JP5375649B2 - 非接触icラベル - Google Patents

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本発明は、所定の識別情報が記憶されているICチップと、このICチップと情報読取装置との間で通信ができるようにするための小型のアンテナとを少なくとも具備する非接触IC媒体を有していて、商品やそれを収納している収納体などに貼り付けて使用する非接触ICラベルであって、貼り付けた部分に溶媒を作用させて剥がそうとした際にその痕跡が残ると同時に通信機能が不能となるようにした非接触ICラベルに関する。
近年、高級酒などの比較的高価な商品や電化製品などの消耗品、あるいは偽造されては困る物品など、さらにはそれらを包装したケースなどに、真贋の判定ができるようにしたラベルを貼ることが多くなってきている。
これに対して、不正業者などは、正規物品などに貼り付けられている真贋判定用ラベルと類似のラベルを偽造し、その偽造ラベルを偽造した不正物品や包装体などに貼り付けることにより、不正な販売を行なっている。
そのような状況の下、高いセキュリティ機能を有するICタグを搭載し、偽造がし難いようにしたラベルが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このラベルは、固有の識別情報が記憶されているICチップが埋め込まれているICタグを具備していて、個々の判別が可能であり、偽造することが非常に難しい。
特開2003−150924号公報
しかしながら、上記のようなラベルは、ドライヤーなどの熱を利用して、正規物品に貼り付けられていたものを綺麗に剥がすことが可能であり、ラベル自体を使い回すことが可能である。また、このラベルからICタグのみを取り外すことも可能なことから、偽造したラベルにその取り外したICタグを貼り付けることによって、ICタグを使い回すことが容易にできてしまっていた。そのため、上記したような偽造防止機能を持つラベルを使用しても精度の高い真贋の判定が期待できない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、貼り付けたものに溶媒を作用させて剥がそうとすると、その中の非接触IC媒体の通信機能が不能になるようにした非接触ICラベルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、所定の識別情報が記憶されているICチップと、このICチップと情報読取装置との間で通信ができるようにするための小型のアンテナとを少なくとも具備する非接触IC媒体が、被貼付体に貼り付けるための接着層が基材の一方の面に少なくとも設けられてなるラベル基材に積層して設けられていると共に、非接触IC媒体が積層されている部分の少なくとも一部を覆うように、溶媒が作用することによって導電性を発現する溶媒反応性導電層が設けられていることを特徴とする非接触ICラベルである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非接触ICラベルにおいて、前記溶
媒反応性導電層は、ラベル基材の表面、もしくは、ラベル基材の基材と非接触IC媒体との間、もしくは非接触IC媒体とラベル基材の接着層との間のいずれかに設けられていることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の非接触ICラベルにおいて、前記溶媒反応性導電層は、ナノサイズの金属ナノ粒子、あるいは金属塩を含んでいることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の非接触ICラベルにおいて、前記非接触IC媒体のアンテナが、導電性インキからなるものであることを特徴とする。
本発明の非接触ICラベルは上記のような構成であるので、その一部を構成する接着層の部分で被貼付体に貼り付けたものに溶媒を作用させて剥がそうとすると、溶媒反応性導電層が導電性を示すようになるため、非接触IC媒体の通信機能が失われると共に、通信機能の再生が不可能となる。そのため、非接触IC媒体を使い回すことによってなされる不正行為を有効に防止することができる。
本発明の非接触ICラベルの概略の平面状態を示す説明図である。 図1に示す非接触ICラベルのX−Y線による断面部分における概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の非接触ICラベルの他の実施形態に係る概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の非接触ICラベルのさらに他の実施形態に係る概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の非接触ICラベルに内蔵されている非接触IC媒体の概略の平面状態を示す説明図である。
以下、本発明の非接触ICラベルについて、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の非接触ICラベルA−1の概略の平面状態が示してある。そして、図2には、図1に示す非接触ICラベルA−1のX−Y線による断面部分における概略の断面構成が示してある。図2においては、未使用時には仮接着されている剥離シート6を分離させた状態で示してある。
一方、図3と図4のそれぞれには、本発明の他の実施形態に係る非接触ICラベルA−2、A−3の概略の断面構成が示してある。図3と図4においても図2と同様に、剥離シート26、36は分離させた状態で示してある。
図面からも理解されるように、本発明の非接触ICラベルA−1、A−2、A−3は、所定の識別情報が記憶されているICチップ3、23、33と、このICチップ3、23、33と情報読取装置との間で通信ができるようにするための小型のアンテナ4、24、34とを少なくとも具備する非接触IC媒体7、27、37が、被貼付体に貼り付けるための接着層5、25、35が基材1、21、31の一方の面に設けられてなるラベル基材に積層して設けられていると共に、非接触IC媒体7、27、37が積層されている部分を少なくとも覆うように、溶媒が作用することによって導電性を発現する溶媒反応性導電層2、22、32が設けられている。
図2に示す非接触ICラベルA−1は、その一部を構成する、溶媒が作用することによって導電性を発現する溶媒反応性導電層2が、ラベル基材を構成する基材1の一方の面側に設けられている印刷層10上の一部に、下部に位置する非接触IC媒体7を覆うような状態で設けられている。また、図3に示す非接触ICラベルA−2は、その一部を構成する溶媒反応性導電層22が、ラベル基材を構成する基材21と非接触IC媒体27との間に位置し、下部に位置する非接触IC媒体27を覆うような状態で設けられている。そして、図4に示す非接触ICラベルA−3は、その一部を構成する溶媒反応性導電層32が、非接触IC媒体37とラベル基材を構成する接着層35との間に位置し、非接触IC媒体37を覆うような状態で設けられている。
このような構成の本発明の非接触ICラベルA−1、A−2、A−3のラベル基材の一部を構成する基材1、21、31の構成材料としては、脆性(脆弱性)を有している部材を用いることが好ましい。
具体的には、カオリン、炭酸カルシウムなどの可塑剤を適量混合して脆質化した脆性塩化ビニル、脆性ポリエステルなどからなる合成樹脂フィルムや、セルロースアセテート、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイドなどの高結晶性プラスチック素材を溶液成膜法により成膜したフィルムなどがあげられる。その他の構成材料としては、UV硬化法合成樹脂又はカオリン、炭酸カルシウムなどの粉体を適量混合したUV硬化型合成樹脂を用い、その樹脂薄膜をUV照射により硬化乾燥させて成膜したフィルムなどがあげられる。また、合成繊維からなる不織布、又は、アート紙、コート紙、上質紙などの用紙を用いてもよい。
なお、表面に凹凸がある紙などを用いる場合には、後で詳述する溶媒反応性導電層中の金属ナノ粒子が入り込んだり、浸透してしまい、溶媒が作用したときに溶媒反応性導電層に所期の導電性が得られなくなるので、アンカー層を設けて表面を平滑にしておく必要がある。
このような基材1、21、31の一方の面には、印刷層10、20、30が設けられていて、そこに各種の可視情報が表示されている。そして、基材1、21、31の他方の面には、本発明の非接触ICラベルA−1、A−2、A−3を被貼付体に貼り付けるための接着層5、25、35が粘着材により設けられている。
そして、本発明の非接触ICラベルにおいては、このような基材1、21、31を有するラベル基材非接触IC媒体が積層して設けられている。より具体的には、ラベル基材の接着層の上に(図2、図3参照)、あるいはラベル基材の基材上に(図4参照)積層して設けられている。
一方、基材1、21、31上の接着層5、25、35の上部には、剥離シート6、26、36が被貼着体に貼り付ける際に剥離可能な状態で仮接着されている。上述したように、図2、図3、図4においては、非接触ICラベルの構造が分かり易くなるように、この剥離シート6、26、36は分離させた状態で示してある。
この剥離シート6、26、36としては、例えば、紙製又はプラスチック製のシートにシリコン樹脂などからなる離型剤層がコーティングなどによって積層されてなるセパレータが用いられる。
ラベル基材に積層して設けられている非接触IC媒体7、27、37は、所定の識別情報が記憶されているICチップ3、23、33と、このICチップ3、24、33と情報読取装置との間で通信ができるようにするための小型のアンテナ4、24、34とを少なくとも具備するものであって、駆動電池を持たないパッシブ型のものや、駆動電池を有するアクティブ型のものがある。アクティブ型の場合には、その構造は煩雑化するが、読取
り距離が伸張する効果が出てくる。
図2と図3に示す非接触IC媒体7、27は、帯状に延びるベースフィルム8、28を介してラベル基材の接着層5、25に貼り付けられている。
このような非接触IC媒体は、アルミニウムや銅などの金属、あるいは導電性インキで構成されてなるアンテナ4、24、34と、このアンテナ4、24、34の長手方向の中央部に電気的に接続されて搭載されているICチップ3、23、33とを少なくとも備えている。
アンテナ4、24、34は、帯状に延ばされて形成されているが、例えばダイポール形である場合には、送受信される電波の波長がλであり、アンテナの長手方向の長さがλ/2近傍に設定されていると、送受信効率の良いものが得られる。因みに、送受信される電波の周波数を2.45GHzとすると、ダイポール型アンテナにおける長手方向の最適長さは約50mm〜60mm程度となる。
このようなアンテナ4、24、34を具備する非接触IC媒体7、27、37は、図示しない情報読取装置からの電波をこのアンテナ4、24、35によって受け、その長手方向に生じる電位差をICチップ3、23、33に供給するようになっている。
ICチップ3、23、33は、例えば、正方形状に形成されており、その辺部の長さ寸法が0.4mm程度、高さ寸法が0.1mm程度のものである。なお、辺部の長さ寸法は、これらに限定されるものではなく、適宜なものに設定可能である。
アンテナ4、24、34に電波が照射され、このICチップ3、23、33に電力が供給されると、ICチップ3、23、33は稼動状態となり、情報読取装置からの電波に重畳されて送られてくるタイミング信号やコマンドに合わせて、そこに記憶されている情報を情報読取装置に返送する。そして、情報読取装置はこの再放射の強度を測定することで、ICチップ3、23、33に格納されている情報を読み出す。
なお、送受信される電波の使用周波数がマイクロ波の周波数より低い場合、例えば13.56MHzの場合には、使用するアンテナはダイポールアンテナではなく、コイル状のアンテナであることが好ましい。
本発明の非接触ICラベルにおいては、上記した構成の非接触IC媒体7、27、37を覆うように溶媒が作用することによって導電性を発現する溶媒反応性導電層2、22、32が積層されて設けられている。
この溶媒反応性導電層2、22、32はラベル基材の全面に渡って設けても、パターン状に設けてもよいが、必ず非接触IC媒体を覆うように設けなければならない。
このような構成であると、被貼付体に貼り付けられている本発明の非接触ICラベルを溶媒を作用させて剥がそうとした際に、溶媒反応性導電層2、22、32が溶媒に反応して導電性を示すようになり、アンテナ4、24、34は情報読取装置からの電波を受けられなくなり、ICチップ3、23、33の稼動が停止したり、ICチップ3、23、33からの情報読み出しが正常に行われなくなる。すなわち、非接触ICラベルの破壊や剥離を試みようとした履歴、又は破壊や剥離を試みようとした行為を示唆することができるようになる。また、非接触IC媒体を使い回して行なう不正行為を有効に防止することもできる。
特に、図5に示すような構成の非接触IC媒体57は、そこに設けられているスリット
部45はアンテナ54とICチップ53とのインピーダンスマッチング条件を設定するのに重要な役割を担っているが、この部位をショートさせることによっても通信機能を破壊することができる。従って、このような構成の非接触IC媒体57に対して溶媒反応性導電層をそのICチップ53とこのスリット部51にかかるように設けることにより、より効率的に、より確実に通信機能を破壊する効果が期待できる。
このような溶媒反応性導電層2、22、32の構成材料としては、ナノメートルサイズの金属ナノ粒子、あるいは金属塩が分散されている金属ナノペーストを用いることができる。
金属ナノペーストとしては例えば、銀、銅、金、白金などの金属ナノ粒子のまわりを分散剤(保護物質)で被覆したものを含有する金属ナノペーストを用いることができる。また、分散剤(保護物質)としては、有機系の分散剤などの公知のものを用いることができる。そして、この分散剤(保護物質)を金属ナノ粒子に被覆する方法としては、公知の方法を適宜用いることができる。
このような金属ナノペーストは、常温下においてはナノメートルサイズの非常に細かい金属ナノ粒子が分散している状態であり、その金属ナノ粒子の回りにはそれと固く結合する有機分子が存在しているため、金属ナノ粒子は結合しないで、透明性を有し、導電性は示さない。しかし、アルコールなどの極性溶媒を作用させることによって金属ナノ粒子の周囲にある有機分子が分解して金属ナノ粒子同士が結合してバルク金属に変化するため、その色相が金属色になり、かつ導電性を示すようになる。
金属ナノペースト中の金属ナノ粒子は、平均粒子径が1〜100nm程度の範囲にある微粒子が好ましく用いられるが、さらに成膜性などを考慮すると、1〜50nm程度であることがより好ましい。
また、金属ナノペーストとしては、より具体的には、5nm程度の金属ナノ粒子に保護物質としてドデシルアミンなどのアミン系高分子膜を被覆したものを溶媒に溶解させたものを用いることができる。そして、このような金属ナノペーストを使用し、スクリーン印刷などにより、厚みが0.3〜5μm程度の溶媒反応性導電層を設ければよい。
このようにして設けられた溶媒反応性導電層は、通常の使用状態では導電性を示さないが、アルコールなどの極性溶媒に浸漬させたり、あるいは極性溶媒を吹き付けた場合、室温下において10〜300秒程度で分子膜が崩壊(金属ナノ粒子と分子膜との結合よりも、分子膜が剥離し、かつ、剥離した分散溶媒が極性溶媒に溶解)し、金属ナノ粒子が凝集するため、光沢のある金属色を呈するようになり、電気抵抗値が10−4〜10−5Ω・cm程度まで下がって導電性を示すようになる。
溶媒反応性導電層2、22、32は、上述したような金属ナノペーストを用い、その薄膜をグラビア印刷、フレキソ印刷、あるいはインクジェット印刷などによって非接触IC媒体の積層されている部分を少なくとも覆うように設ければよい。溶媒反応性導電層2、22、32の厚みとしては、1〜5μm程度であることが好ましく、このような厚みの層であると溶媒を作用させることによって導電性を効率よく発現させることができる。
このような金属ナノペーストからなる溶媒反応性導電層2、22、32は、通常の使用状態では導電性を示さないので、通常の運用・管理時にICチップ3、23、33に記録されている情報の読み取りを妨げることはないが、被貼付体からエタノールなどの溶媒を作用させて剥がそうとすると、溶媒反応性導電層2、22、32は導電性を示すようになってしまうため、それまで有していた通信機能を失わせることが可能となる。
またこの溶媒反応性導電層2、22、32を、溶媒を作用させることで金属色に変化す
る金属ナノペーストを用いて形成した場合には、溶媒を作用させた痕跡を目視でも確認できるようになる。
このような構成の溶媒反応性導電層は、前述のとおり非接触IC媒体7、27、37を覆うように設ければよいため、本発明の非接触ICラベル中の積層箇所としては、まず、ラベル基材の一表面上があげられる(図2参照)。このような場合には、溶媒の作用による色変化が目視で簡単に確認できるようになる。2つ目としては、図3に示すように、ラベル基材を構成する基材21と非接触IC媒体27との間があげられる。
そして3つ目としては、図4に示すように、非接触IC媒体37と接着層35との間があげられる。このように、ICチップ33上に溶媒反応性導電層32が設けられると、非接触IC媒体37自体の使い回しも不可能となる。また、溶媒反応性導電層32は、一般的な薄膜形成方法によって設けるようにしてもよいが、ICチップ33上にインクジェット方式で金属ナノペーストを滴下して設けるようにしてもよい。
また非接触IC媒体中のアンテナ4、24、34は、前述したように、導電性インキを用いて印刷によって形成してもよい。その際、図3に示すようにベースフィルム28上に設けるのではなく、図4に示すように基材31上に直接印刷して設けるようにしてもよい。このとき、ICチップとアンテナとの接合方法としては、異方性導電材料などを用いて熱・圧を加えて接合させる方法が取られるため、溶媒反応性導電層は、図4に示すように、非接触IC媒体37と接着層35との間に設けることが好ましい。これにより、ラベル基材の基材31とアンテナ34が強固に固定されて一体化するので、より確実に不正な使い回しを防ぐことができる。
以上説明したように、本発明の非接触ICラベルは、非接触IC媒体を覆うように設けられた溶媒反応性導電層が溶媒の作用によって導電性を示すようになるため、常温下での通常の運用を阻害することはないが、溶媒を作用させて被貼付体から剥がそうとすると、溶媒反応性導電層が導電性を示すようになって、情報読取装置との間での通信ができなくなると共に、その痕跡を確実に残すことができる。
次に、本発明の非接触ICラベルの実施例について説明する。
(実施例1)
厚みが50μmのPET製の基材(幅60mm、長さ39mm)一方の面側に、オフセット印刷により絵柄を印刷した。そして、他方の面側には、銀ペースト(藤倉化成製:ドータイトXA−3106)を用いてスクリーン印刷でアンテナ(厚み4μm)を形成した。そして、このアンテナと金製のバンプを持つICチップとをその間に異方導電性接着剤を介在させて熱圧着することによって積層・一体化させ、非接触IC媒体を作製した。
続いて、非接触IC媒体のICチップ上とその周辺を覆うように、実施例1で用いた金属ナノペーストによりインクジェット印刷方式で薄膜を形成し、溶媒反応性導電層を設けた。最後に、その溶媒反応性導電層上に、12000mN/25mmの粘着力を持つアクリル系の粘着剤を塗布して接着層を設け、さらにその上に、クラフト紙の片面のポリエチレンラミネート層の上にシリコン処理を施してなる剥離シート(厚み112μm)を仮接着して、本発明の実施例2に係る非接触ICラベル2を作製した。
(実施例2)
ラベル基材の一部を構成する、厚みが90μmのアート紙からなる基材(幅60mm、長さ39mm)の一方の面側に、オフセット印刷により絵柄を印刷した。
次に、前記アート紙からなる基材の他方の面側に、銀ペースト(藤倉化成製ドータイトXA−3106)を用いてスクリーン印刷によりアンテナ(厚み4μm)を形成した。そして、このアンテナと金製のバンプを持つ非接触IC媒体とをその接続部分に異方導電性接着剤を介在させながら熱圧着することによって一体化させ、基材上に非接触IC媒体を積層した。
そして最後に、非接触IC媒体のICチップを覆うようにインクジェットにより銀ナノペーストの薄膜をパターン状に塗布し、厚みが1μmの溶媒反応性導電層を設け、しかる後にその上に粘着材からなるパターン状の接着層と剥離シートとを順次積層して、本発明の実施例2に係る非接触ICラベル2を作製した。
以下に、本発明の比較例を説明する。
(比較例1)
ラベル基材の一部を構成する、厚みが90μmのアート紙(基材)の一方の面上には絵柄を印刷し、他方の面には接着層とエッチングアンテナを持つ非接触IC媒体(ICタグ)を積層させて、比較例に係る非接触ICラベル3を作製した。
このようにして作製した実施例1、2及び比較例1に係る非接触ICラベル1、2、3を、商品が内蔵されたボックスに貼り付け、情報読取装置を用いてIDの読み取りを行なった。その後、エタノールを用いて、非接触ICラベル1、2、3をボックスから慎重に剥がした。
いずれの非接触ICラベルも溶剤が作用することによって粘着材がやわらかくなるため、接着層との間にカッターをいれて剥がすことができた。
そして、剥がされた非接触ICラベル1は、目視にて銀ナノペーストの色変化(透明から銀色)を確認することができた。そして、情報読取装置を用いてIDを読み取ろうとしたが、読み取ることができなかった。このとき、銀ナノペーストからなる溶媒反応性導電層の抵抗値は8×10−5Ωであった。
また、非接触ICラベル2は、接着層がパターン状に形成されているが、剥がす際に裏面の接着層を狙って溶媒をかけた場合でも、接着層がない箇所から溶媒反応性導電層にエタノールが浸透して、非接触ICラベル1と同様な結果が得られた。また、非接触ICラベル2は、ラベル基材の基材と非接触IC媒体が一体化しているため、非接触IC媒体自体も再生不可能であり、使い回すことができないことが分かった。
それに対し、比較例1の非接触ICラベル3は、色変化が生じることはなく、また情報読取装置を用いてIDを読み取ることも可能であり、非接触IC媒体の使い回しができてしまうことが分かった。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
A−1、A−2、A−3・・非接触ICラベル
1、21、31・・基材
10、20、30・・印刷層
2、22、32・・溶媒反応性導電層
3、23、33・・ICチップ
4、24、34・・アンテナ
5、25、35・・接着層
6、26、36・・剥離シート
7、27、37・・非接触IC媒体
8、28・・ベースフィルム

Claims (4)

  1. 所定の識別情報が記憶されているICチップと、このICチップと情報読取装置との間で通信ができるようにするための小型のアンテナとを少なくとも具備する非接触IC媒体が、被貼付体に貼り付けるための接着層が基材の一方の面に少なくとも設けられてなるラベル基材に積層して設けられていると共に、非接触IC媒体が積層されている部分の少なくとも一部を覆うように、溶媒が作用することによって導電性を発現する溶媒反応性導電層が設けられていることを特徴とする非接触ICラベル。
  2. 前記溶媒反応性導電層は、ラベル基材の表面、もしくは、ラベル基材の基材と非接触IC媒体との間、もしくは非接触IC媒体とラベル基材の接着層との間のいずれかに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICラベル。
  3. 前記溶媒反応性導電層は、ナノサイズの金属ナノ粒子、あるいは金属塩を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触ICラベル。
  4. 前記非接触IC媒体のアンテナが、導電性インキからなるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の非接触ICラベル。
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