JP4873889B2 - リチウム一次電池 - Google Patents
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Description
例えば、デンドライトの発生を低減するために、リチウム表面にスパッタリングによる多孔質絶縁膜を形成することが提案されている(特許文献1)。また、リチウム表面に導電体層、半導体層もしくは絶縁体層を形成することが提案されている(特許文献2)。更に、リチウム表面を不活性ガス雰囲気下でエッチング処理した後、プラズマを利用した化学気相成長法により、カーボン被覆層を成膜することが提案されている(特許文献3)。
ここで、溶質は、テトラフルオロ硼酸リチウムを含むことが好ましく、非水溶媒は、γ−ブチロラクトンを含むことが好ましい。
正極活物質は、金属酸化物またはフッ化黒鉛を含むことが好ましい。
溶質には、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウム・ビスペンタフルオロエチルスルホン酸イミド(LiN(SO2C2F5)2)などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(i)正極の作製
正極活物質には、石油コークスをフッ素化したフッ化黒鉛を用いた。フッ化黒鉛と、アセチレンブラック(導電材)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)(結着剤)とを、固形分重量比100:15:6で配合し、水とエタノールの混合液を分散媒に用いて十分に混練した。得られた混合物を、100℃で乾燥した後、所定の金型と油圧プレス機を用いて、ディスク状に圧縮成形し、正極を得た。
負極活物質には、リチウム金属を用い、カーボンブラックには、電気化学工業(株)製のアセチレンブラック(AB)を用いた。アセチレンブラックの一次粒子の平均粒径は0.04μmであり、BET比表面積は60m2/gであった。アセチレンブラックは200℃で減圧乾燥を行った後、アルゴングローブボックス内に導入した。なお、他の実施例および比較例においても、カーボンブラックは同様の減圧乾燥を行ってから負極作製雰囲気に導入した。
次に、乾燥したアセチレンブラックを加圧治具の端面に付着させ、その端面を、負極の表面に圧着し、負極の表面にカーボンブラックを埋め込んだ。
γ−ブチロラクトン(γBL:非水溶媒)に、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4:溶質)を1モル/Lの濃度で溶解させたものを電解液に用いた。
正極ケースの内底面上に正極を載置し、その上に円形に打ち抜いたポリプロピレン製の不織布からなるセパレータ(厚み100μm)を被せた後、電解液を正極ケース内に注液し、正極とセパレータに電解液を含浸させた。次に、負極が圧着された負極ケースを、負極と正極とが対向するように正極ケースに装着し、正極ケースの周縁端部を負極ケースに装着された絶縁パッキングにかしめ、密閉されたコイン形電池を完成した。電池のサイズは、直径20mm、高さ2mmで、設計容量100mAhとした。上記組立工程は、露点−50℃以下のドライエア中で行った。同様のコイン形電池を10個作製した。
アセチレンブラックの変わりに、ファーネスブラック(FB:一次粒子の平均粒径0.1μm、BET比表面積20m2/g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。なお、FBによる被覆率は50%であった。
アセチレンブラックの変わりに、カーボンブラック1(CB1:一次粒子の平均粒径0.04μm、BET比表面積50m2/g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。なお、CB1による被覆率は10%であった。
アセチレンブラックの変わりに、カーボンブラック2(CB2:一次粒子の平均粒径0.2μm、BET比表面積18m2/g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。なお、CB2による被覆率は20%であった。
有機電解液に、γ-BL(非水溶媒)に、LiBF4(溶質)を0.7mol/Lの濃度で溶解したものを用いたこと以外、実施例3と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
有機電解液に、γ-BL(非水溶媒)に、LiBF4(溶質)を1.5mol/L、1.6mol/L、および0.5mol/Lの濃度で溶解したものを用いたこと以外、実施例3と同様にして、それぞれ実施例6、7、および8の10個のコイン形電池を作製した。
有機電解液に、プロピレンカーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DME)との体積比3:1の混合液(非水溶媒)に、LiCF3SO3(溶質)を1.2mol/Lの濃度で溶解したものを用いたこと以外、実施例3と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
負極の表面へのカーボンブラックの圧着を行わなかったこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
ABによる被覆率を100%としたこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
ABによる被覆率を60%としたこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
ABによる被覆率を5%としたこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
正極活物質に二酸化マンガン(MnO2)を用い、MnO2と、ケッチェンブラック(導電材)と、フッ素樹脂(結着剤:ダイキン工業(株)製のネオフロンFEPの固形分)とを、重量比100:3:6で配合したこと以外、実施例1と同様にして、正極を得た。この正極を用い、有機電解液に、プロピレンカーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DME)との体積比1:1の混合液(非水溶媒)にLiCF3SO3(溶質)を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
負極の表面へのカーボンブラックの圧着を行わなかったこと以外、実施例10と同様にして、10個のコイン形電池を作製した。
各実施例と各比較例の電池を封口した後、4mA定電流で30分間の予備放電を行った。次に、60℃で1日のエージングを行い、開回路電圧(OCV)が安定した後、室温でOCVと1kHzでの電池インピーダンスを測定し、各電池とも異常が見られないことを確認した。
エージングの後、実施例および比較例の電池を各々2個ずつ25℃で65kΩの定抵抗放電により2Vまで放電し、初期の放電容量を確認した。
エージングの後、実施例および比較例の電池を各々3個ずつ用いて、−40℃でパルス放電を行い、低温での大電流放電特性を評価した。具体的には、3mAの定電流放電を1秒間行った後、59秒間休止するパターンを20サイクル繰り返し、各サイクルにおけるパルス電圧値を測定し、20サイクルにおける最小のパルス電圧を求めた。
(1)正極活物質にフッ化黒鉛を用い、カーボンブラックの種類を変化させた実施例1〜4の電池の結果と、比較例1〜4の電池の結果を、平均値で表1に示す。
表1、2より明らかなように、本発明の実施例では、いずれも−40℃でのパルス放電の最小電圧が2.24V以上と、比較例1の2.188Vを大きく上回り、低温での大電流放電特性が向上した。
エージングの後、実施例1〜9および比較例1〜4の電池を各々5個ずつ用いて、高温保存時の安定性を評価した。各電池は、エージング後、そのまま60℃で45日間保存した。
60℃で45日間保存後の電池のうち、実施例および比較例の電池を各々2個ずつ25℃で60kΩの定抵抗放電により2Vまで放電し、高温保存後の放電容量を確認した。
60℃で45日間保存後の電池のうち、実施例および比較例の電池を各々3個ずつ用いて、−40℃でパルス放電を行い、低温での大電流放電特性を評価した。具体的には、3mAの定電流放電を1秒間行った後、59秒間休止するパターンを20サイクル繰り返し、各サイクルにおけるパルス電圧値を測定し、20サイクルにおける最小のパルス電圧を求めた。
(1)正極活物質にフッ化黒鉛を用い、カーボンブラックの種類を変化させた実施例1〜4の電池の結果と、比較例1〜4の電池の結果を、平均値で表1に示す。
(2)有機電解液の組成を変化させた実施例3、5〜9の電池の結果を、平均値で表2に示す。
本発明の実施例1〜4では、高温保存後の放電容量が102mAh以上であり、保存劣化による容量損失は小さかった。一方、カーボンブラックによる被覆率が100%である比較例2および被覆率60%の比較例3では、保存後の容量が98mAhとなり、比較例1と同程度の容量劣化が見られた。
表2に示したように、電解液の溶質濃度を0.7〜1.5mol/Lとした実施例3、5〜6では、高温保存後の放電容量が103mAh以上であり、低温放電特性も2.2V以上となり、高温保存特性の改良効果が大きかった。
2 負極ケース
3 絶縁パッキング
4 正極
5 負極
6 セパレータ
10 コイン形電池
11 カーボンブラック
12 リチウム金属
Claims (7)
- 正極と、負極と、有機電解液と、前記正極と負極との間に介在するセパレータとを具備し、
前記負極は、負極活物質を含み、前記負極活物質は、リチウム金属およびリチウム合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、
前記正極は、正極活物質と、導電材と、結着材とを含み、
前記負極の前記正極との対向面の10〜50%に、カーボンブラックが埋め込まれている、リチウム一次電池。 - 前記カーボンブラックの一次粒子の平均粒径が、0.1μm以下である、請求項1記載のリチウム一次電池。
- 前記カーボンブラックのBET比表面積が、20m2/g以上である、請求項1記載のリチウム一次電池。
- 前記カーボンブラックが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、コンタクトブラック、ファーネスブラックおよびランプブラックよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1記載のリチウム一次電池。
- 前記有機電解液が、溶質を溶解する非水溶媒からなり、前記溶質の濃度が、0.7〜1.5mol/Lの範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム一次電池。
- 前記有機電解液が、溶質を溶解する非水溶媒からなり、前記溶質が、テトラフルオロ硼酸リチウムを含み、前記非水溶媒が、γ−ブチロラクトンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム一次電池。
- 前記正極活物質が、金属酸化物またはフッ化黒鉛を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム一次電池。
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