JP4899403B2 - 非接触icタグラベル - Google Patents

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本発明は、非接触ICタグラベルに関する。詳しくは、金属による通信阻害を抑制する構造を有する非接触ICタグラベルであるが、通信阻害抑制に使用する磁性材シートに屈曲性付与加工がされている特徴を有する。
本発明の非接触ICタグラベルは、通常の非接触ICタグとしても用いられるが、特に金属材料からなる物体や金属製容器等に被着した場合に通信阻害を抑制し、かつ曲面を有する被着体に貼着し易く、また自然剥離し難い特徴を有する。
したがって本発明の技術分野は非接触ICタグラベルの製造や利用に関し、主要な利用分野は、運送や流通、販売管理、工場工程管理、商品の配送や荷物の取り扱いの分野であり、具体的な用途としては荷札、ラベル、となる。
非接触ICタグは、情報を記録して保持し非接触で外部装置と交信して情報交換できるので、運送や物流等における認識媒体として、あるいは商品の品質管理、在庫管理等の各種目的に多用されるようになってきている。
しかし、非接触ICタグを金属材料からなる物体や金属製容器のように導電性部材に貼着した場合は、非接触ICタグ送受信用の電磁波によって生成する交流磁界により背後の物体の金属内に渦電流が発生する。この渦電流は送受信用の磁束を打ち消す方向に磁束を生成し、それによって送受信用の磁束が減衰し通信が困難になることが多い。
そこで、金属のような導電性材料からなる部材に非接触ICタグを取り付ける場合、非接触ICタグと導電性部材の間に透磁性の磁性シートを配置し、そこへ送受信用磁束を通すことにより金属に磁束が入り込んで生じる渦電流発生を抑制する方法が知られている。 本発明の非接触ICタグラベルもこの原理を利用するものである。
金属による通信阻害を抑制することを目的とする非接触ICタグラベルの先行技術として特許文献1〜特許文献3等がある。特許文献1は、磁気吸収板を使用することを記載しているがシートの屈曲性付与加工については記載していない。特許文献2は、磁芯部材をアンテナコイルの内部に納める構造に関し、本願と観点を異にしている。特許文献3は、金属などに貼付する非接触ICタグラベルに関し、マグネットシートを使用することを記載しているが、同様に屈曲性付与加工については記載していない。
従来からこのように磁性材シートやマグネットシートは非接触ICタグラベルに使用されているが、これらのシートの問題点として、屈曲性がなく被着体、特に曲面を有する被着体に貼着した場合は、ラベルの端部から浮き上がりはじめ、結局はラベル全体が剥離してしまう問題が指摘されている。そこで、本発明は磁性材シートの柔軟性を付与して屈曲自在にすることを目的として、当該シートに針穴加工やミシン目線加工等を施そうとするものである。かかる先行特許文献を特に見出すことはできないが、しいて挙げればフィルムキャリア基板に屈曲性付与処理を行う特許文献4がある。
特開2000−113142号公報 特開2001− 56847号公報 特開2003− 85501号公報 特開昭63−58848号公報
非接触ICタグラベルを金属体に貼着した場合の通信阻害を抑制する目的で磁性体シートを用いる例は上記のように既に存在している。しかし、磁性体シートはゴム材料やポリマーに磁性材を分散した比較的肉厚の硬質材料であるため、屈曲性がなくラベル化する加工が困難であることと、ラベル化した後に商品等に貼着しても、当該商品が曲面を有する場合は曲面に沿って貼着することが困難であり、敢えて貼着しても、その後に縁辺が浮き上がり自然に剥離してしまう問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、非接触ICタグラベルが貼着される商品等の材質や曲面に関係なく、自由に貼着できる非接触ICタグラベルを提供すべく研究して完成したものである。
本発明の要旨の第1は、非接触で情報読み取り可能な記憶機能付きICチップと、電磁波を送受信するアンテナコイルとが、インレットベース上で電気的に接続された構造を有する非接触ICタグラベルにおいて、該非接触ICタグラベルは被着体に貼着する粘着剤層とインレットベースとの間であってアンテナコイルとは反対側面、厚み50μm〜1000μmであって、ポリマーに透磁性材料を分散してシート化した磁性材シートを有し、当該磁性材シートは被着体表面に沿って柔軟に屈曲するように、1〜10個/cm 2 の数の穴を全体に満遍なく一様に穿孔することにより屈曲性付与加工がされていることを特徴とする非接触ICタグラベル、にある。
本発明の要旨の第2は、非接触で情報読み取り可能な記憶機能付きICチップと、電磁波を送受信するアンテナコイルとが、インレットベース上で電気的に接続された構造を有する非接触ICタグラベルにおいて、該非接触ICタグラベルは被着体に貼着する粘着剤層とインレットベースとの間であってアンテナコイルとは反対側面、厚み50μm〜1000μmであって、ポリマーに透磁性材料を分散してシート化した磁性材シートを有し、当該磁性材シートは被着体表面に沿って柔軟に屈曲するように、切断部の長さが1mmから5mmであって、切断部間の間隔が0.5mmから4mmのミシン目線を全面に形成することにより屈曲性付与加工がされていることを特徴とする非接触ICタグラベル、にある。
上記において、請求項2記載の非接触ICタグラベルの場合、ミシン目線またはハーフカット線は、2つの平行線群が交差する状態に形成してもよい。この場合には、一層の柔軟化効果が得られる。
本発明の非接触ICタグラベルは、インレットベースと被着体の間に磁性材シートを有しているので、金属材料からなる物体または金属製容器に被着しても金属に起因する反磁界による通信阻害の影響を小さくできる。
磁性材シートに対して屈曲性付与加工がされているので、非接触ICタグラベルが屈曲性を有し曲面のある被着体にも容易に貼着できる。さらに被着後にラベルが浮き上がり自然剥離することも少ない。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の非接触ICタグラベルの例を示す概略平面図、図2は、非接触ICタグラベルの概略断面構造を示す図、図3は、屈曲性付与加工を行った磁性材シートの平面図、図4は、非接触ICタグが受ける金属体の影響を説明する図、である。
本発明の非接触ICタグラベル1は、図1のようにインレットベース11に平面状アンテナコイル2を形成し、アンテナコイル2の両端部2a,2bにICチップ3を装着している。装着は異方性導電接着シート等によりされるので、電気的な接続は確保される。
アンテナコイル2は、周波数13.56MHzの電磁波の信号を送受信する設計のものである。ICチップ3は、処理機能、記憶機能および入出力機能を備える集積回路であって、記憶部には情報を記憶することが可能であり、処理機能部は記憶部に情報を記憶させ、または記憶部から情報を読出すことができる。このICチップ3は、アンテナコイル2によって受信される電磁波信号が表す指令に応答して情報を記憶部に記憶し、または記憶部に記憶される情報を読出して、その情報を表す信号をアンテナコイル2に与える。
導通部材7は、コイルの短絡を防止するため、アンテナコイルの一端をインレットベース11の下面を介してアンテナコイルの端部2aに導くための部材である。以上の平面構成は、通常の非接触ICタグラベルと同様のものであり、特に異なるところはない。
なお、インレットベース11とは、上記のようにベースフィルムにアンテナコイル2を形成しICチップ3を装着したフィルムを言うが、一般には、単に「ベースフィルム」あるいは「アンテナシート」と言う場合もある。
本発明の非接触ICタグラベル1の概略断面構造は、図2のように、インレットベース11のアンテナコイル2面に紙またはプラスチックからなる表面基材4を積層し、当該インレットベース11のアンテナコイル2とは反対側面には高透磁性の磁性材からなる磁性材シート10を積層し、さらに被着体に貼着するための粘着剤層6と剥離紙8を積層した構造になっている。磁性材シート10は、ポリマーに透磁性材料を分散した材料やプラスチックシートに塗料化した透磁性材料を塗工した材料等が用いられる。ただし、被着体である金属体に流れる磁束ループを少なくし反磁界発生の抑制効果があり、屈曲性付与加工ができれば、特に材質に限定されない。
剥離紙8は、一般的にはセパレート紙と呼ばれる離型性面を有する材料であって粘着剤層6を保護する材料となっている。被着体に貼着する際は、剥離紙8を除去し粘着剤層6により貼着する。当該粘着剤層6は、あらかじめ粘着剤層6を剥離紙8に塗工しておき、これをICタグラベル1の磁性材シート10に貼着させる場合が多い。
表面基材4とインレットベース11の間、インレットベース11と磁性材シート10の間には、接着剤層9a,9bが図示されているが、接着剤に限らず粘着剤であっても良く、あるいは溶融したポリエチレン等により接着したものでも良く、ポリエチレン等の樹脂を溶融塗工(イクストルージョンコート)し、単に密着構造にしたものでも良く、その接着手段を問わないものである。
以上は非接触ICタグラベル1の典型的な形態を図示したもので、各種の変形形態は任意に採用できるものである。例えば、表面基材4を2層にして保護強化を図ってもよく、あるいは表面基材4を省略した形態としても構わない。また、磁性材シート10はインレットベース11の下面全体に配置するものでなくてもよく、上記反磁界発生の抑制効果を有すれば、アンテナコイルの下面に部分的に設けるものであってもよい。
本発明の非接触ICタグラベル1の特徴は、ラベルを被着体に貼着した場合、被着体の表面(特に曲面)に沿って柔軟に屈曲するように、磁性材シート10に屈曲性付与加工が施されていることにある。屈曲性付与加工は各種の方法で実施可能と考えられるが、本発明では磁性材シート10に機械的に穿孔やハーフカット加工を施す方法により行う。
その第1の形態は、磁性材シート10に針穴またはハーフカット孔の穿孔により屈曲性付与加工を行うことである。またその第2の形態は、磁性材シート10に、ミシン目線またはハーフカット線を形成して屈曲性付与加工を行うことである。
穿孔やハーフカット加工を機械的に行う方法にも各種の方法があるが、ロータリダイ装置を使用するのが通常である。ダイの型刃を最も耐久性の高いダイカットシリンダとする場合には、炭素鋼や刃物用特殊鋼(たとえば高速度鋼)などの強靱で耐磨耗性が優れた材料を使用し、その表面に型刃を浮き彫りにすることによって形成する。型刃はその表面または適当な深さまで焼き入れ処理をし適切な切削角度になるように研磨されている。ただし、このシリンダの製造コストは高額であり、磨耗の都度、再製するのは困難である。
ミシン目線やハーフカット線を簡易に形成する方法に、ダイカットシリンダに対して円板状の型刃を組み込みする方法がある。円板状の一定厚みのステンレス鋼等の刃板を先端を鋭利にして用いる。刃先だけがダイカットシリンダから僅かに突出するようにして組み込みする。ミシン目線の平行線群とするためには複数列に組み込みする。ダイカットシリンダに対向するローラ(アンビルローラ)も、耐久性の要求から鋼製シリンダを使用することが多い。より簡易な方法として、刃板の金属材料にミシン目刃型をテープ状に形成し、ダイカットシリンダ面に貼着して使用する場合もある。しかし当該方法は、紙等の軟らかい材料に適合するもので硬質の磁性材シートでは耐久性が不足となる。
図3は、屈曲性付与加工を行った磁性材シートの平面図である。図3(A)は、針穴を穿孔した例であって、径0.1mmから0.5mm程度のミシン針や、シートを貫通する鋭利な抜き刃等により穿孔pを散点状に比較的に密に形成したものである。穿孔pは円形であることには限らず、型刃により切り込みを設けるものでもよい。型刃の場合、ひとつの穿孔pの最大切断長は、切断刃の刃板側に生じるが、この場合の最大切断長は、0.1mmから2.0mm程度が適切である。ハーフカット孔やフーフカット線の場合は、加工するシートの厚みを勘案して、シートを貫通しないように刃先を調製する。
図3(B)は、ハーフカット孔qを形成した例であり、図示する側と反対側面には開口が生じていないものである。ハーフカット孔qの最大切断長は、0.1mmから3.0mm程度が適切である。ハーフカット孔qも散点状に比較的に密に形成する。この場合も連続的に加工する場合は、ダイカットロールを用いるのが適切である。ハーフカット孔qの形成面は、後に非接触ICタグラベルに使用した場合の粘着剤層6が塗布される面であっても、その反対面であっても構わない。
図3(A)(B)の例において、比較的に密に散点状に形成するといっても、磁性材シートの組織を破壊する程度にまで密に穿孔してしまっては、シートの支持体としての機能が失われる。穿孔数の目安は、0.5〜20個/cm2 程度、より好ましくは、1〜10個/cm2 程度の数である。また、磁性材シート10の全体に対して満遍なく一様に穿孔することが必要である。
図3(C)は、ミシン目線mを形成した例であって、鋭利な型刃等により、シートを貫通するミシン目線を形成したものである。図3(C)の場合は、ミシン目線mが平行な線群により形成されている例である。ミシン目線の切断部の長さは、1mmから5mm程度、切断部間の間隔は0.5mmから4mm程度、隣接するミシン目線との間隔は、3mmから20mm程度、が適切である。ミシン目線に限らず、磁性材シート10を貫通しないハーフカット線であっても屈曲性付与効果は得られる。
図3(D)はミシン目線mを直交して形成した例である。この場合、ミシン目線mの切断部の長さや切断部間の間隔は、図3(C)と同様にする。隣接するミシン目線との間隔は、5mmから20mm程度が適切である。図3(D)の場合は、ミシン目線が直交する2つの平行線群により形成されているが、平行線群の交差角度は45〜90度の範囲で調製してよい。磁性材シート10が磁性材塗工シートである場合もミシン目線が形成される面は、粘着剤層6が塗布される面であっても、その反対面であっても構わない。


磁性材シートは各種のものが市販されているが、穿孔やミシン目線等の加工が可能な材料は、ポリマーに透磁性材料を分散してシート化したものや磁性材塗工シートとなる。
フェライト系と金属等との焼結材料等は穿孔は困難であるし穿孔しても屈曲性を生じないと考えられる。ポリマー分散シート材としては、センダスト、フェライト、カーボニル鉄、鉄−パーマロイ等の透磁性材料をニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、環化ゴム等のゴム系ポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、エポキシ樹脂、塩素化ポリエチレン等のポリマーに分散したものが多く使用されている。
このような磁性シートの市販品としては、TDK株式会社の「IRL」や「IRJ」等の製品シリーズやニッタ株式会社の「RFID磁性シート」がある。
また、一般的には使用されていないが、塗料化した透磁性材料をポリエチレンテレフタレート(PET)シート等に塗工した材料であってもよい。
磁性材シート10の厚みは、50μm〜3000μm(3mm)の範囲が使用可能である。ただし、好ましくは50μm〜1000μmとすることが望まれる。この範囲のものが、ラベルとしての柔軟性が得られ、屈曲性付与加工やその後の加工適性も良く、被着性も良好だからである。磁性材シート10の全体厚みが、50μm未満の場合は屈曲性付与加工を必要としないと考えられる。また、3000μmを超える場合は、非接触ICタグラベル1の厚みが厚くなり過ぎるし、屈曲性付与加工も困難になるからである。
一般に、非接触ICタグのアンテナコイル2が、リーダライタからの磁束ループを受けると、近傍に金属体がない場合や非金属体Nに貼着した場合は、図4(A)のようにアンテナ線2sの回りに磁束ループRが生成する。一方、アンテナコイル2の近傍に金属体Kがある場合は、図4(B)のように、金属体Kに渦電流が発生し、発生した渦電流により生じる反磁界が、磁束ループを打ち消しするように作用する(図4(B)中、破線は消失した磁束ループHを示す。)。その結果、僅かな磁束ループRのみがアンテナ線2sの周囲の部分にのみ残り、通信距離が著しく短縮される。
一方、図4(C)のように、金属体Kとアンテナ線2sの間に、磁性材(磁性材シートや磁性材塗工シート)Zを挿入した場合は、磁性材Zの透磁率が高いため、磁束が磁性材Zに集中し金属体Kには流れないので、反磁界を生じず磁束が損失しないから磁束ループRが形成されて通信距離が改善される。
本発明の非接触ICタグラベル1は磁性材シート10が、アンテナコイル2と被着体である金属体の間に挿入されるので、上記効果を生じる。
一般に、動作範囲70cm以下の近傍型ICカードでは、最小動作磁界強度(Hmin )は、150mA/m rms、最大動作磁界強度(Hmax )が、5A/m rmsとされ、Hmin とHmax との範囲で連続的に動作しなければならない、とされている(JISX6323−2)。この基準は非接触ICタグにも同様に適用できると考えられる。
しかし、一般に非接触ICタグラベル1に磁性材シート10を使用した場合、金属面に貼着した際の通信距離は拡大しても非金属面に貼着した際の通信距離は磁性材を使用しない一般の非接触ICタグラベルよりは短くなり、最小動作磁界強度(Hmin )は大きくなってしまう。
そこで、被着体が金属面である場合には、通信周波数13.56MHzにおいて、非接触ICタグラベル1の最小動作磁界強度(Hmin )が、1.0A/mから3.5A/m程度の範囲であること、被着体が非金属面である場合には、同一通信周波数で最小動作磁界強度(Hmin )が、0.5A/mから3.0A/m程度の範囲であること、とすることが金属面でも非金属面でも安定した通信を確保できて好ましいことが認められている。
金属面とは極めて薄層の金属も対象となる。プラスチック基材に数nmの厚みで蒸着した金属層も非接触通信を遮断するので、この程度以上の厚みの金属面も対象となる。一方、非金属面とは金属以外の材料からなる構成物の表面をいう。非金属体の下面に金属がある場合も影響を受けるので、少なくとも非接触ICタグラベル1を被着した際のアンテナコイル2面から10mm以内に金属が無いことが必要となる。
<その他の材質に関する実施形態>
(1)インレットベース用基材
プラスチックフィルムを幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの複合フィルムを使用できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。
(2)表面基材
プラスチックフィルムや紙基材を幅広く各種のものを使用できる。プラスチックフィルムとしては、上記に挙げたものを使用でき、紙基材としては、上質紙、コート紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、ラテックスやメラミン含浸紙等を使用できる。表面にプリンター印字をする場合は、上質紙、コート紙等の紙基材が特に好ましい。
(3)接着剤、粘着剤
本明細書で接着剤という場合は、溶剤型や重合型、紫外線硬化型、エマルジョン型、熱溶融型等の各種のものをいい、いわゆる粘着剤型のものをも含むものとする。液状ならずシート状のものであってもよい。いずれであっても、双方の材料間を接着すれば目的を達成できるからである。また、本明細書で粘着剤という場合は、徐々に粘度が顕著に上昇することなく、いつまでも中間的なタック状態を保つものをいうものとする。
接着剤、粘着剤の樹脂組成物としては、天然ゴム系、ニトリルゴム系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリル系、アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニルアルコール系、フェノール樹脂系、等の各種材料を使用できる。
次に、本発明の非接触ICタグラベルの製造方法について説明する。
<磁性材シートの屈曲性付与加工>
磁性材シートは比較的に弾性の大きいシート材から構成されているので、穿孔やミシン目線加工のためには、ロータリーダイに切断刃を実装し、対向側のアンビルローラとの間に磁性材シートを挿入して、回転するローラ間で圧力をかけて通過させて加工するのが適切である。特に磁性材シートが1mm程度以上の厚みになる場合は、かなりの強圧が必要になる。切断刃の刃板の厚みは1mm以下、通常は0.8mm以下のものを使用する。
前記のように、ミシン目線やハーフカット線の場合は、ローラの円周方向に平行して所定の間隔で多数の型刃を縦列に並べて取り付けし平行線群にして使用する。一般に、ローラの回転方向に直交する方向の横ミシン目を密に形成するのは困難なので、磁性材シート10に直交するミシン目線も形成する場合は、一旦、縦列に縦ミシン目を入れてから、シートの方向を90度回転して再度、ミシン目を入れるのが通常である。
切断刃が磁性材により損傷しやすい場合は、窒化処理や浸炭処理を行ってもよく、切断刃の先端部近傍をダイヤモンドライクカーボン層で被覆してもよい。
<非接触ICタグラベルの製造>
非接触ICタグラベル1の製造は、磁性材シート10がかなりの厚みを有するので、大量に生産する場合は、磁気カードやICカードと同様に、インレットベース11の多面付け体に磁性材シート10、表面基材4、接着剤シート等を仮積みしてからプレスラミネートの工程で製造するのが適切と考えられる。ただし、少量を簡易に製造する場合には以下のようにすることができる。
まず、インレットベース11となる基材にアンテナコイル2をフォトエッチングや印刷等の工程で製造する。次に当該アンテナコイル2の両端部2a,2bにICチップ3を異方性導電接着シート等により装着して電気的接続を行う。インレットベース11のアンテナコイル2面側に表面基材4をラミネートし、インレットベース11の被着体側となる面に磁性材シート10を接着し、その後、磁性材シート10面に剥離紙8に粘着剤層6の加工をして貼り付けする。
以下、実際の実施形態について実施例を用いて説明する。
磁性材シート10として、厚み1.0mmの磁性材シート(TDK株式会社製(IRL02」)を使用し、シートを貫通するミシン目線を、シートの縦横方向に交差するように入れて屈曲性付与加工を行った。屈曲性付与加工には、ロータリーダイカッタ装置を使用し、当該装置のダイカットシリンダにミシン目線用の円板状切断刃を、10mm間隔で縦列に組み込みして使用した。ミシン目線の切断部の長さを、3mmとし、切断部間の間隔は2mmとした。最初、磁性シート10の縦方向のミシン目加工を行って取り出した後、再度、磁性シート10の方向を90度回転して、同一のダイカットシリンダに通して、横方向のミシン目加工を行った。
屈曲性付与加工後、磁性材シート10を非接触ICタグラベル1のインレットベース11と同一サイズ(54mm×86mm)に裁断した。
非接触ICタグラベル1のインレットベース11用基材として、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムに25μm厚のアルミニウム箔をドライラミネートした材料を使用し、これに感光性レジストを塗布した後、アンテナコイルパターンを有するフォトマスクを露光して感光させた。露光現像後、フォトエッチングして、図1のようなアンテナコイル2を有するインレットベース11が完成した。なお、アンテナコイル2は外形が、ほぼ45mm×76mmの大きさとなるようにした。
上記インレットベース11のアンテナコイル両端部2a,2bに、平面サイズが1.0mm角、厚み150μmであるICチップ3をフェイスダウンの状態で熱圧をかけて装着した。装着には異方性導電接着シートを使用したので電気的な接続は確保される。
次に、厚み40μmの表面基材(コート紙)4をアンテナコイル2面に接着剤層9aを介してインレットベース11のアンテナコイル2面側に接着した後(図2参照)、先に準備した磁性材シート10をインレットベース11の被着体側となる面に接着剤層9bを介して積層し、次いで磁性材シート10の面側に粘着剤(アクリル酸エステル共重合体系)を厚み16μmの粘着剤層6として塗布した剥離紙8を貼着して非接触ICタグラベル1を完成した。
磁性材シート10として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、フェライト系材料からなる磁性材を塗料化し、これを乾燥後の厚みが300μmになるように塗工した磁性材シート(試作品)を使用した。この磁性材塗工シート10に対して、実施例1と同様に、シートを貫通するミシン目線を入れて屈曲性付与加工を行った。ただし、ミシン目線は磁性材シート10の縦方向にのみ形成した。
すなわち、実施例1と同一のロータリーダイカッタ装置を使用し、同一のミシン目線用の円板状切断刃を使用したが、ダイカットシリンダでの加工は一回のみとした。したがって、ミシン目線の切断部の長さは、3mm、切断部間の間隔は2mmである。
屈曲性付与加工後、磁性材塗工シート10を非接触ICタグラベル1のインレットベース11と同一サイズ(54mm×86mm)に裁断した。
非接触ICタグラベル1のインレットベース11用基材として、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムに25μm厚のアルミニウム箔をドライラミネートした材料を使用し、実施例1と同一の条件、材料でアンテナコイルを形成し、同一のICチップ3を装着した。その後の加工も実施例1と同一条件により行ったが、粘着剤層6は磁性材塗工シート10のPETシート側になるようにした。
上記実施例1、実施例2の非接触ICタグラベル1と、実施例1と同一の材料を使用し、同一条件で製造したが、屈曲性付与加工をしない磁性材シートを使用した従来品(比較例)の非接触ICタグラベル1jと、を同一の条件で使用試験をした。
その結果、実施例1、実施例2の非接触ICタグラベル1は曲面のある金属容器(直径90mmのブリキ缶)の側面に被着した場合でも容易に貼着でき、室温状態で1か月経過後も自然剥離することはなかった。一方 従来品(比較例)の非接触ICタグラベル1jは同一の金属容器(直径90mmのブリキ缶)の側面に被着した場合、室温では、数分で一部が剥離する状態であった。
なお、非金属面に被着した場合は、周波数13.56MHzにおける最小動作磁界強度(Hmin )、0.5A/mから3.0A/mの範囲であり、金属面に被着した場合には、通信周波数13.56MHzにおいて、非接触ICタグラベル1の最小動作磁界強度(Hmin )が、1.0A/mから3.5A/m程度の範囲であることが認められ、実施例1、実施例2の非接触ICタグラベル1、および従来品(比較例)の非接触ICタグラベル1jのいずれも支障なくリーダライタと交信できることが確認できた。
本発明の非接触ICタグラベルの例を示す概略平面図である。 非接触ICタグラベルの概略断面構造を示す図である。 屈曲性付与加工を行った磁性材シートの平面図である。 非接触ICタグが受ける金属体の影響を説明する図である。
符号の説明
1 非接触ICタグラベル
2 アンテナコイル
3 ICチップ
4 表面基材
6 粘着剤層
7 導通部材
8 剥離紙
9a,9b 接着剤層
10 磁性材シート、磁性材塗工シート
11 インレットベース

Claims (3)

  1. 非接触で情報読み取り可能な記憶機能付きICチップと、電磁波を送受信するアンテナコイルとが、インレットベース上で電気的に接続された構造を有する非接触ICタグラベルにおいて、該非接触ICタグラベルは被着体に貼着する粘着剤層とインレットベースとの間であってアンテナコイルとは反対側面、厚み50μm〜1000μmであって、ポリマーに透磁性材料を分散してシート化した磁性材シートを有し、当該磁性材シートは被着体表面に沿って柔軟に屈曲するように、1〜10個/cm 2 の数の穴を全体に満遍なく一様に穿孔することにより屈曲性付与加工がされていることを特徴とする非接触ICタグラベル。
  2. 非接触で情報読み取り可能な記憶機能付きICチップと、電磁波を送受信するアンテナコイルとが、インレットベース上で電気的に接続された構造を有する非接触ICタグラベルにおいて、該非接触ICタグラベルは被着体に貼着する粘着剤層とインレットベースとの間であってアンテナコイルとは反対側面、厚み50μm〜1000μmであって、ポリマーに透磁性材料を分散してシート化した磁性材シートを有し、当該磁性材シートは被着体表面に沿って柔軟に屈曲するように、切断部の長さが1mmから5mmであって、切断部間の間隔が0.5mmから4mmのミシン目線を全面に形成することにより屈曲性付与加工がされていることを特徴とする非接触ICタグラベル。
  3. ミシン目線またはハーフカット線が、2つの平行線群が交差する状態に形成されていることを特徴とする請求項2記載の非接触ICタグラベル。
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