JP2018193663A - 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ - Google Patents

無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2018193663A
JP2018193663A JP2018165369A JP2018165369A JP2018193663A JP 2018193663 A JP2018193663 A JP 2018193663A JP 2018165369 A JP2018165369 A JP 2018165369A JP 2018165369 A JP2018165369 A JP 2018165369A JP 2018193663 A JP2018193663 A JP 2018193663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic fiber
fiber sheet
inorganic
mass
sepiolite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018165369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6575653B2 (ja
Inventor
仁志 石澤
Hitoshi Ishizawa
仁志 石澤
靖 小林
Yasushi Kobayashi
靖 小林
勇貴 喜多
Yuki Kita
勇貴 喜多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2018165369A priority Critical patent/JP6575653B2/ja
Publication of JP2018193663A publication Critical patent/JP2018193663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6575653B2 publication Critical patent/JP6575653B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】厚みを薄くして軽量化したり、密度を低くして吸着剤の担持量や保液量を大きくしたりした場合でも、充分な強度を有し、波状の型つきが良くコルゲート加工適性にも優れ、かつ、人体に対する安全性をも備えたフィルタ基材を製造できる無機繊維シートの製造方法と、製造された無機繊維シートの焼成体および該焼成体を備えたハニカムフィルタの提供。【解決手段】ガラス繊維および生体溶解性無機繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を30〜92質量%含有し、β型セピオライトを5〜40質量%含有する無機繊維シートの製造方法であって、前記無機繊維を含有する原料スラリーを湿式抄紙して不織布を製造する工程(i)と、前記不織布に対して、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させる工程(ii)とを有する、無機繊維シートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルタの基材の製造等に好適に用いられる無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタに関する。
セラミック繊維は、高耐熱性、高断熱性、不燃性等の特徴を有するため、セラミック繊維を用いた無機繊維シートは広く使用されている。たとえば、該無機繊維シートは、フィルタ基材の製造に用いられる。具体的には、該無機繊維シートは、コルゲート加工等の加工を経てハニカム成形体とされた後に焼成され、フィルタ基材とされる。該フィルタ基材には、吸着剤や触媒が担持されて、除湿、揮発性有機化合物(VOC)の分解または除去等に用いられるハニカムフィルタとなる。また、無機繊維シートは、耐熱クッション材等としても使用されている。
また、ハニカムフィルタとして、ハニカムロータがある。ハニカムロータは、例えばコルゲート加工した無機繊維シート(中芯紙)とコルゲート加工をしていない無機繊維シートとを接着した片波成形体を成巻して円筒状とし、該円筒状のハニカム成形体を焼成して吸着剤を担持させた後に断裁する方法で製造される。ハニカムロータは、VOC等の吸着対象物を吸着する吸着ゾーンと、吸着対象物を脱着する再生ゾーンとに区画された空間で回転することにより、吸着と再生とが繰り返されるものである。
無機繊維シートの製造方法としては、たとえば特許文献1および2には、セラミック繊維、有機バインダー、山皮等を含む原料スラリーを調製し、該原料スラリーを抄紙して無機繊維シートとする方法が記載されている。ここで山皮とは、天然に産出する粘土鉱物の一種であり、含水ケイ酸マグネシウムである。山皮は、無機バインダーとして使用されている。
また、特許文献2には、無機繊維シートをコルゲート加工してハニカム成形体とした後、焼成し、得られた焼成体に吸着剤等を担持させ、ガス吸着素子(ハニカムフィルタ)とすることが記載されている。
ところが、セラミック繊維は、EU(ヨーロッパ連合)による人造非晶質繊維に対するEU指令97/69ECにおいて、カテゴリー2(発がんの疑いがある)に分類されている。そのため、人体に対する安全面から、脱セラミック化が志向されており、たとえばアルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物(NaO、KO、CaO、MgO、BaO等。)を18質量%超含有する生体溶解性繊維(カテゴリー0、カテゴリー適用除外)や、ガラス繊維への代替が検討されている。
このような事情を背景とし、たとえば特許文献3には、脱セラミック繊維として生体溶解性無機ファイバーを含み、さらにバインダー成分を含むスラリーを抄紙した不織布をハニカム成形体とし、800℃で焼成して焼成体とすることが記載されている。
また、特許文献4には、生体溶解性セラミック繊維と、ガラス繊維と、有機繊維と、カチオン性無機バインダーおよび山皮の一種であるセピオライトを含むスラリーを抄紙して、無機繊維シートを得る方法が開示されている。
特開昭60−33250号公報 特許第2925127号公報 特許第3880038号公報 特許第5558518号公報
しかしながら、特許文献3に記載のハニカム成形体とこれを焼成した焼成体は、いずれも強度が不充分であり、ハンドリング性に劣る。そのため、該焼成体を上述のハニカムロータに加工しようとすると、欠けたり、潰れたりする可能性がある。特に、焼成体を上述のハニカムロータに加工する場合には、焼成体に吸着剤を担持させた後、乾燥、断裁を行うが、特許文献3に記載の焼成体は、乾燥、断裁の際に欠けたり潰れたりしやすい。
また、特許文献4に記載の無機繊維シートから得られた焼成体も、強度が不充分であった。
また、上述のハニカムロータ等のフィルタ基材には、圧力損失を低減するために、厚みが薄いことが求められる傾向にある。また、フィルタ基材には、ゼオライト等の吸着剤の担持量を多くして高性能化するために、その保液量を多くしたい(吸着剤を担持する工程において、吸着剤を含む液を多く保持したい。)との要求や、軽量化したいとの要求もある。
フィルタ基材の厚みを薄くしたり軽量化したりするためには、フィルタ基材の材料である無機繊維シートの坪量を低くすることが考えられる。ところが、無機繊維シートの坪量を低くすると、フィルタ基材(焼成後の無機繊維シート)の強度が弱くなる傾向にあり、フィルタ基材に吸着剤を担持させたフィルタが変形してしまう場合がある。そのため、たとえば特許文献4の実施例等に記載のように、従来の技術では、無機繊維シートの坪量は80g/m前後とされ、たとえば坪量が60g/m未満の軽量シートを作製することは困難であった。
また、ゼオライト等の吸着剤の担持量や保液量を多くするためには、無機繊維シートの製造に太径の繊維を用い、フィルタ基材の空隙率を大きくし、無機繊維シートの密度を低くすることが考えられる。ところが、フィルタ基材の空隙率が大きくなると、フィルタ基材の強度は弱くなる傾向にある。また、空隙率の大きなフィルタ基材には、特にゼオライトや触媒のような粒径の小さい粒子を充分には担持させにくく、これらの粒子によるフィルタ基材の被覆が不充分となり、繊維間の空隙が孔として残り、未処理のガスが素通りしやすくなる。
このように厚みが薄く軽量で、吸着剤の担持量や保液量が大きく、かつ、充分な強度を有するフィルタ基材を製造することは困難であった。
本発明の目的は、厚みを薄くして軽量化したり、密度を低くして吸着剤の担持量や保液量を大きくしたりした場合でも、充分な強度を有し、波状の型つきが良くコルゲート加工適性にも優れ、かつ、人体に対する安全性をも備えたフィルタ基材を製造できる無機繊維シートの製造方法と、製造された無機繊維シートの焼成体および該焼成体を備えたハニカムフィルタを提供することである。
本発明は以下の構成を有する。
[1]ガラス繊維および生体溶解性無機繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を30〜95質量%含有し、β型セピオライトを5〜40質量%含有する無機繊維シートの製造方法であって、
前記無機繊維を含有する原料スラリーを湿式抄紙して不織布を製造する工程(i)と、
前記不織布に対して、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させる工程(ii)とを有する、無機繊維シートの製造方法。
[2]前記原料スラリーは、非熱融着性の有機繊維と有機バインダー成分とを含有する、[1]の無機繊維シートの製造方法。
[3]前記原料スラリーは、セピオライトを含まない、[1]または[2]の無機繊維シートの製造方法。
[4]前記β型セピオライトの吸油量が150質量%以上である、[1]〜[3]の無機繊維シートの製造方法。
[5]前記無機繊維シートは、空気中において500℃で2時間焼成した後の、前記湿式抄紙の流れ方向に沿う引張強度が300N/m以上で、かつ、前記流れ方向の湿潤引張強度が100N/m以上である、[1]〜[4]の無機繊維シートの製造方法。
[6]前記無機繊維シートは、坪量が15〜50g/mであり、かつ、空気中において500℃で2時間焼成した後の保液量が100g/m以上である、[1]〜[5]の無機繊維シートの製造方法。
[7][1]〜[6]の製造方法で製造された無機繊維シートを用いて成形したハニカム成形体を焼成した焼成体。
[8][7]の焼成体に、シリカゲル、ゼオライト、セピオライト、活性炭およびイオン交換樹脂からなる群より選ばれる1種以上の吸着剤が担持されたハニカムフィルタ。
本発明によれば、厚みを薄くして軽量化したり、密度を低くして吸着剤の担持量や保液量を大きくしたりした場合でも、充分な強度を有し、波状の型つきが良くコルゲート加工適性にも優れ、かつ、人体に対する安全性をも備えたフィルタ基材を製造できる無機繊維シートの製造方法と、製造された無機繊維シートの焼成体および該焼成体を備えたハニカムフィルタを提供供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔無機繊維シートの製造方法〕
本発明の無機繊維シートの製造方法は、ガラス繊維および生体溶解性無機繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を30〜95質量%含有し、β型セピオライトを5〜40質量%含有する無機繊維シートの製造方法である。本発明の製造方法は、無機繊維を含有する原料スラリーを湿式抄紙して不織布を製造する工程(i)と、工程(i)で得られた不織布に対して、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させる工程(ii)とを有する。
なお、本発明で製造する無機繊維シートは、人体に対する安全性の点から、EU指令97/69ECにおいて、カテゴリー2(発がんの疑いがある)に分類されるセラミック繊維を含有しない。
(工程(i))
不織布の製造に用いられる原料スラリーは、ガラス繊維および生体溶解性無機繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を含有する。また、媒体として、通常、水を含む。
ガラス繊維の種類としては特に制限はなく、生産量の多いEガラスの他、高強度のSガラス、耐酸性に優れるCガラス等を使用できる。コストの観点からは、安価なEガラスを使用することが好ましい。
ガラス繊維は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で使用する生体溶解性無機繊維とは、「WHO吸入性繊維」に該当しない繊維であるか、または、EU指令97/69/ECのNotaQ「生体溶解性繊維判定基準」により、以下の4条件(1)〜(4)のうち、いずれか1つを満足する繊維である。生体溶解性無機繊維には、生体溶解性セラミック、生体溶解性ロックウールなどが含まれる。
「WHO吸入性繊維」とは、世界保健機関(WHO)により定義された、呼吸により体内に吸入され、肺まで到達する繊維状物質をいい、長さ5μm超、直径3μm未満、アスペクト比3超のものである。
また、上記4条件とは、以下のとおりである。
(1)短期吸入暴露の動物実験で、長さ20μm超の繊維の半減期が10日未満のもの、
(2)短期気管内注入の動物実験で、長さ20μm超の繊維の半減期が40日未満のもの、
(3)腹腔内投与の動物実験で、有意な発がん性がないもの、
(4)長期吸入暴露の動物実験で、発がん性と結びつく病理所見や腫瘍形成がないもの(但し、組成としてアルカリおよびアルカリ土類酸化物(NaO、KO、CaO、MgO、BaO)を18質量%より超えて含有するもの)。
生体溶解性無機繊維には、通常、その製法に起因して、非繊維状物の「ショット」が含有されるが、ショットの含有量が多い生体溶解性無機繊維を用いると、得られる無機繊維シートにおいて穴開き、粉落ち等が問題となる場合がある。そのため、生体溶解性無機繊維としては、ショットの含有率が20質量%以下のものを使用することが好ましい。
生体溶解性無機繊維は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
無機繊維の繊維長には特に制限はないが、無機繊維の長さ加重平均繊維長が、0.2〜15mmであることが好ましく、1〜15mmがより好ましく、3〜13mmがとくに好ましい。長さ加重平均繊維長が上記範囲の下限値以上であると、得られる無機繊維シートの強度がより優れる傾向にあり、上記範囲の上限値以下であると、得られる無機繊維シートの地合が優れる傾向にある。無機繊維は、異なる繊維長のものを併用してもよい。
長さ加重平均繊維長は、100本の繊維の繊維長を顕微鏡観察により測定し、算出する。
無機繊維の繊維径は、たとえばガラス繊維の場合には、平均値として3μm以上のものが好ましい。上記範囲の下限値以上であれば、WHO吸入繊維に該当せず、人体に対して安全である。また、ガラス繊維の繊維径の上限は、平均値として8μmがより好ましい。上記範囲の上限値以下であれば、無機繊維シートの強度と、該無機繊維シートを焼成して得られるフィルタ基材の強度とが共に優れる。また、得られるフィルタ基材の目開きが大きくなりすぎず、吸着剤を充分に担持できる。そのため、繊維間の空隙が貫通孔として残り未処理のガスが素通りすることが抑制され、性能の優れるフィルタを製造できる。
無機繊維は、異なる繊維径のものを併用してもよい。
繊維径の平均値は、100本の繊維の繊維径を顕微鏡観察により測定し、算出する。
製造後の無機繊維シートに対する無機繊維の含有量は、30〜95質量%であり、50〜90質量%がより好ましい。無機繊維の含有量が上記範囲の下限値未満では、該無機シートを焼成してフィルタ基材としたとしたときに、焼成により焼失する有機分が多すぎ、焼成後に得られるフィルタ基材の強度が低下する恐れがある。上記範囲の上限値を超えると、コルゲート加工適性やハンドリングに劣る場合がある。
不織布の製造に用いられる原料スラリーは、無機繊維シートを製造する際の湿式抄紙時に水に溶けたり、無機繊維シートを製造する工程で加わる熱により溶融したりせずに、製造後の無機繊維シート中に繊維状で残存する、非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維を含むことが好ましい。無機繊維シートを製造する工程で加わる熱としては、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させた後等に不織布を乾燥する際の熱等が挙げられる。乾燥温度は特に制限されないが、通常100℃〜180℃程度である。例えば融点が150℃未満の熱可塑性樹脂からなる繊維は、このような温度範囲での乾燥時に、溶融してフィルム化し、繊維状に残存しない場合がある。
非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維を含有する無機繊維シートは、コルゲート加工したときの波状の型つきが良く、波の形が良好となり、コルゲート加工適性に優れる。
非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維としては、天然繊維と、非熱融着性合成繊維とが挙げられ、1種以上を使用できる。繊維の形態に制限はなく、フィブリル化していてもよい。
天然繊維としては、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)などのセルロース繊維;綿、羊毛、絹、麻等の天然繊維が挙げられ、1種以上を使用できる。木材パルプは、叩解パルプでも未叩解パルプでもよい。
なかでも、比較的安価な木材パルプが好ましい。
非熱融着性合成繊維としては、無機繊維シートの製造工程中の加熱により溶融しない繊維であり、無機繊維シートの製造工程で設定される乾燥温度の温度等に応じて選択できるが、たとえば、ポリプロピレン繊維、ポリブテン繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエーテルイミド繊維、ビニロン繊維、ポリカーボネート繊維、エチレン−ビニルアセテート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、アラミド繊維等の化学繊維等が挙げられる。非熱融着性合成繊維は1種以上を使用できる。
製造後の無機繊維シートに対する非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%がより好ましい。非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維の含有量が上記範囲の下限値以上であると、コルゲート加工適性を向上させる効果が充分に得られる。上記範囲の上限値以下であると、無機繊維シートを焼成してフィルタ基材としたときに、焼成により焼失する非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維の量が少なく、このような焼失にともなって形成される繊維間の空隙を低減でき、未処理のガスの素通りが抑制された性能の優れるフィルタを製造できる。
非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維として、木材パルプを使用する場合には、非溶解性かつ非熱融着性の有機繊維の全量に対する木材パルプの含有量は、30質量%以上が好ましく、100質量%であってもよい。
不織布の製造に用いられる原料スラリーは、繊維同士を接着させる成分として、有機バインダー成分を含むことが好ましい。
有機バインダー成分としては、無機繊維シートの製造工程中の加熱により少なくとも一部が溶融する熱可塑性樹脂等が挙げられ、無機繊維シートの製造工程で設定される乾燥温度の温度等に応じて選択できる。有機バインダー成分の形態には制限はなく、繊維状、粒子状、エマルション、液状等のいずれであってもよい。
熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。また、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等のゴム系エマルジョンを使用してもよい。熱可塑性樹脂は1種以上を使用できる。
また、有機バインダー成分としては、融点の異なる2種以上の材料が複合化し、より低融点の部分が溶融してバインダーとして作用する複合繊維を使用してもよい。複合繊維としては、芯鞘繊維、サイドバイサイド繊維等が挙げられる。芯鞘繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等からなる高融点の芯部の周りに、ポリエチレン等からなる低融点の鞘部が形成された繊維等が挙げられる。
有機バインダー成分としては、無機繊維シートの製造工程中の加熱により硬化して繊維同士を接着させる熱硬化型樹脂も使用できる。
熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などが挙げられる。熱硬化型樹脂は1種以上を使用できる。
有機バインダー成分としては、特に制限されないが、接着力に優れる点から、PVA繊維等のPVAを用いることが好ましい。また、耐水性の向上が望ましい場合にはアクリル樹脂エマルション等を用いることも好ましい態様として挙げられる。
製造後の無機繊維シートに対する有機バインダー成分の含有量は、1〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%がより好ましい。有機バインダー成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、繊維同士を充分に結合することができる。上記範囲の上限値以下であると、無機繊維シートを焼成してフィルタ基材としたときに、焼成して焼失する有機バインダー成分の量が少なく、このような焼失にともなって形成される繊維間の空隙を低減でき、未処理のガスの素通りが抑制された性能の優れるフィルタを製造できる。
有機バインダー成分としてPVAを使用する場合には、有機バインダー成分の全量に対するPVAの含有量は、20質量%以上が好ましく、100質量%であってもよい。有機バインダー成分としてアクリル樹脂エマルションを使用する場合には、有機バインダー成分の全量に対するアクリル樹脂(固形分)の含有量は、5〜70質量%が好ましい。
なお、有機バインダー成分は、不織布を製造するための原料スラリーに添加する以外に、工程(i)で得られた不織布に対して、有機バインダー成分を含む液をスプレー塗布、カーテン塗布、含浸塗布、バー塗布、ロール塗布、ブレード塗布等の方法で付着(外添塗布)させてもよい。外添塗布の対象である不織布は、乾燥後の乾燥不織布でも、乾燥前の湿潤ウェブであってもよい。
本発明で製造する無機繊維シートは、上述のとおり、β型セピオライトを5〜40質量%含有する。β型セピオライトは無機バインダー成分として作用し、無機繊維シートに強度を付与する。本発明において、β型セピオライトの一部は、不織布の製造に用いられる原料スラリーに添加されることで(内添)、無機繊維シートに含まれてもよい。しかしながら、充分な強度を有するフィルタ基材を製造できる無機繊維シートを得るためには、β型セピオライトの大部分を、後述の工程(ii)において、β型セピオライトを含有するスラリーを不織布に付着させる方法にて、不織布に付与することが好ましい。
そのため、不織布の製造に用いられる原料スラリーがβ型セピオライトを含有する場合、その含有量は、製造後の無機繊維シートに含まれるβ型セピオライトの全量中、9質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、0質量%がさらに好ましい。
セピオライトには、成因の違いにより、高温高圧化における熱水作用を受け、結晶化度が高く、長繊維で明瞭な繊維状形態を示すα型(従来、山皮とも呼ばれる。)と、浅海底や湖底での堆積作用を成因とし、結晶化度が低く、短繊維(塊状または粘土状形態である。)のβ型とがある。α型のセピオライトは、不純物含有量が多く、上述のEU指令97/69ECにおいてカテゴリー1に分類される石英等の結晶性シリカを数〜十数質量%程度含有し、人体に対する安全上好ましくない。これに対して、β型は不純物含有量が比較的少なく、結晶性シリカを殆ど含まず、人体に対して安全である。そのため、本発明では、セピオライトとしてβ型セピオライトを使用する。
本発明者は、β型セピオライトを用いるにあたって、β型セピオライトを不織布の製造するための原料スラリーに添加(内添)した場合には、充分な強度のフィルタ基材を製造可能な無機繊維シートが得られず、一方、β型セピオライトを得られた不織布に付着させる(外添塗布)ことにより、充分な強度のフィルタ基材を製造可能な無機繊維シートが得られることを見出した。その理由は、以下のように考えられる。
β型セピオライトは、上述のとおり、長繊維状であるα型セピオライトとは異なり、微細な短繊維状である。そのため、工程(i)において、β型セピオライトを含む原料スラリーを湿式抄紙して不織布を製造する場合には、微細なβ型セピオライトが抄紙用ワイヤーをすり抜けてしまわないように、原料スラリーに凝集剤を添加し、β型セピオライトを凝集させて凝集体とする必要が生じる。凝集体とすることにより、β型セピオライトが抄紙用ワイヤーをすり抜けず、β型セピオライトの歩留まりが向上する。また、抄紙時の濾水性にも優れる。
しかしながら、このように抄紙時にβ型セピオライトを凝集させると、繊維と繊維の間に凝集体が割り込む構造となり、得られる無機繊維シートにはβ型セピオライトの凝集体が不均一に点在し、ほぼ無機繊維のみの疎な部分とセピオライトの多い密な部分が生じることになる。その結果、得られる無機繊維シートは疎な部分の強度が低く、全体としての強度も不充分となり、特に該無機繊維シートを焼成して得られたフィルタ基材の強度も不充分となる。また、無機繊維シートの地合いも劣る。
さらに、β型セピオライトが凝集体として無機繊維シートに点在すると、該無機繊維シートを焼成してフィルタ基材とし、該フィルタ基材を、吸着剤を含む含浸液に含浸してフィルタ基材に吸着剤を担持させた場合に、吸水性であるβ型セピオライトの凝集体が存在する部分に集中して、吸着剤が含浸液の水分とともに吸収されてしまう。その結果、吸着剤もフィルタに不均一に存在することになり、フィルタの性能が劣る。
これに対して、得られた不織布にβ型セピオライトを外添塗布する場合には、凝集剤を使用する必要がない。そのため、β型セピオライトを無機繊維シートに均一に存在させることができ、無機繊維シートを焼成して得られるフィルタ基材の強度が優れる。また、吸着剤を均一に担持させることができるため、フィルタ性能にも優れる。また、フィルタ基材の乾燥時の強度だけでなく、湿潤時の強度も優れる。そのため、耐水強度が充分であって、該フィルタ基材を、吸着剤を含む含浸液に含浸してフィルタ基材に吸着剤を担持させる際にも、自重等で変形しにくい。また、β型セピオライトを外添塗布することにより、強度が非常に向上するため、フィルタ基材の厚みを薄くして軽量化したり、密度を低くして吸着剤の担持量や保液量を大きくしたりした場合でも、充分な強度が得られる。
以上の理由から、工程(i)で不織布の製造に用いられる原料スラリーは、β型セピオライトを含有しないことが最も好ましい。
なお、原料スラリーにβ型セピオライトを添加して内添する必要がある場合には、生成するβ型セピオライトの凝集体を極力小さくし、β型セピオライトを無機繊維シートにおいて均一に分布させるため、以下の方法でβ型セピオライトを原料スラリーに添加することが好ましい。すなわち、まず、ポリアクリル酸系のアニオン性分散剤によりβ型セピオライトを分散させた後に、アニオン性高分子からなる凝集剤を用いて微小なセピオライトの凝集体を調製し、これを原料スラリーと混合することが好ましい。
不織布の製造に用いられる原料スラリーは、必要に応じて、コロイダルシリカ、水ガラス、珪酸カルシウム、シリカゾル、アルミナゾル、アルコキシラン等のβ型セピオライト以外の無機バインダー成分を含んでもよく、これらのうちの1種以上を使用できる。ただし、これらの無機バインダーは、擦れ、曲げ等の外力が加わると粉落ちし、ハンドリング性に劣る場合がある。そのため、β型セピオライト以外の無機バインダー成分の含有量は、製造後の無機繊維シートに対する含有量として、5質量%以下が好ましい。
なお、β型セピオライト以外の無機バインダー成分は、不織布を製造するための原料スラリーに添加する以外に、工程(i)で得られた不織布に対して、無機バインダー成分を含む液をスプレー塗布、カーテン塗布、含浸塗布、バー塗布、ロール塗布、ブレード塗布等の方法で付着(外添塗布)させてもよい。外添塗布の対象である不織布は、乾燥後の乾燥不織布でも、乾燥前の湿潤ウェブであってもよい。
不織布の製造に用いられる原料スラリーは、さらに以下の助剤、添加剤、充填剤等を含むことができる。また、必要に応じて、炭素繊維等の無機繊維、アルミナ繊維等の金属系繊維を含んでもよい。
助剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤や、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、メルカプトロ基等の官能基を有するシランカップリング剤が挙げられ、1種以上を使用できる。シランカップリング剤の含有量は、有機バインダー成分の100質量部に対して、10質量部以下の範囲で使用することが好ましい。
添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、濡れ剤、粘剤、歩留向上剤、紙力向上剤、濾水剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、ピッチコントロール剤等が挙げられ、1種以上を使用できる。添加剤の含有量は、製造後の無機繊維シートに対して5質量%以下が好ましい。
充填剤としては、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、プラスチックピグメント、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、シラスバルーン等が挙げられ、1種以上を使用できる。
工程(i)における湿式抄紙は、上述した各成分と水(媒体)を含有する原料スラリーを調製し、該原料スラリーを公知の抄紙機で抄紙する方法により行える。抄紙機としては、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機が挙げられ、これら抄紙機の同種または異種を組み合わせて多層抄紙を行ってもよい。
抄紙後の脱水および乾燥の方法に特に制限はなく、たとえばヤンキードライヤー、シリンダードライヤー、エアドライヤー、赤外線ドライヤー等の公知のドライヤーを用いることができる。乾燥温度は特に制限されないが、上述のとおり、通常100℃〜180℃程度である。
なお、工程(i)では乾燥を行わずに、工程(ii)に移行してもよい。すなわち、湿潤ウェブに対して、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させてもよい。
(工程(ii))
工程(ii)では、工程(i)で得られた不織布に対して、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させ、外添塗布する。上述のとおり、外添塗布の対象である不織布は、乾燥後の不織布であっても乾燥前の湿潤ウェブであってもよい。このように外添塗布する場合には、内添する場合のように凝集剤を使用する必要がない。そのため、β型セピオライトを無機繊維シートに均一に存在させることができ、無機繊維シートを焼成して得られるフィルタ基材の強度が優れる。また、吸着剤を均一に担持させることができるため、フィルタ性能にも優れる。
このようにβ型セピオライトを外添塗布することにより、強度が非常に向上するため、フィルタ基材の厚みを薄くして軽量化したり、密度を低くして吸着剤の担持量や保液量を大きくしたりした場合でも、充分な強度が得られる。
外添塗布の具体的な方法としては、スプレー塗布、カーテン塗布、ロール塗布、バー塗布、ブレード塗布等を採用できる。外添塗布後には、上述のドライヤーを用いて、脱水および乾燥を行う。乾燥温度は特に制限されないが、上述のとおり、通常100℃〜180℃程度である。
工程(ii)で外添塗布するβ型セピオライトの量は、製造後の無機繊維シートに対して、5〜40質量%であり、8〜30質量%がより好ましい。無機繊維の含有量が上記範囲の下限値未満では、無機バインダー成分としての機能が発現せず、充分な強度が得られない。一方、上記範囲の上限値を超えると、無機繊維シートが脆く割れやすくなり、コルゲート加工適性に劣り、コルゲートの波の頂点が割れやすくなる等の不都合が生じやすい。
不織布の単位面積あたりのβ型セピオライト量としては、1〜16g/mが好ましく、2〜12g/mがより好ましい。
β型セピオライトとしては、充分な強度のフィルタ基材を製造できる無機繊維シートが得られやすい点(強度発現性に優れる)と、無機繊維に良好に定着する(被覆性に優れる)点から、吸油量が80質量%以上のものが好ましく、150質量%以上のものがより好ましく、180質量%以上のものがさらに好ましい。吸油量の上限には特に制限はないが、通常、300質量%以下である。吸油量が上記下限値以上のβ型セピオライトは、無機繊維に良好に定着するため、得られる無機繊維シートを焼成して得られたフィルタ基材は、目開きが大きくなりすぎず、吸着剤を充分に担持できる。そのため、繊維間の空隙が貫通孔として残り未処理のガスが素通りすることが抑制され、性能の優れるフィルタを製造できる。また、貫通孔の形成が抑制されるために、焼成して得られるフィルタ基材の強度も優れる。
なお、吸油量は、JIS K−5101−13−2に準じて測定される値である。
また、β型セピオライトは、強度発現性の点から、SiOとMgOの合計含有量がβ型セピオライトに対して75質量%以上であるものが好ましく、80質量%以上であるものが好ましい。該合計含有量の上限には特に制限はないが、通常、90質量%以下である。SiOとMgOの合計含有量が上記下限値以上であると、不純物の影響がなく、強度発現性に優れる。β型セピオライトに含まれるSiOおよびMgO以外の成分としてはCaO等が挙げられる。
外添塗布するβ型セピオライトを含有するスラリーには、分散剤、保液剤、粘度調整剤、pH調整剤、有機バインダー成分、無機バインダー成分、充填剤等を必要に応じ添加してもよい。
有機バインダー成分、無機バインダー成分としては、工程(i)において例示した有機バインダー成分、β型セピオライト以外の無機バインダー成分を使用できる。充填剤としても、工程(i)において例示した充填剤を使用できる。
外添塗布するβ型セピオライトを含有するスラリーに、充填剤を使用することにより、無機繊維を充分に被覆できる。そのため、繊維間の空隙が孔として残り、未処理のガスが素通りしやすくなることを防止できる。
また、これらの各成分をβ型セピオライトを含有するスラリーに添加するのではなく、これらの成分のうちの少なくとも1種を含むスラリー(任意成分スラリー)を別途調製して、外添塗布してもよい。任意成分スラリーの外添塗布は、β型セピオライトを含有するスラリーの外添塗布の前であっても後であっても同時であってもよい。また、任意成分スラリーの外添塗布の対象である不織布は、乾燥後の乾燥不織布でも、乾燥前の湿潤ウェブであってもよい。
なお、ここで有機バインダー成分、無機バインダー成分、充填剤等を用いる場合には、最終的に得られる無機繊維シート中の各含有量が、すでに上述した範囲内となるように、その使用量を調整することが好ましい。
本発明の製造方法で製造される無機繊維シートの坪量には特に限定はなく、たとえば10〜100g/mとすることができるが、上述のとおり、本発明の製造方法によれば、坪量を小さくしても充分な強度のフィルタ基材を製造できる無機繊維シートが得られる。そのため、フィルタ基材用途である場合には、無機繊維シートの坪量は20〜60g/mが好ましく、15〜50g/mがより好ましい。坪量が上記範囲の下限値以上であれば、無機繊維シートおよび該無機繊維シートから得られるフィルタ基材の強度が充分に得られ、上記範囲の上限値以下であれば、厚みが抑えられ圧力損失も抑制できる。
また、無機繊維シートは、空気中において500℃で2時間焼成した後の保液量が100g/m以上であることが好ましく、130g/m以上であることが好ましい。保液量の上限には特に制限はないが、たとえば250g/m以下である。このような保液量であれば、吸着剤を含む含浸液にフィルタ基材を含浸したときに、吸着剤を充分に担持することができる。
なお、保液量は、後述の実施例に記載の方法で測定される値である。
本発明の製造方法で製造される無機繊維シートの密度には特に限定はないが、本発明の製造方法によれば、密度を小さくしても充分な強度が得られることから、たとえば0.15〜0.4g/cmが好ましい。密度が上記範囲の下限値以上であれば、空隙が大きくなりすぎず、保液率や吸着剤の担持量と、強度とを両立することができる。密度が上記範囲の上限値以下であれば、空隙が充分に形成され、保液量が優れ、高性能のフィルタが得られる。
本発明の製造方法で製造される無機繊維シートの厚みには特に限定はないが、本発明の製造方法によれば、厚みを小さくしても充分な強度が得られることから、たとえば50〜300μmが好ましく、100〜200μmがより好ましい。厚みが上記範囲の下限値以上であれば、強度と保液量を両立することができる。保液量が上記範囲の上限値以下であれば、圧力損失が大きくなりすぎず、高性能のフィルタが得られる。
本発明の製造方法で製造される無機繊維シートは、空気中において500℃で2時間焼成した後の、湿式抄紙の流れ方向に沿う引張強度が300N/m以上であることが好ましく、500N/m以上がより好ましい。引張強度が上記範囲の下限値以上であると、無機繊維シートを焼成して得られたハニカム状等のフィルタ基材において、充分なハンドリング性が得られる。該引張強度の上限値には特に制限はないが、通常4000N/m以下である。
また、無機繊維シートは、空気中において500℃で2時間焼成した後の、流れ方向の湿潤引張強度が100N/m以上であることが好ましく、150N/m以上がより好ましい。湿潤引張強度が上記範囲の下限値以上であると、耐水強度が充分であって、フィルタ基材に吸着剤を担持させるために該フィルタ基材を吸着剤を含有するスラリーに含浸したときに、自重等で変形しにくい。また、含浸後に乾燥する際の収縮力で変形しにくい。なお、後述のように、含浸後に必要に応じて再焼成を行う場合があるが、湿潤引張強度が上記範囲の下限値以上であると、再焼成の際の収縮力によっても変形しにくい。該湿潤引張強度の上限値には特に制限はないが、通常1000N/m以下である。
引張強度および湿潤引張強度は、後述の実施例に記載の方法で測定される値である。
本発明の製造方法で製造される無機繊維シートの通気度は0.1〜250ml/cm/secの範囲が好ましい。通気が上記範囲の下限値以上であると、保液量に優れ、上記範囲の下限値以下であると、無機繊維シートを焼成して得られるフィルタ基材の強度が充分となる。また、繊維間の空隙が貫通孔として残り未処理のガスが素通りすることが抑制され、性能の優れるフィルタを製造できる。フィルタ基材に担持する吸着剤が、特にゼオライトや触媒等の小径の粒子である場合には、通気度は、0.1〜50ml/cm/secであることが、小径の粒子を充分に担持でき好ましい。通気度は、無機繊維シートの製造に使用する無機繊維の径等を調整することで制御できる。
通気度は、後述の実施例に記載の方法で測定される値である。
本発明の製造方法で製造される無機繊維シートは、空気中において500℃で2時間焼成した後の灰分量が75質量%以上であることが好ましい。灰分量が上記範囲の下限値以上であれば、焼成による有機分の焼失が大きすぎず、繊維間の空隙が貫通孔として残って未処理のガスが素通りすることが抑制され、性能の優れるフィルタを製造できる。
灰分量は、後述の実施例に記載の方法で測定される値である。
このようにして製造された無機繊維シートは、β型セピオライトを外添塗布して得られたものであり、また、無機繊維としては、ガラス繊維および生体溶解性無機繊維の少なくとも一方を含んでいる。そのため、該無機繊維シートを用いることにより、厚みを薄くして軽量化したり、密度を低くして吸着剤の担持量や保液量を大きくしたりした場合でも、充分な強度を有し、波状の型つきが良くコルゲート加工適性にも優れ、かつ、人体に対する安全性をも備えたフィルタ基材を製造できる。
また、該無機繊維シートは、たとえば、ガラス繊維強化プラスチックを含めた各種の補強材、高温部のガスケットやパッキング等にも使用できる。
〔焼成体〕
本発明の製造方法で製造された無機繊維シートにコルゲート加工を施してハニカム成形体とし、該ハニカム成形体を焼成して、有機バインダー成分、有機繊維等の有機分を焼失させることにより、本発明の焼成体が得られる。
焼成温度は250℃以上であることが好ましい。特に無機繊維の主成分(50質量%超)が、ガラス繊維および生体溶解性ロックウールの少なくとも1種である場合には、400〜600℃程度の焼成温度が好ましく、一方、無機繊維の主成分が生体溶解性セラミック繊維である場合には、600〜800℃程度の焼成温度が好ましい。
ハニカム成形体を製造する際には、通常、コルゲート加工した無機繊維シート(中芯紙)とコルゲート加工をしていない無機繊維シートとを接着した片波成形体を製造するが、その際に使用する接着剤としては、コロイダルシリカ、水ガラス、アルミナゾル等の無機糊が挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。また、接着剤としては、エチレン−ビニルアルコール等の有機糊を併用してもよい。
〔ハニカムフィルタ〕
上述の焼成体に、少なくとも1種の吸着剤を担持することにより、本発明のハニカムフィルタが得られる。
吸着剤としては、吸着性等の点から、シリカゲル、ゼオライト、セピオライト、活性炭、イオン交換樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましいが、その他にも各種の吸着剤を使用できる。
除湿剤として使用される吸着剤としては、たとえばシリカ、ゼオライト、疎水性合成ゼオライト、天然ゼオライト、セピオライト、ハイドロタルサイト、アルミナ、石灰、石膏、苦土石灰、水酸化マグネシウム、パーライト、珪藻土、塩化リチウム、塩化カルシウム、ポルトランドセメント、アルミナセメント、パリゴルスカイト、珪酸アルミニウム、活性白土、活性アルミナ、ベントナイト、タルク、カオリン、マイカ、活性炭、吸水性ポリマー等が挙げられる。
その他の吸着剤の例としては、アルカリ性化合物を吸着能のある担体(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等。)や、たとえば活性炭、シリカ、アルミナ、アロフェン、セピオライト、コージライト、その他の粘土鉱物等に担持させた固形吸着剤;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、イオン交換樹脂、消臭剤等が挙げられる。また、チタン等の触媒を細孔に担持させた多孔質の吸着剤も使用できる。
吸着剤の担持方法としは、吸着剤を含有するスラリーを焼成体に含浸させ、乾燥させる公知の方法が挙げられる。乾燥後には、必要に応じて、再焼成を行ってもよい。
該スラリーは、吸着剤の担持性およびハニカムフィルタの強度向上の目的で、コロイダルシリカ、水ガラス、アルミナゾル等の無機接着剤の1種以上を含んでもよい。
再焼成を行う場合の焼成温度は、無機繊維の主成分が生体溶解性セラミック繊維である場合には、該繊維とセピオライトとの焼結作用が得られるため、600℃以上が好ましく、ガラス繊維を含む無機繊維シートの場合は、400〜600℃程度が好ましい。
以下、実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されない。
なお、以下の実施例では、5種類のβ型セピオライトを使用した。
いずれのβ型セピオライトも粘土状態である。
β型セピオライト(1):SiO+MgOの含有量が85質量%、吸油量が280質量%
β型セピオライト(2):SiO+MgOの含有量が80質量%、吸油量が190質量%
β型セピオライト(3):SiO+MgOの含有量が78質量%、吸油量が150質量%
β型セピオライト(4):SiO+MgOの含有量が81質量%、吸油量が120質量%
β型セピオライト(5):SiO+MgOの含有量が76質量%、吸油量が100質量%)
<実施例1>
ガラス繊維(1)(径3.5μm、長さ:5mm)と、ガラス繊維(2)(径5μm、長さ:5mm)と、針葉樹パルプと、PVA繊維(「VPB105」、クラレ製)とを、ガラス繊維(1):ガラス繊維(2):針葉樹パルプ:PVA繊維=55:30:7:8(質量比)で水に加え、これらの合計濃度が0.2質量%になるように調整し、原料スラリーを得た。ついで、湿式抄紙法にて、原料スラリーを抄紙し、ランダムな配列のウェブ(湿潤ウェブ)を形成した。
該湿潤ウェブに、β型セピオライト(1)を水に分散させたスラリーを、得られる無機繊維シート100質量%中のβ型セピオライト(1)の含有量が25質量%となるように(単位面積当たりのβ型セピオライト(1)の含有量:10g/m)スプレー塗布し、乾燥し、表1に示す坪量、厚み、密度の無機繊維シートを得た。なお、β型セピオライトの含有量は、β型セピオライトを水に分散させたスラリーを付着させる前後の不織布の質量差から求められる。
得られた無機繊維シートを空気中において500℃で2時間焼成した後のシートについて、灰分量、湿式抄紙の流れ方向の引張強度、該流れ方向の湿潤引張強度、通気度、保液量を測定した。結果を表1に示す。
なお、β型セピオライトの吸油量は、JIS K−5101に準じて測定される値である。
ついで、得られた無機繊維シートを高さ2.5mm、ピッチ4mmの波状に加工して中芯紙とし、該中芯紙を得られた無機繊維シートからなる平面のシート状ライナーにシリカゾルを主成分とする無機接着剤で接着してコルゲート加工し、これを成巻し、円筒状のハニカム構造体を作製した。
この構造体を500℃で3時間焼成処理し、コロイダルシリカ(無機バインダー成分)とゼオライトからなるスラリー懸濁液に含浸した後、300℃で1時間熱風処理を行い、ゼオライト担持のフィルタを作製した。
得られたフィルタについて、コルゲート加工適性、フィルタ製造性を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
<無機繊維シートについての測定>
(坪量)
JIS P8124に準じて測定した。
(厚み)
JIS P8118に準じて測定した。
(密度)
上記坪量と上記厚みとから、計算により求めた。
<焼成後のシートについての測定>
(灰分量)
525℃のかわりに500℃で2時間燃焼した以外はJIS P8251に準じて測定した。
(流れ方向の引張強度)
無機繊維シートを空気中において500℃で2時間焼成処理した後、湿式抄紙法での流れ方向に沿って、JIS P 8113に準じた方法でテンシロン型引張試験器(ORIENTEC社製)による測定を行った。
(湿潤引張強度)
無機繊維シートを空気中において500℃で2時間焼成処理した後、30℃の純水に1時間浸漬し、次いで取り出して、自重で水滴の落下が止むまで吊るした。その後、湿式抄紙法での流れ方向に沿って、JIS P 8113に準じた方法でテンシロン型引張試験器(ORIENTEC社製)による測定を行った。
(通気度)
JIS L1096 に準じてA法(フラジール形法)で測定を行った。
(保液量)
JIS L1913 保水率の測定に準じて、無機繊維シート(100mm×100mm)を空気中において500℃で2時間焼成処理した後、その乾燥質量A(g/m)を測定した。その後、該無機繊維シートを純水に1分間浸漬し、次いで取り出して、自重で水滴の落下が止むまで吊るした後の質量B(g/m)を測定した。質量Bから質量Aを引いた値を、焼成後のシートの乾燥質量に対する質量増加量(保液量)Cとした。なお、保液量は1m当たりに換算し、表に記載した。
<フィルタ性能評価>
(コルゲート加工適性)
○:波状の型つきが良く、波の形が良好である。
△:波状の型つきがやや悪く、波の形がやや潰れ気味である。
×:波状の型つきが悪く、波の頂点に割れや裂けがある。
(フィルタ製造性(硬さ))
○:ゼオライト担持後のフィルタが硬く、全く変形しない。
△:ゼオライト担持後のフィルタがほとんど変形しない。
×:ゼオライト担持後のフィルタが変形する。
<実施例2>
実施例1と同様にしてランダムな配列の湿潤ウェブを形成した。ただし、実施例2では、該湿潤ウェブにアクリルエマルションをスプレー塗布して、表1に示す含有量となるようにアクリル樹脂を付着させ(付着量:1g/m)、乾燥した。
ついで、該乾燥ウェブを、実施例1で用いたβ型セピオライト(1)の代わりにβ型セピオライト(2)を水に分散させたスラリーに、得られる無機繊維シート100質量%中のβ型セピオライト(2)の含有量が表1に示す値となるように含浸、乾燥し、表1に示す坪量、厚み、密度の無機繊維シートを得た。
以後、実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
β型セピオライト(1)のスラリーの代わりに、β型セピオライト(3)のスラリーを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
β型セピオライト(1)のスラリーの代わりに、β型セピオライト(4)のスラリーを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
β型セピオライト(1)の代わりに、β型セピオライト(5)のスラリーを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
以下のようにして、内添と外添塗布を併用して、β型セピオライトを含有させた無機繊維シートを製造した。
まず、実施例1と同様の原料スラリーを得た。
別途、上記β型セピオライト(1)100質量部に対して0.5質量部の分散剤(「アロンT−50」、東亜合成製)と水を加え、β型セピオライト(1)が水に分散したスラリーを調製した。上記原料スラリーと、上記β型セピオライト(1)が水に分散したスラリーと、アニオン性高分子凝集剤(「HH−251」栗田工業製)を混合し、0.2%濃度のセピオライト含む、実施例6における原料スラリー(A)を得た。
ついで、湿式抄紙法にて、該原料スラリー(A)を抄紙し、ランダムな配列のウェブ(湿潤ウェブ)を形成した。
実施例1でスプレー塗布したものと同じβ型セピオライト(1)を水に分散させたスラリーを、湿潤ウェブに、単位面積当たり6.5g/mスプレーし、乾燥し、得られる無機繊維シート100質量%中のβ型セピオライト(1)の含有量が合計で25質量%となるようにした。このようにして表2に示す組成からなる坪量、厚み、密度の無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例7>
表2に示す各成分の含有量の無機繊維シートが得られるように、各成分の使用量を変更した以外は(β型セピオライトの含有量:3g/m)、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例8>
表2に示す各成分の含有量の無機繊維シートが得られるように、各成分の使用量を変更した以外は(β型セピオライトの含有量:15g/m)、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例9>
ガラス繊維(1)の代わりに、表2に示すように、生体溶解性セラミック繊維(新日本サーマルセラミック社製「スーパーウールプラス」)を用いた以外は、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例1>
セピオライトを外添塗布せず、内添のみ行い、無機繊維シートを得た。
具体的には、ガラス繊維(1):ガラス繊維(2):針葉樹パルプ:PVA繊維=55:30:7:8(質量比)で水に加え、スラリーを得た。該スラリーに対して、β型セピオライト(1)が水に分散したスラリーと、実施例6で使用したものと同じアニオン性高分子凝集剤とを加え、これらの合計濃度が0.2質量%になるように調整し、セピオライトを含有する原料スラリー(B)を得た。この際、各繊維とβ型セピオライト(1)とアニオン性高分子凝集剤とが、抄紙、乾燥工程後に得られる無機繊維シートにおいて表3に示す質量比となるように混合した。
ついで、湿式抄紙法にて、該原料スラリー(B)を抄紙し、ランダムな配列のウェブ(湿潤ウェブ)を形成し、乾燥し、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表3に示す。
<比較例2>
ガラス繊維(1)に代えて、生体溶解性セラミック繊維を用いた以外は、比較例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表3に示す。
<比較例3>
アニオン性高分子凝集剤に代えて、カチオン性高分子凝集剤(硫酸バンド)を用いた以外は、比較例2と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表3に示す。
<比較例4および5>
表3に示す各成分の含有量の無機繊維シートが得られるように、各成分の使用量を変更した以外は、実施例1と同様にして、無機繊維シートを得た。
以後実施例1と同様にして、測定、評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018193663
Figure 2018193663
Figure 2018193663
<考察>
・実施例1と比較例1〜3との比較から、β型セピオライトの含有量が同じであっても、外添塗布で付着させることにより、焼成後のシートの引張強度および湿潤引張強度が優れることがわかった。また、外添塗布することにより、硬さを備えたフィルタが得られ、フィルタ製造性に優れることもわかった。
なお、比較例2の湿潤引張強度は、強度が低すぎたため、測定不能であった。
・比較例4および比較例5の結果から、外添塗布の場合でも、β型セピオライトの量が少ないとフィルタの硬さが不充分であり、一方、β型セピオライトの量が多いとコルゲート加工適性が劣り、波状の型つきが悪く、波の頂点に割れや裂けが生じることがわかった。
・また、実施例1〜5の結果から、β型セピオライトの吸油量と、焼成後のシートの引張強度および湿潤引張強度との間には相関があり、吸油量が多いβ型セピオライトを用いるほど、焼成後のシートの引張強度および湿潤引張強度が向上することがわかった。
Figure 2018193663
Figure 2018193663

Claims (8)

  1. ガラス繊維および生体溶解性無機繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を30〜95質量%含有し、β型セピオライトを5〜40質量%含有する無機繊維シートの製造方法であって、
    前記無機繊維を含有する原料スラリーを湿式抄紙して不織布を製造する工程(i)と、
    前記不織布に対して、β型セピオライトを含有するスラリーを付着させる工程(ii)とを有する、無機繊維シートの製造方法。
  2. 前記原料スラリーは、非熱融着性の有機繊維と有機バインダー成分とを含有する、請求項1に記載の無機繊維シートの製造方法。
  3. 前記原料スラリーは、セピオライトを含まない、請求項1または2に記載の無機繊維シートの製造方法。
  4. 前記β型セピオライトの吸油量が150質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機繊維シートの製造方法。
  5. 前記無機繊維シートは、空気中において500℃で2時間焼成した後の、前記湿式抄紙の流れ方向に沿う引張強度が300N/m以上で、かつ、前記流れ方向の湿潤引張強度が100N/m以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機繊維シートの製造方法。
  6. 前記無機繊維シートは、坪量が15〜50g/mであり、かつ、空気中において500℃で2時間焼成した後の保液量が100g/m以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の無機繊維シートの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法で製造された無機繊維シートを用いて成形したハニカム成形体を焼成した焼成体。
  8. 請求項7の焼成体に、シリカゲル、ゼオライト、セピオライト、活性炭およびイオン交換樹脂からなる群より選ばれる1種以上の吸着剤が担持されたハニカムフィルタ。
JP2018165369A 2018-09-04 2018-09-04 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ Active JP6575653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018165369A JP6575653B2 (ja) 2018-09-04 2018-09-04 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018165369A JP6575653B2 (ja) 2018-09-04 2018-09-04 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015148823A Division JP6398900B2 (ja) 2015-07-28 2015-07-28 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018193663A true JP2018193663A (ja) 2018-12-06
JP6575653B2 JP6575653B2 (ja) 2019-09-18

Family

ID=64571166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018165369A Active JP6575653B2 (ja) 2018-09-04 2018-09-04 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6575653B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114405458A (zh) * 2022-02-21 2022-04-29 常州大学 凹凸棒土/水泥多孔复合吸附材料及其制备方法和应用
CN114849347A (zh) * 2022-04-26 2022-08-05 山东国瓷功能材料股份有限公司 垫片的加工工艺、蜂窝结构体及其加工工艺

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02251214A (ja) * 1989-03-24 1990-10-09 Hokuetsu Paper Mills Ltd 高性能エアーフィルター用ガラス繊維濾紙及びその製造方法
JPH06200081A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Toyoda Gosei Co Ltd 低臭気ゴム配合物
JPH07279090A (ja) * 1994-04-04 1995-10-24 Tokiwa Electric Co Ltd 難燃性シート
JPH1034808A (ja) * 1996-07-19 1998-02-10 Hokushin Cloth:Kk 化粧シート
JP2002038392A (ja) * 2000-07-31 2002-02-06 Nitto Boseki Co Ltd ロックウールボード
JP2002263479A (ja) * 2001-03-08 2002-09-17 Takasago Thermal Eng Co Ltd 吸着剤、空気浄化フィルタ及びその製造方法
JP2006037269A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Nippon Sheet Glass Co Ltd 耐熱セラミックシート
WO2006057240A1 (ja) * 2004-11-24 2006-06-01 Nippon Sheet Glass Company, Limited 無機繊維紙
JP2013234410A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Kj Specialty Paper Co Ltd 耐熱性無機繊維シート基材
CN103774492A (zh) * 2014-01-16 2014-05-07 北京联飞翔科技股份有限公司 一种汽车滤清器滤纸涂覆材料及其制备方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02251214A (ja) * 1989-03-24 1990-10-09 Hokuetsu Paper Mills Ltd 高性能エアーフィルター用ガラス繊維濾紙及びその製造方法
JPH06200081A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Toyoda Gosei Co Ltd 低臭気ゴム配合物
JPH07279090A (ja) * 1994-04-04 1995-10-24 Tokiwa Electric Co Ltd 難燃性シート
JPH1034808A (ja) * 1996-07-19 1998-02-10 Hokushin Cloth:Kk 化粧シート
JP2002038392A (ja) * 2000-07-31 2002-02-06 Nitto Boseki Co Ltd ロックウールボード
JP2002263479A (ja) * 2001-03-08 2002-09-17 Takasago Thermal Eng Co Ltd 吸着剤、空気浄化フィルタ及びその製造方法
JP2006037269A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Nippon Sheet Glass Co Ltd 耐熱セラミックシート
WO2006057240A1 (ja) * 2004-11-24 2006-06-01 Nippon Sheet Glass Company, Limited 無機繊維紙
JP2013234410A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Kj Specialty Paper Co Ltd 耐熱性無機繊維シート基材
CN103774492A (zh) * 2014-01-16 2014-05-07 北京联飞翔科技股份有限公司 一种汽车滤清器滤纸涂覆材料及其制备方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JANKOVIC-CASTVAN IVONA ET. AL., STARCH, vol. Vol.67 No.3-4 Pages.373-380, JPN6018029664, March 2015 (2015-03-01), DE, ISSN: 0004076961 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114405458A (zh) * 2022-02-21 2022-04-29 常州大学 凹凸棒土/水泥多孔复合吸附材料及其制备方法和应用
CN114405458B (zh) * 2022-02-21 2023-11-17 常州大学 凹凸棒土/水泥多孔复合吸附材料及其制备方法和应用
CN114849347A (zh) * 2022-04-26 2022-08-05 山东国瓷功能材料股份有限公司 垫片的加工工艺、蜂窝结构体及其加工工艺
CN114849347B (zh) * 2022-04-26 2024-02-06 山东国瓷功能材料股份有限公司 垫片的加工工艺、蜂窝结构体及其加工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP6575653B2 (ja) 2019-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6398900B2 (ja) 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ
JP7184110B2 (ja) 無機繊維シート、ハニカム成形体およびハニカムフィルタ
JP5091226B2 (ja) 粘土を含むセラミックフィルター及びその製造方法
US5542968A (en) Enthalphy Wheel
JP5558518B2 (ja) 耐熱性無機繊維シート基材
US8657265B2 (en) Porous ceramic structure, and dehumidification/humidification apparatus comprising same
JP6575653B2 (ja) 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ
JPWO2008004703A1 (ja) シート状物および加工物
JPS6255600B2 (ja)
JP2003038928A (ja) 加熱再生式有機系ローター部材およびその製造方法
JP6575654B2 (ja) 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ
JP2013158668A (ja) 除湿ローター用濾材
EP3665134A1 (en) High noise reduction coefficient, low density acoustical tiles
JPH02191547A (ja) コルゲート加工可能な吸着性シート
WO2022230536A1 (ja) 無機繊維シート及びその製造方法
WO2021070777A1 (ja) フィルター用ガラス繊維シート
JPS581611B2 (ja) 除湿素子
JP2715308B2 (ja) 難燃性抄紙
JP7243228B2 (ja) 無機繊維シート及び無機繊維シートの製造方法
JP2014036921A (ja) 除湿ローター用濾材
JP2022091057A (ja) シート状耐熱材の製造方法および積層体
JP2012110818A (ja) 吸放湿性シートの製造方法、吸放湿性シート及び除湿素子
JP2015068575A (ja) 蒸散素子
JP2014073450A (ja) 除湿ローター用濾材
JPH0663324A (ja) 換気扇用フィルター

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181002

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6575653

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250