JPH08181506A - 誘電体フィルター - Google Patents

誘電体フィルター

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JPH08181506A
JPH08181506A JP33633094A JP33633094A JPH08181506A JP H08181506 A JPH08181506 A JP H08181506A JP 33633094 A JP33633094 A JP 33633094A JP 33633094 A JP33633094 A JP 33633094A JP H08181506 A JPH08181506 A JP H08181506A
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JP33633094A
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Inventor
Masato Ishizaki
正人 石▲崎▼
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一対のストリップライン共振器を配置する誘
電体フィルターの量産性や薄型化(低背化)に好適な長
所を損ねることなく、フィルター特性の設計の自由度を
一層高めた誘電体フィルターの提供。 【構成】 誘電体基板の積層体1内の同一平面内に配置
した階段状の一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3の開放端側に、間隙W3を形成して容量性結合す
る入力線路4及び出力線路5を、共振器2,3と所定の
間隙W4,W5を形成して容量性結合して配置し、開放端
側の間隙W1と短絡端側の間隙W2を相違かつ選定するこ
とにより、実質的に一対の1/4波長ストリップライン
共振器2,3の間にLC共振回路を配置したと同様な作
用を得て、共振器2,3における結合関係を誘導性結合
より容量性結合が優勢となし、入力線路4と出力線路5
との間隙W3による容量結合以外の結合を全体として容
量性結合と等価にし、間隙W3による容量結合(Cm)
との相乗効果により、通過帯域より低域側の2箇所に減
衰極が現れるフィルター特性を有する誘電体フィルター
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、携帯電話、コードレ
ス電話等のマイクロ波や準マイクロ波通信機器のフィル
ターとして用いられる誘電体フィルターの改良に係り、
特に、対向配置する接地導体間に誘電体層を有し、該誘
電体層内に少なくとも一対のストリップライン共振器を
配置する誘電体フィルターにおいて、各々共振器の配置
形態や、各々共振器と入力線路(端子)及び出力線路
(端子)との配置形態等を工夫することによって、量産
性に優れ、フィルター特性の設計の自由度を高めた誘電
体フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、所定の周波数成分を通過させ
る所謂帯域通過フィルター(バンドパスフィルター:
B.P.F)として用いられる誘電体フィルターとし
て、対向配置する接地導体間に誘電体層を有し、該誘電
体層内に少なくとも一対のストリップライン共振器を配
置する構成のものが知られており、特に、同軸誘電体共
振器を並列配置した誘電体フィルターに比べ薄型化(低
背化)が可能であることから、表面実装に適し、広範囲
の用途に使用されている。
【0003】図16は、誘電体層内に一対のストリップ
ライン共振器を配置する構成からなる上記の誘電体フィ
ルターの一例であり、特に共振器として1/4波長スト
リップライン共振器を配置した場合を説明する平面説明
図である。すなわち、図16に示す誘電体フィルター
は、誘電体基板の積層体1の上面にAgまたはCuから
なる一対の1/4波長ストリップライン共振器2,3を
配置し、各々の共振器2,3の一方端(図において下方
端部)を短絡導体(図示せず)を介して電気的に接続し
て所謂短絡端とし、また他方端(図において上方端部)
を電気的に接続することなく所謂開放端としている。
【0004】図中4は一方の1/4波長ストリップライ
ン共振器2に接続する入力線路であり、5は他方の1/
4波長ストリップライン共振器3に接続する出力線路で
ある。一対の1/4波長ストリップライン共振器2,3
間では、短絡端側では電流が大きく誘導性結合(磁界結
合)が支配的であり、開放端側では電位が大きく容量性
結合(電界結合)が支配的であるが、これらの共振器
2,3が伸長方向に平行配置(互いの共振器2,3の間
隙が伸長方向で同一寸法)する構成の場合には、通常、
通過帯域において誘導性結合が生じる。
【0005】しかし、該共振器ストリップライン2,3
の開放端側の間隙と短絡端側の間隙とを変化させること
によって通過帯域における誘導性結合と容量性結合との
バランスを調整することが可能となり、例えば、図16
に示すように開放端側の間隙W1を短絡端側の間隙W2
りも狭くする(W1<W2)と誘導性結合より容量性結合
が優勢となり、通過帯域において容量性結合を実現する
ことができ、また、開放端側の間隙W1を短絡端側の間
隙W2よりも広くする(W1>W2)と(図示せず)容量
性結合より誘導性結合が優勢となり、通過帯域において
誘導性結合を実現することができる(特開平5−558
10号公報参照)。
【0006】このように一対の1/4波長ストリップラ
イン共振器2,3の開放端側の間隙W1と短絡端側の間
隙W2を調整することによって通過帯域における結合関
係を調整することができ、また、このような構成からな
る誘電体フィルターにおいては、図17に示すように、
通過帯域より低域側又は高域側の一方に減衰が極大にな
る所謂減衰極が現れ(図17では低域側に減衰極が現れ
ている場合を示す)、通過帯域以外の帯域における減衰
特性を良好とすることが確認されている。
【0007】図18も、誘電体層内に一対のストリップ
ライン共振器を配置する構成の誘電体フィルターにおけ
る共振器の配置形態の一例を説明する平面説明図であ
り、特に、ストリップライン共振器として1/2波長ス
トリップライン共振器を配置した構成の場合を示してい
る。すなわち、図18に示す構成は、誘電体基板1の上
面に一対の1/2波長ストリップライン共振器2,3を
平行配置し、その両端をともに電気的に接続することな
く所謂開放端とした構成において、該共振器2,3の一
方開放端側にそれぞれの共振器2,3と入力線路4及び
出力線路5とを所定の間隙を形成して容量性結合すると
ともに、該入力線路4と出力線路5とを所定の間隙を形
成して容量性結合して配置している。
【0008】すなわち、一方の共振器2と入力線路4と
を間隙W4による容量性結合、他方の共振器3と出力線
路5とを間隙W5による容量性結合、さらに、入力線路
4と出力線路5とを間隙W3による容量性結合にて結合
している。なお、一対の1/2波長ストリップライン共
振器2,3は両端が開放されており、通過帯域において
は誘導性結合関係にあり、間隙W0を調整することによ
って結合の強さを調整することができる。
【0009】このような構成においては、図19に示す
ように通過帯域の両側(低域側及び高域側)に減衰極が
現れ、通過帯域の両側において良好な減衰特性を有する
ことが知られている(特公昭62−19081号公報参
照)。
【0010】以上に説明するように、誘電体フィルター
を構成する各々共振器の配置形態や、各々共振器と入力
線路(端子)及び出力線路(端子)との配置形態等を選
定することによって、通過帯域幅や減衰極が現れる位置
等を調整することが可能となり、結果としてフィルター
特性の設計自由度を高めることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明するよう
に、対向配置する接地導体間に誘電体層を有し、該誘電
体層内に少なくとも一対のストリップライン共振器を配
置する誘電体フィルターにおいて、各々共振器の配置形
態や、各々共振器と入力線路(端子)及び出力線路(端
子)との配置形態等を選定することによって、通過帯域
幅や減衰極が現れる位置等を調整することが可能となっ
た。
【0012】しかし、前者の1/4波長ストリップライ
ン共振器を配置した構成では、減衰極が現れる位置が通
過帯域の低域側または高域側に限られる。また、後者の
1/2波長ストリップライン共振器を配置した構成で
は、減衰極が必ず通過帯域の両側(低域側及び高域側)
に現れ、しかも、それぞれの減衰極が現れる位置は一方
の減衰極の現れる位置によって他方の減衰極の現れる位
置も一義的に決定されてしまうことから、これらの減衰
極の位置を任意に設定することは困難であった。
【0013】この発明は、上記の問題点を解決しフィル
ター特性の設計の自由度を一層高めることが可能な誘電
体フィルターの提供を目的とするもので、特に、対向配
置する接地導体間に誘電体層を有し該誘電体層内に少な
くとも一対のストリップライン共振器を配置する誘電体
フィルターが本来的に有する、量産性や薄型化(低背
化)に好適であるとの長所を損ねることなく、フィルタ
ー特性の設計の自由度を一層高めた誘電体フィルターを
提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために、まず共振器として1/4波長ストリ
ップライン共振器を配置する構成において、図20に示
すような通過帯域の低域側の2箇所に減衰極が現れる誘
電体フィルター構成を検討した。本発明者は、種々の実
験により一対の1/4波長ストリップライン共振器を配
置する構成において、図21の回路図に示すように、一
対の1/4波長ストリップライン共振回路の間を他の共
振回路(L11)で結合し、かつ互いに容量性結合する
入力線路と出力線路とをそれぞれ一対の1/4波長スト
リップライン共振回路の各々と容量性結合することによ
って目的が達成できることを確認した。
【0015】すなわち、従来から誘電体フィルターのフ
ィルター特性を検討する際には、先に説明した従来技術
でも分かるように、通過帯域近傍の等価回路に着目して
一対の1/4波長ストリップライン共振器の結合を決定
していたが、本発明者は、通過帯域の低域側及び高域側
を含む比較的広帯域での等価回路に着目して一対の1/
4波長ストリップライン共振器の結合を検討した。
【0016】その結果、一対の1/4波長ストリップラ
イン共振器間に構成される共振回路(L11)における
コンデンサーC1とインダクタンスL1とのバランスを調
整することによって、図21の回路図における入力線路
と出力線路との容量性結合部分(Cm)以外の部分(図
において破線にて囲んだAの部分)における結合を全体
として容量性結合または誘導性結合とするとともに、入
力線路と出力線路との容量性結合部分(Cm)との相乗
効果によって図20に示すような通過帯域の低域側の2
箇所に減衰極が現れる誘電体フィルターが得られること
を確認したのである。
【0017】しかし、外部に所定容量からなるコンデン
サーC1とインダクタンスL1とからなる新な共振回路等
を設けて一対の1/4波長ストリップライン共振回路に
接続することは、誘電体フィルターの構成を複雑にする
だけでなく、量産性や薄型化(低背化)を損ね必ずしも
好ましい構成とは言い難い。
【0018】本発明者は、上記の知見に基づき、さら
に、量産性や薄型化(低背化)を損ねることのない構成
を種々検討した結果、容量性結合関係にある入力線路及
び出力線路を一対の1/4波長ストリップライン共振器
の開放端側において該共振器と容量性結合し、さらに一
対の1/4波長ストリップライン共振器の間隙を伸長方
向にて変化させることによって、通過帯域の低域側又は
高域側のいずれか一方側の2箇所に減衰極を形成する誘
電体フィルターが得られることを確認し、また、通過帯
域の低域側及び高域側の両側に減衰極を形成する場合に
おいて、それらの減衰極の位置をそれぞれ単独に設定す
ることが可能な誘電体フィルターを得られることを確認
した。
【0019】上記の構成とともに、対向配置する接地導
体間に誘電体層を有し、該誘電体層内に少なくとも一対
のストリップライン共振器を配置する誘電体フィルター
において、前記一対のストリップライン共振器の一方端
側に、それぞれの共振器と所定の間隙を形成して容量性
結合する入力線路及び出力線路を配置するとともに、該
入力線路と出力線路とを所定の間隙を形成して誘導性結
合して配置し、かつ、一対のストリップライン共振器の
間隙を伸長方向にて変化させることによって、誘導性結
合または容量性結合のいずれかを優勢に配置したことを
特徴とする誘電体フィルターを併せて提案する。
【0020】この発明においては、一対のストリップラ
イン共振器として1/4波長共振器を配置した構成、1
/2波長共振器を配置した構成のいずれをも発明の対象
とするが、特に小型化の観点からすると、1/4波長共
振器を配置した構成を採用することが望ましい。
【0021】
【作用】この発明の作用を図1に示す一実施例の平面説
明図によって説明する。図1において、1は誘電体基板
の積層体であり、該誘電体基板の同一平面内にAgまた
はCu等のストリップ導体からなる一対の1/4波長ス
トリップライン共振器2,3を配置している。また、各
々のストリップライン共振器2,3の一方端(図におい
て下方端部)は短絡導体(図示せず)を介して電気的に
接続して所謂短絡端とし、他方端(図において上方端
部)は電気的に接続することなく所謂開放端とする。さ
らに、一対の1/4波長ストリップライン共振器2,3
はハの字型に配置され、開放端側の間隙W1を短絡端側
の間隙W2よりも狭く(W1<W2)形成してある。
【0022】上記一対の1/4波長ストリップライン共
振器2,3の開放端側に、所定の間隙W3を形成して容
量性結合する入力線路4及び出力線路5とを、それぞれ
のストリップライン共振器2,3と所定の間隙W4,W5
を形成して容量性結合して配置している。すなわち、入
力線路4と出力線路5との間隙W3による容量性結合と
ともに、一方の共振器2と入力線路4との間隙W4によ
る容量性結合、及び他方の共振器3と出力線路5との間
隙W5による容量性結合が実現される。
【0023】このような構成において、一対の1/4波
長ストリップライン共振器2,3は開放端側の間隙W1
と短絡端側の間隙W2を相違させることによって、実質
的にこれら一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3の間に図21にて示すC11共振回路を配置した
と同様な作用を得ることが可能となる。
【0024】特に、開放端側の間隙W1と短絡端側の間
隙W2を選定することによって一対の1/4波長ストリ
ップライン共振器2,3における結合関係を誘導性結合
より容量性結合が優勢となるようにし、また、入力線路
4と出力線路5との間隙W3による容量結合(Cm)以
外の部分(図20において破線にて囲んだAの部分)に
おける結合を全体として容量性結合と等価にし、前記入
力線路4と出力線路5との間隙W3による容量結合(C
m)との相乗効果により、図20に示す如き通過帯域よ
り低域側の2箇所に減衰極が現れるフィルター特性を有
する誘電体フィルターを得ることができる。
【0025】図1の構成においては、一対の1/4波長
共振器ストリップライン2,3をハの字型に配置した場
合を示したが、図2に示すように、階段状のストリップ
ライン共振器2,3を配置することによっても同様な作
用効果を得ることができる。図1及び図2に示す構成に
おいて、各々1/4波長ストリップライン共振器2,3
の開放端側の間隙W1と短絡端側の間隙W2の寸法、入力
線路4と出力線路5との間隙W3の寸法、該共振器2,
3と入力線路4及び出力線路5との間隙W4,W5の寸法
を所定値に設定することによって、より良好なるフィル
ター特性を有する誘電体フィルターを得ることができ
る。
【0026】なお、図1及び図2に示す構成において
は、各々1/4波長ストリップライン共振器2,3の幅
寸法w12,w13、入力線路4及び出力線路5の幅寸法w
14,w 15をそれぞれ同一寸法(w12=w13,w14
15)として示しているが、要求されるフィルター特性
や形状寸法等に応じて、幅寸法を選定すれば良く、各々
の伸長方向において幅寸法を変化させることも可能であ
る。以下の他の一実施例においても同様なことが言え
る。
【0027】図3は他の一実施例を示す平面説明図であ
る。基本的な構成は図2に示す構成と同様であるが、入
力線路4と出力線路5をともに階段状とすることによっ
て、より設計の自由度を高めることができる。すなわ
ち、図2に示す構成においては、入力線路4と出力線路
5との間隙W3の寸法が決定されると、必然的に各々共
振器2,3と入力線路4及び出力線路5との対向面積が
決定され、これらの間の容量性結合が間隙W4,W5の寸
法のみでしか調整できなくなる。
【0028】しかし、図3の構成では、各々ストリップ
ライン共振器2,3の外方側面部と階段状入力線路4及
び階段状出力線路5の内方側面部との間隙W6,W7によ
ってもこれらストリップライン共振器2,3と入力線路
4及び出力線路5との容量性結合の結合強さを調整する
ことができることから、広範囲においてフィルター特性
を選定することができる。
【0029】しかも、図3の構成では1/4波長ストリ
ップライン共振器2,3の開放端側の間隙W1が狭い構
成であることから、該共振器2,3の開放端側の誘電体
基板1面には比較的広い空きスペースが形成され、この
スペースに前記階段状の入力線路4及び出力線路5を効
果的に配置することによってフィルター自体の平面寸法
を大きくすることなく目的とするフィルター特性を有す
る誘電体フィルターを得ることができる。すなわち、フ
ィルター特性の要求に応じた設計の自由度を達成するこ
とができるとともに小型化を達成するのに最も好ましい
構成となる。
【0030】図3に示す階段状の1/4波長ストリップ
ライン共振器2,3及び階段状の入力線路4及び出力線
路5を配置した構成からなる誘電体フィルターの全体構
成の概要を図4及び図5に示す。図4は斜視説明図であ
り、図5は図4のa−a縦断面説明図である。TiO2
系セラミックス、Al23系セラミックス、ZrO2
セラミックス等の公知の誘電体セラミックスからなる一
対の誘電体基板1a,1bは、一方の誘電体基板1a上
面に配置するAgまたはCuからなる所定厚さのストリ
ップ導体にて形成される階段状の1/4波長ストリップ
ライン共振器2,3を介して積層固着される。
【0031】図4,5の構成においては、一対の誘電体
基板1a,1bはNa2O・Al23・B23・SiO2
系ガラス等の低軟化点を有するガラス6にて一体化して
いる。なお、一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3のうち、一方端(広い間隙W2を有する側)は後
述する短絡導体と電気的に接続するよう誘電体基板1
a,1bの積層体1の長手方向端面から露出するように
配置され、他方端(狭い間隙W1を有する側)は後述す
る外部導体と電気的な絶縁を確保するために積層体1の
長手方向端面から露出することなく積層体1内に配置さ
れる。
【0032】また、AgまたはCuからなる所定厚さの
ストリップ導体にて形成される階段状の入力線路4及び
出力線路5も上記のストリップライン共振器2,3と同
様に一対の誘電体基板1a,1b間に配置される。該入
力線路4及び出力線路5は、積層体1内において一方端
は互いに所定の間隙W3を形成して配置するとともに、
ストリップライン共振器2,3と所定の間隙W4,5,
6,7を形成して配置(図3参照)し、他方端は後述す
る基板積層体の各々側端面に形成される入力端子部及び
出力端子部と電気的に接続するよう基板積層体の各々側
端面から露出するように配置される。
【0033】図4において、7a,7bは一対の接地導
体を構成する外部導体であり積層体1の両主面に形成さ
れている。7c,7dは積層体1の各々側端面に形成さ
れる外部導体であり、さらに7eも積層体1の長手方向
端面に形成される外部導体である。図中8は、前記積層
体1の両主面に形成される外部導体7a,7bと一対の
共振器2,3とを電気的に接続し短絡する短絡導体であ
る。
【0034】図示しないが、入力線路4には入力端子部
が電気的接続され、出力線路5は出力端子部10と電気
的に接続されるものであり、それぞれ積層体1の各々側
端面に形成される外部導体7c,7dとは電気的な絶縁
を確保して配置されている。通常、外部導体、短絡導体
や入出力端子部等はAgペーストを焼き付けたり、Cu
めっき等の方法で容易に形成することができる。
【0035】上記の説明からも明らかなように、図4に
示すこの発明の誘電体フィルターは、一対の接地導体を
構成する外部導体7a,7b間に、上記ストリップ導体
にて形成されるストリップライン共振器2,3と入力線
路4及び出力線路5を配置する誘電体層(積層体1)を
配置するとともに、一対の該共振器2,3が同一平面
内、すなわち誘電体基板1a上面に配置され、コムライ
ン型に接続されていることから、所謂コムライン型トリ
プレートストリップ構造を有する誘電体フィルターとな
る。
【0036】以上図1から図5に示す実施例は、いずれ
も一対の1/4波長ストリップライン共振器の開放端側
の間隙W1を短絡端側の間隙W2よりも狭く(W1<W2
形成した場合を示すものであり、入力線路4と出力線路
5との間隙W3による容量性結合(Cm)以外の部分
(図21において破線にて囲んだAの部分)における結
合が全体として容量性結合と等価になる。
【0037】さらに、入力線路4と出力線路5との間隙
3による容量結合(Cm)との相乗効果によって、所
定位置に減衰極を形成することができ、特に、一対の1
/4波長ストリップライン共振器の開放端側の間隙W1
と短絡端側の間隙W2、入力線路4と出力線路5との間隙
3、さらに各々共振器と入力線路4及び出力線路5との
間隙W4,W5,W6,W7を適宜選定することによって、
通過帯域より低域側の2箇所に減衰極が現れるフィルタ
ー特性を有する誘電体フィルターを得ることができる。
【0038】図6に示す他の一実施例は、一対の1/4
波長ストリップライン共振器の開放端側の間隙W1を短
絡端側の間隙W2よりも広く(W1>W2)形成した場合
を示すものであり、前記図1から図5に示す実施例とは
異なり、該共振器ストリップライン2,3の通過帯域に
おける結合関係は容量性結合より誘導性結合が優勢とな
り、また、入力線路4と出力線路5との間隙W3による
容量結合(Cm)以外の部分(図21において破線にて
囲んだAの部分)における結合が全体として誘導性結合
と等価になる。
【0039】この図6の構成においても、入力線路4と
出力線路5との間隙W3による容量結合(Cm)との相
乗効果によって、所定位置に減衰極を形成することがで
き、特に、一対の1/4波長ストリップライン共振器の
開放端側の間隙W1と短絡端側の間隙W2、入力線路4と
出力線路5との間隙W3、さらに各々共振器と入力線路4
及び出力線路5との間隙W4,W5,W6,W7を適宜選定
することによって、通過帯域より高域側の2箇所に減衰
極が現れるフィルター特性を有する誘電体フィルター、
又は通過帯域の両側(低域側及び高域側)のそれぞれ任
意の1箇所に減衰極が現れるフィルター特性を有する誘
電体フィルターを得ることができる。
【0040】また、図6の構成では、ストリップライン
共振器2,3の開放端側の間隙W1が広い構成であるこ
とから、階段状の入力線路4及び出力線路5を配置する
と、前記図1から図5に示す構成とは若干フィルター自
体の平面寸法が大きくなるが、本来の目的である量産
性、薄型化を損ねることなく良好なフィルター特性を有
する誘電体フィルターを得ることができる。
【0041】図7から図10に示す他の一実施例は、基
本的な構成は前記図1から図5に示す構成と同様に、ス
トリップライン共振器2,3の開放端側の間隙W1が短
絡端側の間隙W2よりも狭く(W1<W2)形成した場合
を示し、いずれも通過帯域より低域側の2箇所に減衰極
が現れるフィルター特性を有する誘電体フィルターが得
られる。
【0042】図7に示す構成は、図3に示す構成のフィ
ルターにおける一対の1/4波長ストリップライン共振
器2,3の間にさらに一つの1/4波長ストリップライ
ン共振器11を配置した構成であり、3箇所に減衰極を
持つ減衰特性に優れた誘電体フィルターを得ることがで
きる。この構成では、中央に位置するストリップライン
共振器11と入力線路4及び出力線路5との間で実質的
に容量性結合が行われないよう、該共振器11と入力線
路4及び出力線路5との間隙を大きくとるため、入力線
路4及び出力線路5をともに多段状に形成している。
【0043】図8に示す構成は、図3に示す構成のフィ
ルターにおける一対の1/4波長ストリップライン共振
器2,3を複数対配置した構成である。すなわち、一対
の1/4波長ストリップライン共振器2a,3aと2
b,3bを並列配置し、各々の共振器2a,3aと2
b,3bの開放端側に実質的に入力線路及び出力線路の
役割を実現する入出力導体4a,5a及び4b,5bを
配置した構成であり、図1から図5に示す構成と同様な
効果を得ることができる。
【0044】図9及び図10(図10は図9のb−b縦
断面説明図)に示す構成は、一対の1/4波長ストリッ
プライン共振器2,3と入力線路4及び出力線路5をと
もに誘電体基板の同一平面内に配置する構成ではなく、
3枚の誘電体基板1a,1b,1cのうち、中央部に位
置する誘電体基板1bの上面に一対の1/4波長ストリ
ップライン共振器2,3を配置し、誘電体基板1aの上
面(又は誘電体基板1bの下面)に入力線路4及び出力
線路5を配置した構成である。
【0045】この構成においては、誘電体基板1bの同
一平面内(上面)にて一対の1/4波長ストリップライ
ン共振器2,3は開放端側の間隙W1を短絡端側の間隙
2よりも狭く(W1<W2)形成して誘導性結合より容
量性結合が優勢となるように配置しており、また、スト
リップライン共振器2,3の開放端側において該共振器
2,3の開放端部と入力線路4及び出力線路5の各々対
向先端部が誘電体基板1bを介して厚さ方向に対向配置
させ、一方の共振器2開放端部と入力線路4対向先端部
との厚さ方向の間隙(距離Lg4)による容量性結合、
他方の共振器3開放端部と出力線路5対向先端部との厚
さ方向の間隙(距離Lg5)による容量性結合、さらに
入力線路4対向先端部と出力線路5対向先端部との間隙
7による容量性結合が実現される。
【0046】この構成からなる誘電体フィルターも、図
3に示す誘電体フィルターと同様に通過帯域より低域側
の2箇所に減衰極が現れるフィルター特性を有するが、
誘電体基板の使用数量が増えること等から図3に示す構
成よりも若干高価格となる。しかし、ストリップライン
共振器2,3と入力線路4及び出力線路5との容量性結
合の強さについては、共振器2,3と入力線路4及び出
力線路5との間に配置される誘電体基板(図においては
誘電体基板1b)の厚さを調整したり、入力線路4及び
出力線路5の各々対向先端部の幅寸法(w14,w15)等
を調整してストリップライン共振器2,3との対向面積
(S4,S5)を調整することで容易に実現することがで
きることから、結果として、図3に示す構成と同等以上
の設計の自由度を得ることができる。
【0047】以上に示すように、この発明による誘電体
フィルターは、ストリップライン共振器として複数の1
/4波長ストリップライン共振器を配置した構成におい
て、該1/4波長ストリップライン共振器と、それらの
開放端側に位置する入力線路及び出力線路との配置形態
を適宜選定することによって、通過帯域より低域側又は
高域側の2箇所に減衰極が現れるフィルター特性を有す
る誘電体フィルター、又は通過帯域の両側の任意の位置
に減衰極が1箇所ずつ現れるフィルター特性を有する誘
電体フィルターを量産性良く得ることができる。このよ
うな効果は、ストリップライン共振器として1/2波長
ストリップライン共振器を配置した構成においても同様
に得られる。
【0048】図11及び図12に示す構成は、一対のス
トリップライン共振器2,3が、両端が開放端からなる
1/2波長ストリップライン共振器からなり、該共振器
の一方の開放端側にそれぞれの共振器と所定の間隙を形
成して容量性結合する入力線路及び出力線路を配置する
とともに、該入力線路と出力線路とを所定の間隙を形成
して容量性結合して配置し、かつ、一対の共振器の両開
放端部と伸長方向中央部との間隙を相違させた誘電体フ
ィルターである。
【0049】特に、図11に示す構成の誘電体フィルタ
ーでは、一対のストリップライン共振器2,3の両開放
端部の間隙W1,W2(図の場合はW1=W2)が伸長方向
中央部の間隙W8よりも狭く、一対の該共振器の配置形
態によって通過帯域において誘導性結合よりも容量性結
合が優勢となり、1/4波長ストリップライン共振器を
配置した図3の構成からなる誘電体フィルターと実質的
に同様なフィルター特性を得ることができる。
【0050】また、図12に示す構成の誘電体フィルタ
ーでは、一対のストリップライン共振器2,3の両開放
端部の間隙W1,W2(図の場合はW1=W2)が伸長方向
中央部の間隙W8よりも広く、一対の該共振器の配置形
態によって通過帯域において容量性結合よりも誘導性結
合が優勢となり、1/4波長ストリップライン共振器を
配置した図6の構成からなる誘電体フィルターと実質的
に同様なフィルター特性を得ることができる。
【0051】これらの1/2波長ストリップライン共振
器を配置した構成は図からも明らかなように、共振器の
長さが1/4波長ストリップライン共振器を配置した構
成の2倍となることから、小型化の観点からは必ずしも
好ましい構成とは言い難いが、1/4波長ストリップラ
イン共振器を配置した構成と同様に、1/2波長ストリ
ップライン共振器とそれらの開放端側に位置する入力線
路及び出力線路との配置形態を適宜選定することによっ
て、通過帯域より低域側又は高域側の2箇所に減衰極が
現れるフィルター特性を有する誘電体フィルター、又は
通過帯域の両側の任意の位置に減衰極が1箇所づづ現れ
るフィルター特性を有する誘電体フィルターを量産性良
く得ることができることから、誘電体フィルターの用途
や要求される諸特性等に応じて選定すれば良い。
【0052】以上図1から図12において説明したこの
発明の誘電体フィルターにおいては、いずれも入力線路
と出力線路とを所定の間隙を形成して容量性結合して配
置する構成にて説明したが、発明者の実験によれば、入
力線路と出力線路とを誘導性結合した場合においても、
同様な効果を得ることが可能であることが確認された。
【0053】例えば、入力線路と出力線路とを直接導体
で接合するとともに、該接合部の幅寸法を調整したり、
誘電体フィルター本体の外部にコイル(インダクタン
ス)を接続する手段等が考えられるが、前者の場合は調
整量の範囲が極めて狭く、後者の場合はコイル接続によ
る組立作業の煩雑さや、誘電体フィルター全体の大型化
等を招くこと等が懸念されることから、図13に示すよ
うに、入力線路4と出力線路5の入力端子部及び出力端
子部(図示せず)に接続する側を積層体1の長手方向端
面に向かって延長する構成とし、該延長部の間隙W9
寸法を調整することによって、入力線路4と出力線路5
との誘導性結合の強度を調整することが可能となる。な
お、各々共振器と入力線路4及び出力線路5との関係は
図1から図12において説明した構成と同様に容量性結
合を実現している。図13においては1/4波長ストリ
ップライン共振器の場合で示しているが、1/2波長ス
トリップライン共振器の場合でも同様な効果を得ること
ができることは先に説明した構成の場合と同様である。
【0054】図13の構成においては、図21に示す入
力線路4と出力線路5との容量性結合(Cm)にかえて
入力線路4と出力線路5との誘導性結合(Lm)が実現
することとなり、該誘導性結合(Lm)以外の部分(図
21において破線にて囲んだAの部分)における結合関
係との相乗効果により、例えば、通過帯域における結合
を容量性結合とすれば通過帯域より低域側の2箇所、又
は両側の任意の位置にそれぞれ1箇所の減衰極を形成す
ることができ、また、通過帯域における結合を誘導性結
合とすれば通過帯域より高域側の2箇所に減衰極を形成
することができる。
【0055】図1から図13に示すこの発明の誘電体フ
ィルターにおいては、いずれもストリップライン共振器
として複数の1/4波長ストリップライン共振器又は1
/2波長ストリップライン共振器を同一平面内(特定の
誘電体基板上面)にて並列配置する構成にて示したが、
この構成に限定されることなく、例えば、異なる誘電体
基板上面にそれぞれ独立して共振器を配置する構成にお
いても、同様な作用効果を得ることができる。
【0056】また、図4及び図5においては一対の誘電
体基板を低軟化点を有するガラスで一体化する場合につ
いて説明したが、この発明の誘電体フィルターは上記の
実施例の構造に限定されることなく、前記の如く1/4
波長ストリップライン共振器又は1/2波長ストリップ
ライン共振器、及びそれぞれの共振器と入力線路と出力
線路との結合関係を特定の配置構成とすることによって
目的が達成できるのであり、例えば、一対のグリーンシ
ート状の誘電体セラミックスを所定厚さを有するストリ
ップ導体を介して積層圧着した後、ストリップ導体とと
もに焼成一体化する等、公知の一体化手段が採用でき
る。
【0057】
【実施例】
実施例1 この発明の誘電体フィルターの作用効果を確認するため
に図3に示す誘電体フィルターを作成した。なお、誘電
体基板1としては、幅6mm×長さ6mm×厚さ1mm
で誘電率(εr)92の一対のTiO2系セラミックス
誘電体基板を用いた。一対の1/4波長ストリップライ
ン共振器2,3及び入力線路4及び出力線路5を構成す
るストリップ導体としては、厚さ10μmのAgを一方
の誘電体基板上面にスパッタ法にて所定形状に形成し
た。誘電体基板の積層固着用ガラス6としては、軟化点
が約650°Cの粉末状Na2O・Al23・B23
SiO2系ガラスを用いた。さらに、外部導体7及び短
絡導体8としては、厚さ10μmのAgペーストを所定
位置に焼付けた。
【0058】一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3の幅w12,w13を1mmとし、入力線路4及び出
力線路5の幅w14,w15を0.5mmとした。また、1
/4波長ストリップライン共振器2,3の開放端の間隙
1を0.2mmとし、短絡端の間隙W2を1.0mmと
した。入力線路4と出力線路5との間隙W3を1.4m
mとし、さらに一方の1/4波長ストリップライン共振
器2と入力線路4との間隙W4と間隙W6、他方の1/4
波長ストリップライン共振器3と出力線路5との間隙W
5と間隙W7をいずれも0.2mmに設定した。以上に示
す形状、寸法からなるこの発明の誘電体フィルターのフ
ィルター特性(周波数と減衰量との関係)を測定し、そ
の結果を図14に示す。
【0059】上記のこの発明の誘電体フィルターは、中
心周波数が約1.9GHzで1dB帯域幅が約120M
Hzである通過帯域を有するとともに、該通過帯域から
約250MHz低域側、さらに通過帯域から約450M
Hz低域側の2箇所に減衰極が現れていることが分か
る。すなわち、一対の1/4波長ストリップライン共振
器2,3と入力線路4及び出力線路5とを適正配置する
ことによって通過帯域や減衰極の位置の設定が容易とな
り、誘電体フィルターの設計自由度を広げることができ
ることを確認した。
【0060】実施例2 この発明の誘電体フィルターの作用効果を確認するため
に図6に示す誘電体フィルターを作成した。使用する誘
電体基板1や一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3及び入力線路4及び出力線路5を構成するストリ
ップ導体等の材質は実施例1と同様にした。
【0061】一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3の幅w12,w13を1mmとし、入力線路4及び出
力線路5の幅w14,w15を0.5mmとした。また、1
/4波長ストリップライン共振器2,3の開放端の間隙
1を0.4mmとし、短絡端の間隙W2を0.2mmと
した。入力線路4と出力線路5との間隙W3を0.3m
mとし、さらに一方の1/4波長ストリップライン共振
器2と入力線路4との間隙W4と間隙W6、他方の1/4
波長ストリップライン共振器3と出力線路5との間隙W
5と間隙W7をいずれも0.2mmに設定した。以上に示
す形状、寸法からなるこの発明の誘電体フィルターのフ
ィルター特性(周波数と減衰量との関係)を測定し、そ
の結果を図15に示す。
【0062】上記のこの発明の誘電体フィルターは、中
心周波数が約1.9GHzで1dB帯域幅が約200M
Hzである通過帯域を有するとともに、該通過帯域から
約250MHz高域側、また通過帯域から約500MH
z低域側の各々1箇所に減衰極が現れていることが分か
る。すなわち、一対の1/4波長ストリップライン共振
器2,3と入力線路4及び出力線路5とを適正配置する
ことによって、実施例1と同様に通過帯域や減衰極の位
置の設定が容易となり、誘電体フィルターの設計自由度
を広げることができる。
【0063】実施例3 この発明の誘電体フィルターの作用効果を確認するため
に図9に示す誘電体フィルターを作成した。使用する誘
電体基板1や一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3及び入力線路4及び出力線路5を構成するストリ
ップ導体等の材質は実施例1と同様にした。
【0064】一対の1/4波長ストリップライン共振器
2,3の幅w12,w13を1mmとし、入力線路4及び出
力線路5の幅w14,w15を1mmとした。また、1/4
波長ストリップライン共振器2,3の開放端の間隙W1
を0.2mmとし、短絡端の間隙W2を1.0mmとし
た。一対の1/4波長ストリップライン共振器2,3と
入力線路4及び出力線路5との間に配置する誘電体基板
の厚さを0.3mmとすることによって、各々1/4波
長ストリップライン共振器2,3と入力線路4及び出力
線路5との厚さ方向の間隙(距離Lg4,Lg5)を0.
3mmとした。さらに、入力線路4と出力線路5との間
隙W7を1.4mmとした。以上に示す形状、寸法から
なるこの発明の誘電体フィルターのフィルター特性(周
波数と減衰量との関係)を測定したところ実施例1と同
様なフィルター特性を示すことが確認できた。
【0065】
【発明の効果】以上に示す実施例からも明らかなよう
に、この発明の誘電体フィルターは、対向配置する接地
導体間に誘電体層を有し、該誘電体層内に少なくとも一
対の1/4波長ストリップライン共振器又は1/2波長
ストリップライン共振器を配置する誘電体フィルターに
おいて、これら各々のストリップライン共振器の配置形
態や該ストリップライン共振器と入力線路及び出力線路
との配置形態等を適宜選定することによって、前記スト
リップライン共振器を配置する誘電体フィルターが本来
有する量産性や薄型化(低背化)を損ることなく、通過
帯域や減衰極の位置の設定を容易に行うことができ、従
来の誘電体フィルターに比べフィルター特性の設計自由
度を一層高めた誘電体フィルターを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の誘電体フィルターの一実施例を示す
平面説明図である。
【図2】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図3】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図4】図3の構成に基づく誘電体フィルターの全体構
成の概要を示す斜視説明図である。
【図5】図4のa−a縦断面説明図である。
【図6】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図7】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図8】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図9】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図10】図9のb−b縦断面説明図である。
【図11】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を
示す平面説明図である。
【図12】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を
示す平面説明図である。
【図13】この発明の誘電体フィルターの他の実施例を
示す平面説明図である。
【図14】図3に示すこの発明の誘電体フィルターのフ
ィルター特性を示すグラフである。
【図15】図6に示すこの発明の誘電体フィルターのフ
ィルター特性を示すグラフである。
【図16】従来の誘電体フィルターの平面説明図であ
る。
【図17】図16の従来の誘電体フィルターが有するフ
ィルター特性を示すグラフである。
【図18】従来の誘電体フィルターの平面説明図であ
る。
【図19】図18の従来の誘電体フィルターが有するフ
ィルター特性を示すグラフである。
【図20】この発明の誘電体フィルターが目的とするす
るフィルター特性を示すグラフである。
【図21】この発明の誘電体フィルターの回路図であ
る。
【符号の説明】
0,W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,W8 間隙 w12,w13,w14,w15 幅寸法 S4,S5 対向面積 1 積層体 1a,1b,1c 誘電体基板 2,3,2a,2b,3a,3b,11 ストリップラ
イン共振器 4 入力線路 5 出力線路 4a,4b,5a,5b入出力導体 6 ガラス 7a,7b,7c,7d 外部導体 8 短絡導体 10 出力端子部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置する接地導体間に誘電体層を有
    し、該誘電体層内に少なくとも一対のストリップライン
    共振器を配置する誘電体フィルターにおいて、前記一対
    のストリップライン共振器の一方端側に、それぞれの共
    振器と所定の間隙を形成して容量性結合する入力線路及
    び出力線路を配置するとともに、該入力線路と出力線路
    とを所定の間隙を形成して容量性結合して配置し、か
    つ、一対のストリップライン共振器の間隙を伸長方向に
    て変化させることによって、誘導性結合または容量性結
    合のいずれかを優勢に配置したことを特徴とする誘電体
    フィルター。
  2. 【請求項2】 一対のストリップライン共振器が、一方
    端が開放端で他方端が短絡端からなる1/4波長共振器
    からなり、該共振器の開放端側にそれぞれの共振器と所
    定の間隙を形成して容量性結合する入力線路及び出力線
    路を配置するとともに、該入力線路と出力線路とを所定
    の間隙を形成して容量性結合して配置し、かつ、一対の
    共振器の開放端側と短絡端側との間隙を相違させたこと
    を特徴とする請求項1の誘電体フィルター。
  3. 【請求項3】 一対の1/4波長共振器の開放端側の間
    隙を短絡端側の間隙よりも狭くしたことを特徴とする請
    求項2の誘電体フィルター。
  4. 【請求項4】 一対のストリップライン共振器が、両端
    が開放端からなる1/2波長共振器からなり、該共振器
    の一方の開放端側にそれぞれの共振器と所定の間隙を形
    成して容量性結合する入力線路及び出力線路を配置する
    とともに、該入力線路と出力線路とを所定の間隙を形成
    して容量性結合して配置し、かつ、一対の共振器の両開
    放端部と伸長方向中央部との間隙を相違させたことを特
    徴とする請求項1の誘電体フィルター。
  5. 【請求項5】 対向配置する接地導体間に誘電体層を有
    し、該誘電体層内に少なくとも一対のストリップライン
    共振器を配置する誘電体フィルターにおいて、前記一対
    のストリップライン共振器の一方端側に、それぞれの共
    振器と所定の間隙を形成して容量性結合する入力線路及
    び出力線路を配置するとともに、該入力線路と出力線路
    とを所定の間隙を形成して誘導性結合して配置し、か
    つ、一対のストリップライン共振器の間隙を伸長方向に
    て変化させることによって、誘導性結合または容量性結
    合のいずれかを優勢に配置したことを特徴とする誘電体
    フィルター。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1317014A1 (en) * 2000-07-07 2003-06-04 Sharp Kabushiki Kaisha Filter circuit and high frequency communication circuit using the same
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