JP4866508B2 - 光学用成形材料の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、成形性を改善した光学用成形材料の製造方法に関する。さらに詳しくは、スタンパー形状に対する精密転写性に優れ、ハイサイクル成形で使用される高温成形において、極めて熱安定性に優れ、且つ、長期に渡って高い信頼性を維持できる光学用成形材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性等が優れていることから、エンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されている。特にビスフェノールAを二価フェノール成分として得られたポリカーボネート樹脂は、透明性に優れることから光学材料、なかでも光ディスク基板の材料として好適に使用されている。しかし、近年、光ディスクは、高記録密度、薄肉化が急激に進行しており、高記録密度化の手法としては、グルーブもしくはピットの間隔、すなわちトラックピッチを狭めてトラック方向の記録密度を高めるものである。具体的にはコンパクトディスク(CD)からデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)への高記録密度化にあってはトラックピッチを1.6μmから0.74μmへと狭めることによりトラック方向の記録密度を約2倍に高めている。一方、その成形においても高速サイクル化されていることもあいまって、高記録密度化された光ディスクでは従来のポリカーボネート樹脂はその成形性、なかでも転写精度について必ずしも充分満足すべきものではなかった。
【0003】
そこで、転写精度を向上させるため、成形機のシリンダー温度を380℃程度、金型温度を120℃程度まで高くする必要があった。
しかしながら、成形温度を高くし、かつ成形サイクルを高速化すると金型から取り出す際、離型不良が生じ、ピットやグルーブの形状の変形が生じ、転写精度が低下するという問題が発生する。
【0004】
また、高流動性を付与するためにポリカーボネート樹脂中に低分子量体を多く含有させる方法(特開平9−208684号公報、特開平11−1551号公報など)、あるいは特定の長鎖アルキルフェノールを末端停止剤として使用する方法(特開平11−269260号公報など)が提案されている。しかし、この低分子量体の含有量を増加する方法、あるいは、長鎖アルキルフェノールによる末端基の改変方法は、一般に熱安定性の低下が大きく、したがって、成形時に熱分解を促進する結果、ディスク基板の機械的強度が著しく低下して、金型からの突出し力により基板の割れを生じたり、また光ディスク基板の取り扱い時にも基板の破損が起こることになる。
【0005】
そこで本発明者らは、従来の2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]を二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、“PC−A”と略称することがある)と比較して、下記式[I]
【0006】
【化2】
【0007】
(但し、式中R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を示す)
で表される化合物(以下、“ビスフェノールM”と略称することがある)を二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂は、非常に流動性が高いことを利用して、ディスク成形の過程で発生する表面層に高流動性を付与してスタンパー形状に対する高精密転写を実現することを試みた。
【0008】
ビスフェノールMの利用については、ビスフェノールAとビスフェノールMとを二価フェノール成分として得られた共重合ポリカーボネート樹脂が提案されている(特許第2552121号明細書参照)。この共重合ポリカーボネート樹脂は、樹脂自体により流動性を制御することにならざるを得ないためか、適当な流動性を付与するためには非常に多くの割合のビスフェノールMを共重合することが必要であり、その結果ガラス転移温度の低下が著しくなり光学用成形材料としては全く不適当なものとなる。
また、ポリカーボネート樹脂は、長期間にわたり高温、高湿下に放置すると基板に微小な白点が発生し、長期信頼性が損なわれるという欠点があった。さらに、ポリカーボネート内含有不純物により、上記光ディスクや磁気ディスクなどのディスク基板上に形成された記録膜が腐食されることによっても、長期信頼性が損なわれるという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、光記録媒体、とりわけ高密度記録媒体の成形において、スタンパー形状に対する高精密転写性に好適であり、またハイサイクル成形で使用される高温成形に対しても、極めて熱安定性に優れ、且つ、長期に渡って高い信頼性を維持できる光学用ディスクが得られる、ポリカーボネート樹脂光学用成形材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成せんと鋭意研究を重ねた結果、熱安定性を損なう事なく、流動性を向上させるためにビスフェノールMを二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−M)の利用が有効であることを見出した。
【0010】
すなわち、従来から光ディスク基板として一般的に使用されているビスフェノールAを二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−A)に、前記PC−Mを特定割合配合して得られた混合樹脂組成物は、スタンパー形状に対する精密転写性に優れ、且つハイサイクル成形で使用される高温成形において極めて熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂光学用成形材料が得られることを見出した。
また、ポリカーボネート樹脂内の総塩素含有量を低減することにより、ポリカーボネート樹脂よりなる基板の劣化や基板上に形成された記録膜の腐食を極めて有効に制御し、長期に渡って高い信頼性を維持できる光学用ディスクが得られることを見出した。本発明はこの知見に基づき完成したものである。
【0011】
本発明によれば、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−A)と下記式[I]
【0012】
【化3】
【0013】
(R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を示す。R1〜R4は、好ましくは水素原子またはメチル基、特に好ましくは水素原子である。)
で表される化合物を二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−M)とを含有する光学用成形材料を製造する方法であって、
PC−Aを良溶媒に溶解させた溶液と、PC−Mを良溶媒に溶解させた溶液とを、PC−Aが70〜90重量部、PC−Mが10〜30重量部となるように混合した後、造粒し、ペレット化することを特徴とする総塩素含有量が20ppm以下の光学用成形材料の製造方法が提供される。
【0014】
本発明における「高精密転写性」とは、透明熱可塑性樹脂成形材料を用いて射出成形により光ディスク基板を製造した場合に、スタンパーに刻印された微細な凹凸形状を通常の成形条件で忠実に転写することができる性質のことである。
また、本発明における「総塩素」とは、重合時に使用してポリカーボネート樹脂中に残存している塩化メチレンなどの塩素化炭化水素、ホスゲンに由来するようなポリカーボネート樹脂原料と反応してできた塩素化物などの、無機性および有機性に関わらず塩素を含む全ての化合物および遊離塩素の総量を示す。
【0015】
光学用成形材料中の総塩素含有量が20ppm以下に抑えられた場合、基板の微小な白点の発生や基板上の膜腐食を最小限に押さえられる。総塩素含有量が20ppmを超える材料を用いた場合、これらの十分な信頼性と基板生産性が得られない。
なお、総塩素含有量は20ppm以下、好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下であることがより確実な効果を得ることができる。最も好ましいのは6ppm以下である。さらに好ましくは、1ppm以下である。
【0016】
本発明におけるPC−AとPC−Mとの混合樹脂組成物において、全樹脂組成物中のPC−Aは70〜90重量%の範囲であり、好ましくは75〜90重量%である。一方、PC−Mは、10〜30重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。かかる樹脂組成物よりなる光学用成形材料を提供することによって、ディスク成形に際して、高記録密度ディスクに対応する、より精密な転写性が、ディスク強度を損ねることなく、達成可能となる。
【0017】
本発明の混合樹脂組成物を構成するPC−AおよびPC−Mは、いずれも通常の二価フェノール成分とカーボネート前駆体とを溶液重合法または溶融重合法によって反応させることによって製造することができる。本発明において、PC−AおよびPC−Mは、それぞれ二価フェノール成分としてビスフェノールAおよびビスフェノールMの他に他の二価フェノールを目的および特性を損なわない割合で、例えば10モル%以下、好ましくは5モル%以下の割合で共重合させてもよい。
【0018】
ここで、他の二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−オルト−ジイソプロピルベンゼン、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタ−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノール−M)、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−パラ−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられる。
【0019】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられるが、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートが好ましい。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を溶液重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。
【0020】
溶液重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0021】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0022】
【化4】
【0023】
[式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。]
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0024】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族エステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を使用することができ、これらを用いてポリカーボネート重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでなく、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効果があり、また基板の複屈折率が低減される効果もあり、好ましく使用される。なかでも、下記一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
[式中、Xは−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
前記式(2)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
【0028】
また、前記式(3)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
これらの末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0029】
溶融重合法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を10〜0.1Torr(1.3〜0.13×103Pa)程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0030】
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0031】
また、重合速度を高めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物;アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類;アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類;その他に亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0032】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重合反応の後期あるいは終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることが好ましい。なかでも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
【0033】
本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂光学用成形材料としての混合樹脂組成物の粘度平均分子量に関しては、特に規定しないが、過剰に低い分子量では、成形後の基板としての強度に問題が生じ、また逆に過剰に高いと成形時の溶融流動性が悪く、基板に好ましくない光学歪みが増大する。このことを考え合わせると粘度平均分子量は12,000〜20,000の範囲に制御されることが好ましく、13,000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂光学用成形材料は、光学用材料として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。また、上述のポリカーボネート樹脂光学用成形材料としての好ましい粘度平均分子量の範囲内に制御され、かつ熱安定性を維持するために、各々のポリカーボネート樹脂成分の好ましい粘度平均分子量の範囲が存在する。すなわちPC−Aにおいては、粘度平均分子量が12,000〜20,000の範囲に制御されることが好ましく、13,000〜18,000が特に好ましい。一方、PC−Mにおいては、5,000〜25,000の範囲であることが好ましく、10,000〜20,000がさらに好ましく、13,000〜18,000が特に好ましい。
【0034】
本発明の光学用成形材料は、PC−AおよびPC−Mの前記割合より構成されるが、さらに特性を損なわない範囲で少割合の他の樹脂が混合されていてもよい。
上記の2種類のポリカーボネート樹脂を混合する方法としては、各樹脂を塩化メチレンなどのポリカーボネート樹脂の良溶媒へ溶解させた溶液を作成し、これらをあらかじめ混合した後に造粒、ペレット化してかかる樹脂組成物を得る方法が、均一性の保持の観点から特に望ましい方法としてあげられるが特に限定されるものではない。
【0035】
原料ポリカーボネート樹脂は、従来公知の方法(溶液重合法、溶融重合法など)により製造した後、溶液状態において濾過処理を行ない未反応成分等の不純物や異物を除去することが好ましい。さらに射出成形に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去することが好ましい。必要により、例えばリン系等の酸化防止剤などの添加剤を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
【0036】
総塩素含有量を低減する方法として、例えば、単官能フェノール類の添加後、触媒を加えて十分に反応を行ったり、従来公知の方法(溶液重合法、溶融重合法など)により製造した後、溶液状態においてアルカリ抽出をしたり、造粒(脱溶媒)後の粒状原料を例えばアセトンなどのケトン類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、キシレンなどの芳香族炭化水素などのポリカーボネート貧溶媒および非溶媒で洗浄したり、粉末状態にしたときに十分な乾燥をしたり、ペレタイズ時に十分脱気したりして除去することが好ましい。これらの方法および手段は、総塩素含有量が、目標とする値に低減されるまで、適当に組合せたり、また繰返して実施することが望ましい。その一例を示すと、アセトン抽出において、その使用量をポリカーボネート樹脂に対して従来より多量、例えば約10重量倍またはそれ以上使用したり、抽出温度を従来より上げたり、また抽出時に攪拌を従来より強力に行うなどの方法、あるいは粉末状態での乾燥時間の延長などの方法が挙げられる。
【0037】
上記ポリカーボネート樹脂光学用成形材料より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューと樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
【0038】
このように成形された光ディスク基板は、コンパクトディスク(以下、CDと称することがある)、CD−R、MO、MD−MO等や、さらにはデジタル・バーサタイル・ディスク(以下 DVDと称する)、DVD−ROM、DVD−video、DVD−R、DVD−RAM等で代表される高密度光ディスク用基板として、使用される。
【0039】
本発明のポリカーボネート樹脂光学用成形材料は、高精密転写性に優れているので、グルーブ列もしくはビット列の間隔が0.1μm〜0.8μm、好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.1〜0.35μmである光ディスク基板を成形によって容易に得ることが可能となる。またグルーブもしくはビットの光学的深さが、記録再生に使用されるレーザ光の波長λと基板の屈折率nに対してλ/8n〜λ/2n、好ましくはλ/6n〜λ/2n、さらに好ましくはλ/4n〜λ/2nの範囲にある光ディスク基板を得ることができる。かくして記録密度が10Gbit/inch2以上である高密度光学ディスク記録媒体の基材を容易に提供することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。実施例中「部」は重量部である。なお評価は下記の方法に従った。
【0041】
(1)粘度平均分子量
すべてのポリマー種について、塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した20℃溶液を用いて求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた。
【0042】
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
(2)熱安定性;TAインスツルメント社製 熱分析システム TGA 2950を使用して、5%重量減少温度を測定した。
昇温速度;20℃/min.、窒素雰囲気下(窒素流量;40ml/min.)
【0043】
(3)総塩素量
三菱化成工業製 塩素分析装置 TSX-10を使用して、塩素量を測定した。
(4)転写性
射出成形機(名機製作所 M35B−D−DM)とキャビティ厚0.6mmt直径120mmの金型および深さ145nm、間隔0.5μm、幅0.2μmの溝が刻まれたスタンパーを用いて、シリンダー設定温度360℃、金型温度125℃、充填時間0.2秒、冷却時間15秒、型締力35トンでディスク基板を成形した。次に原子間力顕微鏡(セイコー電子工業 SPI3700)にてr=55mmにおけるディスク基板の溝部の深さを測定し、溝形状の再現率(=100×ディスクの溝深さ/スタンパーの溝深さ(%))を求めた。また成形した基板を1000枚目視観察し、割れの有無を確認した。
【0044】
(5)光線透過率
射出成形機(名機製作所 M35B−D−DM)とキャビティ厚0.6mmt直径120mmの金型および平坦な表面を持つ鏡面スタンパーを用いて、シリンダー設定温度360℃、金型温度125℃、充填時間0.2秒、冷却時間15秒、型締力35トンで溝なしのディスク基板を成形した。このディスク基板について、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用いて、波長650nmにおける光線透過率を測定した。
(6)長期信頼性試験
ディスク用成形機[住友重機(株)製DISK 3M III]により成形された光ディスク用基板(直径120mm、厚さ1.2mm)を、温度80℃、相対湿度85%に制御した恒温恒湿槽に1000時間放置した後、基板中の大きさ20μm以上の白点発生数を数えた。これを25枚の光学式ディスク基板についておこない、その平均値を求め、これを白点個数とした。
また、ディスク用成形機[住友重機(株)製DISK 3M III]により成形された光ディスク用基板(直径120mm、厚さ1.2mm)に厚み80nmのAl膜およびその上に光硬化型アクリル系樹脂をそれぞれ膜付けした基板を、温度80℃、相対湿度85%に制御した恒温恒湿槽に1000時間放置した後、Al膜に発生したピンホールの数を数えた。これを25枚の光学式ディスク基板についておこない、その平均値を求め、これを記録膜欠陥数とした。
【0045】
製造例
(A) 2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを二価フェノール成分として得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(ポリマーA)の製造;
温度計、撹拌機および還流冷却器付き反応器にイオン交換水636.3部、48%水酸化ナトリウム水溶液116.6部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン166.8部およびハイドロサルファイト0.35部を溶解した後、塩化メチレン524.9部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン82.1部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液24.9部およびp−tert−ブチルフェノール6.76部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.17部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで水洗を繰り返して、粘度平均分子量15,200であるポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。
(B) 下記化学式
【0046】
【化7】
【0047】
で表される化合物を二価フェノール成分として得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(ポリマーB)の製造;
温度計、撹拌機および還流冷却器付き反応器にイオン交換水1590.0部、48%水酸化ナトリウム水溶液102.1部を仕込み、これに下記化学式
【0048】
【化8】
【0049】
で表される化合物203.9部およびハイドロサルファイト0.42部を溶解した後、塩化メチレン876.5部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン70.0部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液58.3部およびp−tert−ブチルフェノール3.85部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.15部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで水洗を繰り返して、粘度平均分子量15,300であるポリカーボネートの塩化メチレン溶液を得た。
【0050】
実施例1
製造例(A)で製造したポリマーAの塩化メチレン溶液と(B)で製造したポリマーBの塩化メチレン溶液とを溶液中のポリマー重量比(ポリマーA:ポリマーB)が80:20となるようにそれぞれ攪拌機付容器に投入した後、攪拌して混合した。混合後、目開き0.3μmのフィルターを通過させた後、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニーダー中の温水にポリカーボネート樹脂溶液を滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化した。次にこの含液ポリカーボネート樹脂を粉砕、乾燥してパウダーを得た。このパウダーにトリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05重量%加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度240℃で脱気しながら溶融混練し、粘度平均分子量15,100、総塩素量17ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表1に掲載した。
【0051】
実施例2
製造例(A)で製造したポリマーAの塩化メチレン溶液と(B)で製造したポリマーBの塩化メチレン溶液とを溶液中のポリマー重量比(ポリマーA:ポリマーB)が90:10となるようにそれぞれ攪拌機付容器に投入した以外は、実施例1と同様におこない度平均分子量15,200、総塩素量17ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表1に掲載した。
【0052】
実施例3
製造例(A)で製造したポリマーAの塩化メチレン溶液と(B)で製造したポリマーBの塩化メチレン溶液とを溶液中のポリマー重量比(ポリマーA:ポリマーB)が70:30となるようにそれぞれ攪拌機付容器に投入した以外は、実施例1と同様におこない粘度平均分子量15,200、総塩素量17ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表1に掲載した。
【0053】
実施例4
パウダー状態にした時に強く乾燥した以外は、実施例1と同様におこない粘度平均分子量15,100、総塩素量10ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表1に掲載した。
【0054】
実施例5
パウダー状態にした時に強く乾燥し、ペレタイズした時に強く脱機した以外は、実施例1と同様におこない粘度平均分子量15,100、総塩素量5ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表1に掲載した。
【0055】
比較例1(モノマー−A/モノマーB共重合)
温度計、撹拌機および還流冷却器付き反応器にイオン交換水1454.5部、48%水酸化ナトリウム水溶液216.6部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン198.1部、下記化学式
【0056】
【化9】
【0057】
で表される化合物48.9部およびハイドロサルファイト0.52部を溶解した後、塩化メチレン901.5部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン130.0部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液129.9部およびp−tert−ブチルフェノール9.1部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.35部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで水洗を繰り返して、この共重合体ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。この溶液を目開き0.3μmのフィルターを通過させた後、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニーダー中の温水にポリカーボネート樹脂溶液を滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化した。次にこの含液ポリカーボネート樹脂を粉砕、乾燥してパウダーを得た。このパウダーにトリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05重量%加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度240℃で脱気しながら溶融混練し、粘度平均分子量14,700、総塩素量17ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表2に掲載した。
【0058】
比較例2
製造例(A)で製造したポリマーAの塩化メチレン溶液について、目開き0.3μmのフィルターを通過させた後、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニーダー中の温水にポリカーボネート樹脂溶液を滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化した。次にこの含液ポリカーボネート樹脂を粉砕、乾燥してパウダーを得た。このパウダーにトリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05重量%加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度240℃で脱気しながら溶融混練し、粘度平均分子量15,200、総塩素量17ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表2に掲載した。
【0059】
比較例3
製造例(A)で製造したポリマーAの塩化メチレン溶液と(B)で製造したポリマーBの塩化メチレン溶液とを溶液中のポリマー重量比(ポリマーA:ポリマーB)が50:50となるようにそれぞれ攪拌機付容器に投入した以外は、実施例1と同様におこない粘度平均分子量15,200、総塩素量17ppmのペレットを得た。しかし、ガラス転移温度が低いため、ディスク成形する事ができなかった。
【0060】
比較例4
パウダー状態にした時に弱く乾燥した以外は、実施例1と同様におこない粘度平均分子量15,100、総塩素量72ppmのペレットを得た。この時の、粘度平均分子量、熱安定性、総塩素量、転写性、長期信頼性試験をおこなった結果について、表2に掲載した。
【0061】
実施例6
前記実施例1〜5で得られた基板を用いて公知の方法により追記型光学記録媒体をそれぞれ製造した。いずれも十分な特性の記録媒体が得られた。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
本発明の高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料は、ポリカーボネート樹脂を成形してなる光記録媒体、とりわけ高密度記録媒体の製造に関して、スタンパー形状に対する精密転写性に好適であり、ハイサイクル成形で使用される高温成形に対して、極めて熱安定性に優れ、且つ、長期に渡って高い信頼性を維持できる光学用ディスクが得られる高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料として好適に用いられる。
Claims (5)
- 2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−A)と下記式[I]
で表される化合物を二価フェノール成分として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−M)とを含有する光学用成形材料を製造する方法であって、
PC−Aを良溶媒に溶解させた溶液と、PC−Mを良溶媒に溶解させた溶液とを、PC−Aが70〜90重量部、PC−Mが10〜30重量部となるように混合した後、造粒し、ペレット化することを特徴とする総塩素含有量が20ppm以下の光学用成形材料の製造方法。 - 前記芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−A)はその粘度平均分子量が12,000〜20,000の範囲である請求項1記載の製造方法。
- 前記芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−M)はその粘度平均分子量が、5,000〜25,000の範囲である請求項1または2記載の製造方法。
- 光学用成形材料の総塩素含有量が、15ppm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 良溶媒は、塩化メチレンである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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