JP3100243B2 - 不燃プレスボード及びその製造方法 - Google Patents

不燃プレスボード及びその製造方法

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JP3100243B2 JP04311919A JP31191992A JP3100243B2 JP 3100243 B2 JP3100243 B2 JP 3100243B2 JP 04311919 A JP04311919 A JP 04311919A JP 31191992 A JP31191992 A JP 31191992A JP 3100243 B2 JP3100243 B2 JP 3100243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内装壁材、間仕切用パネ
ルの裏打ち材等の建材、各種断熱材、電気絶縁物などに
使用される不燃プレスボード及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、火災事故の防止に係わる社会的ニ
ーズのもとに、壁装材などの建材をはじめとして多くの
分野で防炎性、難燃性が要望されている。従来、汎用な
燃えないシート材としては、石綿繊維を使用したものが
代表であった。石綿繊維シートは難燃、耐熱、高強度、
易生産性、廉価等多くの面で卓越しており、有機繊維で
は困難な応用の領域をカバーし、幅広い用途を持ってい
た。
【0003】ところが、最近、石綿は健康を害する作用
があるため、ほぼ使えない状況にある。そこで、石綿の
代替材の開発が各所において行なわれている。例えば、
特願平4−39910号公報には、主材として吸着性、
揺変性、固結性に優れた鉱物繊維のセピオライトに着目
し、従来、セピオライト繊維の配合量の多いスラリーに
対して抄造が困難であったのをバインダー技術の工夫な
どにより抄造可能とし、不燃性の高いシートの製造を可
能とする技術が開示されている。このセピオライトリッ
チの不燃性シートはその不燃性、耐水性などの特性によ
って建材など広範囲な用途が考えられている。
【0004】なお、セピオライト繊維等の繊維材をスラ
リーに混入して抄造した数ミリ程度の厚い不燃ボード
は、通常、1回の抄造によって厚めの湿シートを形成
し、圧搾、加熱乾燥した後、表面の凹凸部分を研削し、
平面仕上げをすることによって製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の1回
の抄造で厚めの湿シートを形成して得られる不燃ボード
は、抄造後の湿シートの含水率が高い状態で加圧し、加
熱乾燥するので、数ミリ程度の厚さの湿シートの場合で
は加圧するのに通常30〜40分もの長時間を必要と
し、かつ、プレス機も高価であった。更に、加熱乾燥に
おいては内部の水分が飛散するまでに長時間を要し、こ
のため、毎分数m2 程度の速度でしか製造できず、生産
効率が低かった。
【0006】また、厚いシートを乾燥すると、大きなそ
りが発生するので、その修正のための工程を別途必要と
し、コスト高となっていた。
【0007】なお、シートを積層構造とし、薄い湿シー
トの状態で抄造を行なうようにすれば、抄造は容易とな
る。しかし、この場合、層間強度が弱くなるため、層間
剥離を起こし易くなる不具合がある。
【0008】そこで、本発明は、セピオライトを必須成
分とし、積層した厚板構造であって、層間強度が大き
く、かつ、短時間に安価に製造できる不燃プレスボード
及びその製造方法の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
不燃プレスボードは、主材としてのセピオライトと、補
強用の無機繊維と、有機増量材と、固結、凝集用のバイ
ンダーと、予備乾燥温度を越える加熱によって溶融を開
始する熱硬化性樹脂からなる感熱性樹脂とを必須成分と
したスラリーを抄造し、予備乾燥した後、この予備乾燥
したシートを積層し、加圧及び加熱したものである。
【0010】また、請求項2の発明にかかる不燃プレス
ボードは、主材としてのセピオライトと、補強用の無機
繊維と、有機増量材と、固結、凝集用のバインダーと、
熱可塑性樹脂からなる感熱性樹脂とを必須成分としたス
ラリーを抄造し、予備乾燥した後、この予備乾燥したシ
ートを積層し、加圧及び加熱したものである。
【0011】更に、請求項3の発明にかかる不燃プレス
ボードの製造方法は、セピオライトと、無機繊維と、有
機増量材と、感熱性樹脂とからなる必須成分を混合する
原料混合工程と、前記原料混合工程の混合液にバインダ
ーを添加し、凝集させてフロックを形成する凝集工程
と、前記凝集工程でフロックの形成したスラリーを抄造
する抄造工程と、抄造した湿シートを所定温度で乾燥
し、所定含水率とする予備乾燥工程と、予備乾燥したシ
ートを積層する積層工程と、積層した積層シートを加
圧、加熱し、内部の感熱性樹脂を溶融、固化してボード
を形成する加圧加熱工程と、形成されたボードを所定寸
法に裁断する裁断工程とからなる。
【0012】ここで、無機繊維としてはガラス繊維、ロ
ックウール、ステンレス繊維、ウィスカーなどの補強繊
維を使用できる。
【0013】また、有機増量材としては、木材パルプを
使用でき、更に、製紙スラッジ、古紙などの木質繊維等
各種の安価な廃材の使用も可能である。
【0014】感熱性樹脂としては、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂及びポリエチ
レン、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ABS、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性
樹脂を挙げることができる。
【0015】バインダーは凝集用、固結用の各種の公知
の高分子凝集剤等を単独、好ましくは複合して所定濃度
で添加することにより、良好に抄造することができる。
【0016】スラリーを抄造した後の湿シートの加圧、
脱水は、周知のコールドプレス、ホットプレスによって
行なうことができ、コールドプレスの場合はプレス後に
カレンダーロール等を使用して平滑面に仕上げることが
できる。なお、一般には、プレスと同時に乾燥でき、カ
レンダーロールを不要にできる点からホットプレスが好
ましい。
【0017】
【作用】請求項1の発明においては、セピオライトと、
無機繊維と、有機増量材と、バインダーと、感熱性樹脂
とを混合してなるスラリーを抄造して湿シートを形成
し、この湿シートを予備乾燥した後、積層することによ
って、厚い不燃ボードを形成しているので、抄造におい
ては薄い湿シートを作成すればよい。このため、各湿シ
ートの抄造を短時間で行なうことができるとともに、予
備乾燥においては短時間で所定含水率まで脱水乾燥で
き、後の加圧及び加熱も短時間で行なうことができる。
また、予備乾燥は比較的低温で行なわれるため、感熱性
樹脂は予備乾燥においては溶融することがなく、後の加
圧加熱において溶融する。このため、各シート自体の結
合強度が大きくなって折り曲げ強度、耐水性が向上する
とともに、シートの層間強度が大きくなって層間剥離を
起こしにくくなるとともに、加圧加熱後固化した感熱性
樹脂は熱硬化性樹脂であるので、不溶、不融化し、シー
トの耐水強度が向上する。更に、薄い湿シートを積層し
て厚いボードを形成した構造としたことにより、各シー
トはそりがほとんど発生せず、したがって、積層後のボ
ードにおけるそりもほとんどない。加えて、吸着性、揺
変性、固結性に優れたセピオライトを必須成分とし、無
機物を主体としているので、高い不燃性、高い強度を有
するボードが得られる。そして、廉価な材料を使用して
いるので、安価に製造できる。
【0018】また、請求項2の発明においては、請求項
1の感熱性樹脂に熱可塑性樹脂を使用しているから、特
に、予備乾燥において前記熱可塑性樹脂を溶融すること
により、予備乾燥したシートの強度が高くなって、その
取扱いが容易となる。
【0019】更に、請求項3の発明においては、原料混
合工程と、凝集工程と、抄造工程と、予備乾燥工程と、
積層工程と、加圧加熱工程と、裁断工程とからなる簡易
な工程により不燃プレスボードを製造できるため、生産
性、経済性に優れ、量産に対応できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0021】本発明の実施例による不燃プレスボードの
材料組成を表1に示す。
【0022】なお、表1の単位は重量%である。
【0023】
【表1】
【0024】上記表1において、ガラス繊維は屈曲強度
を上げるために加えたものである。また、木材パルプは
柔軟性を付与するために混合した。
【0025】更に、シートを強化するために、エポキシ
樹脂、或いは、アクリル樹脂などの強化樹脂を加えると
ともに、防水性をより高めるために、ワックス等の防水
剤を加えた。
【0026】バインダーはセピオライトを必須成分とす
るスラリーの抄造を良好に行なうため、4種類使用し
た。
【0027】第1バインダーは紙力を増加するため、熱
可塑性樹脂である分子量80万〜100万のPAA(ポ
リアクリルアミド)を使用した。第2バインダーは凝集
性、耐水性を付与するために、網目状の三次元構造を持
った熱硬化性樹脂のEPA(ポリアミドポリアミンエピ
クロルヒドリン)を使用し、第3バインダーはアニオン
系の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてAA(アクリル
アミドアクリル酸共重合体)を、更に、第4バインダー
はカチオン系の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてDM
AEM(ジメチルアミノエチルメタクリレート)を使用
した。
【0028】次に、上記組成の材料を使用した本実施例
の不燃プレスボードの製法を図1に基づいて説明する。
【0029】図1は本発明の実施例による不燃プレスボ
ードの製造工程の概略を示す説明図である。
【0030】まず、原料混合工程Aにおいて、セピオラ
イト繊維及びガラス繊維をパルパーなどの解繊機に入
れ、攪拌によって解繊し、繊維の分散を良くした。ま
た、木材パルプをビーター或いはポーチャーなどの叩解
機に入れて叩解した。
【0031】そして、解繊されたセピオライト、ガラス
繊維、叩解された木材パルプ、フェノール樹脂、強化樹
脂及び防水剤を混合タンクに入れて混合した。
【0032】原料混合工程Aで混合した混合液は、抄造
に適した凝集処理を行なうため、凝集工程Bで、バイン
ダーを添加してスラリーを作製した。ここで、バインダ
ーは、紙力を増加するための第1バインダーとしてのP
AA、凝集性、耐水性を付与するための第2バインダー
としてのEPA、凝集用の第3バインダーとしてのAA
及び凝集用の第4バインダーとしてのDMAEMとをこ
の記載順に添加した。但し、必ずしもこの順序に限定さ
れるものではない。バインダーを添加した混合液は集束
化反応装置によって集束化した。このときのスラリーの
濃度は約0.5%に調製した。続いて、集束化したスラ
リーをストックタンクに送出し、沈降分離または調製紙
料の崩壊等が生ぜず、混合状態が常に均一化されるよう
に維持させた。そして、均一に維持したスラリーを定量
ポンプで定量ホッパーにポンプアップし、定量ホッパー
で計量したスラリーを抄造工程Cに導いた。
【0033】本実施例の抄造工程Cでは、長網式ウェッ
トマシンを用いた。この抄造工程Cにおいて、凝集フロ
ックが形成された前記水溶液を抄網を張った抄具に上方
から流し、前記凝集フロックを通して水を速かに抄網か
ら流下させ、含水率が60〜70%、厚さ0.8mm程度
の湿シートを得た。
【0034】次に、前記湿シートを、予備乾燥工程D
で、予備乾燥した。予備乾燥は30〜70℃の比較的低
い温度で30分乃至1時間オープン乾燥により行なっ
た。この予備乾燥によって前記湿シートの含水率は8〜
15%に減少した。このとき、湿シートは薄いので、予
備乾燥によるそりはほとんど発生せず、また、乾燥効率
が良いため、短時間で前記含水率まで乾燥できた。な
お、この段階では、乾燥温度が低いため、湿シート中の
フェノール樹脂が溶融することはない。
【0035】次いで、積層工程Eで、予備乾燥によって
所定含水率まで低下した予備乾燥シートを数枚積層し
た。なお、セピオライト、フェノール樹脂等によって完
成後のシートの層間接合力を確保することができるが、
層間剥離をより確実に防止するため、積層前に予備乾燥
シートの表面にアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を接着剤
として塗布しておいてもよい。
【0036】積層工程Eで数枚積層した積層シートは、
加圧加熱工程Fに送り、ホットプレスによって加圧と加
熱を同時に行なった。この加圧によって積層シートは脱
水しながら厚板状に形成されるとともに、加熱によって
内部の水分が蒸発し、乾燥固化した。ここで、ホットプ
レスは加圧力15〜80kg/cm2 、130〜180℃の
条件下で、3〜10分間行なった。この加熱条件下にお
いては、内部に混合されているフェノール樹脂が溶融す
るため、各繊維間の結合力が増し、層間強度が向上し
た。そして、フェノール樹脂は熱硬化性樹脂であるの
で、冷却固化した後、不溶、不融化する。なお、積層前
の湿シートは薄いため、そりはほとんどなく、表面が比
較的平滑であるため、加圧加熱後のプレスボードおいて
もそりが少なく、平滑な表面状態となっていた。そのた
め、加圧加熱後においては、従来積層することなく、一
度に所定厚さに抄造し、加圧加熱していたプレスボード
の場合、カレンダーロール等の表面研削を必要としてい
たのに対し、その工程を不要とすることができる。
【0037】この後、裁断工程Gで、圧縮乾燥したプレ
スボードを所定寸法に裁断した。
【0038】以上によって、板厚約3mm、嵩比重約0.
9g/cm3 の不燃プレスボードが完成した。
【0039】本実施例では、いずれも良好な外観と不燃
性を有し、耐屈曲性、耐水性に優れ、層間強度の大きい
不燃プレスボードが得られた。そして、加圧加熱後固化
したフェノール樹脂は不溶、不融化し、特に、温水、熱
水に対する耐水性に優れている。なお、不燃性に関して
は、素材中に有機材料も含まれているが、無機物が主体
であり、積層して厚板となっていて内部への空気の通り
が遮断されることもあって、不燃規格をクリアできた。
【0040】このように、上記実施例の不燃プレスボー
ドは、主材としてのセピオライトと、補強用の無機繊維
であるガラス繊維と、有機増量材である木材パルプと、
固結、凝集用の4種類の高分子化合物からなるバインダ
ーと、予備乾燥温度を越える加熱によって溶融を開始す
る感熱性樹脂としてのフェノール樹脂とを必須成分とし
たスラリーを抄造し、予備乾燥した後、この予備乾燥シ
ートを積層し、加圧及び加熱したものである。
【0041】したがって、上記実施例によれば、セピオ
ライトと、ガラス繊維と、木材パルプと、バインダー
と、フェノール樹脂とを混合してなるスラリーを抄造し
て湿シートを形成し、この湿シートを予備乾燥した後、
積層することによって厚いボードを形成しているので、
抄造においては薄い湿シートを作成すればよい。このた
め、各湿シートの抄造が容易となって短時間で行なうこ
とができ、従来、数m2/分の抄造速度であったのに対
し、30m2 /分程度の速度で抄造できる。そして、予
備乾燥においても短時間で所定含水率まで脱水乾燥で
き、また、後の加圧及び加熱においても短時間で行なう
ことができる。加えて、巻取って保管することもでき
る。
【0042】また、予備乾燥は比較的低温で行なわれる
ため、感熱性樹脂は予備乾燥においては溶融することが
なく、後の加圧加熱において溶融する。このため、特
に、シートの層間接着においてフェノール樹脂溶融の効
果が現われ、各シート自体の結合強度だけでなく、シー
トの層間強度も大きくなって層間剥離が起こりにくくな
り、かつ、折り曲げ強度に優れたものとなる。そして、
溶融固化後のフェノール樹脂は不溶、不融化するため、
耐水性に優れる。加えて、防水剤を混合しているので、
一層耐水強度を向上でき、使用中に水が付着して膨潤す
るのを防止できる。
【0043】更に、薄い湿シートを積層して厚いボード
とした構造としているので、各シートの形成においてそ
りはほとんど発生せず、したがって、積層後のボードに
おけるそりも回避できる。
【0044】加えて、吸着性、揺変性、固結性に優れた
セピオライトを必須成分とし、無機物を主体としている
ので、高い不燃性を有し、高強度、高剛性のボードが得
られる。このため、従来6mm程度の板厚を3mm程度の板
厚としても所要の剛性を確保できる。かつ、従来1.6
程度あった嵩比重が0.9程度に減少するので、全体と
して大幅に軽量化でき、運搬作業、取扱い作業が楽にな
り、作業者の負担が軽減される。
【0045】そして、廉価な材料を使用しているので、
安価に製造できる。
【0046】また、上記実施例の不燃プレスボードの製
造方法は、セピオライトと、ガラス繊維と、木材パルプ
と、フェノール樹脂とからなる必須成分を混合する原料
混合工程Aと、前記原料混合工程Aの混合液にバインダ
ーを添加し、凝集させてフロックを形成する凝集工程B
と、前記凝集工程Bでフロックの形成したスラリーを抄
造する抄造工程Cと、抄造した湿シートを所定温度で乾
燥し、所定含水率とする予備乾燥工程Dと、予備乾燥し
た数枚のシートを積層する積層工程Eと、積層した積層
シートを加圧、加熱し、内部のフェノール樹脂を溶融、
固化してプレスボードを形成する加圧加熱工程Fと、形
成されたプレスボードを所定寸法に裁断する裁断工程G
とからなる。
【0047】したがって、上記実施例によれば、原料混
合工程Aと、凝集工程Bと、抄造工程Cと、予備乾燥工
程Dと、積層工程Eと、加圧加熱工程Fと、裁断工程G
とからなる簡易な工程により不燃プレスボードを製造で
きるため、生産性、経済性に優れ、量産に対応すること
ができる。
【0048】上記実施例は請求項1及び請求項3の態様
に相当する。
【0049】ところで、上記実施例では、感熱性樹脂と
して熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂を使用している
が、本発明を実施する場合には、熱可塑性樹脂を使用し
てもよい。この場合は、予備乾燥温度を80〜150℃
とし、積層後の加圧加熱における温度を100〜150
℃にしてボードを形成することができる。
【0050】熱可塑性樹脂を使用したときは、特に、予
備乾燥において溶融、固化し、予備乾燥シートの強度が
向上してその取扱いが容易となる。
【0051】この場合は請求項2及び請求項3の態様に
相当する。
【0052】上記不燃プレスボードは、化粧板を表面に
貼着して内装壁材としたり、間仕切用パネルの裏打ち材
とした建材、各種断熱材などへの用途がある。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の不燃プ
レスボードは、セピオライトと、無機繊維と、有機増量
材と、バインダーと、熱硬化性樹脂からなる感熱性樹脂
とを必須成分としたスラリーを抄造し、予備乾燥した
後、この予備乾燥したシートを積層し、加圧及び加熱し
たものである。したがって、スラリーを抄造して湿シー
トを形成し、この湿シートを予備乾燥した後、積層する
ことによって厚い不燃ボードを形成しているので、抄造
においては薄い湿シートを作成すればよい。この結果、
各湿シートの抄造が容易となって短時間で行なうことが
でき、加圧加熱も短時間で行なうことができる。また、
各湿シートの形成においてそりはほとんど発生せず、積
層後のボードにおけるそりも回避できる。更に、加圧加
熱において溶融する感熱性樹脂によってシートの層間強
度が大きくなり、層間剥離を防止できる。そして、加圧
加熱後固化した感熱性樹脂は不溶、不融化するので、耐
水強度が向上する。加えて、廉価な材料を使用している
ので、安価に製造できる。
【0054】請求項2の発明の不燃プレスボードは、主
材としてのセピオライトと、補強用の無機繊維と、有機
増量材と、固結、凝集用のバインダーと、熱可塑性樹脂
からなる感熱性樹脂とを必須成分としたスラリーを抄造
し、予備乾燥した後、予備乾燥したシートを積層し、加
圧及び加熱したものである。したがって、特に、熱可塑
性樹脂からなる感熱性樹脂を予備乾燥において溶融する
ことにより、予備乾燥したシートの強度が高くなって、
その取扱いを容易とすることができる。
【0055】請求項3の発明の不燃プレスボードの製造
方法は、セピオライトと、無機繊維と、有機増量材と、
感熱性樹脂とからなる必須成分を混合する原料混合工程
と、前記原料混合工程の混合液にバインダーを添加し、
凝集させてフロックを形成する凝集工程と、前記凝集工
程でフロックの形成したスラリーを抄造する抄造工程
と、抄造した湿シートを所定温度で乾燥し、所定含水率
とする予備乾燥工程と、予備乾燥したシートを積層する
積層工程と、積層した積層シートを加圧、加熱し、内部
の感熱性樹脂を溶融、固化してボードを形成する加圧加
熱工程と、形成されたボードを所定寸法に裁断する裁断
工程とからなる。したがって、これらの簡易な工程によ
り不燃プレスボードを製造できるため、生産性、経済性
に優れ、量産に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例による不燃プレスボード
の製造工程の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
A 原料混合工程 B 凝集工程 C 抄造工程 D 予備乾燥工程 E 積層工程 F 加圧加熱工程 G 裁断工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−136437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主材としてのセピオライトと、補強用の
    無機繊維と、有機増量材と、固結、凝集用のバインダー
    と、予備乾燥温度を越える加熱によって溶融を開始する
    熱硬化性樹脂からなる感熱性樹脂とを必須成分としたス
    ラリーを抄造し、予備乾燥した後、この予備乾燥したシ
    ートを積層して加圧及び加熱し、前記感熱性樹脂を不
    溶、不融化したことを特徴とする不燃プレスボード。
  2. 【請求項2】 主材としてのセピオライトと、補強用の
    無機繊維と、有機増量材と、固結、凝集用のバインダー
    と、熱可塑性樹脂からなる感熱性樹脂とを必須成分とし
    たスラリーを抄造し、予備乾燥した後、この予備乾燥し
    たシートを積層し、加圧及び加熱してなることを特徴と
    する不燃プレスボード。
  3. 【請求項3】 主材としてのセピオライトと、補強用の
    無機繊維と、有機増量材と、感熱性樹脂とからなる必須
    成分を混合する原料混合工程と、 前記原料混合工程の混合液に固結、凝集用のバインダー
    を添加し、凝集させてフロックを形成する凝集工程と、 前記凝集工程でフロックの形成したスラリーを抄造する
    抄造工程と、 抄造した湿シートを所定温度で乾燥し、所定含水率とす
    る予備乾燥工程と、 予備乾燥したシートを積層する積層工程と、 積層した積層シートを加圧、加熱し、内部の感熱性樹脂
    を溶融、固化してボードを形成する加圧加熱工程と、 形成されたボードを所定寸法に裁断する裁断工程とを具
    備することを特徴とする不燃プレスボードの製造方法。
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