JP3060416B2 - イミド化合物、その製造方法及びその用途 - Google Patents

イミド化合物、その製造方法及びその用途

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JP3060416B2 JP2236825A JP23682590A JP3060416B2 JP 3060416 B2 JP3060416 B2 JP 3060416B2 JP 2236825 A JP2236825 A JP 2236825A JP 23682590 A JP23682590 A JP 23682590A JP 3060416 B2 JP3060416 B2 JP 3060416B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、新規なイミド化合物およびその製造方法並
びにこのイミド化合物の用途に関する。さらに詳しく
は、本発明は、フォトクロミックな特性を有する新規な
イミド化合物およびこのイミド化合物を製造する方法、
並びにこのイミド化合物が有しているフォトクロミック
な特性を利用した用途に関する。
発明の技術的背景 物理が光を吸収することによりその物質の色が可逆的
に変化する現象を一般にフォトクロミズムという。
このフォトクロミズムを示す物質としては、大別して
フォトクロミックガラスおよびソーダライトのような無
機物質と、スピロピラン類のような有機物質とがある。
このようなフォトクロミズムを示す物質の内、1,3,3
−トリメチル−6′−ニトロ(インドリン−2,2′−ベ
ンゾピラン)は、フォトクロミックな有機物質中でも特
に発色の安定性の点で優れているとされている。
ところが、従来から知られているフォトクロミックな
有機物質であっても、発色状態を長時間維持するのは困
難であり、例えば発色したフォトクロミックな有機化合
物に熱エネルギーがかかることによって短時間に自然消
色してしまい、長時間発色状態を維持することは非常に
困難であった。
また、フォトクロミックな有機物質では、紫外光と可
視光とを繰り返し照射することにより、徐々に化合物自
体の分解反応が進行するため、フォトクロミックな有機
物質は、一般には繰り返して使用される用途、例えば液
晶組成物中に配合されるフォトクロミックな物質のよう
な用途には適していないとされていた。
このような状況下に、フォトクロミックな有機物質に
ついて種々の提案がなされている。
例えば、J.C.S.Perkin I,1978,(571)には、 (Z)−1−メチルプロピリデン(ジフェニルメチレ
ン)琥珀酸無水物、および、 (E)−3,5−ジメトキシベンジルインデン(アルキ
ル−飽和メチレン)琥珀酸無水物におけるフォトクロミ
ックシステムについて記載されている。
また、J.C.S.Perkin I,1981,(197)、J.C.S.Perkin
I,1981,(202)およびJ.C.S.Perkin I,1979,(154)に
は、(E)−α−3−フリルエチルインデン(イソプロ
ピリデン)琥珀酸無水物、(α−フェニルエチリデン)
(置換メチレン)琥珀酸無水物の転移反応について報告
がある。
更に、Spec.Publ.−R.Soc.Chem.1986.60(Fine Chem.
Electron Ind),120−135には、1,8a−ジハイドロハフ
タレン誘導体におけるフォトクロミック特性について報
告されている。また、この報告には、2,5−ジメチル−
3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)琥珀酸無水
物誘導体におけるフォトクロミック特性についても記載
されている。
しかしながら、これらの報告は、琥珀酸無水物誘導体
に関するものであり、イミド化合物についてのフォトク
ロミックな特性に関してはこれらの報告中では検討され
ていない。
イミド化合物に関しては、J.C.S.Perkin I,1974,(92
3)に、(E)−2−イソプロピリデン−3−(メシチ
ルメチレン)琥珀酸−N−フェニルイミドのフォトクロ
ミック特性が記載されている。
しかしながら、このようなイミド化合物が有している
フォトクロミック特性は、他のフォトクロミック化合物
と比較すると低レベルにある。
フォトクロミックな化合物には、光の照射による着色
速度および脱色速度が高いこと、化合物の着色状態が安
定していること、さらに化合物自体の安定性が高く、例
えば光照射を繰り返してもフォトクロミックな特性が低
下しにくいことなどの特性が必要であり、こうした特性
を有するフォトクロミックな化合物の出現が望まれてい
た。
発明の目的 本発明は、新規なイミド化合物、このイミド化合物を
製造する方法およびこのイミド化合物の用途を提供する
ことを目的としている。
さらに、詳しくは本発明は、紫外線照射で速やかに着
色し、可視光の照射で速やかに消色し、しかも熱による
自然消色が起こりにくいフォトクロミック色素として特
に有用性の高いイミド化合物、その製造方法およびその
用途を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明のイミド化合物は、次式[I−A]または[I
−B]で表されることを特徴としている。
ただし、上記式[I−A]および[I−B]におい
て、R1〜R6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のア
ルキル基または水素原子を表し、R7は、炭素原子数1〜
6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基
を表し、 Yは、−(CH2−;(n=2〜6)、または、 (m=1〜3、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基で
ある)を表す。
式[I−A]で表されるイミド化合物と式[I−B]
で表されるイミド化合物とは互変異性体であり、本発明
のイミド化合物は、上記式[I−A]で表されるイミド
化合物および式[I−B]で表されるイミド化合物のい
ずれか一方を含むものであってもよく、さらに、本発明
のイミド化合物は、上記式[I−A]で表されるイミド
化合物および式[I−B]で表されるイミド化合物の両
者を含有する混合物をも包含する。
上記のような式[I−A]または式[I−B]で表さ
れる本発明のイミド化合物は、下記式[II]で表される
化合物と式[III]で表されるアシル化剤とを接触させ
ることにより製造することができる。
ただし、上記式[II]において、R1〜R6は、それぞれ
独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子
を表し、 Yは、−(CH2−;(n=2〜6)、または、 (m=1〜3、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基で
ある)を表す。
ただし、上記式[III]において、 R7は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子
数2〜6のアルケニル基を表し、 Xは、ハロゲン原子または次式で表される基を表す。
ここでR9は、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
子数2〜5のアルケニル基およびハロゲン化炭化水素基
よりなる群から選ばれる基である。
さらに、本発明の光記録媒体は、上記式[I−A]ま
たは[I−B]で表されるイミド化合物をまたはこれら
のイミド化合物を含有する層を記録層とすることを特徴
としている。
本発明により新規なイミド化合物が提供される。
このイミド化合物は、フォトクロミックな特性を有す
る化合物であり、着色および消色を速やかに行うことが
できる。しかも、このイミド化合物は光に対しては優れ
た対応性を示すが、経時的には極めて安定であり、自然
消色は極めて生じにくい。さらに、このイミド化合物
は、物質自体の安定性も高いため、紫外線および可視光
線を繰り返し照射しても、このイミド化合物が有してい
るフォトクロミックな特性はほとんど低下しない。
本発明のイミド化合物は、上記のようなフォトクロミ
ックな特性を利用した種々の用途、殊に光記録媒体の光
記録材料あるいは殊に液晶組成物に添加されるフォトク
ロミック色素などとして好ましく使用される。
発明の具体的説明 次に本発明のイミド化合物について具体的に説明す
る。
本発明のイミド化合物は、次式[I−A]または[I
−B]で表される。
上記式[I−A]および[I−B]において、R1〜R6
は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基ま
たは水素原子を表す。ここで炭素原子数1〜4のアルキ
ル基は、直鎖状であっても分岐を有していてもよく、具
体的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基およびtert−ブチル
基を挙げることができる。
このイミド化合物が有しているフォトクロミックな特
性を利用する場合には、R1〜R6は炭素原子数の少ないア
ルキル基(例えば炭素原子数1〜2)または水素原子で
あることが好ましく、メチル基または水素原子であるこ
とが特に好ましく、さらに、この場合において、R1
R2、R4、R5およびR6がメチル基であり、R3が水素原子で
イミド化合物がフォトクロミックな化合物として特に有
用性が高い。
また、上記式[I−A]および[I−B]において、
Xは、 −(CH2−;または、 のいずれかの基を表す。
ここで、nは2〜6の整数であり、このイミド化合物
が有しているフォトクロミックな特性を利用する場合に
はこのnは2〜4の整数であることが好ましく、さらに
nが2であるイミド化合物が最も好ましい。
また、上記式において、m=1〜3であり、このイミ
ド化合物が有しているフォトクロミックな特性を利用す
る場合にはmは1〜2の整数であることが好ましい。さ
らに、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基、好ましく
はメチル基を表す。
そして、式[I−A]および[I−B]で表される本
発明のイミド化合物の内、Yが −(CH2CH2)− である化合物がフォトクロミックな特性を有する物質と
して特に有用である。
従って、本発明のイミド化合物が有しているフォトク
ロミックな特性を利用する場合には、R1、R2、R4、R5
よびR6がメチル基であり、R3が水素原子であり、かつY
が、−(CH2CH2)−であるイミド化合物が最も有用であ
る。
また、式[I−A]及び[I−B]において、R7は、
炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6
のアルケニル基を表す。
ここで炭素原子数1〜6のアルキル基は、直鎖状であ
っても分岐を有していてもよく、さらに脂環構造を有し
ていてもよい。具体的な例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびシクロ
ヘキシル基を挙げることができる。
また、炭素原子数2〜6のアルケニル基は、直鎖状で
あっても分岐を有していなくてもよく、さらに二重結合
の位置に特に制限はないが、二重結合が基の末端にある
ことが好ましい。このようなアルケニル基の具体的な例
としては、ビニル基、2−プロペニル基および2−ブテ
ニル基のようなアルケニル基を挙げることができる。
このR7によって本発明のイミド化合物に反応性を賦与
することができる。すなわち、R7としてアルケニル基を
導入することにより、本発明のイミド化合物が本質的に
有しているフォトクロミックな特性を損なうことなくこ
のイミド化合物に重合反応性を賦与することができる。
また、R7としてアルキル基を導入することにより、例え
ば液晶組成物等に配合する色素として好適な、重合性を
有しないイミド化合物とすることができる。
本発明において、上記式[I−A]で表されるイミド
化合物(E体)と、式[I−B]で表されるイミド化合
物(Z体)とは、互変異性体である。
本発明のイミド化合物は、上記式[I−A]で表され
るイミド化合物および式[I−B]で表されるイミド化
合物を含むものである。そして、本発明のイミド化合物
は、E体およびZ体のいずれの構造を採ることも可能で
ある。例えば、紫外線のような高エネルギー線を照射す
ることにより、Z体はE体に変化する。従って、本発明
のイミド化合物は、上記式[I−A]で表されるイミド
化合物および式[I−B]で表されるイミド化合物の両
者を含有する混合物をも包含する。
なお、本発明のイミド化合物が上記のようなE体とZ
体との混合物である場合において、必要により、例えば
カラムクロマトグラフィなどの分離手段を用いてE体と
Z体とを分離することもできる。
本発明のイミド化合物は、次式[II]で表される化合
物と式[III]で表されるアシル化剤とを接触させるこ
とにより製造することができる。
ただし、上記式[II]において、R1〜R6およびYは、
前記式[I−A]および式[I−B]におけるR1および
R6およびYと同じ意味である。
ただし、上記式[III]において、 前記式[I−A]および式[I−B]におけるR7と同
じ意味である。
また、Xは、ハロゲン原子または次式で表される基を
表す。
ここでR9は、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
子数2〜5のアルケニル基およびハロゲン化炭化水素基
よりなる群から選ばれる基である。
そして、この式[II]で表される化合物は、例えば3
−フリルイソプロピリデン(イソプロピリデン)琥珀酸
無水物のようなフリル基を有する琥珀酸誘導体とエタノ
ールアミンのようなアルカノールアミンとを反応(付加
反応)させることにより調製することができる。なお、
この式[II]で表される化合物(アミドカルボン酸)に
もE体とZ体とが存在する。
例えば上記のようにして得られた式[II]で表される
アミドカルボン酸と上記式[II]で表されるアシル化剤
とを反応させることにより、本発明のイミド化合物を得
ることができる。
ここで使用されるアシル化剤の具体的な例としては、
塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化アクリル、塩化
トリクロロアセチルのようなハロゲン化物ならびに無水
酢酸、プロピオン酸無水物、アクリル酸無水物、メタク
リル酸無水物、トリクロロ酢酸無水物のような酸無水物
を挙げることができる。
式[II]で表されるアミドカルボン酸と式[III]で
表されるアシル化剤との使用量は、これらの反応性、反
応条件等を考慮して、両者の使用量を適宜設定すること
ができるが、両者のモル比([III]/[II])を0.5〜
20の範囲内にすることが好ましく、さらにこのモル比を
1〜5の範囲内に設定することが特に好ましい。
本発明のイミド化合物は、上述のアミドカルボン酸と
アシル化剤とを接触させることにより調製することがで
きるが、両者を接触させるに際して、塩基性物質を共存
させることにより、アミドカルボン酸とアシル化剤との
反応がよりスムーズに進行する。ここで使用される塩基
性物質の例としては、 ピリジン、キノリン、トリエチルアミン、DBU、DBNお
よびN−メチルモルホリンのような3級アミンや塩基性
ヘテロ化合物、ならびに、 酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリ
ウム、シュウ酸ナトリウムおよびコハク酸ナトリウムの
ようなカルボン酸のアルカリ金属塩を挙げることができ
る。特に塩基性物質としてピリジンあるいは酢酸ナトリ
ウムを使用することが好ましい。このような塩基性物質
は、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。
塩基性物質を使用する場合に、これらの使用量は、ア
ミドカルボン酸1モルに対して、通常は、40モル以下、
好ましくは1〜10の範囲内にある。
アミドカルボン酸とアシル化剤との反応温度は、通常
は0〜250℃の範囲内、好ましくは30〜150℃の範囲内に
設定される。
上記のような反応温度条件において、反応時間は、反
応の進捗状況を考慮して適宜設定することができるが、
通常は、5分〜48時間、好ましくは0.5〜12時間の範囲
内に設定される。
この反応は、減圧乃至加圧のいずれの圧力条件でも行
うことができるが、反応圧力条件は、通常は、減圧〜60
kg/cm2、好ましくは0〜30kg/cm2、特に好ましくは0〜
5kg/cm2の範囲内に設定される。
さらにこの反応は、空気中で行うこともできるが、例
えば窒素ガスあるいはアルゴンガスのような不活性ガス
雰囲気下で行うことにより、副反応を抑制することがで
いる。
上記のようなアミドカルボン酸とアシル化剤との反応
は、溶媒を用いずに行うこともできるが、通常は反応溶
媒を用いて液相で行われる。
この場合に使用される溶媒は、反応原料等に対して反
応性を示さない溶媒であれば特に限定なく使用すること
ができる。
このような溶媒の具体的な例としては、 トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素溶
媒;メチレンクロライド、ジクロルエタン、トリクロル
エタンおよびフロン系溶媒のようなハロゲン化炭化水素
溶媒;n−ヘキサンおよびn−デカンのような飽和炭化水
素系溶媒;1−ヘキセンのような不飽和炭化水素系溶媒;
テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエ
ーテルおよびジメトキシエタンのようなエーテル系溶
媒;酢酸メチルおよび酢酸エチルのようなエステル系溶
媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド
系溶媒を挙げることができる。このような溶媒は、単独
で、あるいは組み合わせて使用することができる。特に
本発明においては、THF、ジオキサン、ジエチルエーテ
ルおよびジメトキシエタンのようなエーテル系溶媒ある
いはキシレンのような芳香族炭化水素溶媒を単独で、あ
るいは組み合わせて使用することが好ましい。このよう
な溶媒の使用量は、使用される反応原料を溶解するのに
必要な量以上であることが好ましい。例えば溶媒にアミ
ドカルボン酸とアシル化剤を溶解して加熱する場合に
は、通常は、アミドカルボン酸とアシル化剤との合計量
1gに対して溶媒を3〜30mlの割合で使用される。
本発明のイミド化合物は、アミドカルボン酸とアシル
化剤とを接触させることにより生成する。
アミドカルボン酸とアシル化剤との接触方法として
は、種々の方法を採ることができるが、例えば、溶媒に
アミドカルボン酸とアシル化剤とを溶解して攪拌下に還
流する方法を利用することができる。
上記のようにして反応を行うことにより生成した本発
明のイミド化合物は、例えば液体クロマトグラフィーな
どの精製手段を用いることにより分離することができ
る。
ただし、上記のようにして分離したイミド化合物に
は、通常は、前記式[I−A]で示されるE体と式[I
−B]で示されるZ体とが含有されている場合が多い。
このE体とZ体とは、互変異性体であり、フォトクロミ
ックな特性に関しては、同一の挙動を示す。従って、本
発明のイミド化合物を、そのフォトクロミックな特性を
利用して使用する場合には、両者を分離することなく、
E体とZ体との混合物をそのまま使用することができ
る。なお、上述のようなカラムクロマトグラフィー等の
分離手段を利用することにより、このE体とZ体とを分
離することもできる。
例えば上記のようにして調製された本発明のイミド化
合物は、フォトクロミックな特性を有している。
すなわち、式[I−A]あるいは式[I−B]で表さ
れるイミド化合物が吸収する300nm以上の光の波長のピ
ークは、通常は、300〜380nm、さらに詳細には340nm近
傍にあり、このためこのイミド化合物は一般には無色で
ある。このようなイミド化合物に紫外光を照射するとこ
のイミド化合物が紫外光を吸収して電子的に励起し、下
記式[I−c]の構造の化合物に変化する。
このイミド化合物が吸収する光の波長のピークは、通
常は、400〜540nm、さらに詳細には500nm近傍に移行す
る。このように吸収光波長ピークが移行することによ
り、このイミド化合物の外観は、無着色状態から赤色に
変化する。そして、このように赤色に着色したイミド化
合物に、可視光を照射することにより、上記式[I−
c]の構造が変化して、イミド化合物の構造は式[I−
A]で表される構造(あるいは一部はさらに変化して式
[I−B]で表される構造)に戻る。従って、このイミ
ド化合物の吸収ピーク波長も元の状態、即ち340nm近傍
に移行して、その外観も赤色から無着色状態に戻る。
上記のような本発明のイミド化合物が有しているフォ
トクロミックな特性を利用するに際しては、紫外光とし
ては、近紫外から遠紫外のいずれの紫外光をも用いるこ
とができ、通常は波長400nm以下、好ましく280〜400nm
の紫外光が使用される。殊に本発明においては、290〜3
90nmの範囲内にある近紫外光を用いることが好ましい。
このような紫外光の照射量は、イミド化合物の量等を考
慮して適宜設定することができるが、例えば0.5mW/cm2
の紫外光を照射する場合には、10秒〜10分程度である。
また、例えば上記のような紫外光を照射することによ
り赤色に着色した本発明のイミド化合物に照射される可
視光としては、通常は、波長400nm以上の可視光、好ま
しくは450〜600nmの範囲内にある可視光が使用される。
このような可視光の照射量は、イミド化合物の量等を考
慮して適宜設定することができるが、例えば0.5mWの可
視光を照射する場合には、10秒〜10分程度である。
本発明のイミド化合物は、上記のように紫外光および
可視光を照射することにより、その着色状態が変化し、
しかも紫外光および可視光を交互に繰り返し照射して
も、着色状態の再現性が非常に良好である。さらに、例
えば赤色に着色したイミド化合物の着色状態は、非常に
安定であり、可視光の無い状態での経時的な着色の状態
の変化は極めて少ない。すなわち自然退色が極めて少な
い。
このような本発明のイミド化合物は、従来からフォト
クロミズムを示す物質が使用されていた用途、例えばフ
ォトクロミック写真、液晶素子、光学的記録媒体の記録
材料(記録層)、サングラス、光感応性繊維および紫外
線検知剤等の用途に使用することができる。
例えば、本発明のイミド化合物をテトラヒドロフラン
(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などに溶
かして溶液を作ることができる。この場合、本発明のイ
ミド化合物は溶媒100重量部に対して通常1〜100重量部
の割合で溶解する。
また、本発明のイミド化合物をネマチック相あるいは
スメクチック相などの種々の相を示す液晶化合物(ある
いは組成物)に配合して液晶組成物を調製することがで
きる。本発明のイミド化合物は、上記のような液晶化合
物(あるいは組成物)100重量部に対して通常は0.01〜
5重量部の割合で配合される。
このようにイミド化合物を含有する溶液または液晶組
成物をセルに充填する。このセルに紫外光を照射するこ
とにより、セルは赤色に着色する。次いでこの赤色に着
色したセルに可視光を照射することにより、セルは無着
色状態に戻る。
本発明のイミド化合物を含有した溶液または液晶組成
物を充填したセルは、紫外光および可視光を交互に繰り
返し照射しても無着色状態および赤色に着色した状態の
再現性がよい。さらに、赤色に着色したセルの経時的な
退色は非常に少ない。
本発明のイミド化合物は、上記のような液相組成物と
しての用途の他、光記録媒体の記録材料としても好適に
使用することもできる。
すなわち、例えば本発明のイミド化合物を他の樹脂と
混合して記録層を形成することにより情報を記録層にお
ける着色状態の差として記録することができる。このよ
うなイミド化合物を分散させる樹脂に特に制限はなく、
この共重合体と良好な分散状態を形成し得る種々の樹脂
を使用することができる。殊に、このイミド化合物と共
に使用される樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましい。ま
た、本発明のイミド化合物との相互分散性を考慮する
と、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチ
ルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
ルアクリレート、ポリエチルメタクリレートのようなア
クリル酸系重合体あるいは共重合体を使用することが好
ましい。
このような他の樹脂は単独で或いは組み合わせて使用
することができる。
このような樹脂とイミド化合物との配合比率は、用途
を考慮して適宜選定することができるが、本発明のアク
リル酸系共重合体の有しているフォトクロミックな特性
を有効に利用するためには、樹脂中における本発明のア
クリル酸系共重合体の含有率を0.1重量%以上にするこ
とが望ましい。
例えば上記のような樹脂とイミド化合物とを含有する
樹脂溶液を用いて形成された薄膜はフォトクロミックな
特性を有している。
そして、例えば、基板上に上記のようにして本発明の
イミド化合物を含有する薄膜を形成し、この薄膜に紫外
光を照射して薄膜を記録信号に対応した状態に発色させ
ることにより、情報を薄膜の色相の変化として記録する
ことができる。そして、このような色相の変化を電気信
号に変換することにより、記録された信号を読み取るこ
とができる。また、このようにして記録された情報は、
所定の可視光を照射することにより消去することができ
る。
ここで使用される紫外光および可視光としては、上述
のものを使用することができる。
本発明のイミド化合物は、着色状態と無着色状態との
再現性が良好であるため、この共重合体を含有する光記
録媒体を繰り返し使用することができる。しかも、紫外
光を照射することにより形成される着色状態は、熱等に
対して安定であり、従って、上記のようにして記録情報
に対応させて赤色に着色させた光記録媒体の経時的な退
色は極めて少ない。
なお、本発明のイミド化合物は、上記のようなフォト
クロミックな特性を利用した用途の他、例えばポリマー
原料、あるいは他の化合物を調製する際の反応原料等と
しても使用することができる。
発明の効果 本発明により新規なイミド化合物が提供される。
このイミド化合物は、フォトクロミックな特性を有す
る化合物であり、紫外光あるいは可視光の照射により着
色および消色を速やかに行うことができる。しかも、こ
のイミド化合物は光に対しては優れた対応性を示すが、
経時的には極めて安定であり、自然消色は極めて生じに
くい。さらに、このイミド化合物は、物質自体の安定性
も高いため、紫外線および可視光線を繰り返し照射して
も、このイミド化合物が有しているフォトクロミックな
特性はほとんど低下しない。
本発明のイミド化合物は、上記のようなフォトクロミ
ックな特性を利用して、溶液としてまたは液晶組成物に
添加されるフォトクロミック色素などとして好ましく使
用される。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例によって限定的に解釈されるべきではない。
参考例1 2,5−ジメチル−3−フリルエチリデン(イソプロピリ
デン)琥珀酸無水物と2−エタノールアミンとの付加反
応によるアミドカルボン酸の合成 1mlのテトラヒドロフラン(THF)にエタノールアミン
0.98g(3.76ミリモル)を溶解した。
別に、2,5−ジメチル−3−フリルエチリデン(イソ
プロピリデン)琥珀酸無水物0.98g(3.76ミリモル)を3
mlのTHFに溶解して溶液を調製し、この溶液に上記エタ
ノールアミンのTHF溶液を室温(25℃)で加えて混合し
た。
上記混合液を、50℃で4時間攪拌し、次いで60℃で0.
5時間攪拌した後、減圧条件下でTHFを留去して赤味を帯
びた半固体状物を得た。
この半固体状物を6mlのクロロホルムに加えて晶析を
行い、0.90gの付加化合物を無色結晶として分離した。
収率:74% 分析の結果、この付加化合物は、以下に示す構造を有
する化合物であった。
この付加化合物についての分析結果を以下に示す。
・融点:150〜152℃ ・IRスペクトルにおける主なピークとその帰属 (KBr錠剤法により測定): 3350cm-1(カルボン酸のOH)、 1693cm-1(カルボン酸のC=O)、 1641cm-1(アミドのC=O)、 1517cm-1(アミド)、 1237cm-1 1061cm-11H−核磁気共鳴スペクトルにおけるピークとその帰属 (DMSO−d6溶液中で測定、δ ppm): 1.67(3H,s,CH3) 1.90(3H,s,CH3) 1.98(3H,s,CH3) 2.02(3H,s,CH3) 2.15(3H,s,CH3) 3.21(2H,m,CH2N) 3.45(2H,m,CH2O) 5.80(1H,s,furanH) 7.45(1H,t,NHC=O) 実施例1 N−(2−アセトキシエチル)−2,5−ジメチル−3−
フリルエチリデン(イソプロピリデン)琥珀酸イミドの
合成 上記参考例1で調製したアミドカルボン酸0.16g(0.5
ミリモル)に酢酸ナトリウム0.16g(2.0ミリモル)、無
水酢酸2mlおよびTHF2mlを加えて混合し、還流温度で2
時間加熱した。放冷後、この反応液を濾過して不溶分を
除去し、濾液を減圧条件で濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:エ
ーテル/ヘキサン=1/1)を用いて精製することによ
り、0.09gの表記イミド化合物を得た。収率:50% このイミド化合物についての分析結果を以下に示す。
上記のIRスペクトルのチャートを第1図に示す。
・IRスペクトルにおける主なピーク (KBr錠剤法により測定): 3022cm-1 1737cm-1 1693cm-1 1533cm-1 1387cm-1 1369cm-1 1230cm-1 1042cm-1 また、1H−NMRスペクトルのチャートを第2図に示
す。
これらのスペクトルのチャートを詳細に検討してみる
と、次式[I−a]で表されるE体と式[I−b]で表
されるZ体との混合物であることがわかった。
上記のようにして得られたE体とZ体との混合物か
ら、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてE体
とZ体とを分離した。
このE体の1H−NMRスペクトルのチャートを第3図に
示す。
1H−核磁気共鳴スペクトルにおける主なピーク (DMSO−d6溶液中で測定、δ ppm): 1.31(3H,s) 1.99(3H,s) 2.02(3H,s) 2.21(3H,s) 2.31(3H,s) 2.58(3H,s) 3.88(2H,m) 4.28(2H,m) 5.91(1H,s) また、Z体の1H−核磁気共鳴スペクトルにおける主な
ピークは次の通りである。
(DMSO−d6溶液中で測定、δ ppm): 1.34(3H,s) 2.08(6H,s) 2.21(3H,s) 2.29(3H,s) 2.51(3H,s) 3.77(2H,m) 4.33(2H,m) 5.86(1H,s) 実施例2 n−(2−メタクリロキシエチル)−2,5−ジメチル−
3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)琥珀酸イミ
ドの合成 実施例1の第1段階で調製したアミドカルボン酸0.32
g(1.0ミリモル)とメタクリル酸無水物3.0mlとを混合
し、150℃で30分間加熱した後、クーゲルロール(Kugel
rohr)蒸留装置(浴温:100℃、減圧条件:1mmHg)を用い
て低沸物を留去した。
釜に残存した赤色の油状体をシリカゲルクロマトグラ
フィー(展開溶媒:エーテル/ヘキサン=1/1)を用い
て精製することにより、オレンジ色粘性油である表記化
合物0.07gを得た。収率:19% 分析の結果、この付加化合物は、以下に示す構造を有
する化合物であった。
この付加化合物についての分析結果を以下に示す。
・IRスペクトルにおける主なピーク (neat法により測定): 1810cm-1、 1744cm-1、 1720cm-1、 1694cm-1、 1630cm-1、 1424cm-1、 1387cm-1、 1319cm-1、 1294cm-1、 1159cm-1、 1098cm-1、 1025cm-1、 941cm-1、 810cm-1、 760cm-1、 このIRスペクトルのチャートを第4図に示す。
1H−核磁気共鳴スペクトルにおけるピークとその帰属 (CDCl3溶液中で測定、δ ppm): 1.31(3H,s,CH3) 1.89(3H,s,CH3) 1.97(3H,s,CH3) 2.24(3H,s,CH3) 2.30(3H,s,CH3) 2.56(3H,m,CH3) 3.92(2H,m,CH2N) 4.35(2H,m,CH2O) 5.53(1H,m,=CH) 5.91(1H,s,furanH) 6.07(1H,m,=CH) この1H−NMRスペクトルのチャートを第5図に示す。
また、この化合物について測定したFD−マススペクト
ルは、m/e=371(M+)であり、この化合物の分子量と一
致していた。
実施例3 実施例1で得られた化合物(混合物)1mgを10mlのテ
トラヒドロフラン(THF)に溶かした。得られた溶液
は、淡黄色で、最大吸収波長が340nmであった。この溶
液を石英セルに入れ、0.5mW/cm2の紫外光(波長350〜40
0nm)を1分間照射したところ、溶液は赤色となり、吸
収ピークは500nmに移行した。次に、この溶液に0.5mW/c
m2の可視光(波長400nm以上)を照射したところ、吸収
ピークは、再び340nm付近に移行した。
実施例4 実施例2で得られた化合物1mgを10mlのテトラヒドロ
フラン(THF)に溶かした。得られた溶液は、淡黄色
で、最大吸収波長が340nmであった。この溶液を石英セ
ルに入れ、0.5mW/cm2の紫外光(波長350〜400nm)を1
分間照射したところ、溶液は赤色となり、吸収ピークは
500nmに移行した。次に、この溶液に0.5mW/cm2の可視光
(波長400nm以上)を照射したところ、吸収ピークは、
再び340nm付近に移行した。
実施例5 室温ネマチック液晶(MERCK社製、ZLl 1132)0.3mlに
対して、実施例1で得られた化合物(混合物)6mgを溶
解し、平行配向型液晶セルに注入して、液晶セルサンプ
ルを調製した。このサンプルは無色であり、吸収ピーク
波長は340nmであった。
このサンプルに0.5mW/cm2の紫外光(波長350〜400n
m)を1分間照射したところ、サンプルは赤色となり吸
収ピーク波長は500nmに移行した。
次にこの液晶セルサンプルに0.5mW/cm2の可視光(こ
の可視光の波長は440nmよりも長波長側にある)を照射
したところ、吸収ピークは、再び340nm付近に移行し
た。
さらに、紫外光と可視光との交互照射を200回繰り返
した後、上記と同様にして吸収ピークの変化を測定した
ところ、この液晶セルサンプルの吸収ピークの変化は、
1回目と同様であった。
また、この液晶セルサンプルに上記と同様にして紫外
光を照射してサンプルを着色状態にし、サンプルを室温
暗所に6ヶ月間保存したが、サンプルに退色は起こらな
かった。
実施例6 室温ネマチック液晶(MERCK社製、ZLl 1132)0.3mlに
対して、実施例2で得られた化合物(混合物)6mgを溶
解し、平行配向型液晶セルに注入して、液晶セルサンプ
ルを調製した。このサンプルは無色であり、吸収ピーク
波長は340nmであった。
このサンプルに実施例5と同様にして紫外光を照射し
たところ吸収ピーク波長は340nmから500nmに移行して赤
色に着色した。
次いで、この着色状態の液晶セルサンプルに、実施例
5と同様に可視光を照射することにより、吸収ピーク波
長は500nmから340nmに再び移行した。
さらに、実施例5と同様に紫外光と可視光との交互照
射を200回繰り返した後、上記と同様にして吸収ピーク
の変化を測定したところ、この液晶セルサンプルの吸収
ピークの変化は、1回目と同様であった。
また、この液晶セルサンプルに上記と同様にして紫外
光を照射してサンプルを着色状態にし、サンプルを室温
暗所に6ヶ月間保存したが、サンプルに退色は起こらな
かった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、N−(2−アセトキシエチル)−2,5−ジメ
チル−3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)琥珀
酸イミドのIRスペクトルのチャートである。 第2図は、N−(2−アセトキシエチル)−2,5−ジメ
チル−3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)琥珀
酸イミドの1H−NMRスペクトルのチャートである。 第3図は、N−(2−アセトキシエチル)−2,5−ジメ
チル−3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)琥珀
酸イミドの内、E体のの1H−NMRスペクトルのチャート
である。 第4図は、N−(2−メタクリロキシエチル)−2,5−
ジメチル−3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)
琥珀酸イミドのIRスペクトルのチャートである。 第5図は、N−(2−メタクリロキシエチル)−2,5−
ジメチル−3−フリルエチリデン(イソプロピリデン)
琥珀酸イミドの1H−NMRスペクトルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 405/06 C09K 9/02 C09K 19/34 G03C 1/73 503 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I−A]または[I−B]で表され
    ることを特徴とするイミド化合物; [ただし、上記式[I−A]および[I−B]におい
    て、R1〜R6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のア
    ルキル基または水素原子を表し、R7は、炭素原子数1〜
    6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基
    を表し、 Yは、−(CH2−;(n=2〜6)、または、 (m=1〜3、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基で
    ある)を表す]。
  2. 【請求項2】上記式[I−A]および[I−B]におい
    て、 R1、R2、R4、R5およびR6が、メチル基であり、 R3が、水素原子であり、 かつYが、−(CH2CH2)−であることを特徴とする請求
    項第1項記載のイミド化合物。
  3. 【請求項3】式[I−A]で表されるイミド化合物と、
    式[I−B]で表されるイミド化合物との混合物である
    ことを特徴とするイミド化合物組成物: [ただし、上記式[I−A]および[I−B]におい
    て、R1〜R6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のア
    ルキル基または水素原子を表し、R7は、炭素原子数1〜
    6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基
    を表し、 Yは、−(CH2−;(n=2〜6)、または、 (m=1〜3、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基で
    ある)を表す]。
  4. 【請求項4】下記式[II]で表される化合物と式[II
    I]で表されるアシル化剤とを接触させることを特徴と
    する式[I−A]または[I−B]で表されるイミド化
    合物の製造方法; [ただし、上記式[II]において、R1〜R6は、それぞれ
    独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子
    を表し、 Yは、−(CH2−;(n=2〜6)、または、 (m=1〜3、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基で
    ある)を表す]、 [ただし、上記式[III]において、 R7は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数
    2〜6のアルケニル基を表し、 Xは、ハロゲン原子または (ここでR9は、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
    子数2〜5のアルケニル基およびハロゲン化炭化水素基
    よりなる群から選ばれる基である)を表す]、 [ただし、上記式[I−A]および[I−B]におい
    て、R1〜R6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のア
    ルキル基または水素原子を表し、R7は、炭素原子数1〜
    6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基
    を表し、 Yは、−(CH2−;(n=2〜6)、または、 (m=1〜3、R8は、炭素原子数1〜4のアルキル基で
    ある)を表す]。
  5. 【請求項5】上記式[I−A]および[I−B]におい
    て、 R1、R2、R4、R5およびR6が、メチル基であり、 R3が、水素原子であり、 かつYが、−(CH2CH2)−であることを特徴とする請求
    項第4項記載のイミド化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記式[I−A]または[I−B]で表さ
    れる少なくとも一種類のイミド化合物を記録層に有する
    ことを特徴とする光記録媒体。
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