JP2010006572A - エレベータかごの天井照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明器具の保守作業性が良いとともに、かご室内の光量を確保しやすいエレベータかごの天井照明装置を提供する。
【解決手段】エレベータかごの天井照明装置1は、複数の照明器具35と、ケース36と、ヒンジ部37と、ロック装置38とを具備する。ケース36は、複数の照明器具35を内部に収容するケースであって、照明器具35をかご室22内に露出させる開口部43を下面に有する固定部41と、開口部43に配置され、複数の照明器具35の下方を覆う可動部42とを有する。ヒンジ部37は、天井部33の第1の周縁部33aに配置されるとともに、可動部42の一端部42aに連結されている。ロック装置38は、天井部33の第2の周縁部33bに配置され、可動部42の他端部42bを解放可能に保持する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、エレベータかごの天井部に設置される天井照明装置に関する。
エレベータかごの天井照明装置は、天井に吊設された照明灯と、この照明灯の下方を覆うケースとを備える。そして天井の天板には、保守時に照明灯を露出させる点検口が設けられている。保守員は、エレベータかごの上に乗り込み、上記点検口を通じて照明灯を交換したり、ケース内を清掃したりする。
また天井照明装置のなかには、ケースの下面に点検口が設けられたものがある。この点検口は、ケースに着脱自在に取り付けられた照明板により覆われている。照明板は、マジックテープ(登録商標)やスライド機構を介してケースに取り付けられており、保守時にかご内から取り外すことができるようになっている。
特許文献1は、照明灯の保守点検がやりやすく、かつ、いたずらされにくいエレベータの天井照明装置を開示している。この天井照明装置は、内部に照明灯を備えた第2天井を備える。この第2天井の側壁は、水平方向に開口した操作口が設けられている。この操作口は、起立した姿勢で配置された操作口蓋により覆われている。この操作口蓋は、下部がヒンジによって支持されて回動可能であるとともに、上部がロック装置によりロックされている。操作口蓋を開くときは、第2天井と天井板との間にロック解除具を挿入して、上記ロック装置を解除する。
特開2007−246243号公報
ところで、点検口が天井の天板に設けられている場合は、保守員がかご上に乗り込む必要があるため、エレベータを乗り込み禁止として停止させる必要がある。また、マジックテープやスライド機構を介してケース下面に照明板が取り付けられている場合、この照明板を取り外すときに照明板を周囲にぶつけてしまい、照明板が割れたり、傷付いたり、また照明器具を破損させるおそれがある。これらは保守作業性の観点から改善の余地がある。
また上記特許文献1に記載の天井照明装置では、第2天井の側壁に操作口が設けられているために天井照明装置の構成が大きく制約される。つまり、第2天井の側壁に開口する操作口を通じて保守作業を行うために、操作口の側方に作業用の空間を十分に確保しておく必要がある。そのため、天井照明装置の大きさが限定され、照明面積を大きく確保しにくく、かご室内の光量を向上させることが難しい。
本発明の目的は、照明器具の保守作業性が良いとともに、かご室内の光量を確保しやすいエレベータかごの天井照明装置を提供することにある。
(1)本発明の一つの形態に係るエレベータかごの天井照明装置は、エレベータのかご室の天井部に設けられるものである。上記天井部は、第1の周縁部と、当該天井部のなかで上記第1の周縁部とは反対側に位置する第2の周縁部とを有する。上記天井照明装置は、複数の照明器具と、ケースと、ヒンジ部と、ロック装置とを具備する。上記ケースは、上記天井部の第1および第2の周縁部の間に亘って設けられるとともに、上記複数の照明器具を内部に収容する。上記ケースは、上記かご室に対して固定されるとともに、上記照明器具を上記かご室内に露出させる開口部を下面に有する固定部と、上記開口部に配置され、上記天井部の第1および第2の周縁部の間に亘って延びるとともに、上記複数の照明器具の下方を覆う可動部とを有する。上記ヒンジ部は、上記天井部の第1の周縁部に配置されるとともに、上記可動部の一端部に連結され、上記可動部を、上記開口部に配置される第1の姿勢と、上記第1の姿勢から下方に開いて上記開口部を開放する第2の姿勢との間で回動可能に支持する。上記ロック装置は、上記天井部の第2の周縁部に配置され、上記第1の姿勢にある上記可動部の他端部を解放可能に保持する。
(2)上記(1)に記載のエレベータかごの天井照明装置の一つの形態では、上記ロック装置は、上記可動部の上面の周縁部に設けられるとともに、上記ロック装置は、上記可動部の端部と上記開口部の開口縁との間の隙間の上方に配置されたロック解除部を有する。
(3)上記(2)に記載のエレベータかごの天井照明装置の一つの形態では、前記ロック装置は、ラッチ部とフック部とを有するとともに、上記ラッチ部が上記フック部を拘束することによりロック状態となり、上記ラッチ部が上記フック部を解放することにより解放状態となり、上記固定部および上記可動部のいずれか一方には、上記ラッチ部が設けられ、上記固定部および上記可動部の残りの一方には、上記フック部が設けられる。
(4)上記(3)に記載のエレベータかごの天井照明装置の一つの形態では、上記ロック装置は、上記ロック解除部に連結された操作レバーを有し、この操作レバーは、上記可動部の端部と上記開口部の開口縁との間の隙間に配置される。
(5)上記(3)に記載のエレベータかごの天井照明装置の一つの形態では、上記ロック解除部は、操作されることで上記ラッチ部に上記フック部を解放させるロックピンであり、上記可動部の端部と上記開口部の開口縁との間の隙間に差し込まれた治具によって上記ロック解除部を操作することで上記ロック状態が解除される。
(6)上記(5)に記載のエレベータかごの天井照明装置の一つの形態では、上記ロック装置とは別に上記可動部を上記固定部に固定する誤動作防止用のロックねじを備える。
本発明によれば、照明器具の保守作業性が良いとともに、かご室内の光量を確保しやすいエレベータかごの天井照明装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図1ないし図9を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1ないし第4の実施形態に係るエレベータの天井照明装置1が適用されるエレベータ2の全体について概略的に説明する。
図1に示すように、エレベータ2は、それぞれ昇降路3内に配置された乗籠4と釣合いおもり5とを備える。各利用階には、乗籠4に乗降するためのホール6が設けられている。ホール6は、ホール出入口7と、このホール出入口7を開閉可能に閉じるホールドア8とを備える。
昇降路3の上方には機械室9が設けられている。この機械室9には、巻上機10が設置されるとともに、例えばエレベータ2の全体を制御する制御装置11が設けられている。巻上機10は、メインシーブ13と、このメインシーブ13を回転駆動するモータ14と備える。メインシーブ13には、乗籠4と釣合いおもり5が釣瓶式に連結されたメインロープ15が巻き掛けられている。
図1に示すように、乗籠4は、かご枠21と、かご室22とを備える。かご枠21は、それぞれ鋼材である上梁、下梁、および鉛直方向に延びる一対の縦枠が組み立てられて枠状に形成されている。かご室22は、利用者が乗車可能な箱形に形成されているとともに、かご枠21内に配置されている。
図2は、かご室22の内部を示す。かご室22は、かご床23、側板24a,24b、乗籠出入口25、幕板26、リターンパネル27a,27b、および天井28を備える。側板24a,24bは、かご室22の外壁を形成する壁板であり、かご床23の周縁部から起立している。乗籠出入口25には、乗籠ドア29a,29bが設けられている。
以下、図1ないし図9を参照して、エレベータの天井照明装置1について説明する。
(第1の実施形態)
図3ないし図6は、本発明の第1の実施形態に係るエレベータの天井照明装置1を示す。図3に示すように、かご室22の天井28は、いわゆる第1天井であり、天板31と、天井側板32とを有する。天板31は、かご室22の上端部において水平方向に延びており、かご室22内の内部空間に上方から対向している。
天井側板32は、天板31の端部から下方に延びているとともに、その下端部がかご室22の外側に向いて水平方向に折れ曲っている。そして折れ曲った天井側板32の下端部は、側板24a,24bの上端部に繋がっている。これにより天井側板32は、天井28の周縁部において、天板31よりも低い位置でかご室22内に臨む天井壁を形成している。天板31および天井側板32は、天井部33を規定している。本明細書でいう天井部33とは、かご室22内の上部に形成された空間のことであり、例えば天板31と天井側板32とによって囲まれた空間である。
図4に示すように、天井部33は、第1および第2の周縁部33a,33bを有する。第1の周縁部33aは、例えばかご室22の奥部となる周縁部である。第2の周縁部33bは、天井部33のなかで第1の周縁部33aとは反対側に位置し、例えばかご室22の乗籠出入口25側の周縁部である。また図3に示すように、天井部33は、第3および第4の周縁部33c,33dを有する。第3および第4の周縁部33c,33dは夫々、かご室22の幅方向(左右方向)の周縁部である。第4の周縁部33dは、天井部33のなかで第3の周縁部33cとは反対側に位置する。
図3に示すように、天井照明装置1は、かご室22の天井部33に設置されている。図4に示すように、本実施形態に係る天井照明装置1は、複数の照明器具35、ケース36、ヒンジ部37、およびロック装置38を備える。
図3に示すように、天板31の下面31a(すなわち下部)には、複数の照明器具35が取り付けられている。照明器具35は、かご室22内を照らす照明灯である。
ケース36は、いわゆる第2天井を形成する。ケース36は、第1および第2の周縁部33a,33bの間、並びに第3および第4の周縁部33c,33dの間に亘って設けられている。すなわちケース36は、天井部33の略全域に亘って設けられている。ケース36は、例えば箱形に形成されており、上記複数の照明器具35を内部に収容している。
ケース36は、固定部41と、可動部42とを有する。固定部41は、例えば天板31の下面31a(すなわち下部)に取り付けられ、かご室22に対して固定されている。固定部41の下面は、上記複数の照明器具35を一括してかご室22内に露出させる開口部43(いわゆる点検口)を有する。詳しく述べると、固定部41は、ケース側板44と、一対の支持部材45a,45bとを有する。
図3および図4に示すように、ケース側板44は、起立して延びるとともに、例えば上端部が天板31に固定されている。ケース側板44は、例えばケースの4方向全ての側面部に設けられていてもよく、または2方向や3方向の側面部に設けられ、残りの側面部が開放されていてもよい。このケース側板44の下端部44aが上記開口部43の開口縁4aを規定している。すなわち、ケース側板44の下端部44aに囲まれた領域が開口部43となっている。
図3および図4に示すように、一対の支持部材45a,45bは、例えば水平方向に延びる鋼材であり、より詳しくはLアングル鋼材である。図3に示すように、一対の支持部材45a,45bは、かご室22の幅方向に分かれて配置され、それぞれ天井部33の第3または第4の周縁部33c,33dに配置されている。図4に示すように、一対の支持部材45a,45bは、例えばかご室22の奥行き方向に沿って延びており、天井部33の第1および第2の周縁部33a,33bの間に亘って延びている。支持部材45a,45bは、ケース側板44に固定されている。なお支持部材45a,45bは、天板31に直接固定されていてもよい。
図3および図4に示すように、可動部42は、水平方向に広がる平板状の部材であり、開口部43に配置されている。可動部42は、天井部33の第1および第2の周縁部33a,33bの間、並びに第3および第4の周縁部33c,33dの間に亘って延びている。すなわち可動部42は、天井部33の略全域に亘って設けられている。可動部42は、上記複数の照明器具35の下方を一体に覆っている。可動部42は、いわゆる照光板であり、照明器具35の放つ光をかご室22内へ通過させる透光性を有する。可動部42は、例えばアクリル部材やガラスクロス(ガラスの繊維を織り込んだ布材)である。
可動部42は、第1および第2の端部42a,42bを有する。第1の端部42aは、かご室22の奥側の端部であり、天井部33の第1の周縁部33aに位置している。第2の端部42bは、かご室22の乗籠出入口25側の端部であり、天井部33の第2の周縁部33bに位置している。
図4に示すように、ヒンジ部37は、天井部33の第1の周縁部33aに配置されている。ヒンジ部37は、支持部材45a,45b(すなわち固定部41)と可動部42との間に設けられている。ヒンジ部37は、例えば一対設けられ、可動部42の幅方向の両端部42c,42cと一対の支持部材45a,45bとの間夫々に取り付けられている。
図6は、一方のヒンジ部37を代表して示す。ヒンジ部37は、支持部材45bに連結されるとともに、可動部42の第1の端部42aに連結されている。詳しく述べると、ヒンジ部37は、第1および第2の部材37a,37b、並びにヒンジ軸37cを有する。第1の部材37aは、支持部材45bに固定されている。第2の部材37bは、可動部42の第1の端部42aに固定されている。ヒンジ軸37cは、第1および第2の部材37a,37bを互いに回動可能に連結している。なお支持部材45aに取り付けられるヒンジ部37も同じ構成を有する。
これにより図4および図6に示すように、ヒンジ部37は、可動部42を、開口部43に配置される第1の姿勢(図中、実線で表示)と、上記第1の姿勢から下方に開いて開口部43を開放する第2の姿勢(図中、2点鎖線で表示)との間で回動可能に支持する。上記第2の姿勢では、上記複数の照明器具35が開口部43を通じてかご室22内に露出される。
図4に示すように、ロック装置38は、天井部33の第2の周縁部33bに配置されている。ロック装置38は、上記第1の姿勢にある可動部42の第2の端部42bを解放可能に保持する。図3に示すように、ロック装置38は、例えば一対設けられ、可動部42の幅方向の両端部に取り付けられている。
図5に示すように、ロック装置38は、可動部42の上面42eの周縁部に設けられている。ロック装置38は、互いに係合可能なラッチ部38aとフック部38bとを有する。ラッチ部38aは、可動部42の上面42eに固定されている。フック部38bは、支持部材45a,45b(すなわち固定部41)に固定されている。なおフック部38bは、支持部材45a,45b以外の固定部41に固定されていてもよい。またラッチ部38aが固定部41に設けられるとともに、フック部38bが可動部42に設けられていてもよい。
ラッチ部38aがフック部38bを拘束することにより、ロック装置38は可動部42の第2の端部42bを保持するロック状態となる。一方、ラッチ部38aがフック部38bを開放することにより、ロック装置38は可動部42の第2の端部42bを解放する解放状態となる。
図5に示すように、ロック装置38は、このロック装置38を作動させて上記ロック状態から上記解放状態へ移行させるロック解除部38cを有する。固定部41と可動部42との間には、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとによって規定される隙間Sがある。ロック解除部38cは、この可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sの上方に配置されている。
次に、天井照明装置1の作用について説明する。
通常時は、ロック装置38がロック状態にあり、ケース36の可動部42は、ロック装置38に保持されて上記第1の姿勢にある。このとき天井部33に設けられた照明器具35は、可動部42によって覆い隠された状態にある。
保守を行うときは、保守員は、かご室22内から、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sに手または治具を差し込み、ロック解除部38cを操作(例えば押し上げ動作)する。これによりロック装置38が解放状態となり、可動部42の保持が解除される。この保持が解除された状態で、ヒンジ部37を中心として可動部42を回動させることで、可動部42が上記第2の姿勢になる。
可動部42を上記第2の姿勢にすると、天井部33に設けられた照明器具35が固定部41の開口部43を通じてかご室22内に露出される。すなわち天井下面のほぼ全面が可動部42として開き、ケース36に周囲を囲まれた照明器具35をかご室22内から視認することができる。
これにより保守員は、開口部43を通じて、かご室22内から照明器具35の保守作業を行うことができる。例えば照明器具35(例えば照明ランプ)の寿命が切れていたり、暗くなったりしている場合には、保守作業としてランプ交換などを行う。
このような構成の天井照明装置1によれば、照明器具35の保守作業性が良いとともに、かご室22内の光量を確保しやすくなる。すなわち、本実施形態に係る天井照明装置1は、可動部42を有するケース36と、可動部42の第1の端部42aを回動可能に支持するヒンジ部37と、可動部42の第2の端部42bを解放可能に保持するロック装置38とを有する。可動部42は、天井部33の第1および第2の周縁部33a,33bの間に亘って延びている。
このような構成によれば、保守員は、かご室22内からの作業で、照明器具35をかご室22内に露出させることができる。そして保守員は、かご室22内から照明器具35を点検および交換することができる。つまり保守員は、かご室22の上に乗り込む必要がない。したがってエレベータ2を点検モードとして一般利用者の乗り込みを禁止する必要がないため、利用者に迷惑をかけることが少なくなる。また、点検モードとする必要がなければ乗り込み禁止とするための点検札や安全策などが不要となり、作業時間として大幅な短縮が可能となる。
また本実施形態に係る可動部42は、照明器具35を露出させた状態においてもヒンジ部37を介して固定部41に連結されている。このため、照明器具35を露出させるときに、可動部42(すなわち照明板)を周囲にぶつけてしまい、可動部42が割れたり、傷付いたり、また照明器具35が破損するおそれが小さい。このため本実施形態に係る天井照明装置1は、保守作業性が良好である。
ここで、開口部43がケース36の側面に開口している場合、保守員が開口部43を通じて保守作業を行うために、開口部43の側部に作業用の空間を十分に確保しておく必要がある。そのため照明面積を大きく確保しにくく、光量を確保することが難しい。
一方、本実施形態に係るケース36は、点検口としての開口部43がケース36の下面に設けられている。そのため、開口部43の側部に作業用の空間を確保する必要がない。換言すれば、可動部42を有するケース36を天井部33のほぼ全域に亘って設けることができる。したがって照明面積を確保しやすく、かご室22内の光量を大きく確保することができる。また、ケース36が天井部33のほぼ全域に亘って設けられると、天井部の外観が良くなり、見栄えも良好な天井照明装置1が提供される。
ロック装置38のロック解除部38cが、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sの上方に配置されていると、ロック解除部38cが一般の利用者にほとんど見られることがない。そのため、一般の利用者が誤ってロック装置38を解除することや、いたずら目的でロック装置38を解除することが抑制される。
ロック装置38が、互いに係合可能なラッチ部38aとフック部38bとを有するとともに、固定部41および可動部42のいずれか一方にラッチ部38aが設けられ、固定部41および可動部42の残りの一方にフック部38bが設けられると、比較的簡単な構成で上記ロック装置38が実現可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るエレベータかごの天井照明装置1について、図7を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る天井照明装置1は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ2に設けられる。
図7に示すように、本実施形態に係るロック装置38は、ロック解除部38cに連結された操作レバー51を有する。ロック装置38は、例えば操作レバー51を回動させることで上記ロック状態を解除する。詳しく述べると、操作レバー51は、ケース36の可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sに配置されている。すなわち操作レバー51の下端部51aは、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間に位置している。保守員は、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sに手を差し込み、操作レバー51の下端部51aを移動させることで上記ロック状態を解除する。
操作レバー51の下端51bは、例えば可動部42の下面42f(すなわちかご室22内に臨む意匠面)よりも上方に位置している。操作レバー51の下端部51aは、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間に保守員が手を挿入したとき、保守員が操作することができる位置に配置されている。上記説明した以外の天井照明装置1の残りの構成は上記第1の実施形態と同じである。
このような構成の天井照明装置1によれば、上記第1の実施形態と同様に、照明器具35の保守作業性が良いとともに、かご室22内の光量を確保しやすくなる。
ロック装置38が、ロック解除部38cに連結された操作レバー51を有し、この操作レバー51が可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sに配置されていると、操作レバー51やロック解除部38cが一般の利用者から非常に見えづらく、さらにいたずらされにくくなる。
操作レバー51を設けることで、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sをある程度狭くしても、保守員はロック解除部38cを操作することができる。これにより、隙間Sを小さくして可動部42の大きさをより大きくすることが可能になり、照明面積をより確保しやすく、かご室22内の光量をより大きく確保することができる。また可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sを狭くすることができると、操作レバー51やロック解除部38cが一般の利用者からさらに見えづらくなるので、いたずら防止にも有効である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るエレベータかごの天井照明装置1について、図8を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る天井照明装置1は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ2に設けられる。
本実施形態に係るロック装置38のロック解除部38cは、操作されることでラッチ部38aにフック部38bを解放させるロックピンである。すなわちロックピンであるロック解除部38cを例えば上方に持ち上げることで、ロック装置38が開放状態になる。
本実施形態では、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sの幅W(図5参照)は、例えば10mmである。可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sの長さL(すなわち可動部42の厚さ、図2参照)は、100mmである。図5および図8に示すように、ロック解除部38cは、可動部42の上面42eよりも上方に位置している。すなわち可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sは、手が入らないように狭く形成され、ロック解除部38cには直接手が触れることができないようになっている。
図5に示すように、本実施形態に係るロック解除部38cは、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sに差し込まれた治具61によって操作される(例えば押し上げられる)ことで、ロック装置38のロック状態が解除される。
治具61は、例えばアンロックキーである。ホール出入口7を閉じるホールドア8は、インターロック機構を有する。インターロック機構は、互いに着脱自在に係合するフック部とキャッチ部とを有する。そして乗籠4がホール6に到着したとき、そのホール6に対応したインターロック機構のキャッチ部とフック部の係合が解除されてホールドア8が開閉可能になる。一方、乗籠4が不在のときは上記キャッチ部がフック部に係合しており、ホールドア8が閉じられた状態でロックされている。
アンロックキーは、エレベータ2の保守点検時に乗籠4が不在のホール6のインターロック機構をホール6側から操作するための治具である。すなわち、アンロックキーを使用して、ホール6内からフック部を持ち上げて、キャッチ部に対する係合を解除する。これにより、ホールドア8が戸開可能な状態になり、保守員はホールドア8を開けることができる。
このようなアンロックキーは、板状(定規状)に形成された比較的薄い厚さを有し、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sに挿入可能である。すなわち隙間Sに差し込んだアンロックキーによりロック装置38のロック解除部38cを持ち上げることでロック装置38を解除状態にすることができる。
なおロック解除部38cを操作する治具61は、アンロックキーに限らず、他の目的で準備される治具や、ロック解除部38cの操作専用に準備される治具でもよい。上記説明した以外の天井照明装置1の残りの構成は上記第1の実施形態と同じである。
このような構成の天井照明装置1によれば、上記第1の実施形態と同様に、照明器具35の保守作業性が良いとともに、かご室22内の光量を確保しやすくなる。
ロック装置38のロック解除部38cが、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aとの間の隙間Sに差し込まれた治具61(アンロックキー)によって操作されることで上記ロック状態が解除されると、治具61を有しない一般の利用者は、ロック装置38を解除することができないので、さらにいたずらされにくくなる。
治具61を使用する構成にすることで、可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sを手が入らないほど狭くしても、保守員はロック解除部38cを操作することができる。これにより、隙間Sを小さくして可動部42の大きさをより大きくすることが可能になり、照明面積をより確保しやすく、かご室22内の光量をより大きく確保することができる。また可動部42の端部42cと開口部43の開口縁43aと間の隙間Sを狭くすることができると、ロック解除部38cが一般の利用者からさらに見えづらくなるので、いたずら防止にも有効である。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るエレベータかごの天井照明装置1について、図9を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る天井照明装置1は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ2に設けられる。
図9に示すように、本実施形態に係る天井照明装置1は、ロック装置38とは別に可動部42を固定部41に固定する誤動作防止用のロックねじ71を備える。ロックねじ71は、例えば天井側板32に設けられ、可動部42に設けられたねじ穴72に螺合している。このロックねじ71を外さないと、ロック装置38のロックを解除してもケース36の可動部42が下方に開かない。すなわちロックねじ71およびロック装置38は、互いに協働してダブルロック機構を形成している。上記説明した以外の天井照明装置1の残りの構成は上記第1の実施形態と同じである。
このような構成の天井照明装置1によれば、上記第1の実施形態と同様に、照明器具35の保守作業性が良いとともに、かご室22内の光量を確保しやすくなる。
ロックねじ71がロック装置38とダブルロック機構を形成しているので、いずれか一方のロックが解除されたとしても、もう片方のロックが保持しているため、仮にいたずらされてもダブルロック機構は容易に解除されない。またダブルロック機構の一方のロックに誤動作があったときでも、もう片方のロックが存在するため、ロックが解除されにくくなっている。
このロックねじ71がケース36と側板24aとの間の隙間に設けられていると、天井部33の周縁部に手を挿入させてロックねじ71を外す必要があり、いたずらがさらにされにくくなる。
以上、本発明の第1ないし第4の実施形態に係るエレベータの天井照明装置1について説明したが、本発明はこれらに限られるものではない。例えば第1ないし第4の実施形態に係る各構成要素は適宜組み合わせて用いてもよい。上記実施形態では、ロック装置38およびヒンジ部37は、複数設けられていたが、それぞれ単数であってもよい。
本発明の第1ないし第4の実施形態に係る天井照明装置が適用可能なエレベータの一例を示す断面図。 図1中に示されたかご室の内部を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るかご室の断面図。 図3中に示されたかご室のF4−F4線に沿う断面図。 図3中に示されたロック装置を拡大して示す断面図。 図4中に示されたヒンジ部を拡大して示す断面図。 本発明の第2の実施形態に係るロック装置を示す断面図。 本発明の第3の実施形態に係るロック装置を示す断面図。 本発明の第4の実施形態に係るロック装置を示す断面図。
符号の説明
S…隙間、1…エレベータの天井照明装置、22…かご室、33…天井部、33a…第1の周縁部、33b…第2の周縁部、35…照明器具、36…ケース、37…ヒンジ部、38…ロック装置、38a…ラッチ部、38b…フック部、38c…ロック解除部、41…固定部、42…可動部、42a…第1の端部、42b…第2の端部、42c…端部、43…開口部、43a…開口縁、51…操作レバー、61…治具、71…ロックねじ。

Claims (6)

  1. エレベータのかご室の天井部に設けられる天井照明装置であって、
    上記天井部は、第1の周縁部と、当該天井部のなかで上記第1の周縁部とは反対側に位置する第2の周縁部とを有し、
    上記天井照明装置は、
    複数の照明器具と、
    上記天井部の第1および第2の周縁部の間に亘って設けられるとともに、上記複数の照明器具を内部に収容するケースであって、上記かご室に対して固定されるとともに、上記照明器具を上記かご室内に露出させる開口部を下面に有する固定部と、上記開口部に配置され、上記天井部の第1および第2の周縁部の間に亘って延びるとともに、上記複数の照明器具の下方を覆う可動部とを有するケースと、
    上記天井部の第1の周縁部に配置されるとともに、上記可動部の一端部に連結され、上記可動部を、上記開口部に配置される第1の姿勢と、上記第1の姿勢から下方に開いて上記開口部を開放する第2の姿勢との間で回動可能に支持するヒンジ部と、
    上記天井部の第2の周縁部に配置され、上記第1の姿勢にある上記可動部の他端部を解放可能に保持するロック装置と、
    を具備することを特徴とするエレベータかごの天井照明装置。
  2. 請求項1の記載において、
    上記ロック装置は、上記可動部の上面の周縁部に設けられるとともに、上記ロック装置は、上記可動部の端部と上記開口部の開口縁との間の隙間の上方に配置されたロック解除部を有することを特徴とするエレベータかごの天井照明装置。
  3. 請求項2の記載において、
    前記ロック装置は、ラッチ部とフック部とを有するとともに、上記ラッチ部が上記フック部を拘束することによりロック状態となり、上記ラッチ部が上記フック部を解放することにより解放状態となり、上記固定部および上記可動部のいずれか一方には、上記ラッチ部が設けられ、上記固定部および上記可動部の残りの一方には、上記フック部が設けられることを特徴とするエレベータかごの天井照明装置。
  4. 請求項3の記載において、
    上記ロック装置は、上記ロック解除部に連結された操作レバーを有し、この操作レバーは、上記可動部の端部と上記開口部の開口縁との間の隙間に配置されることを特徴とするエレベータかごの天井照明装置。
  5. 請求項3の記載において、
    上記ロック解除部は、操作されることで上記ラッチ部に上記フック部を解放させるロックピンであり、上記可動部の端部と上記開口部の開口縁との間の隙間に差し込まれた治具によって上記ロック解除部を操作することで上記ロック状態が解除されることを特徴とするエレベータかごの天井照明装置。
  6. 請求項5の記載において、
    上記ロック装置とは別に上記可動部を上記固定部に固定する誤動作防止用のロックねじを備えることを特徴とするエレベータかごの天井照明装置。
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