JP4748358B2 - 非接触icタグラベル - Google Patents

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Description

この発明は、非接触ICタグラベルに関する。詳しくは、表面に保護シートを積層した非接触ICタグラベルであって、そのベースフィルムに複数の貫通孔を形成して、ICタグ全体に屈曲自在性を持たせた柔軟な非接触ICタグラベルに関する。このような非接触ICタグラベルは、物品や商品の曲面や凹凸面に貼着して好適に利用できるものである。従って、本発明の技術分野は、非接触ICタグラベルの製造や利用の分野となる。
非接触で情報を記録し、かつ読み取りできる「非接触ICタグラベル」(一般に、「非接触ICタグ」、「無線ICタグ」、「非接触IC」等と表現される場合もある。)が、物品や商品の情報管理、物流管理等に広く利用されてきている。
この非接触ICタグラベルは、フィルムや紙基材からなるベースフィルム面にコイル状アンテナやダイポール型アンテナを形成し、当該アンテナにICチップを装着した形態となっているが、耐久性が要求される場合は、アンテナ面に表面保護シートを積層した形態が好ましいことになる。
図5、図6は、従来例の非接触ICタグラベルを示す図である。図5は、平面図、図6は、図5のICチップ2をとおる部分の断面図である。
図5のように、従来例の非接触ICタグラベル1jでは、ベースフィルム11に平面状のアンテナコイル3が形成され、アンテナコイル3の両接続端部3a、3bにICチップ2が装着されている。図5の実施形態では、コイルの一部分において、導通部材17によりベースフィルム11の裏面回路を形成して短絡を防止している。
図6のように、表面保護シート5が接着剤層7aを介してベースフィルム11に積層され、アンテナコイル3とICチップ2を保護している。ベースフィルム11のアンテナコイル3と反対側面には、粘着剤層8と当該粘着剤層8を被覆して保護する剥離紙9が積層されている。非接触ICタグラベル1jを使用する場合は、当該剥離紙9を除去して物品に貼着するものである。
このような非接触ICタグラベル1jでは、ベースフィルム11がある程度の厚みになると、屈曲性が不十分となり、曲面や凹凸のある物品や商品への貼着が不完全になる問題があった。特に、円筒状のガラス容器やプラスチック容器に貼着した場合、当初は完全に貼着していたと見えるものが、時間の経過と共に端部が浮き上がって、ついには剥離してしまう傾向が顕著に認められる問題があった。
ところで、非接触ICタグラベルの周波数帯は、135KHz帯以下と、13.56MHz帯、UHF帯に属する860MHz〜960MHz帯、および2.45GHz帯との4種類がある。13.56MHz帯以下は電磁誘導方式を使用する。電磁誘導方式は磁力を電気に変換する方式であり上記のようにループ形状、すなわちコイル状のアンテナを使用する。UHF帯以上の高周波域ではダイポール型アンテナの非接触ICタグラベルが使用される。このものの従来構造は図示してないが、積層した構造では屈曲性が不十分となり、同様に浮き上がりの問題を生じることは同様である。
そこで本発明では、非接触ICタグラベルのベースフィルム11にフィルムを貫通する比較的に小さい孔の複数個の貫通孔を設け、これにより非接触ICタグラベルを屈曲自在として柔軟性を与えようとするものである。このような、技術に関する先行技術を特に検出できないが、目的を異にするもので非接触ICタグ基材に貫通孔を設ける例としては特許文献1がある。ただし、同文献は、フィルム間の接着を目的とするため、かなり大きな開口を形成している。また、分野は異なるがフィルムキャリア基板に屈曲性付与処理を行うものに特許文献2がある。
特開2003−132331号公報 特開昭63−58848号公報
非接触ICタグラベルの屈曲自在性を高めることが本発明の課題である。特に、曲面や凹凸面を有する物品や商品に貼着して、ラベル周辺部からの浮き上がりや自然剥離を防止する観点から、非接触ICタグラベルを構成するベースフィルム基材に、複数の貫通孔を形成して柔軟性を高めることを研究して完成に至ったものである。
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、ベースフィルムの一面側に形成されたアンテナコイルとアンテナコイルに装着したICチップを有し、さらに当該アンテナコイル面に接着した表面保護シートと、ベースフィルムのアンテナコイルとは反対側面に粘着剤層と剥離紙と、を順に有する非接触ICタグラベルであって、当該ベースフィルムには、複数個の貫通孔が形成されており、前記貫通孔の大きさが、0.5mmから2.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であり、前記貫通孔の密度が、0.25個から5個/cm 2 であることを特徴とする非接触ICタグラベル、にある。貫通孔の大きさは、0.5mmから2.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であるので、ベースフィルムの変形等を生じず、製造時の加工やラベルの取り扱いが容易になる。
上記課題を解決する本発明の要旨の第2は、ベースフィルムの一面側に形成されたダイポール型アンテナとアンテナに装着したICチップを有し、さらに当該アンテナ面に接着した表面保護シートと、ベースフィルムのアンテナとは反対側面に粘着剤層と剥離紙と、を順に有する非接触ICタグラベルであって、当該ベースフィルムのダイポール型アンテナの両側には、複数の貫通孔が形成されており、前記貫通孔の大きさが、0.5mmから2.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であり、前記貫通孔の密度が、0.25個から5個/cm 2 であることを特徴とする非接触ICタグラベル、にある。貫通孔の大きさは、0.5mmから2.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であるので、ベースフィルムの変形等を生じず、製造時の加工やラベルの取り扱いが容易になる。
上記において、ベースフィルムと表面保護シートとの間に第2の表面保護シートを有し、当該第2の表面保護シートにも貫通孔が形成されている、ようにすることができる。その場合には、ラベル全体の柔軟性を高めることができる
本発明の非接触ICタグラベルでは、ベースフィルムに複数個の貫通孔が形成されているのでラベルが柔軟性を有し、物品や商品の曲面や凹凸面に貼着した場合でも、容易に貼着でき、貼着後もラベルの周囲から剥離するようなことがない。
以下、本発明の非接触ICタグラベルについて、図面を参照して説明することとする。図1は、本発明の非接触ICタグラベルの第1形態を示す平面図、図2は、第1形態の断面図、図3は、第1形態の変形例の断面図、図4は、本発明の非接触ICタグラベルの第2形態を示す図、である。
本発明の非接触ICタグラベルの第1形態は、図1のように、電磁誘導型のループ状アンテナを有する形態である。アンテナコイル3をベースフィルム11に形成し、当該アンテナコイル3の両端部3a,3bにICチップ2を装着している。
非接触ICタグラベル1aは表面保護シート5を有するので、アンテナコイル3やICチップ2、貫通孔10は実際には表面から見えないが透視した状態を図示している。
この非接触ICタグラベル1aの特徴は、ラベルを構成するベースフィルム11に、複数個の貫通孔10が形成されていることにある。貫通孔10はベースフィルム11を取り扱いした場合に、アンテナの形状を変形させるような大きな孔は好ましくないので、比較的に小さな孔を数多く形成することが好ましい。
貫通孔10の形状は、円形や正方形、菱形等となるが、その大きさ(貫通孔の径または四角形である場合の差し渡し(対角線))は、0.5mmから2.0mm、より好ましくは、0.5mmから1.0mm程度が望ましい。ただし、全ての貫通孔が同一形状、大きさである必要はない。
複数個とは、非接触ICタグラベル1aの面積や貫通孔の密度により異なり具体的な数を特定はできないが、実際には、20個や30個以上のかなりの多数となる。貫通孔10の数を密度で表現する場合にも、ベースフィルム11の厚みや貫通孔の大きさにより変化させる必要があって一律ではない。ただし通常、0.25個〜5個/cm2 程度の数を形成すれば、十分な柔軟化効果が得られる。ランダムや不規則な散点状に形成するよりは、一定の間隔で規則的に配列するように貫通孔を設けるのが好ましい。当然のことながら、貫通孔10はアンテナ線部やICチップ2部分を避けて形成する。
図1の場合、貫通孔10がアンテナコイル3の内周域部分と外周域部分の全域に形成されているが、内周域部分に限って形成するものであってもよい。あるいは、周辺部のみの柔軟性が求められる場合は外周域部分にのみ貫通孔を形成してもよい。
貫通孔のない通常の非接触ICタグラベルを製造しておいて、使用直前に使用用途や目的によって貫通孔を形成することもできる。
ただし、ベースフィルム11の厚みが50μmを超える場合や、ラベルの周辺の屈曲性が特に必要とされる場合は、アンテナコイル3の外周域部分も含めて貫通孔10を形成することが好ましい。プラスチックフィルムが50μmを超える厚みになると、かなり硬質のフィルムとなるのが通常だからである。
ベースフィルム11の厚みが25μm未満の場合は、一般的にフィルム自体が柔軟であって屈曲性不十分による剥離の問題は生じないので、貫通孔を形成する必要は少ない。
一方、100μmを超える場合は、貫通孔10によっては柔軟化の効果はあまり生じない。したがって、本発明は一般に、25μmから100μmの範囲程度の厚みのベースフィルム11を使用する場合に適用される。
非接触ICタグラベル1aの断面図(図1のA−A線断面)は、図2のようになる。
ベースフィルム11のアンテナコイル3面には、表面保護シート5が接着剤層7aにより接着され、アンテナコイル3と反対側面には、粘着剤層8と当該粘着剤層8を被覆して保護する剥離紙9が積層されている。ベースフィルム11には貫通孔10による縦孔が形成されているのが認められる。粘着剤には、天然ゴム系やアクリル系の材料を使用することが多く、塗布厚みは5μm〜20μm程度の範囲である。剥離紙9にはシリコン加工されたものが使用される。貫通孔10は、ベースフィルム11にのみ形成されている。
第1形態の変形例の非接触ICタグラベル1aの断面図は、図3のようになる。
この場合、ベースフィルム11のアンテナコイル3面に第2の表面保護シート6が積層され、当該第2の表面保護シート6面に重ねて表面保護シート5が接着されている。表面保護シート5は第1の表面保護シートということもできるが、一般に表示印刷を行うため、紙基材を使用する場合も多い。一方、第2の表面保護シート6は、アンテナやICチップ2を水や湿度から保護する目的でプラスチックフィルムを使用する場合が多い。したがって、ベースフィルム11との二重のフィルム構成によりラベルが硬直化することを防止する目的で、第2の表面保護シート6にも貫通孔10を形成する。
ベースフィルム11の貫通孔10と第2の表面保護シート6の貫通孔10は、別の工程で形成して異なる孔にすることもできるが、通常は、ベースフィルム11に第2の表面保護シート6を積層してから、貫通孔10を形成するので連通した一つの貫通孔となる。この貫通孔の形成により、コイルの内周域に残る空気を脱気しやすくする効果も生じる。
第2の表面保護シート6を有する場合は、その状態までの製品を製造しておいて、使用用途や納品先が決定した場合に、印刷表示した表面保護シート5を積層して最終製品とすることができる。
図4は、本発明の非接触ICタグラベルの第2形態を示す図であって、図4(A)は平面図、図4(B)は断面図、図4(C)は変形例の断面図、である。
本発明の非接触ICタグラベルの第2形態は、図4(A)のように、ダイポール型アンテナ4を有する形態である。UHF帯ICタグにはダイポール型アンテナが使用され、読み取り距離が長く、今後の広範な使用が見込まれている。この場合、1/4波長のアンテナ4R,4Lをベースフィルム11面に形成し、当該アンテナ4R,4Lの接合部4a,4bにICチップ2を装着する。アンテナ4Rとアンテナ4Lの合計長さが、通信周波数の波長の1/2になるようにされるが、ラベル長を短くするため、アンテナは図4(A)のように屈曲した形状にされることが多い。
この非接触ICタグラベル1bの特徴も、ラベルを構成するベースフィルム11に、複数個の貫通孔10が形成されていることにある。貫通孔10は第1形態の場合と同様に、比較的小さな孔で数多く形成することが好ましく、アンテナ線やICチップ部分を避けて穿孔する。第2形態の非接触ICタグラベル1bは、そのアンテナ形状から比較的狭い幅に仕上げることができる。一般的には、幅が20mmから50mm、長さが100mmから150mm程度となる。貫通孔10の大きさ(孔の径または四角形である場合の差し渡し(対角線))も、第1形態と同様に0.5mmから2.0mm程度が好ましい。
貫通孔10の密度も第1形態の場合と同様にする。貫通孔10の形状は特に限定されず、円形でも四角形でも菱形であっても良く、全ての貫通孔が同一形状、大きさである必要もない。
第2形態の非接触ICタグラベル1bの断面図は、図4(B)、(C)のようになる。図4(A)のB−B線断面である。図4(B)の場合は、ベースフィルム11に表面保護シート5を接着した形態であって、貫通孔10はベースフィルム11にのみ形成されている。ダイポールアンテナ4の場合は、ラベルの幅を狭くできるので、幅方向の柔軟性はあまり問題にならないが、貫通孔を形成することで長さ方向の屈曲自在性が改善される。
図4(C)の場合は、ベースフィルム11に第2の表面保護シート6と表面保護シート5を重ねて接着した変形例であって、貫通孔10はベースフィルム11と第2の表面保護シート6とに形成されている。
次に、本発明に使用する材料について説明する。
(1)<ベースフィルム>
プラスチックフィルムを幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの複合フィルムを使用できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル系、耐水紙等である。
非接触ICタグに使用する場合の基材の厚みは一般的には、15μm〜200μm程度が使用できるが、本発明では、20μm〜100μm程度が好ましい。
(2)<表面保護シート>
プラスチックフィルムや紙基材を幅広く各種のものを使用できる。プラスチックフィルムとしては、上記に挙げたものを使用でき、紙基材としては、上質紙、コート紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、ラテックスやメラミン含浸紙等を使用できる。表面に印刷やプリンター印字をする場合は、上質紙、コート紙等の紙基材が特に好ましい。
表面保護シート5,6としては、ベースフィルムと同等かより薄い厚みのものが使用され、15μm〜50μm程度が好ましい。
(3)<接着剤・粘着剤>
本明細書で接着剤という場合は、溶剤型やエマルジョン型、紫外線硬化型、重合型、熱溶融型等の各種のものをいい、いわゆる粘着剤型のものをも含むものとする。液状ならずシート状のものであってもよい。また、本明細書で粘着剤という場合は、徐々に粘度が顕著に上昇することなく、いつまでも中間的なタック状態を保つものをいうものとする。
接着剤、粘着剤の樹脂組成物としては、天然ゴム系、ニトリルゴム系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリル系、アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニルアルコール系、フェノール樹脂系、等の各種材料を使用できる。
次に、本発明の非接触ICタグラベルの製造工程について説明する。
まず、ベースフィルム11となる基材にアンテナコイル3またはダイポール型アンテナ4をフォトエッチングや印刷等の工程で製造する。フォトエッチングの場合は、プラスチックフィルムに銅やアルミニウムの金属箔をラミネートした基材を使用する。
次に、当該アンテナコイル3の両端部3a,3bまたはダイポール型アンテナ4の接合部4a,4bにICチップ2を異方性導電接着剤や接着シート等により装着して電気的接続を行う。ICチップ3に、スパイク状のバンプを有するものを使用し、スパイク状のバンプがアンテナコイル3の両接続端部3a,3bに食い込むようにしてもよい。
第2の表面保護シート6を積層する場合は、ベースフィルム11のアンテナ面に表面保護シート6をラミネートした後、積層しない場合は、ベースフィルム11面に直接貫通孔10の形成を行う。貫通孔10の形成は、打ち抜き装置による連続的な工程で行うこともできるし、個々のラベルに断裁した状態でパンチングしてもよい。貫通孔の大きさは、前述のように、0.5mmから2.0mm程度の大きさとする。
貫通孔10の形成後、表面保護シート5をラミネートし、ベースフィルム11の背面に粘着剤層8の加工と剥離紙9を設けて非接触ICタグラベル1が完成する。
非接触ICタグラベル1aのベースフィルム11として、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムを使用し、これに、25μm厚のアルミニウム箔をドライラミネートした基材を準備した。上記、アルミ箔表面に塩酢ビ系樹脂による感光性レジスト(ザ・インクテック株式会社製)を乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布して設け、アンテナコイルパターンを有するフォトマスクを露光して感光させた。現像後、塩化第2鉄水溶液でアルミ箔露出部をエッチングして除去し、6面付け(2×3面)のアンテナコイル3を有するベースフィルムを得た。
次いで、平面サイズが1.0mm角、厚み150μmであるICチップ2をフェイスダウンの状態にし、異方性導電接着シートを使用して、アンテナコイル3の両接続端部3a,3bに位置合わせして装着した。ICチップ2を装着したベースフィルム11のアンテナコイル面に対して、第2の表面保護シート6として、20μm厚の2軸延伸PETフィルムを全面にラミネートした。その後、カード状の所定形状に外寸カットした。
次に、ベースフィルム11と第2の表面保護シート6の積層体に対して、アンテナコイルの内周域および外周域に、直径1.0mmの円形貫通孔10を2個/cm2 の密度で、形成した。貫通孔10の形成には、非接触ICタグラベル1aの1面分の開口を形成した抜き型を予め準備しておき、当該抜き型により型抜きした。
なお、貫通孔10はアンテナ線やICチップ2から、2mm以内に接近する位置には貫通孔を形成しないようにした。その後、表面保護シート5として、上質紙を全面にラミネートし、ベースフィルム11の背面に粘着剤層8と剥離紙9の加工を行った。粘着剤層8は、アクリル系の粘着剤が10〜12μmの厚みで塗工されるようにした。その後、所定サイズに裁断して非接触ICタグラベル1aを完成した。
非接触ICタグラベル1bのベースフィルム11として、厚み100μmの透明2軸延伸PETフィルムを使用し、これに、35μm厚の銅箔をドライラミネートした基材を準備した。上記、銅箔表面に塩酢ビ系樹脂による感光性レジスト(ザ・インクテック株式会社製)を乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布して設け、図4のようなダイポール型アンテナパターンを有するフォトマスクを露光して感光させた。現像後、塩化第2鉄水溶液で銅箔露出部をエッチングして除去し、10面付け(1×10面)のダイポール型アンテナパターンを有するベースフィルム11を得た。
次いで、平面サイズが1.0mm角、厚み150μmであるICチップ2をフェイスダウンの状態にし、異方性導電接着シートを使用して、アンテナ4R,4Lの接合部4a,4bに位置合わせして装着した。
次に、ベースフィルム11のアンテナパターン4やICチップ3のない部分に、直径、0.6mmの円形貫通孔10を4個/cm2 の密度で、ベースフィルム11に形成した。貫通孔10の形成には、非接触ICタグラベル1面分の開口を形成した抜き型を予め準備しておき、当該抜き型により順次型抜きした。その後、表面保護シート5をラミネートし、ベースフィルム11の背面に粘着剤層8と剥離紙9の加工を行った。粘着剤層8は、アクリル系の粘着剤が10〜12μm塗工されるようにした。その後、35mm×100mmの所定形状に外寸カットし、非接触ICタグラベル1bを完成した。
(比較例1)
貫通孔を形成しない以外は、実施例1と同一条件で非接触ICタグラベルを完成し、比較例1の非接触ICタグラベル1jとした。
(比較例2)
貫通孔を形成しない以外は、実施例2と同一条件で非接触ICタグラベルを完成し、比較例2の非接触ICタグラベル1jとした。
上記実施例1、実施例2の非接触ICタグラベル1a,1bと、比較例1、比較例2の非接触ICタグラベル1jを曲面のあるガラス瓶(直径80mmの円筒状の胴部を有するガラス瓶)の側面(胴部)に被着して経時変化を観察した。
その結果、実施例1、実施例2の非接触ICタグラベル1a,1bは、容易に貼着でき、室温状態で1か月経過後も自然剥離することはなかった。一方、比較例の非接触ICタグラベル1jは、室温で、一け月経過後にラベルの端部(円筒の円周方向端部)に浮き上がりが生じていることが認められた。
なお、実施例1と比較例1の非接触ICタグラベルは、上記ガラス瓶に貼着した状態で、13.56MHzのICタグリーダライタ(株式会社ウェルトキャット製「RCT−200−01」)による読み取り試験を行い、通常のように非接触通信が可能であることが確認できた。また、実施例2と比較例2の非接触ICタグラベルは、上記ガラス瓶に貼着した状態で、902〜928MHzのICタグリーダライタ(シンボルテクノロジー社製「RDR−001」)による読み取り試験を行い、通常のように非接触通信が可能であることが確認できた。
本発明の非接触ICタグラベルの第1形態を示す平面図である。 第1形態の断面図である。 第1形態の変形例の断面図である。 本発明の非接触ICタグラベルの第2形態を示す図である。 従来例の非接触ICタグラベルを示す平面図である。 従来例の非接触ICタグラベルを示す断面図である。
符号の説明
1,1a,1b 非接触ICタグラベル
1j 従来の非接触ICタグラベル
2 ICチップ
3 アンテナコイル
4 ダイポール型アンテナ
5 表面保護シート
6 第2の表面保護シート
7,7a,7b 接着剤層
8 粘着剤層
9 剥離紙
10 貫通孔
11 ベースフィルム



Claims (4)

  1. ベースフィルムの一面側に形成されたアンテナコイルとアンテナコイルに装着したICチップを有し、さらに当該アンテナコイル面に接着した表面保護シートと、ベースフィルムのアンテナコイルとは反対側面に粘着剤層と剥離紙と、を順に有する非接触ICタグラベルであって
    当該ベースフィルムには、複数個の貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔の大きさが、0.5mmから2.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であり、
    前記貫通孔の密度が、0.25個から5個/cm 2 であることを特徴とする非接触ICタグラベル。
  2. ベースフィルムの一面側に形成されたダイポール型アンテナとアンテナに装着したICチップを有し、さらに当該アンテナ面に接着した表面保護シートと、ベースフィルムのアンテナとは反対側面に粘着剤層と剥離紙と、を順に有する非接触ICタグラベルであって
    当該ベースフィルムのダイポール型アンテナの両側には、複数の貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔の大きさが、0.5mmから2.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であり、
    前記貫通孔の密度が、0.25個から5個/cm 2 であることを特徴とする非接触ICタグラベル。
  3. ベースフィルムと表面保護シートとの間に第2の表面保護シートを有し、当該第2の表面保護シートにも貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非接触ICタグラベル。
  4. 前記貫通孔の大きさが、0.5mmから1.0mmの直径の円形または差し渡しの四角形であることを特徴とする請求項1から請求項2記載の非接触ICタグラベル。
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