JP3528103B2 - 不燃性シ−トまたは不燃性成形体及びその製造方法 - Google Patents

不燃性シ−トまたは不燃性成形体及びその製造方法

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JP3528103B2
JP3528103B2 JP2330395A JP2330395A JP3528103B2 JP 3528103 B2 JP3528103 B2 JP 3528103B2 JP 2330395 A JP2330395 A JP 2330395A JP 2330395 A JP2330395 A JP 2330395A JP 3528103 B2 JP3528103 B2 JP 3528103B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不燃性シ−トまたは不燃
性成形体及びその製造方法に関し、更に詳しくは高度の
不燃性を有し、かつ曲げ強度、表面強度等の機械的強度
に優れ、さらに表面平滑性等の表面品位にも優れた不燃
性シ−トまたは不燃性成形体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物の防火対策上、各種建
材に不燃性を付与する不燃性建材として、水酸化アルミ
ニウム粉体を多量に含有せしめた素材が使用されてい
る。この水酸化アルミニウムを多量に含有せしめた素材
は水酸化アルミニウムの200〜300℃における脱水
吸熱反応によって不燃化が図られている。
【0003】しかるに、水酸化アルミニウムの如き含水
無機化合物を多量に含有せしめた素材は機械的強度が弱
く、表面品位もきわめて乏しいという難点を有してき
た。該不燃性素材の機械的強度等を向上させるには熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいは合成ゴムなどの合成高
分子を含有せしめる方法が考えられるが、該不燃性シ−
ト中に前記した合成高分子を含有せしめた場合その含有
率の増加とともに急激に不燃性能が悪化する。従って、
高度の不燃性を保つためには該不燃性素材中に含有せし
め得る合成高分子の含有量はごく少量にとどめる必要が
あり、この程度の合成高分子含有量では依然として該不
燃性素材の機械的強度あるいは表面的品位はきわめて不
十分なものであった。
【0004】そこで本発明者は、いち早く、特開平5−
112659号公報で含水無機化合物と炭酸塩を特定配
合比率範囲で併用することによる不燃性の向上効果によ
り含有し得る合成高分子の量を増加せしめ、斯かる不燃
性素材の表面からの含水無機化合物の脱落防止を図り、
かつ機械的強度あるいは成形性を改善できることを提案
したところである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、斯かる分野で
の性能向上要求はさらに強いものがあり、より高度の不
燃性を確保するにはシ−ト中の含水無機化合物の含有率
を極端に高くし、かつセルロ−ス繊維あるいは合成高分
子等の有機質物質の含有量をごく少量に抑える必要があ
る。
【0006】また一般に斯かる素材に化粧紙貼合、突板
貼り、表面塗装等の後加工を施して最終製品とすること
が多いが、斯かる加工により不燃性能は劣化することが
多い。従って最終製品の不燃性能を所定レベルに保つた
めに素材単体に対してはさらに高度の不燃性能が求めら
れる。加えて化粧紙貼合、突板貼り、表面塗装等の際、
不燃性素材の表面が平滑でないと接着剤所要量が増えた
り、塗料の塗布量が多く必要となったり、後加工後の表
面がきれいに仕上がらなかったりして、不都合を生ずる
ため、より平滑な表面すなわち高度な表面加工適性が要
求される。
【0007】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、高度の不燃性を有し、かつ機械的強度およ
び表面平滑性に優れた不燃性シ−トまたは不燃性成形体
及びその製造方法を提案することを目的としたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る不燃性シ−
トまたは不燃性成形体は、多量の含水無機化合物を含有
し、その他にセルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態
の熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙そ
の他の製造手段にて得たシ−トと、該シ−トの片面の表
層部もしくは両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状
態の熱硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シー
トを所定形状に熱圧成形して得た不燃性シ−トまたは不
燃性成形体であって、該不燃性シ−トまたは不燃性成形
体は、含水無機化合物を固形分で80〜95重量%、セ
ルロ−ス繊維を固形分で2〜10重量%、無機繊維を固
形分で0.5〜12重量%、熱硬化性樹脂を固形分で1
〜12重量%含有しており、前記表層部の成分は前記多
量の含水無機化合物、セルロ−ス繊維、無機繊維及び熱
硬化性樹脂であって、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量
が、前記不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の0.
2〜4重量%に相当し、かつ前記含有熱硬化性樹脂の総
量の70重量%以下に相当する量であることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明に係る不燃性シ−トまたは不
燃性成形体は、多量の含水無機化合物を含有し、その他
に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の
熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙その
他の製造手段にて得たシ−トと、該シ−トの片面の表層
部もしくは両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状態
の熱硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シート
を所定形状に熱圧成形して得た不燃性シ−トまたは不燃
性成形体であって、該不燃性シ−トまたは不燃性成形体
は、含水無機化合物と炭酸塩を併せて固形分で80〜9
5重量%、セルロ−ス繊維を固形分で2〜10重量%、
無機繊維を固形分で0.5〜12重量%、熱硬化性樹脂
を固形分で1〜12重量%含有し、かつ含水無機化合物
/炭酸塩が固形分重量比で60/40より含水無機化合
物過多側であり、前記表層部の成分は前記多量の含水無
機化合物、炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び熱硬
化性樹脂であって、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量
が、前記不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の0.
2〜4重量%に相当し、かつ前記含有熱硬化性樹脂の総
量の70重量%以下に相当する量であることを特徴とす
る。さらに、本発明に係る不燃性シ−トまたは不燃性成
形体は、多量の含水無機化合物を含有し、その他に炭酸
塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱硬化
性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙して得た多
層抄の内部の紙層と、該内部の紙層の片面もしくは両面
に形成される多量の含水無機化合物を含有し、その他に
炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱
硬化性樹脂を含有し、かつ前記内部の紙層の同厚部位よ
りも表層部の紙層の方が熱硬化性樹脂の含有量が多であ
る前記表層部の紙層とを積層後、圧搾、乾燥し同時に熱
硬化せしめて所定形状に熱圧成形して得た不燃性シ−ト
または不燃性成形体であって、該不燃性シ−トまたは不
燃性成形体は、含水無機化合物と炭酸塩を併せて固形分
で80〜95重量%、セルロ−ス繊維を固形分で2〜1
0重量%、無機繊維を固形分で0.5〜12重量%、熱
硬化性樹脂を固形分で1〜12重量%含有し、かつ含水
無機化合物/炭酸塩が固形分重量比で60/40より含
水無機化合物過多側であり、前記表層部の成分は前記多
量の含水無機化合物、炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊
維及び熱硬化性樹脂であって、該表層部の熱硬化性樹脂
の含有量が、前記不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重
量の0.2〜4重量%に相当し、かつ前記含有熱硬化性
樹脂の総量の70重量%以下に相当する量であることを
特徴とする。さらにまた、本発明に係る不燃性シ−トま
たは不燃性成形体は、多量の含水無機化合物を含有し、
その他に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化
状態の熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄
紙して得た多層抄の内部の紙層と、該内部の紙層の片面
もしくは両面に形成される多量の含水無機化合物を含有
し、その他に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未
硬化状態の熱硬化性樹脂を含有し、かつ前記内部の紙層
の同厚部位よりも表層部の紙層の方が熱硬化性樹脂の含
有量が多である前記表層部の紙層とを積層後、圧搾、乾
燥し同時に熱硬化せしめて所定形状に熱圧成形して得た
不燃性シ−トまたは不燃性成形体であって、該不燃性シ
−トまたは不燃性成形体は、含水無機化合物と炭酸塩を
併せて固形分で80〜95重量%、セルロ−ス繊維を固
形分で2〜10重量%、無機繊維を固形分で0.5〜1
2重量%、熱硬化性樹脂を固形分で1〜12重量%含有
し、かつ含水無機化合物/炭酸塩が固形分重量比で60
/40より含水無機化合物過多側であり、前記表層部の
成分は前記多量の含水無機化合物、炭酸塩、セルロ−ス
繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂であって、該表層部の
熱硬化性樹脂の含有量が、前記不燃性シ−トまたは不燃
性成形体の重量の0.2〜4重量%に相当し、かつ前記
含有熱硬化性樹脂の総量の70重量%以下に相当する量
であることを特徴とする。
【0010】本発明に係る不燃性シ−トまたは不燃性成
形体の製造方法は、多量の含水無機化合物を含有し、そ
の他にセルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱硬
化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙その他の
製造手段でシートを得た後、該シ−トの片面の表層部も
しくは両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状態の熱
硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シートを所
定形状に熱圧成形して不燃性シ−トまたは不燃性成形体
を得、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量が、該シ−トの
重量の0.2〜4重量%に相当し、かつ該シ−ト中の熱
硬化性樹脂の重量の2倍量以下となり、含水無機化合物
を固形分で80〜95重量%、セルロ−ス繊維を固形分
で2〜10重量%、無機繊維を固形分で0.5〜12重
量%、熱硬化性樹脂を固形分で1〜12重量%含有する
不燃性シ−トまたは不燃性成形体を得ることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明に係る不燃性シ−トまたは不
燃性成形体の製造方法は、多量の含水無機化合物を含有
し、その他に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未
硬化状態の熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌
後抄紙その他の製造手段でシートを得た後、該シ−トの
片面の表層部もしくは両面の表層部に更に含有せしめた
未硬化状態の熱硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如
く該シートを所定形状に熱圧成形して不燃性シ−トまた
は不燃性成形体を得、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量
が、該シ−トの重量の0.2〜4重量%に相当し、かつ
該シ−ト中の熱硬化性樹脂の重量の2倍量以下となり、
含水無機化合物と炭酸塩を併せて固形分で80〜95重
量%、セルロ−ス繊維を固形分で2〜10重量%、無機
繊維を固形分で0.5〜12重量%、熱硬化性樹脂を固
形分で1〜12重量%含有し、かつ含水無機化合物/炭
酸塩が固形分重量比で60/40より含水無機化合物過
多側である不燃性シ−トまたは不燃性成形体を得ること
を特徴とする。
【0012】上記した含水無機化合物としては水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
2水和石こう及びアルミン酸化カルシウム等を挙げるこ
とができる。これらの化合物は何れも分子内に結晶水を
持ち化学的に類似した構造を有する。また、含水無機化
合物は、その種類によって分解温度及び吸熱量に幾分差
があるが、高温加熱時に分解して吸熱作用により不燃化
効果を示すという点では全く共通している。従って基本
的に前記した含水無機化合物のいずれを用いてもよいが
入手価格等の経済性をも考慮すると水酸化アルミニウム
が最適である。
【0013】本発明で使用する炭酸塩としては、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸スト
ロンチウム、炭酸ベリリウム、炭酸亜鉛等の中から少な
くとも1種類を選択して使用する。これらの炭酸塩はそ
の種類により分解温度等に幾分差があるが高温加熱時に
分解して吸熱作用により難燃効果を示すという点では全
く共通している。従って、基本的に前記した炭酸塩のい
ずれを用いてもよいが、価格の面から炭酸カルシウムが
最適である。なお炭酸塩配合によるもう1つの重要な効
果として本発明者が特開平5−112659号公報等で
指摘したところの発煙量低減効果を挙げることができ
る。
【0014】本発明に係る不燃性シ−トまたは不燃性成
形体中の含水無機化合物あるいは含水無機化合物と炭酸
塩の合計の含有率範囲は固形分で80〜95重量%であ
る。その含有率が80重量%未満では十分な不燃性が得
られない。反対に95重量%を超えた場合は含水無機化
合物あるいは含水無機化合物と炭酸塩の合計量の過多に
より十分な機械的強度が得られず不適である。また、含
水無機化合物/炭酸塩の含有重量比率は固形分で60/
40よりも含水無機化合物過多側としなければならな
い。60/40よりも含水無機化合物過少側とした場
合、不燃性が低下することがあり不適である。
【0015】上記したセルロ−ス繊維としては、針葉樹
系あるいは広葉樹系の化学パルプ、機械パルプ、セミケ
ミカルパルプ等の木材パルプあるいは木綿パルプ、麻パ
ルプ、各種古紙などの中から選ばれる1種類あるいは2
種類以上を併用して使用すればよい。木材パルプは供給
量及び品質が安定しており価格も比較的安価であること
から最も使いやすいセルロ−ス繊維原料である。木綿パ
ルプ及び麻パルプは供給量が不安定であり価格も高価で
あるが、本発明におけるような含水無機化合物あるいは
含水無機化合物と炭酸塩を多量に含有するシ−トまたは
成形体においては、必要に応じて該木綿パルプあるいは
麻パルプを使用することによりシ−トまたは成形体の機
械的強度の低下を最小限にとどめることができる。
【0016】本発明の不燃性シ−トまたは不燃性成形体
中のセルロ−ス繊維の含有率範囲は固形分で2〜10重
量%好ましくは3〜7重量%である。その含有率が2重
量%未満ではセルロ−ス繊維の過少により十分な抄紙性
あるいは機械的強度が得られず、また10重量%を超え
た場合は有機物質の過多により十分な不燃性を得ること
ができない。
【0017】上記した無機繊維としては、ガラス繊維、
ロックウ−ル繊維、セラミック繊維、炭素繊維などの中
から少なくとも1種類を選択して使用する。本発明の不
燃性シ−トまたは不燃性成形体中の無機繊維の含有率範
囲は固形分で0.5〜12重量%好ましくは1〜8重量
%である。その含有率が0.5重量%未満では不燃性が
不十分となることがあり、12重量%を超えると十分な
抄紙性が得られない。
【0018】上記した熱硬化性樹脂としては、フェノ−
ル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、尿素
メラミン樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂など(繊維状
のものも含む)の中から少なくとも1種類を選択して使
用する。これらの熱硬化性樹脂はその種類により硬化温
度等に幾分差があるが、加熱処理に伴う流動硬化作用に
より不燃性素材に各種成形賦形効果もしくは諸強度の発
現効果または含水無機化合物あるいは炭酸塩の脱落防止
効果、表面強度の向上効果等を与えるという点では全く
共通している。従って、基本的には前記した熱硬化性樹
脂のいずれを用いてもよいが好ましくは使用する熱硬化
性樹脂の硬化温度が併用する含水無機化合物あるいは炭
酸塩の分解温度よりも低くなるようにすべきである。更
に入手価格等の経済性をも考慮するとフェノ−ル樹脂、
メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂が最適である。また本
発明に係る不燃性シ−トまたは不燃性成形体は、表層部
に含有する熱硬化性樹脂と内部に含有する熱硬化性樹脂
の種類を異ならしめ、表層部に含有する熱硬化性樹脂と
して硬化しやすい熱硬化性樹脂を適用してもよい。
【0019】本発明の不燃性シ−トまたは不燃性成形体
中の熱硬化性樹脂の含有率範囲は固形分で1〜12重量
%好ましくは2〜8重量%である。その含有率が1重量
%未満では十分な機械的強度が得られず、また12重量
%を超えた場合は有機物質の過多により十分な不燃性を
得ることができない。また、本発明の不燃性シ−トまた
は不燃性成形体においては、含有する熱硬化性樹脂の内
の該不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の0.2〜
4重量%に相当し、かつ熱硬化性樹脂の総量の70重量
%以下に相当する量が、該不燃性シ−トまたは不燃性成
形体の片面もしくは両面の表層部に含有せしめなければ
ならない。
【0020】表層部に不燃性シ−トまたは不燃性成形体
の重量の0.2〜4重量%に相当し、かつ熱硬化性樹脂
の総量の70重量%以下に相当する量の熱硬化性樹脂を
含有せしめる方法は特に限定しないが、たとえば多量の
含水無機化合物を含有し、その他にセルロ−ス繊維、無
機繊維及び未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有する不燃性
素材の片面もしくは両面に未硬化状態の熱硬化性樹脂の
液状物を塗布あるいは含浸するなどして該不燃性素材の
表層部にしみ込ませてもよいし、未硬化状態の熱硬化性
樹脂のごく薄い膜状物を前記不燃性素材の片面もしくは
両面に当てがい熱プレス等により熱処理して流動せし
め、前記不燃性素材の表層部にしみ込ませると同時に硬
化せしめることも可能である。この場合、表層部に後か
ら含有せしめる熱硬化性樹脂の量は、固形分で、斯かる
処理を施す前のシ−トの重量の0.2〜4重量%で、か
つ該シ−ト中の熱硬化性樹脂の重量の2倍量以下にする
のが好ましい。シ−ト重量の0.2重量%未満では機械
的強度あるいは表面強度、表面平滑性等の向上効果が不
十分となることがあり、4重量%を超えるか、もしくは
シ−ト中の熱硬化性樹脂の重量の2倍量を超えた場合に
は、表層部中の有機物質が過多となって不燃性能が低下
することがある。また、他の方法として、抄紙段階にお
いて、多層抄を適用し、片面もしくは両面の表層部の熱
硬化性樹脂の含有量が本発明で特定する範囲内となるよ
うに内部の紙層と表層部の紙層との原料配合を調整して
もよい。
【0021】また、表層部に含有される熱硬化性樹脂と
内部に含有される熱硬化性樹脂の種類を意図的に変えて
もよい。たとえば、表層部に含有される熱硬化性樹脂と
して硬化しやすい熱硬化性樹脂を適用することにより曲
げ強度あるいは曲げ弾性率などの機械的強度等の一層の
向上を図ることも可能である。本発明の不燃性シ−トま
たは不燃性成形体の片面もしくは両面の表層部に含有さ
れる熱硬化性樹脂の含有量は固形分で該不燃性シ−トま
たは不燃性成形体の重量の0.2〜4重量%の範囲で、
かつ該不燃性シ−トまたは不燃性成形体中に含有される
熱硬化性樹脂の総量の70重量%以下の範囲でなければ
ならない。
【0022】不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の
0.2重量%未満では機械的強度あるいは表面強度、表
面平滑性等の向上効果が不十分となり、4重量%を超え
ると表層部中の有機物質の過多により不燃性能が低下し
やすい。また、不燃性シ−トまたは不燃性成形体中に含
有される熱硬化性樹脂の総量の70重量%を超えるとシ
−トあるいは成形体の内部での熱硬化性樹脂含有量の過
少により内層のはく離強度、内部強度等が不十分とな
る。
【0023】本発明に係る不燃性シ−トまたは不燃性成
形体は、上記配合のもとに含水無機化合物/セルロ−ス
繊維/無機繊維/熱硬化性樹脂あるいは含水無機化合物
/炭酸塩/セルロ−ス繊維/無機繊維/熱硬化性樹脂と
いう構成であればよくその製造方法としては、湿式抄造
法、乾式成形法など任意の方法を適用可能であり、特定
の製造方法に限定するものではないが、以下において、
本発明の当該分野である湿式抄造法を適用した場合を例
にとって製造方法にも言及しながらさらに詳述する。
【0024】本発明に係る不燃性シ−トまたは不燃性成
形体は含水無機化合物または炭酸塩の歩留を向上させる
ための各種歩留向上剤あるいは必要に応じて合成繊維ま
たは着色のための合成染料等と含有していてもよい。ま
た、用途によっては機械的強度もしくは後加工適性の改
善等を図るべく乾燥または湿潤紙力増強剤、サイズ剤、
耐水化剤、撥水剤等を含有せしめるべきことは言うまで
もない。本発明の不燃性シ−トまたは不燃性成形体に熱
硬化性樹脂を含有せしめる方法としては、熱硬化性樹脂
の液状物、繊維状物あるいは粒状物等を原料スラリ−中
に内添したり、紙層形成後あるいは成形後に塗布または
含浸するなどすればよい。
【0025】含水無機化合物または炭酸塩を含有せしめ
る方法としては、含水無機化合物または炭酸塩を含有す
る塗料を基材に塗布あるいは含浸せしめるなどの方法も
考えられるが、所定の含有量を確保し、あるいは厚さ方
向での品質の均一化を図るためには、原料スラリ−中に
含水無機化合物または炭酸塩を粉体状あるいはスラリ−
状にて内添する方法が最も好ましい。この場合、含水無
機化合物、炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び熱硬
化性樹脂の添加方法及び添加順序等は任意であり、必要
に応じて叩解処理等を施してもよい。
【0026】こうして得た原料スラリ−を用いて本発明
に係る不燃性シ−トまたは不燃性成形体を製造するに
は、通常の抄造法及び熱成形法によればよい。すなわち
抄造については長網、円網あるいは傾斜網等の抄造網上
に前記スラリ−を供給し、濾過、脱水した後、圧搾、乾
燥すればよい。また、必要により各種コンビネ−ション
網や、多槽円網及び各種ラミネ−タなどにより紙層を2
層以上重ね合わせてもよい。また熱成形については、従
来慣用の熱圧プレス成形、高周波加熱成形などを単独で
あるいは2種以上組み合わせて適用すればよい。
【0027】さらに、用途によっては、得られた不燃性
シ−トまたは不燃性成形体に各種塗料の吹付けもしくは
塗布あるいは印刷などの表面処理を施したり、化粧紙、
レザ−、合成樹脂模等を貼り合わせるなどして該不燃性
シ−トまたは不燃成形体の付加価値を一段と高めること
ができることは言うまでもない。本発明の不燃性シ−ト
または不燃性成形体は、含水無機化合物または含水無機
化合物と炭酸塩を含有するだけで優れた不燃性を発揮す
るが、従来慣用の難燃剤の使用を妨げるものではない。
併用可能な難燃剤としては、有機リン化合物、含リン含
窒素有機化合物、スルファミン酸グアニジン等のスルフ
ァミン酸塩、無機リン酸塩、含ハロゲン化合物及びアン
チモン系化合物等の公知の難燃剤を挙げることができ
る。また、該難燃剤の使用方法としては原料スラリ−中
に内添せしめるか抄造工程中もしくは抄造後または成形
後に塗布または含浸せしめる等の方法が挙げられる。た
だし、この場合、含水無機化合物または含水無機化合物
と炭酸塩の含有率等を考慮して難燃剤の含有量を定める
べきことは当然である。
【0028】
【作用】本発明の重要点は、特定の組成を有する不燃性
シ−トまたは不燃性成形体の片面もしくは両面の表層部
に所定量の熱硬化性樹脂を含有せしめることにより機械
的強度、表面強度及び表面平滑性等を飛躍的に向上で
き、かつ不燃性をほとんど悪化させない点にある。すな
わち、通常は、本発明のように不燃性素材の表層部に有
機物質である熱硬化性樹脂を含有せしめた場合、強度等
の向上効果を期待できる反面、不燃性能は大きく低下す
るのが一般的である。ところが、各種不燃性素材の表層
部に熱硬化性樹脂を含有せしめて実験を繰り返したとこ
ろ、本発明で特定した不燃性素材の表層部に所定量範囲
で熱硬化性樹脂を含有せしめた場合には、かかる不燃性
能の悪化がほとんど発生しないことをつきとめた。
【0029】このことはきわめて特異な現象である。す
なわち表層部に有機物質である熱硬化性樹脂を含有せし
めて得たシ−トあるいは成形体中の可燃成分の含有率
は、表層部に熱硬化性樹脂を含有せしめる前の不燃性素
材中のそれよりも増大しているはずであるから、当然、
不燃性能は低下すると考えられるからである。特に可燃
成分の所定量が燃焼試験で高温雰囲気に直接さらされ、
最も燃焼しやすい部位である表層部に集中していること
から、一段と顕著に不燃性能が悪化してしかるべきであ
る。それではなぜ本発明の不燃性シ−トあるいは不燃性
成形体の不燃性能が表層部に有機物質である熱硬化性樹
脂を含有せしめても悪化しないのか、その理由について
昭和45年建設省告示第1828号による基材試験結果
に基づき説明する。
【0030】基材試験は約40mm角の試料を約50m
mの高さになるように重ねて試験体とし、この試験体を
所定の高温炉の中に所定時間投入し燃焼せしめる試験で
ある。本発明に係る厚さ約4.5mmの不燃性素材及び
該不燃性素材の両面の表層部に対素材重量で0.5重量
%及び2.1重量%の熱硬化性樹脂を含有せしめた試料
のそれぞれについて、基材試験を実施したところ、炉内
温度上昇はいずれの試験体でもほぼ同程度であり、表層
部中の熱硬化性樹脂の含有率の増加による炉内温度上昇
の増大は認められなかった。すなわち、表層部の熱硬化
性樹脂の含有量を増加せしめても不燃性能は悪化しなか
った。
【0031】それぞれの基材試験終了後の試験体の中央
層に位置する試料の高温雰囲気接触面から試料内部に向
っての燃焼進行状態の観察図を図1、図2及び図3に示
した。図1は表層部に熱硬化性樹脂を含有せしめる前の
不燃性素材の場合を、図2は表層部に含有せしめた熱硬
化性樹脂が対素材重量で0.5重量%の場合を、図3は
表層部に含有せしめた熱硬化性樹脂が対素材重量で2.
1重量%の場合を示す。
【0032】図1、図2及び図3からわかるように、表
層部の熱硬化性樹脂の含有率が増加するとともに黒く炭
化した部分及び薄黒く炭化した部分の面積が増大し、あ
まり変化していない部分の面積が減少する傾向にある。
ただし、全体的に見ればまだかなりの面積があまり変化
していないままであることがわかる。すなわち、不燃性
素材中の主構成要素である含水無機化合物あるいは含水
無機化合物と炭酸塩がまだ十分残存しており、表層部中
の熱硬化性樹脂による不燃性能の悪化をうまく防止でき
ていると思われる。さらに説明を加えれば、表層部中の
熱硬化性樹脂含有率の増加により、黒く炭化した部分と
薄黒く炭化した部分の面積が増加していることから確か
に表層部に燃焼が生じていると判断されるが、この表層
部の燃焼によって発生した熱がまだ素材内部に十分に残
存している含水無機化合物あるいは含水無機化合物と炭
酸塩の熱分解を促進し、その吸熱作用とうまく均衡し優
れた不燃性能が維持されるものと推察される。
【0033】これに対し、不燃性素材が本発明で特定す
るものでない場合には、現象は一変してしまう。例とし
て、含水無機化合物あるいは含水無機化合物と炭酸塩の
含有率を本発明での特定範囲より低くした厚さ約5mm
の不燃性素材及び該不燃性素材の両面の表層部に熱硬化
性樹脂を対素材重量で1.2重量%及び2.1重量%含
有せしめた試料のそれぞれについて、基材試験を実施し
たところ、表層部の熱硬化性樹脂含有量の増加に伴い、
炉内温度上昇が大きくなり不燃性能が悪化した。それぞ
れの基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試料の
燃焼進行状態観察図を図4、図5及び図6に示した。図
4が表層部に熱硬化性樹脂を含有せしめる前の不燃性素
材の場合を、図5は表層部に熱硬化性樹脂を対素材重量
で1.2重量%含有せしめた場合を、図6は表層部に熱
硬化性樹脂を対素材重量で2.1重量%含有せしめた場
合を示す。
【0034】図4、図5及び図6からわかるように表層
部に熱硬化性樹脂を含有せしめる前の不燃性素材の場合
でもあまり変化していない部分は既に存在せず、不燃性
素材中の主構成要素である含水無機化合物あるいは含水
無機化合物と炭酸塩は既にほとんど熱分解してしまって
いると思われる。また、図5及び図6から表層部中の熱
硬化性樹脂含有量の増加により、該表層部の燃焼が一段
と激しくなり、その結果、黒く炭化した部分の面積が大
きく増大しているものと考えられる。そして、この場合
は、不燃性素材内部にはこの表層部の燃焼による熱を受
けても、熱分解による吸熱作用を発揮できる含水無機化
合物あるいは含水無機化合物と炭酸塩が既にほとんど残
っていないため、斯かる表層部の燃焼熱はそのまま炉内
温度上昇要因となり、不燃性能の悪化を来すものと推察
される。
【0035】以上で説明したように、本発明の不燃性シ
−トまたは不燃性成形体が高温雰囲気中に置かれた際、
表層部の燃焼熱によって不燃性素材中に存在する含水無
機化合物あるいは含水無機化合物と炭酸塩の熱分解が促
進され、該シ−トまたは成形体に内包される不燃性能が
きわめて効果的かつ効率的に引き出されるものと考えら
れる。ただし、既に出願した明細書の中で本発明者が指
摘したように不燃性素材の表面に金属板の如き熱伝導率
の大きい面材を固着せしめた場合、該高熱伝導性面材を
通して、試験体内部に熱が急速に伝わり過ぎるため、今
度は不燃性素材中の含水無機化合物あるいは炭酸塩が熱
分解されつくしてしまい、不燃性素材単独であれば燃焼
せずに残る部分をも燃焼せしめるに至る結果、不燃性能
は大きく低下することも確認している。従って、本発明
の効果は、不燃性素材中の含水無機化合物あるいは含水
無機化合物と炭酸塩の熱分解特性と表層部の燃焼熱との
因果関係の絶妙なバランスの基に発現するきわめて特異
な相乗効果であると言えよう。
【0036】また、本発明の不燃性シ−トまたは不燃性
成形体の機械的強度、表面強度及び表面平滑性等の向上
効果の発現機構は主に表層部に含有される熱硬化性樹脂
に起因すると思われるが、斯かる効果は、素材中の熱硬
化性樹脂と表層部中の熱効果性樹脂を同時に熱硬化せし
めることでより強力に発揮される。すなわち、本発明に
係る不燃性素材の場合、内部での熱硬化性樹脂の含有率
はきわめて低く、なかなか硬化しにくいが、表層部には
内部よりは多くの熱硬化性樹脂が含有されているため内
部よりは硬化しやすい。従って、内部と表層部中の熱硬
化性樹脂を同時に熱硬化せしめることによりまず硬化し
やすい表層部中の熱硬化性樹脂が硬化しはじめ、これが
内部の熱硬化性樹脂の硬化を誘発、促進して全体として
より強く硬化反応を進行せしめることが可能である。
【0037】
【実施例】次に本発明を以下の実施例に基づいてさらに
具体的に説明する。本実施例中の各項目の測定は次の方
法によった。 厚さ及び密度;JIS P−8118による。 不燃性1(炉内温度上昇);昭和45年建設省告示第
1828号の基材試験による。 不燃性2(発煙係数);昭和45年建設省告示第18
28号の表面試験による。 曲げ強度;JIS A−5907による。 曲げ弾性率;前記した曲げ強度の測定で得た荷重−た
わみ曲線の直線部分のこう配より、JIS K−720
3で規定する弾性率の算定式に従って求めた。 表面強度;JIS P−8129による。 表面平滑度;JIS P−8119による。 粉落ち性;シ−トの表面を黒色紙でこすり黒色紙への
脱落粉体の付着状況によりほとんど粉落ちを認めない場
合を◎、多量の粉落ちを認めた場合を×とし、その中間
は、粉落ちの程度により粉落ちの少ない方から○、○〜
△、△で示した。
【0038】実施例1 市販の針葉樹系未晒硫酸塩パルプとガラス繊維(繊維径
3μmである。以下同じ)を離解機にて離解して得たセ
ルロ−ス繊維とガラス繊維の混合分散液の所定量を取
り、これに水酸化アルミニウム粉体(平均粒径5.7μ
mである。以下同じ)及び粉体状フェノ−ル樹脂(平均
粒子径30μmである。以下同じ)を添加し、撹拌機に
て十分に分散混合後、角型テスト抄紙機にて抄紙し、圧
搾、乾燥して得たシ−トの両面に液状フェノ−ル樹脂
(前記した粉体状フェノ−ル樹脂よりも硬化しやすいも
のである。以下同じ)を塗布し、該シ−トの表層部に前
記液状フェノ−ル樹脂の一部をしみ込ませた後、熱プレ
スにて加熱処理(温度200℃、圧力60kg/cm
2 、時間20分)して、該シ−トの内部の粉体状フェノ
−ル樹脂を流動及び硬化せしめると同時に前記シ−トの
表層部に含有する粉体状フェノ−ル樹脂と液状フェノ−
ル樹脂及び表面に残存する液状フェノ−ル樹脂を流動及
び硬化せしめることにより、内部及び表層部にそれぞれ
所定量の熱硬化性樹脂を含有するシ−トAを得た。シ−
トAについて、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚
さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性
率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定
し、その結果を表1に示した。
【0039】実施例2 実施例1において、液状フェノ−ル樹脂に代えて液状メ
ラミン樹脂を塗布した以外は実施例1と同様にしてシ−
トBを得た。シ−トBについて、各成分の含有率を表1
に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲げ
強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち性
をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0040】実施例3 実施例1において、さらに炭酸カルシウム(平均粒径
1.5μmである。以下同じ)を添加した以外は実施例
1と同様にしてシ−トCを得た。シ−トCについて、各
成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性
1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面
平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その結果を表1
に示した。
【0041】実施例4 実施例3において、液状フェノ−ル樹脂に代えて、液状
メラミン樹脂を塗布した以外は実施例3と同様にしてシ
−トDを得た。シ−トDについて、各成分の含有率を表
1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲
げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち
性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0042】実施例5 実施例3において、各成分の添加量を変化させた以外
は、実施例3と同様にして、シ−トEを得た(ただし、
熱プレス条件は温度175℃、圧力20kg/cm2
時間5分とした。)。シ−トEについて、各成分の含有
率を表1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性
2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び
粉落ち性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0043】実施例6 実施例5において、液状フェノ−ル樹脂に代えて、液状
メラミン樹脂を塗布した以外は実施例5と同様にしてシ
−トFを得た。シ−トFについて、各成分の含有率を表
1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲
げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち
性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0044】実施例7 実施例3において、各成分の添加量を変化させた以外
は、実施例3と同様にしてシ−トGを得た。シ−トGに
ついて、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密
度、不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面
強度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その
結果を表1に示した。
【0045】実施例8 実施例4において、各成分の添加量を変化させた以外
は、実施例4と同様にしてシ−トHを得た。シ−トHに
ついて、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密
度、不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面
強度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その
結果を表1に示した。
【0046】実施例9 実施例5において、水酸化アルミニウム粉体に代えて、
水酸化マグネシウム粉体(平均粒子径10μmである。
以下同じ)を用いた以外は実施例5と同様にしてシ−ト
Iを得た。シ−トIについて、各成分の含有率を表1に
示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲げ強
度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち性を
それぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0047】実施例10 実施例9について、液状フェノ−ル樹脂に代えて、液状
メラミン樹脂を塗布した以外は実施例9と同様にしてシ
−トJを得た。シ−トJについて、各成分の含有率を表
1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲
げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち
性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0048】実施例11 市販の針葉樹系未晒硫酸塩パルプとガラス繊維をパルパ
−にて離解し、これに水酸化アルミニウム粉体、粉体状
フェノ−ル樹脂及び炭酸カルシウムを添加し十分に分散
混合後、長網/ワインドアップロ−ル構成の巻取板紙抄
紙機にて紙層を30層積層させて抄造し、圧搾、乾燥し
て得たシ−トの両面に液状フェノ−ル樹脂を塗布し、該
シ−トの表層部に前記液状フェノ−ル樹脂の一部をしみ
込ませた後、熱プレスにて加熱処理(温度200℃、圧
力60kg/cm2 、時間20分)して、該シ−トの内
部の粉体状フェノ−ル樹脂を流動及び硬化せしめると同
時に前記シ−トの表層部に含有する粉体状フェノ−ル樹
脂と液状フェノ−ル樹脂及び表面に残存する液状フェノ
−ル樹脂を流動及び硬化せしめることにより、内部及び
表層部にそれぞれ所定量の熱硬化性樹脂を含有するシ−
トKを得た。シ−トKについて、各成分の含有率を表1
に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲げ
強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち性
をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0049】実施例12 実施例11において、液状フェノ−ル樹脂に代えて、液
状メラミン樹脂を塗布した以外は実施例11と同様にし
てシ−トLを得た。シ−トLについて、各成分の含有率
を表1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性
2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び
粉落ち性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0050】比較例1 実施例1において、液状フェノ−ル樹脂を塗布しない以
外は実施例1と同様にしてシ−トMを得た。シ−トMに
ついて、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密
度、不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面
強度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その
結果を表1に示した。
【0051】比較例2 実施例3において、液状フェノ−ル樹脂を塗布しない以
外は実施例3と同様にしてシ−トNを得た。シ−トNに
ついて、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密
度、不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面
強度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その
結果を表1に示した。
【0052】比較例3 比較例2において各成分の添加量を変化させた以外は比
較例2と同様にしてシ−トOを得た。シ−トOについ
て、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密度、
不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面強
度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その結
果を表1に示した。
【0053】比較例4 実施例5において液状フェノ−ル樹脂を塗布しない以外
は実施例5と同様にしてシ−トPを得た。シ−トPにつ
いて、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密
度、不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面
強度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その
結果を表1に示した。
【0054】比較例5 比較例4において、各成分の添加量を変化させた以外は
比較例4と同様にしてシ−トQを得た。シ−トQについ
て、各成分の含有率を表1に示すと共に、厚さ、密度、
不燃性1、不燃性2、曲げ強度、曲げ弾性率、表面強
度、表面平滑性及び粉落ち性をそれぞれ測定し、その結
果を表1に示した。
【0055】比較例6 比較例4において、各成分の添加量を変化させた以外は
比較例4と同様にしてシ−トRを得た(ただし、熱プレ
ス条件は、温度175℃、圧力10kg/cm2 、時間
5分とした。)。シ−トRについて、各成分の含有率を
表1に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、
曲げ強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落
ち性をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0056】比較例7 比較例6において、抄紙し、圧搾、乾燥して得たシ−ト
の両面に液状フェノ−ル樹脂を塗布し、その表層部に前
記液状フェノ−ル樹脂の一部をしみこませた後、熱プレ
スにて加熱処理した以外は比較例6と同様にしてシ−ト
Sを得た。シ−トSについて、各成分の含有率を表1に
示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲げ強
度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち性を
それぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0057】比較例8 比較例7において、液状フェノ−ル樹脂に代えて液状メ
ラミン樹脂を塗布した以外は比較例7と同様にしてシ−
トTを得た。シ−トTについて、各成分の含有率を表1
に示すと共に、厚さ、密度、不燃性1、不燃性2、曲げ
強度、曲げ弾性率、表面強度、表面平滑性及び粉落ち性
をそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】実施例13 実施例3で得た熱プレス前のシ−ト(両面に液状フェノ
−ル樹脂を塗布し、その表層部に前記液状フェノ−ル樹
脂の一部をしみ込ませたもの)を用いて金型による曲げ
成形(金型温度200℃、圧力60kg/cm2 、時間
20分)を行い、該シ−トの内部の粉体状フェノ−ル樹
脂を流動及び硬化せしめると同時に前記シ−トの表層部
に含有する粉体状フェノ−ル樹脂と液状フェノ−ル樹脂
及び表面に残存する液状フェノ−ル樹脂を流動及び硬化
せしめることにより、内部及び表層部にそれぞれ所定量
の熱硬化性樹脂を含有し、かつ実施例3で得たシ−トC
と同様な表面性を有する良好な曲げ成形体を得た。得ら
れた成形体6の形状(ただし、厚さは約4mm)を図7
に示す。
【0060】実施例14 実施例4で得た熱プレス前のシ−ト(両面に液状メラミ
ン樹脂を塗布し、その表層部に前記液状メラミン樹脂の
一部をしみ込ませたもの)を用いて実施例13と同様に
して金型による曲げ成形を行い、内部及び表層部にそれ
ぞれ所定量の熱硬化性樹脂を含有し、かつ実施例4で得
たシ−トDと同様な表面性を有し、図7と同様な形状の
良好な曲げ成形体6(ただし、厚さは約4mm)を得
た。
【0061】実施例15 実施例5で得た熱プレス前のシ−ト(両面に液状フェノ
−ル樹脂を塗布し、その表層部に前記液状フェノ−ル樹
脂の一部をしみ込ませたもの)を用いて金型による曲げ
成形(金型温度175℃、圧力20kg/cm2 、時間
5分)を行い、該シ−トの内部の粉体状フェノ−ル樹脂
を流動及び硬化せしめると同時に前記シ−トの表層部に
含有する粉体状フェノ−ル樹脂と液状フェノ−ル樹脂及
び表面に残存する液状フェノ−ル樹脂を流動及び硬化せ
しめることにより、内部及び表層部にそれぞれ所定量の
熱硬化性樹脂を含有し、かつ実施例5で得たシ−トEと
同様な表面性を有する良好な曲げ成形体6を得た。得ら
れた成形体6の形状(ただし、厚さは約3.5mm)を
図8に示す。
【0062】実施例16 実施例6で得たまだ両面に液状メラミン樹脂を塗布して
いない熱プレス前のシ−トを3枚重ねて得た積層体の両
面に実施例6と同様にして液状メラミン樹脂を塗布し、
該積層体の表層部に前記液状メラミン樹脂の一部をしみ
込ませた後、金型による積層曲げ成形(金型温度175
℃、圧力20kg/cm2 ,時間15分)を行い、該積
層体の内部の粉体状フェノ−ル樹脂を流動及び硬化せし
めると同時に前記積層体の表層部に含有する粉体状フェ
ノ−ル樹脂と液状メラミン樹脂及び表面に残存する液状
メラミン樹脂を流動及び硬化せしめることにより、内部
及び表層部にそれぞれ所定量の熱硬化性樹脂を含有する
とともに、3層が強固に固着一体化し、かつ実施例6で
得たシ−トFと同様な表面性を有する良好な積層曲げ成
形体6を得た。得られた成形体6の形状(ただし、厚さ
は約10mm)を図9に示す。
【0063】比較例9 実施例5において粉体状フェノ−ル樹脂を配合しない以
外は実施例5と同様にして得た熱プレス前のシ−ト(両
面に液状フェノ−ル樹脂を塗布し、その表層部に前記液
状フェノ−ル樹脂の一部をしみ込ませたもの)を用い実
施例15と同様にして金型による曲げ成形を行ったが、
割れが発生し、成形体の形状保持性も不良で良好な曲げ
成形体を得ることができなかった。
【0064】比較例10 実施例3で得たまだ両面に液状フェノ−ル樹脂を塗布し
ていない熱プレス前のシ−トを用い両面に液状フェノ−
ル樹脂を塗布しないまま実施例13と同様にして金型に
よる曲げ成形を行った。得られた曲げ成形体の表面は粉
っぽく表面平滑性も不十分であった。
【0065】比較例11 実施例6において、粉体状フェノ−ル樹脂を配合しない
以外は実施例6と同様にして得たまだ両面に液状メラミ
ン樹脂を塗布していない熱プレス前のシ−トを3枚重ね
て得た積層体の両面に実施例6と同様にして液状メラミ
ン樹脂を塗布し、該積層体の表層部に前記液状メラミン
樹脂の一部をしみ込ませた後、実施例16と同様にして
金型による積層曲げ成形を行ったが、3層が固着せず割
れも発生し、良好な積層曲げ成形体を得ることができな
かった。
【0066】
【発明の効果】上記実施例1〜16、比較例1〜11、
表1及び図1〜図9からわかるように、本発明に係る不
燃性シ−トまたは不燃性成形体は、含水無機化合物/セ
ルロ−ス繊維/無機繊維/熱硬化性樹脂あるいは含水無
機化合物/炭酸塩/セルロ−ス繊維/無機繊維/熱硬化
性樹脂という構成で各成分を特定量含有し、かつ熱硬化
性樹脂の内の所定量を表層部に含有するので、高度の不
燃性を有し、かつ曲げ強度、曲げ弾性率、表面強度とい
った機械的強度に優れ、また表面からの粒落ちが少なく
表面平滑性の良好な不燃性シ−トまたは不燃性成形体が
得られる。
【0067】比較例1と実施例1、2を、比較例2、3
と実施例3、4を、比較例4、5と実施例5、6をそれ
ぞれ比較すればわかるように、本発明で特定した不燃性
素材の表層部に特定量の熱硬化性樹脂を含有せしめるこ
とにより、シ−トあるいは成形体の組成を均一に保った
まま熱硬化性樹脂の含有率を増大させた場合に比べ曲げ
強度は20〜30%向上し、曲げ弾性率は2〜3倍に、
表面平滑性は2〜8倍に向上するとともに表面強度も大
きく向上し表面からの粉落ちも減少せしめることができ
る。
【0068】また、シ−トあるいは成形体中の組成を均
一に保ったまま熱硬化性樹脂の含有率を増大させた場
合、発煙係数が約2倍に悪化し、炉内温度上昇も10〜
20℃程度増大し不燃性能が大きく悪化する。また、本
発明で特定した不燃性素材に、従来の不燃性化粧板に適
応されるものと同様の例えば化粧紙の張付け、塗装、吹
付け、合成樹脂系フィルムのオ−バ−レイなどの表面化
粧を適用した場合も不燃性能の悪化は避けられない。こ
れに対して、本発明で特定した不燃性素材の表層部に本
発明で特定した範囲で熱硬化性樹脂を含有せしめた場
合、シ−トあるいは成形体中の熱硬化性樹脂の総含有率
が増大し、かつ可燃成分の所定量が燃焼試験で高温雰囲
気に直接さらされ最も燃焼しやすい部位である表層部に
集中しているにもかかわらず、発煙性、炉内温度上昇は
共にほとんど変化せず、高度の不燃性を確保できるとい
う特異な効果を発揮する。
【0069】斯かる不燃性に関する特異な効果は、本発
明で特定した不燃性素材に特有のものであり、構成ある
いは各成分の含有率等が本発明で特定する範囲外のもの
である場合には得られない。たとえば、比較例6、7、
8を比較すればわかるように不燃性素材中の各成分の含
有率を本発明で特定した範囲よりも少し有機物質過多側
に変移させた場合は、表層部に所定量の熱硬化性樹脂を
含有せしめることにより、曲げ強度、曲げ弾性率、表面
強度等を向上せしめ得るものの、発煙量が増大するとと
もに炉内温度上昇も大幅に増大し、高度の不燃性を確保
することができなかった。
【0070】加えて、本発明の不燃性シ−トあるいは不
燃性成形体は表層部以外の内層部にも所定量の熱硬化性
樹脂を含有せしめることとしたので、2層以上のシ−ト
を熱圧成形等により強固に固着一体化することができる
ばかりか、わん曲形状、L字形状等の各種形状をした、
高度の不燃性を有し、かつ機械的強度あるいは表面平滑
性に優れ、さらに表面からの粉落ちも少ない不燃性シ−
トまたは不燃性成形体を容易に得ることができる。ちな
みに、従来より珪酸カルシウム板、石こうボ−ド、石綿
セメントパ−ライト板等の不燃性基材に化粧紙の張付
け、塗装、吹付け、合成樹脂系フィルムのオ−バ−レイ
などの表面化粧を施した化粧板が広く使用されている
が、斯かる化粧板は、表面に有機質化粧層が存在するた
めに、表面化粧を施す前の基材に比べ不燃性能がかなり
悪化するとともに、製品形状は一般に平板のみで、本発
明の実施例に示したようなわん曲形状、L字形状あるい
は積層わん曲成形などに対応できなかった。
【0071】また、本発明は表層部に含有する熱硬化性
樹脂と内部に含有する熱硬化性樹脂の種類を異ならし
め、表層部に含有する熱硬化性樹脂は硬化しやすい熱硬
化性樹脂を適用することにより、曲げ強度あるいは曲げ
弾性率などの機械的強度等の一層の向上を図ることがで
きる。
【0072】さらに本発明の不燃性シ−トあるいは不燃
性成形体の製造方法は、シ−ト中に初めから含有されて
いた熱硬化性樹脂と該シ−トの表層部に後から含有せし
めた熱硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめるようにした
ので、表層部および内層部のそれぞれに所定量の熱硬化
性樹脂を含有せしめることが容易となり、シ−トを熱圧
成形等により強固に固着一体化した不燃性シ−トまたは
不燃性成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試
料の燃焼進行状態の観察図であり、表層部に熱硬化性樹
脂を含有せしめる前の不燃性素材の場合を示す。
【図2】基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試
料の燃焼進行状態の観察図であり、表層部に含有せしめ
た熱硬化性樹脂が対素材重量で0.5重量%の場合を示
す。
【図3】基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試
料の燃焼進行状態の観察図であり、表層部に含有せしめ
た熱硬化性樹脂が対素材重量で2.1重量%の場合を示
す。
【図4】基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試
料の燃焼進行状態の観察図であり、表層部に熱硬化性樹
脂を含有せしめる前の不燃性素材の場合を示す。
【図5】基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試
料の燃焼進行状態の観察図であり、表層部に熱硬化性樹
脂を対素材重量で1.2重量%含有せしめた場合を示
す。
【図6】基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試
料の燃焼進行状態の観察図であり、表層部に熱硬化性樹
脂を対素材重量で2.1重量%含有せしめた場合を示
す。
【図7】本発明により得られたわん曲形状を示す曲げ成
形体の斜視図である。
【図8】本発明により得られたL字形状を示す曲げ成形
体の斜視図である。
【図9】本発明によって得られたわん曲形状を示す積層
曲げ成形体の斜視図である。
【符号の説明】
1 基材試験終了後の試験体の中央層に位置する試料 2 白く灰化した部分 3 黒く炭化した部分 4 薄黒く炭化した部分 5 あまり変化していない部分 6 成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04B 1/94 E04B 1/94 U // C08L 101:00 C08L 101:00 (56)参考文献 特開 平6−158584(JP,A) 特開 平5−112659(JP,A) 特開 平3−43561(JP,A) 特開 平2−47396(JP,A) 特開 昭57−95455(JP,A) 特開 昭59−114050(JP,A) 特開 昭51−20980(JP,A) 特開 昭59−223400(JP,A) 実開 昭60−19428(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08L 101/00 B32B 5/02 E04B 1/94

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多量の含水無機化合物を含有し、その他
    にセルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱硬化性
    樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙その他の製造
    手段にて得たシ−トと、該シ−トの片面の表層部もしく
    は両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状態の熱硬化
    性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シートを所定形
    状に熱圧成形して得た不燃性シ−トまたは不燃性成形体
    であって、該不燃性シ−トまたは不燃性成形体は、含水
    無機化合物を固形分で80〜95重量%、セルロ−ス繊
    維を固形分で2〜10重量%、無機繊維を固形分で0.
    5〜12重量%、熱硬化性樹脂を固形分で1〜12重量
    %含有しており、前記表層部の成分は前記多量の含水無
    機化合物、セルロ−ス繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂
    であって、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量が、前記
    燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の0.2〜4重量
    %に相当し、かつ前記含有熱硬化性樹脂の総量の70重
    量%以下に相当する量であることを特徴とする不燃性シ
    −トまたは不燃性成形体。
  2. 【請求項2】 多量の含水無機化合物を含有し、その他
    に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の
    熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙その
    他の製造手段にて得たシ−トと、該シ−トの片面の表層
    部もしくは両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状態
    の熱硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シート
    を所定形状に熱圧成形して得た不燃性シ−トまたは不燃
    性成形体であって、該不燃性シ−トまたは不燃性成形体
    は、含水無機化合物と炭酸塩を併せて固形分で80〜9
    5重量%、セルロ−ス繊維を固形分で2〜10重量%、
    無機繊維を固形分で0.5〜12重量%、熱硬化性樹脂
    を固形分で1〜12重量%含有し、かつ含水無機化合物
    /炭酸塩が固形分重量比で60/40より含水無機化合
    物過多側であり、前記表層部の成分は前記多量の含水無
    機化合物、炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び熱硬
    化性樹脂であって、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量
    が、前記不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の0.
    2〜4重量%に相当し、かつ前記含有熱硬化性樹脂の総
    量の70重量%以下に相当する量であることを特徴とす
    る不燃性シ−トまたは不燃性成形体。
  3. 【請求項3】 多量の含水無機化合物を含有し、その他
    にセルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱硬化性
    樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙して得た多層
    抄の内部の紙層と、該内部の紙層の片面もしくは両面に
    形成される多量の含水無機化合物を含有し、セルロ−ス
    繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有
    し、かつ前記内部の紙層の同厚部位よりも表層部の紙層
    の方が熱硬化性樹脂の含有量が多である前記表層部の紙
    層とを積層後、圧搾、乾燥し同時に熱硬化せしめて所定
    形状に熱圧成形して得た不燃性シ−トまたは不燃性成形
    体であって、該不燃性シ−トまたは不燃性成形体は、含
    水無機化合物を固形分で80〜95重量%、セルロ−ス
    繊維を固形分で2〜10重量%、無機繊維を固形分で
    0.5〜12重量%、熱硬化性樹脂を固形分で1〜12
    重量%含有しており、前記表層部の成分は前記多量の含
    水無機化合物、セルロ−ス繊維、無機繊維及び熱硬化性
    樹脂であって、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量が、前
    記不燃性シ−トまたは不燃性成形体の重量の0.2〜4
    重量%に相当し、かつ前記含有熱硬化性樹脂の総量の7
    0重量%以下に相当する量であることを特徴とする不燃
    性シ−トまたは不燃性成形体。
  4. 【請求項4】 多量の含水無機化合物を含有し、その他
    に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の
    熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙して
    得た多層抄の内部の紙層と、該内部の紙層の片面もしく
    は両面に形成される多量の含水無機化合物を含有し、そ
    の他に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状
    態の熱硬化性樹脂を含有し、かつ前記内部の紙層の同厚
    部位よりも表層部の紙層の方が熱硬化性樹脂の含有量が
    多である前記表層部の紙層とを積層後、圧搾、乾燥し同
    時に熱硬化せしめて所定形状に熱圧成形して得た不燃性
    シ−トまたは不燃性成形体であって、該不燃性シ−トま
    たは不燃性成形体は、含水無機化合物と炭酸塩を併せて
    固形分で80〜95重量%、セルロ−ス繊維を固形分で
    2〜10重量%、無機繊維を固形分で0.5〜12重量
    %、熱硬化性樹脂を固形分で1〜12重量%含有し、か
    つ含水無機化合物/炭酸塩が固形分重量比で60/40
    より含水無機化合物過多側であり、前記表層部の成分は
    前記多量の含水無機化合物、炭酸塩、セルロ−ス繊維、
    無機繊維及び熱硬化性樹脂であって、該表層部の熱硬化
    性樹脂 の含有量が、前記不燃性シ−トまたは不燃性成形
    体の重量の0.2〜4重量%に相当し、かつ前記含有熱
    硬化性樹脂の総量の70重量%以下に相当する量である
    ことを特徴とする不燃性シ−トまたは不燃性成形体。
  5. 【請求項5】 含水無機化合物は水酸化アルミニウム、
    水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、2水和石こう
    及びアルミン酸化カルシウムの中から選ばれた少なくと
    も1種類からなる請求項1、2、3または4記載の不燃
    性シ−トまたは不燃性成形体。
  6. 【請求項6】 熱硬化性樹脂はフェノ−ル樹脂、メラミ
    ン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、尿素メラミン樹脂及
    び不飽和ポリエステル樹脂の中から選ばれた少なくとも
    1種類からなる請求項1、2、3、4または5記載の不
    燃性シ−トまたは不燃性成形体。
  7. 【請求項7】 表層部に含有する熱硬化性樹脂と内部に
    含有する熱硬化性樹脂の種類が異なり、表層部に含有す
    る熱硬化性樹脂は硬化しやすい熱硬化性樹脂である請求
    項1、2、3、4、5または6記載の不燃性シ−トまた
    は不燃性成形体。
  8. 【請求項8】 炭酸塩は炭酸カルシウムである請求項
    2、4、5、6または7記載の不燃性シ−トまたは不燃
    性成形体。
  9. 【請求項9】 無機繊維はガラス繊維、ロックウ−ル繊
    維、及びセラミック繊維の中から選ばれた少なくとも1
    種類からなる請求項1、2、3、4、5、6、7または
    記載の不燃性シ−トまたは不燃性成形体。
  10. 【請求項10】 2層以上の紙層の積層体からなる請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃
    性シ−トまたは不燃性成形体。
  11. 【請求項11】 多量の含水無機化合物を含有し、その
    他にセルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態の熱硬化
    性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙その他の製
    造手段でシートを得た後、該シ−トの片面の表層部もし
    くは両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状態の熱硬
    化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シートを所定
    形状に熱圧成形して不燃性シ−トまたは不燃性成形体を
    得、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量が、該シ−トの重
    量の0.2〜4重量%に相当し、かつ該シ−ト中の熱硬
    化性樹脂の重量の2倍量以下となり、含水無機化合物を
    固形分で80〜95重量%、セルロ−ス繊維を固形分で
    2〜10重量%、無機繊維を固形分で0.5〜12重量
    %、熱硬化性樹脂を固形分で1〜12重量%含有する不
    燃性シ−トまたは不燃性成形体を得ることを特徴とする
    不燃性シ−トまたは不燃性成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】 多量の含水無機化合物を含有し、その
    他に炭酸塩、セルロ−ス繊維、無機繊維及び未硬化状態
    の熱硬化性樹脂を含有する混合物を分散、攪拌後抄紙そ
    の他の製造手段でシートを得た後、該シ−トの片面の表
    層部もしくは両面の表層部に更に含有せしめた未硬化状
    態の熱硬化性樹脂とを同時に熱硬化せしめる如く該シー
    トを所定形状に熱圧成形して不燃性シ−トまたは不燃性
    成形体を得、該表層部の熱硬化性樹脂の含有量が、該シ
    −トの重量の0.2〜4重量%に相当し、かつ該シ−ト
    中の熱硬化性樹脂の重量の2倍量以下となり、含水無機
    化合物と炭酸塩を併せて固形分で80〜95重量%、セ
    ルロ−ス繊維を固形分で2〜10重量%、無機繊維を固
    形分で0.5〜12重量%、熱硬化性樹脂を固形分で1
    〜12重量%含有し、かつ含水無機化合物/炭酸塩が固
    形分重量比で60/40より含水無機化合物過多側であ
    る不燃性シ−トまたは不燃性成形体を得ることを特徴と
    する不燃性シ−トまたは不燃性成形体の製造方法。
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