対側を向き、側面120E,120Fも互いに反対側を向いている。側面120C〜120Fは、上面120Aおよび底面120Bに対して垂直になっている。積層体120において、上面120Aおよび底面120Bに垂直な方向が、複数の誘電体層の積層方向である。図13では、複数の誘電体層の積層方向を、記号Tを付した矢印で示している。上面120Aと底面120Bは、積層体120において、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する。上面120Aは本発明における第1の端面に対応し、底面120Bは本発明における第2の端面に対応する。
電子部品101は、更に、積層体120の外面上に配置された第1のインダクタ用導体層121、第2のインダクタ用導体層122、入力用導体層123、出力用導体層124およびグランド端子用導体層125,126を備えている。第1および第2のインダクタ用導体層121,122は上面120A上に配置されている。導体層123,124は底面120B上に配置されている。導体層125,126は側面120D上に配置されている。導体層121,122,123,124,125,126の平面形状は、いずれも矩形である。
第1のインダクタ用導体層121は、上面120Aと側面120Eとの間の稜線の近傍に配置されている。第1のインダクタ用導体層121の一端部は、上面120Aと側面120Cとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層121の他端部は、上面120Aと側面120Dとの間の稜線の位置に配置されている。
第2のインダクタ用導体層122は、上面120Aと側面120Fとの間の稜線の近傍に配置されている。第2のインダクタ用導体層122の一端部は、上面120Aと側面120Cとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層122の他端部は、上面120Aと側面120Dとの間の稜線の位置に配置されている。
入力用導体層123は、底面120Bと側面120Cとの間の稜線と、底面120Bと側面120Eとの間の稜線との交点の近傍に配置されている。入力用導体層123の一端部は、底面120Bと側面120Cとの間の稜線の位置に配置されている。入力用導体層123は、入力端子2を構成している。
出力用導体層124は、底面120Bと側面120Cとの間の稜線と、底面120Bと側面120Fとの間の稜線との交点の近傍に配置されている。出力用導体層124の一端部は、底面120Bと側面120Cとの間の稜線の位置に配置されている。出力用導体層124は、出力端子3を構成している。
グランド端子用導体層125は、側面120Dと側面120Eとの間の稜線の近傍に配置されている。グランド端子用導体層125の一端部は、上面120Aと側面120Dとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層121の他端部に接続されている。グランド端子用導体層125の他端部は、底面120Bと側面120Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層125は、グランドに電気的に接続されるグランド端子6を構成している。
グランド端子用導体層126は、側面120Dと側面120Fとの間の稜線の近傍に配置されている。グランド端子用導体層126の一端部は、上面120Aと側面120Dとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層122の他端部に接続されている。グランド端子用導体層126の他端部は、底面120Bと側面120Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層126は、グランドに電気的に接続されるグランド端子7を構成している。
次に、図17および図18を参照して、積層体120およびインダクタ用導体層121,122について詳しく説明する。図17において(a)〜(d)は、それぞれ、上から1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示している。図18において(a)〜(d)は、それぞれ、上から5層目ないし8層目の誘電体層の上面を示している。図18において(e)は、上から8層目の誘電体層およびその下の導体層123,124を、上から見た状態で表したものである。
図17(a)に示した1層目の誘電体層41の上面には、インダクタ用導体層121,122が形成されている。また、誘電体層41には、インダクタ用導体層121に接続されたスルーホール491Aと、インダクタ用導体層122に接続されたスルーホール491Bが形成されている。
図17(b)に示した2層目の誘電体層42の上面には、キャパシタ用導体層421が形成されている。また、誘電体層42には、スルーホール491A,491Bに接続されたスルーホール492A,492Bが形成されている。
図17(c)に示した3層目の誘電体層43の上面には、キャパシタ用導体層431,432が形成されている。また、誘電体層43には、導体層431およびスルーホール492Aに接続されたスルーホール493Aと、導体層432およびスルーホール492Bに接続されたスルーホール493Bが形成されている。
図17(d)に示した4層目の誘電体層44の上面には、グランド用導体層441が形成されている。この導体層441は、グランド端子用導体層125,126に接続される。また、誘電体層44には、スルーホール493A,493Bに接続されたスルーホール494A,494Bが形成されている。
図18(a)に示した5層目の誘電体層45の上面には、キャパシタ用導体層451,452が形成されている。また、誘電体層45には、導体層451およびスルーホール494Aに接続されたスルーホール495Aと、導体層452およびスルーホール494Bに接続されたスルーホール495Bが形成されている。
図18(b)に示した6層目の誘電体層46の上面には、グランド用導体層461が形成されている。この導体層461は、グランド端子用導体層125,126に接続される。また、誘電体層46には、スルーホール495A,495Bに接続されたスルーホール496A,496Bが形成されている。
図18(c)に示した7層目の誘電体層47の上面には、キャパシタ用導体層471,472が形成されている。また、誘電体層47には、導体層471およびスルーホール496Aに接続されたスルーホール497Aと、導体層472およびスルーホール496Bに接続されたスルーホール497Bが形成されている。
図18(d)に示した8層目の誘電体層48の上面には、グランド用導体層481が形成されている。この導体層481は、グランド端子用導体層125,126に接続される。また、誘電体層48には、スルーホール497A,497Bに接続されたスルーホール498A,498Bが形成されている。
図18(e)に示したように、8層目の誘電体層48の下面には、入力用導体層123および出力用導体層124が形成されている。入力用導体層123には、スルーホール498Aが接続され、出力用導体層124にはスルーホール498Bが接続されている。
スルーホール491A,492A,493A,494A,495A,496A,497A,498Aは、直列に接続されて、スルーホール列490Aを構成している。導体層121,431,451,471,123は、スルーホール列490Aによって、互いに電気的に接続されている。スルーホール491B,492B,493B,494B,495B,496B,497B,498Bは、直列に接続されて、スルーホール列490Bを構成している。導体層122,432,452,472,124は、スルーホール列490Bによって、互いに電気的に接続されている。
第1のインダクタ用導体層121は、入力端子2(入力用導体層123)に電気的に接続されたインダクタ11として機能する。また、第1のインダクタ用導体層121は、入力端子2(入力用導体層123)とグランド端子6(グランド端子用導体層125)とを電気的に接続する。第2のインダクタ用導体層122は、出力端子3(出力用導体層124)に電気的に接続されたインダクタ12として機能する。また、第2のインダクタ用導体層122は、出力端子3(出力用導体層124)とグランド端子7(グランド端子用導体層126)とを電気的に接続する。
キャパシタ用導体層421は、誘電体層42を介してキャパシタ用導体層431,432に対向している。導体層421,431,432および誘電体層42は、図5におけるキャパシタ15を構成する。
導体層441は、誘電体層43を介してキャパシタ用導体層431,432に対向していると共に、導体層44を介してキャパシタ用導体層451,452に対向している。導体層461は、誘電体層45を介してキャパシタ用導体層451,452に対向していると共に、導体層46を介してキャパシタ用導体層471,472に対向している。導体層481は、誘電体層47を介してキャパシタ用導体層471,472に対向している。
導体層431,441,451,461,471,481および誘電体層43,44,45,46,47は、図5におけるキャパシタ13を構成する。導体層432,441,452,461,472,481および誘電体層43,44,45,46,47は、図5におけるキャパシタ14を構成する。
図17および図18に示した誘電体層41〜48および複数の導体層のうちインダクタ用導体層121,122、入力用導体層123および出力用導体層124を除いたものが積層されて、図13および図14に示した積層体120が形成される。図13および図14に示した導体層121〜126は、この積層体120の外面上に形成される。
誘電体層41〜48の材料は、第1の実施の形態における誘電体層31〜38の材料と同様である。また、積層体120の作製方法は、第1の実施の形態における積層体20の作製方法と同様である。
以上説明したように、本実施の形態に係る電子部品101は、積層された複数の誘電体層41〜48と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体120と、積層体120の外面上に配置された入力端子2、出力端子3およびグランド端子6,7と、積層体120と一体化され、入力端子2に電気的に接続された第1の共振器4と、積層体120と一体化され、出力端子3に電気的に接続された第2の共振器5とを備えている。
第1の共振器4は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ11と第1のキャパシタ13とを有している。インダクタ11は、積層体120の外面上に配置され、インダクタ11として機能する第1のインダクタ用導体層121を含んでいる。第1のインダクタ用導体層121は、スルーホール列490Aを介して入力端子2(入力用導体層123)に電気的に接続され、入力端子2(入力用導体層123)とグランド端子6(グランド端子用導体層125)とを電気的に接続する。第1のキャパシタ13は、積層体120の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ13は、入力端子2に電気的に接続された内部導体層である導体層431,451,471と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層441,461,481とを用いて構成されている。
第2の共振器5は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ12と第2のキャパシタ14とを有している。インダクタ12は、積層体120の外面上に配置され、インダクタ12として機能する第2のインダクタ用導体層122を含んでいる。第2のインダクタ用導体層122は、スルーホール列490Bを介して出力端子3(出力用導体層124)に電気的に接続され、出力端子3(出力用導体層124)とグランド端子7(グランド端子用導体層126)とを電気的に接続する。第2のキャパシタ14は、積層体120の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ14は、出力端子3に電気的に接続された内部導体層である導体層432,452,472と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層441,461,481とを用いて構成されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電子部品について説明する。始めに、図23を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る積層型電子部品の回路構成について説明する。本実施の形態に係る電子部品151は、バンドパスフィルタの機能を有している。図23に示したように、電子部品151は、信号の入力のために用いられる入力端子152と、信号の出力のために用いられる出力端子153と、入力端子152に電気的に接続された第1の共振器154と、出力端子153に電気的に接続された第2の共振器155と、回路構成上、第1の共振器154と第2の共振器155の間に設けられた第3の共振器156と、キャパシタ167,168とを備えている。
第1の共振器154は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ161と第1のキャパシタ164とを有している。第2の共振器155は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ162と第2のキャパシタ165とを有している。第3の共振器156は、互いに電気的に接続された第3のインダクタ163と第3のキャパシタ166とを有している。共振器154,156は互いに誘導性結合する。また、インダクタ161,163も互いに誘導性結合する。同様に、共振器155,156は互いに誘導性結合する。また、インダクタ162,163も互いに誘導性結合する。図23では、インダクタ161,163間の誘導性結合およびインダクタ162,163間の誘導性結合を、記号Mを付した曲線で表している。
インダクタ161の一端とキャパシタ164,167の各一端は、入力端子152に電気的に接続されている。インダクタ161の他端とキャパシタ164の他端はグランドに電気的に接続されている。インダクタ163の一端とキャパシタ166,168の各一端は、キャパシタ167の他端に電気的に接続されている。インダクタ163の他端とキャパシタ166の他端はグランドに電気的に接続されている。インダクタ162の一端、キャパシタ165の一端および出力端子153は、キャパシタ168の他端に電気的に接続されている。インダクタ162の他端とキャパシタ165の他端はグランドに電気的に接続されている。
共振器154,155,156は、回路構成上、入力端子152と出力端子153との間に設けられ、バンドパスフィルタの機能を実現する。共振器154,155,156はいずれも、一端が開放され他端が短絡された1/4波長共振器である。入力端子152と出力端子153は、いずれも、本発明における信号端子に対応する。
本実施の形態に係る電子部品151では、入力端子152に信号が入力されると、そのうちの所定の周波数帯域内の周波数の信号が選択的に、共振器154,155,156を用いて構成されたバンドパスフィルタを通過し、出力端子153から出力される。
次に、図19ないし図22を参照して、電子部品151の構造の概略について説明する。図19は、電子部品151の主要部分を示す斜視図である。図20は、電子部品151の外観を示す斜視図である。図21は、図19におけるA方向から見た電子部品151の主要部分を示す説明図である。図22は、図19におけるB方向から見た電子部品151の主要部分を示す説明図である。
電子部品151は、電子部品151の構成要素を一体化するための積層体170を備えている。後で詳しく説明するが、積層体170は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含んでいる。
積層体170は、外面として上面170Aと底面170Bと4つの側面170C〜170Fとを有する直方体形状をなしている。上面170Aと底面170Bは互いに反対側を向き、側面170C,170Dも互いに反対側を向き、側面170E,170Fも互いに反対側を向いている。側面170C〜170Fは、上面170Aおよび底面170Bに対して垂直になっている。積層体170において、上面170Aおよび底面170Bに垂直な方向が、複数の誘電体層の積層方向である。図19では、複数の誘電体層の積層方向を、記号Tを付した矢印で示している。上面170Aと底面170Bは、積層体170において、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する。上面170Aは本発明における第1の端面に対応し、底面170Bは本発明における第2の端面に対応する。
電子部品151は、更に、積層体170の外面上に配置された第1のインダクタ用導体層171、第2のインダクタ用導体層172、第3のインダクタ用導体層173、入力用導体層174、出力用導体層175、導体層176およびグランド端子用導体層177〜179を備えている。第1ないし第3のインダクタ用導体層171,172,173は上面170A上に配置されている。導体層174,175,176は側面170C上に配置されている。導体層177,178,179は側面170D上に配置されている。導体層171〜179の平面形状は、いずれも矩形である。
第1のインダクタ用導体層171は、上面170Aと側面170Eとの間の稜線の近傍に配置されている。第1のインダクタ用導体層171の一端部は、上面170Aと側面170Cとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層171の他端部は、上面170Aと側面170Dとの間の稜線の位置に配置されている。
第2のインダクタ用導体層172は、上面170Aと側面170Fとの間の稜線の近傍に配置されている。第2のインダクタ用導体層172の一端部は、上面170Aと側面170Cとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層172の他端部は、上面170Aと側面170Dとの間の稜線の位置に配置されている。
第3のインダクタ用導体層173は、第1のインダクタ用導体層171と第2のインダクタ用導体層172との間に配置されている。第3のインダクタ用導体層173の一端部は、上面170Aと側面170Cとの間の稜線の位置に配置され、第3のインダクタ用導体層173の他端部は、上面170Aと側面170Dとの間の稜線の位置に配置されている。
入力用導体層174は、側面170Cと側面170Eとの間の稜線の近傍に配置されている。入力用導体層174の一端部は、上面170Aと側面170Cとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層171の一端部に接続されている。入力用導体層174の他端部は、底面170Bと側面170Cとの間の稜線の位置に配置されている。入力用導体層174は、入力端子152を構成している。
出力用導体層175は、側面170Cと側面170Fとの間の稜線の近傍に配置されている。出力用導体層175の一端部は、上面170Aと側面170Cとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層172の一端部に接続されている。出力用導体層175の他端部は、底面170Bと側面170Cとの間の稜線の位置に配置されている。出力用導体層175は、出力端子153を構成している。
導体層176は、入力用導体層174と出力用導体層175との間に配置されている。導体層176の一端部は、上面170Aと側面170Cとの間の稜線の位置に配置され、第3のインダクタ用導体層173の一端部に接続されている。導体層176の他端部は、底面170Bと側面170Cとの間の稜線から離れた位置に配置されている。
グランド端子用導体層177は、側面170Dと側面170Eとの間の稜線の近傍に配置されている。グランド端子用導体層177の一端部は、上面170Aと側面170Dとの間の稜線の位置に配置され、第1のインダクタ用導体層171の他端部に接続されている。グランド端子用導体層177の他端部は、底面170Bと側面170Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層177は、グランドに電気的に接続されるグランド端子157を構成している。
グランド端子用導体層178は、側面170Dと側面170Fとの間の稜線の近傍に配置されている。グランド端子用導体層178の一端部は、上面170Aと側面170Dとの間の稜線の位置に配置され、第2のインダクタ用導体層172の他端部に接続されている。グランド端子用導体層178の他端部は、底面170Bと側面170Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層178は、グランドに電気的に接続されるグランド端子158を構成している。
グランド端子用導体層179は、グランド端子用導体層177とグランド端子用導体層178との間に配置されている。グランド端子用導体層179の一端部は、上面170Aと側面170Dとの間の稜線の位置に配置され、第3のインダクタ用導体層173の他端部に接続されている。グランド端子用導体層179の他端部は、底面170Bと側面170Dとの間の稜線の位置に配置されている。グランド端子用導体層179は、グランドに電気的に接続されるグランド端子159を構成している。
次に、図24および図25を参照して、積層体170およびインダクタ用導体層171,172,173について詳しく説明する。図24において(a)〜(d)は、それぞれ、上から1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示している。図25において(a)〜(d)は、それぞれ、上から5層目ないし8層目の誘電体層の上面を示している。
図24(a)に示した1層目の誘電体層51の上面には、インダクタ用導体層171,172,173が形成されている。図24(b)に示した2層目の誘電体層52の上面には、キャパシタ用導体層521が形成されている。図24(c)に示した3層目の誘電体層53の上面には、キャパシタ用導体層531,532,533が形成されている。導体層531は導体層174に接続され、導体層532は導体層175に接続され、導体層533は導体層176に接続される。図24(d)に示した4層目の誘電体層54の上面には、グランド用導体層541が形成されている。この導体層541はグランド端子用導体層177,178,179に接続される。
図25(a)に示した5層目の誘電体層55の上面には、キャパシタ用導体層551,552,553が形成されている。導体層551は導体層174に接続され、導体層552は導体層175に接続され、導体層553は導体層176に接続される。図25(b)に示した6層目の誘電体層56の上面には、グランド用導体層561が形成されている。この導体層561はグランド端子用導体層177,178,179に接続される。図25(c)に示した7層目の誘電体層57の上面には、キャパシタ用導体層571,572,573が形成されている。導体層571は導体層174に接続され、導体層572は導体層175に接続され、導体層573は導体層176に接続される。図25(d)に示した8層目の誘電体層58の上面には、グランド用導体層581が形成されている。この導体層581はグランド端子用導体層177,178,179に接続される。
第1のインダクタ用導体層171は、入力端子152(入力用導体層174)に電気的に接続されたインダクタ161として機能する。また、第1のインダクタ用導体層171は、入力端子152(入力用導体層174)とグランド端子157(グランド端子用導体層177)とを電気的に接続する。第2のインダクタ用導体層172は、出力端子153(出力用導体層175)に電気的に接続されたインダクタ162として機能する。また、第2のインダクタ用導体層172は、出力端子153(出力用導体層175)とグランド端子158(グランド端子用導体層178)とを電気的に接続する。第3のインダクタ用導体層173は、インダクタ163として機能する。また、第3のインダクタ用導体層172は、グランド端子159(グランド端子用導体層179)に電気的に接続されている。
キャパシタ用導体層521は、誘電体層52を介してキャパシタ用導体層531,532,533に対向している。導体層521,531,533および誘電体層52は、図23におけるキャパシタ167を構成する。導体層521,532,533および誘電体層52は、図23におけるキャパシタ168を構成する。
導体層541は、誘電体層53を介してキャパシタ用導体層531,532,533に対向していると共に、誘電体層54を介してキャパシタ用導体層551,532,553に対向している。導体層561は、誘電体層55を介してキャパシタ用導体層551,552,553に対向していると共に、誘電体層56を介してキャパシタ用導体層571,572,573に対向している。導体層581は、誘電体層57を介してキャパシタ用導体層571,572,573に対向している。
導体層531,541,551,561,571,581および誘電体層53,54,55,56,57は、図23におけるキャパシタ164を構成する。導体層532,541,552,561,572,581および誘電体層53,54,55,56,57は、図23におけるキャパシタ165を構成する。導体層533,541,553,561,573,581および誘電体層53,54,55,56,57は、図23におけるキャパシタ166を構成する。
図24および図25に示した誘電体層51〜58および複数の導体層のうちインダクタ用導体層171,172,173を除いたものが積層されて、図19および図20に示した積層体170が形成される。図19および図20に示した導体層171〜179は、この積層体170の外面上に形成される。
誘電体層51〜58の材料は、第1の実施の形態における誘電体層31〜38の材料と同様である。また、積層体170の作製方法は、第1の実施の形態における積層体20の作製方法と同様である。
以上説明したように、本実施の形態に係る電子部品151は、積層された複数の誘電体層51〜58と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体170と、積層体170の外面上に配置された入力端子152、出力端子153およびグランド端子157,158,159と、積層体170と一体化され、入力端子152に電気的に接続された第1の共振器154と、積層体170と一体化され、出力端子153に電気的に接続された第2の共振器155と、積層体170と一体化され、回路構成上、第1の共振器154と第2の共振器155の間に設けられた第3の共振器156とを備えている。
第1の共振器154は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ161と第1のキャパシタ164とを有している。インダクタ161は、積層体170の外面上に配置され、インダクタ161として機能する第1のインダクタ用導体層171を含んでいる。第1のインダクタ用導体層171は、入力端子152(入力用導体層174)とグランド端子157(グランド端子用導体層177)とを電気的に接続する。第1のキャパシタ164は、積層体170の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ164は、入力端子152に電気的に接続された内部導体層である導体層531,551,571と、グランド端子157,158,159に電気的に接続された内部導体層である導体層541,561,581とを用いて構成されている。
第2の共振器155は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ162と第2のキャパシタ165とを有している。インダクタ162は、積層体170の外面上に配置され、インダクタ162として機能する第2のインダクタ用導体層172を含んでいる。第2のインダクタ用導体層172は、出力端子153(出力用導体層175)とグランド端子158(グランド端子用導体層178)とを電気的に接続する。第2のキャパシタ165は、積層体170の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ165は、出力端子153に電気的に接続された内部導体層である導体層532,552,572と、グランド端子157,158,159に電気的に接続された内部導体層である導体層541,561,581とを用いて構成されている。
第3の共振器156は、互いに電気的に接続された第3のインダクタ163と第3のキャパシタ166とを有している。インダクタ163は、積層体170の外面上に配置され、インダクタ163として機能する第3のインダクタ用導体層173を含んでいる。第3のインダクタ用導体層173は、グランド端子159(グランド端子用導体層179)に電気的に接続されている。第3のキャパシタ166は、積層体170の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ166は、導体層176を介して第3のインダクタ用導体層173に電気的に接続された内部導体層である導体層533,553,573と、グランド端子157,158,159に電気的に接続された内部導体層である導体層541,561,581とを用いて構成されている。
ここで、図19に示したように、積層体170の上面170Aの縦、横の長さをそれぞれ記号D2,W2で表し、積層体170の厚みを記号H2で表す。D2,W2,H2は、それぞれ、例えば0.5mm、1.0mm、0.3mmである。また、図21において、複数の誘電体層の積層方向における積層体170の中央を、記号Cを付した一点鎖線で示す。本実施の形態では、インダクタ用導体層171,172,173は積層体170の上面170A上に配置され、キャパシタ164,165,166は、複数の誘電体層の積層方向における積層体170の中央Cと底面170Bとの間に配置されている。誘電体層52〜58の厚みは、例えば20μmである。この場合、誘電体層52の上面から積層体170の底面170Bまでの距離は、140μm(=0.14mm)であり、キャパシタ164,165,166は、複数の誘電体層の積層方向における積層体170の中央Cと底面170Bとの間に配置されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る電子部品について説明する。本実施の形態に係る電子部品201の回路構成は、第1の実施の形態に係る電子部品1と同じである。図26は、電子部品201の主要部分を示す斜視図である。図27は、電子部品201および実装基板の上面を示す斜視図である。図28は、図26におけるA方向から見た電子部品201の主要部分を示す説明図である。図29は、図26におけるB方向から見た電子部品201の主要部分を示す説明図である。
電子部品201は、電子部品201の構成要素を一体化するための積層体220を備えている。後で詳しく説明するが、積層体220は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含んでいる。
積層体220は、外面として上面220Aと底面220Bと4つの側面220C〜220Fとを有する直方体形状をなしている。上面220Aと底面220Bは互いに反対側を向き、側面220C,220Dも互いに反対側を向き、側面220E,220Fも互いに反対側を向いている。側面220C〜220Fは、上面220Aおよび底面220Bに対して垂直になっている。積層体220において、側面220C,220Dに垂直な方向が、複数の誘電体層の積層方向である。図26では、複数の誘電体層の積層方向を、記号Tを付した矢印で示している。側面220Cと側面220Dは、積層体220において、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する。側面220Cは本発明における第1の端面に対応し、側面220Dは本発明における第2の端面に対応する。
電子部品201は、更に、積層体220の外面上に配置された第1のインダクタ用導体層221、第2のインダクタ用導体層222、導体層223,224およびグランド用導体層225を備えている。第1のインダクタ用導体層221は側面220C上に配置されている。第2のインダクタ用導体層222は側面220D上に配置されている。導体層223は側面220E上に配置されている。導体層224は側面220F上に配置されている。導体層225は底面220B上に配置されている。
第1のインダクタ用導体層221は、第1の部分221Aと、この第1の部分221Aに連結された第2の部分221Bおよび第3の部分221Cを有している。第1の部分221Aは、側面220Cと底面220Bとの間の稜線よりも側面220Cと上面220Aとの間の稜線の方に近い位置に配置され、側面220Cと上面220Aとの間の稜線に平行な方向に延びている。第1の部分221Aの長手方向の一端部221Aaは、側面220Cと側面220Eとの間の稜線の位置に配置され、第1の部分221Aの長手方向の他端部221Abは、側面220Cと側面220Fとの間の稜線の位置に配置されている。
第2の部分221Bは、側面220Cと側面220Eとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分221Aのうちの側面220Cと側面220Eとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第2の部分221Bは、側面220Cと側面220Eとの間の稜線の位置に配置された端部221Baと、側面220Cと底面220Bとの間の稜線の位置に配置された端部221Bbとを有している。第2の部分221Bの端部221Bbは、入力端子2を構成している。このように、入力端子2は、積層体220の外面上に配置されている。
第3の部分221Cは、側面220Cと側面220Fとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分221Aのうちの側面220Cと側面220Fとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第3の部分221Cは、側面220Cと側面220Fとの間の稜線の位置に配置された端部221Caと、側面220Cと底面220Bとの間の稜線の位置に配置された端部221Cbとを有している。第3の部分221Cの端部221Cbは、グランド端子6を構成している。
第2のインダクタ用導体層222は、第1の部分222Aと、この第1の部分222Aに連結された第2の部分222Bおよび第3の部分222Cを有している。第1の部分222Aは、側面220Dと底面220Bとの間の稜線よりも側面220Dと上面220Aとの間の稜線の方に近い位置に配置され、側面220Dと上面220Aとの間の稜線に平行な方向に延びている。第1の部分222Aの長手方向の一端部222Aaは、側面220Dと側面220Fとの間の稜線の位置に配置され、第1の部分222Aの長手方向の他端部222Abは、側面220Dと側面220Eとの間の稜線の位置に配置されている。
第2の部分222Bは、側面220Dと側面220Fとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分222Aのうちの側面220Dと側面220Fとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第2の部分222Bは、側面220Dと側面220Fとの間の稜線の位置に配置された端部222Baと、側面220Dと底面220Bとの間の稜線の位置に配置された端部222Bbとを有している。第2の部分222Bの端部222Bbは、出力端子3を構成している。このように、出力端子3は、積層体220の外面上に配置されている。
第3の部分222Cは、側面220Dと側面220Eとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分222Aのうちの側面220Dと側面220Eとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第3の部分222Cは、側面220Dと側面220Eとの間の稜線の位置に配置された端部222Caと、側面220Dと底面220Bとの間の稜線の位置に配置された端部222Cbとを有している。第3の部分222Cの端部222Cbは、グランド端子7を構成している。
導体層223は、側面220Cと側面220Eとの間の稜線の位置において第1のインダクタ用導体層221に接続されている。導体層224は、側面220Dと側面220Fとの間の稜線の位置において第2のインダクタ用導体層222に接続されている。導体層225は、第1のインダクタ用導体層221の第3の部分221Cの端部221Cbであるグランド端子6と、第2のインダクタ用導体層222の第3の部分222Cの端部222Cbであるグランド端子7とを接続している。
側面220Cに垂直な方向から見たときに、第1のインダクタ用導体層221の外縁の一部は、側面220Cの外縁の一部に重なっている。側面220Dに垂直な方向から見たときに、第2のインダクタ用導体層222の外縁の一部は、側面220Dの外縁の一部に重なっている。
図27に示したように、電子部品201が実装される実装基板240の上面には、入力用導体層241、出力用導体層242およびグランド用導体層243,244が形成されている。電子部品201は、入力端子2が入力用導体層241に接続され、出力端子3が出力用導体層242に接続され、グランド端子6がグランド用導体層243に接続され、グランド端子7がグランド用導体層244に接続されるように、実装基板240に実装される。
次に、図30を参照して、積層体220およびインダクタ用導体層221,222について詳しく説明する。図30において(a)〜(d)は、それぞれ、上から1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示している。図30において(e)は、上から4層目の誘電体層およびその下のインダクタ用導体層222を、上から見た状態で表したものである。
図30(a)に示した1層目の誘電体層61の上面には、第1のインダクタ用導体層221が形成されている。図30(b)に示した2層目の誘電体層62の上面には、キャパシタ用導体層621が形成されている。この導体層621は導体層223に接続される。図30(c)に示した3層目の誘電体層63の上面には、グランド用導体層631が形成されている。この導体層631はグランド用導体層225に接続される。図30(d)に示した4層目の誘電体層64の上面には、キャパシタ用導体層641が形成されている。この導体層641は導体層224に接続される。図30(e)に示したように、4層目の誘電体層64の下面には、第2のインダクタ用導体層222が形成されている。
第1のインダクタ用導体層221は、入力端子2に電気的に接続されたインダクタ11として機能する。第2のインダクタ用導体層222は、出力端子3に電気的に接続されたインダクタ12として機能する。グランド用導体層631は、誘電体層62を介してキャパシタ用導体層621に対向していると共に、誘電体層63を介してキャパシタ用導体層641に対向している。導体層621,631および誘電体層62は、図5におけるキャパシタ13を構成する。導体層641,631および誘電体層63は、図5におけるキャパシタ14を構成する。導体層621,641および誘電体層62,63は、図5におけるキャパシタ15を構成する。
図30に示した誘電体層61〜64および複数の導体層のうちインダクタ用導体層221,222を除いたものが積層されて、図26および図27に示した積層体220が形成される。図26および図27に示した導体層221〜225は、この積層体220の外面上に形成される。
誘電体層61〜64の材料は、第1の実施の形態における誘電体層31〜38の材料と同様である。また、積層体220の作製方法は、第1の実施の形態における積層体20の作製方法と同様である。
以上説明したように、本実施の形態に係る電子部品201は、積層された複数の誘電体層61〜64と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体220と、積層体220の外面上に配置された入力端子2および出力端子3と、積層体220と一体化され、入力端子2に電気的に接続された第1の共振器4と、積層体220と一体化され、出力端子3に電気的に接続された第2の共振器5とを備えている。
第1の共振器4は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ11と第1のキャパシタ13とを有している。インダクタ11は、積層体220の外面上に配置され、入力端子2に電気的に接続されたインダクタ11として機能する第1のインダクタ用導体層221を含んでいる。第1のインダクタ用導体層221は、入力端子2とグランド端子6とを電気的に接続する。第1のキャパシタ13は、積層体220の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ13は、入力端子2に電気的に接続された内部導体層である導体層621と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層631とを用いて構成されている。
第2の共振器5は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ12と第2のキャパシタ14とを有している。インダクタ12は、積層体220の外面上に配置され、出力端子3に電気的に接続されたインダクタ12として機能する第2のインダクタ用導体層222を含んでいる。第2のインダクタ用導体層222は、出力端子3とグランド端子7とを電気的に接続する。第2のキャパシタ14は、積層体220の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ14は、出力端子3に電気的に接続された内部導体層である導体層641と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層631とを用いて構成されている。
本実施の形態では、インダクタ用導体層221,222が積層体220の外面上に配置されている。そのため、本実施の形態によれば、インダクタ用導体層221,222が積層体220の内部に配置されている場合に比べて、インダクタ用導体層221,222を大きくすることが可能である。また、本実施の形態では、インダクタ用導体層221,222が積層体220の内部に配置されている場合に比べて、インダクタ用導体層221,222と、積層体220の内部に配置されたキャパシタ13,14との間の距離を大きくすることが可能であり、その結果、インダクタ用導体層221,222の各々と、キャパシタ13,14を構成するグランド用導体層631との間の距離を大きくすることが可能である。これらのことから、本実施の形態によれば、共振器4,5のQを大きくすることが可能になる。
また、本実施の形態では、積層体220の側面220Cに垂直な方向から見たときに、側面220C上に配置されたインダクタ用導体層221の外縁の一部は、側面220Cの外縁の一部に重なっている。同様に、積層体220の側面220Dに垂直な方向から見たときに、側面220D上に配置されたインダクタ用導体層222の外縁の一部は、側面220Dの外縁の一部に重なっている。これにより、本実施の形態によれば、特に、インダクタ用導体層221,222を大きくして、共振器4,5のQを大きくすることが可能になる。
また、本実施の形態において、低温同時焼成法を用いて積層体220を作製する場合には、積層体220の完成後に積層体220の外面上にインダクタ用導体層221,222を形成することにより、積層体220と同時にインダクタ用導体層221,222を形成する場合に比べて、容易に共振器4,5のQを大きくすることが可能になる。
[変形例]
次に、図31および図32を参照して、本実施の形態に係る電子部品の第1および第2の変形例について説明する。図31は、第1の変形例の電子部品801および実装基板の上面を示す斜視図である。この第1の変形例の電子部品801は、図26および図27に示したインダクタ用導体層221,222の代りに、インダクタ用導体層821,822を備えている。インダクタ用導体層821は、インダクタ用導体層221から第2の部分221Bを除いた形状を有している。インダクタ用導体層821は、側面220Cと側面220Eとの間の稜線の位置において、側面220E上に配置された導体層223に接続されている。第1の変形例では、導体層223の下端部が、入力端子2を構成し、実装基板240の入力用導体層241に接続される。また、インダクタ用導体層822は、インダクタ用導体層222から第2の部分222Bを除いた形状を有している。インダクタ用導体層822は、側面220Dと側面220Fとの間の稜線の位置において、側面220F上に配置された導体層224に接続されている。第1の変形例では、導体層224の下端部が、出力端子3を構成し、実装基板240の出力用導体層242に接続される。第1の変形例の電子部品801のその他の構成、作用および効果は、図26ないし図30に示した電子部品201と同様である。
図32は、第2の変形例の電子部品901および実装基板の上面を示す斜視図である。この第2の変形例の電子部品901は、図26および図27に示したインダクタ用導体層221,222の代りに、インダクタ用導体層921,922を備えている。インダクタ用導体層921は、インダクタ用導体層221から第3の部分221Cを除いた形状を有している。インダクタ用導体層922は、インダクタ用導体層222から第3の部分222Cを除いた形状を有している。
また、第2の変形例の電子部品901は、図26および図27に示した導体層223,224の代りに導体層923,924を備えている。導体層923は、側面220E上に配置され、積層体220の内部の導体層には接続されず、側面220Dと側面220Eとの間の稜線の位置において、インダクタ用導体層922に接続されている。導体層924は、側面220F上に配置され、積層体220の内部の導体層には接続されず、側面220Cと側面220Fとの間の稜線の位置において、インダクタ用導体層921に接続されている。また、第2の変形例の電子部品901では、インダクタ用導体層921とキャパシタ用導体層621は、積層体220内に形成された図示しないスルーホールを介して接続され、インダクタ用導体層922とキャパシタ用導体層641も、積層体220内に形成された図示しない他のスルーホールを介して接続されている。
第2の変形例では、導体層924の下端部と導体層923の下端部がそれぞれグランド端子を構成する。図示しないが、積層体220の底面220B上に配置された導体層225は、導体層924の下端部と導体層923の下端部とを接続している。導体層924の下端部は実装基板240のグランド用導体層243に接続され、導体層923の下端部は実装基板240のグランド用導体層244に接続される。第2の変形例の電子部品901のその他の構成、作用および効果は、図26ないし図30に示した電子部品201と同様である。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る電子部品について説明する。本実施の形態に係る電子部品251の回路構成は、第1の実施の形態に係る電子部品1と同じである。図33は、電子部品251の主要部分を示す斜視図である。図34は、電子部品251および実装基板の上面を示す斜視図である。図35は、図33におけるA方向から見た電子部品251の主要部分を示す説明図である。図36は、図33におけるB方向から見た電子部品251の主要部分を示す説明図である。
電子部品251は、電子部品251の構成要素を一体化するための積層体270を備えている。後で詳しく説明するが、積層体270は、積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含んでいる。
積層体270は、外面として上面270Aと底面270Bと4つの側面270C〜270Fとを有する直方体形状をなしている。上面270Aと底面270Bは互いに反対側を向き、側面270C,270Dも互いに反対側を向き、側面270E,270Fも互いに反対側を向いている。側面270C〜270Fは、上面270Aおよび底面270Bに対して垂直になっている。積層体270において、側面270C,270Dに垂直な方向が、複数の誘電体層の積層方向である。図33では、複数の誘電体層の積層方向を、記号Tを付した矢印で示している。側面270Cと側面270Dは、積層体270において、複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する。側面270Cは本発明における第1の端面に対応し、側面270Dは本発明における第2の端面に対応する。
電子部品251は、更に、積層体270の外面上に配置された第1のインダクタ用導体層271、第2のインダクタ用導体層272およびグランド用導体層275を備えている。第1のインダクタ用導体層271は側面270C上に配置されている。第2のインダクタ用導体層272は側面270D上に配置されている。導体層275は底面270B上に配置されている。
第1のインダクタ用導体層271は、第1の部分271Aと、この第1の部分271Aに連結された第2の部分271Bおよび第3の部分271Cを有している。第1の部分271Aは、側面270Cと底面270Bとの間の稜線よりも側面270Cと上面270Aとの間の稜線の方に近い位置に配置され、側面270Cと上面270Aとの間の稜線に平行な方向に延びている。第1の部分271Aの長手方向の一端部271Aaは、側面270Cと側面270Eとの間の稜線の位置に配置され、第1の部分271Aの長手方向の他端部271Abは、側面270Cと側面270Fとの間の稜線の位置に配置されている。
第2の部分271Bは、側面270Cと側面270Eとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分271Aのうちの側面270Cと側面270Eとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第2の部分271Bは、側面270Cと側面270Eとの間の稜線の位置に配置された端部271Baと、側面270Cと底面270Bとの間の稜線の位置に配置された端部271Bbとを有している。第2の部分271Bの端部271Bbは、入力端子2を構成している。このように、入力端子2は、積層体270の外面上に配置されている。
第3の部分271Cは、側面270Cと側面270Fとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分271Aのうちの側面270Cと側面270Fとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第3の部分271Cは、側面270Cと側面270Fとの間の稜線の位置に配置された端部271Caと、側面270Cと底面270Bとの間の稜線の位置に配置された端部271Cbとを有している。第3の部分271Cの端部271Cbは、グランド端子6を構成している。
第2のインダクタ用導体層272は、第1の部分272Aと、この第1の部分272Aに連結された第2の部分272Bおよび第3の部分272Cを有している。第1の部分272Aは、側面270Dと底面270Bとの間の稜線よりも側面270Dと上面270Aとの間の稜線の方に近い位置に配置され、側面270Dと上面270Aとの間の稜線に平行な方向に延びている。第1の部分272Aの長手方向の一端部272Aaは、側面270Dと側面270Eとの間の稜線の位置に配置され、第1の部分272Aの長手方向の他端部272Abは、側面270Dと側面270Fとの間の稜線の位置に配置されている。
第2の部分272Bは、側面270Dと側面270Eとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分272Aのうちの側面270Dと側面270Eとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第2の部分272Bは、側面270Dと側面270Eとの間の稜線の位置に配置された端部272Baと、側面270Dと底面270Bとの間の稜線の位置に配置された端部272Bbとを有している。第2の部分272Bの端部272Bbは、出力端子3を構成している。このように、出力端子3は、積層体270の外面上に配置されている。
第3の部分272Cは、側面270Dと側面270Fとの間の稜線の近傍に配置され、第1の部分272Aのうちの側面270Dと側面270Fとの間の稜線の近傍に配置された部分に連結されている。第3の部分272Cは、側面270Dと側面270Fとの間の稜線の位置に配置された端部272Caと、側面270Dと底面270Bとの間の稜線の位置に配置された端部272Cbとを有している。第3の部分272Cの端部272Cbは、グランド端子7を構成している。
導体層275は、第1のインダクタ用導体層271の第3の部分271Cの端部271Cbであるグランド端子6と、第2のインダクタ用導体層272の第3の部分272Cの端部272Cbであるグランド端子7とを接続している。
側面270Cに垂直な方向から見たときに、第1のインダクタ用導体層271の外縁の一部は、側面270Cの外縁の一部に重なっている。側面270Dに垂直な方向から見たときに、第2のインダクタ用導体層272の外縁の一部は、側面270Dの外縁の一部に重なっている。
図34に示したように、電子部品251が実装される実装基板290の上面には、入力用導体層291、出力用導体層292およびグランド用導体層293が形成されている。電子部品251は、入力端子2が入力用導体層291に接続され、出力端子3が出力用導体層292に接続され、グランド端子6,7がグランド用導体層293に接続されるように、実装基板290に実装される。
次に、図37を参照して、積層体270およびインダクタ用導体層271,272について詳しく説明する。図37において(a)〜(d)は、それぞれ、上から1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示している。図37において(e)は、上から4層目の誘電体層およびその下のインダクタ用導体層272を、上から見た状態で表したものである。
図37(a)に示した1層目の誘電体層71の上面には、第1のインダクタ用導体層271が形成されている。また、誘電体層71には、第1の部分271Aの端部271Aaの近傍においてインダクタ用導体層271に接続されたスルーホール791が形成されている。図37(b)に示した2層目の誘電体層72の上面には、キャパシタ用導体層721が形成されている。この導体層721には、スルーホール791が接続されている。従って、導体層721は、スルーホール791を介してインダクタ用導体層271に接続されている。図37(c)に示した3層目の誘電体層73の上面には、グランド用導体層731が形成されている。この導体層731は導体層275に接続される。図37(d)に示した4層目の誘電体層74の上面には、キャパシタ用導体層741が形成されている。また、誘電体層74には、導体層741に接続されたスルーホール792が形成されている。図37(e)に示したように、4層目の誘電体層74の下面には、第2のインダクタ用導体層272が形成されている。このインダクタ用導体層272における第1の部分272Aの端部272Aaの近傍の部分には、スルーホール792が接続されている。従って、導体層741は、スルーホール792を介してインダクタ用導体層272に接続されている。
第1のインダクタ用導体層271は、入力端子2に電気的に接続されたインダクタ11として機能する。第2のインダクタ用導体層272は、出力端子3に電気的に接続されたインダクタ12として機能する。グランド用導体層731は、誘電体層72を介してキャパシタ用導体層721に対向していると共に、誘電体層73を介してキャパシタ用導体層741に対向している。導体層721,731および誘電体層72は、図5におけるキャパシタ13を構成する。導体層741,731および誘電体層73は、図5におけるキャパシタ14を構成する。導体層721,741および誘電体層72,73は、図5におけるキャパシタ15を構成する。
図37に示した誘電体層71〜74および複数の導体層のうちインダクタ用導体層271,272を除いたものが積層されて、図33および図34に示した積層体270が形成される。図33および図34に示した導体層271〜275は、この積層体270の外面上に形成される。
誘電体層71〜74の材料は、第1の実施の形態における誘電体層31〜38の材料と同様である。また、積層体270の作製方法は、第1の実施の形態における積層体20の作製方法と同様である。
以上説明したように、本実施の形態に係る電子部品251は、積層された複数の誘電体層71〜74と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体270と、積層体270の外面上に配置された入力端子2および出力端子3と、積層体270と一体化され、入力端子2に電気的に接続された第1の共振器4と、積層体270と一体化され、出力端子3に電気的に接続された第2の共振器5とを備えている。
第1の共振器4は、互いに電気的に接続された第1のインダクタ11と第1のキャパシタ13とを有している。インダクタ11は、積層体270の外面上に配置され、入力端子2に電気的に接続されたインダクタ11として機能する第1のインダクタ用導体層271を含んでいる。第1のインダクタ用導体層271は、入力端子2とグランド端子6とを電気的に接続する。第1のキャパシタ13は、積層体270の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ13は、入力端子2に電気的に接続された内部導体層である導体層721と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層731とを用いて構成されている。
第2の共振器5は、互いに電気的に接続された第2のインダクタ12と第2のキャパシタ14とを有している。インダクタ12は、積層体270の外面上に配置され、出力端子3に電気的に接続されたインダクタ12として機能する第2のインダクタ用導体層272を含んでいる。第2のインダクタ用導体層272は、出力端子3とグランド端子7とを電気的に接続する。第2のキャパシタ14は、積層体270の内部に配置され、グランドに電気的に接続される。キャパシタ14は、出力端子3に電気的に接続された内部導体層である導体層741と、グランド端子6,7に電気的に接続された内部導体層である導体層731とを用いて構成されている。
本実施の形態においても、第4の実施の形態における第1および第2の変形例と同様の変形が可能である。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第4の実施の形態と同様である。
次に、第5の実施の形態に係る電子部品251と第2の比較例の電子部品とで、共振器のQを比較した実験結果について説明する。まず、図38を参照して、第2の比較例の電子部品の構成について説明する。図38は、第2の比較例の電子部品91の主要部分を示す斜視図である。第2の比較例の電子部品91は、実験で使用した電子部品251とは、以下の点で異なっている。まず、第2の比較例の電子部品91では、インダクタ用導体層271,272が積層体270の内部に配置されている。すなわち、第2の比較例の電子部品91では、インダクタ用導体層271と積層体270の側面270Cの間と、インダクタ用導体層272と積層体270の側面270Dの間に、それぞれ誘電体層が配置されている。なお、実験で使用した電子部品251と電子部品91とで、積層体270の大きさは等しい。
また、第2の比較例の電子部品91における導体層721,731,741の形状は、図37(b),(c),(d)に示した導体層721,731,741とは異なっている。これは、実験で使用した電子部品251と電子部品91とで、共振器4,5の共振周波数を合わせるためである。なお、実験で使用した電子部品251,91は、いずれも、共振器4,5の共振周波数が2.45GHzとなるように設計されている。
上述のように、実験で使用した電子部品251と電子部品91とで積層体270の大きさは等しいが、電子部品251ではインダクタ用導体層271,272は積層体270の外面上に配置されているのに対し、電子部品91ではインダクタ用導体層271,272は積層体270の内部に配置されている。そのため、電子部品91におけるインダクタ用導体層271,272の各々とグランド用導体層731との間の各距離は、電子部品251におけるインダクタ用導体層271,272の各々とグランド用導体層731との間の各距離よりも小さくなっている。
図39は、実験で使用した第2の比較例の電子部品91における1つの共振器(共振器4または共振器5)の通過・減衰特性を示している。図40は、実験で使用した第5の実施の形態に係る電子部品251における1つの共振器(共振器4または共振器5)の通過・減衰特性を示している。図39および図40において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。ここで、図39、図40に示した通過・減衰特性において、減衰量が3dBとなる2つの周波数の間隔をΔfとし、共振周波数をfとする。また、共振器の無負荷のQをQuと表す。Quは、f/Δfとして求めることができる。実験で使用した第2の比較例の電子部品91における共振器のQuは30.5であった。これに対し、実験で使用した第5の実施の形態に係る電子部品251における共振器のQuは34.5であった。この結果から分かるように、第5の実施の形態に係る電子部品251によれば、第2の比較例の電子部品91に比べて、共振器4,5のQを大きくすることができる。
また、第5の実施の形態に係る電子部品251では、インダクタ用導体層271,272が積層体270の外面上に配置されているため、第2の比較例の電子部品91のようにインダクタ用導体層271,272が誘電体層に挟まれている場合に比べて、インダクタ用導体層271,272の表面が平滑になり、インダクタ用導体層271,272の抵抗が小さくなり、インダクタ用導体層271,272における損失も小さくなる。このことによっても、第5の実施の形態に係る電子部品251によれば、第2の比較例の電子部品91に比べて、共振器4,5のQを大きくすることができる。第5の実施の形態において、特に、焼成により積層体270を完成させた後に積層体270の外面上にインダクタ用導体層271,272を形成した場合には、より一層、インダクタ用導体層271,272の表面が平滑になり、インダクタ用導体層271,272の抵抗が小さくなり、インダクタ用導体層271,272における損失も小さくなり、その結果、共振器4,5のQをより大きくすることが可能になる。
以上の実験結果を参照して説明した効果は、第1ないし第4の実施の形態にも当てはまることは言うまでもない。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明の電子部品は、バンドパスフィルタに限らず、1つ以上の共振器を備えた電子部品全般に適用することができる。例えば、本発明の電子部品は、1つの共振器と、この共振器に接続され、信号の入力および出力のために用いられる端子とを備えたノッチフィルタであってもよい。また、本発明の電子部品は、隣接する2つの共振器同士が誘導性結合するように設けられた4つ以上の共振器を備えていてもよい。
本発明の電子部品は、ブルートゥース(登録商標)規格の通信装置、無線LAN用の通信装置、ワイマックス(登録商標)規格の通信装置において用いられるフィルタ、特にバンドパスフィルタとして有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の主要部分を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の外観を示す斜視図である。 図1におけるA方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 図1におけるB方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における積層体の1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における積層体の5層目ないし8層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 第1の比較例の電子部品の主要部分を示す斜視図である。 第1の比較例の電子部品の通過・減衰特性を示す特性図である。 図9に示した通過・減衰特性の一部を拡大して示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の通過・減衰特性を示す特性図である。 図11に示した通過・減衰特性の一部を拡大して示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子部品の主要部分を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子部品の外観を示す斜視図である。 図13におけるA方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 図13におけるB方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態における積層体の1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態における積層体の5層目ないし8層目の誘電体層の上面と8層目の誘電体層の下の導体層とを示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電子部品の主要部分を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電子部品の外観を示す斜視図である。 図19におけるA方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 図19におけるB方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電子部品の回路構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態における積層体の1層目ないし4層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態における積層体の5層目ないし8層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電子部品の主要部分を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電子部品および実装基板の上面を示す斜視図である。 図26におけるA方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 図26におけるB方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態における積層体の1層目ないし4層目の誘電体層の上面と4層目の誘電体層の下の導体層とを示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態における第1の変形例の電子部品および実装基板の上面を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態における第2の変形例の電子部品および実装基板の上面を示す斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電子部品の主要部分を示す斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電子部品および実装基板の上面を示す斜視図である。 図33におけるA方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 図33におけるB方向から見た電子部品の主要部分を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態における積層体の1層目ないし4層目の誘電体層の上面と4層目の誘電体層の下の導体層とを示す説明図である。 第2の比較例の電子部品の主要部分を示す斜視図である。 第2の比較例の電子部品における共振器の通過・減衰特性を示す特性図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電子部品における共振器の通過・減衰特性を示す特性図である。
符号の説明
1…電子部品、2…入力端子、3…出力端子、4,5…共振器、11,12…インダクタ、13〜15…キャパシタ、20…積層体、21…第1のインダクタ用導体層、22…第2のインダクタ用導体層。

Claims (5)

  1. 積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体と、
    前記積層体と一体化された共振器と
    信号の入力と出力の少なくとも一方のために用いられる信号端子と、
    グランドに電気的に接続されるグランド端子とを備えた積層型電子部品であって、
    前記共振器は、互いに電気的に接続されたインダクタとキャパシタとを有し、
    前記インダクタは、前記積層体の外面上に配置され、前記インダクタとして機能するインダクタ用導体層を含み、
    前記キャパシタは、前記インダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上のキャパシタ用導体層と、1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成され、前記積層体の内部に配置され、
    前記積層体は、前記複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する第1および第2の端面を有し、前記インダクタ用導体層は前記第1の端面に配置され、
    前記キャパシタは、前記複数の誘電体層の積層方向における前記積層体の中央と前記第2の端面との間に配置され、
    前記積層体の内部において、前記インダクタ用導体層と前記積層体の中央との間には誘電体層のみが存在し、
    前記信号端子とグランド端子は、前記積層体の外面のうちの、前記第1および第2の端面に対して垂直な面上に配置され、
    前記インダクタ用導体層は、前記信号端子とグランド端子とにそれぞれ直接接続されて、前記信号端子とグランド端子とを電気的に接続し、
    前記1つ以上のキャパシタ用導体層は、前記信号端子に直接接続されることによって、前記信号端子を介して前記インダクタ用導体層に電気的に接続され、
    前記1つ以上のグランド用導体層は、前記グランド端子に電気的に接続されていることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 積層された複数の誘電体層と、隣接する誘電体層の間に配置された1つ以上の内部導体層とを含む積層体と、
    前記積層体の外面上に配置され、信号の入力のために用いられる入力端子と、
    前記積層体の外面上に配置され、信号の出力のために用いられる出力端子と、
    グランドに電気的に接続されるグランド端子と、
    前記積層体と一体化され、前記入力端子に電気的に接続された第1の共振器と、
    前記積層体と一体化され、前記出力端子に電気的に接続された第2の共振器とを備えた積層型電子部品であって、
    前記第1の共振器は、互いに電気的に接続された第1のインダクタと第1のキャパシタとを有し、
    前記第2の共振器は、互いに電気的に接続された第2のインダクタと第2のキャパシタとを有し、
    前記第1のインダクタは、前記積層体の外面上に配置され、前記第1のインダクタとして機能する第1のインダクタ用導体層を含み、
    前記第2のインダクタは、前記積層体の外面上に配置され、前記第2のインダクタとして機能する第2のインダクタ用導体層を含み、
    前記第1のキャパシタは、前記第1のインダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上の第1のキャパシタ用導体層と、1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成され、
    前記第2のキャパシタは、前記第2のインダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上の第2のキャパシタ用導体層と、前記1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成され、
    前記第1および第2のキャパシタは、いずれも、前記積層体の内部に配置され、
    前記積層体は、前記複数の誘電体層の積層方向における両端に位置する第1および第2の端面を有し、前記第1および第2のインダクタ用導体層は、いずれも、前記第1の端面に配置され、
    前記第1および第2のキャパシタは、いずれも、前記複数の誘電体層の積層方向における前記積層体の中央と前記第2の端面との間に配置され、
    前記積層体の内部において、前記第1および第2のインダクタ用導体層と前記積層体の中央との間には誘電体層のみが存在し、
    前記入力端子、出力端子およびグランド端子は、前記積層体の外面のうちの、前記第1および第2の端面に対して垂直な面上に配置され、
    前記第1のインダクタ用導体層は、前記入力端子とグランド端子とにそれぞれ直接接続されて、前記入力端子とグランド端子とを電気的に接続し、
    前記第2のインダクタ用導体層は、前記出力端子とグランド端子とにそれぞれ直接接続されて、前記出力端子とグランド端子とを電気的に接続し、
    前記1つ以上の第1のキャパシタ用導体層は、前記入力端子に直接接続されることによって、前記入力端子を介して前記第1のインダクタ用導体層に電気的に接続され、
    前記1つ以上の第2のキャパシタ用導体層は、前記出力端子に直接接続されることによって、前記出力端子を介して前記第2のインダクタ用導体層に電気的に接続され、
    前記1つ以上のグランド用導体層は、前記グランド端子に電気的に接続されていることを特徴とする積層型電子部品。
  3. 前記第1および第2の共振器は、回路構成上、前記入力端子と出力端子との間に設けられ、バンドパスフィルタの機能を実現することを特徴とする請求項記載の積層型電子部品。
  4. 更に、前記積層体と一体化され、回路構成上、前記第1の共振器と第2の共振器の間に設けられた第3の共振器と、
    前記積層体の外面のうちの、前記第1および第2の端面に対して垂直な面上に配置された接続用導体層とを備え、
    前記第3の共振器は、互いに電気的に接続された第3のインダクタと第3のキャパシタとを有し、
    前記第3のインダクタは、前記第1の端面に配置され、前記第3のインダクタとして機能する第3のインダクタ用導体層を含み、
    前記第3のキャパシタは、前記第3のインダクタ用導体層に電気的に接続された1つ以上の第3のキャパシタ用導体層と、前記1つ以上のグランド用導体層とを用いて構成され、前記積層体の内部に配置され、
    前記第3のキャパシタは、前記複数の誘電体層の積層方向における前記積層体の中央と前記第2の端面との間に配置され
    前記第3のインダクタ用導体層は、前記接続用導体層とグランド端子とにそれぞれ直接接続されて、前記接続用導体層とグランド端子とを電気的に接続し、
    前記1つ以上の第3のキャパシタ用導体層は、前記接続用導体層に直接接続されることによって、前記接続用導体層を介して前記第3のインダクタ用導体層に電気的に接続されていることを特徴とする請求項記載の積層型電子部品。
  5. 前記第1ないし第3の共振器は、回路構成上、前記入力端子と出力端子との間に設けられ、バンドパスフィルタの機能を実現することを特徴とする請求項記載の積層型電子部品。
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