JP3577089B2 - 不燃性シートの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は壁装材、耐熱化粧板等に用いられる不燃性シートの製造方法に関するもので、特に、ソフトな肌触りを有する不燃性シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、汎用な燃えないシートとしては、無機繊維では石綿繊維紙が代表とされていた。この石綿繊維紙は難燃、耐熱、高強度、易生産性、廉価等すべての面で卓越しており、有機繊維では困難な応用の領域をカバーし、幅広い用途を持っていた。
【0003】
ところが、最近、石綿は健康を害する作用があるとの理由で、日本においては徐々に使えなくなった。また、西欧においてもほぼ使えない状態にある。このような状況から、石綿繊維紙が使えない面を他の繊維を利用して代替する開発が社会的、産業的見地から一層強く要求されてきている。
【0004】
こういった中で、既存の天然繊維物の中から石綿代替として、セピオライトの利用可能性が着目されている。そして、セピオライトを利用した不燃性シートの事例も多くなっている。
【0005】
セピオライトは、通称、マウンテンレザー(山皮)、マウンテンコルク、マウンテンウッドと呼ばれている粘土鉱物で、日本における海泡石もこの一種である。一般には繊維性を持ったケイ酸マグネシウムの塊であり、吸着性、揺変性、固結性に富む。
【0006】
この特性を用いたシート化の事例としては、例えば、特開昭51−88799号公報、特開昭56−165097号公報、特開昭58−95636号公報、特開昭58−144196号公報、特開昭59−21800号公報、特開昭61−258099号公報、特開昭63−235600号公報、特開昭64−61599号公報等に掲載の技術がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記各公報は、無機繊維や布、即ち、有機繊維またはこの両者からなる繊維に吸着性、揺変性、固結性に富んだセピオライトを補助的に用いて混合、分散させて処理し、乾燥したものが多い。これは、セピオライトが微細繊維であるため、抄造する場合に、濾水性が悪く、任意なシート形成が困難であるのと、引裂強度が劣るなどの原因から、セピオライトを主原料として抄造することが困難なことによる。このため、セピオライトの持つ優れた特性が十分に生かされていないのが現状である。僅かに、特開昭59−21800号公報において、セピオライト繊維単独使用についての記載があるが、具体的な技術内容についての記載がなく、実用性に欠ける。
【0008】
また、セピオライト等の繊維をシートの成分としたときは、一般に、シート表面が荒く、肌触りは良くなかった。特に、シートの補強としてガラス繊維、ロックウールなどを添加した場合には、その現象が著しかった。更に、表面荒れだけでなく、こすられたときには、セピオライト繊維、ガラス繊維等の繊維材が剥れ落ちて紙粉が発生し、施工時、使用時にその粉が目に入ったり、指に刺さったりして危険であり、また、「ちくちく」した不快な痛みとかかゆみを感じる。そこで、前記繊維材の紙粉の発生を防止するために、シートの表面に紙粉止めのコーティング剤を塗布していたが、外部からの接触などによって表層が剥離することもあり、また、コーティング剤を塗布する手間を必要とした。このため、上記セピオライトを使用したシートは、不燃性としての機能は果たされるものの、施工性、使用性などの点から敬遠されがちであった。
【0009】
そこで、本発明は、不燃性を有し、かつ、表面における紙粉の発生を防止し、ソフト感を付与できる不燃性シートの製造方法の提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる不燃性シートの製造方法は、鱗片状の合成膨潤性雲母を水に分散する第1水分散工程と、セピオライトを水に分散する第2水分散工程と、前記鱗片状の合成膨潤性雲母の水分散液に前記セピオライトの水分散液を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合液にバインダーを添加、攪拌してフロックを形成する凝集工程と、前記凝集工程で得られたスラリーを抄造する抄造工程と、前記抄造による湿紙成形体を脱水乾燥してシート状に形成する乾燥工程とからなる。
【0012】
ここにおいて、セピオライトは長繊維、短繊維いずれも使用できる。
【0013】
また、バインダーとしては、熱可塑性樹脂からなるバインダー、熱硬化性樹脂からなるバインダー等を2種類以上を組合せて使用し、或いは、単独で使用することもできる。バインダーを単独で使用する場合には、例えば、ポリエチレンオキサイドが好適である。
【0014】
【作用】
本発明においては、吸着性、揺変性、固結性に富むセピオライトの水分散液と、吸着性に富み、無機物、有機物を層間に入れて層間化合物の形成が可能な合成膨潤性雲母の水分散液とを混合しているから、コロイドを形成することが容易で、かつ、完成したシートは高い強度を示す。セピオライトと合成膨潤性雲母とのコロイドの形成は、合成膨潤性雲母を水に分散させると、層間が膨潤して微細にへき開し、陰イオンに帯電するので、ここに、水に分散して陽イオンに帯電しているセピオライトがインターカレートし、複合体が形成されることによって行なわれる。
【0015】
そして、このセピオライトのインターカレーションによって、セピオライト繊維及び必要に応じて添加されるガラス繊維等が鱗片状の合成膨潤性雲母によって包み込まれるので、シート表面は滑らかな状態となり、紙粉となって剥がれることがなく、また、表面がこすり取られたときには、繊維材だけでなく、鱗片状の合成膨潤性雲母もともに剥離する。この結果、ソフトな肌触り感が得られ、シートの施工時、或いは、使用時において「ちくちく」した不快な痛み、かゆみを受けることがない。
【0016】
更に、セピオライトの水分散液と、合成膨潤性雲母の水分散液とを混合した後にバインダーを添加しているので、フロックの形成が一段と容易になり、簡単に抄造できる。しかも、抄造し、乾燥、固化したシートは、主成分が無機物であるセピオライトと合成膨潤性雲母で構成されているので、不燃性を有し、また、普及された材料であるので、廉価に製造できる。
【0017】
【実施例】
〈第一実施例〉
まず、本発明の第一実施例を説明する。
【0018】
第一実施例の不燃性シートの組成は表1の通りである。
【0019】
【表1】
Figure 0003577089
【0020】
なお、配合重量は全て乾燥重量を示す。
【0021】
表1において、合成膨潤性雲母はコープケミカル(株)製の膨潤性雲母ME−100を使用し、セピオライトは昭和鉱業(株)製のミルコンSPを使用した。なお、補強材として繊維長3mmのガラス繊維を添加した。
【0022】
バインダーはセピオライトを必須成分とするスラリーの抄造を良好に行なうため、4種類使用した。
【0023】
第1バインダーは紙力を増加するため、熱可塑性樹脂である分子量80万〜100万のPAA(ポリアクリルアミド)を使用した。第2バインダーは凝集性、耐水性を付与するために、網目状の三次元構造を持った熱硬化性樹脂のEPA (ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン)を使用し、第3バインダーはアニオン系の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてAA(アクリルアミドアクリル酸共重合体)を、更に、第4バインダーはカチオン系の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてDMAEM(ジメチルアミノエチルメタクリレート)を使用した。
【0024】
次に、上記組成による不燃性シートの製造を説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例における不燃性シートの製造工程を示す工程図である。
【0026】
まず、第1水分散工程1で、水の中に合成膨潤性雲母を投入し、分散した。このとき、合成膨潤性雲母は、セピオライトを十分に吸着するために、完全に水に分散させておくことが肝要である。
【0027】
一方、第2水分散工程2において、別途、水の中にセピオライトを投入し、解繊機によって解繊し、繊維の分散を良くする。このセピオライトにおいても、前記合成膨潤性雲母と同様に、水に完全に分散させておくことが肝要である。
【0028】
次に、混合工程3において、前記合成膨潤性雲母の水分散液の中にセピオライトの水分散液を混合し、攪拌した。
【0029】
その後、予め、水に浸漬し、所定時間ゆっくりと攪拌して解繊させておいたガラス繊維及び木材パルプを合成膨潤性雲母とセピオライトとの混合液に投入し、攪拌した。なお、有機溶剤と水の両方に溶解する弗素系の表面張力減少剤を添加すると、ガラス繊維及び木材パルプを容易に水に解繊分散させることができるが、本実施例においては、これらの処理液を添加しなくても、合成膨潤性雲母とセピオライトとの混合液中では、完全に分散するので、格別処理液を添加する必要はない。
【0030】
前記混合工程3で合成膨潤性雲母とセピオライトとを混合した後、凝集工程4で、前記混合液にバインダーを添加して、凝集させ、フロックを形成した。ここで、バインダーは、紙力を増加するための第1バインダーとしてのPAA、凝集性、耐水性を付与するための第2バインダーとしてのEPA、凝集用の第3バインダーとしてのAA及び凝集用の第4バインダーとしてのDMAEMをこの記載順に添加した。但し、必ずしもこの順序に限定されるものではない。スラリーの濃度は約0.5%に調製した。
【0031】
続いて、前記スラリーを定量ポンプで定量ホッパーにポンプアップし、定量ホッパーで計量したスラリーを抄造工程5に導いた。
【0032】
本実施例の抄造工程5では、長網式ウェットマシンを用いた。この抄造工程5において、凝集フロックが形成された前記水溶液を抄網を張った抄具に上方から流入させると、前記凝集フロックを通して水が速かに抄網から流下し、水分含有量が60〜70%の湿紙成形体が得られた。
【0033】
この後、乾燥工程6で、コールドプレス法により前記湿紙成形体を加圧して脱水し、更に、約120℃の条件下に所定時間乾燥した。これによって、湿紙成形体は内部の水分が蒸発し、乾燥固化した。なお、コールドプレス法の代わりにホットプレス法で行なってもよい。
【0034】
このようにして、固化したシートを得ることができた。
【0035】
次に、上記製造で使用した合成膨潤性雲母によるセピオライトとの複合化について説明する。
【0036】
合成膨潤性雲母は熔融法、固相反応によって合成された微粉ナトリウム・フッ素雲母であり、MB吸着量が大きいため、層間に無機・有機物をインターカレートして複合体を形成する特性を有する。
【0037】
今、合成膨潤性雲母を水中に分散させると、合成膨潤性雲母は水分を層間に吸着して膨潤し、層間のナトリウムイオン或いはリチウムイオンなどの陽イオンが水中に溶解して、微細にへき開し始める。このため、合成膨潤性雲母は層間部分が陰イオンに帯電し、鱗片の反対側の面が陽イオンに帯電することとなる。この状態で、別途水に分散させた陽イオンのセピオライトを加えると、合成膨潤性雲母の陰イオンに帯電している層間に電気的に吸引されて複合化する。即ち、合成膨潤性雲母の有する特異な吸着能及びイオン交換能によるコロイド形成能、複合体形成能によってセピオライトとの複合体が形成され、コロイド化する。
【0038】
ここで使用した合成膨潤性雲母は、MB吸着量が70〜80meq/100gであり、平均粒径は1〜5μm、鱗片の厚さは10オングストローム程度である。
【0039】
【0040】
【0041】
ところで、上記実施例において、ガラス繊維は、シートの強度、屈曲性に関する補強効果を与える他、抄造時にフロックを大きくして濾水性を向上させる作用もある。
【0042】
このように形成された不燃性シートは、引張り強度が大きく、また、合成膨潤性雲母及びガラス繊維を使用していることにより、屈曲性に優れる。
【0043】
LPGガスバーナーでの燃焼テストでは、不燃性シートに5分間炎を当てても着火せず、炎にさらされた部分で剥離、脱落することがなく、強度低下が少なかった。
【0044】
耐摩耗性については、合成膨潤性雲母の混合量を5、10、15%とした場合について摩耗量の測定を行なった。
【0045】
試験は、JISP8136板紙の耐摩耗強さ試験方法に準拠して行ない、固定台と摩擦部材の各当接面に供試シートを貼着して、一定の加圧下に前記摩擦部材を固定台上で摺動させ、当接面に貼着された前記供試シート同士が摩擦によって削り屑が発生する時の摩擦回数を計測した。ここで、使用した固定台は中央部にL約300×W30×D約5.6mmの寸法の溝を有し、外形寸法がL約300×W90×H約11.2mmである。また、摩擦部材は外形寸法がL86×W30×H25mmで、重量は496gである。固定台側の供試シートは250×29mmの寸法に裁断して固定台の溝にテープで貼着し、摩擦部材側の供試シートは125×28mmの寸法に裁断して貼着した。摩擦速度は45回往復/分とし、摩擦回数は1往復2回として計数した。
【0046】
試験結果は、合成膨潤性雲母を添加していないブランクが6.9回、5%添加した供試シートが8回、10%添加した供試シートが9.5回、20%添加した供試シートが13回で削り屑が発生した。これにより、合成膨潤性雲母の添加量を多くするに従って耐摩擦性が向上することが分かる。但し、合成膨潤性雲母の添加量が多過ぎると水に混合した状態でゲル化し、抄造困難となるので、その添加量には限界がある。
【0047】
また、耐水性については、水に7日間浸漬した後、溶解はなく、高い耐水強度を示した。
【0048】
このように、上記実施例の不燃性シートは、水に分散した合成膨潤性雲母と、水に分散したセピオライトと、4種類のバインダーとを必須成分とし、ガラス繊維及び木材パルプを補強材として添加したスラリーを抄造し、乾燥したものである。
【0049】
したがって、上記実施例によれば、吸着性、揺変性、固結性に富むセピオライトの水分散液と、吸着性に富み、無機物、有機物を層間に入れて層間化合物の形成が可能な合成膨潤性雲母の水分散液とを混合しているから、コロイドを形成することが容易で、かつ、完成したシートは高い強度を示す。
【0050】
そして、合成膨潤性雲母におけるセピオライトのインターカレーションによって、セピオライト及びガラス繊維が鱗片状の合成膨潤性雲母によって包み込まれるので、シート表面は滑らかな状態となり、紙粉となって剥がれることがなく、また、表面がこすり取られたときに、これらの繊維材だけでなく、鱗片状の合成膨潤性雲母もともに剥離する。この結果、ソフトな肌触り感が得られ、シートの施工時、或いは、使用時において、「ちくちく」した不快な痛み或いはかゆみから回避できる。
【0051】
更に、セピオライトの水分散液と合成膨潤性雲母の水分散液とを混合した後、バインダーを添加しているので、フロックの形成が一層容易となり、簡単に抄造することができる。そして、抄造後、乾燥、固化したシートは、主成分がセピオライトと合成膨潤性雲母とで構成されているので、不燃性を有し、また、普及された材料であるので、廉価に製造できる。
【0052】
また、本発明にかかる不燃性シートの製造方法は、鱗片状の合成膨潤性雲母を水に分散する第1水分散工程1と、セピオライトを水に分散する第2水分散工程2と、鱗片状の合成膨潤性雲母の水分散液にセピオライトの水分散液を混合する混合工程3と、前記混合工程で得られた混合液にバインダーを添加、攪拌してフロックを形成する凝集工程4と、前記凝集工程4で得られたスラリーを抄造する抄造工程5と、前記抄造による湿紙成形体を脱水乾燥してシート状に形成する乾燥工程6とからなる。
【0053】
したがって、これらの工程により不燃性シートを簡単にかつ高品質で製造することができる。
【0054】
〈第二実施例〉
次に、第二実施例の不燃性シートについて説明する。
【0055】
第二実施例の不燃性シートの組成は表2の通りである。
【0056】
【表2】
Figure 0003577089
【0057】
第二実施例においては、バインダーはポリエチレンオキサイドの単独使用とした。
【0058】
第二実施例の不燃性シートの製造は、第一実施例と同一の、図1に示した工程によって行なった。
【0059】
まず、第1水分散工程1で、水200gの中に合成膨潤性雲母6gを投入し、液温を60℃に保持した状態で、ホモジミクサーを使用して10,000rpmで5分間攪拌した。このとき、合成膨潤性雲母は、セピオライトを十分に吸着するために、完全に水に分散させておくことが肝要であり、できれば、攪拌後更に2〜3時間放置するのが望ましい。
【0060】
一方、第2水分散工程2において、別途、水200gの中にセピオライト6gを投入し、液温を60℃に保持した状態で、ホモジミクサーを使用して10,000rpmで2分間攪拌した。このセピオライトにおいても、前記合成膨潤性雲母の場合と同様に、水に完全に分散させておくことが肝要である。
【0061】
次に、混合工程3において、前記合成膨潤性雲母の水分散液の中にセピオライトの水分散液を混合し、同じく、液温を60℃に保持した状態で、ホモジミクサーを使用して10,000rpmで5分間攪拌した。
【0062】
その後、予め、水に浸漬し、所定時間ゆっくりと攪拌して解繊させておいたガラス繊維を前記合成膨潤性雲母とセピオライトとの混合液に投入し、液温を60℃に保持した状態で、ホモジミクサーを使用して3,000rpmで5分間攪拌した。
【0063】
前記混合工程3で合成膨潤性雲母とセピオライトとを混合した後、凝集工程4で、前記混合液に水を加えて2倍に稀釈し、混合液を緩やかに攪拌しながら、1%濃度のポリエチレンオキサイド水溶液を少量添加して、凝集させ、フロックを形成した。
【0064】
続いて、抄造工程5で、フロックの形成されたスラリーを約80メッシュの網を張った抄具に上方から投入し、フロックを通して水を速やかに網から流下させて湿紙成形体を形成した。
【0065】
この後、乾燥工程6で、前記湿紙成形体にプレスをかけて脱水し、約120℃の雰囲気温度で所定時間乾燥した。
【0066】
このようにして、本実施例においても、固化したシートを得ることができた。 即ち、第二実施例では、バインダーとしてポリエチレンオキサイドを単独で使用しており、完成したシートは第一実施例における不燃性シートと同様の物性を期待できる。
【0067】
【0068】
ところで、上記各実施例の不燃性シートは、補強材としてガラス繊維を混ぜているが、これに限定されるものではなく、ロックウール繊維、ステンレス繊維、ウィスカー等各種の補強材の使用が可能である。但し、材料コスト、凝集効果等の点からガラス繊維が最適である。なお、使用用途によっては、補強材を必ずしも混ぜる必要はない。この種の発明の実施例では、補強材の混合工程を省略でき、作業を簡略化することができる。また、ガラス繊維を混入して固い感じのする不燃性シートに対して、一層滑らかな風合を与えることができる。
【0069】
そして、上記実施例の各成分の混合比率は、前記表の値に限定されるものではなく、物性、濾水性、用途等に応じて最適なものを選定すればよい。
【0070】
なお、本発明の不燃性シートは、壁装材、耐熱化粧板等に使用でき、積層して断熱材とすることも可能であり、絶縁材として使用することもできる。また、厚くして、例えば不燃ボードとして使用することもでき、更に、凹凸状に抄造することも可能であるから、立体的な形状の不燃材としての使用も可能である。
【0071】
【発明の効果】
【0072】
以上のように、本発明にかかる不燃性シートの製造方法は、鱗片状の合成膨潤性雲母を水に分散する第1水分散工程と、セピオライトを水に分散する第2水分散工程と、前記鱗片状の合成膨潤性雲母の水分散液に前記セピオライトの水分散液を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合液にバインダーを添加、攪拌してフロックを形成する凝集工程と、前記凝集工程で得られたスラリーを抄造する抄造工程と、前記抄造による湿紙成形 体を脱水乾燥してシート状に形成する乾燥工程とからなる。
したがって、これらの工程により不燃性シートを簡単にかつ高品質で製造することができる。即ち、合成膨潤性雲母におけるセピオライトのインターカレーションによって、セピオライト及び必要に応じて添加されるガラス繊維等が鱗片状の合成膨潤性雲母により包み込まれるので、シート表面は滑らかな状態となり、紙粉となって剥がれることがなく、また、表面がこすり取られたときに、これらの繊維材だけでなく、鱗片状の合成膨潤性雲母もともに剥離する。この結果、ソフトな肌触り感が得られ、シートの施工時、或いは、使用時において、「ちくちく」した不快な痛み或いはかゆみから回避できる。更に、完成したシートは、主成分が無機物であるセピオライトと合成膨潤性雲母とで構成されているので、不燃性を有する不燃性シートとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例における不燃性シートの製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1 第1水分散工程
2 第2水分散工程
3 混合工程
4 凝集工程
5 抄造工程
6 乾燥工程

Claims (1)

  1. 鱗片状の合成膨潤性雲母を水に分散する第1水分散工程と、
    セピオライトを水に分散する第2水分散工程と、
    前記鱗片状の合成膨潤性雲母の水分散液に前記セピオライトの水分散液を混合する混合工程と、
    前記混合工程で得られた混合液にバインダーを添加、攪拌してフロックを形成する凝集工程と、
    前記凝集工程で得られたスラリーを抄造する抄造工程と、
    前記抄造による湿紙成形体を脱水乾燥してシート状に形成する乾燥工程と
    を具備することを特徴とする不燃性シートの製造方法。
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