JP4888387B2 - エレベータのかご照明装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータのかご室上部に設けられたかご照明装置に関するものである。
エレベータのかご室上部に設けられたかご照明装置の保守点検が必要な場合や、このかご照明装置の内部機器類の交換が必要な場合、エレベータ保守作業員は、かご室内に持ち込んだ脚立の上に乗って上を向きながら作業を行わなければならず、無理な体勢での長時間の作業が強いられていた。特に、照明板の取り外しといったかご照明装置の下部を開放する作業は、その手順が複雑化しており、困難なものとなっていた。
このような問題を解消するため、従来のエレベータのかご照明装置には、取付部材と、この取付部材側に付勢されたボールとによって照明カバーの端部を挟持することにより、かご室内からの照明カバーの着脱を容易にして、保守作業員の作業性を改善させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エレベータのかごの上部に設けられたウインチからのチェーンをかご室内の照明器具に接続することにより、この照明器具を電動によって上下動可能にしたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
日本特開2002−211858号公報 日本特開平7−137961号公報
特許文献1記載のエレベータのかご照明装置では、板バネによって付勢されたボールのみによって照明カバーの端部が支持されるとともに、照明カバーを取り外す方向と板バネの付勢力の方向とが直交するため、照明カバーの重量が意匠的な制約等により増加した場合には、その重みに耐えられず、照明カバーを支持することができないという問題があった。
また、特許文献2記載のエレベータのかご照明装置では、かごの上部に設けられるウインチや照明器具の昇降方向を案内するガイドローラ等の大掛かりな装置が必要となり、コンパクト設計の妨げになるとともに、昇降路内のエレベータ機器類のレイアウトにも影響してしまうという問題が生じていた。
この発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、その目的は、保守作業や内部機器類の交換を容易に行うことができ、さらに、省スペース化にも容易に対応することができるエレベータのかご照明装置を提供することである。
この発明に係るエレベータのかご照明装置は、エレベータのかご室上部に設けられかご室内を照らす照明体より下方に配置された固定天井部と、一側端部がかご室上部に回動自在に支持され、他側端部が、固定天井部の一側端部との間に所定の間隙を有して配置された可動天井部と、可動天井部の他側端部に設けられ、固定天井部側に開口する切欠部が形成された係合部と、固定天井部の一側端部に設けられた支持部と、支持部に設けられ、間隙上方を通過して固定天井部側から可動天井部側に突出し、先端部が係合部に下方から係合して、可動天井部の他側端部を所定の高さに保持する突出部と、を備え、突出部は、固定天井部の一端部に沿って移動自在に設けられ、間隙に下方から挿入された部材によって先端部が切欠部の位置まで移動さることにより係合部との係合状態が解除されるものである。
この発明に係るエレベータのかご照明装置によれば、保守作業や内部機器類の交換を容易に行うことができ、さらに、省スペース化にも容易に対応することができる。
この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご室の側面図である。 図1に示すかご室のA−A断面図である。 図2におけるB矢視図である。 図2におけるC矢視図である。 図4に示すエレベータのかご照明装置のD部拡大図である。 図5に示すエレベータのかご照明装置のE−E断面図である。 図5に示すエレベータのかご照明装置のF−F断面図である。 図5に示すエレベータのかご照明装置のH−H断面図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図7相当図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図5相当図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図8相当図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータのかご照明装置の要部平面図である。 図12に示すエレベータのかご照明装置のK部拡大図である。 図13に示すエレベータのかご照明装置のM−M断面図である。 図14に示すエレベータのかご照明装置のN−N断面図である。 図12に示すエレベータのかご照明装置のL部拡大図である。 図16に示すエレベータのかご照明装置のP−P断面図である。 図17に示すエレベータのかご照明装置のS−S断面図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図18相当図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図12相当図である。
符号の説明
1 照明体、2 照明カバー部、3 中央天井板、3a 立上部、4 右側天井板、
5 左側天井板、5a 立上部、5b 水平部、5c 傾斜部、5d 開口部、
5e 遮光板、6 ヒンジ、7 照明板、8 係合板、8a 切欠部、9 補強材、
10 保持具、11 支持金、11a 底部、11b 立上部、11c 突出部、
11d 長孔、11e ネジ孔、12 固定金、12a 貫通孔、13 ピン、
14 バネ、15 ボルト、16 座金、17 ナット、18 ロックナット、
19 ナット、20 鋼尺、21 係合板、21a 切欠部、22 保持具、
23 支持金、23a 底部、23b 立上部、23c 立上部、23d 突出部、
23e 貫通孔、23f 貫通孔、24 第1固定金、24a 貫通孔、
25 第2固定金、25a ネジ孔、26 ピン、27 バネ、28 ナット
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのかご室の側面図、図2は図1に示すかご室のA−A断面図、図3は図2におけるB矢視図である。図1乃至図3において、1はかご室上部に設けられ、かご室内を照らす蛍光灯等からなる2つの照明体、2は照明体1を覆うようにかご室上部に設けられ、かご室上部の全体に渡るその下面がかご室天井面を形成する照明カバー部である。
ここで、上記照明カバー部2は、かご室の出入口側から見て中央部の前後に渡って配置された中央天井板3と、この中央天井板3の両側に前後に渡って配置された右側天井板4及び左側天井板5とから構成される。上記中央天井板3は、化粧塗装された鋼板又はアルミ製のパネル等からなり、かご室上部に吊り下げ固定されて、照明体1より下方に配置されている。そして、その左右両端部には、縁部が所定距離上方に曲成されることにより、かご室の前後に渡って立上部3aが形成されている。なお、実施例1における固定天井部は、かご室上部に設けられた上記中央天井板3からなる。
また、上記左側天井板5は、中央天井板3と同様に化粧塗装された鋼板又はアルミ製のパネル等からなり、かご室の左側の側壁に隣接する左側端部の前側及び後側が、かご室の前後方向に回動軸を有するヒンジ6によって、かご室上部に対して回動自在に支持されている。即ち、この左側天井板5の中央天井板3に隣接する右側端部は、ヒンジ6を中心に上下方向に移動し、照明カバー部2の一部を開閉自在に構成する。また、左側天井板5の右側端部には、その縁部が所定距離上方に曲成されることにより、かご室の前後に渡って立上部5aが設けられている。なお、左側天井板5のこの立上部5aと中央天井板3の一方の立上部3aとの間には、所定の幅G(例えば、2mm)を有する間隙が形成されている。
また、左側天井板5は、かご室天井面を形成する部分が、中央天井板3側の水平部5bと、この水平部5bからかご室の左側の側壁に向かうに従って下方に傾斜する傾斜部5cとによって構成されている。そして、上記傾斜部5cには、その全体に渡って略四角形状を呈する開口部5dが形成されており、この開口部5dを塞ぐように、所定の透光性を有する照明板7(例えば、乳白色のアクリル板)が傾斜部5cの上方から載置されて固定されている。
また、5eは左側天井板5の水平部5bに立設された遮光板(遮光部)である。この遮光板5eは、水平部5b上方に配置された一方の照明体1から照射された光が、中央天井板3の左側端部と左側天井板5の右側端部との間に形成された間隙から漏れることを防止するためのものであり、一方の照明体1の中央天井板3側を覆うように、この照明体1と左側天井板5の右側端部との間に配置されている。また、遮光板5eは、照明体1に対向する面に反射率の高い塗装等が施されており、照明体1から中央天井板3側に照射される光を反中央天井板3側に反射させる。かかる構成を有することにより、照明体1からの光は、中央天井板3の左側端部と左側天井板5の右側端部との間に形成された間隙から漏れることはなく、左側天井板5の上方で拡散され、照明板7を通ってかご室内に照射される。
一方、右側天井板4も、上記左側天井板5と同様の構成を有しており、他方の照明体1からの光は、右側天井板4の上方で拡散されて、照明板7を通ってかご室内に照射される。なお、実施例1における可動天井部は、上記左側天井板5と上記右側天井板4とからなる。
次に、エレベータのかご室上部に設けられたかご照明装置の内部構造について詳細に説明する。図4は図2におけるC矢視図であり、かご室上部に設けられたかご照明装置の一部を上方から見た状態を示している。また、図5は図4に示すエレベータのかご照明装置のD部拡大図、図6は図5に示すエレベータのかご照明装置のE−E断面図、図7はそのF−F断面図、図8はそのH−H断面図である。
図4乃至図8において、左側天井板5の右側端部の上面には、かご室の前後に渡って、縦断面略Z字状を呈する係合板8(係合部)が、接着又は溶接等によって固定されている。この係合板8は、中央天井板3側の端部(以下、「上端部」という)が、左側天井板5の右側端部と所定の間隔を有して対向するように配置されている。即ち、板状部材からなる係合板8の上端部は、左側天井板5の右側端部の上方において、この右側端部と平行に配置されている。そして、係合板8の上端部には、中央天井板3側に開口する凹状の複数(図4においては3つ)の切欠部8aが、所定間隔ごとに形成されている。
一方、左側天井板5に隣接する中央天井板3の左側端部の上面には、かご室の前後に渡って、補強材9が溶接等で固定されている。この補強材9は、薄板が曲成されることによって形成されており、その上面が中央天井板3の左側端部の上面から所定の高さとなるように配置されている。そして、補強材9の上面には、係合板8の上端部に形成された各切欠部8aに対応する位置に、複数の保持具10が設けられている。
次に、上記保持具10の構成について説明する。
上記保持具10は、支持金11(支持部)と、固定金12と、ピン13と、バネ14とから構成される。ここで、上記支持金11は、前側縁部と後側縁部とが上方に曲成されることにより、補強材9の上面に載置された底部11aの前後に、立上部11bが形成されている。また、11cは底部11aから左側天井板5側に向かって突設された突出部である。この突出部11cは、中央天井板3の一端部に平行に配置された板状部材からなり、中央天井板3と左側天井板5との隣接する端部間に形成された間隙上方を通過して、中央天井板3側から左側天井板5側に突出するように配置されている。そして、その先端部に係合板8の上端部が載置されるように突出部11cが係合板8に下方から係合して、左側天井板5の右側端部を所定の高さに保持し、左側天井板5の下面と中央天井板3の下面とを一続きのかご室天井面として形成する。
また、上記支持金11には、底部11aに、かご室の前後方向に長手方向を有する2つの長孔11dが形成されている。そして、補強材9の上面から先端ネジ部が突出するように補強材9に溶接固定されたボルト15が、各長孔11dに遊貫されている。なお、16は各ボルト15に遊貫されて支持金11の底部11a上面に載置された座金、17はその下面が座金16上面と僅かな隙間G1を有してボルト15に螺嵌されたナット、18はナット17の上方からボルト15に螺嵌されて、ナット17とともにダブルナット締めされたロックナットを示している。かかる構成を有することにより、支持金11は、長孔11dの長手方向、即ち、中央天井板3の右側端部に沿って所定距離移動自在に構成され、その移動の際のがたつきも最小に抑えられている。
また、略L字状に曲成された上記固定金12は、補強材9の上面から突出する上端部が、支持金11の一方の立上部11b(実施例1においては、後側の立上部11b)に所定の間隔を有して対向するように配置され、下端部が補強材9の上面に溶接等により固定されている。なお、支持金11の一方の立上部11bに形成されたネジ孔11eと、固定金12の上端部に形成された貫通孔12aとは、略一直線状となるように設けられている。
また、上記ピン13は、固定金12に形成された貫通孔12aに、反支持金11側から挿通され、その先端部に設けられたネジ部が、支持板11の立上部11bに形成されたネジ孔11eに螺嵌されている。また、ピン13の先端部には、ナット19がさらに螺嵌されて、抜け防止が図られている。一方、上記バネ14は、中空部にピン13が挿通され、固定金12の上端部及び支持金11の一方の立上部11b間に配置されている。即ち、支持金11は、バネ14によって、反固定金12側に常時付勢されている。
ここで、図4乃至図8は、支持金11がバネ14に付勢されることによって最も反固定金12側、即ち、かご室の前側に移動し、固定金12の上端部及び支持金11の一方の立上部11b間が距離Jとなった状態を示している。かかる状態では、支持金11がかご室の前側に移動することにより、ボルト15が長孔11dの後側に配置される。また、支持金11の突出部11cの先端部は、係合板8に形成された切欠部8aよりも所定距離前側に位置している。したがって、支持金11の突出部11c先端部が、係合板8の上端部の下方に配置されてこの上端部を支持することにより、左側天井板5の右側端部が所定の高さに保持される。
なお、右側天井板4の左側端部及びこの右側天井板4に隣接する中央天井板3の右側端部も、上記と同様の構成を有している。そして、複数の保持具10によって、右側天井板4の左側端部が所定の高さに保持されている。
次に、エレベータ保守作業員がかご室上部に設けられたかご照明装置の保守点検や照明体1の交換等を実施するために、かご室内から右側天井板4や左側天井板5を開放する際の動作について説明する。図9はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図7相当図、図10はその図5相当図、図11はその図8相当図である。
図9乃至図11において、エレベータ保守作業員は、かご室内に持ち込まれた脚立等に上り、かご照明装置の下方から、中央天井板3と左側天井板5との隣接する端部間に形成された幅Gの間隙に、例えば、鋼尺20を下方から挿入する。なお、この鋼尺20は、その厚みが幅Gよりも薄く、所定の長さを有する板状部材から構成される。そして、鋼尺20の上端部により、支持金11の突出部11cを、バネ14の付勢力に抗して一側(実施例1においては、かご室の後側)に移動させる。鋼尺20によって支持金11の突出部11cを係合板8の切欠部8aの位置まで移動させると、支持金11の突出部11cと係合板8の上端部との係合状態が解除され、左側天井板5の右側端部が下方に回動自在となる。なお、図10は支持板11の突出部11cと係合板8の上端部との係合状態が解除された状態を示している。その後、エレベータ保守作業員は、左側天井板5の右側端部を下方に移動させて、照明体1の交換や保守作業等を実施する。
また、照明体1の交換後、保守作業員は、上記と逆の手順により、左側天井板5を閉じることができる。即ち、保守作業員は、先ず、左側天井板5の右側端部をヒンジ6を中心として上方に移動させる。そして、左側天井板5の下面を中央天井板3の下面と同高さに合わせるとともに、左側天井板5と中央天井板3との間に形成された間隙に鋼尺20を挿入して、この鋼尺20によって支持金11の突出部11cを、係合板8の切欠部8aまで移動させる。そして、支持金11の突出部11cを係合板8の上端部の下方に配置させる。
なお、上記と同様の手順及び動作によって右側天井板4の開閉が可能である。
この発明の実施例1によれば、エレベータ保守作業員は、左側天井板5及び右側天井板4の開閉を、かご室内からの鋼尺20を用いた簡単な操作のみで行うことができ、かご照明装置の保守点検や内部機器類の交換等を容易に実施することが可能となる。また、中央天井板3の両側に形成された間隙の幅が小さいために意匠性にも優れるとともに、右側天井板4や左側天井板5の重量が増加した場合でも、支持金11と係合板8とによって確実に保持することが可能である。
また、左側天井板5の右側端部及び右側天井板4の左側端部を支持する支持金11の突出部11c、並びに、この突出部11cに係合する係合板8の上端部が略水平に配置された板状部材からなるとともに、突出部11cを水平に移動させることによって突出部11cと係合板8の上端部との係合状態を解除することができるため、かご照明装置の鉛直方向の厚みを抑制して、省スペース化にも容易に対応し得る。したがって、昇降路内の各種機器類のレイアウトにも影響を与えることがない。
なお、実施例1のように、中央天井板3の両側に可動天井部からなる右側天井板4と左側天井板5とを設けて、中央天井板3寄りに照明体1を配置することによって、右側天井板4や左側天井板5の開閉動作と、照明体1の交換作業とを一箇所で行うことが可能となり、さらに作業性を向上させることも可能である。
図12はこの発明の実施の形態2におけるエレベータのかご照明装置の要部平面図、図13は図12に示すエレベータのかご照明装置のK部拡大図、図14は図13に示すエレベータのかご照明装置のM−M断面図、図15は図14に示すエレベータのかご照明装置のN−N断面図、図16は図12に示すエレベータのかご照明装置のL部拡大図、図17は図16に示すエレベータのかご照明装置のP−P断面図、図18は図17に示すエレベータのかご照明装置のS−S断面図である。
図12乃至図18において、係合板21(係合部)は、実施例1における係合板8と同様の構成を有しており、板状部材からなるその上端部が、左側天井板5の右側端部の上方において、この右側端部と平行に配置されている。そして、係合板21の上端部には、中央天井板3側に開口する幅Qの凹状の複数(図12においては5つ)の切欠部21aが、所定間隔ごとに形成されている。また、左側天井板5に隣接する中央天井板3の左側端部の上面には、実施例1と同様の補強材9が溶接等で固定されている。そして、補強材9の上面には、一つの保持具22が設けられている。
上記保持具22は、支持金23(支持部)と、第1固定金24と、第2固定金25と、ピン26と、バネ27とから構成される。ここで、上記支持金23は、中央天井板3の左側端部に渡って設けられ、前側縁部と後側縁部とが上方に曲成されることにより、補強材9の上面に載置された底部23aの前後に、立上部23bが形成されている。なお、支持金23は、補強材9と同様にかご室の前後方向に長手方向を有しており、中央天井板3の前後に渡って設けられた補強材9よりも所定距離短くなるように設けられている。また、23cは、補強のために底部23aの右側縁部が上方に曲成された立上部、23dは底部23aから左側天井板5側に向かって突設された幅R(<Q)の複数(図12においては5つ)の突出部である。各突出部23dは、中央天井板3の一端部に平行に配置された板状部材からなり、中央天井板3と左側天井板5との隣接する端部間に形成された間隙上方を通過して、中央天井板3側から左側天井板5側に突出するように配置されている。そして、その先端部に係合板21の上端部が載置されるように突出部23dが係合板21に下方から係合して、左側天井板5の右側端部を所定の高さに保持し、左側天井板5の下面と中央天井板3の下面とを一続きのかご室天井面として形成する。
また、略L字状に曲成された上記第1固定金24及び第2固定金25は、補強材9の上面から突出する各上端部が、支持金23を間に挟んで対向するように配置され、その下端部が補強材9の上面に溶接等により固定されている。なお、支持金23の前側に配置された第1固定金24の上端部に形成された貫通孔24aと、第1固定金24の上端部に対向する支持金23の立上部23bに形成された貫通孔23eと、支持金23の後側に配置された第2固定金25の上端部に形成されたネジ孔25aと、第2固定金25の上端部に対向する支持金23の立上部23bに形成された貫通孔23fとは、略一直線状となるように設けられている。
また、上記ピン26は、第1固定金24に形成された貫通孔24aに、反支持金23側から挿通され、支持金23の各立上部23bに形成された貫通孔23e及び23fを通って、その先端部に設けられたネジ部が、第2固定金25に形成されたネジ孔25aに螺嵌されている。また、ピン26の先端部には、ナット28がさらに螺嵌されて抜け防止が図られている。一方、上記バネ27は、中空部にピン26が挿通され、第2固定金25の上端部及び支持金23の後側の立上部23b間に配置されている。即ち、支持金23は、バネ27によって、反第1固定金24側に常時付勢されている。
ここで、図12乃至18は、支持金23がバネ27に付勢されることによって最も反第2固定金25側、即ち、かご室の前側に移動し、第2固定金25の上端部及び支持金23の後側の立上部23b間が距離Tとなった場合を示している。かかる状態では、支持金23がピン26の軸方向に沿ってかご室の前側に移動することにより、第1固定金24の上端部と支持金23の前側の立上部23bとが接触する。また、支持金23の各突出部23dの先端部は、係合板21に形成された各切欠部21aよりも所定距離前側に位置している。したがって、支持金23の各突出部23d先端部が、係合板21の上端部の下方に配置されてこの上端部を支持することにより、左側天井板5の右側端部が所定の高さに保持される。
なお、右側天井板4の左側端部及びこの右側天井板4に隣接する中央天井板3の右側端部も、上記と同様の構成を有している。そして、支持金23の各突出部23dによって、右側天井板4の左側端部が所定の高さに保持されている。
次に、エレベータ保守作業員がかご室上部に設けられたかご照明装置の保守点検や照明体1の交換等を実施するために、かご室内から右側天井板4や左側天井板5を開放する際の動作について説明する。図19はこの発明の実施の形態2におけるエレベータのかご照明装置の保守動作を示す図18相当図、図20はその図12相当図である。
図19及び図20において、エレベータ保守作業員は、かご室内に持ち込まれた脚立等に上り、かご照明装置の下方から、中央天井板3と左側天井板5との隣接する端部間に形成された幅Gの間隙に、例えば、鋼尺20を下方から挿入する。そして鋼尺20の上端部により、支持金23の一つの突出部23dを、バネ27の付勢力に抗して一側に移動させる。ここで、各突出部23dは支持金23に設けられているため、一つの突出部23dを一側に移動させることにより、他の突出部23dも連動して同方向に移動する。鋼尺20によって支持金23の突出部23dを係合板21の切欠部21aの位置まで移動させると、支持金23の各突出部23dと係合板21の上端部との係合状態が一斉に解除され、左側天井板5の右側端部が下方に回動自在となる。その後、エレベータ保守作業員は、左側天井板5の右側端部を下方に移動させて、照明体1の交換や保守作業等を実施する。
この発明の実施例2によれば、鋼尺20によって支持金23の一つの突出部23dをかご室の後側に移動させることにより、支持金23全体が移動して、全ての突出部23dの係合状態を解除させることができるため、保守作業員がかご室内で行う作業性をさらに向上させて、保守作業員に掛かる負担を減少させることが可能となる。なお、その他は実施の形態1と同様の構成及び効果を有する。
以上のように、この発明にかかるエレベータのかご照明装置によれば、鋼尺によって、かご室内から容易にかご照明装置の下部を開放することができ、かご照明装置の保守作業や内部機器類の交換等を容易に実施することができる。また、支持金の突出部と係合板の上端部とを水平に配置された板状部材で構成し、突出部を水平に移動させることによって支持部の突出部と係合板の上端部との係合状態を解除することができるため、かご照明装置の省スペース化にも容易に対応することが可能となる。

Claims (4)

  1. エレベータのかご室上部に設けられ前記かご室内を照らす照明体より下方に配置された固定天井部と、
    一側端部が前記かご室上部に回動自在に支持され、他側端部が、前記固定天井部の一側端部との間に所定の間隙を有して配置された可動天井部と、
    前記可動天井部の他側端部に設けられ、前記固定天井部側に開口する切欠部が形成された係合部と、
    前記固定天井部の一側端部に設けられた支持部と、
    前記支持部に設けられ、前記間隙上方を通過して前記固定天井部側から前記可動天井部側に突出し、先端部が前記係合部に下方から係合して、前記可動天井部の他側端部を所定の高さに保持する突出部と、
    を備え、
    前記突出部は、前記固定天井部の一端部に沿って移動自在に設けられ、前記間隙に下方から挿入された部材によって先端部が前記切欠部の位置まで移動さることにより前記係合部との係合状態が解除されることを特徴とするエレベータのかご照明装置。
  2. 照明体は、可動天井部の上方に配置され、
    前記照明体と係合部との間に、前記間隙から前記照明体の光が漏れることを防止するための遮光部が、前記可動天井部の他側端部に沿って設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご照明装置。
  3. 係合部は、固定天井部側に開口する切欠部が、可動天井部の他側端部に沿って複数配置され、
    突出部は、前記固定天井部の一端部に沿って配置された板状部材に複数設けられ、
    一つの前記突出部が、前記間隙に下方から挿入された部材によって移動れることにより、他の前記突出部が連動して移動する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載のエレベータのかご照明装置。
  4. 可動天井部は、固定天井部の両側にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のエレベータのかご照明装置。
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