JP4866822B2 - 不燃シート又は不燃成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents

不燃シート又は不燃成形体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不燃シート又は不燃成形体及びそれらの製造方法に関し、更に詳しくは、高度な不燃性を有し、かつ、低密度で軽量性に優れた不燃シート又は不燃成形体及びそれらの合理的かつ効率的な製造方法に関する。
従来から、建築物の防火対策上、各種建材に不燃性を付与する不燃性建材として、水酸化アルミニウム粉体を多量に含有せしめた基材が使用されている。この水酸化アルミニウム粉体を多量に含有せしめた基材は水酸化アルミニウムの200〜300℃における脱水吸熱反応によって不燃化が図られている。
しかるに、この水酸化アルミニウムの如き含水無機化合物を多量に含有せしめた基材は、一般に、密度が高くなり、その結果、同一厚さで比較したときに、高重量化を招き、加工時あるいは施工時などの取扱い作業性の悪化が避けられないという難点を有している。かかる難点を解決し、低密度化を図る方法の一つとして、セピオライトの利用可能性が挙げられる。セピオライトは、水に分散すると繊維状を呈する粘土鉱物であって、それ自体が無機物質で不燃性である上に、固結性を有することから、原理的にはセピオライト単体でシート化できる可能性を秘めている。水に分散すると繊維状を呈するセピオライト単体でシート化できれば、水酸化アルミニウムの如き含水無機化合物を多量に含有せしめる必要もなくなり、高度の不燃性を確保しつつ、高密度化を避けられる可能性がある。しかし、実際に湿式抄造によってセピオライトをシート化しようとすると、セピオライト吸着性、増粘性及び揺変性などが複雑に作用し濾水性が悪く、一般にシート化は難しい。こうした中、セピオライトを高配合した原料スラリーによる湿式抄造性の改善に関する研究も行われている。
たとえば、特許文献1では、セピオライトを主材とし原料スラリーに、強カチオン性ポリマーと強アニオン性ポリマーの所定量を混合した高分子凝集剤を適用して湿式抄造性を改善する方法が開示されている。しかし、セピオライトを高配合した原料スラリーによる湿式抄造技術は、まだ十分確立されているとは言い難く、特に、巻取板紙抄紙機にてセピオライト高配合スラリーを用いて湿式抄造するのは極めて困難である。
特開平5−163696号公報
本発明は、前記の点に鑑みてなされたもので、セピオライトを高配合した原料スラリーによる湿式抄造を可能ならしめ、その結果として、高度の不燃性を有し、低密度で軽量性に優れた不燃シート又は不燃成形体を提供するものである。
本発明に係る不燃シート又は不燃成形体は、原料スラリーに凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造して得た不燃シート又は該不燃シートの熱圧成形体であって、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有すること及び凝集剤が1種類であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る不燃シート又は不燃成形体は、原料スラリーに凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造して得た不燃シート又は該不燃シートの熱圧成形体であって、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有する不燃シート又は不燃成形体であること及び凝集剤が1種類であることを特徴とするものである。
本発明に係る不燃シートの製造方法は、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有する原料スラリーに1種類の凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造することを特徴とする。得られた不燃シートを熱圧成形することによって本発明の不燃成形体を製造することができる。
本発明に係る不燃シートの別の製造方法は、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに1種類の凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造することを特徴とする。こうして得られた不燃シートを熱圧成形することによって本発明の不燃成形体を製造することができる。
本発明の不燃シート又は不燃成形体は、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有するか、
或いはJIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有するものであり、高度の不燃性を有し、かつ、低密度で軽量性に優れている。すなわち、本発明の不燃シート又は不燃成形体は、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量を小さく押えることができ、建築基準法に規定する不燃材料の要件に合格できる高度な不燃性を有し、かつ、低密度であるため同一厚さで比較したときに軽量化を図ることができ、加工時あるいは施工時などにおいて、良好な取扱い作業性を確保できるという利点を有する。
本発明の不燃シートの製造方法は、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有するか或いは更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに1種類の凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造することを特徴とする。このようにして得られた不燃シートを熱圧成形するのが本発明の不燃成形体の製造方法である。本発明で特定したセピオライトを選択することにより、湿式抄造時の抄網脱水後の湿潤シートの含水率過多が防止され、セピオライトを高配合した原料スラリーの湿式抄造が可能となり、特に、巻取板紙抄紙機による抄造も可能となるという長所が達成された。
本発明で使用するセピオライトは、粘土鉱物の一種である含水マグネシウム珪酸塩であり、MgSi1230(OH)(OH・6〜8HOの理想的な化学構造式で示すことができる。この化学構造式において、(OH)は結晶水、(OHは結合水、6〜8HOは吸着水である。市販のセピオライトは、この化学式の他に、少量の酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe)、酸化カルシウム(CaO)、酸化カリウム(KO)、酸化ナトリウム(NaO)などを含有し得る。セピオライトは、一般に、吸着性、増粘性、揺変性、固結性、及び焼結性を有する。
なお、本発明で使用するセピオライトは、JIS P 8220:1998に規定される標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度(以下、この粘度の測定方法を前記粘度測定方法と略記することがある。)が200mPa・s以下、好ましくは150mPa・s以下、更に好ましくは120mPa・s以下であるセピオライトである。前記粘度測定方法による粘度が200mPa・sを超えた場合は、抄網脱水後の含水率が高くなり過ぎ、十分な抄造性を得ることができない。なお、前記粘度測定方法による粘度を150mPa・s以下とすることで、抄網脱水後の含水率を低くでき、十分な抄造性を確保しやすくなる。また、前記粘度測定方法による粘度を120mPa・s以下とすることで、更に抄網脱水後の含水率を低くでき、一際、十分な抄造性も確保しやすくなる。
本発明の不燃シート又は不燃成形体中においてセピオライトは主材であり、その含有率範囲は、固形分で好ましくは50〜98質量%、更に好ましくは60〜95質量%、最も好ましくは70〜93質量%である。その含有率が50質量%未満では、十分な不燃性及び低密度が得られないことがあり、98質量%を超えた場合は、有機繊維及び/又は無機繊維が過少となり、十分な抄造性を得ることができないとがある。ただし、不燃シート又は不燃成形体中のセピオライトの含有率を固形分で50〜98質量%の範囲とすることで、十分な不燃性と低密度及び抄造性を確保しやすくなり、60〜95質量%の範囲とすることで、一際、十分な不燃性と低密度及び抄造性を確保しやすくなり、70〜93質量%の範囲とすることで、なお一段と、十分な低密度及び抄造性を確保しやすくなる。
前記した有機繊維としては、セルロース繊維及び各種有機合成繊維などの中から選ばれる1種類あるいは2種類以上を併用して使用すればよい。この場合、セルロース繊維としては、針葉樹系あるいは広葉樹系の化学パルプ、機械パルプ、セミケミカルパルプなどの木材パルプあるいは木綿パルプ、麻パルプ、各種古紙などを適宜使用すればよい。木材パルプは供給量及び品質が安定しており価格も比較的安価であることから最も使いやすいセルロース繊維原料である。有機合成繊維としては、ポリオレフィン樹脂系繊維、ポリエステル系繊維、ビニロン系繊維、アラミド系繊維などを適宜使用すればよい。ポリオレフィン系繊維は供給量及び品質が安定しており価格も比較的安価であることから比較的使いやすい有機合成繊維原料である。
前記した無機繊維としては、ロックウール繊維、ガラス繊維、セラミック繊維あるいは炭素繊維などの中から少なくとも1種類を選択して使用する。
本発明に係る不燃シート又は不燃成形体中の有機繊維及び/又は無機繊維の含有率範囲は固形分で好ましくは1〜45質量%、更に好ましくは2〜35質量%、最も好ましくは3〜30質量%である。その含有率が1質量%未満では、有機繊維及び/又は無機繊維過少によって十分な抄造性が得られないことがある。反対に、45質量%を超えた場合は、セピオライトの過少によって十分な不燃性及び低密度を得ることができないことがある。ただし、不燃シート又は不燃成形体中の有機繊維及び/又は無機繊維の含有率を固形分で1〜45質量%の範囲とすることで、十分な抄造性、不燃性及び低密度を確保しやすくなり、2〜35質量%の範囲とすることで、一際、十分な抄造性、不燃性及び低密度を確保しやすくなり、3〜30質量%の範囲とすることで、なお一段と、十分な抄造性、不燃性及び低密度を確保しやすくなる。
本発明で使用する合成高分子バインダーは、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ダップ樹脂などの熱硬化性樹脂若しくはポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂又はSBR、NBR、MBRなどの合成ゴムの中から少なくとも1種類を選択して使用する。これらの合成高分子は、その種類によって硬化温度、溶融軟化温度などに幾分差があるが、加熱処理に伴う流動硬化作用又は軟化溶融、再固化作用によって、シート又は成形体に各種成形賦形効果若しくは諸強度の発現効果又はセピオライトの脱落防止効果を与えるという点では全く共通している。したがって、基本的には、前記合成高分子バインダーの何れを用いてもよいが入手価格等の経済性をも考慮すると、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、SBRなどが最適である。
本発明の不燃シート又は不燃成形体において、合成高分子バインダーは必須ではなく、必要に応じて用いればよい。その場合、本発明の不燃シート又は不燃成形体中の合成高分子バインダーの含有率範囲は、固形分で好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは2〜17質量%、最も好ましくは3〜15質量%である。その含有率が1質量%未満では十分な機械的強度若しくは成形賦形効果又はセピオライトの脱落防止効果が得られないことがあり、20質量%を超えた場合は有機物質の過多によって十分な不燃性を得ることができないことがある。ただし、不燃シート又は不燃成形体中の合成高分子バインダーの含有率を固形分で1〜20質量%の範囲とすることで、十分な機械的強度若しくは成形賦形効果又はセピオライトの脱落防止効果及び不燃性を確保しやすくなり、2〜17質量%の範囲とすることで、一際、十分な機械的強度若しくは成形賦形効果又はセピオライトの脱落防止効果及び不燃性を確保しやすくなり、3〜15質量%の範囲とすることで、なお一段と、十分な機械的強度若しくは成形賦形効果又はセピオライトの脱落防止効果及び不燃性を確保しやすくなる。
本発明の不燃シート又は不燃成形体の厚さは特に限定するものではないが、本発明の不燃シート又は不燃成形体を壁材あるいは天井材などの主構成材として適用する場合、厚さは0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.7mm以上であると更に好ましい。厚さを0.3mm以上とすることで、十分な機械的強度を確保しやすくなり、0.5mm以上とすることで、更に十分な機械的強度を確保しやすくなり、0.7mm以上とすることで、一際、十分な機械的強度を確保しやすくなる。
本発明に係る不燃シート又は不燃成形体は、前記配合のもとに、JIS P 8220:1998に規定される標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有するか、あるいは更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有する原料スラリーを調成し、該スラリーに1種類の凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造し、必要に応じて、熱圧成形することにより得られる。以下において、製造法にも言及しながら更に詳述する。
本発明に係る原料スラリーに添加する凝集剤としては、架橋吸着作用などによって該原料スラリー中のセピオライトを有機繊維及び/又は無機繊維などに定着せしめる機能を発現するものであれば、その種類は特に限定されず、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系、ポリアミン系、ポリメタクリル酸エステル系、ジシアンジアミド系、ポリエチレンイミン系、キトサン系、カチオン澱粉系などの任意の1種類のものが使用できる。また、係る凝集剤の添加量はその種類によって適宜決定すべきことは言うまでもないが、本発明の場合、原料スラリー中のセピオライトを有機繊維及び/又は無機繊維に強固に定着せしめるために、原料スラリー中の全固形分100質量部に対して前記凝集剤を固形分で0.005〜0.5質量部程度添加するのが好ましい。
さらに、原料スラリー中には、必要に応じて不燃性補助剤として水酸化アルミニウム、タルク、炭酸カルシウムなどの無機填料を含有せしめてもよく、着色のための合成染料、顔料などを含有せしめてもよい。また、用途によっては、機械的強度若しくは後加工性の改善などを図るべく乾燥又は湿潤紙力増強剤、サイズ剤、耐水化剤、はっ水剤などを含有せしめるべきことはいうまでもない。
本発明の不燃シート又は不燃成形体に、合成高分子バインダーを含有せしめる方法としては、合成高分子バインダーの液状物若しくは粒状物等を原料中に内添したり、紙層形成後に塗布又は含浸したりするなどすればよい。ただし、厚さ方向での品質の均一化を図るためには、原料スラリー中に合成高分子バインダーの液状物あるいは粒状物などを内添する方法が最も好ましい。
原料スラリーへのセピオライトと有機繊維及び/又は無機繊維、あるいはセピオライト、有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーの添加方法及び添加順序などは任意であり、必要に応じて叩解処理などを施してもよい。ただし、セピオライトにせん断力をかけ過ぎると湿式抄造時の濾水性を悪化させることがあるので、セピオライトには必要以上にせん断力をかけ過ぎないようにすることが肝要である。
こうして得た原料スラリーを用いて湿式抄造するには、通常の抄造法によればよい。すなわち、長網、円網あるいは傾斜網などの抄造網上に前記原料スラリーを供給し、濾過、脱水した後、圧搾、乾燥すればよい。また、必要により各種コンビネーション網や、多漕円網及び各種ラミネーターなどによりシート層を2層以上重ね合わせてもよい。
熱圧成形については、従来慣用の熱圧プレス成形、予熱―コールドプレス成形、高周波加熱成形などを単独であるいは2種以上組み合せて適用すればよい。
本発明の不燃シート又は不燃成形体は、セピオライトあるいはセピオライトと無機繊維を含有するだけで優れた不燃性を発揮するが、従来慣用の難燃剤の使用を妨げるものではない。併用可能な難燃剤としては、有機リン化合物、含リン含窒素化合物、スルファミン酸グアニジンなどのスルファミン酸塩、無機リン酸塩、含ハロゲン化合物及びアンチモン系化合物などの公知の難燃剤を挙げることができる。また、難燃剤の使用方法としては、原料スラリー中に1種又は2種以上の公知の難燃剤を内添せしめるか抄造工程中若しくは抄造後又は熱圧成形後に塗布又は含浸せしめるなどの方法が挙げられる。ただし、一般に、難燃剤は高温加熱時に有害ガスを発生しやすいなどの難点もあるため、好ましくは難燃剤を使用すべきではない。難燃剤を使用する場合、セピオライトあるいはセピオライトと無機繊維の含有率を考慮して難燃剤の含有量を必要最小限にすべきことは当然である。
さらに、用途によっては、得られた不燃シート又は不燃成形体に各種塗料の吹付け若しくは塗布あるいは印刷などの表面処理を施したり、化粧紙、レザー、合成樹脂膜、突板、金属板若しくは金属箔などの面材を貼り合わせるなどして固着せしめ、該不燃シート又は該不燃成形体の付加価値を一段と高めることができることは言うまでもない。
本発明の不燃シート又は不燃成形体の構成において重要な点は、前記粘度測定方法による粘度が特定範囲にあるセピオライトを選択することにより、湿式抄造時の抄網脱水後の湿潤シートの含水率過多を防止し、セピオライトを高配合した原料スラリーによって湿式抄造を可能ならしめ、特に、巻取板紙抄紙機による抄造をも可能ならしめることである。その結果として、得られる本発明のシート又は成形体は、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量を小さく押えることができ、建築基準法に規定する不燃材料の要件に合格できる高度な不燃性を示し、かつ、低密度で軽量性に優れているという効果を示す。
セピオライトを高配合した原料スラリーによる湿式抄造技術は、まだ十分確立されているとは言い難く、特に、セピオライト高配合スラリーを用いて巻取板紙抄紙機にて湿式抄造するのは極めて困難であった。
そこで、セピオライトを高配合した原料スラリーによる湿式抄造を可能ならしめ、高度な不燃性を示し、かつ、低密度で軽量性に優れる不燃シート又は不燃成形体を得るべく、多数次の実験を行ったところ、所定量のセピオライト、特に水に分散せしめたときの粘度が特定範囲にある所定量のセピオライトを用い、かつ、有機繊維及び/又は無機繊維を併用するか、あるいは有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを併用することにより、かかる目的を達成することができることを見出した。セピオライトとして、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるものを用いた場合に、該セピオライトを主材として含有し、更に、有機繊維及び/又は無機繊維、或いは有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに凝集剤を添加し凝集状態にて容易にかつ良好に湿式抄造でき、又は得られた不燃シートを熱圧成形して、不燃シート又は不燃成形体中に、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを主材として含有せしめ、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有せしめるか、あるいは更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有せしめることによって、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量を小さく抑えることができ、建築基準法に規定する不燃材料の要件に合格できる高度な不燃性を有するとともに、密度を低くし、軽量化を図り、加工時若しくは施工時などにおいて、良好な取扱い作業性を確保させるという目的に適うことを見出した。
実施例:
本発明を次に示す実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本実施例及び比較例中の各項目の測定は、次の方法によった。
(1)原料スラリーの凝集状態:抄造時に、角型テスト抄紙機の筒内又は巻取板紙抄紙機のストックインレット内の原料スラリーを目視観察し、凝集状態を呈している場合を○、凝集状態を呈していない場合を×とした。(ここで、巻取板紙抄紙機とは、抄紙しながらロール上に意図する厚さに達するまでシート層を複数回巻き取って積層体とし、これをロールの幅方向にカットして、幅がロール幅で長さがロール円周に等しいシートとし、圧搾、乾燥する装置をいう。)
(2)抄網脱水時間:角型テスト抄紙機の筒内を目視観察し、脱水開始から湿潤シート上の水がなくなるまでの時間を測定した。
(3)抄網脱水後含水率:抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、絶乾法にて、該湿潤シートの含水率を、採取直後に測定した湿潤シートの質量と該湿潤シートを110℃熱風乾燥機にて十分に恒量となるまで乾燥して測定した絶乾質量とから、
((湿潤シートの質量−絶乾質量)/絶乾質量)×100 %
で求めた。
(4)抄造性:角型テスト抄紙機による抄造の場合、抄網での脱水及び圧搾の過程で、抄網での脱水不足、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率過多による網上からの湿潤シートの分離困難(含水率過多のため湿潤シートが弱過ぎて崩れる。)、湿潤シートの含水率過多による圧搾時の湿潤シートの崩れなどの不具合が何れも発生しないときを○とし、抄網での脱水不足、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率過多による網上からの湿潤シートの分離困難(含水率過多のため湿潤シートが弱過ぎて崩れる。)、湿潤シートの含水率過多による圧搾時の湿潤シートの崩れなどの不具合の少なくとも1つの不具合が発生したときを×とした。また、巻取板紙抄紙機による抄造の場合、抄網での脱水、ワインドアップロールへの巻付・積層・剥がし及び圧搾の過程で、抄網での脱水不足、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率過多による網上からの湿潤シートの分離困難、ワインドアップロールへの巻付・積層・剥がし時の不良(含水率過多のための巻付困難又は湿潤シートが弱過ぎて崩れる。)、圧搾時の湿潤シートの崩れなどの不具合が何れも発生しないときを○とし、抄網での脱水不足、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率過多による網上からの湿潤シートの分離困難、ワインドアップロールへの巻付・積層・剥がし時の不良(含水率過多のための巻付困難又は湿潤シートが弱過ぎて崩れる。)、圧搾時の湿潤シートの崩れなどの不具合の少なくとも1つの不具合が発生したときを×とした。
(5)厚さ及び密度:JIS P 8118:1998に準拠した。
(6)坪量:JIS P 8124:1998に準拠した。
(7)曲げ強度:JIS A 5905:1994による。繊維配向性がある場合、繊維配向方向とこれに直角をなす方向について測定し、両者の平均を求めた。
(8)セピオライトの粘度:内筒回転型粘度計を使用して、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した。被測定液はJIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理して調製した。なお、使用した内筒回転型粘度計は東機産業(株)製のB型粘度計(型式:BM型)であり、内径56mm、深さ110mmのガラスビーカーに被測定液230mLを入れ、内筒に相当するNo.1ローター(径19mm、高さ65mm)を用い、ローター用ガードを使用せずに測定した。本測定による粘度の測定値は、被測定液が無限に拡がっている場合の真値と比べ誤差が10%未満である。
(9)不燃性1:ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験(加熱強度;50kW/m、過熱時間;20分)の総発熱量で評価した。
(10)不燃性2:建築基準法第2条第九号及び同法施行令第108条の2の不燃材料の要件に対する合否で評価した。すなわち、
総発熱量:不燃性1の発熱性試験において、総発熱量が8MJ/mを超えない場合が適合。
亀裂及び穴:不燃性1の発熱性試験において、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない場合が適合。
最高発熱速度:不燃性1の発熱性試験において、最高発熱速度が10秒を超えて継続して200kW/mを超えない場合が適合。
不燃材料合否:総発熱量、亀裂及び穴並びに最高発熱速度が何れも適合の場合が合格。一つでも不適合の場合は、不合格。
市販の針葉樹系未晒硫酸塩パルプ(以下、有機繊維aと略称する。)と繊維長3mmのガラス繊維(以下、無機繊維aと略称する。)とを離解機にて離解して得た有機繊維と無機繊維の混合分散液の所定量を取り、これに前記粘度測定方法による粘度が51mPa・sであるセピオライト(分散処理前に乾式レーザー回折法による平均粒径92μmの粉体;以下、セピオライトaと略称する。)を添加し、攪拌機にて十分に分散混合して原料スラリーとした。次いで、該原料スラリーの全固形分100質量部に対して、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤を固形分で0.04質量部添加し、凝集状態にて、角型テスト抄紙機にて抄造し、圧搾、乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートAを得た。
シートAについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例1において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例1と同様にして、シートBを得た。
シートBについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例1において、原料スラリーにアニオン性液状アクリル樹脂(以下、合成高分子バインダーaと略称する。)及びカチオン性液状エポキシ樹脂(以下、合成高分子バインダーbと略称する。)を添加し、十分攪拌機にて十分に分散混合してから凝集剤を添加した以外は、実施例1と同様にして、シートCを得た。
シートCについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例3において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例3と同様にして、シートDを得た。
シートDについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例3において、セピオライトaに代えてセピオライトaと本発明に係る粘度測定方法による粘度が326mPa・sであるセピオライト(分散処理前に乾式レーザー回折法による平均粒径56μmの粉体;以下、セピオライトbと略称する。)をセピオライトa/セピオライトb=2/1の固形分質量比で用い(セピオライトa/セピオライトb=2/1の混合物の本発明に係る粘度測定方法による粘度は107mPa・sであった。)た以外は実施例3と同様にして、シートEを得た。
シートEについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例3において、セピオライトaに代えて本発明に係る粘度測定方法による粘度が22mPa・sであるセピオライト(分散処理前に粉体;以下、セピオライトcと略称する。)を用いた以外は実施例3と同様にして、シートFを得た。
シートFについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例1において、無機繊維を配合しない以外は、実施例1と同様にして、シートGを得た。
シートGについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例1において、有機繊維を配合しない以外は、実施例1と同様にして、シートHを得た。
シートHについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例7において、有機繊維aに代えてポリオレフィン樹脂系繊維(市販のポリエチレン系合成パルプである。以下有機繊維bと略称する。)を用いた以外は実施例7と同様にして、シートIを得た。
シートIについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例1において、原料スラリーに粉体状フェノール樹脂(平均粒子径30μmである。以下合成高分子バインダーcと略称する。)添加し、十分攪拌機にて十分に分散混合してからセピオライトを添加した以外は、実施例1と同様にして、シートJを得た。
シートJについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例1において、無機繊維aに代えて繊維長3mmのロックウール繊維(以下、無機繊維bと略称する。)を用い、原料スラリーに市販のSBR系ラテックス(以下合成高分子バインダーdと略称する。)を添加し、十分攪拌機にて十分に分散混合してからセピオライトを添加した以外は、実施例1と同様にして、シートKを得た。
シートKについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
有機繊維aと無機繊維aをパルパーにて離解し、これにセピオライトaを添加し、十分に分散混合して原料スラリーとした。次いで、該原料スラリーの全固形分100質量部に対して、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤を固形分で0.06質量部添加し、凝集状態にて、長網/ワインドアップロール構成の巻取板紙抄紙機にてシート層を10層積層させて抄造、圧搾、及び乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートLを得た。
シートLについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例12において、原料スラリーに合成高分子バインダーa及び合成高分子バインダーbを添加し、十分攪拌機にて十分に分散混合してから凝集剤を添加した以外は、実施例12と同様にして、シートMを得た。
シートMについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例13において、シート層を25層積層させた以外は、実施例13と同様にして、シートNを得た。
シートNについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例9と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートIに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、成形体Aを得た。
成形体Aについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
実施例10と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートJに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、成形体Bを得た。
成形体Bについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、セピオライトaに代えてセピオライトbを用い、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤の添加量を0.04質量部に代えて、0.1質量部とした以外は実施例1と同様にして、角型テスト抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1において、セピオライトaに代えて上述の粘度測定方法による粘度が686mPa・sであるセピオライト(分散処理前に乾式レーザー回折法による平均粒径75μmの粉体;以下、セピオライトdと略称する。)を用い、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤の添加量を0.01質量部に代えて、0.1質量部とした以外は実施例1と同様にして、角型テスト抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例3]
比較例1において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、比較例1と同様にして、角型テスト抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例4]
比較例2において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、比較例2と同様にして、角型テスト抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例5]
実施例3において、セピオライトaに代えてセピオライトbを用いた以外は実施例3と同様にして、角型テスト抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例6]
実施例12において、セピオライトaに代えてセピオライトbを用い、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤の添加量を0.06質量部に代えて0.12質量部とした以外は実施例12と同様にして、長網/ワインドアップロール構成の巻取板紙抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、湿潤シートをワインドアップロールへ巻付・積層せしめる際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例7]
実施例12において、セピオライトaに代えてセピオライトdを用い、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤の添加量を0.06質量部に代えて、0.12質量部とした以外は実施例12と同様にして、長網/ワインドアップロール構成の巻取板紙抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、湿潤シートをワインドアップロールへ巻付・積層せしめる際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例8]
実施例13において、セピオライトaに代えてセピオライトbとセピオライトdをセピオライトa/セピオライトb=1/1の固形分質量比で用い(セピオライトb/セピオライトd=1/1の混合物の本発明に係る粘度測定方法による粘度は506mPa・sであった。)、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤の添加量を0.06質量部に代えて、0.12質量部とした以外は実施例13と同様にして、長網/ワインドアップロール構成の巻取板紙抄紙機にて抄造したところ、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、湿潤シートをワインドアップロールへ巻付・積層せしめる際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例9]
実施例1において、有機繊維及び無機繊維を配合しない以外は実施例1と同様にして、角型テスト抄紙機にて抄造したところ、抄網脱水時間が非常にながくなった上、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの強度が弱く、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが崩れてしまい、所望のシートを得ることができなかった。
抄網脱水後の抄網上の湿潤シートを採取し、該湿潤シートについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水後の含水率、及び抄造性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例10]
有機繊維aと無機繊維bを離解機にて離解して得た有機繊維と無機繊維の混合分散液の所定量を取り、これに水酸化アルミニウム粉体(平均粒径5.7μmである。以下同じ)及び合成高分子バインダーcを添加し、攪拌機にて十分に分散混合して原料スラリーとした。次いで、該原料スラリーの全固形分100質量部に対して、弱アニオン性ポリアクリルアミド系凝集剤を固形分で0.01質量部添加し、凝集状態にて、角型テスト抄紙機にて抄造し、圧搾、乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートOを得た。
シートNについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
[比較例11]
比較例10と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートNに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、成形体Cを得た。
成形体Cについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、原料スラリーの凝集状態、抄網脱水時間、抄網脱水後の含水率、抄造性、厚さ、密度、坪量、曲げ強度、不燃性1及び不燃性2をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
前記した実施例1〜16及び比較例1〜10について、よく対応するものを比較しながら、更に詳しく説明する。
まず、実施例1と比較例1、2を比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、用いたセピオライトが異なる。上述の粘度測定方法による粘度が、本発明で特定する200mPa・s以下という範囲に対し、実施例1で用いたセピオライトは51mPa・sで、この範囲に入っているが、比較例1で用いたセピオライトは326mPa・sで、この範囲の上限値よりも大きく、比較例2で用いたセピオライトは686mPa・sで、更に大きい。実施例1、比較例5、6の何れも原料スラリーの凝集状態は良好であるが、抄網脱水時間は、実施例1が154秒であるのに比べ、比較例1では19.5倍の3000秒、比較例2では27.3倍の4200秒であり、きわめて長くなった。また、抄網脱水後の含水率は、実施例1が392%であるのに比べ、比較例1では3.5倍の1358%、比較例2では5.1倍の1998%であり、きわめて高くなった。この結果、実施例1では抄造性が良好であり、所望のシートを得ることができたのに対し、比較例1、2では、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができないまでに抄造性が悪化した。
次に、実施例2と比較例3、4を比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、用いたセピオライトが異なる。上述の粘度測定方法による粘度が、本発明で特定する200mPa・s以下という範囲に対し、実施例2で用いたセピオライトは51mPa・sで、この範囲に入っているが、比較例3で用いたセピオライトは326mPa・sで、この範囲の上限値よりも大きく、比較例4で用いたセピオライトは686mPa・sで、更に大きい。実施例2、比較例3、4の何れも原料スラリーの凝集状態は良好であるが、抄網脱水時間は、実施例2が239秒であるのに比べ、比較例3では15.1倍の3600秒、比較例4では18.8倍の4500秒であり、きわめて長くなった。また、抄網脱水後の含水率は、実施例2が386%であるのに比べ、比較例3では4.2倍の1637%、比較例4では6.1倍の2366%であり、きわめて高くなった。この結果、実施例2では抄造性が良好であり、所望のシートを得ることができたのに対し、比較例3、4では、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができないまでに抄造性が悪化した。
次に、実施例3と比較例5を比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、用いたセピオライトが異なる。上述の粘度測定方法による粘度が、本発明で特定する200mPa・s以下という範囲に対し、実施例3で用いたセピオライトは51mPa・sで、この範囲に入っているが、比較例5で用いたセピオライトは326mPa・sで、この範囲の上限値よりも大きい。実施例3、比較例5の何れも原料スラリーの凝集状態は良好であるが、抄網脱水時間は、実施例3が270秒であるのに比べ、比較例5では1.7倍の450秒であり、きわめて長くなった。また、抄網脱水後の含水率は、実施例3が409%であるのに比べ、比較例5では2.1倍の825%であり、きわめて高くなった。この結果、実施例3では抄造性が良好であり、所望のシートを得ることができたのに対し、比較例5では、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、網上から湿潤シートを剥がし取る際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができないまでに抄造性が悪化した。
次に、実施例12と比較例6、7を比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、用いたセピオライトが異なる。上述の粘度測定方法による粘度が、本発明で特定する200mPa・s以下という範囲に対し、実施例12で用いたセピオライトは51mPa・sで、この範囲に入っているが、比較例6で用いたセピオライトは326mPa・sで、この範囲の上限値よりも大きく、比較例7で用いたセピオライトは686mPa・sで、更に大きい。実施例12、比較例6、7の何れも原料スラリーの凝集状態は良好であるが、抄網脱水後の含水率は、実施例12が263%であるのに比べ、比較例6では3.5倍の923%、比較例7では4.9倍の1297%であり、きわめて高くなった。この結果、実施例12では抄造性が良好であり、所望のシートを得ることができたのに対し、比較例6、7では、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、湿潤シートをワインドアップロールへ巻付・積層せしめる際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができないまでに抄造性が悪化した。
次に、実施例13及び14と比較例8とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、用いたセピオライトが異なる。上述の粘度測定方法による粘度が、本発明で特定する200mPa・s以下という範囲に対し、実施例13、14で用いたセピオライトは51mPa・sで、この範囲に入っているが、比較例8で用いたセピオライトは506mPa・sで、この範囲の上限値よりも大きい。実施例13、14と比較例8の何れも原料スラリーの凝集状態は良好であるが、抄網脱水後の含水率は、実施例13が334%であり、実施例14が327%であるのに比べ、比較例8では実施例13の2.3倍で、実施例14の2.3倍の754%であり、きわめて高くなった。この結果、実施例13、14では抄造性が良好であり、所望のシートを得ることができたのに対し、比較例8では、抄網での脱水が不足で、抄網脱水後の抄網上の湿潤シートの含水率が過多となり、湿潤シートをワインドアップロールへ巻付・積層せしめる際に湿潤シートが弱過ぎて崩れてしまい、所望のシートを得ることができないまでに抄造性が悪化した。
以上の通り、本発明の不燃性シート又は不燃成形体においては、湿式抄造時の抄網脱水後の湿潤シートの含水率過多を防止し、セピオライトを高配合した原料スラリーによる湿式抄造を可能ならしめ、特に、巻取板紙抄紙機による抄造をも可能ならしめる上で、本発明で特定する特定の粘度を有するセピオライトを選択することがきわめて重要であることが分かる。
次に、本発明の不燃性シート又は不燃成形体の不燃性及び軽量性などの特性面での優位性について、従来の水酸化アルミニウム粉体高配合基材と比較して説明する。
まず、実施例2と比較例10を比較する。実施例2は本発明で特定したセピオライトを高含有せしめたものであるのに対し、比較例10は水酸化アルミニウム粉体を高含有せしめたものである。実施例2と比較例10は共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例2が2.36mm、比較例10が2.47mm)である。実施例14と比較例10は共に原料スラリーの凝集性、抄造性は良好で、曲げ強度もほぼ同等(実施例2が2.5MaP、比較例10が2.3MPa)であるが、密度は実施例2が0.665g/cmであるのに対し、比較例10では1.08g/cmであり、約62%高くなっている。また、不燃性について見てみると、実施例2、比較例10共に建築基準法に規定する不燃材料の要件に合格であるが、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量が、実施例2の3.6MJ/mに対し、比較例10では5.5MJ/mとなり、約53%上昇し不燃性が悪化している。このように、実施例2は、比較例10よりも低密度で軽量性に優れ、不燃性においても優れていることがわかる。
次に、実施例14と比較例10を比較する。実施例14は本発明で特定したセピオライトを高含有せしめたものであるのに対し、比較例10は水酸化アルミニウム粉体を高含有せしめたものである。実施例14と比較例10は共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例14が2.55mm、比較例10が2.47mm)である。実施例14と比較例10は共に原料スラリーの凝集性、抄造性は良好で、不燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料の要件に対して、実施例14、比較例10共に合格)でほぼ同等(ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量が、実施例14が5.8MJ/m、比較例10が5.5MJ/m)であるが、曲げ強度は比較例10が2.3MPaであるのに対し、実施例14が9.6MaPであり、約4.2倍である。また、密度は実施例14が0.854g/cmであるのに対し、比較例10では1.08g/cmであり、約26%高くなっている。このように、実施例14は、比較例10よりも低密度で軽量性に優れ、強度においても優れていることがわかる。
次に、実施例16と比較例11を比較する。実施例16は本発明で特定したセピオライトを高含有せしめたものであるのに対し、比較例11は水酸化アルミニウム粉体を高含有せしめたものである。実施例16と比較例11は共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例16が1.93mm、比較例11が2.00mm)である。実施例16と比較例11は共に原料スラリーの凝集性、抄造性は良好で、不燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料の要件に対して、実施例16、比較例11共に合格)でほぼ同等(ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量が、実施例16が5.7MJ/m、比較例11が5.6MJ/m)であるが、曲げ強度は比較例11が6.4MPaであるのに対し、実施例16が7.3MaPであり、約14%高くなっている。また、密度は実施例16が0.857g/cmであるのに対し、比較例11では1.33g/cmであり、約55%高くなっている。このように、実施例16は、比較例11よりも低密度で軽量性に優れ、強度においても優れていることがわかる。
また、以上の比較説明で原料スラリーの凝集状態及び抄造性について触れていない実施例、即ち実施例4〜11及び15についても表1から分かる通り、良好な凝集状態及び抄造性が達成されている。比較説明で発熱性試験について触れてないた実施例、すなわち実施例1、3〜13、15についても、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量は0.2〜5.8MJ/mと小さく抑えられており、建築基準法に規定される不燃材料の要件に合格する高度な不燃性を有しており、かつ、密度についても、熱プレス無のものについては0.577〜0.841g/cm、熱プレス有のものについては0.830〜0.857g/cmと低密度で軽量性に優れている。
最後に、実施例8について補足説明する。本発明で特定した不燃成形シート又は不燃成形体の製造方法によればセルロース繊維などの有機繊維を全く配合せずとも、本発明で特定した主材として含有し、更に無機繊維を含有した原料スラリーを良好に湿式抄造できる。すなわち、実施例8は実質的に無機物質のみで構成されており、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量が0.2MJ/mときわめて小さく、ほぼ完璧な不燃性を有している。
Figure 0004866822

Claims (17)

  1. 原料スラリーに凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造して得た不燃シート又は該不燃シートを熱圧成形した不燃成形体において、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有すること及び凝集剤が1種類であることを特徴とする、前記不燃シート又は不燃成形体。
  2. 原料スラリーに凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造して得た不燃シート又は該不燃シートを熱圧成形した不燃成形体において、JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有すること及び凝集剤が1種類であることを特徴とする、前記不燃シート又は不燃成形体。
  3. 前記有機繊維がセルロース繊維及び有機合成繊維の中から選ばれた少なくとも1種類からなる請求項1又は2のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  4. 前記有機合成繊維がポリオレフィン樹脂系繊維である請求項1〜3のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  5. 前記無機繊維がロックウール繊維及びガラス繊維の中から選ばれた少なくとも1種類からなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  6. 前記合成高分子バインダーが熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び合成ゴムの中から選ばれた少なくとも1種類からなる請求項2〜5のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  7. 2層以上のシート層の積層体からなる請求項1〜6のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  8. 厚さが0.3mm以上である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  9. 巻取板紙抄紙機にて2層以上のシート層の積層体とせしめた請求項1〜のいずれか一つに記載の不燃シート又は不燃成形体。
  10. JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維を含有する原料スラリーに1種類の凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造することを特徴とする、不燃シートの製造方法。
  11. 2層以上のシート層を積層せしめて湿式抄造する請求項10に記載の不燃シートの製造方法。
  12. 巻取板紙抄紙機にて2層以上のシート層を積層せしめて湿式抄造する請求項10又は11に記載の不燃シートの製造方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか一つに記載の製造方法により、湿式抄造して不燃シートを製造し、得られた不燃シートを熱圧成形することを特徴とする不燃成形体の製造方法。
  14. JIS P 8220:1998に規定する標準離解機にて、20℃の水道水を用いて、液量1500ml、濃度3質量%、軸回転数30000回にて処理した後、内筒回転型粘度計を用いて、液温25℃、内筒回転速度6回転/分、内筒回転時間1分にて測定した粘度が200mPa・s以下であるセピオライトを固形分で50〜98質量%含有し、更に有機繊維及び/又は無機繊維、及び合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに1種類の凝集剤を添加し凝集状態にて湿式抄造することを特徴とする、不燃シートの製造方法。
  15. 2層以上のシート層を積層せしめて湿式抄造する請求項14に記載の不燃シートの製造方法。
  16. 巻取板紙抄紙機にて2層以上のシート層を積層せしめて湿式抄造する請求項14又は15に記載の不燃シートの製造方法。
  17. 請求項14〜16のいずれか一つに記載の製造方法により、湿式抄造して不燃シートを製造し、得られた不燃シートを熱圧成形することを特徴とする不燃成形体の製造方法。
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