JP4887463B2 - 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。より詳しくは、立体映像を表示でき、かつ二次元映像も表示できる2D−3D併用映像表示パネル及び映像表示システムと、該映像表示パネルに用いるパターン位相差フィルムに関する。
映し出された映像が浮き出るように立体視でき、迫力ある映像を楽しむことができる3D立体映像表示分野において、近年、3D映画が急速に一般に受け入れられたことに伴い、より身近な場面であるフラットパネルディスプレイにおける3D立体映像表示が大きな注目を浴び始めている。従来、立体表示には裸眼で立体視する種々の方式や専用眼鏡を用いる種々の方式が知られているが、3D映画を映画館で座って鑑賞する場合とは異なり、日常生活において動きのある中で映像を見ることができる観点から、専用眼鏡を用いる方式が注目されている。
一方、フラットパネルディスプレイ用の3D映像のコンテンツはいまだ十分とは言えないのが現状である。そのため、2D表示と3D表示間の切り替えが容易に可能であり、かつ、2D映像及び3D立体映像がともに高画質で表示できるような映像表示方式が求められている。これらの要望を満たす方式として、眼鏡シャッター方式(アクティブ眼鏡方式)と偏光眼鏡方式(パッシブ眼鏡方式)の2つの方式が特に注目されている。また、近年高画質化が進んだフラットパネルディスプレイ分野においては、これら2つの方式しか従来のフラットパネルディスプレイにおける高画質を維持し、高品位な3D立体映像を提供することができないと考えられているのが実情であり、その中でも比較的低コストであって広く普及し得る観点から、偏光眼鏡方式のさらなる改良が求められている。
偏光眼鏡方式は、ディスプレイ上に左眼用画像と右眼用画像を表示し、ディスプレイから出射された左眼用画像光と右眼用画像光をそれぞれ異なる2種の偏光状態(例えば、右円偏光と左円偏光)とし、右円偏光透過偏光板と左円偏光透過偏光板から構成される偏光眼鏡を通して、ディスプレイを観察することで立体感を得るものである(特許文献1参照)。また、偏光眼鏡方式におけるディスプレイへの左眼用の画像と右眼用の画像の表示方法として、左眼用の画像と右眼用の画像について、それぞれ元画像の半分ずつをディスプレイの半分に表示する画面分割方式が採用されている。画面分割方式としては、ラインバイライン方式が広く採用されており、ディスプレイの走査線(以下、ラインとも言う)の奇数ラインと偶数ラインに、それぞれ左眼用の元画像の1ラインおきとなるように画素数を半分にした左眼用画像の半分と右眼用の元画像の1ラインおきとなるように画素数を半分にした右眼用画像の半分を表示する方式である。また、ディスプレイから出射された左眼用の画像光と右眼用の画像光をそれぞれ異なる2種の偏光状態にする方法としては、ライン幅に合わせて異なる位相差が繰り返し帯状にパターニング配置されているパターン位相差フィルムをディスプレイ上に貼る方法が広く採用されている。
近年、このような映像表示装置のライン幅に合わせて異なる位相差が繰り返し帯状にパターニング配置されているパターン位相差フィルムについて、さらなる改良と製造コストの低下が3D映像表示装置の普及のために求められてきている。
ここで、このようなパターン位相差フィルムの製造方法として様々な方法が知られている(特許文献1〜5参照)。
特許文献1には、複屈折性を有しない未延伸セルローストリアセテート(以下TACとも言う)フィルムと、位相差機能を有するヨウ素処理した延伸ポリビニルアルコール(以下PVAとも言う)フィルムとを積層した偏光フィルムを材料として用い、その偏光フィルムにフォトレジストをコートし、位相差機能を有するPVAフィルムの特定の領域を露光後、水酸化カリウム溶液で処理して一部の領域の位相差機能を消失させる製造方法等が開示されている。
特許文献2には、同様に複屈折性を有しない未延伸TACフィルムとヨウ素処理した延伸PVAフィルムとを積層した偏光フィルムを材料として用い、その偏光フィルムのPVA側の特定の領域上にレジスト部材を設けた後、熱水に浸漬させて一部の領域の位相差機能を消失させる製造方法等が開示されている。
特許文献3には、レターデーションが140nmの2枚の高分子フィルムを材料として用いる方法が開示されている。同文献には実施例として、基材上に1枚目の位相差フィルムとしてポリスルホンフィルムを積層し、ポリスルホンフィルムの一部の領域上にレジストを設けてエッチングしてパターンの一部を形成した後、もう2枚目の位相差フィルムとしてポリスチレンフィルムを基材とパターン状ポリスルホンフィルムを覆い、かつ1枚目と2枚目の位相差フィルムの遅相軸を直交させるように配置し、基材を覆った部分の上のみにレジストを設けてエッチングすることで、基材上に2枚の高分子フィルム由来の2つの異なる複屈折領域を有する光学フィルムを製造する方法が開示されている。また、同文献の[0043]には、その他複屈折を有するポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルエーテルケトンなどを高分子フィルムとして用いることができることが記載されていた。
特許文献4には、特許文献3の化学的エッチング処理を、ダイサにより物理的に削る処理に変更した製造方法が開示されている。また、特許文献4の[0079]には、位相差フィルム材料として、一軸延伸フィルムにヨウ素、二色性色素、顔料等を含有させたものからなるH偏光フィルムや、一軸延伸ポリビニレンフィルム等のようなK偏光フィルム、一軸配向させた高分子液晶フィルム中に二色性色素等を含有させたフィルム等が挙げられている。
特許文献5には、光異性化性官能基を有するフォトクロミック化合物(光異性化物質)と、該化合物と相互作用する高分子を含む位相差フィルムを材料として用いる方法が開示されている。同文献の実施例では、ポリエチレンテレフタレートと光異性化物質を含む前処理シートに対し、光透過部と光不透過部が所望の形状にパターニングされたフォトマスクと、直線偏光を得るための偏光板を重ね、まず第一回目にその上方から光異性化物質に対応する波長の紫外線を1回目に照射し、紫外線が透過した部分の位相差フィルムの高分子を偏光板の透過軸方向に配向させている。その次に光透過部と光不透過部が前回と逆になるようにフォトマスクをずらし、偏光板の透過軸を90度回転させた上で、第二回目の紫外線を照射することで、前回紫外線が透過していなかった部分の位相差フィルムの高分子を、前回と比べて90度回転した偏光板の透過軸方向に配向させている。また、同文献には、用いられる高分子の例としてヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族ジオールなどを縮重合したポリマーや、ポリ(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられており、更に重合性樹脂を含んでもよいことが記載されている。
米国特許第5,327,285号 特開2001−59949号公報 特開平10−161108号公報 特開平10−160933号公報 特開平10−153707号公報
本発明者らが特許文献1〜5について検討したところ、これらの文献中の記載や示唆している内容を含め、セルロースアシレートから構成されたパターン位相差フィルムの製造方法や、表示性能についてはこれまであまり知られていないことが分かった。特許文献1及び2にはセルロースアシレート系であるTACフィルムと、PVAフィルムの積層体を用いたパターン位相差フィルムの製造方法が記載されているものの、TACフィルムは複屈折を有しない保護フィルム(支持体)として用いられており、複屈折の発現及びその一部の領域の複屈折の消去処理についてはPVAフィルム表面に対してのみ処理が行われていた。そのため、これらの文献は、保護フィルムとして用いられているTACフィルムの一部の複屈折を消去する手段や思想を開示も示唆もしていないことはもちろん、TACフィルム自体に複屈折を発現させることやパターン形成の精度については開示されていなかった。
また、特許文献3〜5に記載の、異なる複屈折の2種の材料の遅相軸を例えば90度ずらして配置し、パターニングした後に不要な部分をエッチングしたり、物理的に削りとったりする方法では、材料コストが高くなる観点や、製造工程の煩雑さの観点から不満が残るものであった。
更に、特許文献1〜5に記載の方法は、いずれもパターン位相差フィルムの連続製膜には適していないか、不十分な方法であり、製造コストのさらなる低減が求められるものであることが分かった。
したがって、これまで知られている互いに複屈折率が異なる領域を有するパターン位相差フィルムは、製造コストの観点から不満が残るものであった。
また、互いに複屈折率が異なる領域を有するパターン位相差フィルムをポリマーフィルム上に作製したところ、3D表示装置において、パネルを点灯させた後にパターニング間隔と画素に経時的に生じるズレによって発生するクロストークが視認されてしまうことが明らかとなった。そして、本発明者らは鋭意検討した結果、この現象はポリマーフィルムがパネルの温度上昇に伴って寸法変化することに起因することが明らかとなった。このポリマーフィルムの寸法変化は塗布層からなるパターニング位相差の遅相軸方向の変化を誘発し、前記クロストーク現象により3D表示性能を低下させることがわかった。
そこで、これらの問題を解決することを本発明の目的とした。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、パターン位相差フィルムの支持体の温度変化に伴う寸法変化の小さい光学フィルムを提供することにある。
具体的には、ポリマーの吸湿率を制御すること、添加剤の種類や量を制御すること、及び/又は、ポリマーの配向状態を制御することによって、熱膨張係数と湿度膨張係数とのバランスを調整して相殺させることが好ましい。
一方、熱膨張係数と湿度膨張係数をともに小さくしようとすると、透明性及び脆性の低下と、比重増加などの問題が発生してしまう。したがって、これらの問題発生を抑え、温度変化に伴う寸法変化を小さくするためには、上記のとおり、熱膨張係数と湿度膨張係数とのバランスを調整することが好ましい。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、セルロースアシレートから構成されるフィルムを1方向に延伸し、1方向の熱膨張係数及び湿度膨張係数を小さくすることにより、特定方向の寸法変化を抑えることができることを見出した。
上記課題は、以下の手段により解決される。
(1)
吸湿率が0.5%以上のポリマーを含有する支持体と、
互いに複屈折率が異なる第一位相差領域と第二位相差領域を有し、前記第一位相差領域と前記第二位相差領域が1ラインごとに交互にパターン化された光学異方性層とを有し、
前記パターンの長辺の方向と、前記支持体の音速が最大となる方向とが略直交であることを特徴とする光学フィルム。
(2)
前記ポリマーが、主鎖又は側鎖に、水酸基、アミド、イミド、及びエステルから選ばれる化学構造を含むポリマーであることを特徴とする上記(1)に記載の光学フィルム。
(3)
前記ポリマーが、セルロースエステルであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)
前記支持体の音速最大方向と平行な方向における、熱膨張係数(α)が5.0×10−6〜500×10−6/℃であり、湿度膨張係数(β)が3.0×10−6〜500×10−6/%RHであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の光学フィルム。
(5)
前記支持体の、音速が最大となる方向の弾性率(E1)が5〜50GPaであることを特徴とする上記(4)に記載の光学フィルム。
(6)
前記支持体が、10%以上延伸された支持体であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の光学フィルム。
(7)
前記支持体が、搬送方向への延伸、搬送方向と一致しない方向への延伸、又はこれらを組合せた延伸を施された支持体であることを特徴とする上記(6)に記載の光学フィルム。
(8)
前記支持体が、下記式(I)を満たす支持体であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の光学フィルム。
式(I): │Re(550)│<5、かつ、|Rth(550)|<20
[Re(λ)及びRth(λ)は、それぞれ波長がλ(単位:nm)であるときの面内方向及び膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)を表す。]
(9)
前記パターン化された光学異方性層と支持体との全体のRe(550)が110〜165nmであり、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域の遅相軸が略直交していることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の光学フィルム。
(10)
上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の光学フィルムと、偏光膜とを含み、前記光学フィルムと偏光膜とが粘着層を介して積層されていることを特徴とする偏光板。
(11)
少なくとも一方に電極を有し対向配置された一対の基板と、
該一対の基板間の液晶層と、
該液晶層を挟んで配置され、偏光膜と該偏光膜の少なくとも外側の面に設けられた保護膜とを有し、光源側に配置される第一偏光板と、視認側に配置される第二偏光板とを有し、
更に、第二偏光板の視認側に、偏光膜と少なくとも一枚の保護膜とを有する第三偏光板を通じて画像を視認する液晶表示装置において、
上記(10)に記載の偏光板が第二偏光板である液晶表示装置。
本発明によれば、パターン位相差フィルムの支持体の温度変化に伴う寸法変化の小さい光学フィルムを提供することができる。特に3D併用映像表示パネルにおいては、互いに複屈折率が異なる第一位相差領域と第二位相差領域を有し、前記第一位相差領域と前記第二位相差領域が1ラインごとに交互にパターン化された光学フィルムを適用する場合、パターンと直交する方向での収縮が起こると、パネルの映像との間にずれが生じてクロストークの原因となるが、本発明では効果的に防ぐことが可能となる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本明細書中、遅相軸の反転や軸反転とは、遅相軸が元の方向に対して約90度回転することを言う。
本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5゜未満であることが好ましく、±2゜未満であることがより好ましい。また、「実質的に垂直」とは、厳密な垂直の角度よりも±20゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±15゜未満であることが好ましく、±10゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。更に屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
本明細書において、「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶表示装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)及び式(B)よりRthを算出することもできる。
Figure 0004887463
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。
式(A)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
式(B)
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
式(B)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。
なお、本明細書において、特に断らない限り、測定波長は550nmとする。
(光学フィルム)
本発明の光学フィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、吸湿率が0.5%以上のポリマーを含む支持体と、互いに複屈折率が異なる第一位相差領域と第二位相差領域を有し、前記第一位相差領域と前記第二位相差領域が1ラインごとに交互にパターン化された光学異方性層(以下パターン位相差層とも言う)から構成される。
以下、本発明のフィルムについて、説明する。
[支持体]
本発明の光学材料の支持体は、特に限定されないが、吸湿率が0.5%以上であることが好ましい。特に円偏光若しくは直線偏光メガネ方式の3Dディスプレイ用途として用いる時は、画素単位のパターニング周期を持たせるが、例えばディスプレイ点灯時、バックライトの放熱によりディスプレイの表面温度は上昇し、その影響で支持体の寸度は変化する。その寸度変化に伴って画素ずれがおこり、右目用画像が左目に認識される、若しくは、左目用画像が右目に認識されるという、いわゆるクロストークが発生する。したがって、支持体としては、その寸度変化を抑制することが望ましい。
また、パターニングのパターンの長手方向(パターンの長辺の方向)は、支持体の音速最大方向に対して略直交でも略平行でも良いが、寸度変化抑制の観点からは、略直交であることが好ましい。
また、ロールトゥーロールが容易に可能であり、寸度変化が起きてもしわになりにくいという観点からは、略平行であることが好ましい。
<ポリマー>
本発明の支持体は、吸湿率が0.5%以上のポリマーを含む。ポリマーの吸湿率は後述するポリマーの化学構造を調整することで制御することができ、吸湿率を適切に設定することによってフィルムの吸湿膨張係数を制御することが可能となる。吸湿率と吸湿膨張係数との関係は、例えば、結晶化度や分子量、絡み合いの度合いのような、フィルム中におけるポリマーの相互作用の大きさによって変化するため、一義的に対応させることはできないが、概して言えば、後述のようにポリマーの親水性を上げ、吸湿率を上げることによって、吸湿膨張係数を増大させることができる。
ポリマーの吸湿率は0.5%以上とする。好ましくは0.7%以上であり、より好ましくは1.0%以上である。また、上限については特にないが、実用上の観点から、10%以下であることが好ましく、7.0%以下であることがより好ましい。
吸湿率の測定法は、フィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。測定できる。
本発明に係る支持体の構成要素となるポリマーとしては、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ビニルポリマー、ポリアミド、及びポリイミド等を挙げることができる。前記ポリマーは、適切な透湿度を達成するために、主鎖又は側鎖に、水酸基、アミド、イミド又はエステル等の親水的な構造を有することが好ましい。前記ポリマーとしては、セルロースエステルが好ましい。
前記ポリマーとしては、粉末や粒子状のものを使用することができ、また、ペレット化したものも用いることができる。
これらのポリマーは単独で用いてもよいし、2種類以上のポリマーを併用してもよい。
なお、本発明の光学フィルムの主成分としてのポリマーとしては、上述のポリマーを用いることが好ましい。ここで、「主成分としてのポリマー」とは、単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを示し、複数のポリマーからなる場合には、構成するポリマーのうち、最も質量分率の高いポリマーのことを示す。
なお、吸湿率は0.5%以上のポリマーとともに、吸湿率が0.5%未満のポリマーを併用してもよく、その場合でも、支持体の吸湿率が0.5%以上とすることが好ましい。
本発明に用いられるセルロースアシレート樹脂は、特に定めるものではない。アシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
まず、本発明に好ましく用いられるセルロースアシレートについて詳細に記載する。セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位に位置するセルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。
全アシル置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は1.5〜3.0であることが、好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましく、2.5〜3.0であることが更にまた好ましく、2.70〜2.98であることが特に好ましい。また、製膜性の観点からは場合により、2.80〜2.95であることが好ましく、2.85〜2.90であることが特にまた好ましい。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度である(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は全アシル置換度に対する6位のアシル置換度の割合であり、以下「6位のアシル置換率」とも言う。
前記セルロースエステルは、セルロースと酸とのエステルである。前記エステルを構成する酸としては、有機酸が好ましく、カルボン酸がより好ましく、炭素原子数が2〜22の脂肪酸が更に好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸が最も好ましい。
前記セルロースアシレートは、セルロースとカルボン酸とのエステルである。前記セルロースアシレートは、セルロースを構成するグルコース単位の2位、3位及び6位に存在するヒドロキシル基の水素原子の全部又は一部が、アシル基で置換されている。前記アシル基の例としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、及び、シンナモイルが挙げられる。前記アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ドデカノイル、オクタデカノイル、ピバロイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブチリルが最も好ましい。
セルロースエステルは、セルロースと複数の酸とのエステルであってもよい。また、セルロースアシレートは、複数のアシル基で置換されていてもよい。
2位、3位及び6位の水酸基のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位及び6位の水酸基のアセチル基以外の置換基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は1.5〜3.0であることが好ましく、DSBの値は0.1〜3.0であることがより好ましい。DSAとDSBの値を上記の範囲にすることでポリマーの吸湿率を調整することができるため好ましい。具体的にはDSBを増やすことによって吸湿率を低減することができる。
すなわち、本発明のフィルムに用いられるセルロースアシレート樹脂は、セルロースアセテートであることが、自然への還元性及び環境負荷の観点から、好ましい。
更にDSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%以上が6位水酸基の置換基であることが更に好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。これらのフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。更に粘度が低くろ過性のよい溶液の作成が可能となる。
セルロ−スのアシル化において、アシル化剤としては、酸無水物や酸クロライドを用いた場合、反応溶媒である有機溶媒としては、有機酸、例えば、酢酸、メチレンクロライド等が使用される。
触媒としては、アシル化剤が酸無水物である場合には、硫酸のようなプロトン性触媒が好ましく用いられ、アシル化剤が酸クロライド(例えば、CH3CH2COCl)である場合には、塩基性化合物が用いられる。
最も一般的なセルロ−スの混合脂肪酸エステルの工業的合成方法は、セルロ−スをアセチル基及び他のアシル基に対応する脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、吉草酸等)又はそれらの酸無水物を含む混合有機酸成分でアシル化する方法である。
本発明に用いるセルロースアシレートは、例えば、特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
<添加剤>
本発明の支持体においては、ポリマー成分に、添加剤を添加することができ、これによって熱膨張係数と湿度膨張係数のバランスを変化させることができる。添加剤の分子量は特に制限されないが、後述の化合物群から選ばれる添加剤を好ましく用いることができる。
添加剤を加えることによって、熱膨張係数の上昇幅よりも、湿度膨張係数の低減幅を大きくすることができ、この効果は、特に添加剤が30質量%を超える添加量加えられている場合によく現れる。このため、支持体は添加剤を30質量%以上100質量%未満含むことが好ましい。
(正の固有複屈折を有する化合物)
本発明の光学フィルムは、前記正の固有複屈折を有する化合物を含むことが好ましい。
前記正の固有複屈折を有する化合物としては、可塑剤、紫外線吸収剤などとして知られている化合物も含む。
前記正の固有複屈折を有する化合物を含むことで、延伸方向のRe発現が良好となり、好ましい。前記正の固有複屈折を有する化合物の含量は、セルロースアシレートに対して、1〜35質量%であることが好ましく、4〜30質量%であることがより好ましく10〜25質量%であることが更に好ましい。
(1)正の固有複屈折を有する可塑剤
本発明では、前記正の固有複屈折を有する化合物である可塑剤として、以下の高分子量添加剤を広く採用することができる。
前記高分子量添加剤は、その化合物中に繰り返し単位を有するものであり、数平均分子量が700〜10000のものが好ましい。高分子量添加剤は、溶液流延法において、溶媒の揮発速度を速める機能や、残留溶媒量を低減する機能も有する。更に、機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点で、有用な効果を示す。
本発明における正の固有複屈折を有する可塑剤である高分子量添加剤の数平均分子量は、より好ましくは200〜10000であり、更に好ましくは200〜5000であり、特に好ましくは200〜2000である。
以下、本発明に用いられる高分子量添加剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明するが、本発明で用いられる正の固有複屈折を有する可塑剤である高分子量添加剤がこれらのものに限定されるわけでないことは言うまでもない。
前記高分子系添加剤としては、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー及びこれら等の共重合体などから選択され、その中でも脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、脂肪族残基と芳香族残基を含むポリエステルの共重合体が好ましい。
(ポリエステル系ポリマー)
本発明で用いられるポリエステル系ポリマーは、ジカルボン酸成分とジオール成分の反応によって得られるものである。好ましくは、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸と炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の混合物と、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール及び炭素数6〜20の芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種類以上のジオールとの反応によって得られるものである。反応物の両末端は反応物のままでもよいが、更にモノカルボン酸類やモノアルコール類又はフェノール類を反応させて、所謂末端の封止を実施してもよい。この末端封止は、特にフリーなカルボン酸類を含有させないために実施されることが、保存性などの点で有効である。本発明のポリエステル系ポリマーに使用されるジカルボン酸は、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸残基又は炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸残基であることが好ましい。
本発明で好ましく用いられる炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
また炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。
これらの中でも好ましい脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸である。特に好ましくは、脂肪族ジカルボン酸成分としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸であり、芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
本発明では、より特に好ましくは、ポリエステル系ポリマーのジカルボン酸成分として、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を用いる態様であり、更に好ましくはテレフタル酸を用いる態様である。
高分子量添加剤であるポリエステル系ポリマーに利用されるジオールは、例えば、炭素数2〜20の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール及び炭素数6〜20の芳香族環含有ジオールから選ばれるものである。
炭素原子2〜20の脂肪族ジオールとしては、アルキルジオール及び脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらの脂肪族ジオールは、1種又は2種以上の混合物として使用される。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、特に好ましくはエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
本発明では、より特に好ましくは、ポリエステル系ポリマーのジオール成分として、エタンジオール、プロパンジオールを用いる態様であり、更に好ましくはエタンジオールを用いる態様である。
炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールとしては、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコール及びポリプロピレンエーテルグリコール並びにこれらの組み合わせが挙げられる。その平均重合度は、特に限定されないが好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、更には2〜5であり、特に好ましくは2〜4である。これらの例としては、典型的に有用な市販のポリエーテルグリコール類としては、カーボワックス(Carbowax)レジン、プルロニックス(Pluronics)レジン及びニアックス(Niax)レジンが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジオールとしては、特に限定されないがビスフェノールA、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールが挙げられ、好ましくはビスフェノールA、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールである。
本発明においては、特に末端がアルキル基あるいは芳香族基で封止された高分子量添加剤であることが好ましい。これは、末端を疎水性官能基で保護することにより、高温高湿での経時劣化に対して有効であり、エステル基の加水分解を遅延させる役割を示すことが要因となっている。
前記ポリエステル系ポリマーの両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
この場合、モノアルコールとしては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
好ましく使用され得る末端封止用アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールであり、特にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ベンジルアルコールである。
また、モノカルボン酸残基で封止する場合は、モノカルボン酸残基として使用されるモノカルボン酸は、炭素数1〜30の置換、無置換のモノカルボン酸が好ましい。これらは、脂肪族モノカルボン酸でも芳香族環含有カルボン酸でもよい。好ましい脂肪族モノカルボン酸について記述すると、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ、芳香族環含有モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−tert−アミル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
本発明では、より特に好ましくは、ポリエステル系ポリマーの両末端が、酢酸、プロピオン酸で封止された態様であり、更に好ましくは酢酸で封止された態様である。
かかる本発明の高分子量添加剤の合成は、常法により上記ジカルボン酸とジオール及び/又は末端封止用のモノカルボン酸又はモノアルコール、とのポリエステル化反応又はエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。これらのポリエステル系添加剤については、村井孝一編者「添加剤 その理論と応用」(株式会社幸書房、昭和48年3月1日初版第1版発行)に詳細な記載がある。また、特開平05−155809号、特開平05−155810号、特開平5−197073号、特開2006−259494号、特開平07−330670号、特開2006−342227号、特開2007−003679号各公報などに記載されている素材を利用することもできる。
また、商品として、株式会社ADEKAからポリエステル系可塑剤としてDIARY 2007、55頁〜27頁に記載にアデカサイザー(アデカサイザーPシリーズ、アデカサイザーPNシリーズとして各種あり)を使用でき、また大日本インキ化学工業株式会社「ポリマ関連製品一覧表2007年版」25頁に記載のポリライト各種の商品や、大日本インキ化学工業株式会社「DICのポリマ改質剤」(2004.4.1.000VIII発行)2頁〜5頁に記載のポリサイザー各種を利用できる。更に、米国 CP HALL 社製のPlasthall Pシリーズとして入手できる。ベンゾイル官能化ポリエーテルは、イリノイ州ローズモントのベルシコルケミカルズ(Velsicol Chemicals)から商品名BENZOFLEXで商業的に販売されている(例えば、BENZOFLEX400、ポリプロピレングリコールジベンゾエート)。
以下に、本発明で用いることができるポリエステル系ポリマーの具体例を記すが、本発明で用いることができるポリエステル系ポリマーはこれらに限定されるものではない。
化合物AA:エタンジオール/テレフタル酸(1/1モル比)の縮合物の両末端酢酸エステル化体(数平均分子量1000)。
PP−1:エタンジオール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量2500)
PP−2:1,3−プロパンジオール/グルタル酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)
PP−3:1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1300)
PP−4:1,3−プロパンジオール/エチレングリコール/アジピン酸(1/1/2モル比)との縮合物(数平均分子量1500)
PP−5:2−メチル−1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1200)
PP−6:1,4−ブタンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)
PP−7:1,4−シクロヘキサンジオール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量800)
PP−8:1,3−プロパンジオール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物の両末端のブチルエステル化体(数平均分子量1300)
PP−9:1,3−プロパンジオール/グルタル酸(1/1モル比)との縮合物の両末端のシクロヘキシルエステル化体(数平均分子量1500)
PP−10:エタンジオール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体(数平均分子量3000)
PP−11:1,3−プロパンジオール/エチレングリコール/アジピン酸(1/1/2モル比)との縮合物の両末端のイソノニルエステル化体(数平均分子量1500)
PP−12:2−メチル−1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物の両末端のプロピルエステル化体(数平均分子量1300)
PP−13:2−メチル−1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体(数平均分子量1300)
PP−14:2−メチル−1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物の両末端のイソノニルエステル化体(数平均分子量1300)
PP−15:1,4−ブタンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物の両末端のブチルエステル化体(数平均分子量1800)
PP−16:エタンジオール/テレフタル酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量2000)
PP−17:1,3−プロパンジオール/1,5−ナフタレンジカルボン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)
PP−18:2−メチル−1,3−プロパンジオール/イソフタル酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1200)
PP−19:1,3−プロパンジオール/テレフタル酸(1/1モル比)との縮合物両末端のベンジルエステル化体(数平均分子量1500)
PP−20:1,3−プロパンジオール/1,5−ナフタレンジカルボン酸両末端のプロピルエステル化体(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)
PP−21:2−メチル−1,3−プロパンジオール/イソフタル酸(1/1モル比)との縮合物両末端のブチルエステル化体(数平均分子量1200)
PP−22:ポリ(平均重合度5)プロピレンエーテルグリコール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1800)
PP−23:ポリ(平均重合度3)エチレンエーテルグリコール/グルタル酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1600)
PP−24:ポリ(平均重合度4)プロピレンエーテルグリコール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量2200)
PP−25:ポリ(平均重合度4)プロピレンエーテルグリコール/フタル酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)
PP−26:ポリ(平均重合度5)プロピレンエーテルグリコール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物両末端のブチルエステル化体(数平均分子量1900)
PP−27:ポリ(平均重合度3)エチレンエーテルグリコール/グルタル酸(1/1モル比)との縮合物両末端の2−エチルヘキシルエステル化体(数平均分子量1700)
PP−28:ポリ(平均重合度4)プロピレンエーテルグリコール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物両末端のtert−ノニルエステル化体(数平均分子量1300)
PP−29:ポリ(平均重合度4)プロピレンエーテルグリコール/フタル酸(1/1モル比)との縮合物両末端のプロピルエステル化体(数平均分子量1600)
PP−30:1,3−プロパンジオール/コハク酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)をトリメチレンジイソシアナート(1モル)で縮合したポリエステルウレタン化合物
PP−31:1,3−プロパンジオール/グルタル酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1200)をテトラメチレンジイソシアナート(1モル)で縮合したポリエステル−ウレタン化合物
PP−32:1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1000)をp−フェニレンジイソシアナート(1モル)で縮合したポリエステル−ウレタン化合物
PP−33:1,3−プロパンジオール/エチレングリコール/アジピン酸(1/1/2モル比)との縮合物(数平均分子量1500)をトリレンジイソシアナート(1モル)で縮合したポリエステル−ウレタン化合物
PP−34:2−メチル−1,3−プロパンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1200)をm−キシリレンジイソシアナート(1モル)で縮合したポリエステル−ウレタン化合物
PP−35:1,4−ブタンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1500)をテトラメチレンジイソシアナート(1モル)で縮合したポリエステル−ウレタン化合物
PP−40:エタンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1000)
PP−51:ポリイソプロピルアクリレート(数平均分子量1300)
PP−52:ポリブチルアクリレート(数平均分子量1300)
PP−53:ポリイソプロピルメタクリレート(数平均分子量1200)
PP−54:ポリ(メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート(モル比8/2、数平均分子量1600)
PP−55:ポリ(メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート(モル比9/1、数平均分子量1600)
PP−60:ポリ(ビニルアセテート(数平均分子量2400)
本発明では、前記高分子化合物の中でも、光学異方性制御剤として知られている化合物を用いることが好ましい。前記光学異方性制御剤については、特開2005−104148号公報に記載がある。
また、前記高分子量添加剤は、特にセルロースアシレートとして総アシル置換度が高いものと併用することが、軸反転の観点から好ましい。
本発明では、正の固有複屈折を有する可塑剤として、光学異方性制御剤でもある前記化合物AAを用いることが特に好ましく、総アシル置換度が高いセルロースアシレートとの組み合わせの観点からも前記化合物AAが好ましい。
(2)正の固有複屈折を有する紫外線吸収剤
前記正の固有複屈折を有する紫外線吸収剤を含むことが、軸反転の観点から、好ましい。
前記正の固有複屈折を有する紫外線吸収剤としては、特開2009−262551号公報に記載の紫外線吸収剤を挙げることができる。
以下において正の固有複屈折を有する紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0004887463
Figure 0004887463
(赤外線吸収能を有する化合物)
本発明の光学フィルムは、前記赤外線吸収能を有する化合物を含むことが、後述の本発明の光学フィルムの製造方法で一部の領域に対する加熱工程において、熱照射に赤外線レーザーを用いたときの効率が高まる観点から、好ましい。
前記赤外線吸収能を有する化合物としては、セルロースアシレートフィルムの添加剤として公知の化合物を広く採用することができ、例えば特開2001−194522号公報などに記載されている。また、ジイモニウム塩も好ましい例として挙げることができる。
その中でも、ジイモニウム塩(例えば、KAYASORB IRG−022(日本化薬社製、λmax=1100nm))、アミニウム塩が好ましく、ジイモニウム塩がより好ましい。
[支持体の製造方法]
本発明の支持体の製造方法について説明する。以下、セルロースアシレートを例に説明するが、他のポリマー材料の場合も同様に製膜することができる。
セルロースアシレートを含むフィルム(支持体)は溶液流延製膜法又は溶融製膜法を利用して製膜することができる。
(ポリマー溶液)
溶液流延製膜方法では、前記セルロースアシレートや必要に応じて各種添加剤を含有するポリマー溶液(セルロースアシレート溶液)を用いてウェブを形成する。以下において、溶液流延製膜方法に用いることができる本発明におけるポリマー溶液(以下、適宜セルロースアシレート溶液と称する場合もある)について説明する。
本発明におけるポリマー溶液の主溶媒としては、セルロースアシレートの良溶媒である有機溶媒を好ましく用いることができる。このような有機溶媒としては、沸点が80℃以下の有機溶媒が乾燥負荷低減の観点からより好ましい。前記有機溶媒の沸点は、10〜80℃であることが更に好ましく、20〜60℃であることが特に好ましい。また、場合により沸点が30〜45℃である有機溶媒も前記主溶媒として好適に用いることができる。本発明においては、後述の溶媒群のうち、特にハロゲン化炭化水素を主溶媒として好ましく用いることができ、ハロゲン化炭化水素の中では塩素化炭化水素が好ましく、ジクロロメタン及びクロロホルムが更に好ましく、ジクロロメタンが最も好ましい。また、乾燥過程初期においてハロゲン化炭化水素とともに揮発する割合が小さく、次第に濃縮される沸点が95℃以上の溶媒を全溶媒に対し1〜15質量%含有する溶媒を用いることができ、1〜10質量%含有する溶媒を用いることが好ましく、1.5〜8質量%含有する溶媒を用いることがより好ましい。そして、沸点が95℃以上の溶媒は、セルロースアシレートの貧溶媒であることが好ましい。沸点が95℃以上の溶媒の具体例としては、後述する「主溶媒と併用される有機溶媒」の具体例のうち沸点が95℃以上の溶媒を挙げることができるが、中でもブタノール、ペンタノール、1,4−ジオキサンを用いることが好ましい。更に、本発明に用いられる本発明におけるポリマー溶液の溶媒はアルコールを5〜40質量%含有し、10〜30質量%含有することが好ましく、12〜25質量%含有することがより好ましく、15〜25質量含有することが更に好ましい。ここで用いるアルコールの具体例としては、後述する「主溶媒と併用される有機溶媒」のアルコールとして例示されている溶媒を挙げることができるが、中でもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールを用いることが好ましい。なお、前記の「沸点が95℃以上の溶媒」がブタノールなどのアルコールである場合は、その含有量もここでいうアルコール含有量にカウントする。このような溶媒を用いることにより、作製したセルロースアシレートフィルムの熱処理温度における力学強度を上昇させることができるため、熱処理中に必要以上に延伸されて、得られたフィルムが割れやすくなることを防ぐことができる。
このような主溶媒としては、ハロゲン化炭化水素を特に好ましく挙げることができ、場合により、エステル、ケトン、エーテル、アルコール及び炭化水素などが挙げることもでき、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、前記主溶媒は、エステル、ケトン、エーテル及びアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。更に、前記エステル、ケトン、エーテル及びアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。なお、本発明の製造方法に用いるセルロースアシレートフィルム」の作製に用いられる本発明におけるポリマー溶液の主溶媒とは、単一の溶媒からなる場合には、その溶媒のことを示し、複数の溶媒からなる場合には、構成する溶媒のうち、最も質量分率の高い溶媒のことを示す。主溶媒としては、ハロゲン化炭化水素を好適に挙げることができる。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩素化炭化水素がより好ましく、例えば、ジクロロメタン及びクロロホルムなどが挙げられ、ジクロロメタンが更に好ましい。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
これら主溶媒と併用される有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、アルコール及び炭化水素などが挙げられ、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、前記有機溶媒としては、エステル、ケトン、エーテル及びアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれか二つ以上を有していてもよい。更に、前記エステル、ケトン、エーテル及びアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩素化炭化水素がより好ましく、例えば、ジクロロメタン及びクロロホルムなどが挙げられ、ジクロロメタンが更に好ましい。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなどが挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルコールであり、より好ましくはメタノール、エタノール又はブタノールであり、最も好ましくはメタノール、ブタノールである。前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
前記2種類以上の官能基を有する有機溶媒としては、例えば、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルアセトアセテートなどが挙げられる。
本発明において、セルロースアシレートフィルムを構成するポリマーは、水酸基やエステル、ケトン等の水素結合性の官能基を含むため、全溶媒中に5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%、更に好ましくは10〜20質量%のアルコールを含有することが流延支持体からの剥離荷重低減の観点から好ましい。
アルコール含有量を調整することによって、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムのReやRthの発現性を調整しやすくすることができる。具体的には、アルコール含有量を上げることによって、熱処理温度を比較的低く設定したり、ReやRthの到達範囲をより大きくしたりすることが可能となる。
また、本発明においては、水を少量含有させることも溶液粘度や乾燥時のウェットフィルム状態の膜強度を高めたり、ドラム法流延時のドープ強度を高めるのに有効であり、例えば溶液全体に対して0.1〜5質量%含有させてもよく、より好ましくは0.1〜3質量%含有させてもよく、特には0.2〜2質量%含有させてもよい。
本発明におけるポリマー溶液の溶媒として好ましく用いられる有機溶媒の組み合せの例については、特開2009−262551号公報に挙げられている。
また、必要に応じて、非ハロゲン系有機溶媒を主溶媒とすることもでき、詳細な記載は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)に記載がある。
本発明におけるポリマー溶液中のセルロースアシレート濃度は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が更に好ましく、15〜30質量%が最も好ましい。
前記セルロースアシレート濃度は、セルロースアシレートを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。更に、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、セルロースアシレートの濃度を低下させることもできる。
添加剤を添加する時期は、添加剤の種類に応じて適宜決定することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムに用いられる添加剤は、いずれも乾燥過程での揮散が実質的にないものが好ましい。これらの添加剤の添加量増大に伴い、ポリマーフィルムのガラス転移温度(Tg)低下や、フィルムの製造工程における添加剤の揮散問題を引き起こしやすくなるため、分子量3000以下の添加剤の添加量は、前記ポリマーに対し0.01〜30質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が更に好ましい。
(ポリマー溶液の調製)
本発明におけるポリマー溶液の調製は、例えば、特開昭58−127737号公報、同61−106628号公報、特開平2−276830号公報、同4−259511号公報、同5−163301号公報、同9−95544号公報、同10−45950号公報、同10−95854号公報、同11−71463号公報、同11−302388号公報、同11−322946号公報、同11−322947号公報、同11−323017号公報、特開2000−53784号公報、同2000−273184号公報、同2000−273239号公報に記載されている調製方法に準じて行うことができる。具体的には、ポリマーと溶媒とを混合攪拌し膨潤させ、場合により冷却や加熱等を実施して溶解させた後、これをろ過して本発明におけるポリマー溶液を得る。
本発明においては、ポリマーの溶媒への溶解性を向上させるため、ポリマーと溶媒との混合物を冷却及び/又は加熱する工程を含むことが好ましい。
溶媒としてハロゲン系有機溶媒を用い、セルロースアシレートと溶媒との混合物を冷却する場合、混合物を−100〜10℃に冷却する工程を含むことが好ましい。また、冷却工程より前の工程に−10〜39℃で膨潤させる工程を含み、冷却より後の工程に0〜39℃に加温する工程を含むことが好ましい。
溶媒としてハロゲン系有機溶媒を用い、セルロースアシレートと溶媒との混合物を加熱する場合、下記(a)又は(b)より選択される1以上の方法で溶媒中にセルロースアシレートを溶解する工程を含むことが好ましい。(a)−10〜39℃で膨潤させ、得られた混合物を0〜39℃に加温する。(b)−10〜39℃で膨潤させ、得られた混合物を0.2〜30MPaで40〜240℃に加熱し、加熱した混合物を0〜39℃に冷却する。
更に、溶媒として非ハロゲン系有機溶媒を用い、セルロースアシレートと溶媒との混合物を冷却する場合、混合物を−100〜−10℃に冷却する工程を含むことが好ましい。また、冷却工程よりも前の工程に−10〜55℃で膨潤させる工程を含み、冷却よりも後の工程に0〜57℃に加温する工程を含むことが好ましい。
溶媒としてハロゲン系有機溶媒を用い、セルロースアシレートと溶媒との混合物を加熱する場合、下記(c)又は(d)より選択される1以上の方法で溶媒中にセルロースアシレートを溶解する工程を含むことが好ましい。(c)−10〜55℃で膨潤させ、得られた混合物を0〜57℃に加温する。(d)−10〜55℃で膨潤させ、得られた混合物を0.2〜30MPaで40〜240℃に加熱し、加熱した混合物を0〜57℃に冷却する。
(ウェブの製膜)
本発明におけるウェブは、本発明におけるポリマー溶液を用いて溶液流延製膜方法により形成することができる。溶液流延製膜方法の実施に際しては、従来の方法に従って、公知の装置を用いることができる。具体的には、溶解機(釜)で調製されたドープ(本発明におけるポリマー溶液)を、ろ過後、貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製する。ドープは30℃に保温し、ドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延する(ドープ流延工程)。次いで、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブ)を金属支持体から剥離し、続いて乾燥ゾーンへ搬送し、ロール群で搬送しながら乾燥を終了する。溶液流延製膜方法の流延工程、乾燥工程の詳細については、特開2005−104148号公報の120〜146頁にも記載があり、適宜本発明にも適用することができる。
本発明においては、ウェブの製膜の際に用いる金属支持体として金属バンド又は金属ドラムを使用することができる。
(延伸工程)
セルロースアシレートフィルムの製造方法は、セルロースアシレートを含むフィルム全体を特定の方向に延伸する工程を含むことが好ましい。本発明に係る支持体は、延伸することによって、延伸方向の熱膨張係数と湿度膨張係数を低減させることができる。延伸は、搬送方向への延伸でも、搬送方向と一致しない方向(例えば、搬送方向と直交する方向)への延伸でもよく、これらを組み合わせた二軸延伸でもよい。
延伸方向への延伸倍率は、10%以上であることが好ましく、10〜100%であることが更に好ましく、20〜90%であることが更に好ましい。
フィルムのヘイズを上昇させずに延伸して弾性率の異方性を制御する方法については、特定の条件で延伸する特開2007−176164等に記載の延伸方法や、一旦ヘイズを上昇させてからヘイズを低下させる特開2009−137289等の記載の延伸方法を好ましく用いることができる。また、フィルム中に溶媒を残した状態で延伸して弾性率の異方性を制御する方法については、特開2007−119717等に記載の延伸方法を好ましく用いることができる。
なお、本明細書でいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
また、延伸工程におけるウェブの延伸速度は、特に限定されるものではないが、延伸適正(シワ、ハンドリングなど)の観点から、1〜1000%/minが好ましく、1〜100%/minが更に好ましい。延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。また、更に、搬送方向に対して直行する方向(横方向)に延伸を加えてもよい。
延伸工程を経たウェブは、続いて乾燥ゾーンへ搬送して延伸工程後に乾燥工程を実施してもよい。前記乾燥工程においてウェブは、テンターで両端をクリップされたり、ロール群で搬送したりしながら乾燥される。
[熱膨張係数]
本発明において支持体の音速最大方向と平行な方向における熱膨張係数(α)は、5.0×10−6〜500×10−6/℃であることが好ましく、10.0×10−6〜200×10−6/℃であることがより好ましい。熱膨張係数(α)ISO11359−2に準じて測定することができ、サンプルを室温から80℃まで昇温させた後、60℃から50℃に降温するときの支持体の音速最大方向における長さの傾きから算出することができる。
[湿度膨張係数]
本発明における湿度膨張係数(β)を測定する際には、音速最大方向を長手方向として切り出した長さ25cm(測定方向)、幅5cmの支持体試料を用意し、該試料に20cmの間隔でピン孔を空け、25℃、相対湿度10%にて24時間調湿後、ピン孔の間隔をピンゲージで測長する(測定値をL0とする)。次いで、試料を25℃、相対湿度80%にて24時間調湿後、ピン孔の間隔をピンゲージで測長する(測定値をL1とする)。これらの測定値を用いて下記式により湿度膨張係数を算出する。
湿度膨張係数[/%RH]={(L1−L0)/L0}/(R1−R0
本発明の支持体の湿度膨張係数(β)は、熱膨張係数(α)との組合せにより、適宜、設定することができるが、3.0×10-6〜500×10-6/%RHが好ましく、4.0×10-6〜100×10-6/%RHがより好ましく、5.0×10-6〜50×10-6/%RHが更に好ましく、5.0×10-6〜40×10-6/%RHが最も好ましい。
熱膨張係数(α)と湿度膨張係数(β)との組合せとしては、支持体の寸法変化を低減させる上で、熱膨張係数(α)が5.0×10−6〜500×10−6/℃であり、湿度膨張係数(β)が3.0×10−6〜500×10−6/%RHであることが好ましく、熱膨張係数(α)が5.0×10−6〜500×10−6/℃であり、湿度膨張係数(β)が4.0×10-6〜100×10-6/%RHであることがより好ましく、熱膨張係数(α)が10.0×10−6〜200×10−6/℃であり、湿度膨張係数(β)が5.0×10-6〜40×10-6/%RHであることが更に好ましい。
[音速]
本発明において音速(音波伝播速度)が最大となる方向は、支持体を25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、配向性測定機(SST−2500:野村商事(株)製)を用いて、超音波パルスの縦波振動の伝搬速度が最大となる方向として求めた。本発明の支持体において、面内の遅相軸の方向と、音速が最大となる方向とのなす角は、75〜105°であることが好ましく、85〜95°であることがより好ましく、87〜93°であることが更に好ましく、89〜91°であることが最も好ましい。
[弾性率]
本発明における支持体の弾性率は、長さ150mm、巾10mmの支持体試料を用意し、25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、ISO527−3:1995の規格に準じ、初期試料長100mm、引張速度10mm/minにて測定し、応力−歪み曲線の初期の傾きから求めた引張り弾性率である。 本発明における支持体の弾性率は特に限定されないが、音速が最大となる方向における弾性率(E1)が1〜50GPaであることが好ましく、5〜50GPaであることがより好ましく、7〜20GPaであることが更に好ましい。弾性率はポリマーの種類、添加剤の種類及び量、延伸によって制御することができる。
[支持体のレターデーション]
本発明の光学フィルムの支持体は、下記式(I)を満たす支持体であることがパターン位相差層への光学的な影響を少なくできるので好ましい。式(I): │Re(550)│<5、かつ、|Rth(550)|<20[Re(λ)及びRth(λ)は、それぞれ波長がλ(単位;nm)であるときの面内方向及び膜厚方向のレターデーション値(単位;nm)を表す。
(パターン位相差層)
(第一領域と第二領域の形状)
本発明の光学フィルムは、互いに複屈折率が異なる第1位相差領域(以下、単に第一領域とも言う)と第2位相差領域(以下、単に第二領域とも言う)を有し、前記第一位相差領域と前記第二位相差領域が1ラインごとに交互にパターン化された光学異方性層(以下、パターン位相差とも言う)とを有する。前記第一領域と前記第二領域が、互いの短辺の長さがほぼ等しい帯状であり、かつ交互に繰り返しパターニングされていることが、3D立体映像表示システム用に用いる観点から好ましい。
本発明の光学フィルムでは、前記第一領域の遅相軸と前記第二領域の遅相軸が略直交することが、3D映像表示をするときに前記第一領域と前記第二領域を通過した光の偏光状態を直線偏光から円偏光、又は円偏光から直線偏光に変えることができる観点から好ましい。
また、本発明の光学フィルムでは、前記第一領域の遅相軸と前記第二領域の遅相軸が直交することが、3D映像表示をするときに前記第一領域と前記第二領域を通過した光の偏光状態を、楕円偏光させずに、直線偏光から円偏光、又は円偏光から直線偏光に変えることができる観点から、より好ましい。
本発明の光学フィルムでは、パターンの長辺の方向と、支持体の音速が最大となる方向とが略直交であることが、パターン領域と画素のずれを低減し、クロストークを抑制できる観点から好ましい。
(レターデーション)
前記のように直線偏光から円偏光、又は円偏光から直線偏光に変換する機能を有するパターン位相差層は波長の1/4のレターデーションを持つことが好ましい。一般に4分の1波長板と呼ばれ、可視光の波長550nmにおいてはRe=137.5nmが理想値となる。
また、直線偏光から円偏光、又は円偏光から直線偏光に変換するパターン位相差層は波長の1/4のレターデーションを有するものだけではない。例えば、波長の−1/4や3/4のレターデーションでもよく、一般式で表すと波長の1/4±n/2(nは整数)のレターデーションを有すればよい。
前記第一領域の遅相軸と前記第二領域の遅相軸が直交するパターニングは、波長の−1/4や1/4のレターデーションを有する領域を交互に形成すればよい。この時、互いの領域の遅相軸はほぼ直交する。また、波長の1/4と3/4のレターデーションをパターニングしてもよく、この時の互いの領域の遅相軸はほぼ平行になる。ただし、互いの領域の円偏光の回転方向は逆になる。
更に、波長の1/4と3/4のレターデーションのパターニングは、波長の1/4を全面に形成後、波長の1/2又は−1/2のレターデーションを形成してもよい。
本発明の光学フィルムは、波長の1/4のレターデーションを持たせる場合、光学フィルム中に含まれる前記第一領域のRe(550)値と、光学フィルム中に含まれる前記第二領域のRe(550)値が30〜250nmであることが好ましく、50〜230nmであることがより好ましく、100〜200nmであることが特に好ましく、105〜180nmであることがより特に好ましく、115〜160nmであることが更に好ましく、130〜150nmであることがより特に好ましい。
また、3D映像表示をするときに前記第一領域と前記第二領域を通過した光の偏光状態を直線偏光から円偏光、又は円偏光から直線偏光に変えることができる観点からの観点から、パターン位相差層と支持体との全体のRe(550)が110〜165nmであることが好ましく、110〜155nmであることがより好ましく、120〜145nmであることが更に好ましい。特に、パターン位相差層と支持体との全体のRe(550)が上記範囲であり、かつ第一領域と第二領域の遅相軸が略直交していることが精度良く右目用画像と左目用画像の偏光状態を変えることができる観点から好ましい。
(パターン形成方法)
前記第一領域と第二領域は様々な方法で形成が可能である。以下にその方法の例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
[パターン露光]
位相差層のパターニングのために、パターン露光を行うことができる。
パターン露光とは、複屈折パターン作製材料の2つ以上の領域に互いに露光条件の異なる露光を行うことを意味する。このときの「2つ以上の領域」は互いに重なる部位を有していても有していなくてもよいが、互いに重なる部位を有していないことが好ましい。パターン露光は単に未露光部及び露光部のみを生じるパターン露光であってもよい。この場合、通常位相差を残したい領域を露光する。また、パターン露光は未露光部及び露光部の中間調となる1個以上の露光条件による露光部を含むパターン露光であってもよい。パターン露光は1回の露光によって行われても複数回の露光によって行われてもよい。例えば、領域によって異なる透過スペクトルを示す2つ以上の領域を有するマスク等を用いて1回の露光によって行われていてもよく、又は両者が組み合わされていてもよい。
露光条件としては、特に限定はされないが、露光ピーク波長、露光照度、露光時間、露光量、露光時の温度、露光時の雰囲気等が挙げられる。この中で、条件調整の容易性の観点から、露光ピーク波長、露光照度、露光時間、及び露光量が好ましく、露光照度、露光時間及び露光量が更に好ましい。パターン露光時に相異なる露光条件で露光された領域はその後、焼成を経て相異なる、かつ露光条件によって制御された複屈折性を示す。特に異なる位相差量を与える。なお、異なる露光条件で露光された2つ以上の露光領域間の露光条件は不連続に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。
[マスク露光]
露光条件の異なる露光領域を生じる手段として、露光マスクを用いた露光は有用である。例えば1つの領域のみを露光するような露光マスクを用いて露光を行った後に、温度、雰囲気、露光照度、露光時間、露光波長を変えて別のマスクを用いた露光や全面露光を行うことで、先に露光された領域と後に露光された領域の露光条件は容易に変更することができる。また、露光照度、あるいは露光波長を変えるためのマスクとして領域によって異なる透過スペクトルを示す2つ以上の領域を有するマスクは特に有用である。この場合、ただ一度の露光を行うだけで複数の領域に対して異なる露光照度、あるいは露光波長での露光を行うことができる。異なる露光照度の元で同一時間の露光を行う事で異なる露光量を与えることができることは言うまでもない。
また、レーザーなどを用いた走査露光を用いる場合には、露光領域によって光源強度を変える、走査速度を変えるなどの手法で領域ごとに露光条件を変えることが可能である。
パターン露光の手法としてはマスクを用いたコンタクト露光、プロキシ露光、投影露光などでもよいし、レーザーや電子線などを用いてマスクなしに決められた位置にフォーカスして直接描画してもよい。前記露光の光源の照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することが更に好ましい。感光性樹脂層により同時に段差を形成する場合には樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射することも好ましい。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザー等が挙げられる。好ましい露光量としては通常3〜2000mJ/cm程度であり、より好ましくは5〜1000mJ/cm程度、更に好ましくは10〜500mJ/cm程度、最も好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
[加熱(ベーク)]
パターン露光された位相差層に対して50℃以上400℃以下でベークを行うことにより、上記パターン露光時の露光条件に応じたパターンで位相差量のパターニングが行われる。用いられた位相差層の露光前のレターデーション消失温度をT1[℃]、露光後のレターデーション消失温度をT2[℃]とした場合(レターデーション消失温度が250℃以下の温度域にない場合はT2=250℃とする)、ベーク時の温度はT1℃以上T2℃以下が好ましく、(T1+10)℃以上(T2−5)℃以下がより好ましく、(T1+20)℃以上(T2−10)℃以下が最も好ましい。
レターデーション消失温度が上昇する位相差層を用いている場合、露光を行う事によりベークによって層中の未露光部のレターデーションが低下し、一方で露光部はレターデーションの低下が小さく、若しくは全く低下しないかあるいは上昇し、結果として未露光部のレターデーションが露光部のレターデーションに比較して小さくなり、軸の有無又は位相差量のパターンが作製される。
[軸方向のパターニング]
軸方向のパターニングの方法については、特に限定されないが、上記のように、好ましくは配向層を利用して、位相差層の光軸(遅相軸)の方向のパターニングを行うことができる。
光配向層上に設けられた液晶性化合物を含む層、好ましくは光配向層上に直接設けられた液晶性化合物を含む層は、紫外光が照射されると、光配向層が作製された偏光紫外光の偏光方向に、液晶分子が配向する。同様に、ラビング配向層上に設けられた液晶性化合物を含む層、好ましくはラビング配向層上に直接設けられた液晶性化合物を含む層は、紫外光が照射されるとラビングされた方向に液晶分子が配向する。
従って、光配向層上にパターン位相差層を設ける際には、配向材料を含む光配向層形成用組成物から形成された層に上記のパターン位相差層の作製時に用いられるパターン露光の手法と同様の手法により、偏光紫外光をパターン照射し、この層の光配向性をパターニングする。得られた光配向層の上に液晶性化合物を含む組成物を塗布、乾燥等させた後、紫外光を照射することにより軸方向がパターニングされた位相差層を得ることができる。同様に、ラビング配向層上にパターン位相差層を設ける際には、ラビング配向層形成用組成物から形成されたラビング前の層にマスク等を介して、ラビングを行い、この層のラビング方向をパターニングする。得られたラビング配向層の上に液晶性化合物を含む組成物を塗布、乾燥等させた後、紫外光を照射することにより軸方向がパターニングされた位相差層を得ることができる。
(転写材料を用いた作製方法)
本発明のパターン位相差層の形成は転写材料を用いて行ってもよい。転写材料を用いることにより、有機溶剤を利用する塗布を、パターニング材料を作製する場所と別の場所で行うことができ、パターニング材料を使用する際の作業及び設備負担が軽減する。転写材料としては各種公知のものを使用でき、例えば特開2009−223001号公報中、[0090]〜[0097]記載のもの等を使用できる。
[インクジェット法による光学異方性層の形成]
次に、上記光学異方性層を任意形状にインクジェットを用いて形成する実施の形態について説明する。
本実施の形態では、所定の光学異方性を発現する溶液等の流体を、インクジェット装置を用いて吐出して、微細領域内(例えば、表示画素の横ラインを1ライン毎の帯状)に前記流体からなる層を形成する。前記流体は、液晶性化合物の少なくとも一種を含有するのが好ましく、中でも特開2007−270686号公報記載の一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を少なくとも一種含有していることが好ましい。乾燥後に液晶相を形成するように調製されたものが好ましい。インクジェットにより吐出可能であればよく、液晶性化合物等の材料の一部又は全部が分散した分散液を用いてもよいが、溶液であるのが好ましい。
本態様においても、前記光学異方性層を配向膜上に形成してもよい。即ち、あらかじめ配向膜を形成し、該配向膜の微細領域に、前記流体を吐出させてもよい。本実施の形態に利用可能な配向膜は、前記転写法の実施の形態に利用可能な配向膜の例と同様である。前記配向膜の形成方法については特に制限されないが、本実施の形態では、光学異方性層の形成と同様、インクジェット法により形成するのが好ましい。前記流体の吐出が完了した後、所望により該流体の層の乾燥を行い、液晶相を形成し、露光することによって硬化させて、光学異方性層を形成する。液晶相を形成するために、所望により加熱してもよく、その場合は、加熱装置を使用してもよい。
前記流体は、硬化可能であるのが好ましく、即ち、硬化性組成物を溶液等の流体として調製したものであるのが好ましい。硬化性組成物中に含有させる重合開始剤等については、転写方法の実施の形態にて説明した種々の重合開始剤を用いることができる。また、前記流体中には、配向制御剤等の添加剤を含有させてもよく、これらの例についても転写方法の実施の形態にて説明した種々の添加剤の例と同様である。また、前記流体の調製に使用する溶媒の例についても、転写法の実施の形態にて塗布液の調製に使用可能な溶媒の例と同様である。
前記光学異方性層を形成する際のインク等の射出条件については特に制限されないが、光学異方性層形成用の流体の粘度が高い場合は、室温あるいは加熱下(例えば、20〜70℃)において、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。インク等の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク等の温度をできるだけ一定に保つのが好ましい。
前記方法に用いられるインクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう)は、特に制限されず、公知の種々のものを使用することができる。コンティニアスタイプ、及びドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号公報に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。ヘッドは組成物の温度が管理できるよう、温調機能を持つものが好ましい。前記流体の射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるよう流体温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。
本発明の光学フィルムは、特に大画面液晶表示装置に用いるのに適している。大画面用液晶表示装置用の光学フィルムとして用いる場合は、例えば、フィルム幅を1470mm以上として成形するのが好ましい。また、本発明の光学フィルムには、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様のフィルムのみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様のフィルムも含まれる。後者の態様の光学フィルムは、その状態で保管・搬送等され、実際に液晶表示装置に組み込む際や偏光子等と貼り合わされる際に、所望の大きさに切断されて用いられる。また、同様に長尺状に作製されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光膜等と、長尺状のまま貼り合わされた後に、実際に液晶表示装置に組み込む際に、所望の大きさに切断されて用いられる。ロール状に巻き上げられた光学フィルムの一態様としては、ロール長が2500m以上のロール状に巻き上げられた態様が挙げられる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、少なくとも1枚の本発明の光学フィルムが積層されたことを特徴とする。
前記偏光板は、従来公知の一般的な構成の偏光板を挙げることができ、前記偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。本発明の光学フィルムは、一般的な偏光板の一方の面上に積層させ、偏光眼鏡方式の3D立体映像表示システムに用いることができるパターン位相差フィルムとすることができる。前記偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、帯状、すなわち、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、上記した通り、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
[粘着層]
本発明の偏光板においては、光学フィルムと偏光膜とを粘着層を介して積層してもよい。
本発明において、光学フィルムと偏光膜との積層のために用いられる粘着層とは、例えば、動的粘弾性測定装置で測定したG’とG”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。
[映像表示パネル]
本発明の映像表示パネルは、少なくとも1枚の本発明の光学フィルムを含むことを特徴とする。これにより、映像表示パネルからの光のうち、前記第一領域を通過した光と、前記第二領域を通過した光の偏光状態を変えることができ、3D立体映像表示を表示することができる映像表示パネルとなる。
本発明の映像表示装置に用いられる映像表示パネルは特に制限はなく、CRTであってもフラットパネルディスプレイであってもよいが、フラットパネルディスプレイであることが好ましい。フラットパネルディスプレイとしては、PDP、LCD、有機ELDなどを用いることができるが、本発明は前記映像表示パネルが液晶表示パネルである場合に特に好ましく適用することができる。前記映像表示パネルを液晶表示パネルとすることで、フラットパネルディスプレイの中でも高画質かつ安価な映像表示システムとすることができる。
前記液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板であることを特徴とするIPS、OCB又はVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
前記液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
[映像表示システム]
本発明の映像表示システムは、少なくとも1枚の本発明の光学フィルムを含むことを特徴とする。これにより、左眼用画像と右眼用画像を映像表示パネルに入力し、映像表示パネルから左眼用画像と右眼用画像を本発明の光学フィルムに向けて出射し、本発明の光学フィルムの前記第一領域を通過した該左眼用画像(又は右眼用画像)と、前記第二領域を通過した該右眼用画像(又は左眼用画像)の偏光状態を変えさせることができる。更に前記第一領域を通過した該左眼用画像のみを透過する偏光板付き左眼用レンズと、前記第二領域を通過した該右眼用画像のみを透過する偏光板付き右眼用レンズを備えた偏光眼鏡を併用することで、左右の眼にそれぞれ左眼用画像と右眼用画像のみを入射させ、3D立体映像表示を観察することができる映像表示システムを得ることができる。
このような映像表示システムについては、米国特許5,327,285号公報に記載がある。また、偏光眼鏡については、特開平10−232365に例が記載されている。
また、市販の映像表示システムの内、パターン位相差フィルムを剥がして、本発明の光学フィルムと差し替えてもよい。
本発明において、好ましい映像表示システムとしては、下記の液晶表示装置が挙げられる。即ち、該液晶表示装置は、少なくとも一方に電極を有し対向配置された一対の基板と、該一対の基板間の液晶層と、該液晶層を挟んで配置され、偏光膜と該偏光膜の少なくとも外側の面に設けられた保護膜とを有し、光源側に配置される第一偏光板と、視認側に配置される第二偏光板とを有し、更に、第二偏光板の視認側に、偏光膜と少なくとも一枚の保護膜とを有する第三偏光板を通じて画像を視認する液晶表示装置であって、第二偏光板として、本発明の光学フィルムを有する偏光板を用いた液晶表示装置である。本発明の光学フィルムは温度変化に伴う寸法変化の小さい支持体を用いているので、経時後もクロストークのない良好な3D表示性能を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[支持体フィルム作製例]
(支持体フィルム1)
置換度が2.86のセルロースアセテート(粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmの粉末(粉体の平均粒子サイズは1.5mm、標準偏差は0.5mm)) 100質量部、及びPP−40 40質量部、シリカ粒子(Aerosol R972、日本アエロジル株式会社製)0.1質量部を溶媒(メチレンクロライド、メタノール、及び1−ブタノール(質量比81:18:1)。各溶媒の含水率は0.2質量%であった))と一緒にミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ドープを調製した。また、溶媒の量は固形分濃度(ドープ中のセルロースアシレート、添加剤及びシリカ粒子の合計濃度)が25質量%となるように調製した。得られたセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、更に絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してポリマー溶液を得た。得られたドープ溶液を流延口から−5℃に冷却した直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。溶媒含有率略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が約3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、厚み60μmの透明フィルム支持体1を作製し、支持体として用いた。
(支持体フィルム2)
WO2009/047924の実施例中の「光学フィルム1」の作製を参考に下記組成物からフィルムを作製し、支持体として用いた。
(支持体フィルム2用組成物)
ダイヤナールBR85(三菱レイヨン(株)製) 70質量部
セルロースエステル 30質量部
(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000)
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
(支持体フィルム3)
特開2007−176164号公報に記載の実施例110を参考に、富士フイルム社製T80UZを延伸した後(下記延伸1)、支持体として用いた。
(支持体フィルム4)
特開2007−176164号公報に記載の実施例110を参考に、富士フイルム社製T80UZを延伸した後(下記延伸2)、支持体として用いた。
(支持体フィルム5)
支持体フィルム1を延伸した後(下記延伸1)、支持体として用いた。
(支持体フィルム6)
支持体フィルム2を延伸した後(下記延伸1)、支持体として用いた。
(支持体フィルム21)
「アートン(JSR製)」を支持体として用いた。
(支持体フィルム22)
「ZF14(日本ゼオン製)」を支持体として用いた。
[支持体フィルムの延伸]
(延伸1)
上記製膜したフィルムのうちフィルム3、5及び6について、2つのニップロール間に表1記載の温度に調整された加熱ゾーンを有する装置を用いて搬送方向に延伸を実施した。延伸倍率はニップロールの周速を調整することで表1記載の値となるように制御し、縦横比(ニップロール間の距離/ベース幅)は3.3となるように調整した。延伸後は冷却して巻き取った。延伸倍率は下記表1に記載した。
(延伸2)
上記製膜したフィルムのうちフィルム4について、テンターを用いて幅方向に延伸を実施した。延伸倍率、加熱温度は表1に記載の値となるように調節した。
フィルム1〜6、21及び22について、フィルムの性能を下記表1に示す。なお、フィルム3〜6について、遅相軸方向は音速最大方向に対して直交していた。
Figure 0004887463
表1に示す吸湿率、音速最大方位、弾性率(E1)、Re、Rth、熱膨張係数(α)及び湿度膨張係数(β)については、前述した方法により測定した。ここで、Re、Rthは波長550nmにおける値である。また、音速最大方位に関しては、支持体作製時の搬送方向を0°とした。弾性率(E1)、熱膨張係数(α)及び湿度膨張係数(β)については、音速最大方位における測定値を示した。
寸法変化としては、25℃60%RHの部屋で60℃に加熱したときの寸法変化(=((加熱後の寸法)−(加熱前の寸法))/(加熱前の寸法)×100(%))を示した。
支持体フィルム1及び2については、音速最大方位を定義できなかった。このため、表1の音速最大方位の欄には「−」を記載した。また、未延伸なので、延伸温度及び延伸倍率の欄には「−」と記載した。
なお、支持体フィルム21及び22については、市販のフィルムで延伸温度及び延伸倍率が不明なため、表1においてこられの欄には「−」と記載した。
[位相差フィルムの作製]
特開2009−223001号公報の実施例1の「部位2」及び「部位5」を参考に、Re=137.5nmで、遅相軸の向きがパターンの長辺の方向に対して45度の部位(第1領域)と135度の部位(第2領域)とが300μm周期で繰り返しとなるようにパターニングされたパターン位相差層Aをガラス基板上に作製した。これを上記で作製した支持体フィルムで表2に示すもの上に転写して、パターン位相差層Aを有する位相差フィルム1〜5、12〜15を作成した。
また、支持体フィルム3、5を打ち抜いた後のフィルムの長辺の方向と音速最大方位が80°で交わるように打ち抜いた後、上記のパターン位相差層Aを、パターンの長辺の方向と支持体フィルムの長辺の方向が平行となるように転写し、パターン位相差フィルム16、18を作成した。
更にまた、上記のパターン位相差層Aの作製において遅相軸の向きがパターンの長辺の方向に対して35°の部位(第1領域)と、125°度の部位(第2領域)とが300μm周期で繰り返しとなるようにパターニングされたパターン位相差層Bをガラス基板上に作製した、これを支持体フィルム3、5の上に転写して、パターン位相差フィルム17、19を作製した。
上記のように作製した位相差フィルム1〜5及び12〜19を下記表2にまとめて示す。表2において、パターン長軸方位は支持体フィルムの音速最大方位とパターン長軸方向(パターンの長辺の方向)とのなす角を表し、第1領域遅相軸方位及び第2領域遅相軸方位はそれぞれ音速最大方位と遅相軸とのなす角を表す。
位相差フィルム1〜5及び12〜19について以下の評価を行った。
(3Dモニターの作製)
HPL02065 (HP製)のフロント偏光板をはがし、替わりに実施例と比較例のフィルムを保護フィルムとして用いた偏光板を貼合した。
(クロストークの評価)
上記で作製した3Dモニターを48hr連続点灯後、右目用画素は白、左目用画素は黒のパターンを表示させ、目の位置に分光放射輝度計(SR−3 トプコン製)をおき、右目用/左目用の円偏光メガネをそれぞれ通して、輝度を測定した。
右目用円偏光メガネを通した時の輝度をY_RR、左目用円偏光メガネを通した時の輝度をY_RLとする。
右目用画像が左目に、左目用画像が右目に入ると3D感が失われるため、クロストーク度合いをCRO=(YRR−YRL)/(YRR+YRL)と定義し、評価した。点灯直後のCROをCRO_0、48hr点灯後のCROをCRO_48とし、100*CRO_48/CRO_0の値に基づき以下の基準で評価した。
◎:95%以上
○:95%未満から92.5%
△:92.5%未満から90%以上
×:90%未満
「◎」が最も好ましく、「○」が次に好ましく、「△」がその次に好ましい。
なお、CRO_0については全ての位相差フィルムで0.15以下であり、位相差フィルム1〜5、12〜15については0.08以下であった。
結果を下記表2に示す。表2の結果から本発明の光学フィルムが3Dディスプレイの連続点灯時におけるクロストーク軽減に効果があることが明確になった。これは、支持体の経時での寸法変化が抑制されたためと考えられる。
Figure 0004887463

Claims (11)

  1. 吸湿率が0.5%以上のポリマーを含有する支持体と、
    互いに複屈折率が異なる第一位相差領域と第二位相差領域を有し、前記第一位相差領域と前記第二位相差領域が1ラインごとに交互にパターン化された光学異方性層とを有し、
    前記パターンの長辺の方向と、前記支持体の音速が最大となる方向とが略直交であることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記ポリマーが、主鎖又は側鎖に、水酸基、アミド、イミド、及びエステルから選ばれる化学構造を含むポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記ポリマーが、セルロースエステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記支持体の音速最大方向と平行な方向における、熱膨張係数(α)が5.0×10−6〜500×10−6/℃であり、湿度膨張係数(β)が3.0×10−6〜500×10−6/%RHであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  5. 前記支持体の、音速が最大となる方向の弾性率(E1)が5〜50GPaであることを特徴とする請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記支持体が、10%以上延伸された支持体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7. 前記支持体が、搬送方向への延伸、搬送方向と一致しない方向への延伸、又はこれらを組合せた延伸を施された支持体であることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルム。
  8. 前記支持体が、下記式(I)を満たす支持体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
    式(I): │Re(550)│<5、かつ、|Rth(550)|<20
    [Re(λ)及びRth(λ)は、それぞれ波長がλ(単位:nm)であるときの面内方向及び膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)を表す。]
  9. 前記パターン化された光学異方性層と支持体との全体のRe(550)が110〜165nmであり、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域の遅相軸が略直交していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルムと、偏光膜とを含み、前記光学フィルムと偏光膜とが粘着層を介して積層されていることを特徴とする偏光板。
  11. 少なくとも一方に電極を有し対向配置された一対の基板と、
    該一対の基板間の液晶層と、
    該液晶層を挟んで配置され、偏光膜と該偏光膜の少なくとも外側の面に設けられた保護膜とを有し、光源側に配置される第一偏光板と、視認側に配置される第二偏光板とを有し、
    更に、第二偏光板の視認側に、偏光膜と少なくとも一枚の保護膜とを有する第三偏光板を通じて画像を視認する液晶表示装置において、
    請求項10に記載の偏光板が第二偏光板である液晶表示装置。
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