JP4895815B2 - 半導体装置及びワード線昇圧方法 - Google Patents

半導体装置及びワード線昇圧方法 Download PDF

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Description

本発明は半導体装置及びワード線昇圧方法に関する。より詳細には選択されたワード線の昇圧方法に関する。
半導体装置に記憶したデータを読み出す際に、電源電圧よりも高い電圧を必要とする場合がある。例えば、3Vの電源電圧を使用するフラッシュメモリでは、データの読み出し時にゲートに5Vの電圧を印加する必要がある。このため、電源電圧を昇圧してゲート電圧を発生する昇圧回路が必要となる。
フラッシュメモリの場合、データの読み出しに要する時間は100ナノ秒程度なので、昇圧は20〜30ナノ秒程度で完了しなければならない。このためフラッシュメモリの昇圧回路としてブースタ回路が主に用いられている。ブースタ回路は、クロック信号とは異なる制御信号により目的の電圧まで急速に昇圧する回路である。
図1を参照しながらデータ読み出し時の昇圧動作について説明する。図1には、電圧を供給する電圧発生回路11と、電圧発生回路11からの電圧を選択的にワード線(WL)に供給するXデコーダ6とが示されている。読み出しが始まると、図1に示すスイッチ25をオンして、ノードAに電源電圧Vcc(26)が接続される。これにより選択されたワード線(WL)やXデコーダ6に接続しているノードAが図2に示すようにVccレベルまで充電される。
ブースタ回路20は、図1に示すようにパルス発生回路21と、昇圧用キャパシタ22とを有し、パルス発生回路21が昇圧用キャパシタ22を介してノードAに接続されている。ノードAがVccまで充電されると、スイッチ25を開いてノードAを電源電圧Vcc(26)から切り離し、ブースタ回路20内のパルス発生回路21から正パルスを発生させる。図2にパルス発生回路21と昇圧用キャパシタ22とを接続するノードBの電圧を示す。昇圧用キャパシタ22にパルス発生回路21からの正パルスを1パルス印加すると、昇圧用キャパシタ22の容量結合によってノードAはVccより高いレベルに持ち上げられる。この昇圧された電圧、例えば5Vを選択されたメモリセルのゲートに印加する。
特許文献1には、昇圧電圧の電源電圧変動及び温度変動を補償した昇圧回路を有する半導体記憶装置が開示されている。
特開2001−35174号公報
パルス発生回路21が正パルスを発生している間は、ブースタ回路20により昇圧されたワード線(WL)は昇圧されたレベルを保つが、実際には、Xデコーダ6には、微小なリーク電流が発生するため、図2に示すように時間が経過するとノードAの電圧レベルは次第にダウンしていく。
1つのメモリセルからデータを読み出すだけであれば短時間なので電圧レベルのダウンは問題とはならないが、バースト読み出しのように1つのワード線(WL)を長時間昇圧し続けなけれならない場合にはこのノードAの電圧ダウンが問題となる。特許文献1はこのような問題、及びこの問題の解決手段について開示していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、読み出しの期間中、電源電圧よりも高い電圧を選択されたワード線に供給することができる半導体装置及びワード線昇圧方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の半導体装置は、選択された線を電源電圧よりも高い第1の所定電圧に昇圧するブースタ回路と、昇圧された前記線の電圧を前記所定電圧に保持するチャージポンプ回路とを有する構成としている。ブースタ回路による昇圧は、時間の経過と共に電圧レベルが低下するがチャージポンプを設けて昇圧された線の電圧を保持することで、選択された線のレベルダウンを防ぎ、メモリセルへの書き込みや読み出しを正しく行うことができる。なお、以下、選択された線がワード線の場合について説明する。
上記の半導体装置において、前記チャージポンプ回路は、前記ブースタ回路の昇圧するノードに第1のダイオードを介して接続した構成とすることができる。ブースタ回路の昇圧するノードに第1のダイオードを介してチャージポンプを接続することで、チャージポンプ回路が昇圧するノードの電圧を下げてしまうことがない。
上記の半導体装置において、アドレス情報がデコード処理されると、前記ブースタ回路と前記チャージポンプ回路とに動作の開始を指示する信号を出力するアドレストランジション検出回路を有する構成とすることができる。このように構成することで、ブースタ回路とチャージポンプ回路とに昇圧を開始するタイミングを通知することができる。
上記の半導体装置において、前記チャージポンプ回路は、前記電源電圧を昇圧する複数のブースト段を有し、前記ブースト段間の内部ノードは順次チャージされる構成とすることができる。このような構成のチャージポンプ回路を用いることで、電源電圧が低い場合にもチャージポンプ回路による昇圧で所望の昇圧電圧を得ることができる。
上記の半導体装置において、前記ブースタ回路は、複数の昇圧回路を多段接続した多段ブースタ回路を有する構成することができる。このような構成のブースタ回路を用いることで、電源電圧が低い場合にもブースタ回路による昇圧で所望の昇圧電圧を得ることができる。
上記の半導体装置において、前記チャージポンプ回路は、前記ワード線に接続された複数のメモリセルを連続的に選択するデータの連続読み出し期間中、前記ワード線を前記所定電圧に保持する構成とすることができる。ワード線に接続された複数のメモリセルを連続的に選択する期間中、ワード線の電圧が低下することがなく、複数のメモリセルからデータを連続的に読み出すことができる。
上記の半導体装置において、前記ブースタ回路は、前記アドレストランジション検出回路が出力する1つのパルス信号によって前記所定電圧を生成するとよい。ブースタ回路は、アドレストランジション検出回路が出力する1つのパルス信号によって所定電圧を生成するので、アドレスの変化を検出してワード線を所定電圧に保持することができる。
上記の半導体装置において、前記チャージポンプ回路は、クロック信号によって駆動され、前記所定電圧を保持するとよい。チャージポンプ回路の駆動をクロック信号によって制御することができる。
上記の半導体装置において、前記ブースタ回路及び前記チャージポンプ回路はそれぞれキャパシタを含み、前記ブースタ回路のキャパシタは前記チャージポンプ回路のキャパシタよりも大きいとよい。従って、必要以上に回路面積が大きくなることがない。
本発明のワード線昇圧方法は、選択されたワード線を電源電圧よりも高い所定電圧に昇圧するステップと、昇圧された前記ワード線の電圧を前記所定電圧に保持するステップとを有している。昇圧するステップで昇圧した電圧が、時間の経過と共に電圧レベルが低下しても所定電圧に保持するステップを設けたことでワード線のレベルダウンを防ぎ、メモリセルへの書き込みや読み出しを正しく行うことができる。
上記の半導体装置において、前記チャージポンプ回路と前記第1のダイオードとの間のチャージポンプ出力ノードに接続し、前記チャージポンプ出力ノードを第2の所定の電圧に保持するレギュレーション回路を有する構成とすることができる。このような構成により、チャージポンプ出力ノードを所定の電圧に保持することができる。
上記の半導体装置において、前記レギュレーション回路は第2のダイオードを介して前記チャージポンプ出力ノードに接続する構成とすることができる。このような構成により、チャージポンプ出力ノードをレギュレーション回路の電圧に第2のダイオードのしきい値電圧を付加した電圧に保持することができる。
上記の半導体装置において、前記第2のダイオードの順方向しきい値電圧は前記第1のダイオードと実質的に同じである構成とすることができる。このような構成により、製造工程の揺らぎによるブースタ回路の昇圧するノードの電圧の揺らぎを抑制することができる。
上記の半導体装置において、前記レギュレーション回路は前記第2のダイオードと前記レギュレーション回路との間のノードを、前記第1の所定電圧と実質的に同じ電圧に保持する構成とすることができる。このような構成により、製造工程の揺らぎによるブースタ回路の昇圧するノードの電圧の揺らぎを一層抑制することができる。
本発明は、読み出しの期間中、選択されたワード線に電源電圧よりも高い電圧を供給することができる。
従来の電圧発生回路の構成を示す図である。 電圧発生回路内のノードA,Bの電圧波形を示す図である。 半導体装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の電圧発生回路の構成を示す図である。 電圧発生回路内のノードの電圧波形を示す図である。 チャージポンプ回路の構成を示す図である。 チャージポンプ回路23に入力されるパルスΦ1、Φ2の波形を示す図である。 2段ブースタ回路の構成を示す図である。 2段ブースタ回路内のノードの電圧波形を示す図である。 2段ブースタ回路内のレベルシフタの構成を示す図である。 実施例2のレギュレーション回路の構成を示す図である。 図12(A)は実施例2のダイオードのしきい値電圧が0.7Vの場合の各ノードの電圧波形を示す図であり、図12(B)はダイオードのしきい値電圧が0.6Vの場合の各ノードの電圧波形を示す図である。
次に添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
図3に半導体装置1の全体構成を示す。半導体装置1は、図3に示すように制御回路2、入出力バッファ3、セルアレイ部4、アドレスバッファ5、Xデコーダ6、Yデコーダ7、Yゲート8、チップイネーブル/出力イネーブル回路9、データラッチ/センスアンプ10、電圧発生回路11、アドレストランジション検出回路(以下、ATD回路と表記する)12を備えている。この半導体装置1は単独でパッケージされたフラッシュメモリ等の半導体記憶装置であってもよいし、システムLSIのように半導体装置の一部として組み込まれたものであってもよい。
制御回路2は、コマンドレジスタを内蔵し、外部から供給されるチップイネーブル信号CEや書き込みイネーブル信号WEに同期して動作すると共に、外部から供給されるコマンドに応じたタイミング信号を生成し、各部に出力する。
入出力バッファ3は、外部からデータを受け取り、このデータを制御回路2およびデータラッチ/センスアンプ10に供給する。
セルアレイ部4は、ワード線WLに接続されたコントロールゲートと、ビット線BLに接続されたドレインと、ソース線に接続されたソースと、電荷を蓄える層として多結晶シリコンからなるフローティングゲートとを含む不揮発性のメモリセルMCを有し、このメモリセルMCが複数個マトリックス状に配置されている。
データ読み出し時には、活性化したワード線で指定されるメモリセルからのデータがビット線に読み出される。書き込み(以下、プログラムと呼ぶ)或いはイレーズ時には、ワード線及びビット線をそれぞれの動作に応じた適当な電位に設定することで、メモリセルに対する電荷注入或いは電荷抜き取りの動作を実行する。
アドレスバッファ5は、外部から供給されるアドレス情報をラッチし、Xデコーダ6及びYデコーダ7に供給する。
Xデコーダ6は、データ書込み時、消去時および読出し時に、それぞれのアドレスに基づいて複数のワード線WLを選択駆動する。ワード線には、電圧発生回路11からの高電圧が供給される。Yデコーダ7は、アドレス信号が示しているY方向のアドレスを特定し、対応するYゲート内のトランジスタをオンさせる。
Yゲート8は、デコードアドレス信号に基づいて、読み出し時にはセルアレイ部4のビット線BLを選択的にデータラッチ/センスアンプ10のセンスアンプに接続する。また書き込み時にはビット線BLを選択的にデータラッチ/センスアンプ10のデータラッチに接続する。これによりセルアレイ部4のメモリセルMCに対するデータの読み出し/書き込み経路が確立される。
チップイネーブル/出力イネーブル回路9は、チップイネーブル信号CEを受けてYデコーダ7を活性化し、出力イネーブル信号OEを受けて入出力バッファ3を活性化する。
データラッチ/センスアンプ10は、書き込み時には入出力バッファ3からのデータをラッチする。データラッチ/センスアンプ10にラッチされたデータは、Yゲート8によって選択されたビット線に出力される。またデータラッチ/センスアンプ10は、読み出し時にはビット線に読み出されたデータを増幅し、デジタルレベルとして取り扱いが可能になるレベルにまで増幅する。
またデータラッチ/センスアンプ10は、セルアレイ部4から読み出したデータの判定を行う。Xデコーダ6及びYデコーダ7による指定に応じてセルアレイ部4から供給されるデータの電流を基準電流と比較することで、データが0であるのか1であるのかを判定する。基準電流は図示しないリファレンスセルから供給される電流である。判定結果は読み出しデータとして、入出力バッファ3に供給される。
電圧発生回路11には、ブースタ回路20、チャージポンプ回路23などが備えられている。電圧発生回路11については後ほど詳述する。
ATD回路12は、アドレス信号の変化を検出すると、電圧発生回路11内のパルス発生回路21、チャージポンプ回路23にATD信号を出力する。
図4を参照しながら電圧発生回路11の構成について説明する。Xデコーダ6と電圧発生回路11とを接続するノードAには、ノードAを電源電圧Vccにチャージする電源Vcc(26)と、ノードAを昇圧するブースタ回路20と、ノードAの昇圧レベルのダウンを防ぐチャージポンプ回路23とが接続されている。電源Vcc(26)は、スイッチ25を介してノードAに接続され、チャージポンプ回路23は、ダイオード24(第1のダイオード)を介してノードAに接続されている。
チャージポンプ回路23は、チャージポンプ回路23とダイオード24とを接続するノードCを所定電圧にチャージする。本実施例では、ダイオードのしきい値電圧を0.7Vとして、ノードAよりも0.7V電位の高い5.7Vにチャージする。また、ダイオード24は、アノード側をチャージポンプ回路23に、カソード側をノードAに接続している。
ブースタ回路20は、図1に示すようにパルス発生回路21と、昇圧用キャパシタ22とを有し、パルス発生回路21が昇圧用キャパシタ22を介してノードAに接続されている。ノードAからは、読み出し電圧である5.0Vがワード線に供給される。
チャージポンプ回路23とパルス発生回路21には、ATD回路12からのATD信号が入力される。
図5に示す電圧発生回路11内の各ノードの電圧波形図を参照しながら、電圧発生回路11の動作を説明する。なお、ノードA〜Cは、予め、Vssにリセットされている。ATD回路12がアドレスの変化を検出すると、ATD信号をパルス発生回路21とチャージポンプ回路23に出力する(図5に示す(a))。メモリセルMCからの読み出し動作が開始されると、選択されたワード線(WL)とノードAとがXデコーダ6により接続される。同時にスイッチ25が閉じ、ノードAに電源電圧Vccが接続され、ノードAはVccレベルまで充電される(図5に示す(b))。Vccレベルに充電した後は、スイッチ25を開けてノードAを電源電圧Vcc(26)から切り離す。
ブースタ回路20内の昇圧用キャパシタ22も電源Vcc(26)によって電源電圧Vccに充電されている。この状態で、昇圧用キャパシタ22にパルス発生回路21からの正パルスを1パルス印加すると、昇圧用キャパシタ22の容量結合によってノードAはVccより高いレベルに持ち上げられる(図5に示す(c))。この昇圧時間は、高速なリードを可能とするため十分短くなるよう、昇圧用キャパシタ22及びそれを駆動するパルス発生回路21の能力は十分大きなものとなっている。なお、以下では、Vccレベルを3V、ブースタ回路20によって昇圧された電圧(第1の所定電圧)を5Vとして説明を行うが、これに限定されるものではない。
ATD回路12からのATD信号を入力して動作を開始したチャージポンプ回路23は、所定の電圧レベルに達するまで1マイクロ秒程度必要とする(図5に示す(d))。このためブースタ回路20により昇圧されたノードAよりノードCのほうが電圧が低い期間が存在するが、ダイオード24には逆バイアスとなるためノードAからノードCへ電流は流れず、ノードAの電位に変動は生じない。
チャージポンプ回路23の出力が所定の電圧レベルに達した後(図5に示す(d))、ブースタ回路20によってノードAが5Vを保っている間は、ノードAとノードCの電位差は0.7Vであるためダイオード24に電流は流れない。ブースタ回路20による昇圧を開始してから時間が経過すると、徐々にノードAの電圧レベルが低下し、5.0Vを下回ろうとする。しかし、ノードCは5.7Vを保っているので、ダイオード24の電位差が0.7Vを超え、ノードCからノードAへ電流が流れる。これによりノードAの電位が上昇しようとし、ノードAの電圧は一定に保持される。ここで、図5に示す(d)以降でノードCの電位に微少な振動があるのは、後述するようにノードCの電位を一定に保つレギュレーション回路の動作のためである。そのレギュレーション回路の動作によりノードCの電圧レベルが低下した場合(図5に示す(e))においても、ノードAはダイオード24がノードAからノードCに向かって逆方向接続されているためにフローティング状態にあり、ノードAの電圧は一定に保持される。以上のように、ノードAの電圧レベルは5.0Vに保持される。
ブースタ回路20による昇圧は、時間の経過と共に電圧レベルが低下するがチャージポンプ回路23を設けてワード線の電圧を保持することで、ワード線のレベルダウンを防ぎ、メモリセルへの書き込みや読み出しを正しく行うことができる。
次に、図6を参照しながらチャージポンプ回路23の詳細を説明する。チャージポンプ回路23は、トランジスタ35と、複数のブースト段30〜30を有する。第1のブースト段30の入力側には、トランジスタ35を介して電源電圧Vccが接続され、第nのブースト段30の出力側には、図4に示すノードCが接続されている。1つのブースト段は、2つのダイオードD31,D32と、1つのキャパシタC33とからなる。ダイオードD31,D32は、例えばダイオード接続したトランジスタで構成される。キャパシタC33の一端はそれぞれダイオードD31を介して電源電圧Vcc−Vth(Vthはダイオードの順方向降下電圧)にプリチャージされている。キャパシタC33の他端にはクロック信号Φ1、Φ2が印加されている。クロック信号Φ1とΦ2は、図6に示すクロック生成回路35で生成される相補信号である。図7にクロック信号Φ1、Φ2の波形を示す。クロック信号Φ1がハイレベル(例えば3V)に立ち上がると、キャパシタC33がブーストされ、ここにチャージされていた電荷がダイオードD32を介して次段のキャパシタC33にチャージされる。次に、クロック信号Φ1がローレベルに立ち下がり、同時にクロック信号Φ2がハイレベルに立ち上がると、次段のキャパシタC33がブーストされ、ここにチャージされていた電荷がダイオードD32を介してさらに次段のキャパシタC33にチャージされる。以下、この動作を繰り返すことで出力電圧は次第に上昇し、最終的に昇圧電圧を出力する。
図5を再び参照すると、チャージポンプ回路23による昇圧時間は、ブースタ回路20による昇圧時間よりも長くなっている。チャージポンプ回路23は、先にブースタ回路20によって昇圧した電位を保持できれば良いため、高速動作は必要ではない。よって、同回路内のキャパシタC33及びそれを駆動する、クロック生成回路35の能力は、ブースタ回路20のそれらよりも小さく設定される。これにより、必要以上に回路面積が大きくなることがない。
次にノードCの電圧を一定に保つレギュレーション回路40について説明する。図6に示すようにレギュレーション回路40は、ノードCに接続した配線にnMOSトランジスタ41とnMOSトランジスタ42とが直列に接続されている。nMOSトランジスタ41のゲートは、電源電圧Vccに接続され、nMOSトランジスタ42のゲートはコンパレータ43の出力を入力している。またノードCに接続した配線には、コンデンサ44と45とが直列に接続されている。コンデンサ44と45とを直列に接続し、ノードCの電圧を所定の比率に分圧している。コンパレータ43は、コンデンサ44と45の分圧値と基準電圧とを比較し、分圧値が基準電圧を超えると(つまり、ノードCの電圧が5.7Vよりも高くなると)、ハイレベルの信号をnMOSトランジスタ42のゲートに出力する。これによりノードCの電圧レベルが下げられる。また分圧値が基準電圧を下回ると(つまり、ノードCの電圧が5.7Vよりも低くなると)、ローレベルの信号をnMOSトランジスタ42のゲートに出力し、nMOSトランジスタ42はオフする。レギュレーション回路40は、このような動作によりノードCの電圧を所定電圧(5.7V)に保持している。図5に示したノードCの微少な振動はこのレギュレーション回路40の動作に起因している。
このような構成のチャージポンプ回路23を用いることで、電源電圧が低い場合にもチャージポンプ回路による昇圧で所望の昇圧電圧を得ることができる
次に、図8を参照しながらブースタ回路20の他の構成を説明する。図8に示すブースタ回路20は、第1ブースタ回路50と第2ブースタ回路60とからなる。第1ブースタ回路50には、pチャネル型MOSトランジスタ(以下、pMOSトランジスタと表記する)52と、nチャネル型MOSトランジスタ(以下、nMOSトランジスタと表記する)53とからなるCMOSスイッチ51と、レベルシフタ54と、昇圧用キャパシタC55と、pMOSトランジスタ56とからなる。第2ブースタ回路60も同様に、pMOSトランジスタ62とnMOSトランジスタ63とからなるCMOSスイッチ61と、レベルシフタ64と、pMOSトランジスタ66と、昇圧用キャパシタ65とからなる。
図9に示す信号波形図を参照しながらブースタ回路20の動作を説明する。読み出されるアドレス情報が変わりATD信号がハイレベルになると、ハイレベルのkickB信号が第1ブースタ回路50、第2ブースタ回路60に入力される。このkickB信号は、パルス発生回路21から出力される信号である。
ハイレベルのkickB信号が入力されると、CMOSスイッチ51、61のnMOSトランジスタ53、63がオンする。これによりノードD,Fはローレベルになる。ノードD,Fがローレベルに設定されることで、レベルシフタ54、64はpMOSトランジスタ56、66のゲートにローレベルの電圧を印加する。従って、pMOSトランジスタ56、66はオンし、ノードE,GをVccにチャージする。
次に、KickB信号がATD信号の立下りに応じてローレベルになると、まずCMOSスイッチ51のpMOSトランジスタ52がオンする。KickB信号を遅延素子67、68で遅延させた信号が第2ブースタ回路60には入力されるためである。これにより、ノードFはノードEと等電位のVccにチャージされる。従って、キャパシタC55に正パルスが印加され、このキャパシタC55の容量結合によりノードGは図9に示すようにVccよりも高いレベルに昇圧される。同時に、第1ブースタ回路50のpMOSトランジスタ56は、レベルシフタ54からの出力を受けてOFFされる。本実施例では、Vccを3V、Vccよりも高いレベルの電圧を5Vとして説明する。
また、遅延素子67、68で遅延をとったKickB信号を入力した第2ブースタ回路60は、このKickB信号のローレベルを入力して、pMOSトランジスタ62がONする。これにより、図9に示すようにノードDがVccにチャージされ、キャパシタC65に正パルスが印加される。このキャパシタC65の容量結合によりノードEは図9に示すようにVccよりも高い電位に昇圧される。この昇圧された電圧がpMOSトランジスタ52を介してノードFに供給され、第1ブースタ回路50のキャパシタ55を駆動する。すなわち、ノードGは、キャパシタ55の容量結合によって5Vよりもさらに高い(5+α)Vに昇圧される(図9参照)。
ここで、図10を参照しながら第1ブースタ回路50、第2ブースタ回路60のレベルシフタ54、64について説明する。レベルシフタ54、64は、入力がVss〜Vccの振幅に対し、出力をVss〜高電圧の振幅に変換する回路である。レベルシフタ54、64は、図10に示すように、pMOSトランジスタ70、71と、nMOSトランジスタ72、73、74と、インバータ75とを有している。なお、レベルシフタ54のpMOSトランジスタ70、71のソースには、図9に示すノードGの電圧が印加されており、レベルシフタ64のpMOSトランジスタ70、71のソースには、図9に示すノードEの電圧が印加されている。また、レベルシフタ54の入力端子はノードFに接続され、出力端子は図9に示すpMOSトランジスタ56のゲートに接続されている。同様にレベルシフタ64の入力端子はノードDに接続され、出力端子は図9に示すpMOSトランジスタ66のゲートに接続されている。
レベルシフタ54、64の入力端子に印加される電圧がハイレベル(Vcc)になると、インバータ75によってnMOSトランジスタ74はオフになる。nMOSトランジスタ72,73のゲートには常に電源電圧Vccが印加されているので、常にオンしている。これにより、pMOSトランジスタ71がオンして、pMOSトランジスタ70はオフする。このためpMOSトランジスタ71のソースに接続したノードE,Gの電圧に等しい電圧が出力端に出力される。従って、pMOSトランジスタ56、66のゲートにはノードE,Gの電圧変化に従って、VccからVcc+αの電圧が印加される。
レベルシフタ54、64の入力端子に印加される電圧がローレベル(Vss)になると、nMOSトランジスタ73、74がオンし、nMOSトランジスタ72がオフになる。nMOSトランジスタ72のソースには、インバータ75によってハイレベルの電圧が印加されるため、nMOSトランジスタ72にはほとんど電流が流れない。これによりpMOSトランジスタ70がオンし、pMOSトランジスタ71がオフする。このため出力端子は、ローレベルとなる。従って、pMOSトランジスタ56、66のゲートにはローレベル(Vss)の電圧が印加される。
このような構成のブースタ回路を用いることで、電源電圧が低い場合にもブースタ回路による昇圧で所望の昇圧電圧を得ることができる。
実施例2はレギュレーション回路とチャージポンプ回路の出力ノードの間にダイオードを付加した例である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。一般に、製造工程の揺らぎにより、ダイオードのVthはウエハ毎にばらつくことがある。従って、実施例1において、ダイオード24のVthが0.7VであるとみなしてノードCを5.7Vにレギュレーションしても、ノードAにおいて所望の電位(5.0V)が得られないことがある。例えば、ウエハ製造後にダイオード24のVthが0.6Vであると、ノードAの電位は5.1Vとなり、所望の電位とは多少の差違が生じることになる。そこで、実施例2ではノードAにより正確な電位が生成される。図11は、チャージポンプ回路30とレギュレーション回路40aを示した回路図である。チャージポンプ回路30の構成は実施例1の図6と同じであり説明を省略する。ノードC(チャージポンプ出力ノード)にダイオード48(第2のダイオード)を介しレギュレーション回路40aが接続している。ダイオード48は、アノードがノードC側、カソードがレギュレーション回路40a側に接続する。ダイオード48は、トランジスタをダイオード接続した構造、すなわち、一のソース/ドレイン端子とゲート端子とを短絡した構造であり、図4のダイオード24と同じ構造および寸法を有する。レギュレーション回路40aは実施例1の図5のレギュレーション回路に対し、nMOSトランジスタ41接続していない。その他の構成は図5と同じであり説明を省略する。ここで、ダイオード48とレギュレーション回路40aとの間のノードをノードC´とする。
図12を用い、実施例2の動作について説明する。図12(A)と図12(B)はそれぞれ、ダイオード24およびダイオード48の順方向しきい値電圧Vthがともに0.7Vの場合および0.6Vの場合のノードA、CおよびC´の電圧を示している。図12(A)を参照に、ATD信号がハイレベルになる(図中(a))と、レギュレーション回路40aはノードC´を5.0V(これは、ノードAの保持すべき電圧と同じである)に保持するように制御する。そうすると、ノードCの電圧が5.7Vに達した(図中(c))後、ノードCの電圧が、5.7Vを超えると、ノードCの電荷はレギュレーション回路40aに流れ、ノードCを5.7Vに保持しようとする。ノードAは図4のダイオード24によりダイオードのしきい値電圧分低くなる。すなわち、ノードAの電圧はノードCの電圧より0.7Vシフトし、5.0Vとなる。
図12(B)を参照に、ダイオード24およびダイオード48のしきい値電圧Vthが0.6Vとなったときも、ノードCは5.6Vに保持され、ノードAは5.0Vに保持される。
実施例2によれば、チャージポンプ回路30とダイオード24(第1のダイオード)の間のノードC(チャージポンプ出力ノード)に接続し、ノードCを所定の電圧(第2の所定電圧)に保持するレギュレーション回路40aを有する。これにより、ノードCを所定の電圧(例えば5.7V)に保持することができる。
レギュレーション回路40aはダイオード48(第2のダイオード)を介してノードCに接続している。これにより、ノードCをノードC´の電圧にダイオード48のしきい値電圧を付加した電圧に保持することができる。
ダイオード48は、ダイオード24と同じ構造・寸法を有する。よって、製造工程の揺らぎによりダイオード24のしきい値電圧が変化した場合であっても、ダイオード24のしきい値電圧とダイオード48のしきい値電圧とは実質的に同じとなる。これにより、ノードCとノードAとの電圧シフトとノードCとノードC´との電圧シフトとはほとんど同じとなる、よって、製造工程の揺らぎによるノードAの電圧の揺らぎを抑制することができる。
レギュレーション回路40aはノードC´を、ノードAと実質的に同じ電圧(5.0V)に保持している。これにより、製造工程の揺らぎによりダイオード24のしきい値電圧が、変化した場合であっても、ノードAの電圧をノードC´の電圧とほぼ同じ電圧に保持することができる。よって、ノードAの電圧の揺らぎを一層抑制することができる。
実施例1および実施例2の説明はワード線の昇圧に関するものであったが、本発明はワード線以外の線の昇圧にも適用できる。
なお、上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但しこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。

Claims (12)

  1. 選択された線を電源電圧よりも高い第1の所定電圧に昇圧するブースタ回路と、
    昇圧された前記線の電圧を前記第1の所定電圧に保持するチャージポンプ回路とを有し、
    前記チャージポンプ回路は、前記ブースタ回路の昇圧するノードに第1のダイオードを介して接続しており、
    前記チャージポンプ回路と前記第1のダイオードとの間のチャージポンプ出力ノードに接続し、前記チャージポンプ出力ノードを第2の所定電圧に保持するレギュレーション回路を有し、
    前記レギュレーション回路は第2のダイオードを介して前記チャージポンプ出力ノードに接続し、
    前記第2のダイオードと前記第1のダイオードとの構造、寸法は同じである、半導体装置。
  2. アドレス情報が変化すると、前記ブースタ回路と前記チャージポンプ回路とに動作の開始を指示する信号を出力するアドレストランジション検出回路を有する、請求項記載の半導体装置。
  3. 前記チャージポンプ回路は、前記電源電圧を昇圧する複数のブースト段を有し、
    前記ブースト段間のノードは順次チャージされる、請求項記載の半導体装置。
  4. 前記ブースタ回路は、複数の昇圧回路を多段接続した多段ブースタ回路を有する、請求項記載の半導体装置。
  5. 前記チャージポンプ回路は、前記選択された線に接続された複数のメモリセルを連続的に選択するデータの連続読み出し期間中、前記選択された線を前記第1の所定電圧に保持する、請求項記載の半導体装置。
  6. 前記ブースタ回路は、前記アドレストランジション検出回路が出力する1つのパルス信号によって前記第1の所定電圧を生成する、請求項2に記載の半導体装置。
  7. 前記チャージポンプ回路はクロック信号によって駆動され、前記選択された線を前記第1の所定電圧を保持する、請求項記載の半導体装置。
  8. 前記ブースタ回路及び前記チャージポンプ回路はそれぞれキャパシタを含み、前記ブースタ回路のキャパシタは前記チャージポンプ回路のキャパシタよりも大きい、請求項記載の半導体装置。
  9. 前記線はワード線である請求項1記載の半導体装置。
  10. 選択された線をブースタ回路によって電源電圧よりも高い第1の所定電圧に昇圧するステップと、
    昇圧された前記線の電圧をチャージポンプ回路により第1のダイオードを介して前記第1の所定電圧に保持するステップとを有し、
    前記チャージポンプ回路と前記第1のダイオードとの間のチャージポンプ出力ノードに接続し、前記チャージポンプ出力ノードを第2の所定電圧に保持するレギュレーション回路を有し、
    前記レギュレーション回路は第2のダイオードを介して前記チャージポンプ出力ノードに接続し、
    前記第2のダイオードと前記第1のダイオードとの構造、寸法は同じである、昇圧方法。
  11. 前記第2のダイオードの順方向しきい値電圧は前記第1のダイオードと実質的に同じである請求項1に記載の半導体装置。
  12. 前記レギュレーション回路は前記第2のダイオードと前記レギュレーション回路との間のノードを、前記第1の所定電圧に保持する請求項11に記載の半導体装置。
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