JP2010269895A - エレベータ乗場戸の解錠装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗場戸の開動作に際しエレベータに不慣れな管理人等が昇降路へ落下することを防止でき、乗場戸の全閉動作を乗場戸に手が挟まれる懸念なく容易に行うことができる。
【解決手段】乗場戸が所定の開扉幅以上は開かないように制限する開扉幅制限手段と、この開扉幅制限手段による乗場戸の開動作の制限を、乗場から解除可能な解除手段14とを備え、開扉幅制限手段は、開扉幅制限フック5と、この開扉幅制限フック5の端部11が当接可能に設けられ、開扉幅制限フック5の端部11の当接によって乗場戸の開動作を制限する側部6A、及びこの側部6Aの頂部6Bに連設され、側部6Aの頂部6Bからこの頂部6Bの反対側に位置する側部6Aの末端部までの高さに相応する高さを有し、乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部6Cを有するストッパ6とを含む構成にしてある。
【選択図】図1
【解決手段】乗場戸が所定の開扉幅以上は開かないように制限する開扉幅制限手段と、この開扉幅制限手段による乗場戸の開動作の制限を、乗場から解除可能な解除手段14とを備え、開扉幅制限手段は、開扉幅制限フック5と、この開扉幅制限フック5の端部11が当接可能に設けられ、開扉幅制限フック5の端部11の当接によって乗場戸の開動作を制限する側部6A、及びこの側部6Aの頂部6Bに連設され、側部6Aの頂部6Bからこの頂部6Bの反対側に位置する側部6Aの末端部までの高さに相応する高さを有し、乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部6Cを有するストッパ6とを含む構成にしてある。
【選択図】図1
Description
本発明は、一時的に乗場戸が所定の開扉幅以上には開かないように制限する開扉幅制限手段を備えたエレベータ乗場戸の解錠装置に関する。
図9は従来のエレベータ乗場戸の解錠装置を示す図で、乗場戸の裏側から見た正面図、図10は図9の平面図である。
これらの図9,10に示す従来技術は、特許文献1に示されるものであり、乗かごに設けた図示しない係合装置との係合操作、または乗かご内の解錠操作によって、可動係合ローラ42及び固定係合ローラ43を介して、図示しないフレームに設けた施錠装置47の係合部52との係合が解かれ、乗場戸41を全開可能とする回動支持されるフック、すなわちドアロックフック44を備えている。前述の可動係合ローラ42はドアロックフック44に設けられており、ドアロックフック44、及び前述の固定係合ローラ43は、乗場戸41を保持するドアハンガーに設けられている。
また、ドアロックフック44と施錠装置47の係合部52との係合を、乗場戸41に設けられたキーガイド孔49にキーを差し込むことにより、乗場から解除可能なキーガイド棒50を備えている。また、乗場戸41に乗かごが対向配置されていない状態にあって、乗場戸41が所定の開扉幅以上は開かないように制限する開扉幅制限手段、例えば図示しないフレームに設けられ、ドアロックフック44が係合する第2係合部53を備えている。また、ドアロックフック44の第2係合部53への係合を乗場から解除可能な解除手段、例えばロープから成る解除装置54を備えている。
このように構成される従来技術にあっては、乗場戸41が閉じられている状態では、ドアロックフック44は施錠装置47の係合部52に係合している。この状態からキーガイド孔49にキーを挿入すると、図9に示すようにキーガイド棒10が回動し、これに伴ってドアロックフック44が同図9の反時計回りに回動して、ドアロックフック44と施錠装置47の係合部52との係合が解除され、乗場戸41を開動作することができる。ここで乗場戸41に乗かごが対向配置されていない状態で、乗場戸41が直ちに全開可能となると、エレベータに不慣れな管理人等が乗場戸41を開動作した際に、管理人等が誤って昇降路に転落する虞がある。したがって、図9,10に示す従来技術は、前述のようにキーのキーガイド孔49への挿入に伴って乗場戸41が開いても、少し乗場戸41が開かれたときにドアロックフック44が第2係合部53に係合する状態となり、一時的に所定の開扉幅以上に乗場戸41が開かれないように制限される。つまり、不完全開状態を形成する。これにより、エレベータに不慣れな管理人等の昇降路への転落を防ぐことができる。
このような一時的な不完全開状態から乗場戸41を全開するには、所定の開扉幅までは開かれている乗場戸41の隙間から手を差し入れて図9に示す解除装置54を構成するロープを引き降ろし、この状態で乗場戸41を開けばよく、これによって、ドアロックフック44が再び図9の反時計回りに回動して、ドアロックフック44と第2係合部53との係合が解かれる。このようにして、乗場戸41が開動作された後には、例えばドアロックフック44の自重により、このドアロックフック44は図9の時計回りに回動する。すなわち、このドアロックフック44は、施錠装置47の係合部52に係合していたときと同様の形態に保持される。
前述した従来技術は、乗場戸41を開動作させた際に一時的に乗場戸41がわずかに開かれる状態、すなわち不完全開状態を保持できるので、エレベータに不慣れな管理人等が誤って昇降路に転落してしまう虞を防ぐことができる。しかし、エレベータに習熟した保守員が点検終了後に乗場戸41を閉じる際に問題を生じる。すなわち、乗場戸41を閉じる際には、第2係合部53とドアロックフック44との係合によって乗場戸41が一旦止まって不完全閉状態を形成する。この状態において、保守員は乗場戸41の隙間から手を差し入れて解除装置54を引き下げ、ドアロックフック44を図9の反時計方向に回動させ、ドアロックフック44と第2係合部53との係合を解除して乗場戸41を全閉状態まで動かすことになる。このように従来技術にあっては、乗場戸41を全閉状態にする作業に際してドアロックフック44と第2係合部53との係合を解除する煩雑な作業が必要になり、これによって乗場戸41の閉動作時の作業能率の向上を見込み難い問題がある。また、乗場戸41の隙間に手を差し入れて解除装置54を操作する必要があることから、作業員の手が乗場戸41に挟まれる懸念がある。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、乗場戸の開動作に際しエレベータに不慣れな管理人等が昇降路へ落下することを防止できるとともに、乗場戸の全閉動作を乗場戸に手が挟まれる懸念なく容易に行うことができるエレベータ乗場戸の解錠装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係るエレベータ乗場戸の解錠装置は、乗かごに設けた係合装置との係合操作、または乗かご内の解錠操作によって、フレームに設けた施錠装置の係合部との係合が解かれ、乗場戸を全開可能とする回動支持されるフックと、このフックと前記施錠装置の前記係合部との係合を、乗場から解除可能なキーと、前記乗場戸に前記乗かごが対向配置されていない状態にあって、前記キーによって乗場戸が開かれた際に、前記乗場戸が所定の開扉幅以上は開かないように制限する開扉幅制限手段と、この開扉幅制限手段による前記乗場戸の開動作の制限を、乗場から解除可能な解除手段とを備えたエレベータ乗場戸の解除装置において、前記開扉幅制限手段は、前記フックの端部が当接可能に設けられ、前記フックの前記端部の当接によって前記乗場戸の前記所定の開扉幅以上の開動作を制限する側部と、この側部の頂部に連設され、前記側部の頂部からこの頂部の反対側に位置する前記側部の末端部までの高さに相応する高さを有し、前記乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部とを有するストッパを含むことを特徴としている。
このように構成した本発明は、キーによってフックと施錠装置の係合部との係合が解かれ、乗場戸を開くことができる。しかし、乗場戸に乗かごが対向配置されていない状態における乗場戸の開動作は、フックの端部がストッパの側部に当接することによって所定の開扉幅以上は乗場戸が開かないように制限される。これにより、エレベータに不慣れな管理人等が乗場戸の開動作を行った場合でも、その不慣れな管理人等が昇降路へ落下することを防止できる。
このような状態から乗場戸を全開させるには、解除手段によって開扉幅制限手段による乗場戸の開動作の制限を解除することが行われる。すなわち、乗場戸の開かれている隙間に乗場から手を差し入れて解除手段を操作し、この解除手段によってフックの端部がストッパの側部の頂部を越えるまでフックを一方向へ回動させ、この状態で乗場戸を開動作させることが行われる。乗場戸の全開状態にあっては、フックは例えば自重により前述の一方向とは反対の他方向に回動し、解除手段による操作が行われる以前の初期形態に戻される。
乗場戸を開状態から全閉させるには、単に乗場戸を閉方向へ移動させるだけでよい。この乗場戸の閉方向への移動の間、フックの端部がストッパのテーパ部に乗り上げるようにしてフックが一方向に回動し、ストッパの頂部を乗り越えたとき、例えばフックの自重により一方向とは反対の他方向に回動し、フックは初期形態に戻される。このように、乗場戸の閉動作時には、フックがストッパによって動きを阻止されることがなく、また、乗場戸の間に形成される隙間から手を差し入れて解除手段を操作する必要なく、乗場戸を全閉状態にすることができる。すなわち、乗場戸の全閉動作を乗場戸に手が挟まれる懸念なく容易に行うことができる。
また、本発明に係るエレベータの解錠装置は、前記発明において、前記フックは、前記施錠装置の前記係合部に係合可能に設けられ、前記キーによって回動操作されるドアロックフックと、このドアロックフックとは独立して回動可能に設けられ、前記解除手段によって回動操作されるとともに、前記ストッパの側部に当接可能な前記端部を有する開扉幅制限フックとから成り、前記開扉幅制限手段は、前記開扉幅制限フックを含むことを特徴としている。
本発明は、乗場戸に乗かごが対向配置されていない状態にあって、キーによって乗場戸が開かれた際に、乗場戸が所定の開扉幅以上は開かないように制限する開扉幅制限手段と、この開扉幅制限手段による乗場戸の開動作の制限を、乗場から解除可能な解除手段とを備え、開扉幅制限手段は、フックの端部が当接可能に設けられ、フックの端部の当接によって乗場戸の所定の開扉幅以上の開動作を制限する側部と、この側部の頂部に連設され、側部の頂部からこの頂部の反対側に位置する側部の末端部までの高さに相応する高さを有し、乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部とを有するストッパを含むことから、乗場戸の開動作に際しエレベータに不慣れな管理人等が昇降路へ落下することを防止できるとともに、乗場戸の全閉動作を乗場戸に手が挟まれる懸念なく容易に行うことができ、乗場戸を全閉状態にする作業の能率と安全性を従来に比べて向上させることができる。
以下、本発明に係るエレベータ乗場戸の解錠装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係るエレベータ乗場戸の解錠装置の第1実施形態の要部構成を示す図で、乗場戸の裏側から見た正面図、図2は図1の平面図である。
この第1実施形態の基本構成として、図示しない乗かごに設けた図2に示す係合装置7との係合操作、または乗かご内の解錠操作によって、図示しないフレームに設けた図1に示す施錠装置7の係合部12との係合が解かれ、図示しない乗場戸を全開可能とする回動支持されるフックを備えている。また、このフックと施錠装置7の係合部12との係合を、乗場から解除可能な図示しないキーを備えている。また、乗場戸に乗かごが対向配置されていない状態にあって、キーによって乗場戸が開かれた際に、乗場戸が所定の開扉幅、すなわち図1に示す距離30に相当する開扉幅以上開かれないように制限する開扉幅制限手段を備えている。さらに、この開扉幅制限手段による乗場戸の開動作の制限を、乗場から解除可能な、例えば図1に示すロープから成る解除手段14を備えている。
前述したフックは、例えば、施錠装置7の係合部12に係合可能な凹部4Aを有し、図示しない前述のキーによって軸4Bを中心に回動操作されるドアロックフック4と、このドアロックフック4とは独立して軸5Aを中心に回動可能に設けられ、解除手段14によって回動操作される開扉幅制限フック5とから成っている。これらのドアロックフック4と、開扉幅制限フック5とは、互いに上下に対向配置してあり、図2に示すように平面視が一直線を形成するように配置してある。なお、解除手段14は、軸5Aを挟んで端部11とは反対側に位置する開扉幅制限フック5の端部付近に接続してある。
乗かごに設けた係合装置17によって作動する可動係合ローラ2Aは、開扉幅制限フック5に取り付けてあり、係合装置17によって作動する可動係合ローラ2Bは、ドアロックフック4に取り付けてある。また、乗かごが乗場戸に対向配置され、乗かごの係合装置17の作動に伴って、可動係合ローラ2Aを回動させる固定ローラ3、及び可動係合ローラ2を回動させる固定ローラ3は、乗場戸を保持する図示しないドアハンガーに取り付けられている。ドアロックフック4の軸4B及び開扉幅制限フック5の軸5Aも、乗場戸を保持するドアハンガーに取り付けられている。
この第1実施形態における前述した開扉幅制限手段は、開扉幅制限フック5と、ストッパ6とを含んでいる。ストッパ6は、図1に示すように、開扉幅制限フック5の端部11が当接可能に設けられ、この端部11の当接によって乗場戸の所定の開扉幅、すなわち距離30に相当する開扉幅以上の開動作を制限する側部6Aと、この側部6Aの頂部6Bに連設され、側部6Aの頂部6Bからこの頂部6Bの反対側に位置する側部6Aの末端部までの高さに相応する高さを有し、乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部6Cとを有している。このテーパ部6Cはストッパ6の上側部分に形成してある。
ストッパ6及び前述した施錠装置7は、昇降路側に配置された図示しないフレームに固定されている。なお、ドアロックフック4には、昇降路側からのドアロックフック4の回動操作を可能にする解除手段14Aが接続されている。
このように構成した第1実施形態では、乗かごが乗場戸に対向配置された状態では、乗かごの係合装置17の作動によって図1に示す可動係合ローラ2Bが上昇し、可動係合ローラ2Aが下降する。これに伴って、ドアロックフック4が破線で示すように軸4Bを中心に図1の時計回りに回動し、このドアロックフック4の凹部4Aと施錠装置7の係合部12との係合が解かれる。また、開扉幅制限フック5が破線で示すように軸5Aを中心に図1の反時計回りに回動し、この開扉幅制限フック5の端部11がストッパ6の側部6Aの頂部6Bを越える高さとなる。したがって、かご戸の開動作に伴って乗場戸を全開状態とすることができる。
また、例えば乗場戸に乗かごが対向配置されていない状態にあって、キーが図示しない乗場戸のキーガイド孔に差し込まれると、このキーによってドアロックフック4を図1の破線で示すように時計回りに回動させることができる。すなわち、キーによってドアロックフック4の凹部4Aと施錠装置7の係合部12との係合が解かれ、乗場戸を開くことができる。しかし、この場合、開扉幅制限フック5は回動力が与えられていないので、図1の実線で示す状態に保たれる。したがって、乗場戸の開動作は、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ6の側部6Aに当たるまでの距離30に相当する開扉幅に制限される。すなわち、距離30に相応する所定の開扉幅以上は乗場戸が開かれないように制限される。
このような状態から乗場戸を全開させるには、解除手段14によって開扉幅制限手段による乗場戸の開動作の制限を解除することが行われる。すなわち、所定の開扉幅に開かれている乗場戸の隙間に乗場から手を差し入れ、ロープから成る解除手段14を引き下げ操作し、この解除手段14によって開扉幅制限フック5の端部11がストッパ6の側部6Aの頂部6Bを越えるまで開扉幅制限フック5を図1の反時計回りに回動させる。この状態で乗場戸を開動作させることが行われる。乗場戸の全開状態にあっては、開扉幅制限フック5は例えば自重により前述の反時計方向とは反対の時計回りに回動し、解除手段14による操作が行われる以前の図1の実線で示す初期形態に戻される。
乗場戸を開状態から全閉させるには、単に乗場戸を閉方向へ移動させるだけでよい。この乗場戸の閉方向への移動の間、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ6のテーパ部6Cに乗り上げるようにして開扉幅制限フック5が反時計回りに回動し、テーパ部6Cを乗り越したとき、例えば自重により開扉幅制限フック5は時計回りに回動し、開扉幅制限フック5は図1の実線で示す初期形態に戻される。このように、乗場戸の閉動作時には、開扉幅制限フック5がストッパ6によって動きを阻止されることがなく、また、乗場戸によって形成される隙間から手を差し入れて解除手段14を操作する必要なく、乗場戸を全閉状態にすることができる。
このように構成した第1実施形態によれば、前述したように、乗場戸に乗かごが対向配置されている状態における乗場戸の開動作は、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ6の側部6Aに当接することによって所定の開扉幅以上は乗場戸が開かないように制限される。これにより、エレベータに不慣れな管理人等が乗場戸の開動作を行った場合でも、その不慣れな管理人等が昇降路へ落下することを防止できる。また、乗場戸の閉動作時には、単に乗場戸を閉方向に移動させるだけでよく、すなわち、乗場戸の全開動作を乗場戸に手を挟まれる懸念なく容易に行うことができる。これにより、乗場戸を全閉状態にする作業の能率と安全性を向上させることができる。
図3は本発明の第2実施形態の要部構成を示す図で、乗場戸の裏側から見た正面図、図4は図3の平面図である。
この第2実施形態は、乗場戸を保持する図示しないドアハンガーに取り付けた可動係合ローラ2と、この可動係合ローラ2に連設したリンク18を介して、乗場戸に乗かごが対向配置された際に、乗かごの係合装置17の作動によってドアロックフック4と開扉幅制限フック5とを連動させる構成にしてある。また、キーによってドアロックフック4を図3の破線で示すように回動させた場合には、開扉幅制限フック5はドアロックフック4とは独立に保たれ、図3の実線で示す状態に保持されるようになっている。
また、開扉幅制限フック5を回動させるロープから成る解除手段14は、開扉幅制限フック5の端部11付近に接続してある。ストッパ16は、前述したストッパ6と同様に、開扉幅制限フック5の端部11が当接可能に設けられ、この端部11の当接によって乗場戸の所定の開扉幅、すなわち距離31に相当する開扉幅以上の開動作を制限する側部16Aと、この側部16Aの頂部16Bに連設され、側部16Aの頂部16Bからこの頂部16Bの反対側に位置する側部16Aの末端部までの高さに相応する高さを有し、乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部16Cとを有している。このテーパ部16Cはストッパ16の下側部分に形成してある。
このように構成した第2実施形態は、乗かごが乗場戸に対向配置された状態では、乗かごの係合装置17の作動によって、図3に示す可動係合ローラ2が上昇し、これに伴ってリンク18が上昇し、これらに応じてドアロックフック4が時計回りに、開扉幅制限フック5が時計回りにそれぞれ回動する。これによって、ドアロックフック4の凹部4Aと施錠装置7の係合部12との係合が解かれ、また、開扉幅制限フック5の端部11が下降して、ストッパ16の側部16Aの頂部16Bに係合しない高さ、すなわち頂部16Bを越える高さとなる。したがって、かご戸の開動作に伴って乗場戸を全開状態とすることができる。
また、例えば乗場戸に乗かごが対向配置されていない状態にあって、キーが図示しない乗場戸のキーガイド孔に差し込まれると、このキーによってドアロックフック4を図3の破線で示すように時計回りに回動させることができる。しかし、この場合の開扉幅制限フック5は、ドアロックフック4とは独立に保たれているので、図3の実線で示す状態に保たれる。したがって、乗場戸の開動作は、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ16の側部16Aに当たるまでの距離31に相当する開扉幅に制限される。すなわち、距離31に相応する所定の開扉幅以上は乗場戸が開かれないように制限される。
このような状態から、乗場戸を全開させるには、所定の開扉幅に開かれている乗場戸の隙間に乗場から手を差し入れ、ロープから成る解除手段14を引き下げ操作し、この解除手段14によって、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ16の側部16Aの頂部16Bを越えるまで開扉幅制限フック5を図3の時計回りに回動させる。この状態で乗場戸を開動作させることが行われる。乗場戸の全開状態にあっては、開扉幅制限フック5はリンク18及び可動係合ローラ32の自重等により、前述の時計回りとは反対の反時計回りに回動し、解除手段14による操作が行われる以前の図3の実線で示す初期形態に戻される。
乗場戸を開状態から全閉させるには、単に乗場戸を閉方向へ移動させるだけでよい。この乗場戸の閉方向への移動の間、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ16のテーパ部16Cを乗り上げるようにして開扉幅制限フック5が時計回りに回動し、テーパ部16Cを乗り越えたときに、リンク18及び可動係合ローラ2の自重等により反時計回りに回動し、開扉幅制限フック5は図3の実線で示す初期形態に戻される。このように乗場戸の閉動作時には、開扉幅制限フック5がストッパ16によって動きを制限されることなく、また、乗場戸の間に形成される隙間から手を差し入れて解除手段14を操作する必要なく、乗場戸を全閉状態にすることができる。
このように構成した第2実施形態にあっても、第1実施形態におけるのと同様に、乗場戸に乗かごが対向配置されている状態における乗場戸の開動作は、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ16の側部16Aに当接することによって所定の開扉幅以上は乗場戸が開かないように制限される。これにより、エレベータに不慣れな管理人等が乗場戸の開動作を行った場合でも、その不慣れな管理人等が昇降路へ落下することを防止できる。また、乗場戸の閉動作時には、単に乗場戸を閉方向に移動させるだけでよく、すなわち、乗場戸の全閉動作を乗場戸に手が挟まれる懸念なく容易に行うことができる。これにより、乗場戸を全閉状態にする作業の能率と安全性を向上させることができる。
図5は本発明の第3実施形態の要部構成を示す図で、乗場戸の裏側から見た正面図、図6は図5の平面図である。
この第3実施形態は、乗かごの係合装置17によって作動する可動係合ローラ2Aを開扉幅制限フック5に取り付け、可動係合ローラ2Bをドアロックフック4に取り付け、可動係合ローラ2A,2bを回転させる固定係合ローラ3、ドアロックフック4の軸4B、及び開扉幅制限フック5の軸5Aを、乗場戸を保持するドアハンガーに取り付けた構成にしてある。その他の構成は前述した第2実施形態と同等である。
このように構成した第3実施形態も、乗場戸に乗かごが対向配置されている状態において、キーによってドアロックフック4が時計回りに回動し、乗場戸が閉動作可能となった際に、解除手段14が操作されない限りは距離32に相当する所定の開扉幅以上は乗場戸は開かれることはない。また、乗場戸が開かれている状態からの全閉動作時には、乗場戸を単に閉方向に移動させることにより、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ16のテーパ部16Cを乗り上げ、容易に乗場戸の全閉動作を行うことができ、第2実施形態と同等の作用効果が得られる。
図7は本発明の第4実施形態の要部構成を示す図で、乗場戸の裏側から見た正面図、図8は図7の平面図である。
この第4実施形態も第3実施形態と同様に、乗かごの係合装置17によって作動する可動係合ローラ2Aを開扉幅制限フック5に取り付け、可動係合ローラ2Bをドアロックフック4に取り付け、可動係合ローラ2A,2Bを回転させる固定係合ローラ3、ドアロックフック4の軸4B、及び開扉幅制限フック5の軸5Aを、乗場戸を保持するドアハンガーに取り付けた構成にしてある。その他の構成は前述した第1実施形態と同等である。
このように構成した第4実施形態も、乗場戸に乗かごが対向配置されていない状態において、キーによってドアロックフック4が時計回りに回動し、乗場戸が閉動作可能となった際に、解除手段14が操作されない限りは距離33に相当する所定の開扉幅以上は乗場戸が開かれることがない。また、乗場戸が開かれている状態からの全閉動作時には、乗場戸を単に閉方向に移動させることにより、開扉幅制限フック5の端部11がストッパ6のテーパ部6Cを乗り上げ、容易に乗場戸の全閉動作を行うことができ、第1実施形態と同等の作用効果が得られる。
4 ドアロックフック
4A 凹部
5 開扉幅制限フック(開扉幅制限手段)
6 ストッパ(開扉幅制限手段)
6A 側部
6B 頂部
6C テーパ部
7 施錠装置
11 端部
12 係合部
14 解除手段
16 ストッパ(開扉幅制限手段)
16A 側部
16B 頂部
16C テーパ部
4A 凹部
5 開扉幅制限フック(開扉幅制限手段)
6 ストッパ(開扉幅制限手段)
6A 側部
6B 頂部
6C テーパ部
7 施錠装置
11 端部
12 係合部
14 解除手段
16 ストッパ(開扉幅制限手段)
16A 側部
16B 頂部
16C テーパ部
Claims (2)
- 乗かごに設けた係合装置との係合操作、または乗かご内の解錠操作によって、フレームに設けた施錠装置の係合部との係合が解かれ、乗場戸を全開可能とする回動支持されるフックと、
このフックと前記施錠装置の前記係合部との係合を、乗場から解除可能なキーと、
前記乗場戸に前記乗かごが対向配置されていない状態にあって、前記キーによって乗場戸が開かれた際に、前記乗場戸が所定の開扉幅以上は開かないように制限する開扉幅制限手段と、
この開扉幅制限手段による前記乗場戸の開動作の制限を、乗場から解除可能な解除手段とを備えたエレベータ乗場戸の解除装置において、
前記開扉幅制限手段は、前記フックの端部が当接可能に設けられ、前記フックの前記端部の当接によって前記乗場戸の前記所定の開扉幅以上の開動作を制限する側部と、この側部の頂部に連設され、前記側部の頂部からこの頂部の反対側に位置する前記側部の末端部までの高さに相応する高さを有し、前記乗場戸の開閉方向に延設されるテーパ部とを有するストッパを含むことを特徴とするエレベータ乗場戸の解錠装置。 - 請求項1に記載のエレベータ乗場戸の解錠装置において、
前記フックは、前記施錠装置の前記係合部に係合可能に設けられ、前記キーによって回動操作されるドアロックフックと、このドアロックフックとは独立して回動可能に設けられ、前記解除手段によって回動操作されるとともに、前記ストッパの側部に当接可能な前記端部を有する開扉幅制限フックとから成り、
前記開扉幅制限手段は、前記開扉幅制限フックを含むことを特徴とするエレベータ乗場戸の解錠装置。
Priority Applications (1)
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