JP4831312B2 - 非接触icタグの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はこのようなIC保護構造を有する非接触ICタグを精度良く、かつ効率的に製造する方法に関するものである。従って、本発明の技術分野は非接触ICタグの製造や利用の分野となる。
しかし、非接触型ICタグを物流ラベルとして利用する場合、物流の際に外部から不可避的な応力が加えられる場合が多い。特にICチップ部分が衝撃を受けると致命的な損傷を受けてしまう。そこで、従来からICチップ部分を保護する構造が考えられているが、複雑な構造となり安価かつ高精度に非接触ICタグを製造できない問題がある。
その他の原因として、硬質の被着体に貼着されたICタグが硬質の他の物体に衝突する場合にも、突出しているICチップ部分が最も衝撃を受け易い問題がある。
ICチップに不具合を生じる原因は、これらの原因のみではないが、厚みのあるICチップ3が金属等の堅い構造材料に接触または衝突した際に破損しやすいのは事実と考えられる。
ICチップ3は両端部2a,2bに対して導電性接着剤等によりそのパッドが接続するようにされている。図示してないがICチップ3の周囲に厚み調整パターンを設ける場合もある。しかし、アンテナ用金属箔は20μm〜35μm程度の厚みであって、ICチップ3の厚みに相応するものではなく、保護機能としては不十分である。
そこで、本発明は、新規なICタグの製造方法を提案するものである。本発明に直接関連する先行技術を検出することができない。特許文献1は、ICタグラベルの製造方法に関するが、フラット(平面)なICタグラベルの実現を課題としている。
特許文献2は、本願の先願にかかり、穴開き構造体を挿入した非接触ICタグについて提案している。また、特許文献3は、「ラミネート方法」を記載しているが、本願に直接に関係するものではない。
そこで、本願出願人は上記課題を解決する製造方法を鋭意研究して、本発明の完成に至ったものである。
(1)プラスチックフィルムに金属箔をラミネートしたウェブ状のベースフィルムの、該金属箔をエッチングして、アンテナパターンを連続的に形成する工程、(2)前記各アンテナパターンの端部にICチップを実装してインレットベースを完成する工程、(3)前記インレットベースのICチップとは反対側面に、粘着剤層付き剥離紙ウェブを圧着して貼り付けする工程、(4)前記インレットベースのICチップ側に積層する中間シートであって、当該各ICチップ嵌め込み用開口と光学認識用開口を等間隔に、かつ連続的にダイカットして形成したウェブ状中間シートを準備する工程、(5)粘着剤層付き剥離紙ウェブを貼り付けした前記インレットベースに対して、前記ウェブ状中間シートの光学認識用開口とインレットベースのアンテナパターンを監視しながら、前記ICチップ嵌め込み用開口に前記インレットベースのICチップを位置合わせして嵌め込みし、かつ中間シートをラミネートする工程、(6)中間シート面に、さらに表面保護シートをラミネートする工程、(7)単位の非接触ICタグが、前記剥離紙面に等間隔で残るように、各単位の非接触ICタグの輪郭をダイカッタにより打ち抜きした後、非接触ICタグ以外の切除片を除去する工程、を有することを特徴とする非接触ICタグの製造方法、にある。
IC破損防止構造を有する非接触ICタグ1の特徴は、ICチップ3の周囲を包囲するようにICチップ嵌め込み用開口10aを形成した中間シート10がインレットベース11Aと表面保護シート4の間に挿入されていることにある。なお、インレットベースとは、ベースフィルム11にアンテナパターン2を形成し、ICチップ3を装着したまでの状態のベースフィルムを意味するものとする。
当該中間シート10の厚みによりICチップ3の突出高さが減少するため、ICチップ3が他のICタグのICチップ3と接触したり、または他の硬質の物体に衝突する頻度を減少でき、衝突した際の衝撃を緩和できるものである。中間シート10の大きさは、その製造工程から非接触ICタグ1と同等の面積サイズとなる。
ベースフィルム11のアンテナ面に、中間シート10を積層し、さらに当該中間シート面に表面保護シート4をラミネートしている。表面保護シート4は、通常は非接触ICタグ1の全体を被覆して保護するようにされている。図示の都合上、接着剤層5bとアンテナパターン2の間は隙間が空いているうようにされているが、実際はアンテナパターン2またはベースフィルム11との間は密着しているものである。ベースフィルム11の被着体側となる面には粘着剤層5cと剥離紙6を有している。
当該粘着剤層5cは、一般的にはセパ紙と呼ばれる離型面を有する剥離紙6にあらかじめ粘着剤層5cを塗工しておき、これを非接触ICタグ1のベースフィルム11に貼着させる場合が多い。このような非接触ICタグ1は粘着剤層5cにより物品に貼着するラベル状のものである。
ただし、現状のICチップ3の厚みでは、50μm未満の中間シート10の厚みではICチップ破損防止効果としては不十分となる。
ベースフィルム11としては、プラスチックフィルムに金属箔をラミネートしたウェブ状のベースフィルムを使用する。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく使用できるが後述する各種の材料も使用できる。
金属箔は、アンテナパターンの導電層を形成するためのもので、通常は銅箔やアルミニウム箔の20μm〜35μm程度の厚みのものが使用される。
その後、各アンテナパターン2の端部2a,2bにICチップ3を実装してインレットベース11Aを完成する(S4、図4(A))。
次に、前記インレットベース11AのICチップ3側に積層する中間シートであって、当該各ICチップ嵌め込み用開口10aと光学認識用開口10bを距離Lを置いて形成し、かつこの2つの開口セットを等間隔に、かつ連続的にダイカットして形成したウェブ状中間シート10を準備する(S6、図4(D))。
光学認識用開口10bを設けず、ICチップ嵌め込み用開口10a自体を制御マークとしてパターン認識装置で直接監視することも考えられるが、光の反射を読み取りする汎用的な光学センサでは、2mm〜3mm程度の小さな開口では読み取りできない場合が生じるので、別途光学認識用開口10bを設けるのが好ましい。
その後、単位の非接触ICタグをロータリーダイカッタにより打ち抜きする。剥離紙6面に単位の非接触ICタグ1が等間隔で残るように、各非接触ICタグの輪郭をダイカッタにより打ち抜きする。非接触ICタグ以外の輪郭部等の切除片15は除去する。粘着剤層5cは切除片15側に移るので、非接触ICタグ1周囲の剥離紙6面には残らない。
この際、前記光学認識用開口10bが、図4(G)のように、切除片15内に残るように形成すれば、非接触ICタグ1に当該形跡が残らなくなるので好ましい。
中間シート10の材質には、以下に挙げる紙基材やプラスチックフィルムの単体または複合体を使用することができる。
(1)紙基材
上質紙やコート紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙やラテックスまたはメラミン樹脂含浸紙を使用できる。
(2)プラスチックフィルムは幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの複合フィルムを、打ち抜き等して使用できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。
(1)ベースフィルム
プラスチックフィルムを幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの複合フィルムを使用できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。
プラスチックフィルムや紙基材を幅広く各種のものを使用できる。プラスチックフィルムとしては、上記に挙げたものを使用でき、紙基材としては、以下のもの等を使用できる。表面にプリンター印字をする場合は、上質紙、コート紙等の紙基材が特に好ましい。
その他に、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、ラテックスやメラミン含浸紙、等を使用できる。
本明細書で接着剤という場合は、溶剤型や重合型、紫外線硬化型、エマルジョン型、熱溶融型等の各種のものをいい、いわゆる粘着剤型のものをも含むものとする。いずれであっても、双方の材料間を接着すれば目的を達成できるからである。
また、本明細書で粘着剤という場合は、徐々に粘度が顕著に上昇することなく、いつまでも中間的なタック状態を保つものをいうものとする。
接着剤、粘着剤の樹脂組成物としては、天然ゴム系、ニトリルゴム系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリル系、アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニルアルコール系、フェノール樹脂系、等の各種材料を使用できる。
なお、1つのアンテナパターン2は外形が、ほぼ45mm×76mmの大きさとなるようにし、アンテナパターン2の繰り返しピッチは、90mmとなるようにした。
インレットベース11AのICチップ3とは反対側面に、幅70mmの両面テープをラミネートした。当該両面テープは粘着剤層付き剥離紙ウェブ9に相当するもので、基材の両面に粘着剤層が塗工されその両面が剥離紙で保護されている形態になっている。両面テープの片面側の剥離紙を除去しながら、インレットベース11Aにラミネートした。
その際、光学認識用開口10bを1台の反射光読み取り式パターン認識装置(センサ)を用いて監視し、インレットベース11Aのアンテナパターン2のエッジ部分を他方の反射光読み取り式パターン認識装置(センサ)を用いて監視し、制御装置により両ウェブの送り量を調製しながら、ICチップ嵌め込み用開口10aの中心にICチップ3が位置するようにし、中間シート10側に接着剤を塗工しながらラミネートした。
最後に、図4(G)のように、個々の非接触ICタグ1の輪郭を形成するため、ロータリダイカッタを用いて打ち抜きした。ダイカッタは、表面保護シート4からベースフィルム11までを切断し、剥離紙6を切断しないように、刃先を調製したものを使用した。
単位の非接触ICタグラベル1は、幅54mm×長さ86mmとなった。切除片15は剥離除去した。
インレットベース11AのICチップ3とは反対側面に、剥離紙ウェブ9である幅70mmの両面テープを、実施例1と同様にしてラミネートした。
ICチップ嵌め込み用開口10aは、直径2.5mmの円形とし、光学認識用開口10bは長辺が10mm、短辺が5mmの矩形状とし、長辺が中間シート10の幅方向と平行になるようにした。
なお、ICチップ嵌め込み用開口10aと光学認識用開口10bの中心間のウェブに平行する距離L(図4(D)参照)が26mmとなるようにし、光学認識用開口10bが隣接するICタグの切り取り部分(切除片)内に位置するようにした。
2 アンテナパターン
3 ICチップ
4 表面保護シート
5a,5b 接着剤層
5c 粘着剤層
6 剥離紙
7 導通部材
9 剥離紙ウェブ
10 中間シート
11 ベースフィルム
11A インレットベース
Claims (5)
- ICチップの破損防止構造を有する非接触ICタグを連続して製造する製造方法であって、以下の(1)〜(7)の工程、
(1)プラスチックフィルムに金属箔をラミネートしたウェブ状のベースフィルムの、該金属箔をエッチングして、アンテナパターンを連続的に形成する工程、
(2)前記各アンテナパターンの端部にICチップを実装してインレットベースを完成する工程、
(3)前記インレットベースのICチップとは反対側面に、粘着剤層付き剥離紙ウェブを圧着して貼り付けする工程、
(4)前記インレットベースのICチップ側に積層する中間シートであって、当該各ICチップ嵌め込み用開口と光学認識用開口を等間隔に、かつ連続的にダイカットして形成したウェブ状中間シートを準備する工程、
(5)粘着剤層付き剥離紙ウェブを貼り付けした前記インレットベースに対して、前記ウェブ状中間シートの光学認識用開口とインレットベースのアンテナパターンを監視しながら、前記ICチップ嵌め込み用開口に前記インレットベースのICチップを位置合わせして嵌め込みし、かつ中間シートをラミネートする工程、
(6)中間シート面に、さらに表面保護シートをラミネートする工程、
(7)単位の非接触ICタグが、前記剥離紙面に等間隔で残るように、各単位の非接触ICタグの輪郭をダイカッタにより打ち抜きした後、非接触ICタグ以外の切除片を除去する工程、
を有することを特徴とする非接触ICタグの製造方法。 - 前記光学認識用開口が切除片内に位置するように形成することを特徴とする請求項1記載の非接触ICタグの製造方法。
- 前記ICチップ嵌め込み用開口が、直径2mm〜5mmの円形であることを特徴とする請求項1記載の非接触ICタグの製造方法。
- 前記光学認識用開口が、長辺5mm〜10mm、短辺3mm〜5mmの長方形であることを特徴とする請求項1記載の非接触ICタグの製造方法。
- 前記中間シートの厚みが、100μm以上であって、200μm以下であることを特徴とする請求項1記載の非接触ICタグの製造方法。
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