JPH06334412A - 誘電体積層共振器および誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体積層共振器および誘電体フィルタ

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JPH06334412A
JPH06334412A JP4922094A JP4922094A JPH06334412A JP H06334412 A JPH06334412 A JP H06334412A JP 4922094 A JP4922094 A JP 4922094A JP 4922094 A JP4922094 A JP 4922094A JP H06334412 A JPH06334412 A JP H06334412A
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electrode
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俊雄 石崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電体積層共振器の長さを短縮する。 【構成】 第1及び第2のストリップ線路2,4及び接
続電極8により、2つ折れ形状のストリップ線路を形成
して共振器の長さを短縮すると共に、第1のシールド電
極7aと第1のストリップ線路2との離隔をt1、第1
のストリップ線路2と第2のストリップ線路4との離隔
をt2、第2のストリップ線路4と第2のシールド電極
7bとの離隔をt3として、t1=t2+t3に設定す
る。この構成により、第1及び第2のストリップ線路2
の各特性インピーダンスは相互に異なって、共振器は途
中で特性インピーダンスがステップ状に変化するSIR
構造となって共振周波数が低くなり、その結果、より一
層に共振器の長さを短縮できる。また、共振周波数が低
くなる分、比誘電率の小さい誘電体材料を使用できるの
で、無負荷Q値が高く温度特性の良い共振器を実現する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として携帯電話など
の高周波無線機器等に用いられる誘電体積層共振器およ
び誘電体フィルタの改良に関するものである。ここで示
される誘電体積層共振器は、高周波発振回路などの共振
素子として単独で用いられることがあるほかに、複数個
の誘電体積層共振器を組み合わせてバンドパスフィルタ
やバンドエリミネーションフィルタとして動作する誘電
体フィルタを構成するのに用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の発展にともない、携
帯に便利な小型の携帯電話に対する強い要望がある。携
帯電話などの高周波無線機器の小型化のためには、使用
する部品の小型化が重要な課題である。特に、高周波フ
ィルタとして広く用いられている誘電体フィルタは、携
帯電話の無線回路に使われる高周波部品の中で体積の大
きい部品のひとつであるため、小型化が強く求められて
いる。
【0003】誘電体フィルタは、複数の誘電体共振器を
結合素子を介して縦続接続して構成される。誘電体共振
器には、従来、同軸型のセラミック素子の表面に電極を
形成した誘電体同軸共振器が使われ、従来の誘電体フィ
ルタは誘電体同軸共振器で構成されていた。しかし、誘
電体同軸共振器の製造ではセラミックの微細加工に限界
があり、薄型化が難しいため、平面型のストリップ線路
共振器で構成される誘電体積層共振器を用いることが考
えられた。
【0004】以下に図面を参照しながら、前記した従来
の誘電体積層共振器の一例について説明する。図15
(a)は従来の誘電体積層共振器の分解斜視図を示すも
のである。また、同図(b)は同図(a)における線X
−X’を含む面の断面図を示すものである。
【0005】図15において、第1の誘電体シート35
の上にストリップ線路36を形成し、ストリップ線路3
6の上下に積層した誘電体シート35、37を介してそ
れぞれ上下にシールド電極7を設ける。ストリップ線路
36の一端を接地電極9を介して接地することによって
先端短絡ストリップ線路共振器が構成される。ストリッ
プ線路の長さが4分の1波長となる周波数で開放端での
インピーダンスが無限大となり並列共振する。このよう
な構造の誘電体積層共振器は、例えば、特開平2−29
0303の図1などに示されている。
【0006】一方、図16は従来の誘電体フィルタで構
成されたアンテナ共用器の分解斜視図を示すものであ
る。アンテナ共用器は送信フィルタと受信フィルタの2
つのフィルタを組み合わせて構成されているもので、同
図のアンテナ共用器を例にとって従来技術の誘電体フィ
ルタについて以下に説明する。図16において、701
から706は誘電体同軸共振器、707は結合基板、7
08は金属製ケース、709は金属製カバー、710か
ら712は直列コンデンサ、713と714はインダク
タ、715から718は結合コンデンサ、721から7
26は接続ピン、731は送信端子、732はアンテナ
端子、733は受信端子、741から747は結合基板
707上に形成された電極パターンである。
【0007】誘電体同軸共振器701、702、703
と、直列コンデンサ710、711、712と、インダ
クタ713、714は送信バンドエリミネーションフィ
ルタを構成する。また、誘電体同軸共振器704、70
5、706と、結合コンデンサ715、716、71
7、718は受信バンドパスフィルタを構成する。
【0008】送信フィルタの一端は送信機と電気的に接
続される送信端子に接続され、送信フィルタの他端は受
信フィルタの一端と接続されると共に、アンテナに電気
的に接続されるアンテナ端子に接続される。受信フィル
タの他端は受信機に電気的に接続される受信端子に接続
される。このような構造の、従来の誘電体フィルタで構
成されるアンテナ共用器は、例えば、文献(T.Nishikaw
a, "RF Front EndCircuit Components Miniaturized Us
ing Dielectric Resonators ForCellular Portable Tel
ephones", IEICE Transactions, vol.E74, No.6,pp.155
6-1562, June 1991 )のFig.4などに示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、共振器の薄型化は可能であるが、共振
器長については従来と変わらない。むしろ、積層できる
誘電体セラミックの材料が限られて、低誘電率の誘電体
材料しか使えないために共振器の長さは従来よりも長く
なってしまっていた。すなわち、共振器の全長を短くす
るためには、共振周波数はストリップ線路上の伝搬波長
に依存するので誘電体の比誘電率を大きくするしかない
が、比誘電率の大きな誘電体材料は一般的に焼成温度が
高く、誘電体材料の中に配置される電極(以下、内電極
という)との一体焼成ができないため、小型化には限界
があるという問題点を有していた。また、比誘電率の大
きな誘電体材料は一般的に誘電正接が大きく誘電体積層
共振器の無負荷Qを低下させ、さらに周波数に対する温
度特性も悪く、結果として誘電体積層共振器の特性を悪
化させるという問題点を有していた。
【0010】そこで、従来、前記公報では、積層された
2枚の誘電体シート上に各々ストリップ線路を形成し、
これ等のストリップ線路を接続して,2つ折れ形状に形
成したものを提案しているが、この提案のものでは、2
つに折り返す分、共振器の物理的な長さを短縮できるも
のの、それ以上の長さの短縮が困難である。
【0011】また、上記のような構成の誘電体フィルタ
では、また、コンデンサやインダクタなどの電子部品あ
るいは接続ピンなどの機構部品を多数使用するため、小
型化が難しいという問題点を有するほかに、製造コスト
の低減も困難であるという問題点を有していた。
【0012】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、共振器の性能を良好に保持しなが
ら、ストリップ線路を折り返す分以上に共振器の長さを
短縮して、小型で低コストの誘電体積層共振器及び誘電
体フィルタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では、ストリップ線路を2つ折れ形状に形
成すると共に、共振周波数を低くできる構成を採用する
ことにより、ストリップ線路の線路長をより一層短くし
て、共振器の長さを効果的に短縮することとする。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明の誘電体積
層共振器では、第1の誘電体シート及び第2の誘電体シ
ートと、前記第1の誘電体シートの上面に形成された第
1のストリップ線路と、前記第2の誘電体シートの上面
に形成された第2のストリップ線路とを有し、前記第1
の誘電体シートの上に前記第2の誘電体シートが積層さ
れ、前記第1の誘電体シート及び前記第2の誘電体シー
トを積層した積層体は、更にその上方及び下方に配置し
た最上層及び最下層の誘電体シートと積層され、前記最
下層の誘電体シートの下面に設けられた第1のシールド
電極と、前記最上層の誘電体シートの上面に設けられた
第2のシールド電極と、前記第1のストリップ線路の一
端と前記第2のストリップ線路の一端とを接続する接続
電極と、前記第1のストリップ線路の他端を接地する接
地電極とを有し、前記第2のストリップ線路の他端は開
放され、前記第1のシールド電極と第1のストリップ線
路との離隔t1は、第1のストリップ線路と第2のスト
リップ線路との離隔t2、及び第2のストリップ線路と
第2のシールド電極との離隔t3とは異なる離隔に設定
される構成としている。
【0015】また、請求項2記載の発明の誘電体積層共
振器では、前記請求項1記載の発明の構成に加えて、第
2の誘電体シートと同様の第3の誘電体シートと、前記
第2のストリップ線路と同様の第3のストリップ線路と
を有する構成としている。
【0016】更に、請求項3記載の発明の誘電体積層共
振器では、前記請求項1記載の発明の構成に加えて、第
1の誘電体シートと第2の誘電体シートとの間に挟まれ
る第3の誘電体シートを設け、前記第3の誘電体シート
の上面に容量電極を形成し、この容量電極を接地する構
成としている。
【0017】加えて、請求項4記載の発明の誘電体積層
共振器では、前記請求項3記載の発明における第2及び
第3の各誘電体シート並びに第2のストリップ線路及び
容量電極を第1のストリップ線路の上方において複数設
ける構成としている。
【0018】また、請求項5記載の発明の誘電体積層共
振器では、前記請求項4記載の発明の構成に加えて、第
1のストリップ線路の下方にも第2及び第3の各誘電体
シート並びに第2のストリップ線路及び容量電極を複数
設ける構成としている。
【0019】更に、請求項6〜請求項11記載の発明で
は、第1のシールド電極と第1のストリップ線路との離
隔t1、第1のストリップ線路と第2のストリップ線路
との離隔t2、第2のストリップ線路と第2のシールド
電極との離隔t3、及び第2のシールド電極と第1のス
トリップ線路との離隔t4、第1のストリップ線路と第
3のストリップ線路との離隔t5、第3のストリップ線
路と第1のシールド電極との離隔t6を特定し、t1>
t2>t3,t4>t5>t6若しくはt1>t3>t
2,t4>t6>t5、又はt1=t2+t3,t4=
t5+t6の関係に設定する構成である。
【0020】加えて、請求項12〜請求項17記載の発
明では、第2のストリップ線路及び第3のストリップ線
路の長さLを特定し、第1のストリップ線路の長さをL
1 として、0.2L1 ≦L≦0.65L1 、0.2L1
≦L≦0.5L1 、又は0.2L1 ≦L≦0.35L1
に設定する構成である。
【0021】また、請求項18記載の発明では、前記請
求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振器における第1
のストリップ線路を限定し、第1のストリップ線路の接
続電極が接続された一端側は、線路幅の広い幅広部に形
成されると共に、前記第1のストリップ線路の接地され
た他端側は、線路幅の狭い幅細部に形成されて、第1の
ストリップ線路の途中から、その接地された他端側まで
の線路幅が狭く設定される構成としている。
【0022】更に、請求項19及び請求項20記載の発
明では、前記請求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振
器を限定して、これ等の誘電体積層共振器は、更にその
上方及び下方に配置した2枚の誘電体シートと積層さ
れ、各シールド電極が2枚の誘電体シート間に挟まれた
内電極として形成する構成としている。
【0023】する。
【0024】加えて、請求項21記載の発明では、前記
請求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振器における各
シールド電極は、誘電体積層共振器の表面に位置する外
電極として形成されている構成とする。
【0025】また、請求項22記載の発明では、前記請
求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振器において、更
に、外部の回路と結合される1個又は複数個の結合電極
を有し、前記結合電極と第2のストリップ線路によりコ
ンデンサが構成される構成としている。
【0026】更に、請求項23及び請求項24記載の発
明では、各々、前記請求項22記載の発明の結合電極を
限定し、結合電極は、誘電体積層共振器の表面に位置す
る外電極として形成、又は2枚の誘電体シートの間に配
置される内電極として形成される構成とする。
【0027】加えて、請求項25記載の発明では、前記
請求項22記載の発明の誘電体積層共振器において、更
に、結合電極の数と同数設けられ、対応する結合電極と
接続された端子電極を有し、前記端子電極は、誘電体積
層共振器の表面に位置する外電極として形成される構成
とする。
【0028】また、請求項26記載の発明では、前記請
求項22記載の発明の誘電体積層共振器における結合電
極は、誘電体シートのシールド電極が形成された面上に
形成される構成とする。
【0029】更に、請求項27記載の発明では、前記請
求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振器において、更
に、各々の誘電体シートの両側面に設けられた側面シー
ルド電極を有し、前記側面シールド電極は、誘電体積層
共振器の表面に位置する外電極として形成され、第1シ
ールド電極と第2のシールド電極とは、互いに、前記側
面シールド電極を介して接続される構成としている。
【0030】加えて、請求項28及び請求項29記載の
発明では、前記請求項1〜請求項5記載の誘電体積層共
振器において、各ストリップ線路及び接続電極を限定
し、各ストリップ線路は、これ等が設けられた各誘電体
シートの端部から延び、接続電極は、前記各誘電体シー
トの前記端部の側面に設けられ、第2のストリップ線路
の長さは、第1のストリップ線路より短く設定される構
成とする。
【0031】また、請求項30記載の発明では、前記請
求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振器において、各
ストリップ線路の及び接続電極を他の構成に限定し、接
続電極は、誘電体シートに形成されたスルーホール電極
であリ、第1、第2及び第3のストリップ線路の前記ス
ルーホール電極により接続される側の端部は、第1、第
2及び第3の誘電体シートの端部よりも内側に位置し、
前記1、第2及び第3の誘電体シートの前記端部には第
2の側面シールド電極が配置され、前記1、第2及び第
3の誘電体シートの他端部には接地電極が配置される構
成とする。
【0032】更に、請求項32記載の発明では、前記請
求項1〜請求項5記載の誘電体積層共振器において、第
1のストリップ線路の接地側端部には、前記第1のスト
リップ線路の線路幅より広い幅広の電極領域が形成さ
れ、前記第1のストリップ線路は前記電極領域を介して
接地電極に接続される構成としている。
【0033】加えて、請求項33及び請求項34記載の
発明の誘電体フィルタでは、前記請求項22記載の誘電
体積層共振器が複数個縦続接続、又は前記請求項25記
載の誘電体積層共振器が複数個縦続接続されて構成され
る。
【0034】また、請求項35記載の発明では、前記請
求項33及び請求項34記載の発明の誘電体フィルタを
限定し、複数個の誘電体積層共振器は、各々、インダク
タンスを介して縦続接続される構成としている。
【0035】
【作用】以上の構成により、請求項1及び請求項2記載
の発明の誘電体積層共振器では、第1のシールド電極と
第1のストリップ線路との離隔t1が、第1のストリッ
プ線路と第2のストリップ線路との離隔t2、及び第2
のストリップ線路と第2のシールド電極との離隔t3と
は異なる離隔、具体的には、t1>t2>t3の関係、
t1>t3>t2の関係、又はt1=t2+t3の関係
に設定されるので、第2のストリップ線路及び第3のス
トリップ線路の特性インピーダンスが第1のストリップ
線路の特性インピーダンスよりも低くなり、そのため、
これ等のストリップ線路により構成される共振器は、イ
ンピーダンスが途中でステップ状に変化するSIR構造
となって、共振周波数が低くなり、その結果、各ストリ
ップ線路を2つ折り形状に接続している分の共振器の物
理的な長さの短縮以上に、共振器の長さを短縮できる。
【0036】また、請求項3、請求項4及び請求項5記
載の発明の誘電体積層共振器では、容量電極の付加によ
り、この容量電極と第1のストリップ線路とで構成され
るコンデンサが共振器に対して並列に接続されて、共振
器の容量成分が増すので、共振周波数が一層低くなっ
て、共振器の長さがより一層短縮されることになる。し
かも、共振周波数が低くなる分、比誘電率の小さい誘電
体材料を使用することができるので、無負荷Q値が高く
て、温度特性の良い誘電体積層共振器を実現することが
できる。
【0037】特に、請求項6及び請求項7記載の発明で
は、第2のストリップ線路と第2のシールド電極との離
隔t3が小さいので、第2のストリップ線路4と第2の
シールド電極7bとの間に形成される容量が大きくなる
ので、共振周波数が低くなる一方、接続電極8の長さが
長くなるため、この接続電極8で生じる高周波電流の抵
抗損や放射損によって共振器の無負荷Q値が劣化する。
従って、共振器の性能は若干悪くなるが、共振器長をよ
り短縮できる特徴を有する。
【0038】また、請求項8及び請求項9記載の発明で
は、第1のストリップ線路と第2のストリップ線路との
離隔t2と、第2のストリップ線路と第2のシールド電
極との離隔t3との関係が逆であるので、共振器長の短
縮効果は若干少なくなるが、無負荷Q値が高く非常に性
能の良い共振器を実現することができる。
【0039】更に、請求項10及び請求項11記載の発
明では、共振器の損失を減らすためには、特に第1のス
トリップ線路2の接地端側において第1のストリップ線
路2とシールド電極7a,7b間の距離を大きく取るこ
とが望ましいが、第1のストリップ線路2の接地端側に
おいて第1のストリップ線路2と各シールド電極7a,
7b間の距離の最小値を最も大きくできるので、共振器
長を短くしながら、性能をも良い誘電体積層共振器を実
現することが可能になる。
【0040】加えて、請求項12〜請求項17記載の発
明では、共振器の長さを有効に短縮しつつ、無負荷Q値
を高めて良好な特性を得ることができる。
【0041】また、請求項18記載の発明では、第1の
ストリップ線路の接地される側に形成した幅細部の線路
幅が、接続電極側に形成した幅広部よりも狭いので、そ
の線路幅が狭い幅細部の部分の特性インピーダンスを高
くして、インピーダンス・ステップ比を大きくすること
ができ、従ってマイクロストリップ線路長を一層短縮す
ることができる。
【0042】更に、請求項19及び請求項20記載の発
明では、シールド電極が内電極で形成されて、その電極
ペーストとしてガラスフリットの少ない内電極用の銀ペ
ーストを使用することができるので、共振器の導体損を
少なくして、無負荷Q値を向上させることができる。
【0043】加えて、請求項21及び請求項23記載の
発明では、シールド電極及び結合電極が外電極で形成さ
れるので、シールド性に優れる。
【0044】また、請求項22記載の発明では、外部回
路と結合される結合電極と第2のストリップ線路とによ
りコンデンサが形成されるので、このコンデンサが並列
共振器に直列に接続される形になって、結合電極から見
た特性が直列共振と並列共振との2つの共振を持つ共振
器が簡単な構成で実現される。
【0045】更に、請求項24記載の発明では、結合電
極が内電極であるので、この結合電極の形成がストリッ
プ線路の形成と同じ印刷プロセスでできて、結合電極を
精度良く作製することができ、特性のばらつきが少なく
なる。
【0046】加えて、請求項25記載の発明では、端子
電極が外電極で形成されるので、結合電極と第2のスト
リップ線路とで形成されるコンデンサの容量値と無関係
に端子電極の大きさ,形状を決定でき、端子電極の形状
変更等による特性の変動のおそれのない扱いの容易な共
振器を提供することができる。
【0047】また、請求項26記載の発明では、結合電
極が、シールド電極の形成された誘電体シートと同一面
上に形成されるので、共振器の小型化が図られる。
【0048】更に、請求項27記載の発明では、上側の
シールド電極の開放端が側面シールド電極を介して強制
的に接地電位に等しくなるので、シールド電極が共振周
波数近傍で不要に共振することが防止されると共に、共
振器がシールドされて外部回路との電磁干渉が防止され
る。
【0049】加えて、請求項28及び請求項29記載の
発明では、ストリップ線路が誘電体シートの端部から延
びるので、誘電体シートの端部の利用に無駄がなく、共
振器の長さを短縮できる。
【0050】また、請求項30及び請求項31記載の発
明では、共振器は第2の側面シールド電極によっても覆
われて、ほぼ完璧なシールド性が実現される。
【0051】更に、請求項32記載の発明では、第1の
ストリップ線路が電極領域を介して接地電極又は側面シ
ールド電極に接続されて接地されるので、第1のストリ
ップ線路の接地を余計なインダクタンス成分や抵抗成分
を取り除いて確実にすることができ、従って共振器の共
振周波数のばらつきを無くし、無負荷Q値を向上させる
ことができる。
【0052】加えて、請求項33及び請求項34記載の
発明の誘電体フィルタでは、結合コンデンサを含んだ誘
電体積層共振器が複数個縦続接続されて構成されている
ので、結合コンデンサ等を用いずに容易に誘電体フィル
タが構成されて、部品点数の削減及び製造工程の簡素化
がなされ、製造コストが低く且つ小型化された誘電体フ
ィルタが提供される。
【0053】また、請求項35記載の発明の誘電体フィ
ルタでは、複数個の誘電体積層共振器が各々インダスタ
ンスを介して縦続接続されるので、高調波信号成分等に
対する減衰量が大きくなる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び請求
項2記載の発明の誘電体積層共振器によれば、第2のス
トリップ線路及び第3のストリップ線路の特性インピー
ダンスを第1のストリップ線路の特性インピーダンスよ
りも低くして、特性インピーダンスが途中でステップ状
に変化するSIR構造の共振器としたので、共振周波数
が低くなって、各ストリップ線路を2つ折り形状に接続
する以上に共振器の長さを短縮できる効果を奏する。
【0055】また、請求項3、請求項4及び請求項5記
載の発明の誘電体積層共振器によれば、容量電極の付加
により共振器に対して並列に接続されるコンデンサを形
成して、共振器の容量成分を増す構成としたので、共振
周波数が一層低くなって、共振器の長さがより一層短縮
される効果を奏すると共に、共振周波数が低くなる分、
比誘電率の小さい誘電体材料を使用できて、無負荷Q値
が高くて温度特性の良い誘電体積層共振器を実現でき
る。
【0056】特に、請求項6及び請求項7記載の発明に
よれば、共振器の性能は若干悪くなるが、共振器長をよ
り短縮できる特徴を有する。
【0057】また、請求項8及び請求項9記載の発明に
よれば、共振器長の短縮効果は若干少なくなるが、無負
荷Q値が高く非常に性能の良い共振器を実現できる。
【0058】更に、請求項10及び請求項11記載の発
明によれば、共振器長を短くしながら、性能をも良い誘
電体積層共振器を実現することが可能である。
【0059】加えて、請求項12〜請求項17記載の発
明によれば、共振器の長さを有効に短縮しつつ、無負荷
Q値を高めて良好な特性を得ることができる。
【0060】また、請求項18記載の発明によれば、第
1のストリップ線路の接地される側に形成した幅細部に
より、この部分の特性インピーダンスを高くして、イン
ピーダンス・ステップ比を大きくしたので、ストリップ
線路長を一層短縮することができる。
【0061】更に、請求項19及び請求項20記載の発
明によれば、シールド電極が内電極で形成し、その電極
ペーストとしてガラスフリットの少ない内電極用の銀ペ
ーストを使用できるので、共振器の導体損を少なくし
て、無負荷Q値を向上させることができる。
【0062】加えて、請求項21及び請求項23記載の
発明によれば、シールド電極及び結合電極が外電極で形
成されるので、シールド性に優れる。
【0063】また、請求項22記載の発明によれば、結
合電極と第2のストリップ線路とによりコンデンサを形
成したので、結合電極から見た特性が直列共振と並列共
振との2つの共振を持つ共振器を簡単な構成で実現でき
る。
【0064】更に、請求項24記載の発明によれば、結
合電極が内電極であるので、結合電極を精度良く作製す
ることができ、特性のばらつきが少なくなる。
【0065】加えて、請求項25記載の発明によれば、
結合電極と第2のストリップ線路とで形成されるコンデ
ンサの容量値と無関係に端子電極の大きさ,形状を決定
できるので、端子電極の形状変更等による特性の変動の
おそれのない扱いの容易な共振器を提供することができ
る。
【0066】また、請求項26記載の発明によれば、シ
ールド電極の形成された誘電体シートと同一面上に結合
電極を形成したので、共振器の小型化が図られる。
【0067】更に、請求項27記載の発明によれば、側
面シールド電極により上側のシールド電極の開放端を強
制的に接地電位に等しくしたので、シールド電極が共振
周波数近傍で不要に共振することを防止できると共に、
共振器を一相良好にシールドして、外部回路との電磁干
渉等を有効に防止できる。
【0068】加えて、請求項28及び請求項29記載の
発明によれば、ストリップ線路が誘電体シートの端部か
ら延びるので、誘電体シートの端部の利用に無駄がな
く、共振器の長さを短縮できる。
【0069】また、請求項30及び請求項31記載の発
明によれば、共振器は第2の側面シールド電極によって
も覆ったので、ほぼ完璧なシールド性を実現できる。
【0070】更に、請求項32記載の発明によれば、第
1のストリップ線路の端部に線路幅より広い幅の電極領
域を設けたので、第1のストリップ線路の接地を余計な
インダクタンス成分や抵抗成分を取り除いて確実にで
き、共振器の共振周波数のばらつきを無くして無負荷Q
値を向上させることができる。
【0071】加えて、請求項33及び請求項34記載の
発明の誘電体フィルタによれば、結合コンデンサを含ん
だ誘電体積層共振器を複数個縦続接続して構成したの
で、部品点数の削減及び製造工程の簡素化を図ることが
でき、低製造コストで小型化された誘電体フィルタを提
供できる。
【0072】また、請求項35記載の発明の誘電体フィ
ルタによれば、複数個の誘電体積層共振器を各々インダ
スタンスを介して縦続接続したので、高調波信号成分等
に対する減衰量を大きくできる。
【0073】
【実施例】以下、本発明の誘電体積層共振器および誘電
体フィルタの実施例を図面に基いて説明する。
【0074】(第1の実施例)図1(a)は本発明の第
1の実施例における誘電体積層共振器の分解斜視図を示
すものである。また、同図(b)は同図(a)における
線X−X’を含む面の断面図を示すものである。
【0075】図1において、1は第1の誘電体シート、
3は第2の誘電体シート、5及び6は最上層及び最下層
の誘電体シートである。これらの誘電体シートには、例
えば、文献(H.Kagata et al., "Low-fire Microwave D
ielectric Ceramics andMultilayer Devices with Silv
er Internal Electrode", CeramicTransactions, vol.3
2, The American Ceramic Society Inc., pp.81-90 )
で示されるような、比誘電率が58のBi−Ca−Nb
−O系のセラミック材料などをグリーンシート化した低
温焼結誘電体セラミックが使用される。
【0076】誘電体シート6の上には、第1の誘電体シ
ート1が積層される。前記第1の誘電体シート1の上面
には、一端から他端に達するように第1のストリップ線
路2が銀ペーストや銅ペーストなどの導電体の厚膜印刷
などの手段により形成される。前記第1のストリップ線
路2が形成された第1の誘電体シート1の上には、第2
の誘電体シート3が積層される。前記第2の誘電体シー
ト3の上には、一端から他端に向けて前記第1のストリ
ップ線路2より短い長さの第2のストリップ線路4が前
記第1のストリップ線路1と同様の手段で形成される。
第2のストリップ線路4が形成された第2の誘電体シー
ト3の上には、誘電体シート5が積層される。前記各誘
電体シート1、3、5、6はプレスされ、これ等の誘電
体シートと内電極(即ち、第1及び第2のストリップ線
路2、4)とを同時に焼成する。
【0077】前記焼成して成るものの下表面,即ち最下
層の誘電体シート6には第1のシールド電極7aが、上
表面,即ち最上層の誘電体シート5には第2のシールド
電極7bが各々外電極(詳しくは、誘電体積層共振器の
表面に位置する電極)として形成される。
【0078】また、前記焼成されて成るもの(即ち、4
枚の誘電体シート1、3、5、6)のストリップ線路
2,4の幅方向の両側面には、その全面に側面シールド
電極17が外電極として形成される。
【0079】更に、前記第1の誘電体シート1及び第2
の誘電体シート3を積層した積層体において、各ストリ
ップ線路2,4の線路長さ方向の一側面には、外電極と
して接続電極8が形成され、前記第1のストリップ線路
2の一端と第2のストリップ線路4の一端とが、前記接
続電極8を介して接続される。
【0080】加えて、前記4枚の誘電体シート1、3、
5、6を積層して成るものにおいて、各ストリップ線路
2,4の線路長さ方向の他側面には、その全面に接地電
極9が外電極として形成され、第1のストリップ線路2
の他端が前記接地電極9を介して接地される。
【0081】前記各外電極としては、ガラスフリット入
りの厚膜印刷用銀ペーストなどが用いられ、表面に塗布
された後、焼き付けされ形成される。前記接続電極8は
外部回路との接続端子としても使われる。
【0082】以上のように構成された誘電体積層共振器
は、第1のストリップ線路2の一端と第2のストリップ
線路4の一端とが接続されることにより、線路の開放端
側が途中で折り返された4分の1波長先端短絡ストリッ
プ線路共振器として動作する。すなわち、第2のストリ
ップ線路4と第1のストリップ線路2とが直列接続され
ることにより、折り返し型先端短絡ストリップ線路共振
器が構成されるので、先ず、共振器の物理的な長さが短
くなる。
【0083】また、第2のストリップ線路4とシールド
電極7との間に薄い誘電体シート5を挟んで容量が形成
され、共振器と並列にローディング容量が挿入されるの
で、共振周波数が低くなる。更に、第2の誘電体シート
3の上に積層された誘電体シート5の厚さが薄くて、そ
の誘電体シート5のシールド電極7と第2のストリップ
線路4との離隔が短く、一方、第1のストリップ線路2
と他方の誘電体シート6のシールド電極7との離隔が長
いので、第2のストリップ線路4の特性インピーダンス
は第1のストリップ線路2の特性インピーダンスよりも
低くなり、従って、第2のストリップ線路4と第1のス
トリップ線路2とにより構成される共振器は、途中でイ
ンピーダンスがステップ状に変化するSIR(SteppedI
mpedance Resonator )構造になるので、共振周波数が
一層低くなる(SIR構造による共振周波数の低下につ
いては、例えばM.Sagawa at al,“A DesignMethod of
Bandpass Filters Using Dielectric -Filled Coaxial
Resonators”IEEETRANSACTIONS ON MICROWAVE THEO
RY AND TECHNIQUES ,VOL.MTT-33NO.2 1985 年2 月のP15
2-157等を参照)。
【0084】その結果、前記物理的な長さの短縮に加え
て、前記容量の形成及びSIR構造による共振周波数の
低下により、結果として、共振器の物理的な長さを非常
に短くすることができる。例えば、周波数900MHz
において、比誘電率が58の誘電体シートの上に形成さ
れる4分の1波長共振器の長さは10.9mmであるが、本発
明の誘電体積層共振器では、共振器の長さをその半分以
下の4.6mm まで短くすることができる。
【0085】加えて、共振周波数が低くなる分、比誘電
率の小さい誘電体材料を使用することができるので、共
振器の物理的な長さを長くすることなく、誘電正接の小
さい誘電体材料を用いることができて、共振器の無負荷
Q値を向上させることができる。
【0086】前記4枚の誘電体シート1、3、5、6の
厚さは、以下の通りに設定される。すなわち、最下層の
誘電体シート6と第1の誘電体シート1との各厚さの合
計値,即ち第1のシールド電極7aと第1のストリップ
線路2との離隔をt1、第2の誘電体シート3の厚さ,
即ち第1のストリップ線路2と第2のストリップ線路4
との離隔をt2、最上層の誘電体シート5の厚さ,即ち
第2のストリップ線路4と第2のシールド電極7bとの
離隔をt3として、先ず、t1>t2>t3とした場合
は、厚さt3が小さいので、第2のストリップ線路4と
第2のシールド電極7bとの間に形成される容量が大き
くなって、共振周波数が低くなる。また、第1のストリ
ップ線路2と第2のストリップ線路4との間の接続距離
が長くなるので、接続電極8の長さがその分長くなっ
て、実質的なストリップ線路長が長くなり、これによっ
ても共振周波数が低くなる。但し、接続電極8で生じる
高周波電流の抵抗損や放射損によって共振器の無負荷Q
値が劣化する。従って、t1>t2>t3とした場合
は、共振器の性能は若干悪くなるが、共振器長をより短
縮できる特徴を有する。
【0087】これに対し、各々の誘電体シートの厚さを
t1>t3>t2とした場合は、上記と逆になり、共振
器長の短縮効果は若干少なくなるが、無負荷Q値が高く
非常に性能の良い共振器を実現することができる特徴を
有する。
【0088】そこで、本実施例では、各々の誘電体シー
トの厚さがt1=t2+t3の関係に設定されて、共振
器の性能の一層の向上を図っている。
【0089】すなわち、第1のストリップ線路2の接地
端側は磁界エネルギー成分が大きいので、共振器の損失
を減らすためには、特に第1のストリップ線路2の接地
端側において第1のストリップ線路2とシールド電極7
a,7b間の距離を大きく取ることが望ましいからであ
る。ここで、シールド電極7a,7bによる損失は、第
1のストリップ線路2に近い側のシールド電極によるも
のが支配的になるので、いま、上下2枚のシールド電極
7a,7b間の距離を固定して考えると、第1のストリ
ップ線路2の接地端側において第1のストリップ線路2
と各シールド電極7a,7b間の距離の最小値を最も大
きくできる条件は、第1のストリップ線路2と2枚のシ
ールド電極7a,7b間の距離を等しくすること、即
ち、t1=t2+t3という条件である。よって、以上
のような構成とすることにより、共振器長が短く、且つ
性能の良い誘電体積層共振器を実現することが可能にな
る。但し、本発明では、前記t1>t2>t3とする場
合、及びt1>t3>t2とした場合も、共に共振周波
数を低くできる以上、何れの場合をも包含する。尚、最
下層の誘電体シート6を設けず、第1の誘電体シート1
の下面に第1のシールド電極7aを形成してもよい。こ
の場合には、前記第1の誘電体シート1の厚さ自体をt
1に設定する。
【0090】更に、積層体の側面に形成された側面シー
ルド電極17により、共振器を完全にシールドすること
ができるので、誘電体積層共振器と外部回路の間の電磁
干渉や、誘電体積層共振器同志を近接して並べる場合の
共振器間の結合を防ぐことができる。加えて、側面シー
ルド電極17は、上下のシールド電極7を互いに接続す
ることにより、上側のシールド電極7の開放端を強制的
に接地電位と等しくする働きをして、シールド電極7が
ストリップ線路共振器の共振周波数近傍で不要共振をす
るのを防ぐ。従って、積層体の両側面に外電極として形
成された側面シールド電極17により、シールド特性が
優れると共に、良好な共振特性を有する共振器が実現で
きる。
【0091】以上のように、本実施例では、上記した構
成により、小型で性能の良い誘電体積層共振器を実現す
ることができる。
【0092】(第2の実施例)以下、本発明の第2の実
施例の誘電体積層共振器について、図面を参照しながら
説明する。
【0093】図2(a)は本発明の第2の実施例におけ
る誘電体積層共振器の分解斜視図を示し、同図(b)は
同図(a)における線X−X’を含む面の断面図を示
す。尚、前記第1の実施例と同一部分には同一符号を付
してその説明を省略する。
【0094】図2(a)及び(b)において、誘電体積
層共振器の構造は前記第1の実施例に示したものと以下
の2点を除いて同じである。相違点の1つは、第1の実
施例では第1のストリップ線路の線路幅が一端から他端
まで同じであるが、本実施例では第1のストリップ線路
2の接続電極8が接続された一端側を線路幅の広い幅広
部2aとし、第1のストリップ線路2の接地された他端
側を線路幅の狭い幅細部2bとして、第1のストリップ
線路2のインピーダンスを途中からステップ状に変化さ
せるSIR構造とした点である。
【0095】また、他の1つの相違点は、前記第1の実
施例ではシールド電極7a,7bは表面の外電極として
形成されているが、本実施例ではシールド電極7a,7
bを各々誘電体シート10と誘電体シート11、及び誘
電体シート1と誘電体シート12の各々で挟まれた内電
極で形成した点である。側面シールド電極17は、第1
の実施例と同様に積層体の両側面に外電極にて形成す
る。
【0096】SIR型共振器では、より大きなインピー
ダンス・ステップ比により、ストリップ線路長がより一
層短い共振器を実現できることが知られている。本実施
例の構造では、第1のストリップ線路2の接地される側
に形成した幅細部2b線路幅が、接続電極8側に形成し
た幅広部2aよりも狭いので、その線路幅が狭い幅細部
2bの部分の特性インピーダンスを高くすることがで
き、従って、インピーダンス・ステップ比が大きくな
る。
【0097】また、シールド電極を誘電体シートで挟ま
れた内電極で形成する場合には、電極ペーストとしてガ
ラスフリットの少ない内電極用の銀ペーストを使用する
ことができるので、共振器の導体損を少なくすることが
できる。
【0098】以上説明したように、本実施例によれば、
第1の実施例と同一の効果、特徴を有するほかに、SI
Rのインピーダンス・ステップ比を更に大きくできるの
で、ストリップ線路長を一層短縮することができる。更
に、シールド電極7を内電極で形成し、その使用材料と
してガラスフリットの少ない材料を用いることができ
て、無負荷Q値を向上させることができる。
【0099】(第3の実施例)以下、本発明の第3の実
施例の誘電体積層共振器について、図面を参照しながら
説明する。
【0100】図3(a)は本発明の第3の実施例におけ
る誘電体積層共振器220の分解斜視図を示し、同図
(b)は同図(a)における線X−X’を含む面の断面
図を示すものである。さらに、同図(c)は本実施例の
誘電体積層共振器220の等価回路図を示すものであ
る。
【0101】図3(a)及び(b)に示す本実施例の誘
電体積層共振器220の構造において、第1の実施例に
示した構造と違っている点は、第2のシールド電極7b
を形成した誘電体シート5の前記第2のシールド電極7
bの形成面と同一面上に結合電極13が外電極として1
個形成され、この結合電極13と第2のストリップ線路
4との間で容量を構成し、この容量により、本共振器を
外部回路と結合させている点である。それ以外の構造は
前記第1の実施例と同じである。
【0102】以上のように構成された誘電体積層共振器
220について、以下図3(c)を用いてその動作を説
明する。第1のストリップ線路2と第2のストリップ線
路4とが接続されて構成される先端短絡ストリップ線路
共振器は、共振周波数の近傍において並列共振器14を
構成していると見なすことができる。
【0103】また、第2のストリップ線路4と結合電極
13とにより、コンデンサ15が形成されている。前記
結合電極13は、本誘電体積層共振器を外部回路と接続
するための端子として働く。本回路では、コンデンサが
並列共振回路に直列に接続された形になっているので、
結合電極13から見た本誘電体積層共振器の電気的な特
性は、直列共振と並列共振との二つの共振を持つことに
なる。すなわち、本回路は、並列共振周波数においてイ
ンピーダンスが無限大になると共に、直列共振周波数に
おいてインピーダンスがゼロになる。従って、本実施例
の誘電体積層共振器は、直列共振周波数の信号成分を減
衰させる1段のノッチフィルタとして動作する。
【0104】(第3の実施例の変形例)図4(a)は、
本発明の第3の実施例の変形例における誘電体積層共振
器の分解斜視図を示し、同図(b)は同図(a)におけ
る線X−X’を含む面の断面図を示す。
【0105】本変形例において、前記第3の実施例と異
なる点は、第1のストリップ線路2の一端と第2のスト
リップ線路4の一端とを複数個のスルーホール電極62
…を介して接続し、積層体の前記スルーホール電極62
側の側面に第2の側面シールド電極61を形成した点で
ある。
【0106】以上のように構成された誘電体積層共振器
は、第1のストリップ線路2の一端と第2のストリップ
線路4の一端とを複数個のスルーホール電極62…を介
して接続するので、各々のストリップ線路2,4の接続
点側(図中左側端部)を誘電体シート1,3の端部まで
延ばす必要がなく、その結果、積層体の前記接続点側の
側面(すなわち、スルーホール電極62…側の側面)の
全面に第2の側面シールド電極61を形成できる。
【0107】従って、本変形例では、前記第3の実施例
と同様の効果及び特徴を有する他に、積層体が、結合電
極13の部分を除いて、シールド電極7、側面シールド
電極17、第2の側面シールド電極61、接地電極9に
より覆われるので、ほぼ完璧なシールド性を実現でき
て、簡単な構造で外部の影響を受け難い共振器を容易に
構成することができる効果を奏する。
【0108】(第3の実施例の他の変形例)図5(a)
は、本発明の第3の実施例の他の変形例における誘電体
積層共振器230の分解斜視図を示し、同図(b)は同
図(a)における線X−X’を含む面の断面図を示す。
【0109】本変形例においては、誘電体シート5の上
に更に他の誘電体シート43を積層することにより、結
合電極13を内電極として構成した点が特徴である。こ
のように内電極にすると、結合電極13の形成がストリ
ップ線路の形成と同じ印刷プロセスでできるので、結合
電極13を精度良く作製することができ、特性のばらつ
きが少なくなる。
【0110】また、結合電極13を外部に接続するため
に、1個の端子電極41を前記誘電体シート43の上面
に外電極により形成している。結合電極13と端子電極
41との間の接続は、側面電極42により行われる。側
面電極42を設けない場合には、スルーホールにより接
続してもよい。本変形例の等価回路は図4(c)と同じ
である。端子電極41の大きさ、形状は、コンデンサ1
5の容量値に寄与しないので、端子電極41の形状変更
や誘電体積層共振器の回路基板への実装状態による特性
の変動のおそれがなく、本変形例の誘電体積層共振器は
その扱いが容易である。
【0111】以上説明したように、本実施例及び本実施
例の変形例によれば、第1の実施例と同様の効果、特徴
を有するほかに、第2のストリップ線路4と結合電極1
3との間にコンデンサ15を形成させることにより、結
合電極13から見た特性が直列共振と並列共振との二つ
の共振を持つ共振器を簡単な構造で容易に形成すること
ができる。
【0112】(第4の実施例)以下、本発明の第4の実
施例の誘電体フィルタについて、図面を参照しながら説
明する。
【0113】図6(a)は、本発明の第3の実施例によ
る誘電体積層共振器220を用いて構成した本発明の第
4の実施例の誘電体フィルタの分解斜視図を示す。同図
(b)は本実施例の誘電体フィルタの等価回路図を示
す。
【0114】実装基板221の上には接続パターン22
2、223及び接地パターン227が形成され、この接
続パターン222には、第1の誘電体積層共振器220
aの結合電極13が接続されると共に、インダクタンス
としての空芯コイル224の一端及びチップコンデンサ
225の一端が接続される。また、前記実装基板221
上の接続パターン223には、第2の誘電体積層共振器
220bの結合電極13が接続されると共に、前記空芯
コイル224の他端及びチップコンデンサ226の一端
が接続される。更に、実装基板221上の接地パターン
227には、前記誘電体積層共振器220a,220b
の各々の接地電極8、シールド電極7a,7b又は側面
シールド電極17の何れか、又はその各々が電気的に接
続されて接地され、前記チップコンデンサ225、22
6の各々の他端も接地される。
【0115】以上のように構成された誘電体フィルタに
ついて、以下、図6(b)を用いてその動作を説明す
る。
【0116】誘電体積層共振器220a,220bの等
価回路は、図3(c)で示され、直列共振と並列共振と
の二つの共振を持つ共振器として動作する。直列共振周
波数において、共振器のインピーダンスはゼロになるの
で、これらの共振器が空芯コイル224を介して縦続接
続されたものは、バンドエリミネーションフィルタを構
成する。共振器に並列に接続されたチップコンデンサ2
25、226は、共振器間に接続された空芯コイル22
4と共にローパスフィルタを構成し、高調波信号成分な
どを減衰させることができる。
【0117】本実施例の誘電体フィルタにおいては、バ
ンドエリミネーションフィルタで通常必要とされるコン
デンサ15に相当するチップコンデンサや、共振器とチ
ップコンデンサを接続するための接続ピンが不要にな
る。また、積層体の側面に形成された側面シールド電極
17により、共振器を完全にシールドすることができる
ので、誘電体積層共振器を近接して並べても共振器間で
余計な結合をしなくなり、良好なフィルタ特性を得るこ
とができる。
【0118】したがって、本実施例における誘電体フィ
ルタにおいては、バンドエリミネーションフィルタを容
易に構成することができ、その結果、製造工程が簡単に
なり、コストの低減が図れると共に、誘電体フィルタの
小型化を実現することができるものである。
【0119】尚、本実施例の誘電体フィルタは、複数個
の誘電体積層共振器220a…を空芯コイル(インダク
タンス)224を介して縦続接続したが、空芯コイル2
24を介さずに直接に従属接続してもよいのは勿論のこ
と、縦続接続する誘電体積層共振器の種類は、既述の誘
電体積層共振器や後述する誘電体積層共振器であっても
よい。
【0120】(第5の実施例)以下、本発明の第5の実
施例の誘電体積層共振器について図面を参照しながら説
明する。
【0121】図7(a)は本発明の第5の実施例におけ
る誘電体積層共振器の分解斜視図を示し、同図(b)は
同図(a)における線X−X’を含む面の断面図を示
す。尚、以下の説明では、前記第1の実施例と同一部分
については同一符号を付して説明する。
【0122】図7(a)及び(b)において、1は第1
の誘電体シート、3は第2の誘電体シート、18は第3
の誘電体シート、5は他の誘電体シートである。これら
の誘電体シートには、前記第1の実施例で使われたもの
と同じ低温焼結誘電体セラミックが使用される。
【0123】第3の誘電体シート18の上には、一端か
ら他端に向けて第3のストリップ線路16が銀ペースト
や銅ペーストなどの導電体の厚膜印刷などの手段により
形成される。第3のストリップ線路16が形成された第
3の誘電体シート18の上には、第1の誘電体シート1
が積層され、第1の誘電体シート1の上には、一端から
他端に達するように第1のストリップ線路2が前記と同
様の手段で形成される。第1のストリップ線路2が形成
された第1の誘電体シート1の上には、第2の誘電体シ
ート3が積層される。第2の誘電体シート3の上には、
一端から他端に向けて前記第3のストリップ線路16と
同形状の第2のストリップ線路4が形成される。
【0124】ここで、前記第3のストリップ線路16と
第2のストリップ線路4との各線路長は、第1のストリ
ップ線路2の線路長より短く設定されている。
【0125】前記第2の誘電体シート3の上には、誘電
体シート5が積層される。前記誘電体シート1、3、
5、18は積層された状態でプレスされ、誘電体シート
とその間に挟まれた内電極とが同時に焼成される。前記
焼成された積層体の各々上下表面には、シールド電極7
a、7bが外電極にて形成される。また、積層体の両側
面には、側面シールド電極17が外電極にて形成され
る。更に、第1のストリップ線路2の一端、第2のスト
リップ線路4の一端、及び第3のストリップ線路16の
一端は、外電極で形成された接続電極8を介して接続さ
れる。第1のストリップ線路2の他端は、外電極で形成
された接地電極9を介して接地される。外電極として
は、ガラスフリット入りの厚膜印刷用銀ペーストなどが
用いられ、表面に塗布された後、焼き付けされて形成さ
れる。接続電極8は、外部回路との接続端子としても使
われる。
【0126】前記第3の誘電体シート18と第1の誘電
体シート1との各厚さの合計値(第1のシールド電極7
aと第1のストリップ線路2との離隔)t1、第2の誘
電体シート3の厚さ(第1のストリップ線路2と第2の
ストリップ線路4との離隔)t2、最上層の誘電体シー
ト5の厚さ(第2のストリップ線路4と第2のシールド
電極7bとの離隔)t3の関係は、t1=t2+t3で
ある。また、最上層の誘電体シート5と第2の誘電体シ
ート3との各厚さの合計値(第2のシールド電極7bと
第1のストリップ線路2との離隔)t4(=t2+t
3)、第1の誘電体シート1の厚さ(第1のストリップ
線路2と第3のストリップ線路16との離隔)t5、第
3の誘電体シート18の厚さ(第3のストリップ線路1
6と第1のシールド電極7aとの離隔)t6の関係は、
t4=t5+t6である。
【0127】以上のように構成された誘電体積層共振器
は、第1のストリップ線路2の一端と、第2のストリッ
プ線路4の一端と、第3のストリップ線路16の一端と
が接続電極8を介して接続されることにより、線路の開
放端側が途中で2方向に折り返された4分の1波長先端
短絡ストリップ線路共振器として動作する。即ち、第2
のストリップ線路4及び第3のストリップ線路16を第
1のストリップ線路2と直列接続することにより、折り
返し型先端短絡ストリップ線路共振器が構成されるの
で、先ず、共振器の物理的な長さが短くなる。
【0128】また、本実施例では、共振器と並列に接続
されるローディング容量が第1の実施例の2倍になる。
更に、第2のストリップ線路4と第3のストリップ線路
16とが並列接続されるので、共振器線路の開放端側の
特性インピーダンスが第1の実施例よりも一層低くな
る。従って、共振器の長さを第1の実施例よりも更に短
縮することができる。
【0129】前記第1のストリップ線路2の線路長と第
2のストリップ線路4の線路長との関係は以下の通り設
定される。
【0130】前記第2のストリップ線路4の長さが長け
れば、ストリップ線路の折り返し効果が大きくなって共
振周波数が低くなるものの、無負荷Q値は低くなって特
性が劣化する。実験結果によると、例えば、本第5の実
施例の構造の誘電体積層共振器において、比誘電率が5
8の低温焼結誘電体材料を用い、各誘電体シート1、
3、5、18の幅を2.7mm、第1及び第2のストリ
ップ線路2、4の線路幅を2mm、第1のストリップ線
路2と第2のストリップ線路4との間の誘電体シート3
の厚さ及び第2のストリップ線路4と第2のシールド電
極7bとの間の誘電体シート5の厚さを何れも0.43
mm、第1のストリップ線路2の長さLを5.5mmと
した場合に、第2のストリップ線路4の長さが0.35
×Lのときは、共振周波数は1300MHzであり、無
負荷Q値は110であったのに対し、第2のストリップ
線路4の長さが0.65×Lのときは、共振周波数は1
130MHzまで下げることができたが、無負荷Q値が
96に劣化してしまった。
【0131】以上の実験結果から判るように、実用的な
誘電体フィルタの共振器としては、無負荷Q値が前記9
6程度までであることが限界であるので、これ以上に第
2のストリップ線路4の線路長を長くすることは望まし
くない。従って、第2のストリップ線路4の線路長とし
ては、0.65×L以下にするのが良い。より望ましく
は0.5×L以下が良く、更に特性の良い共振器とする
ためには、0.35×L以下が良い。一方、逆に第2の
ストリップ線路の線路長を0.2×L以下に設定する
と、本発明の共振周波数の低下効果が小さくなってしま
うので、第2のストリップ線路4の線路長は0.2×L
以上に設定するのが望ましい。
【0132】以上説明したように、本実施例によれば、
第1の実施例と同様の効果、特徴を有するほかに、無負
荷Q値の劣化を招かずに一層共振周波数を低くして、共
振器の全長を更に短縮することができる。
【0133】(第6の実施例)以下、本発明の第6の実
施例について図面を参照しながら説明する。
【0134】本実施例は、基本的に前記第1の実施例の
構成に容量電極を追加した構成である。以下、理解を容
易にするため、容量電極のみを備える誘電体積層共振器
の構成を先に説明する。
【0135】図8(a)は容量電極を備えた誘電体積層
共振器の分解斜視図を示し、同図(b)は同図(a)に
おける線X−X’を含む面の断面図を示し、同図(c)
は本誘電体積層共振器の等価回路図を示すものである。
【0136】図8(a)及び(b)において、1は第1
の誘電体シート、3は第2の誘電体シート、5及び6は
最上層及び最下層の誘電体シートである。これらの誘電
体シートには、第1の実施例で使われたものと同じ低温
焼結誘電体セラミックが使用される。
【0137】誘電体シート6の上には第1の誘電体シー
ト1が積層される。第1の誘電体シート1の上面には、
ストリップ線路2が銀ペーストや銅ペーストなどの導電
体の厚膜印刷などの手段により形成され、そのストリッ
プ線路2の一端(図8aで左端)は開放される。前記ス
トリップ線路2が形成された第1の誘電体シート1の上
には、第2の誘電体シート3が積層される。第2の誘電
体シート3の上面には、容量電極19が、前記ストリッ
プ線路2の開放された一端側と重なるように前記と同様
の手段で形成され、この容量電極19は前記ストリップ
線路2の長さ方向のほぼ中央位置まで延びている。前記
第2の誘電体シート3の上には、誘電体シート5が積層
される。
【0138】前記全ての誘電体シートは積層された状態
でプレスされ、その各誘電体シートとその間に挟まれた
内電極とが同時に焼成される。前記焼成された積層体の
各々上下表面には、第1及び第2のシールド電極7a,
7bが外電極にて形成される。また、前記焼成されたも
の(即ち、4枚の誘電体シート1、3、5、6の積層
体)におけるストリップ線路2の幅方向の両側面には、
接地電極としての側面シールド電極17が外電極にて形
成される。更に、前記焼成されたものにおけるストリッ
プ線路2の長さ方向の一側面には、その全面に亘って接
地電極9が外電極として形成される一方、ストリップ線
路2の長さ方向の他側面には、外電極として外部回路と
の接続端子45が形成される。
【0139】更に、容量電極19は前記側面シールド電
極17を介して接地され、ストリップ線路2の一端(図
8a右端)は前記接地電極9を介して接地される。スト
リップ線路2の他端(図8a左端)は開放され、この他
端が前記接続端子45と接続される。前記各外電極とし
ては、ガラスフリット入りの厚膜印刷用銀ペーストなど
が用いられ、表面に塗布された後、焼き付けされて形成
される。
【0140】以上のように構成された誘電体積層共振器
の動作は、図8(c)で示される等価回路を用いて説明
される。先ず、ストリップ線路2で構成される先端短絡
ストリップ線路共振器は、共振周波数の近傍において並
列共振器14を構成していると見なすことができる。ス
トリップ線路2と容量電極19とにより、コンデンサ2
0が形成されている。本構造では、等価的に先端短絡ス
トリップ線路共振器で構成する共振器14に対して並列
にコンデンサ20がローディング容量として接続されて
いる。従って、共振器の容量成分が増すことにより、共
振周波数が低くなり、共振器の長さを短くすることがで
きる。
【0141】また、ストリップ線路2の開放端側では、
その開放端側部分と容量電極19との離隔が短く、スト
リップ線路2の接地端側部分とシールド電極7との離隔
が長いので、ストリップ線路2の容量電極19と対向す
る部分の特性インピーダンスは接地端側の特性インピー
ダンスよりも低くなる。従って、ストリップ線路2を用
いて構成される共振器は、線路途中でインピーダンスが
ステップ状に変化するSIR構造になるので、共振周波
数が一層低くなる。
【0142】以上の効果が総合されて、結果として、共
振器の物理的な長さを非常に短くすることができる。
【0143】また、共振周波数が低くなる分、比誘電率
の小さい誘電体材料を使用することができるので、共振
器の物理的な長さを長くすることなく、誘電正接の小さ
い誘電体材料を用いることができて、共振器の無負荷Q
値を向上させることができる効果をも奏する。
【0144】加えて、容量電極19がストリップ線路2
の開放端側からそのストリップ線路の長さ方向のほぼ中
央位置まで延びて覆うように形成されているので、共振
器に並列に接続される容量成分が大きくなって、共振器
の共振周波数がより低くなり、共振器の長さをより短縮
できる。しかも、共振器内の電磁界分布で電界エネルギ
ー成分が多いのはストリップ線路の開放端側であり、ス
トリップ線路の接地端側は磁界エネルギー成分が多い関
係上、容量電極19がストリップ線路2の線路全長の2
分の1より大きい場合には、共振器長の短縮効果は小さ
いのに対し、磁界エネルギーにより誘導される高周波電
流が容量電極19に流れるため、抵抗損が増えて共振器
の無負荷Q値の劣化を招く欠点を生じるが、本実施例で
はこのような欠点がない。更に、SIR構造による共振
器長の短縮は、共振器の長さ方向の中点でストリップ線
路2の特性インピーダンスがステップ状に変化するとき
に最大の効果が得られるので、この効果をも得ることが
できる。
【0145】更に、積層体の側面に形成された側面シー
ルド電極17により、共振器の側面を完全にシールドす
ることができるので、誘電体積層共振器と外部回路の間
の電磁干渉や誘電体積層共振器を近接して並べる場合の
共振器間の結合を防ぐことができる。加えて、側面シー
ルド電極17は、上下のシールド電極7,7を互いに接
続することにより、上側のシールド電極7の開放端を強
制的に接地電位と等しくする働きをして、シールド電極
7がストリップ線路共振器の共振周波数近傍で不要に共
振をするのを防ぐ。従って、積層体の両側面に形成され
た外電極としての側面シールド電極17により、シール
ド特性が優れると共に、良好な共振特性を有する共振器
を実現できる。
【0146】また、容量電極19が側面シールド電極1
7を介して接地されることにより、寄生インピーダンス
の影響を受け難い確実な接地ができるので、良好な共振
特性を得ることができる。
【0147】更に、容量電極19の面積を調整してコン
デンサ20の値を変化させることにより、ストリップ線
路2を同一形状としたままで、共振器の共振周波数を容
易に変化させて調整することができる。従って、共振器
の設計が容易になる効果をも有する。
【0148】よって、本構成の共振器では、小型で性能
が良く、しかも設計が容易な誘電体積層共振器を実現す
ることができる。
【0149】次に、容量電極を備えた誘電体積層共振器
の他の構成について図面を参照しながら説明する。
【0150】図9(a)は容量電極を備えた他の誘電体
積層共振器の分解斜視図を示し、同図(b)は同図
(a)における線X−X’を含む面の断面図を示し、同
図(c)は本実施例の誘電体積層共振器の等価回路図を
示す。
【0151】図9(a)及び(b)において、1は第1
の誘電体シート、3は第2の誘電体シート、48は第3
の誘電体シート、5は他の誘電体シートである。これら
の誘電体シートには、前記第1の実施例で使われたもの
と同じ低温焼結誘電体セラミックが使用される。
【0152】前記第3の誘電体シート48の上には、第
2の容量電極22が銀ペーストや銅ペーストなどの導電
体の厚膜印刷などの手段により形成される。この第2の
容量電極22が形成された第3の誘電体シート48の上
には、前記第1の誘電体シート1が積層され、この第1
の誘電体シート1の上面にストリップ線路21が前記と
同様の手段で形成される。前記ストリップ線路21は、
その一端部(図9aで左端部)側は幅の広い幅広部21
aに形成され、他端側は幅の狭い幅細部21bに形成さ
れていて、ストリップ線路21の線路途中からの線路幅
が狭くした形状である。
【0153】前記ストリップ線路21が形成された第1
の誘電体シート1の上には、第2の誘電体シート3が積
層され、この第2の誘電体シート3の上面に第1の容量
電極19が形成される。ここで、前記第1の容量電極1
9と第2の容量電極22は、前記第1ないし第3の誘電
体シート1、3、48が積層された状態でストリップ線
路21の開放された一端と重なるように形成される。
【0154】前記第1の容量電極19が形成された第2
の誘電体シート3の上には、前記他の誘電体シート5が
積層される。これ等の4枚の誘電体シート1、3、5、
48は積層された状態でプレスされ、この状態で各誘電
体シートとその間に位置する内電極とが同時に焼成され
る。
【0155】前記焼成されたものの上下表面,即ち第3
の誘電体シート48の下面及び他の誘電体シート5の上
面には、各々第1のシールド電極7a及び第2のシール
ド電極7bが外電極で形成される。また、前記焼成され
たものの短尺方向の両側面には、その全面に亘って側面
シールド電極17が外電極にて形成され、長手方向の一
側面には接地電極9が外電極で形成される。
【0156】前記第1の容量電極19及び第2の容量電
極22とは、接地電極としての前記側面シールド電極1
7を介して接地されるとともに、ストリップ線路21の
他端(図9aで右端)は接地電極9を介して接地され
る。ストリップ線路21の一端(図9aで左端),即ち
開放端側面には、外部回路との接続端子45が外電極に
て設けられる。前記各外電極としては、ガラスフリット
入りの厚膜印刷用銀ペーストなどが用いられ、表面に塗
布された後、焼き付けされて形成される。
【0157】以上のように構成された誘電体積層共振器
の動作は、図9(c)で示される等価回路を用いて説明
される。ストリップ線路21で構成される先端短絡スト
リップ線路共振器は、共振周波数の近傍において並列共
振器14を構成していると見なすことができる。また、
ストリップ線路21及び容量電極19によりコンデンサ
20が、ストリップ線路21及び容量電極22によりコ
ンデンサ23が各々形成される。従って、本構造では、
等価的に先端短絡ストリップ線路共振器で構成される共
振器14に対して並列にコンデンサ20とコンデンサ2
3とがローディング容量として接続されるので、共振器
の容量成分が増す分、共振周波数が低くなり、共振器の
長さを短くすることができる。また、本構造では、共振
器と並列に接続されるローディング容量が前記容量電極
を形成した誘電体積層共振器の場合の2倍になる。その
結果、本実施例の共振器の共振周波数は、前記容量電極
を形成した誘電体積層共振器の共振周波数よりも低くな
る。
【0158】また、ストリップ線路21が、その開放さ
れた一端側を幅広部とし、接地された他端側を幅細部に
形成されて、ストリップ線路21の途中から接地された
他端側の線路幅を狭くした形状であるので、SIR型共
振器のインピーダンス・ステップ比を更に大きくでき
る。すなわち、ストリップ線路21の特性インピーダン
スが接地端では開放端よりも大であるので、ストリップ
線路21の線路長を更に短くすることができる。
【0159】よって、本構造の共振器では、前記容量電
極を形成した誘電体積層共振器の場合と同様の効果を有
するほかに、更に共振周波数を低くすることができ、共
振器の全長を一層短くすることができる。
【0160】次に、本発明の第6の実施例の誘電体積層
共振器について図面を参照しながら説明する。
【0161】図10(a)は本発明の第6の実施例にお
ける誘電体積層共振器の分解斜視図を示し、同図(b)
は同図(a)における線X−X’を含む面の断面図を示
す。
【0162】図10(a)及び(b)において、1は第
1の誘電体シート、3は第2の誘電体シート、18は第
3の誘電体シート、5及び6は最上層及び最下層の誘電
体シートである。これらの誘電体シートには、第1の実
施例で使われたものと同じ低温焼結誘電体セラミックが
使用される。
【0163】前記誘電体シート6の上には第1の誘電体
シート1が積層される。第1の誘電体シート1の上面に
は、一端から他端に達するように第1のストリップ線路
2が銀ペーストや銅ペーストなどの導電体の厚膜印刷な
どの手段により形成される。前記第1のストリップ線路
2が形成された第1の誘電体シート1の上には、第2の
誘電体シート3が積層され、この第2の誘電体シート3
の上面に容量電極19が前記と同様の手段で形成され
る。
【0164】前記容量電極19が形成された第2の誘電
体シート3の上には、第3の誘電体シート18が積層さ
れる。この第3の誘電体シート18の上面には、一端か
ら他端に向けて前記第1のストリップ線路2より短い長
さの第2のストリップ線路4が形成される。ここで、前
記容量電極19は、第1ないし第3の誘電体シート1、
3、18が積層された状態で第1のストリップ線路2及
び第2のストリップ線路4と領域が重なるように形成さ
れる。
【0165】前記第2のストリップ線路4が形成された
第3の誘電体シート18の上には、誘電体シート5が積
層される。前記各誘電体シートは積層された状態でプレ
スされ、この状態において各誘電体シートとその間に挟
まれた内電極とが同時に焼成される。
【0166】前記焼成されたものの上下表面、即ち最下
層の誘電体シート6の下面及び最上層の誘電体シート5
の上面には、各々、第1のシールド電極7a及び第2の
シールド電極7bが外電極にて形成される。また、前記
焼成されたものの短尺方向の両側面には、その全面に側
面シールド電極17が外電極にて形成され、容量電極1
9がこの側面シールド電極17を介して接地される。
【0167】更に、前記焼成されたものの長手方向の一
側面には、図10bに示すように、接地電極9が外電極
で形成され、第1のストリップ線路2の一端がこの接地
電極9を介して接続される。一方、前記第1ないし第3
の誘電体シート1、3、18の長手方向の他側面には、
外電極として接続電極8が形成され、第1のストリップ
線路2の他端と第2のストリップ線路4の一端とが前記
接続電極8を介して接続される。前記各外電極として
は、ガラスフリット入りの厚膜印刷用銀ペーストなどが
用いられ、表面に塗布された後、焼き付けされて形成さ
れる。接続電極8は、外部回路との接続端子としても使
われる。
【0168】以上のように構成された誘電体積層共振器
の動作原理は、第1の実施例の誘電体積層共振器と前記
容量電極を備えた図7の誘電体積層共振器の動作原理の
組み合わせにより説明される。したがって、本実施例に
おいては、第1の実施例と図7の誘電体積層共振器との
効果を組み合わせて、共振周波数をより一層低くするこ
とができるので、共振器の長さをさらに短くできる。
【0169】また、第1のストリップ線路2と第2のス
トリップ線路4との間に容量電極19が形成されるの
で、ローディング容量は第1のストリップ線路2と容量
電極19との間だけでなく、第2のストリップ線路4と
容量電極19との間にも形成され、ローディング容量を
大きくすることができる。よって、より一層に共振周波
数を低くすることができる。
【0170】以上説明したように、本実施例によれば、
第1の実施例及び容量電極を備えた図7の誘電体積層共
振器と同様の効果、特徴を有するほかに、ローディング
容量を大きくできるので、共振周波数を更に低くするこ
とができ、共振器の全長を一層短縮することができる。
【0171】(第7の実施例)以下、本発明の第7の実
施例の誘電体積層共振器について図面を参照しながら説
明する。
【0172】図11は本発明の第7の実施例における誘
電体積層共振器の分解斜視図を示し、図12は図11に
おける線X−X’を含む面の断面図を示す。
【0173】本実施例の誘電体積層共振器の基本的な構
成は、今までに述べた誘電体積層共振器の構成を組み合
わせたものである。図11において、1、3、5、1
8、23、24、25、26、27、28は誘電体シー
トである。これらの誘電体シートには、前記第1の実施
例で使われたものと同じ低温焼結誘電体セラミックが使
用される。
【0174】第1の誘電体シート1の上面には、一端か
ら他端に達するように第1のストリップ線路29が形成
される。第2、第4、第6、第8の誘電体シート3、2
3、25、27の上面には、各々、第1、第2、第3、
第4の容量電極19、22、30、31が形成される。
また、第3、第5、第7、第9の誘電体シート18、2
4、26、28の上面には、各々、一端から他端に向け
て前記第1のストリップ線路29より短い長さの第2、
第3、第4、第5のストリップ線路4、32、33、3
4が各々形成される。
【0175】前記第1のストリップ線路29の他端(図
11右端)には、線路幅が第1の誘電体シート1の幅に
等しい電極領域44が形成されている。
【0176】前記各誘電体シートは、第9の誘電体シー
ト28、第8の誘電体シート27、第7の誘電体シート
26、第6の誘電体シート25、第1の誘電体シート
1、第2の誘電体シート3、第3の誘電体シート18、
第4の誘電体シート23、第5の誘電体シート24、誘
電体シート5の順に重ねられる。ここで、容量電極19
は、誘電体シートの積層状態で第1のストリップ線路2
9及び第2のストリップ線路4と領域が重なり、容量電
極30は、誘電体シートの積層状態で第1のストリップ
線路29及び第4のストリップ線路33と領域が重なる
ように形成される。また、容量電極22は第2のストリ
ップ線路4及び第3のストリップ線路32に領域が重な
り、容量電極31は第4のストリップ線路33及び第5
のストリップ線路34に領域が重なるように形成され
る。
【0177】各誘電体シートは積層された状態でプレス
され、この状態で各誘電体シートと内電極とが同時に焼
成される。
【0178】前記焼成されたものの上下表面には、各
々、第1及び第2のシールド電極7a、7bが外電極に
て形成される。また、前記焼成されたものの短尺方向の
両側面には側面シールド電極17が外電極にて形成さ
れ、容量電極19、22、30、31がこの側面シール
ド電極17を介して接地される。前記焼成されたものの
長手方向の一側面には接続電極8が外電極で形成され、
第1のストリップ線路29の一端と第2、第3、第4及
び第5のストリップ線路4、32、33、34の各一端
とがこの接続電極8を介して接続される。前記焼成され
たものの長手方向の他側面には接地電極9が外電極で形
成され、第1のストリップ線路29の電極領域44はこ
の接地電極9を介して接地される。前記各外電極として
は、ガラスフリット入りの厚膜印刷用銀ペーストなどが
用いられ、表面に塗布された後、焼き付けされて形成さ
れる。前記接続電極8は、外部回路との接続端子として
も使われる。
【0179】以上のように構成された誘電体積層共振器
の動作原理は、第6の実施例の誘電体積層共振器と基本
的に同じである。本実施例では、更にその効果が大きく
なるように、第6の実施例の構造を上下方向に繰り返し
て積層したものである。
【0180】また、本実施例では、第1のストリップ線
路29の接地端側に、第1のストリップ線路29の線路
幅より広い幅広の電極領域44を設け、第1のストリッ
プ線路29をこの電極領域44を介して接地電極9又は
側面シールド電極17に接続して接地しているので、第
1のストリップ線路29の接地を余計なインダクタンス
成分や抵抗成分を取り除いて確実にすることができ、従
って共振器の共振周波数のばらつきを無くし、無負荷Q
値を向上させることができる。
【0181】以上の説明したように、本実施例によれ
ば、前記第6の実施例と同様の効果、特徴を有するほか
に、ローディング容量が大きくとれるので、共振器の長
さを一層短くすることができると共に、ストリップ線路
の接地端の接続が確実にできて、共振器の共振周波数の
ばらつきが少なく、無負荷Q値の高い誘電体積層共振器
を実現することができる。
【0182】(第8の実施例)以下、本発明の第8の実
施例の誘電体積層共振器について、図面を参照しながら
説明する。
【0183】図13(a)は本発明の第8の実施例にお
ける誘電体積層共振器110の分解斜視図を示し、同図
(b)は同図(a)における線X−X’を含む面の断面
図を示し、同図(c)は本実施例の誘電体積層共振器1
10の等価回路図を示す。
【0184】図13(a)及び(b)に示す本実施例の
誘電体積層共振器110の構造において、第5の実施例
(図7)の誘電体積層共振器で示した構造と違っている
点は、2つの結合電極13a、13bを表面の外電極に
て形成し、これ等の結合電極と第2のストリップ線路4
との間で容量を構成し、この容量によって本共振器を外
部回路と結合させている点である。それ以外は第5の実
施例の誘電体積層共振器と同じ構成である。
【0185】以上のように構成された誘電体積層共振器
110について、以下図13(c)を用いてその動作を
説明する。第1のストリップ線路2と第2のストリップ
線路4及び第3のストリップ線路16とを接続して構成
される先端短絡ストリップ線路共振器は、共振周波数の
近傍において並列共振器14を構成していると見なすこ
とができる。
【0186】また、前記第2のストリップ線路4と結合
電極13a、13bとにより、各々コンデンサ15a、
15bが形成されている。結合電極13a、13bは、
本誘電体積層共振器を外部回路と接続するための入出力
端子として働く。本回路では、これらのコンデンサを並
列共振回路の入出力結合容量とする1段のバンドパスフ
ィルタの特性を有している。
【0187】以上説明したように、本実施例によれば、
第5の実施例の誘電体積層共振器と同様な効果、特徴を
有するほかに、第2のストリップ線路4と結合電極13
a、13bとの間に形成される各々のコンデンサ15
a、15bにより、簡単な構造で容易に1段のバンドパ
スフィルタを構成することができる。
【0188】(第9の実施例)以下、本発明の第9の実
施例について、図面を参照しながら説明する。
【0189】図14(a)は第8の実施例の誘電体積層
共振器110を多段接続して構成した本発明の第9の実
施例の誘電体フィルタの分解斜視図である。
【0190】実装基板111上には、3つの接続パター
ン112、113、114及び接地パターン115が形
成される。前記接続パターン112には、第1の誘電体
積層共振器110aの結合電極13aが接続される。前
記接続パターン113には、第1の誘電体積層共振器1
10aの結合電極13b及び第2の誘電体積層共振器1
10bの結合電極13bが接続される。また、接続パタ
ーン114には、第2の誘電体積層共振器110bの結
合電極13aが接続される。接地パターン115には、
誘電体積層共振器110a,110bの各々の接地電極
8、シールド電極7、及び側面シールド電極17の何れ
か又は全てが電気的に接続される。
【0191】以上のように構成された誘電体フィルタに
ついて、以下図14(b)の等価回路図を用いてその動
作を説明する。
【0192】誘電体積層共振器110a,110bが縦
続接続されると、誘電体積層共振器110a,110b
の各々のコンデンサ15bが直列接続され、段間結合コ
ンデンサとして動作する。また、誘電体積層共振器11
0a,110bの各々のコンデンサ15aは、入出力結
合コンデンサとして動作する。従って、容量結合型の多
段フィルタが構成されて、例えば、チェビシェフ特性な
どの優れた選択特性を持つ多段バンドパスフィルタを構
成することができる。
【0193】また、バンドパスフィルタで通常必要とさ
れるコンデンサ15a、15bに相当するチップコンデ
ンサや共振器と実装基板上の電極パターンを接続するた
めの接続ピンが不要になる。
【0194】更に、側面シールド電極17により、共振
器を完全にシールドすることができるので、誘電体積層
共振器を近接して並べても共振器間で余計な結合をせ
ず、良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0195】以上説明したように、本実施例によれば、
優れた選択特性を持つ多段バンドパスフィルタを容易に
構成することができると共に、バンドパスフィルタに要
するチップコンデンサや接続ピンを不要にして、製造工
程が簡単でコストの低減が図ることができ、しかも誘電
体フィルタの小型化を実現することができる。
【0196】尚、以上の実施例の説明においては、誘電
体シートの上に1個のストリップ線路共振器が形成され
ている単一の共振器について説明したが、本発明は、誘
電体シートの上に2個以上の複数のストリップ線路共振
器を形成する場合にも同様に適用できるのは勿論であ
る。この場合は、ストリップ線路共振器同志を互いに電
磁界結合させ、それ単体でフィルタが構成できる。本発
明は、このようなフィルタを構成する個々のストリップ
線路共振器の長さを短くする技術としても非常に有効で
あることはいうまでもない。したがって、本発明にはこ
のような構造の誘電体積層フィルタも当然含まれる。
【0197】また、以上の説明においては、本発明の誘
電体積層共振器を誘電体フィルタに適用する場合につい
てのみ説明を行ったが、例えば、電圧制御型発振器(V
CO)などの高周波発振回路の発振周波数を安定化させ
るための共振素子として、本発明の誘電体積層共振器を
用いることができる。
【0198】さらに、以上の説明において、本発明は、
各実施例に示した構成に限定されるものではなく、様々
な変形や組み替えが当該専門家にとっては明かである。
そのような変形や組み替えは、請求項で記述される本発
明の精神及び要旨から逸脱しない限り、本発明の範疇に
含まれると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における誘電体積層共振
器の分解斜視図及び線X−X´における断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例における誘電体積層共振
器の分解斜視図及び線X−X´における断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例における誘電体積層共振
器の分解斜視図及び線X−X´における断面図並びに動
作説明のための等価回路図である。
【図4】本発明の第3の実施例の変形例における誘電体
積層共振器の分解斜視図及び線X−X´における断面図
である。
【図5】本発明の第3の実施例の他の変形例における誘
電体積層共振器の分解斜視図及び線X−X´における断
面図である。
【図6】本発明の第4の実施例における誘電体フィルタ
の分解斜視図及び動作説明のための等価回路図図であ
る。
【図7】本発明の第5の実施例における誘電体積層共振
器の分解斜視図及び線X−X´における断面図である。
【図8】容量電極を備える誘電体積層共振器の分解斜視
図及び線X−X´における断面図並びに動作説明のため
の等価回路図である。
【図9】容量電極を備える他の誘電体積層共振器の分解
斜視図及び線X−X´における断面図並びに動作説明の
ための等価回路図である。
【図10】本発明の第6の実施例における誘電体積層共
振器の分解斜視図及び線X−X´における断面図であ
る。
【図11】本発明の第7の実施例における誘電体積層共
振器の分解斜視図である。
【図12】本発明の第7の実施例における誘電体積層共
振器の線X−X´における断面図である。
【図13】本発明の第8の実施例における誘電体積層共
振器の分解斜視図及び線X−X´における断面図並びに
動作説明のための等価回路図である。
【図14】第9の実施例における誘電体フィルタの分解
斜視図及び動作説明のための等価回路図である。
【図15】従来の誘電体積層共振器の分解斜視図及び線
X−X´における断面図である。
【図16】従来の誘電体フィルタで構成されたアンテナ
共用器の分解斜視図である。
【符号の説明】 1 第1の誘電体シート 2 第1のストリップ線路 2a 幅広部 2b 幅狭部 3 第2の誘電体シート 4 第2のストリップ線路 5 最上層の誘電体シート 6 最下層の誘電体シート 7a 第1のシールド電極 7b 第2のシールド電極 8 接続電極 9 接地電極 11,12 誘電体シート 13,13a,13b 結合電極 14 共振器 15,15a,15b 20,23 コンデンサ 16 第3のストリップ線路 17 側面シールド電極 18 第3の誘電体シート 19 容量電極 22 第2の容量電極 41 端子電極 42 側面電極 61 第2の側面シールド電極 62 スルーホール電極 110a,110b 220a,220b 誘電体積層共振器 224 空芯コイル

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の誘電体シート及び第2の誘電体シ
    ートと、 前記第1の誘電体シートの上面に形成された第1のスト
    リップ線路と、 前記第2の誘電体シートの上面に形成された第2のスト
    リップ線路とを有し、 前記第1の誘電体シートの上に前記第2の誘電体シート
    が積層され、 前記第1の誘電体シート及び前記第2の誘電体シートを
    積層した積層体は、更にその上方及び下方に配置した最
    上層及び最下層の誘電体シートと積層され、 前記最下層の誘電体シートの下面に設けられた第1のシ
    ールド電極と、 前記最上層の誘電体シートの上面に設けられた第2のシ
    ールド電極と、 前記第1のストリップ線路の一端と前記第2のストリッ
    プ線路の一端とを接続する接続電極と、 前記第1のストリップ線路の他端を接地する接地電極と
    を有し、 前記第2のストリップ線路の他端は開放され、 前記第1のシールド電極と第1のストリップ線路との離
    隔t1は、第1のストリップ線路と第2のストリップ線
    路との離隔t2、及び第2のストリップ線路と第2のシ
    ールド電極との離隔t3とは異なる離隔に設定されるこ
    とを特徴とする誘電体積層共振器。
  2. 【請求項2】 第1の誘電体シート、第2の誘電体シー
    ト及び第3の誘電体シートと、 前記第1の誘電体シートの上面に形成された第1のスト
    リップ線路と、 前記第2の誘電体シートの上面に形成された第2のスト
    リップ線路と、 前記第3の誘電体シートの上面に形成された第3のスト
    リップ線路とを有し、 前記第1、第2及び第3の誘電体シートは、前記第1の
    誘電体シートが前記第2の誘電体シートと第3の誘電体
    シートとにより上下から挟まれた状態で積層され、 前記第1、第2及び第3の誘電体シートを積層した積層
    体は、更に、その上方に配置した最上層の誘電体シート
    と積層され、 前記第3の誘電体シートの下面に設けられた第1のシー
    ルド電極と、 前記最上層の誘電体シートの上面に設けられた第2のシ
    ールド電極と、 前記第1のストリップ線路の一端と前記第2のストリッ
    プ線路の一端と前記第3のストリップ線路の一端とを接
    続する接続電極と、 前記第1のストリップ線路の他端を接地する接地電極と
    を有し、 前記第2及び第3のストリップ線路の他端は開放され、 前記第1のシールド電極と第1のストリップ線路との離
    隔t1は、第1のストリップ線路と第2のストリップ線
    路との離隔t2、及び第2のストリップ線路と第2のシ
    ールド電極との離隔t3とは異なる離隔に設定され、 前記第2のシールド電極と第1のストリップ線路との離
    隔t4は、第1のストリップ線路と第3のストリップ線
    路との離隔t5、及び第3のストリップ線路と第1のシ
    ールド電極との離隔t6とは異なる離隔に設定されるこ
    とを特徴とする誘電体積層共振器。
  3. 【請求項3】 第1の誘電体シート、第2の誘電体シー
    ト及び第3の誘電体シートと、 前記第1の誘電体シートの上面に形成された第1のスト
    リップ線路と、 前記第2の誘電体シートの上面に形成された第2のスト
    リップ線路と、 前記第3の誘電体シートの上面に形成された容量電極と
    を有し、 前記第1、第2及び第3の誘電体シートは、第3の誘電
    体シートを挟んだ状態で且つ前記第1のストリップ線
    路、第2のストリップ線路及び容量電極の領域が重なる
    ように積層され、 前記第1、第2及び第3の誘電体シートを積層した積層
    体は、更に、その上方及び下方に配置した最上層及び最
    下層の誘電体シートと積層され、 前記最下層の誘電体シートの下面に設けられた第1のシ
    ールド電極と、 前記最上層の誘電体シートの上面に設けられた第2のシ
    ールド電極と、 前記第1のストリップ線路の一端と前記第2のストリッ
    プ線路の一端とを接続する接続電極を有し、 前記第2のストリップ線路の他端は開放され、 前記第1のストリップ線路の他端及び容量電極を接地す
    る接地電極とを有し、 前記第1のシールド電極と第1のストリップ線路との離
    隔t1は、第1のストリップ線路と第2のストリップ線
    路との離隔t2、及び第2のストリップ線路と第2のシ
    ールド電極との離隔t3とは異なる離隔に設定されるこ
    とを特徴とする誘電体積層共振器。
  4. 【請求項4】 第1の誘電体シート及び他の複数枚の誘
    電体シートと、 前記第1の誘電体シートに形成された第1のストリップ
    線路と、 前記他の複数枚の誘電体シートのうち一部の誘電体シー
    トに各々形成された容量電極と、 前記他の複数枚の誘電体シートのうち残りの誘電体シー
    トに各々形成された第2のストリップ線路とを有し、 前記各容量電極が形成された複数枚の誘電体シートと前
    記各第2のストリップ線路が形成された複数枚の誘電体
    シートとは交互に積層され、 前記複数枚の誘電体シート同志を交互に積層した積層体
    の下に更に前記第1の誘電体シートが積層され、 前記第1のストリップ線路、各第2のストリップ線路及
    び各容量電極はその領域が重なり、 前記積層体及び第1の誘電体シートは、更に、前記積層
    体の上方及び前記第1の誘電体シートの下方に各々配置
    した最上層及び最下層の誘電体シートと積層され、 前記最下層の誘電体シートの下面に設けられた第1のシ
    ールド電極と、 前記最上層の誘電体シートの上面に設けられた第2のシ
    ールド電極と、 前記第1のストリップ線路の一端と前記各第2のストリ
    ップ線路の一端とを接続する接続電極と、 前記第1のストリップ線路の他端及び各容量電極を接地
    する接地電極とを有し、 前記各第2のストリップ線路
    の他端は開放され、 前記第1のシールド電極と第1のストリップ線路との離
    隔t1は、第1のストリップ線路と各第2のストリップ
    線路との離隔t2…、及び各第2のストリップ線路と第
    2のシールド電極との離隔t3…とは異なる離隔に設定
    されることを特徴とする誘電体積層共振器。
  5. 【請求項5】 第1の誘電体シート及び他の複数枚の誘
    電体シートと、 前記第1の誘電体シートに形成された第1のストリップ
    線路と、 前記他の複数枚の誘電体シートのうち一部の誘電体シー
    トに各々形成された容量電極と、 前記他の複数枚の誘電体シートのうち残りの誘電体シー
    トに各々形成された第2のストリップ線路とを有し、 前記各容量電極が形成された複数枚の誘電体シートと前
    記各第2のストリップ線路が形成された複数枚の誘電体
    シートは交互に積層され、 前記複数枚の誘電体シート同志が交互に積層された積層
    体の半分の上に前記第1の誘電体シートが積層され、そ
    の第1の誘電体シートの上に更に前記積層体の残り半分
    が積層され、 前記第1のストリップ線路、各第2のストリップ線路及
    び各容量電極はその領域が重なり、 前記積層体及び第1の誘電体シートは、更に、前記積層
    体の上方及び下方に各々配置した最上層及び最下層の誘
    電体シートと積層され、 前記最下層の誘電体シートの下面に設けられた第1のシ
    ールド電極と、 前記最上層の誘電体シートの上面に設けられた第2のシ
    ールド電極と、 前記第1のストリップ線路の一端と前記各第2のストリ
    ップ線路の一端とを接続する接続電極と、 前記第1のストリップ線路の他端及び各容量電極を接地
    する接地電極とを有し、 前記各第2のストリップ線路
    の他端は開放され、 前記第1のシールド電極と第1のストリップ線路との離
    隔t1は、第1のストリップ線路と各第2のストリップ
    線路との離隔t2…、及び各第2のストリップ線路と第
    2のシールド電極との離隔t3…とは異なる離隔に設定
    されることを特徴とする誘電体積層共振器。
  6. 【請求項6】 各離隔t1、t2、t3は、t1>t2
    >t3の関係にあることを特徴とする請求項1、請求項
    3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層共振器。
  7. 【請求項7】 各離隔t1、t2、t3、及び各離隔t
    4、t5、t6は、t1>t2>t3、及びt4>t5
    >t6の関係にあることを特徴とする請求項2記載の誘
    電体積層共振器。
  8. 【請求項8】 各離隔t1、t2、t3は、t1>t3
    >t2の関係にあることを特徴とする請求項1、請求項
    3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層共振器。
  9. 【請求項9】 各離隔t1、t2、t3、及び各離隔t
    4、t5、t6は、t1>t3>t2、及びt4>t6
    >t5の関係にあることを特徴とする請求項2記載の誘
    電体積層共振器。
  10. 【請求項10】 各離隔t1、t2、t3は、t1=t
    2+t3の関係にあることを特徴とする請求項1、請求
    項3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層共振器。
  11. 【請求項11】 各離隔t1、t2、t3、及び各離隔
    t4、t5、t6は、t1=t2+t3、及びt4=t
    5+t6の関係にあることを特徴とする請求項2記載の
    誘電体積層共振器。
  12. 【請求項12】 第2のストリップ線路の長さLは、第
    1のストリップ線路の長さをL1 として、0.2L1
    L≦0.65L1 に設定されることを特徴とする請求項
    1、請求項3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層
    共振器。
  13. 【請求項13】 第2のストリップ線路及び第3のスト
    リップ線路の各長さはL、第1のストリップ線路の長さ
    をL1 として、0.2L1 ≦L≦0.65L1 に設定さ
    れることを特徴とする請求項2記載の誘電体積層共振
    器。
  14. 【請求項14】 第2のストリップ線路の長さLは、第
    1のストリップ線路の長さをL1 として、0.2L1
    L≦0.5L1 に設定されることを特徴とする請求項
    1、請求項3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層
    共振器。
  15. 【請求項15】 第2のストリップ線路及び第3のスト
    リップ線路の各長さLは、第1のストリップ線路の長さ
    をL1 として、0.2L1 ≦L≦0.5L1に設定され
    ることを特徴とする請求項2記載の誘電体積層共振器。
  16. 【請求項16】 第2のストリップ線路の長さLは、第
    1のストリップ線路の長さをL1 として、0.2L1
    L≦0.35L1 に設定されることを特徴とする請求項
    1、請求項3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層
    共振器。
  17. 【請求項17】 第2のストリップ線路及び第3のスト
    リップ線路の各長さLは、第1のストリップ線路の長さ
    をL1 として、0.2L1 ≦L≦0.35L1 に設定さ
    れることを特徴とする請求項2記載の誘電体積層共振
    器。
  18. 【請求項18】 第1のストリップ線路の接続電極が接
    続された一端側は、線路幅の広い幅広部に形成されると
    共に、前記第1のストリップ線路の接地された他端側
    は、線路幅の狭い幅細部に形成されて、第1のストリッ
    プ線路の途中から、その接地された他端側までの線路幅
    が狭く設定されることを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の誘電体積層
    共振器。
  19. 【請求項19】 最上層及び最下層の誘電体シートは、
    更にその上方及び下方に配置した2枚の誘電体シートと
    積層されて、各シールド電極が2枚の誘電体シート間に
    挟まれた内電極として形成されていることを特徴とする
    請求項1、請求項3、請求項4又は請求項5記載の誘電
    体積層共振器。
  20. 【請求項20】 最上層の誘電体シート及び第3の誘電
    体シートは、更にその上方及び下方に配置した2枚の誘
    電体シートと積層されて、各シールド電極が2枚の誘電
    体シート間に挟まれた内電極として形成されていること
    を特徴とする請求項2記載の誘電体積層共振器。
  21. 【請求項21】 各シールド電極は、誘電体積層共振器
    の表面に位置する外電極として形成されていることを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は
    請求項5記載の誘電体積層共振器。
  22. 【請求項22】 外部の回路と結合される1個又は複数
    個の結合電極を有し、前記結合電極と第2のストリップ
    線路によりコンデンサが構成されることを特徴とする請
    求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記
    載の誘電体積層共振器。
  23. 【請求項23】 結合電極は、誘電体積層共振器の表面
    に位置する外電極として形成されることを特徴とする請
    求項22記載の誘電体積層共振器。
  24. 【請求項24】 結合電極は、2枚の誘電体シートの間
    に配置される内電極として形成されることを特徴とする
    請求項22記載の誘電体積層共振器。
  25. 【請求項25】 結合電極の数と同数設けられ、対応す
    る結合電極と接続された端子電極を有し、前記端子電極
    は、誘電体積層共振器の表面に位置する外電極として形
    成されることを特徴とする請求項22記載の誘電体積層
    共振器。
  26. 【請求項26】 結合電極は、誘電体シートのシールド
    電極が形成された面上に形成されることを特徴とする請
    求項22記載の誘電体積層共振器。
  27. 【請求項27】 各々の誘電体シートの両側面に設けら
    れた側面シールド電極を有し、前記側面シールド電極
    は、誘電体積層共振器の表面に位置する外電極として形
    成され、第1シールド電極と第2のシールド電極とは、
    互いに、前記側面シールド電極を介して接続されること
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4
    又は請求項5記載の誘電体積層共振器。
  28. 【請求項28】 各ストリップ線路は、これ等が設けら
    れた各誘電体シートの端部から延び、接続電極は、前記
    各誘電体シートの前記端部の側面に設けられ、第2のス
    トリップ線路の長さは、第1のストリップ線路より短く
    設定されることを特徴とする請求項1、請求項3、請求
    項4又は請求項5記載の誘電体積層共振器。
  29. 【請求項29】 各ストリップ線路は、これ等が設けら
    れた各誘電体シートの端部から延び、接続電極は、前記
    各誘電体シートの前記端部の側面に設けられ、第2のス
    トリップ線路及び第3のストリップ線路の各長さは、第
    1のストリップ線路より短く設定されることを特徴とす
    る請求項2記載の誘電体積層共振器。
  30. 【請求項30】 接続電極は、第2の誘電体シートに形
    成されたスルーホール電極であリ、第1及び第2のスト
    リップ線路の前記スルーホール電極により接続される側
    の端部は、第1及び第2の誘電体シートの端部よりも内
    側に位置し、前記1及び第2の誘電体シートの前記端部
    には第2の側面シールド電極が配置され、前記第1及び
    第2の誘電体シートの他端部には接地電極が配置される
    ことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4、又は
    請求項5記載の誘電体積層共振器。
  31. 【請求項31】 接続電極は、第2の誘電体シート及び
    第3の誘電体シートに形成されたスルーホール電極であ
    り、第1、第2及び第3のストリップ線路の前記スルー
    ホール電極により接続される側の端部は、第1、第2及
    び第3の誘電体シートの端部よりも内側に位置し、前記
    1、第2及び第3の誘電体シートの前記端部には第2の
    側面シールド電極が配置され、前記1、第2及び第3の
    誘電体シートの他端部には接地電極が配置されることを
    特徴とする請求項2記載の誘電体積層共振器。
  32. 【請求項32】 第1のストリップ線路の接地側端部に
    は、前記第1のストリップ線路の線路幅より広い幅広の
    電極領域が形成され、前記第1のストリップ線路は前記
    電極領域を介して接地電極に接続されることを特徴とす
    る請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項
    5記載の誘電体積層共振器。
  33. 【請求項33】 請求項22記載の誘電体積層共振器が
    複数個縦続接続されて構成されたことを特徴とする誘電
    体フィルタ。
  34. 【請求項34】 請求項25記載の誘電体積層共振器が
    複数個縦続接続されて構成されたことを特徴とする誘電
    体フィルタ。
  35. 【請求項35】 複数個の誘電体積層共振器は、各々、
    インダクタンスを介して縦続接続されることを特徴とす
    る請求項33又は請求項34記載の誘電体フィルタ。
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