JP4888766B2 - 多官能化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多官能化合物の製造方法に関する。詳細には、光記録材料、光導波路材料、光配向膜材料等として用いることが可能な、高機能を有する多官能化合物を簡便に製造する方法に関する。
外部電場を必要としないホログラム記録材料として、アゾベンゼン骨格を有する有機材料が知られている。ホログラム記録にはアゾベンゼン骨格の光異性化反応が重要な役割を果たす。このような材料を用いた膜に直線偏光を照射すると、トランス−シス−トランスの異性化サイクルによって、アゾベンゼン骨格の再配向が生ずる。
アゾベンゼン骨格は、p−p遷移に対応する光を吸収して熱的に安定なトランス体からシス体へと励起され、屈折率変調を起こすが、光励起によって生じたシス体は熱緩和によって自発的にトランス体へと戻るため、光源として自然光を用いると、大きな屈折率変調は期待できない。しかし、光源として偏光を用いると、偏光の電気ベクトルと一致した電場を持つトランス体アゾベンゼン骨格のみが励起され、さらに、励起されたシス体アゾベンゼン骨格が熱緩和によりトランス体へと戻る際、一定確率で、偏光電気ベクトルと直交する電場を有するトランス体へと戻ることが知られている。したがって、光照射部分には、励起不可能なアゾベンゼン骨格が蓄積することになるために複屈折性が生じ、複屈折性に起因した屈折率変調が引き起こされる(Weigert効果:例えば、社団法人高分子学会編、光を制御する次世代高分子・超分子、エヌティーエス (2000)を参照)。また、光照射部位は加温するなどすると、分子運動により、初期状態のランダムな配向(電場)を持ったトランス体へと変化することから複屈折性が消失し、再度記録を書き込めることが可能となる。この配向変化により、光学異方性、すなわち複屈折及び二色性が誘起されホログラム記録ができる。このように、アゾベンゼン骨格を有する有機材料は書換え可能な光記録材料、特にホログラム記録材料として有望である。
このようなホログラム記録材料として、特定構造の光異性化基を側鎖に有し(メタ)アクリレート主鎖を有する側鎖型光異性化基含有(メタ)アクリルポリマーを用いたホログラム記録材料が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
他方、側鎖型液晶基含有ポリマーは、光学的異方性を有する。このため、液晶ディスプレイなどの光学用途への応用例が数多く報告されている。側鎖型液晶ポリマーは、例えば、側鎖型液晶ポリマーの複屈折現象を利用し、視野角補償板、位相差板、コレステリック反射板などの光学素子として用いられている(例えば、特許文献3参照)。
側鎖型液晶基含有ポリマーの代表的な具体例として、側鎖型液晶基含有(メタ)アクリルポリマーが挙げられる。
上記のような側鎖型光異性化基含有(メタ)アクリルポリマーや側鎖型液晶基含有(メタ)アクリルポリマー等の、側鎖型機能性基含有ポリマーは、原料モノマーの重合等の方法によって製造することが可能であり、その分子量は、重合条件によってある程度制御できる。しかし、側鎖型機能性基含有ポリマーは複数の分子量成分の混合物として存在するため、その分子量には分布があり、側鎖型機能性基含有ポリマーを用いて光学素子を作製する場合に、相溶性や溶解性の点で問題がある。
上記のような点から、分子量分布が限りなく1に近い機能性基含有ポリマーの簡便な製造方法が望まれている。
さらに、一般に、液晶ポリマー等の機能性基含有ポリマーは、他成分との相溶性に劣っている。このため、例えば、液晶基、架橋基、カイラル基などの機能部位を複合するためには、コポリマー化などの合成操作を経なければならず、製造工程が煩雑である。
他成分との相溶性に優れた液晶化合物を得る方法として、近年、ガラス化液晶という概念が報告されている。
このような概念を発現する液晶化合物は、末端に複数の液晶基を有しているとともに、連結基を介して液晶基とコア部分が連結されている構造を有している。このような構造を有することにより、ある程度の相溶性の向上および均一塗布性能の向上が認められている。
特表2000−514468号公報 特表2002−539476号公報 特開平9−133810号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、光記録材料、光導波路材料、光配向膜材料等として用いることが可能な、高機能を有する多官能化合物を簡便に製造する方法を提供することにある。
本発明の多官能化合物の製造方法は、pKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する方法であって、(A)と(B)の少なくとも1つの化合物が光異性化基を有する。
本発明の別の多官能化合物の製造方法は、pKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する方法であって、(A)と(B)の少なくとも1つの化合物が液晶基を有する。
本発明のさらに別の多官能化合物の製造方法は、pKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する方法であって、(A)と(B)の少なくとも1つの化合物が光異性化基と液晶基の両方を有する。
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記化合物(A)が、シアノ酢酸エステル類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、1,3−アセトンジカルボン酸ジエステル類から選ばれる少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記化合物(A)がシアノ酢酸エステル類である。
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記マイケル付加が水素引き抜き触媒を用いて行われる。
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記水素引き抜き触媒が塩基触媒である。
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記水素引き抜き触媒がアミン系触媒である。
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記光異性化基が一般式(2)で表される構造を有する。
Figure 0004888766
(一般式(2)中、各芳香族環は、それぞれ1つ以上の置換基を有していても良い。)
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記液晶基が一般式(3a)から(3g)までのいずれかで表される構造を有する。
Figure 0004888766
(一般式(3a)〜(3g)中、Yは−COO−、−OCO−、−CONH−、CON(アルキル)−、−CH=N−のいずれかであり、Cyはそれぞれ独立にF、CN、アルコキシ基、アルキル基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していても良いフェニル環、ナフチル環、ビフェニル環、シクロヘキシル環である。)
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、得られる多官能化合物の分子量が500〜5000である。
本発明によれば、大量のデータ情報を高密度に光記録することが可能である光記録材料として用いることが可能であり、光照射部と光未照射部との間で生じる屈折率差を利用して光導波路材料として用いることが可能であり、膜形成が可能であるとともに光感度に優れる光配向膜材料として用いることが可能な多官能化合物を簡便に製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
《多官能化合物の製造方法》
本発明の製造方法においては、pKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する。化合物(A)、化合物(B)は、それぞれ、1種のみでも2種以上の混合物であっても良い。
化合物(A)は、pKa≦15の水素原子を有している限り、任意の適切な化合物を選択し得る。pKa≦15の水素原子を有するためには、活性メチレンを持つことが好ましく、例えば、2つの電子求引基で挟まれた炭素を持つことが好ましい。具体的には、シアノ酢酸エステル類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、1,3−アセトンジカルボン酸ジエステル類が好ましく挙げられる。より好ましくは、シアノ酢酸エステル類である。
化合物(A)は、活性メチレンの炭素上で生じるカルボアニオンの安定化効果によって容易に脱プロトン化されてアニオンを生じる。例えば、隣接カルボニル基が1つしかないケトンの隣の位置の炭素上の水素のpKa値は約20前後であるのに対して、マロン酸ジエステルのエステル基2つで挟まれた炭素上の水素のpKa値は約10から13程度であり、酸性度が大きく変化している。このため、マロン酸ジエステルは、アミン系触媒やアルコキシド程度の塩基性を有する塩基触媒の存在で容易にカルボアニオンを生成することができる。生成したカルボアニオンは反応活性な求核剤として働き、種々の求電子剤、例えば、不飽和カルボニル化合物である(メタ)アクリル酸エステル類とマイケル付加反応することができる。
化合物(A)と化合物(B)とのマイケル付加反応においては、化合物(A)が有する活性水素のpKaが15以下であれば効率的に反応が進行する。その一例としては、1,3−シクロヘキサンジオン(pKa=4.8)、マロンアルデヒド(pKa=5.0)、メルドラム酸(pKa=5.1)、2,4−ペンタンジオン(pKa=8.9)、マロノニトリル(pKa=11.0)、アセト酢酸エステル(pKa=11.0)、ビス(メチルスルホニル)メタン(pKa=12.7)、シアノ酢酸エステル(pKa=13.1)、マロン酸エステル(pKa=13.5)などが挙げられる。原料の汎用性などの点から、好ましくは、シアノ酢酸エステル類、マロン酸エステル類、アセト酢酸エステル類が挙げられる。1,3−アセトンジカルボン酸ジエステルや、シアノ酢酸エステル基、マロン酸エステル基、アセト酢酸エステル基などを含む活性メチレン化合物も、活性メチレン化合物として用いることができる。
化合物(A)は、光異性化基および/または液晶基を有していることが好ましい。
化合物(A)が有し得る光異性化基としては、光照射によって光異性化部位が異性化反応を起こす基であれば、任意の適切な光異性化基を選択することができる。本発明においては、一般式(2)で表される構造を有する光異性化基が好ましい。
Figure 0004888766
一般式(2)中、各芳香族環は、それぞれ1つ以上の置換基を有していても良い。また、各芳香族環が有する置換基の少なくとも2つが連結して新たな環構造を形成していても良い。
化合物(A)が有し得る液晶基としては、任意の適切な液晶基を選択することができる。本発明においては、一般式(3a)から(3g)までのいずれかで表される構造を有する液晶基が好ましい。
Figure 0004888766
一般式(3a)〜(3g)中、Yは−COO−、−OCO−、−CONH−、CON(アルキル)−、−CH=N−のいずれかであり、Cyはそれぞれ独立にF、CN、アルコキシ基、アルキル基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していても良いフェニル環、ナフチル環、ビフェニル環、シクロヘキシル環である。
化合物(B)は、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミドである。(メタ)アクリル酸エステルとしては、任意の適切な(メタ)アクリル酸エステルを選択することができる。(メタ)アクリル酸アミドとしては、任意の適切な(メタ)アクリル酸アミドを選択することができる。
化合物(B)は、光異性化基および/または液晶基を有していることが好ましい。
化合物(B)が有し得る光異性化基は、上記の化合物(A)が有し得る光異性化基と同様である。
化合物(B)が有し得る液晶基は、上記の化合物(A)が有し得る液晶基と同様である。
本発明の製造方法においては、マイケル付加が水素引き抜き触媒を用いて行われることが好ましい。水素引き抜き触媒としては、アミン系触媒として、イミダゾリジン、プロリン、キナアルカロイド、トリアザビシクロデセン(TBD)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ヘキサヒドロメチルピリミドピリミジン(MTBD)、ジアザビシクロノナン(DBN)、テトラメチルグアニジン(TMG)、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、テトラメチルピペリジン(TMP)、TBDを架橋ポリスチレンやシリカゲルなど固相に担持した触媒、ブチルメチルイミダゾリウムヒドロキシドなどの塩基性イオン性液体などが挙げられる。また、塩基触媒として、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの四級アンモニウムヒドロキシド、ナトリウム金属、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、ブチルリチウムなどが挙げられる。さらに、有機金属触媒として、ルテニウムシクロオクタジエンシクロオクタトリエン、ヒドリドルテニウムなどのルテニウム系触媒、三塩化鉄や鉄アセチルアセトナートなどの鉄系触媒、ニッケルアセチルアセトナート、酢酸ニッケル、ニッケルサリチルアルデヒドなどのニッケル系触媒、銅系触媒、パラジウム系触媒、スカンジウム系触媒、ランタン系触媒、イッテルビウム系触媒などが挙げられる。これらの中でも、副反応や着色の少なさ、試薬の汎用性の点から、アミン系触媒、塩基触媒が好ましく、トリアザビシクロウンデセン(TBD)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、カリウムターシャリーブトキシドが特に好ましく用いられ得る。また、汎用試薬ではないが、TBDを架橋ポリスチレンやシリカゲルなど固相に担持した触媒(Argonaut社製品)を用いた場合、この触媒は反応終了後に反応溶液をろ過することによって容易に除去できるため精製が簡便になるのみならず、溶液を再沈殿精製する必要なくそのままキャストし膜化することが出来るため、アトムエコノミカルな観点から好ましく用いられ得る。水素引き抜き触媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水素引き抜き触媒の使用量は、原料に対して触媒量でよく、多いと副反応を生じる可能性があり、極端に少なすぎると反応が進行しない可能性がある。好ましい使用量は、0.0001〜100mol%、より好ましくは0.01〜10mol%、さらに好ましくは0.1〜10mol%である。
上記マイケル付加反応の反応温度としては、好ましくは−78〜200℃、より好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは25℃程度の室温付近である。
上記マイケル付加反応の反応時間としては、好ましくは10秒〜1週間、より好ましくは1分〜10時間、さらに好ましくは3分〜5時間である。反応は、薄膜クロマトグラフィー(TLC)、NMR、赤外分光法などの分析手段により反応進行状況を確認し適宜終了させればよい。
上記マイケル付加反応で用いるべき反応溶媒は、用いる水素引き抜き触媒と反応せず、塩基と反応あるいは分解することがなく、好ましくは原料化合物を溶解するものであれば、任意の適切な溶媒を採用することができる。例えば、原料化合物が完全に溶解しなくても、最終的に多官能化合物の方が溶解性が高くなるために目的物が溶解するような溶媒であれば、差し支えない。その溶媒は、脱水溶媒である方が好ましいが、特に脱水処理していない溶媒でも反応は進行し得る。
《多官能化合物》
本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、好ましくは、一般式(1)で表される化学構造を含む。
Figure 0004888766
一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立にH、CH、Clのいずれかである。
一般式(1)中、X〜Xはそれぞれ独立に−O−、−NH−、−N(アルキル基)−のいずれかである。
一般式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立に2価の連結基である。本発明における2価の連結基とは、炭素数1〜12のアルキレン基または単結合をいう。該アルキレン基中に存在する1個の−CH−または隣接しない2個以上の−CH−は、−O−に置換されていても良い。また、該アルキレン基中には、−O−Ph−CO−、−NH−Ph−CO−、−N(アルキル基)Ph−CO−、などの安息香酸エステル骨格または安息香酸アミド骨格が含まれていても良い。ここで、Phは、置換されていても良いベンゼン環を表す。
一般式(1)中、L〜Lはそれぞれ独立に光異性化基、液晶基、Hのいずれかであり、L〜Lの少なくとも1つは光異性化基または液晶基である。
上記光異性化基としては、光照射によって光異性化部位が異性化反応を起こす基であれば、任意の適切な光異性化基を選択することができる。例えば、トランス−シス異性化を起こす、アゾベンゼン骨格を有する基やスチルベン骨格を有する基が挙げられる。本発明において好ましくは、アゾベンゼン骨格を有する基である。具体的には、一般式(2)で表される構造を有する光異性化基が好ましい。
Figure 0004888766
一般式(2)中、各芳香族環は、それぞれ1つ以上の置換基を有していても良い。また、各芳香族環が有する置換基の少なくとも2つが連結して新たな環構造を形成していても良い。
上記液晶基としては、任意の適切な液晶基を選択することができる。本発明において好ましくは、一般式(3a)から(3g)までのいずれかで表される構造を有する液晶基である。
Figure 0004888766
一般式(3a)〜(3g)中、Yは−COO−、−OCO−、−CONH−、CON(アルキル)−、−CH=N−のいずれかであり、Cyはそれぞれ独立にF、CN、アルコキシ基、アルキル基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していても良いフェニル環、ナフチル環、ビフェニル環、シクロヘキシル環である。
なお、一般式(1)の中の複数あるXn−An−Ln基(n=1〜3)について、必ずしも全てのXn−An−Ln基(n=1〜3)に、Lnが連結されている必要は無い。つまり、マイケル反応の進行が不十分で活性メチレンの炭素−水素結合が全て炭素―炭素結合に置換されていなくても構わない。すなわち、An−Lnがプロトン(H)である状態の化合物であってもよい。また、An−Ln全体として任意の1価の連結基であってよい。Anが単結合であってもよい。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物の好ましい実施形態のひとつは、一般式(1a)で表される多官能化合物である。
Figure 0004888766
一般式(1a)中、R〜Rはそれぞれ独立にH、CH、Clのいずれかであり、ZはCN、COCHのいずれかであり、X〜Xはそれぞれ独立に−O−、−NH−、−N(アルキル基)−のいずれかであり、A〜Aはそれぞれ独立に2価の連結基であり、L〜Lはそれぞれ独立に光異性化基、液晶基、Hのいずれかであり、L〜Lの少なくとも1つは光異性化基または液晶基である。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物が、一般式(1a)において、R〜RがH、ZがCN、X〜Xが−O−、A〜Aがエチレン基であるものの一例として、下記構造の多官能化合物を挙げることができる。この化合物は、アゾベンゼン構造を有するシアノ酢酸エステルとシアノビフェニル構造を有するアクリル酸エステルを、水素引き抜き触媒を用いて連結反応させることよって合成することができる。
Figure 0004888766
ZがCNではなくCOCHであるものは、上記で原料としていたシアノ酢酸エステルをアセト酢酸エステルに変更することで同様に合成することができる。
Figure 0004888766
本発明の多官能化合物の好ましい実施形態のひとつは、一般式(1b)で表される多官能化合物である。
Figure 0004888766
一般式(1b)中、R〜Rはそれぞれ独立にH、CH、Clのいずれかであり、X〜Xはそれぞれ独立に−O−、−NH−、−N(アルキル基)−のいずれかであり、A〜Aはそれぞれ独立に2価の連結基であり、L〜Lはそれぞれ独立に光異性化基、液晶基、Hのいずれかであり、L〜Lの少なくとも1つは光異性化基または液晶基である。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物が、一般式(1b)において、R〜RがCH、X〜Xが−O−、A〜Aがエチレン基であるものの一例として、下記構造の多官能化合物を挙げることができる。この化合物は、アゾベンゼン構造を有するメタクリル酸エステルとシアノビフェニル構造を有するマロン酸ジエステルを、水素引き抜き触媒を用いて連結反応させることよって合成することができる。
Figure 0004888766
本発明の多官能化合物の好ましい実施形態のひとつは、一般式(1c)で表される多官能化合物である。
Figure 0004888766
一般式(1c)中、R〜Rはそれぞれ独立にH、CH、Clのいずれかであり、X〜Xはそれぞれ独立に−O−、−NH−、−N(アルキル基)−のいずれかであり、A〜Aはそれぞれ独立に2価の連結基であり、L〜Lはそれぞれ独立に光異性化基、液晶基、Hのいずれかであり、L〜Lの少なくとも1つは光異性化基または液晶基である。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物が、一般式(1c)において、R〜RがH、X〜Xが−O−、A〜Aがエチレン基であるものの一例として、下記構造の多官能化合物を挙げることができる。この化合物は、アゾベンゼン構造を有するアクリル酸エステルと1,3−アセトンジカルボン酸ジエチルを、水素引き抜き触媒を用いて連結反応させることによって合成することができる。
Figure 0004888766
上記のように、一般式中のRn(n=1〜4)は、原料として用い得る(メタ)アクリル酸エステル由来であるため、アクリル酸エステルを用いればRnをH、メタアクリル酸エステルを用いればRnをCH、クロロアクリル酸エステルを用いればRnをClとすることができる。
上記のように、一般式中のXn(n=1〜6)は、シアノ酢酸エステル類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、1,3−アセトンジカルボン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸エステルを原料として用いれば、−O−のものを得ることができる。また、エステルではなくアミドを用いれば、−NH−、−N(アルキル)−のものを得ることができる。
上記のように、An(n=1〜6)およびLn(n=1〜6)は、それらの構造を備える原料を用いることで導入することができる。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、分子量が500〜5000であることが好ましい。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、1種のみで用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、優れた相溶性を有する。このため、多機能を発現するために、複数の機能性部位を一つの多官能化合物に導入する必要はなく、複数の多官能化合物をブレンドして相溶することによって目的の多機能を発現することが可能である。また、本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、このように優れた相溶性を有するため、相分離のない膜を得ることが可能となる。
本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、他の成分と組み合わせて種々の目的に使用することができる。他の成分としては、目的に応じた任意の適切な成分を採用し得る。上記他の成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の添加剤を適宜選択することができる。具体的には、例えば、老化防止剤、難燃化剤、レベリング剤、可塑剤などが挙げられ、これらの1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。
《本発明の製造方法で得られる多官能化合物の用途》
本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、任意の適切な用途に適用することができる。例えば、本発明の製造方法で得られる多官能化合物に光照射を行なうと、構造異性化が起こり、この光照射による構造異性化は可逆反応であるため、光照射部分を加熱等すると、もとの状態へ戻すことができる。このため、光スイッチなどの動的な光機能材料へ応用可能となる。具体的には、大量のデータ情報を高密度に光記録することが可能である光記録材料として用いることが可能となる。また、上記光記録材料を用いて、光記録媒体や光記録再生装置とすることも可能となる。また、本発明の製造方法で得られる多官能化合物に光照射を行なうと、光異性化部位の光異性化により屈折率変調を引き起こすことが可能となり、光未照射部との間で屈折率差を生じ得る。このため、光導波路材料に適用することができる。また、本発明の製造方法で得られる多官能化合物は、膜形成することが可能であり、スピンコートや熱溶融などにより任意の形状へと変化させて使うことが可能である。このため、膜形成が可能であるとともに光感度に優れる。したがって、光配向膜材料に適用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重量基準である。
〔実施例1〕
液晶基を有するアクリル酸エステル(2.62g、5.24mmol)とアゾベンゼン系光異性化基であるディスパースレッド1構造を有するシアノ酢酸エステル(1.00g、2.62mmol)とを、窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、そこにジアザビシクロウンデセン(DBU)を1滴加え、室温で10分間撹拌した。塩酸水溶液を10滴加えて反応溶液を中和した後、この溶液をメタノールに滴下して生じる沈殿をろ別し、再度テトラヒドロフランに溶解し、メタノールに再沈殿した後にろ別し、その後に真空加熱乾燥することにより、アゾベンゼン部位1つと液晶部位2つを持つ多官能化合物(1)を得た(3.00g、2.17mmol、83%)。
得られた多官能化合物(1)(分子量1380.4)についてMALDI−TOFMS測定により分子量測定を行ったところ、m/zが1383.5および1405.6のイオンのみが検出された。これは、多官能化合物(1)にプロトンが付加したイオンおよびナトリウムが付加したイオンに相当するものであり、これにより、多官能化合物(1)が得られていることが判明した。
Figure 0004888766
〔実施例2〕
液晶基を有するアクリル酸エステル(1.64g、3.28mmol)とまた別の液晶基を有するシアノ酢酸エステル(0.70g、1.64mmol)とを、窒素雰囲気下でジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、そこにジアザビシクロウンデセン(DBU)を1滴加え、室温で30分間撹拌した。塩酸水溶液を10滴加えて反応溶液を中和した後、この溶液をメタノールに滴下して生じてくる沈殿をろ別し、再度テトラヒドロフランに溶解し、メタノールに再沈殿した後にろ別し、その後に真空加熱乾燥することにより、アゾベンゼン部位1つと液晶部位2つを持つ多官能化合物(2)を得た(2.01g、1.41mmol、83%)。
得られた多官能化合物(2)(分子量1425.4)についてMALDI−TOFMS測定により分子量測定を行ったところ、m/zが1450.4のイオンのみが検出された。これは、多官能化合物(2)にナトリウムが付加したイオンに相当するものであり、これにより、多官能化合物(2)が得られていることが判明した。
Figure 0004888766
〔実施例3〕
アクリル酸シアノビフェニル(1.38g、5.53mmol)とアゾベンゼン系光異性化基であるディスパースレッド1構造を有するシアノ酢酸エステル(1.00g、2.77mmol)とを、窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(25 mL)に溶解し、そこにジアザビシクロウンデセン(DBU)を1滴加え、室温で15分間撹拌した。塩酸水溶液を10滴加えて反応溶液を中和した後、この溶液をメタノールに滴下して生じてくる沈殿をろ別し、テトラヒドロフランに溶解し、メタノールに再沈殿した後にろ別し、その後に真空加熱乾燥することにより、アゾベンゼン部位1つとシアノビフェニル部位2つを持つ多官能化合物(3)を得た(1.88g、2.19 mmol、79%)。
得られた多官能化合物(3)(分子量879.9)についてMALDI−TOFMS測定により分子量測定を行ったところ、m/zが882.1および904.3のイオンのみが検出された。これは、多官能化合物(3)にプロトンが付加したイオンおよびナトリウムが付加したイオンに相当するものであり、これにより、多官能化合物(3)が得られていることが判明した。
Figure 0004888766
〔実施例4〕
液晶基を有するアクリル酸エステル(3.51g、14.07mmol)とまた別の液晶基を有するシアノ酢酸エステル(3.00g、7.04mmol)とを、窒素雰囲気下でジメチルアセトアミド(50 mL)に溶解し、そこにジアザビシクロウンデセン(DBU)を2滴加え、室温で15分間撹拌した。塩酸水溶液を15滴加えて反応溶液を中和した後、この溶液をメタノールに滴下して生じてくる沈殿をろ別し、再度テトラヒドロフランに溶解し、メタノールに再沈殿した後にろ別し、その後に真空加熱乾燥することにより、アゾベンゼン部位1つと液晶部位2つを持つ多官能化合物(4)を得た(6.18g、6.69mmol、95%)。
得られた多官能化合物(4)(分子量924.9)についてMALDI−TOFMS測定により分子量測定を行ったところ、m/zが949.9のイオンのみが検出された。これは、多官能化合物(4)にナトリウムが付加したイオンに相当するものであり、これにより、多官能化合物(4)が得られていることが判明した。
Figure 0004888766
〔実施例5〕
液晶基を2つ有するマレイン酸エステル(0.50g、0.92mmol)とアゾベンゼン系光異性化基であるディスパースレッド1構造を有するメタクリル酸エステル(0.73g、1.92mmol)とを、窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(25 mL)に溶解し、そこにカリウムターシャリーブトキシド(5mg、0.045mmol)を加え、1時間撹拌した。塩酸水溶液を10滴加えて反応溶液を中和した後、この溶液をメタノールに滴下して生じてくる沈殿をろ別し、テトラヒドロフランに溶解し、メタノールに再沈殿した後にろ別し、その後に真空加熱乾燥し、赤色粉末(0.69g)を得た。
得られた化合物についてMALDI−TOFMS測定により分子量測定を行ったところ、m/zが929.25、950.92、1311.72、1333.03のイオンが主に検出された。これは、液晶基を2つ有するマロン酸エステル原料に1分子のアゾベンゼン含有メタクリル酸エステルが連結した化合物(分子量928.98)にプロトン(理論値930)およびナトリウムが付加したイオン(理論値952)、さらには、液晶基を2つ有するマロン酸エステル原料に2分子のアゾベンゼン含有メタクリル酸エステルが連結した化合物(分子量1311.4)にプロトン(理論値1312)およびナトリウムが付加したイオン(理論値1334)に相当するものであり、これにより、多官能化合物(5a)および(5b)が得られていることが判明した。
Figure 0004888766
〔実施例6〕
1,3−アセトンジカルボン酸ジエチルエステル(0.2585g、1.28 mmol)と液晶基を有するアクリル酸エステル(1.50g、5.1mmol)とを、窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、そこにジアザビシクロウンデセン(DBU)を1滴加え、3時間撹拌した。塩酸水溶液を10滴加えて反応溶液を中和した後、この溶液をメタノールに滴下し、生じる粘ちょうな液体を取り出し、テトラヒドロフランに溶解し、メタノールに再沈殿した後にろ別し、その後に真空加熱乾燥し、赤色粉末(0.43g)を得た。
得られた化合物についてMALDI−TOFMS測定により分子量測定を行ったところ、m/zが813.2、1107.2、1401.4のイオンが主に検出された。これは、1,3−アセトンジカルボン酸ジエチルエステルに2、3、4分子の液晶基含有アクリル酸エステルが連結した化合物にナトリウム(分子量に23を加えた値)が付加したイオンに相当するものである(2付加体:788.84、3付加体:1082.15、4付加体:1375.47)。これにより、1,3−アセトンジカルボン酸ジエチルエステルに2〜4の複数のアクリル酸エステルが付加した多官能化合物(6)が得られていることが判明した。
Figure 0004888766
本発明の製造方法で得られる多官能化合物を用いることにより、光照射により複屈折性を制御して屈折率変調する材料を得ることが可能であり、適宜成形加工して用いることによる光データ記録や、光配向膜、光導波路材料、視野角補償板、位相差板、コレステリック反射板などの光学関連素子への応用が可能となる。そのようにして得られる素子は、従来型の高分子材料を用いるよりも、相分離などの配向欠陥のない厚膜サンプルを作製するのに優れており、さらに光記録特性(回折効率値およびその書き込みにおける感度)に優れる。

Claims (8)

  1. 活性メチレンの水素原子であってpKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する方法であって、
    (A)と(B)の少なくとも1つの化合物が光異性化基を有し、
    (A)が、シアノ酢酸エステル類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、1,3−アセトンジカルボン酸ジエステル類から選ばれる少なくとも1種であり
    該光異性化基が一般式(2)で表される構造を有する、
    Figure 0004888766
    (一般式(2)中、各芳香族環は、それぞれ1つ以上の置換基を有していても良い。)
    多官能化合物の製造方法。
  2. 活性メチレンの水素原子であってpKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する方法であって、
    (A)と(B)の少なくとも1つの化合物が液晶基を有し、
    (A)が、シアノ酢酸エステル類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、1,3−アセトンジカルボン酸ジエステル類から選ばれる少なくとも1種であり
    該液晶基が一般式(3a)から(3g)までのいずれかで表される構造を有する、
    Figure 0004888766
    (一般式(3a)〜(3g)中、Yは−COO−、−OCO−、−CONH−、CON(アルキル)−、−CH=N−のいずれかであり、Cyはそれぞれ独立にF、CN、アルコキシ基、アルキル基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していても良いフェニル環、ナフチル環、ビフェニル環、シクロヘキシル環である。)
    多官能化合物の製造方法。
  3. 活性メチレンの水素原子であってpKa≦15の水素原子を有する化合物(A)を(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミド(B)にマイケル付加させることによって多官能化合物を製造する方法であって、
    (A)と(B)の少なくとも1つの化合物が光異性化基と液晶基の両方を有し、
    (A)が、シアノ酢酸エステル類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、1,3−アセトンジカルボン酸ジエステル類から選ばれる少なくとも1種であり
    該光異性化基が一般式(2)で表される構造を有し、
    Figure 0004888766
    (一般式(2)中、各芳香族環は、それぞれ1つ以上の置換基を有していても良い。)
    該液晶基が一般式(3a)から(3g)までのいずれかで表される構造を有する、
    Figure 0004888766
    (一般式(3a)〜(3g)中、Yは−COO−、−OCO−、−CONH−、CON(アルキル)−、−CH=N−のいずれかであり、Cyはそれぞれ独立にF、CN、アルコキシ基、アルキル基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していても良いフェニル環、ナフチル環、ビフェニル環、シクロヘキシル環である。)
    多官能化合物の製造方法。
  4. 前記化合物(A)がシアノ酢酸エステル類である、請求項1から3までのいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記マイケル付加が水素引き抜き触媒を用いて行われる、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記水素引き抜き触媒が塩基触媒である、請求項に記載の製造方法。
  7. 前記水素引き抜き触媒がアミン系触媒である、請求項に記載の製造方法。
  8. 得られる多官能化合物の分子量が500〜5000である、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
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