JPH07279090A - 難燃性シート - Google Patents

難燃性シート

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JPH07279090A
JPH07279090A JP6627194A JP6627194A JPH07279090A JP H07279090 A JPH07279090 A JP H07279090A JP 6627194 A JP6627194 A JP 6627194A JP 6627194 A JP6627194 A JP 6627194A JP H07279090 A JPH07279090 A JP H07279090A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた難燃性、耐火性を有すると共に低コス
トで製造でき、しかも表面の平滑性に優れた難燃性シー
トを提供する。 【構成】 パルプと板状粒子からなるブルーサイト(水
酸化マグネシウムの天然鉱物)を主材として含むスラリ
ーを抄造する。このスラリーには、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂等のバインダ、繊維状のケイ酸マグネシウム鉱
物であるセピオライト、ガラス繊維等の補強繊維、等を
更に加えることができる。また、パルプ紙の少なくとも
一方の表面に、板状粒子からなるブルーサイトの被覆を
形成することもできる。この被覆は、水溶性の合成樹
脂、或いは水ガラス等のバインダを含むものとすること
ができる。ブルーサイトの自己消火性によって優れた難
燃性が付与され、また、板状粒子であることによって平
滑性に優れた表面が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は壁装材、天井材、化粧板
の表装材、或いは建材や炉壁等のコア材、防火扉等に用
いられる難燃性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、火災事故の防止に係わる社会的ニ
ーズのもとに、建築素材などと共に建築内装材などで防
炎・耐火といった問題が取上げられ、かなり厳しく規制
されるようになった。壁装材を始めとする紙等のシート
材料もその例にもれず、「燃えない・熱に強い」いわゆ
る防炎性・難燃性シート(紙)の市場の要求は高い。
【0003】従来、汎用な難燃性シートは、パルプと石
綿繊維とを主材として抄造した石綿繊維紙が代表とされ
ていた。この石綿繊維紙は難燃、耐熱、高強度、易生産
性、廉価等すべての面で卓越しており、難燃剤を含浸ま
たは塗布した一般の難燃処理紙では困難な応用領域をカ
バーし、幅広い用途を持っていた。
【0004】石綿は通常、かんらん石や輝石などの鉱石
が、高圧下の地殻中で地熱と地下水の水熱作用によっ
て、蛇紋岩や角閃岩となって繊維状に晶結したものであ
る。そのなかで、製紙原料として用いられる品種は、蛇
紋岩系のクリソタイル石綿が多く、その化学式は、3M
gO・2SiO2 ・2H2 Oである。繊維直径は20〜
40nmと極めて細く、柔軟性であり、しかも、硬度は
2.5〜4.0と低い。また、これを抄紙する場合、結
晶水を包含しているので水とのなじみがよく、また、水
中での帯電がカチオンであるので、吸着、補集性もよ
い。このため、石綿繊維紙は、難燃性、耐火性に優れる
だけでなく、抄造が容易なため低コストで製造でき、ま
た表面の平滑性にも優れたものであった。
【0005】ところが、周知のように、石綿は健康を害
する作用があるため、日本においてはその使用が徐々に
規制されるようになった。また、西欧においてはほぼ全
面的に使えない状態にある。そのため、現在、石綿繊維
紙に代替する難燃性シートの開発が社会的、産業的見地
から強く要求され、また急務とされている。
【0006】このような状況において、難燃性シートと
しては、水酸化アルミニウム高含有量紙が一般に知られ
ている。この水酸化アルミニウム高含有量紙は、水酸化
アルミニウムの粉末とパルプとを主材として抄造したも
ので、水酸化アルミニウムを50〜90重量%の高い割
合で含有するものである。また、特公平3−4679号
公報では、その水酸化アルミニウムの粉末に代えて、含
水ホウ酸カルシウム(灰硼石)の粉末を使用したものが
提案されている。更に、特開平6−49795号公報で
は、その水酸化アルミニウム等の粉末に、シートの燃焼
後の形状保持性を高めるために、セピオライト等の含水
ケイ酸マグネシウム鉱物を更に加えることが提案されて
いる。
【0007】また、これらとは別に、本出願人は、繊維
状の水酸化マグネシウムとパルプとを主材として抄造し
た難燃性シートを開発し、先の出願において提案した
(特開平5−279991号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの提案にかかる
抄造シートは、無機物が多く含まれるために難燃性であ
ると共に、難燃剤を使用するものではないために、加熱
時にも有害な蒸気等の発生がなく、安全である。しか
も、それらに含まれる水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等がいずれも含水物であって、加熱時の脱水吸
熱作用による自己消火性を有するために、難燃性、耐火
性にも優れている。また、これらの無機物は天然鉱物と
して比較的安価に入手でき、また抄紙も容易であるた
め、シートを抄造によって低コストで製造できる効果も
ある。更に、特に、繊維状の水酸化マグネシウムは固結
性に優れ、強度のある難燃性シートが得られると共に、
加熱分解後のシートの形状保持性にも優れたものであっ
た。
【0009】このように、これらの難燃性シートは、優
れた難燃性、耐火性を有し、しかも低コストで製造でき
る等、石綿繊維紙の代替品として優れた効果を有するも
のであった。しかしながら、それらの難燃性シートに使
用される水酸化アルミニウムは不定形な球状粒子の形態
の粉末であり、また、繊維状の水酸化マグネシウムは石
綿繊維と同程度には細くなく、柔軟性にも劣っている。
そのため、抄造によって得られたそれらの難燃性シート
はその表面の木目が粗くなる傾向があり、特に表装材と
して使用する用途等においては、石綿繊維紙と同程度に
は表面の平滑性においてなお不十分な傾向にあった。
【0010】そこで、本発明は、優れた難燃性、耐火性
を有すると共に低コストで製造でき、しかも表面の平滑
性に優れた難燃性シートの提供を課題とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
難燃性シートは、パルプと板状粒子からなるブルーサイ
トを主材として含むスラリーを抄造してなるものであ
る。
【0012】ここで、ブルーサイト(brucite
水滑石)は、主に蛇紋岩地域に脈状または塊状に産出す
る水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )鉱物である。
このブルーサイトの原石としては、中国遼寧省で産出さ
れるものが代表的であり、クリソタイル石綿を含有しな
い高品質なものとして知られている。そして、本発明に
おいて、このブルーサイトは、原石をジェット粉砕機等
で微粒子状に粉砕した不定形板状(偏平状)の粒子形態
のものとして用いられる。その粒子の大きさは、得られ
る難燃性シートの平滑性、可撓性等の点で、平均粒径に
おいて一般に0.5〜20μm程度であることが好まし
く、より好ましくは、2〜10μm程度である。
【0013】また、パルプとしては、針葉樹等の木材か
ら得られたクラフトパルプ等だけでなく、故紙を主原料
としたパルプ、或いはリン酸パルプ等、セルロース繊維
からなるものであれば任意のパルプ材料を使用すること
ができる。そして、このパルプは、難燃性シートを形成
する主材として、一般に5〜50重量%の割合で使用す
ることができ、したがって、上記の板状粒子からなるブ
ルーサイトは、一般に50〜95重量%の割合で使用す
ることができる。
【0014】そして、板状粒子からなるブルーサイト
は、その水酸基によって固結性、吸着性に優れていると
共に、水とのなじみ性にも優れ、水中においてカチオン
に帯電して容易に分散する。このため、パルプと共に抄
造によって容易にシートを形成することができ、また、
形成されたシートは十分な形状保持性を有する。したが
って、パルプと板状粒子からなるブルーサイトは、難燃
性シートを形成する主材として単独で使用されることも
できるが、好ましくは、以下のようにバインダ等と合わ
せて使用される。
【0015】すなわち、請求項2にかかる発明の難燃性
シートは、請求項1おけるスラリーに、高分子化合物か
らなるバインダを更に添加したものである。
【0016】このバインダとしては、グアーガム、でん
ぷん等の天然高分子化合物も使用可能であるが、好まし
くは、合成物である合成樹脂が使用される。そして、合
成樹脂としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれ
も適宜に用いることができ、好ましくは、凝集剤として
の作用を合わせて有するカチオン系、アニオン系、また
はノニオン系のものが使用される。熱可塑性樹脂は、主
に難燃性シートの乾燥時の紙力を高め、例えば、ポリア
ミド、ポリアクリルアミド等のアクリル系重合体または
共重合体、等が代表的である。また、熱硬化性樹脂は、
主に難燃性シートの湿潤時の紙力を高め、例えば、尿素
−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド
樹脂、エピクロルヒドリン系ポリアミド樹脂、等が代表
的である。そして、これらの高分子化合物からなるバイ
ンダはそれぞれ単独で、または組合わせて使用されるこ
とができるが、難燃性シートにおいて一般に5重量%ま
での割合で含まれるように調整される。5重量%を越え
ると一般に難燃性シートの可撓性が低下し、また難燃性
が不十分となる傾向にあるからである。しかし、これは
限定的ではなく用いる高分子化合物によっては5重量%
以上の割合で含まれることもできる。
【0017】請求項3にかかる発明の難燃性シートは、
請求項1または請求項2におけるスラリーに、セピオラ
イトを必須成分として追加したものである。
【0018】このセピオライトは、通称、マウンテンレ
ザー(山皮)、マウンテンコルク、マウンテンウッドと
呼ばれている粘土鉱物で、日本における海泡石もこの一
種である。外観はコルク状であったり、レザー状であっ
たり、まっ白な柔かい塊であったりするが、一般には繊
維性を持ったケイ酸マグネシウムの塊である。そして、
その表面には反応性に富んだ水酸基を有し、吸着性、揺
変性、固結性などの基本的な性質がある。本発明におい
て、このようなセピオライトは、主に難燃性シートの固
結性をより高めるために用いられ、主材である板状粒子
からなるブルーサイトに対して、その等量以下の任意の
割合で使用することができる。
【0019】請求項4にかかる発明の難燃性シートは、
請求項1乃至請求項3におけるスラリーに、補強繊維を
必須成分として追加したものである。
【0020】この補強材としての繊維は、ガラス繊維、
炭素繊維、ロックウール繊維、ステンレス繊維等の無機
繊維が好ましく、難燃性シートに一般に0.1〜5重量
%の割合で配合することができる。しかし、これは限定
的なものではなく、5重量%以上の配合も適宜可能であ
る。また、必要に応じて、アラミド繊維等の有機繊維も
補強繊維として使用することができる。
【0021】また、請求項5にかかる発明の難燃性シー
トは、パルプ紙の少なくとも一方の表面に、板状粒子か
らなるブルーサイトの被覆を形成したものである。
【0022】ここで、原紙としてのパルプ紙は、セルロ
ース繊維であるパルプを主材の少なくとも一部として抄
造したものであり、クラフト紙、再生紙等の汎用紙を一
般に使用することができ、必要に応じて、従来から知ら
れた難燃紙(難燃性シート)も使用することができる。
また、被覆を構成する板状粒子からなるブルーサイト
は、請求項1〜4にかかる発明の難燃性シートにおいて
使用したものと同じであり、平均粒径において一般に
0.5〜20μm程度のものが使用される。そして、こ
の板状粒子からなるブルーサイトの被覆は、パルプ紙原
紙に対して、一般に1〜10重量%の付着量で形成する
ことができる。しかし、要求される難燃性の度合に応じ
て、10重量%以上の付着量で形成することも適宜可能
である。
【0023】そして、請求項6にかかる発明の難燃性シ
ートは、請求項5における被覆に、更にバインダを含め
たものである。
【0024】このバインダとしては、請求項2にかかる
発明の難燃性シートにおいて使用したものと同様に、高
分子化合物、特に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を
用いることができる。ただし、これらのバインダは凝集
作用を有する必要がなく、したがって、水溶性の合成樹
脂、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
シド、アクリル系樹脂、等が好適に使用される。また、
ここでは、水ガラス等の無機質バインダも使用すること
ができる。
【0025】なお、これらの発明の詳細と更なる態様に
ついては、後の実施例と共に更に詳細に説明する。
【0026】
【作用】請求項1の発明にかかる難燃性シートにおいて
は、パルプと板状粒子からなるブルーサイトを主材とす
るため、優れた不燃性、耐火性を有する。特に、水酸化
マグネシウム鉱物であるブルーサイトは加熱時の熱分解
によって水分を発生するために、その消炎作用によって
優れた不燃性、耐火性が発揮される。また、ブルーサイ
トは天然に多量に産出する鉱物として安価に入手でき、
しかも、固結性、吸着性に優れ、水中分散性もよいの
で、その難燃性シートを抄造によって低コストで製造す
ることができる。更に、ブルーサイトは板状の粒子の形
態であるために、充填性がよく、木目細かな、平滑性に
優れた表面を形成することができる。
【0027】また、請求項2の発明にかかる難燃性シー
トにおいては、請求項1におけるスラリーに、高分子化
合物からなるバインダを更に添加したので、上記の作用
に加えて、抄造された難燃性シートの紙力を増強させる
ことができる。
【0028】請求項3の発明にかかる難燃性シートにお
いては、請求項1または請求項2におけるスラリーに、
セピオライトを必須成分として追加したので、上記の作
用に加えて、抄造された難燃性シートの固結性を更に高
めることができる。
【0029】請求項4の発明にかかる不燃性シートにお
いては、請求項1乃至請求項3におけるスラリーに、補
強繊維を必須成分として追加したので、上記の作用に加
えて、抄造された難燃性シートの物理的強度を更に高め
ることができる。
【0030】そして、請求項5の発明にかかる難燃性シ
ートにおいては、パルプ紙の少なくとも一方の表面に板
状粒子からなるブルーサイトの被覆を形成したため、パ
ルプ紙に難燃性、耐火性を付与することができる。特
に、水酸化マグネシウム鉱物であるブルーサイトは加熱
時の熱分解によって水分を発生するために、その消炎作
用によって優れた不燃性、耐火性が発揮される。また、
ブルーサイトは天然に多量に産出する鉱物として安価に
入手でき、しかも、固結性、吸着性に優れ、水中分散性
もよいので、被覆の形成もそれの水性分散液を塗布し乾
燥することによって容易に行うことができ、その難燃性
シートを低コストで製造することができる。更に、ブル
ーサイトは板状の粒子の形態であるために、充填性がよ
く、木目細かな、平滑性に優れた表面を形成することが
できる。
【0031】また、請求項6の発明にかかる難燃性シー
トにおいては、請求項5における被覆にバインダを含め
たので、上記の作用に加えて、被覆の物理的強度をより
増強すると共に、被覆のパルプ紙原紙に対する接着性を
より高めることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0033】〈第一実施例〉図1は本発明の第一実施例
の難燃性シートの製造工程を概略的に示す説明図であ
る。
【0034】図1のように、本実施例の難燃性シートは
抄造によって製造され、パルプと板状粒子からなるブル
ーサイトを主材として含むスラリーを形成するスラリー
形成工程Aと、形成したスラリーを抄紙機を用いて抄紙
する抄紙工程Bと、抄紙工程で形成された湿った紙層を
圧搾して脱水し、次いで乾燥する乾燥工程Cとからなっ
ている。
【0035】本実施例においては、主材として、針葉樹
晒クラフトパルプと、平均粒径2.5μm(325メッ
シュ)の板状粒子からなるブルーサイトを使用した(昭
和鉱業株式会社製 フォートライトPC−1000)。
この板状粒子からなるブルーサイト(以下、単に「板状
ブルーサイト」という)は、中国遼寧省で産出されたブ
ルーサイト原石をジェット粉砕機によって微細な粒子に
粉砕したもので、次の化学分析値を有し、クリソタイル
石綿を含有しないものである。
【0036】
【表1】
【0037】そして、スラリー形成工程Aにおいて、予
め叩解機に入れて叩解したパルプ10重量部と、上記の
板状ブルーサイト30重量部と、更に、予め解繊したセ
ピオライト5重量部と水6000重量部とを混合タンク
に入れ、均一な分散が得られるまで十分混合した。次い
で、このパルプ、板状ブルーサイト、及びセピオライト
が均一に分散されたスラリーに、主に凝集のためのバイ
ンダとして、カチオン性のジメチルアミノエチルメタク
リレート(DMAEM)の1%水溶液15重量部と、ア
ニオン性のアクリルアミドアクリル酸共重合体(AA)
の1%水溶液15重量部とを配合し、更に混合した。こ
れによって、それらの材料の凝集フロックが容易に形成
された。なお、このように形成したスラリーの配合は、
まとめると、次のものである。
【0038】
【表2】
【0039】次に、抄紙工程Bにおいて、パルプ、板状
ブルーサイト、及びセピオライトの凝集フロックが形成
されたスラリーを、抄紙機によって抄紙した。ここで
は、短網式抄紙機を用い、また、80メッシュの抄網を
使用した。そして、この抄紙工程Bにおいて、上記のス
ラリーをその抄網の上方から流下させると、スラリー中
の凝集フロックと水とは抄網上で速やかに分離して、紙
層が形成された。なお、ここでは抄紙機として短網式の
ものを用いたが、長網式等の他の形式の抄紙機も任意に
使用することができる。また、抄網の目の大きさは、板
状ブルーサイトの粒径等に応じて、適宜選定することが
できる。
【0040】そして、次の乾燥工程Cにおいて、抄紙工
程Bで得られた湿った紙層を、プレスをかけて脱水し、
オーブン中で120℃で5分間乾燥した。これによっ
て、その紙層の内部の水分が揮散すると共にバインダが
融着し、パルプ、板状ブルーサイト、及びセピオライト
が相互に凝集して乾燥固化した厚さ約0.5mmのシート
が得られた。
【0041】得られたシートは、表面の平滑性に優れ、
木目細かで、ソフト感があり、また滑り性を有するもの
であった。また、このシートは紙材としの柔軟性を有
し、曲げにも容易に追従し、しかもその際、板状ブルー
サイトが粉状になって剥れ落ちるようなことはなかっ
た。更に、ガスバーナの炎を当てて燃焼試験を行ったと
ころ、炎にさらされた部分では黒煙を発生し黒色化した
が、燃焼はなく、完全な不着火性を示した。また、電気
炉に入れて耐熱試験も行ったが、600℃、800℃の
加熱後にもシートの形状は保持され、板状ブルーサイト
の脱落は見られなかった。ただし、そのシート強度はか
なり低下した。
【0042】このように、本実施例の難燃性シートは、
パルプと板状ブルーサイトを主材として含むスラリーを
抄造してなるものである。そして、このシートは、水酸
化マグネシウム鉱物である板状ブルーサイトが消炎作用
を有し、加熱時に水分を発生するため、優れた難燃性、
耐火性を有している。また、この板状ブルーサイトは固
結性に優れ、しかもパルプと同様に、水中分散性、フロ
ック形成性、及び濾水性等もよいので、スラリーの調整
とシートの抄造を容易に行うことができる。このため、
板状ブルーサイトが天然に多量に産出する鉱物であって
安価であることと相俟って、低コストで難燃性シートを
製造することができる。更に、ブルーサイトが板状の粒
子からなるために、充填性がよく、緻密な組織構造を形
成すると共に、シートの表面において良好に配向する。
このため、平滑性に優れた表面を形成することができ
る。
【0043】また、本実施例においては、主材としての
パルプと板状ブルーサイトに、更にセピオライトが加え
られている。このため、シートの固結性がより高めら
れ、その強度が増強されている。また、ブルーサイトは
300〜400℃で熱分解して酸化マグネシウムに変る
が、セピオライトは、800℃以上の熱安定性を有する
ので、高温加熱時のシートの形状保持性にも優れた作用
を発揮する。そして、本実施例では、板状ブルーサイト
30重量部に対してセピオライトを5部加えているが、
このセピオライトは、板状ブルーサイトに対してその等
量以下であれば、適宜な割合において配合することがで
きる。ただ、セピオライトの多量の配合はシート表面の
平滑性を低下させる傾向があり、したがって、その配合
は、板状ブルーサイト100重量部に対して5〜50重
量部程度が好ましい。
【0044】なお、上記の実施例のスラリーには更に補
強繊維を加えることができ、それによって、難燃性シー
トの物理的強度を更に高めることができる。そのスラリ
ーの配合例を以下に示す。
【0045】
【表3】
【0046】このスラリー配合例2は、配合例1のスラ
リーに、補強繊維としてのガラス繊維を更に1重量部加
えたものであり、ここでは、繊維長さ約6mmのガラス繊
維が使用されている。そして、ガラス繊維が無機質であ
るために、得られた難燃性シートは、その難燃性、耐火
性が維持される一方、物理的強度、特に曲げに対する強
度が高められる。このような補強繊維としては、このガ
ラス繊維に限らず、各種の繊維を使用することができ
る。例えば、炭素繊維、ロックウール繊維等の鉱物繊
維、ステンレス繊維等の金属繊維、チタン酸カリウム繊
維等のセラミック繊維またはウィスカー、石膏繊維等の
無機化合物繊維、等である。ただ、材料コスト、凝集効
果等の点からガラス繊維が最適である。また、これらの
無機質繊維だけでなく、ナイロン繊維、ポリエステル繊
維、アラミド繊維等の有機質繊維も使用することができ
る。そして、これらの補強繊維は、パルプ自体が比較的
強度のある繊維であるために、難燃性シート全体に対し
て一般に0.1〜5重量%程度の少ない割合で配合され
る。しかし、これは限定的なものではなく、5重量%以
上の配合も適宜可能である。
【0047】なお、以上のスラリー配合例1,2では、
バインダとしてのカチオン性ジメチルアミノエチルメタ
クリレート(DMAEM)及びアニオン性アクリルアミ
ドアクリル酸共重合体(AA)は、主にスラリーを凝集
させるために用いられ、比較的少ない割合で添加されて
いる。この場合においても、形成されたシートにはこれ
らの合成樹脂が僅かではあるが含まれ、紙力は増強され
ている。しかしながら、紙力の増強を積極的に図るため
に、この種の高分子化合物からなるバインダは更に多く
加えることもできる。また、バインダとしては、これら
の例以外にも、種々の天然または合成の高分子化合物を
使用することができる。特に、難燃性シートの紙力を増
強するためには、合成の高分子化合物である熱可塑性樹
脂または熱硬化性樹脂を好適に使用することができ、熱
可塑性樹脂は主に乾燥時の難燃性シートの紙力を増強す
ることができ、また、熱硬化性樹脂は主に乾燥時だけで
なく、湿潤時の難燃性シートの紙力を増強することがで
きる。そして、熱可塑性樹脂としては、上記のアクリル
系重合体または共重合体の他に、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、
等を使用することができる。また、熱硬化性樹樹脂とし
ては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、エピクロルヒドリン系ポリア
ミド樹脂、等を使用することができる。なお、これらの
樹脂は、凝集剤としても作用するように、必要に応じて
カチオン性またはノニオン性に変性することもできる。
そして、これらのバインダはそれぞれ単独で、または組
合わせて使用されることができるが、難燃性シートにお
いて一般に5重量%までの割合で含まれるように調整さ
れる。
【0048】また、パルプと板状ブルーサイトを主材と
して含むスラリーには、これまでに説明した高分子化合
物からなるバインダ、セピオライト、補強繊維の他に
も、種々の材料を加えることができる。例えば、コロイ
ドシリカを添加することができ、それによって、難燃性
シートの白色度を増し、また、シートを強化することが
できる。また、合成膨潤性雲母または合成スメクタイト
を添加することができ、それによって、難燃性シートの
表面の平滑性を高め、ソフト感を高めることができる。
更に、従来の難燃性シートに用いられている水酸化アル
ミニウム、ホウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、タル
ク、二酸化チタン、或いは繊維状の水酸化マグネシウム
等も、必要に応じて適宜添加することができる。
【0049】なお本実施例において、パルプとしては、
針葉樹等の木材から得られたクラフトパルプ等だけでな
く、故紙を主原料としたパルプ、或いはリン酸パルプ
等、セルロース繊維からなるものであれば任意のパルプ
材料を使用することができる。そして、このパルプは、
難燃性シート全体に対して一般に5〜50重量%の割合
で含有されることができる。パルプの含有量が余り少な
いとパルプ紙としての効果が減少し、また、パルプの含
有量が余り多すぎると十分な難燃性を得ることが困難に
なる。このため、パルプの含有量は5〜50重量%が好
ましい範囲である。そして、このパルプを難燃化するた
めの板状ブルーサイトは、パルプに対してその等量以上
の割合で使用することが望ましい。しかし、これは限定
的なことではなく、例えば、他の添加材料と組合わせて
使用される場合には、板状ブルーサイトはパルプに対し
てその等量以下の割合で使用することもできる。
【0050】なお、本実施例は、請求項1乃至請求項4
の態様に相当するものである。
【0051】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
の難燃性シートについて説明する。
【0052】本実施例の難燃性シートは、パルプ紙の少
なくとも一方の表面に、板状粒子からなるブルーサイト
(板状ブルーサイト)の被覆を形成したものである。そ
して、この難燃性シートは、パルプ紙の少なくとも一方
の表面に板状ブルーサイトの水性分散液を塗布し、乾燥
することによって、一般に製造することができる。
【0053】本実施例において、板状ブルーサイトとし
ては、第一実施例で用いた平均粒径2.5μm(325
メッシュ)の板状粒子からなるブルーサイトを使用し
た。そして、この板状ブルーサイト50重量部と、水5
0重量部と、更に、ポリビニルアルコール(PVA)の
10%水溶液50重量部を撹拌機付き容器内に入れ、板
状ブルーサイトが均一に分散されるように十分混合し
た。次いで、このようにして得られた板状ブルーサイト
の濃厚分散液を、稀釈水400重量部を更に加えて稀釈
し、パルプ紙を浸漬処理するための塗布液を作成した。
この塗布液の配合は、まとめると、以下のものである。
【0054】
【表4】
【0055】次に、パルプ紙を、上記の塗布液を収容し
た浸漬処理タンクに浸漬して、その表面に塗布液を含浸
塗布した。ここで、パルプ紙としては、故紙を主原料と
して製造された厚さ約0.7mmの再生紙を用いた。そし
て、このように浸漬処理したパルプ紙を、水切り後、1
00℃のオーブン中で10分間乾燥した。これによっ
て、パルプ紙の両面に板状ブルーサイトの被覆が形成さ
れたシートが得られ、その被覆の付着量は、パルプ紙原
紙に対して約5重量%であった。
【0056】得られた難燃性シートは、表面の平滑性に
優れ、木目細かで、ソフト感があり、また滑り性を有す
るものであった。また、被覆は柔軟性を有し、シートの
曲げにも容易に追従し、しかもその際、板状ブルーサイ
トの被覆が粉状になって剥れ落ちるようなことはなかっ
た。そして、第一実施例と同様にガスバーナの炎を当て
て燃焼試験を行ったところ、炎にさらされた部分では黒
煙を発生し黒色化したが、燃焼はなく、完全な不着火性
を示した。また、電気炉に入れて耐熱試験を行ったとこ
ろ、600℃、800℃の加熱後にも、パルプは熱分解
したが、シートの形状は保持された。
【0057】なお、上述の場合では、板状ブルーサイト
の水性分散液からなる塗布液を浸漬による塗布手段によ
ってパルプ紙の表面に塗布したが、塗布手段はスプレー
塗布等の他の任意の手段であることができる。また、板
状ブルーサイトの被覆は、難燃性シートが積層材として
使用されるような場合には、火炎と接する側になるパル
プ紙の一方の表面のみに形成することもできる。更に、
パルプ紙としては、ここでは再生紙を使用したが、セル
ロース繊維であるパルプを主材の少なくとも一部として
抄造したものであればどのような紙材も使用することが
でき、場合によれば、難燃剤処理紙、或いは従来の難燃
性シートも使用することもできる。そして、板状ブルー
サイトの被覆は、パルプ紙原紙に対して一般に1〜10
重量%の付着量で形成することができる。この程度の付
着量であれば十分な難燃性、耐火性が得られるが、必要
に応じてより以上の付着量とすることもできる。
【0058】このように、本実施例の難燃性シートは、
パルプ紙の表面に板状ブルーサイトの被覆を形成したも
のである。このため、可燃性のパルプ紙に、ブルーサイ
トの難燃化作用によって、第一実施例の場合と同様に、
優れた難燃性、耐火性が付与される。特に、本実施例の
場合、板状ブルーサイトの被覆によってパルプは実質的
に表面に露出しないので、不着火性が特に優れている。
また、板状ブルーサイトは固結性、吸着性に優れると共
に水分散性もよいので、それの水性分散液を塗布し乾燥
することによって、被覆を容易に形成することができ
る。このため、板状ブルーサイトが天然に多量に産出す
る鉱物であって、安価であることと相俟って、低コスト
でこの難燃性シートを製造することができる。更に、ブ
ルーサイトが板状の粒子からなるために、充填性がよ
く、緻密な組織構造を形成すると共に、シートの表面に
おいて良好に配向する。このため、表面の平滑性に優れ
た難燃性シートを得ることができる。
【0059】また、本実施例の配合例1の塗布液には、
ポリビニルアルコール(PVA)がバインダとして加え
られている。このため、板状ブルーサイトの被覆の物理
的強度、特に、曲げに対する強度が増強され、また、被
覆のパルプ紙原紙に対する被着強度が高められている。
ただし、このようなバインダは、板状ブルーサイトが固
結性に優れ、良好な造膜性を有しているために、必ずし
も必要なものではない。しかし、シートの曲げ変形等の
際に、被覆がパルプ紙原紙に十分に被着され、脱落しな
いようにするためにも、バインダを加えることは望まし
い。
【0060】このようなバインダとしては、第一実施例
で用いたと同様な天然または合成の高分子化合物を使用
することができる。ただし、これらのバインダは凝集作
用を有する必要はなく、したがって、バインダとしては
水溶性の高分子化合物が特に好適に用いられる。例え
ば、ポリビニルアルコールの他には、ポリエチレンオキ
シド、ポリアクリルアミド等のアクリル系重合体または
共重合体、等が挙げられる。そして、このようなバイン
ダは、適宜の量で使用することができるが、余り多すぎ
ると難燃性を阻害することになるので、一般には、被覆
の固形分全体の5重量%以下の割合で使用される。な
お、本実施例の場合には、水ガラスのような無機質のバ
インダも使用することができ、これによって難燃性シー
ト全体を剛性のあるものとすることができる。そのた
め、この無機質バインダの使用はハニカムコア等を形成
する場合に適しており、この場合、予めパルプ紙でハニ
カムコア等を形成した後に、その無機質バインダを使用
した板状ブルーサイトの被覆が形成される。
【0061】なお、上述の塗布液には、更に他の材料を
加えることができる。以下にその一例を示す。
【0062】
【表5】
【0063】この塗布液配合例2では、主材としての板
状ブルーサイトに、更にセピオライトが添加されてい
る。そして、セピオライトは固結性に優れているので、
第一実施例の場合と同様に、形成される被覆の強度を増
強し、また、高温加熱時のシートの形状保持性を高める
ことができる。また、繊維状の粒子であるセピオライト
が添加されていることによって、被覆とパルプ紙との接
着性も向上され、そのため、この例では、バインダとし
てはポリエチレンオキシド(PEO)が比較的少ない量
で用いられいる。そして、このセピオライトは、板状ブ
ルーサイトに対して、その等量以下の割合で添加するこ
とができる。
【0064】補強繊維も必要に応じて配合することがで
き、それによって板状ブルーサイトの被覆の物理的強度
を高めることができる。そして、この補強繊維として
は、パルプ繊維も含めて、第一実施例で説明したガラス
繊維等の任意の補強繊維を使用することができる。た
だ、それらの補強繊維は、パルプ紙を基材とする本実施
例の場合では少ない配合量で十分であり、一般には、被
覆の全体に対して5重量%以下の割合で配合される。
【0065】更に、第一実施例の場合と同様に、コロイ
ドシリカ、合成膨潤性雲母または合成スメクタイト、水
酸化アルミニウム、ホウ酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、タルク、二酸化チタン、或いは繊維状の水酸化マグ
ネシウム等の材料も、必要に応じて適宜配合することが
できる。
【0066】なお、本実施例は、請求項5,6の態様に
相当するものである。
【0067】以上のように、本発明の難燃性シートは、
優れた難燃性、耐火性を有し、また、表面の平滑性にも
優れているので、幅広い種々の分野に利用できる。例え
ば、壁装材等の建築内装材、建材表装材等として使用で
き、また、建材或いは炉壁等の芯材として使用されるハ
ニカムコア、ロールコア等のコアを形成するための紙材
として利用することができる。更に、シール材、ガスケ
ット、パッキング、アスファルトルーヒング、クッショ
ンフロアー等の用途にも利用することができる。そし
て、それらの用途に応じて、本発明の難燃性シートには
着色、印刷、撥水処理等の適宜の表面処理、或いは加工
等を施すことができる。また、本発明の難燃性シート
は、金属箔或いはガラス繊維クロス等を積層することに
よって、強度の高い難燃性のシート材料とすることがで
きる。更に、本発明の難燃性シートは消炎作用を有する
ので、これをパルプ紙等の可燃性のシート材料に積層す
ることによって、その可燃性のシート材料に不着火性或
いは難燃性を付与することもできる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明にかかる
難燃性シートは、パルプと板状粒子からなるブルーサイ
トを主材として含むスラリーを抄造してなるものであ
る。
【0069】したがって、この難燃性シートは、水酸化
マグネシウム鉱物であるブルーサイトの板状粒子を主材
として含むため、特にその自己消火作用により、優れた
難燃性、耐火性を有する。また、板状粒子からなるブル
ーサイトは、天然に多量に産出する安価な鉱物であり、
しかも、固結性、吸着性に優れ、水中分散性等もよいの
で抄造が容易であり、そのために、低コストで難燃性シ
ートを製造することができる。そして、ブルーサイトが
板状の粒子からなるために、緻密で、平滑性に優れた表
面を形成することができる。
【0070】請求項2の発明にかかる難燃性シートにお
いては、請求項1におけるスラリーに、高分子化合物か
らなるバインダを更に添加したので、上記の効果に加え
て、抄造された難燃性シートの紙力を増強させることが
できる。
【0071】請求項3の発明にかかる難燃性シートにお
いては、請求項1または2におけるスラリーに、セピオ
ライトを必須成分として追加したので、上記の効果に加
えて、抄造された難燃性シートの固結性を更に高めるこ
とができ、また、高温加熱時のシートの形状保持性も高
めることができる。
【0072】請求項4の発明にかかる不燃性シートにお
いては、請求項1乃至請求項3におけるスラリーに、補
強繊維を必須成分として追加したので、上記の効果に加
えて、抄造された難燃性シートの物理的強度を更に高め
ることができる。
【0073】また、請求項5にかかる発明の難燃性シー
トは、パルプ紙の少なくとも一方の表面に、板状粒子か
らなるブルーサイトの被覆を形成したものである。
【0074】したがって、この難燃性シートは、水酸化
マグネシウム鉱物であるブルーサイトの板状粒子の被覆
が形成されているため、特にその自己消火作用により、
優れた難燃性、耐火性を有する。また、板状粒子からな
るブルーサイトは固結性、吸着性に優れ、水中分散性等
もよいので、それの被覆は、それの水性分散液を塗布し
乾燥することによって、容易に形成することができる。
このため、ブルーサイトが天然に多量に産出する安価な
鉱物であることと相俟って、難燃性シートを低コストで
製造することができる。更に、ブルーサイトが板状の粒
子からなるために、緻密で、平滑性に優れた表面を形成
することができる。
【0075】請求項6の発明にかかる難燃性シートにお
いては、請求項5における被覆を、バインダを含むもの
としたので、上記の効果に加えて、板状粒子からなるブ
ルーサイトの被覆の物理的強度、特に、曲げに対する強
度をより増強することができ、また、パルプ紙に対する
被覆の被着強度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例の難燃性シートの製
造工程の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
A スラリー形成工程 B 抄紙工程 C 乾燥工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 13/38 D21H 3/78 (72)発明者 土屋 孝次 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプと板状粒子からなるブルーサイト
    を主材として含むスラリーを抄造してなることを特徴と
    する難燃性シート。
  2. 【請求項2】 前記スラリーに、高分子化合物からなる
    バインダを更に添加したことを特徴とする請求項1に記
    載の難燃性シート。
  3. 【請求項3】 前記スラリーに、セピオライトを必須成
    分として追加したことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の難燃性シート。
  4. 【請求項4】 前記スラリーに、補強繊維を必須成分と
    して追加したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれか1項に記載の難燃性シート。
  5. 【請求項5】 パルプ紙の少なくとも一方の表面に、板
    状粒子からなるブルーサイトの被覆を形成したことを特
    徴とする難燃性シート。
  6. 【請求項6】 前記被覆は、バインダを含むことを特徴
    とする請求項5に記載の難燃性シート。
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