JPH0522545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、高層建物の昇降路を昇降するエレベ
ータの各階床に設けられた乗場ドア開錠装置に係
り、特に、このエレベータの乗場ドア開錠装置の
保安装置に関する。

（従来の技術） 一般に、エレベータの各階床に設けられた乗場
ドアは、通常時、乗かごの開閉扉でこれに同期し
て開閉され、他方、保守点検時や乗かごに閉じ込
められた乗客を救出する際の緊急停止時、乗場側
から略Ｌ字形の錠（キー）を用いて開扉するよう
になつている。

既に提案されているこの種のエレベータにおけ
る乗場ドア開錠装置は、第４図乃至第７図Ａ，Ｂ
に示されるように構成されている。

即ち、第４図乃至第７図Ａ，Ｂにおいて、高層
建物１における昇降路２には、巻上機（図示され
ず）の吊ロープ３によつて昇降する乗かご４が昇
降自在に設けられており、上記昇降路２の傍らの
各階床１ａ，１ｂには、第４図及び第５図に示さ
れるように、両開きする各乗場扉５が水平に架装
された各ガイドレール６に沿つて開閉自在に設け
られており、この乗場扉５は、通常運転時、上記
乗かご４の開閉扉４ａに同期して内がわから開閉
するようになつている。又、上記一方の乗場扉５
の上部には、略Ｌ字形をなす保持部材７が取着さ
れており、この保持部材７の上端部には、ベルク
ランク状をなす錠止槓杆（キーバーともいう）８
が支軸９によつて回転自在に枢着されている。さ
らに、この錠止槓杆８はばね１０の弾力によつて
上記支軸９の周りに左旋習性を与えられており、
しかも、この錠止槓杆８の一端部に形成された錠
止部８ａは、上記ガイドレール６の近傍に敷設さ
れたドアロツク機構１１のドアスイツチ１２及び
掛合部１３に掛合するようになつている。さらに
又、上記錠止槓杆８の近傍の上記乗場扉５には、
錠孔（キー孔）１４が穿設されており、この錠孔
１４には、第７図Ａ，Ｂに示されるような、使用
時、自重によつてＬ字形に折曲する鍵部１５ａを
有する鍵１５が挿入されるようになつている。
又、上記鍵１５の鍵部１５ａの回動通路上には、
上記錠止槓杆８の他端部８ｂが延設されており、
この錠止槓杆８の他端部８ｂは上記鍵１５の鍵部
１５ａによつて押動されることにより、この錠止
槓杆８の錠止部８ａを上記ドアスイツチ１２及び
係合部１３から離間するようになつている。な
お、上記錠止槓杆８のローラ８ｃは、通常のドア
開閉時に作動するためのものである。

従つて、上述したエレベータの乗場ドア開錠装
置は、保守点検時や乗かご４内に閉じ込められた
乗客を救出する際の緊急停止時、上記乗場扉５を
乗場側から開扉する場合、予め、閉扉しようとす
る乗場扉５の階床１ｂに乗かご４が位置している
ことを確認した上で上記鍵孔１４に上記鍵１５を
挿入した後、第６図の鎖線で示すように、自重で
Ｌ字状をなすように折曲げ、しかる後、上記鍵１
５を回動することにより、この鍵１５の鍵部１５
ａで上記錠止槓杆８の他端部８ｂをばね１０の弾
力に抗して押動する。すると、この錠止槓杆８の
錠止部８ａは、支軸９の周りに右旋して上記ドア
スイツチ１２をoffして電磁弁（図示されず）を
開弁すると共に係合部１３から離間するので、こ
れによつて、乗場扉５を手で開扉するようになつ
ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述したエレベータの乗場ドア
開錠装置は、乗場扉５を開扉したとき、乗かご４
が当該階床に待機していないとき、開扉した作業
者が昇降路２内に転落するおそれもあり、安全性
に問題がある。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、乗場扉を乗場側から開扉するとき、乗
かごが当該階床に待機しているときのみ、鍵を鍵
孔に挿入して開扉し得るようにして、作業者が昇
降路に転落するのを防止し、開扉時の安全性の向
上を図るようにしたエレベータの乗場ドア開錠装
置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段とその作用） 本考案は、乗場扉の乗場側から開閉するエレベ
ータの乗場ドア開錠装置において、上記乗場扉に
鍵孔を穿設し、上記乗場扉の内側に立上りストツ
パを有するブラケツトを設け、このブラケツトに
係止片を有する保安部材を上記鍵孔を閉じるよう
にばねで付勢して枢着すると共に上記立上りスト
ツパで上記係止片を係止し、この保安部材の係止
片に伝動ワイヤーを繋ぎ、この伝動ワイヤーの他
端に検出レバーを連結すると共に昇降路の壁側に
乗りかごへ当接して押動されるように枢着し、上
記乗りかごが上記検出レバーを押動することに連
動して上記保安部材を上記鍵孔から退避してこれ
を開口し、この鍵孔に鍵を挿入し、安心して乗場
扉を開扉するものである。

（実施例） 以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本考案は、上述した具体例と同一構成部
材には同じ符号を付して説明する。

第１図乃至第３図において、符号１は、高層建
物であつて、この高層建物１の昇降路２には、巻
上機（図示されず）の吊ロープ３によつて昇降す
る乗かご４が昇降自在に設けられており、上記昇
降路２の傍らの各階床１ａ，１ｂには、第１図お
よび第２図に示されるように、両開きする各乗場
扉５が水平に架装された各ガイドレール６に沿つ
て開閉自在に設けられており、この乗場扉５は、
通常運転時、上記乗かご４の開閉扉４ａに同期し
て開閉するようになつている。又、上記一方の乗
場扉５の上部には、略Ｌ字形をなす保持部材７が
取着されており、この保持部材７の上端部には、
錠止槓杆８が支軸９で回転自在に枢着されてい
る。さらに、この錠止槓杆８は、ばね１０の弾力
によつて上記支軸９の周りに左旋習性を与えられ
ており、しかも、この錠止槓杆８の一端部に形成
された錠止部８ａは、上記ガイドレール６の近傍
に付設されたドアロツク機構１１のドアスイツチ
１２及び係合部１３に係合するようになつてい
る。さらに又、上記錠止槓杆８の近傍の上記乗場
扉５には、鍵孔１４が穿設されており、この鍵孔
１４には、第７図Ａ，Ｂに示されるように、使用
時、自重によつてＬ字形に折曲する鍵部１５ａを
有する鍵１５が挿入されるようになつている。
又、この鍵１５の鍵部１５ａの回動通路上には、
上記錠止槓杆８の他端部８ｂに延設されており、
この錠止槓杆８の他端部８ｂは、上記鍵部１５ａ
によつて押動されることにより、この錠止槓杆８
の錠止部８ａを上記ドアスイツチ１２及び係合部
１３から離間するようになつている。

一方、上記鍵孔１４の近傍の乗場扉５の内側に
は、ブラケツト１６が取着されており、このブラ
ケツツト１６の一部には、立上がりストツパ１６
ａが形成されている。又、このブラケツト１６の
基部には細長い保安部材１７が支軸１８によつて
枢着されており、この保守部材１７の自由端１７
ａは上記鍵孔１４を閉じるようになつている。さ
らに、この保安部材１７の上端縁には係止片１７
ｂが形成されており、この係止片１７ｂと上記ブ
ラケツト１６との間にはコイルばね１９が圧縮さ
れて介装されており、上記係止片１７ｂは上記立
上りストツパ１６ａに係止されている。即ち、こ
の保安部材１７は上記コイルばね１９の弾力によ
つて上記鍵孔１４を閉じるように附勢されてい
る。さらに又、この保安部材１７の係止片１７ｂ
には、伝動ワイヤー２０の一端部２０ａが繋がれ
ており、この伝動ワイヤー２０の他端２０ｂは索
道管２１を通して前記昇降路２の側壁に付設され
た検出レバー２２に連結されている。即ち、この
検出レバー２２は上記乗場扉５の近傍の昇降路２
の側壁に取着された取付部材２３のピン軸２４に
よつて回動自在に枢着されており、この検出レバ
ー２３の自由端に付設されたローラ２５は、第１
図に示されるように、前記乗かご４のカム部材４
ｂに接触して押動されるようになつている。

従つて、今、保守点検時や乗かご４内に閉じ込
められた乗客を救出する時、上記乗場扉５を乗場
側から閉扉する場合、予め、乗かご４を最寄りの
階床に位置する乗場扉５まで前記巻上機の吊ロー
プ３によつて微動昇降して移動する。すると、こ
の乗かご４のカム部材４ｂが上記検出レバー２３
のローラ２５を、第３図の鎖線で示されるよう
に、押動するので、この検出レバー２３はピン軸
２４の周りに右旋する。すると、この検出レバー
２３は伝動ワイヤー２０をコイルばね１９の弾力
に抗して引張るので、この伝動ワイヤー２０に繋
がれた保安部材１７は支軸１８の周りに右旋し、
これによつて閉じられていた鍵孔１４を開口す
る。

このようにして鍵孔１４が開口すると、乗場側
から鍵１５を挿入し、第３図の鎖線で示されるよ
うに、自重でＬ字形が折曲げ、しかる後、上記鍵
１５を回動することにより、この鍵１５の鍵部１
５ａで上記錠止槓杆８の他端部８ｂをばね１０の
弾力に抗して押動作する。すると、この錠止槓杆
８の錠止部８ａは、支軸９の周りに右旋して上記
ドアスイツチ１２をOFFして電磁弁（図示され
ず）を開弁すると共に係合部１３から離間するの
で、これによつて、乗場扉５の手で開扉する。

このように、上記鍵１５は、上記保安部材１７
を鍵孔１４から退避させなければ、挿入しても解
錠できないようになつているので、既に提案され
ているこの種の乗場ドア解錠装置に比較して、転
落事故の発生は解消し、信頼性及び安全性を高め
ることができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案は、乗場扉の乗場側か
ら開閉するエレベータの乗場ドア開錠装置におい
て、上記乗場扉に鍵孔を穿設し、上記乗場扉の内
側に立上りストツパを有するブラケツトを設け、
このブラケツトに係止片を有する保安部材を上記
鍵孔を閉じるようにばねで付勢して枢着すると共
に上記立上りストツパで上記係止片を係止し、こ
の保安部材の係止片に伝動ワイヤーを繋ぎ、この
伝動ワイヤーの他端に検出レバーを連結すると共
に昇降路の壁側に乗りかごへ当接して押動される
ように枢着してあるので、乗かご４のカム部材４
ｂが開扉しようとする乗場扉５の階床近傍の検出
レバー２２を作動して保安部材１７で鍵孔１４を
開口しなければ、鍵１５を鍵孔１４へ挿入できな
いようにしてあるから、安全性及び信頼性を向上
できるばかりでなく、構成も簡素であるから、既
設のエレベータにも組込むことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の乗場ドア解錠装置を備えた
エレベータの側面図、第２図は、本考案のエレベ
ータの乗場ドア解錠装置の正面図、第３図は、本
考案の要部を取出して示す拡大正面図、第４図
は、既に提案されている乗場ドア解錠装置を備え
たエレベータの側面図、第５図は、上記乗場ドア
解錠装置の正面図、第６図は、上記乗場ドア解錠
装置の要部を取出して示す拡大正面図、第７図
Ａ，Ｂは、上記乗場ドア解錠装置に使用する鍵の
平面図及びその正面図である。 ２……昇降路、４……乗かご、５……乗場扉、
８……錠止槓杆、１１……ドアロツク機構、１２
……ドアスイツチ、１３……係合部、１４……鍵
孔、１５……鍵、１７……保安部材、１９……コ
イルばね、２０……伝動ワイヤー、２２……検出
レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗場扉の乗場側から開閉するエレベータの乗場
   ドア開錠装置において、上記乗場扉に穿設された
   鍵孔と、上記乗場扉の内側に設けられた立上りス
   トツパを有するブラケツトと、このブラケツトに
   上記鍵孔を閉じるようにばねで付勢して枢着され
   ると共に上記立上りストツパで係止された係止片
   を有する保安部材と、この保安部材の係止片に繋
   がれた伝動ワイヤーと、この伝動ワイヤーの他端
   に連結されると共に昇降路の壁側に乗りかごへ当
   接して押動されるように枢着された検出レバーと
   を具備したことを特徴とするエレベータの乗場ド
   ア開錠装置。