JP2575691B2 - ポリカ−ボネ−ト共重合体 - Google Patents

ポリカ−ボネ−ト共重合体

Info

Publication number
JP2575691B2
JP2575691B2 JP62058602A JP5860287A JP2575691B2 JP 2575691 B2 JP2575691 B2 JP 2575691B2 JP 62058602 A JP62058602 A JP 62058602A JP 5860287 A JP5860287 A JP 5860287A JP 2575691 B2 JP2575691 B2 JP 2575691B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bisphenol
phenylenebis
methylethylidene
mol
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62058602A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63223034A (ja
Inventor
龍也 菅野
郁夫 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP62058602A priority Critical patent/JP2575691B2/ja
Publication of JPS63223034A publication Critical patent/JPS63223034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2575691B2 publication Critical patent/JP2575691B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はレーザー光線により信号を記録し、或いは
レーザー光線の反射又は透過により記録された信号の読
み出しを行う光学式情報記録用ディスクに、さらに広く
光学用素材として用いられるポリカーボネート共重合体
に関する。
〔従来の技術〕
レーザー光線のスポットビームをディスクにあて、デ
ィスクに微細なピットで信号を記録し、或いはこのよう
なピットによって記録された信号をレーザー光線の反射
又は透過光量を検出することによって読み出すDRAW,Era
sable−DRAW型光学式情報記録・再生方式は著しく記録
密度を上げることができ、特にErasable−DRAW型では記
録の消去・書き込みも可能であり、且つそれらから再生
される画像や音質が優れた特性を有することから、画像
や音声の記録又は記録再生、多量の情報記録再生等に広
く実用されることが期待されている。この記録再生方式
に利用されるディスクにはディスク本体をレーザー光線
が透過するために透明であることは勿論のこと、読み取
り誤差を少なくするために光学的均質性が強く求められ
る。ディスク本体成形時の樹脂の冷却及び流動過程にお
いて生じた熱応力、分子配向、ガラス転移点付近の容積
変化等による残留応力が主な原因となり、レーザー光線
がディスク本体を通過する際に複屈折が生ずる。この複
屈折に起因する光学的不均一性が大きいことは光学式デ
ィスクとしては致命的欠陥である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このようにディスク成形時の樹脂の冷却及び流動過程
において生じた熱応力・分子配向・残留応力が主原因で
生ずる複屈折は成形条件を選ぶことによって、得られる
ディスクの複屈折はかなり小さくすることができるが、
成形樹脂自身のもつ固有の複屈折、即ち光弾性定数に大
きく依存している。
〔問題点を解決するための手段〕
複屈折は光弾性定数と残留応力の積として下記式
(1)で表すことができる。
式(1)の光弾性定数を小さくすれば成形条件が同じ
でも得られるディスクの複屈折が小さくなることは明ら
かである。そこで発明者らは4,4′−[1,4−フェニレン
ビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノールと4,
4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノールをカーボネート結合によって共重
合させることによって、芳香族ポリカーボネートの機械
的特性を損ねることなく光弾性定数の小さな樹脂が得ら
れる事実を見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン)]ビスフェノール99〜1モル%好
ましくは90〜10モル%と、4,4′−[1,3−フェニレンビ
ス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール1〜99モ
ル%好ましくは10〜90モル%とをカーボネート結合して
得られ、下記の式(i)からなる繰り返し単位が99〜1
モル%好ましくは90〜10モル%、下記の式(ii)からな
る繰り返し単位が1〜99モル%好ましくは10〜90モル%
であり(上記2種の繰り返し単位の合計で100モル%と
する)、かつ粘度平均分子量1,000〜100,000である芳香
族ポリカーボネート共重合体に関する。
かくして本発明によれば、下記の式(I)、(II)で
示されるビスフェノールがカーボネート結合により共重
合してなる芳香族ポリカーボネート重合体が得られる。
式(ii)からなる繰り返し単位は1〜99モル%であ
る。式(ii)からなる繰り返し単位が1モル%未満であ
ると得られる芳香族ポリカーボネートの光弾性定数は式
(i)よりなるホモポリカーボネートとあまり変わらな
い。また式(ii)からなる繰り返し単位が99モル%を超
えると得られる芳香族ポリカーボネートのガラス転移点
が式(i)よりなるホモポリカーボネートに較べて著し
く低下する。
本発明の共重合体の粘度平均分子量は1,000〜100,000
が好ましく、13,000〜50,000が更に好ましい。1,000未
満では成形品が脆くなり、また100,000を越えると流動
性が低下し成形性に劣り、何れも光ディスク用樹脂とし
て不向きである。
本発明のポリカーボネート共重合体の製造法としては
次の二つの方法がある。
エステル交換法 4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール、4,4′−[1,3−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)]ビスフェノールの混合物、
これに対し化学量論的に当量よりやや過剰のジフェニル
カーボネートに、通常のカーボネート化触媒の存在下、
約160〜180℃の温度で常圧下、不活性ガスを導入した条
件で約30分反応させ、2時間かけて徐々に減圧しながら
約180〜220℃の温度下で最終的に10Torr,220℃で前縮合
を終了する。その後、10Torr,270℃で30分、5Torr,270
℃で20分反応し、次いで0.5Torr以下、好ましくは0.3To
rr〜0.1Torrの減圧下で270℃で1.5時間〜2.0時間後縮合
を進める。
尚、カーボネート結合のためのカーボネート化触媒と
しては、リチウム系触媒、カリウム系触媒、ナトリウム
系触媒、カルシウム系触媒、錫系触媒等のアルカリ金
属、アルカリ土類金属触媒が適しており、例えば、水酸
化リチウム・炭酸リチウム、水素化ホウ素カリウム・リ
ン酸水素カリウム、水酸化ナトリウム・水素化ホウ素ナ
トリウム、水素化カルシウム、ジブチル錫オキシド・酸
化第1錫が挙げられる。これらのうち、カリウム系触媒
を用いることが好ましい。
ホスゲン法 三つ口フラスコに撹拌機、温度計、ガス導入管、排気
管を付ける。4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)]ビスフェノール、4,4′−[1,3−フェ
ニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール
の混合物を水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、ジクロロ
メタンを加え、これを激しく撹拌しながらホスゲンガス
を導入するのであるが、ホスゲンは猛毒であるから強力
なドラフト中で操作する。また排気末端には水酸化ナト
リウム10%水溶液で余剰ホスゲンを分解無毒化するユニ
ットを付ける。ホスゲンはボンベから空の洗気びん、パ
ラフィンを入れた洗気びん(泡数を数える)、空の洗気
びんを通してフラスコに導入する。ガス導入管は撹拌機
の上に差し込むようにし、析出するピリジン塩によって
詰まらないようにするため先端を漏斗状に広げておく。
ガス導入に伴いピリジンの塩酸塩が析出して内容は濁
ってくる。反応温度は30℃以下になるように水冷する。
縮合の進行と共に粘稠になってくる。ホスゲン−塩化水
素錯体の黄色が消えなくなるまでホスゲンを通じる。反
応終了後、メタノールを加えて重合体を沈殿せしめ、濾
別乾燥する。生成するポリカーボネートは塩化メチレ
ン、ピリジン、クロロホルム、テトラヒドロフランなど
に溶けるから、これらの溶液からメタノールで再沈殿し
て精製する。
このようにして得られるポリカーボネート共重合体
は、レーザー光線により信号を記録し、或いはレーザー
光線の反射又は透過により記録された信号の読み出しを
行うDRAW,E−DRAW型光学式情報記録用ディスクに有用で
ある。また広く光学用素材にも有用である。更に工業用
材料にも適用可能である。
〔実 施 例〕
以下に本発明を実施例について説明するが、本発明は
これらの実施例によって限定されるものではない。
尚、部、%は重量基準を示す。
実施例 1 4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール374部(90mol%)と、4,4′−
[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノール42部(10mol%)とジフェニルカーボネー
ト264部を3三つ口フラスコに入れ、脱気、窒素パー
ジを5回繰り返した後、シリコンバス160℃で窒素を導
入しながら溶融させた。溶融したら、カーボネート化触
媒である水素化ホウ素カリウムを予めフェノールに溶か
した溶液(仕込んだビスフェノール全量に対して10-3mo
l%量)を加え、160℃、N2下30分撹拌醸成した。次に同
温度下100Torrに減圧し、30分撹拌したのち、同温度下
でさらに50Torrに減圧し、30分反応させた。次に徐々に
温度を220℃まで上げ60分反応させ、フェノール留出理
論量の80%を留出させた。しかる後、同温度下で10Torr
に減圧し30分反応させ、温度を徐々に270℃に上げ30分
反応させた。さらに同温度下で5Torrに減圧し30分反応
させ、ここまでの反応でフェノール留出理論量のほぼ全
量を留出させ前縮合を終えた。次に同温度下で0.1〜0.3
Torrで2時間後縮合させた。窒素下にて生成物のポリマ
ーを取り出し冷却した後、ジクロルメタンを溶媒に用い
て20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出した粘
度平均分子量vは32,000であった。IRスペクトルを測
定すると1760〜1810cm-1にカーボネート結合の特性吸収
が見られた(図1)。また1H−NMRを測定すると1.61ppm
に4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノールに由来するメチル基水素の吸収、
1.65ppmに4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチル
エチリデン)]ビスフェノールに由来するメチル基水素
の吸収、7.2〜7.5ppmにフェニル基に由来する吸収を観
測した(図2)。またDSC(ディファレンシャル・スキ
ャニング・カロリメーター;Perkin−Elmer 2C型)から
ガラス転移点はTg=145℃であることがわかった。更に
光弾性定数を測定するとC=64 Brewsters(10-12m2/
N)であることがわかった。またNMRの積分値から生成し
たポリマーは4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)]ビスフェノールと4,4′−[1,3−フェ
ニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール
が9:1のポリカーボネート共重合体であることが確認で
きる。
測定に使用した機器はIRスペクトルメーター;日本分
光製IR−810、1H−NMR;日本電子製JNM−GX−270、DSC;
ディファレンシャル・スキャニング・カロリメーターPe
rkin−Elmer 2C型、光弾性定数は自作のものを用いて測
定したが、光弾性定数の算出方法は試験片(50mm×10mm
×1mm)に異なる大きさの引張応力を長さ方向に印加
し、発生する複屈折を測定し、前記式(1)に各々の値
を代入してその傾きから光弾性定数を求めた。因に2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリカ
ーボネートの光弾性定数はC=82 Brewsters(10-12m2/
N)であった。
実施例 2 三つ口フラスコに撹拌機、温度計、ガス導入管、排気
管を付ける。水酸化ナトリウム10%水溶液に4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノール374部(90mol%)と4,4′−[1,3−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール42
部(10mol%)を溶かし、ジクロロメタンを加え、これ
を激しく撹拌しながらホスゲンガスを導入した。ホスゲ
ンはボンベから空の洗気びん、水を入れた洗気びん、空
の洗気びんを通してフラスコに導入した。ホスゲンガス
の導入中の反応温度は25℃以下になるように水冷した。
縮合の進行と共に溶液は粘稠になってくる。さらにホス
ゲン−塩化水素錯体の黄色が消えなくなる迄ホスゲンを
通じた。反応終了後、メタノールに反応溶液を注ぎ込
み、濾別し、水洗を繰り返した。さらに生成したポリカ
ーボネートはジクロルメタンの溶液からメタノールで再
沈殿して精製した。
精製後よく乾燥したのち、ジクロルメタンを溶媒に用
いて20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出した
粘度平均分子量vは35,000であった。また、実施例1
と同様に機器分析を行ったところ、実施例1と同じ結果
が得られたことから、生成したポリマーは4,4′−[1,4
−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェ
ノールと4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエ
チリデン)]ビスフェノールの9:1のポリカーボネート
の共重合体であると確認することができる。
実施例 3 4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール208部(50mol%)と、4,4′−
[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノール208部(50mol%)とジフェニルカーボネー
ト264部を3三つ口フラスコに入れ、脱気、窒素パー
ジを5回繰り返した後、シリコンバス160℃で窒素を導
入しながら溶融させた。溶融したら、カーボネート化触
媒である水素化ホウ素カリウムを予めフェノールに溶か
した溶液(仕込んだビスフェノール全量に対して10-3mo
l%量)を加え、160℃、N2下30分撹拌醸成した。次に同
温度下100Torrに減圧し、30分撹拌したのち、同温度下
でさらに50Torrに減圧し、30分反応させた。次に徐々に
温度を220℃まで上げ60分反応させ、ここまでの反応で
フェノール留出理論量の80%を留出させた。しかる後、
同温度下で10Torrに減圧し30分反応させ、温度を徐々に
270℃に上げ30分反応させた。さらに同温度下で5Torrま
で減圧し30分反応させ、フェノール留出理論量のほぼ全
量を留出させ前縮合を終えた。次に同温度下で0.1〜0.3
Torrで2時間後縮合させた。窒素下にて生成物のポリマ
ーを取り出し冷却した後、ジクロルメタンを溶媒として
用いて20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出し
た粘度平均分子量vは29,000であった。IRスペクトル
を測定すると1760〜1810cm-1にカーボネート結合の特性
吸収が見られた(図3)。また1H−NMRを測定すると1.6
1ppmに4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスフェノールに由来するメチル基水素の吸
収、1.65ppmに4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メ
チルエチリデン)]ビスフェノールに由来するメチル基
水素の吸収、7.2〜7.5ppmにフェニル基に由来する吸収
を観測した(図4)。またDSCからガラス転移点はTg=1
22℃であることがわかった。更に光弾性定数を測定する
とC=55 Brewsters(10-12m2/N)であることがわかっ
た。またNMRの積分値から生成したポリマーは4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノールと4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メ
チルエチリデン)]ビスフェノールの5:5のポリカーボ
ネート共重合体であることが確認できる。
実施例 4 三つ口フラスコに撹拌機、温度計、ガス導入管、排気
管を付ける。水酸化ナトリウム10%水溶液に4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノール208部(50mol%)と4,4′−[1,3−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール20
8部(50mol%)を溶かし、ジクロロメタンを加え、これ
を激しく撹拌しながらホスゲンガスを導入した。ホスゲ
ンはボンベから空の洗気びん、水を入れた洗気びん、空
の洗気びんを通してフラスコに導入した。ホスゲンガス
の導入中の反応温度は25℃以下になるように水冷した。
縮合の進行と共に溶液は粘稠になってくる。さらにホス
ゲン−塩化水素錯体の黄色が消えなくなるまでホスゲン
を通じた。反応終了後、メタノールに反応溶液を注ぎ込
み、濾別し、水洗を繰り返した。さらに生成したポリカ
ーボネートはジクロルメタンの溶液からメタノールで再
沈殿して精製した。
精製後よく乾燥したのち、ジクロルメタンを溶媒に用
いて20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出した
粘度平均分子量vは33,000であった。また、実施例3
と同様に機器分析を行ったところ、実施例3と同じ結果
が得られたことから、生成したポリマーは4,4′−[1,4
−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェ
ノールと4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエ
チリデン)]ビスフェノールの5:5のポリカーボネート
の共重合体であると確認することができる。
実施例 5 4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール42部(10mol%)と、4,4′−[1,
3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフ
ェノール374部(90mol%)とジフェニルカーボネート26
4部を3三つ口フラスコに入れ、脱気、窒素パージを
5回繰り返した後、シリコンバス160℃で窒素を導入し
ながら溶融させた。溶融したら、カーボネート化触媒で
ある水素化ホウ素カリウムを予めフェノールに溶かした
溶液(仕込んだビスフェノール全量に対して10-3mol%
量)を加え、160℃、N2下30分撹拌醸成した。次に同温
度下100Torrに減圧し、30分撹拌したのち、同温度下で
さらに50Torrに減圧し、30分反応させた。次に徐々に温
度を220℃まで上げ60分反応させ、ここまでの反応でフ
ェノール留出理論量80%を留出させた。しかる後、同温
度下で10Torrに減圧し30分反応させ、温度を徐々に270
℃に上げ30分反応させた。さらに同温度下で5Torrまで
減圧し30分反応させ、フェノール留出理論量のほぼ全量
を留出させ前縮合を終えた。次に同温度下で0.1〜0.3To
rrで2時間後縮合させた。窒素下にて生成物のポリマー
を取り出し冷却した後、ジクロロメタンを溶媒として用
いて20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出した
粘度平均分子量vは30,000であった。IRスペクトルを
測定すると1760〜1810cm-1にカーボネート結合の特性吸
収が見られた(図5)。また1H−NMRを測定すると1.61p
pmに4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリ
デン)]ビスフェノールに由来するメチル基水素の吸
収、1.65ppmに4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メ
チルエチリデン)]ビスフェノールに由来するメチル基
水素の吸収、7.2〜7.5ppmにフェニル基に由来する吸収
を観測した(図6)。またDSCからガラス転移点はTg=1
07℃であることがわかった。更に光弾性定数を測定する
とC=47 Brewsters(10-12m2/N)であることがわかっ
た。またNMRの積分値から生成したポリマーは4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノールと4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メ
チルエチリデン)]ビスフェノールの1:9のポリカーボ
ネート共重合体であることが確認できる。
実施例 6 三つ口フラスコに撹拌機、温度計、ガス導入管、排気
管を付ける。水酸化ナトリウム10%水溶液に4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビ
スフェノール42部(10mol%)と4,4′−[1,3−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール37
4部(90mol%)を溶かし、ジクロロメタンを加え、これ
を激しく撹拌しながらホスゲンガスを導入した。ホスゲ
ンはボンベから空の洗気びん、水を入れた洗気びん、空
の洗気びんを通してフラスコに導入した。ホスゲンガス
の導入中の反応温度は25℃以下になるように水冷した。
縮合の進行と共に溶液は粘稠になってくる。さらにホス
ゲン−塩化水素錯体の黄色が消えなくなるまでホスゲン
を通じた。反応終了後、メタノールに反応溶液を注ぎ込
み、濾別し、水洗を繰り返した。さらに生成したポリカ
ーボネートはジクロルメタンの溶液からメタノールで再
沈殿して精製した。
精製後よく乾燥したのち、ジクロルメタンを溶媒に用
いて20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出した
粘度平均分子量vは35,000であった。また、実施例5
と同様に機器分析を行ったところ、実施例5と同じ結果
が得られたことから、生成したポリマーは4,4′−[1,4
−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェ
ノールと4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエ
チリデン)]ビスフェノールの1:9のポリカーボネート
共重合体であると確認することができる。
【図面の簡単な説明】
図1、図3、図5はそれぞれ実施例1、3、5で得られ
た本発明の共重合体のIRスペクトル、図2、図4、図
6、はそれぞれ実施例1、3、5で得られた本発明の共
重合体のNMRスペクトルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチ
    ルエチリデン)]ビスフェノールと4,4′−[1,3−フェ
    ニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール
    とをカーボネート結合して得られ、下記の式(i)から
    なる繰り返し単位が99〜1モル%、下記の式(ii)から
    なる繰り返し単位が1〜99モル%であり(上記2種の繰
    り返し単位の合計で100モル%とする)、かつ粘度平均
    分子量1,000〜100,000である芳香族ポリカーボネート共
    重合体。
JP62058602A 1987-03-13 1987-03-13 ポリカ−ボネ−ト共重合体 Expired - Lifetime JP2575691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62058602A JP2575691B2 (ja) 1987-03-13 1987-03-13 ポリカ−ボネ−ト共重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62058602A JP2575691B2 (ja) 1987-03-13 1987-03-13 ポリカ−ボネ−ト共重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63223034A JPS63223034A (ja) 1988-09-16
JP2575691B2 true JP2575691B2 (ja) 1997-01-29

Family

ID=13089062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62058602A Expired - Lifetime JP2575691B2 (ja) 1987-03-13 1987-03-13 ポリカ−ボネ−ト共重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2575691B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0299521A (ja) * 1988-10-05 1990-04-11 Daicel Chem Ind Ltd 芳香族ポリカーボネート共重合体
JPH02128336A (ja) * 1988-11-07 1990-05-16 Daicel Chem Ind Ltd 光学式ディクス基板用芳香族ポリカーボネート共重合体
US6482916B1 (en) 1998-11-26 2002-11-19 Mitsui Chemicals, Inc. Dyed molded article
JP4866508B2 (ja) * 2001-02-16 2012-02-01 帝人化成株式会社 光学用成形材料の製造方法
JP4673998B2 (ja) * 2001-05-08 2011-04-20 帝人化成株式会社 高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板
JP4673997B2 (ja) * 2001-05-08 2011-04-20 帝人化成株式会社 高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板
JP4711538B2 (ja) * 2001-05-10 2011-06-29 帝人化成株式会社 高精密転写性ポリカーボネート光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板
JP4674000B2 (ja) * 2001-05-16 2011-04-20 帝人化成株式会社 高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63223034A (ja) 1988-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2552121B2 (ja) 光学式デイスク
JP2575691B2 (ja) ポリカ−ボネ−ト共重合体
EP0274092B1 (en) Polycarbonate copolymer and optical disk
JP2575683B2 (ja) ポリカ−ボネ−ト共重合体
JP2562619B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2513725B2 (ja) ポリカ―ボネ―ト共重合体
JP2565718B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2613038B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2565719B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2568413B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2559391B2 (ja) ポリカ−ボネ−ト共重合体
JP2588727B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2596732B2 (ja) 光学式デイスク
JP2513717B2 (ja) ポリカ−ボネ−ト重合体
JP2580255B2 (ja) ポリカ―ボネ―ト系樹脂組成物
JP2581547B2 (ja) 光学式ディスク
EP0262557B1 (en) Polycarbonate and optical disk therefrom
JP2515993B2 (ja) 光学式デイスク
US5173347A (en) Polycarbonate and optical disk therefrom
JP2552120B2 (ja) 光学式デイスク
JPS63207821A (ja) 芳香族ポリカ−ボネ−ト三元共重合体
JPH0518325B2 (ja)
JPS63207822A (ja) 芳香族ポリカ−ボネ−ト三元共重合体
JPH01101327A (ja) 芳香族ポリカーボネート三元共重合体
JPS63199734A (ja) 芳香族ポリカ−ボネ−ト三元共重合体