JP2613038B2 - ポリカーボネート共重合体 - Google Patents

ポリカーボネート共重合体

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JP2613038B2
JP2613038B2 JP62007932A JP793287A JP2613038B2 JP 2613038 B2 JP2613038 B2 JP 2613038B2 JP 62007932 A JP62007932 A JP 62007932A JP 793287 A JP793287 A JP 793287A JP 2613038 B2 JP2613038 B2 JP 2613038B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はレーザー光線により信号を記録し、あるい
はレーザー光線の反射又は透過により記録された信号の
読み出しを行なう光学式情報記録用ディスクに用いられ
るポリカーボネート共重合体に関する。
(従来の技術) レーザー光線のスポットビームをディスクにあて、デ
ィスクに微細なピットで信号を記録し、あるいはこのよ
うなピットによって記録された信号をレーザー光線の反
射又は透過光量を検出することによって読み出すDRAW
(ダイレクト・リード・アフター・ライト),Erasable
−DRAW(イレーザブル−ダイレクト・リード・アフター
・ライト)型光学式情報記録・再生方式は著しく記録密
度を上げることができ、特にErasable−DRAW型では記録
の消去・書き込みも可能であり、且つそれらから再生さ
れる画像や音質が優れた特性を有することから画像や音
質の記録又は記録再生、多量の情報記録再生等に広く実
用されることが期待されている。この記録再生方式に利
用されるディスクにはディスク本体をレーザー光線が透
過するために透明であることは勿論のこと、読み取り誤
差を少なくするために光学的均質性が強く求められる。
ディスク本体形成時の樹脂の冷却及び流動過程において
生じた熱応力,分子配向,ガラス転移点付近の容積変化
による残留応力が主な原因となり、レーザー光線がディ
スク本体を通過する際に複屈折が生ずる。この複屈折に
起因する光学的不均一性が大きいことは光学式ディスク
としては致命的欠陥である。
(発明が解決しようとする問題点) このようにディスク成形時の樹脂の冷却及び流動過程
において生じた熱応力,分子配向,残留応力が主原因で
生ずる複屈折は形成条件を選ぶことによって、得られる
ディスクの複屈折はかなり小さくすることができるが、
成形樹脂自身のもつ固有の複屈折、即ち光弾性定数に大
きく依存している。
(問題点を解決するための手段) 複屈折は光弾性定数と残留応力の積として下記(1)
式で表すことができる。
n1−n2=C(σ−σ) (1) n1−n2:複屈折 σ−σ2:残留応力 C:光弾性定数 式(1)の光弾性定数を小さくすれば成形条件が同じ
でも得られるディスクの複屈折が小さくなることは明ら
かである。そこで発明者らは2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパンと2,2−ビス−
(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)
プロパンをカーボネート結合によって共重合させること
によって、芳香族ポリカーボネートの機械的特性を損ね
ることなく光弾性定数の小さな樹脂が得られる事実を見
出し、本発明に至ったものである。即ち本発明は、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン99〜1モル%、好ましくは90〜10モル%と、2,2−
ビス−(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェ
ニル)プロパン1〜99モル%、好ましくは10〜90モル%
とをカーボネート結合して得られ、2,2−ビス−(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンの構成単位
が99〜1モル%、好ましくは90〜10モル%、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニ
ル)プロパンの構成単位が1〜99モル%、好ましくは10
〜90モル%であり、かつ粘度平均分子量1,000〜100,000
である芳香族ポリカーボネート共重合体に関する。かく
してこの発明によれば、下記の式(I)、(II)で示さ
れるビスフェノールがカーボネート結合により共重合し
てなるガラス転移点が119℃〜139℃の芳香族ポリカーボ
ネート重合体が得られる。
式(II)の構成単位は1〜99モル%である。式(II)
の構成単位が1モル%未満であると得られる芳香族ポリ
カーボネートの光弾性定数は式(I)よりなるホモポリ
カーボネートとあまり変わらない。また、式(II)の構
成単位が99モル%を超えると得られる芳香族ポリカーボ
ネートは式(I)よりなるホモポリカーボネートに較べ
て脆くなる。本発明の共重合体の粘度平均分子量は1,00
0〜100,000が好ましく、13,000〜50,000が更に好まし
い。1,000未満では成形品が脆くなり、また100,000を越
えると流動性が低下し成形性に劣り、何れでも光ディス
ク用樹脂として不向きである。また、本発明のポリカー
ボネート共重合体は2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパンの他
に第3成分を共重合したものでもよい。かかる第3成分
としては、カーボネート結合をするものであれば何れで
もよい。その重合割合は物性を損なわない範囲で配合す
ればよい。本発明のポリカーボネート共重合体の製造法
としては、次の二つの方法がある。
エステル交換法 2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−ター
シャリーフェニル)プロパンの混合物、これに対し化学
量論的に当量よりやや過剰のジフェニルカーボネート
に、通常のカーボネート化触媒の存在下、約160〜180℃
の温度下で常圧下、不活性ガスを導入した条件で約30分
反応させ、2時間かけて徐々に減圧しながら約180〜220
℃の温度下で最終的に10Torr,220℃で前縮合を終了す
る。その後、10Torr,270℃で30分、5Torr,270℃で20分
反応し、次いで0.5Torr以下、好ましくは0.3Torr〜0.1T
orrの減圧下で270℃で1.5時間〜2.0時間後縮合を進め
る。尚、カーボネート結合のためカーボネート化触媒と
しては、リチウム系触媒、カリウム系触媒、ナトリウム
系触媒、カルシウム系触媒、錫系触媒等のアルカリ金
属、アルカリ土類金属触媒が適しており、例えば、水酸
化リチウム、炭酸リチウム、水素化ホウ素カリウム、リ
ン酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ホウ素ナ
トリウム、水素化カルシウム、ジブチル錫オキシド、酸
化第1錫が挙げられる。これらのうち、カリウム系触媒
を用いることが好ましい。
ホスゲン法 三つ口フラスコに撹はん機,温度計,ガス導入管,排
気管を付ける。2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシ
−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパンの混合物
をピリジン,ジクロルメタン等の溶媒に溶かし、これを
激しく撹はんしながらホスゲンガスを導入するのである
が、ホスゲンは猛毒であるから強力なドラフト中で操作
する。また排気末端には水酸化ナトリウム10%水溶液で
余剰ホスゲンを分解無毒化するユニットをつける。ホス
ゲンはボンベから空の洗気びん,パラフィンを入れた洗
気びん(泡数を数える)、空の洗気びんを通してフラス
コに導入する。ガラス導入管は撹はん機の上に差し込む
ようにし、析出するピリジン塩によって詰まらないよう
にするため先端を漏斗状に広げておく。ガス導入に伴い
ピリジンの塩酸塩が析出して内容は濁ってくる。反応温
度は30℃以下になるように水冷する。縮合の信号と共に
粘ちょうになってくる。ホスゲン−塩化水素錯体の黄色
が消えなくなるまでホスゲンを通じる。反応終了後、メ
タノールを加えて重合体を沈殿せしめ、ろ別乾燥する。
生成するポリカーボネートは塩化メチレン、ピリジン、
クロロホルム、テトラヒドロフランなどに溶けるから、
これらの溶液からメタノールで再沈殿して精製する。こ
のようにして得られるポリカーボネート共重合体は、レ
ーザー光線により信号を記録し、或いは、レーザー光線
の反射又は透過により記録された信号の読み出しをおこ
なうDRAW,E−DRAW型光学式情報記録用ディスクに有用で
ある。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明するが、本発明は
これらの実施例によって限定されるものではない。尚、
部,%は重量基準を示す。
実施例1 2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン277部(90mol%)と2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパン
41部(10mol%)とジフェニルカーボネート264部を3
三つ口フラスコに入れ、脱気、N2パージを5回繰り返し
た後、シリコンバス160℃で窒素を導入しながら溶融さ
せた。溶融したら、カーボネート化触媒である水素化ホ
ウ素カリウムを予めフェノールに溶かした溶液(仕込ん
だビスフェノール全量に対して10-3mol%量)を加え、1
60℃,N2下,30分撹はん醸成した。次に、同温度下100Tor
rに減圧にし、30分撹はんした後、同温度下でさらに50T
orrに減圧し、30分反応させた。次に徐々に温度を220℃
まで上げ60分反応させ、フェノール留出理論量の80%を
留出させた。しかる後、同温度下で10Torrに減圧し30分
反応させ温度を徐々に270℃に上げ30分反応させた。さ
らに同温度下で5Torrに減圧し30分反応させ、これまで
の反応でフェノール留出理論量のほぼ全量を留出させ前
縮合を終えた。次に同温度下で0.1〜0.3Torrで2時間後
縮合させた。窒素下にて生成物のポリマーを取り出し冷
却した後、ジクロルメタンを溶媒に用いて20℃にて溶液
粘度を測定した。この値から算出した粘度平均分子量
v=27,000であった。IRスペクトルを測定すると1750〜
1800cm-1にカーボネート結合の特性吸収が見られた。
(図1)また、1H−NMRを測定すると1.36ppmにターシャ
リーブチル基のメチル基水素の吸収、1.68ppmにプロパ
ンのメチル基水素の吸収、7.20〜7.36ppmにフェニル基
に由来する吸収を観測した。(図2)。また、DSC(デ
ィファレンシャル・スキャニング・カロリメーター;Per
kin−Elmer2C型)からガラス転移点はTg=139℃である
ことがわかった。更に光弾性定数を測定するとC=60 B
rewsters(10-12m2/N)であることがわかった。また、N
MRの積分値からは生成したポリマーは2,2−ビス−(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンと2,2−
ビス−(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェ
ニル)プロパンが9:1のポリカーボネレト共重合体であ
ることが確認できる。測定に使用した機器はIRスペクト
ルメレター;日本分光製IR−810,1H−NMR;日本電子製JN
M−MH−100,DSC;ディファレンシャル・スキャンニング
・カロリメーターPerkin−Elmer2C型、光弾性定数は自
作のものを用いて測定したが、光弾性定数の算出方法は
試験片(50mm×10mm×1mm)に異なる大きさの引張応力
を長さ方向に追加し、前記式(1)に各々の値を代入し
てその傾きから光弾性定数を求めた。因に2,2−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリカーボネー
トの光弾性定数はC=82 Brewsters(10-12m2/N)であ
った。
実施例2 三つ口フラスコに撹はん機,温度計,ガラス導入管,
排気管をつける。水酸化ナトリウム10重量%水溶液に2,
2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プ
ロパン277部(90mol%)と2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパン41部
(10mol%)を溶かし、ジクロルメタンを加え、これを
激しく撹はんしながらホスゲンガスを導入した。ホスゲ
ンはボンベから空の洗気びん,水を入れた洗気びん,空
の洗気びんを通してフラスコに導入した。ホスゲンガス
を導入中の反応温度は25℃以下になるように水冷した。
縮合の進行と共に溶液は粘ちょうになってくる。さらに
ホスゲン−塩化水素錯体の黄色が消えなくなる迄ホスゲ
ンを通じた。反応終了後、メタノールに反応溶液を注ぎ
込み、ろ別し、水洗を繰り返した。さらに生成したポリ
カーボネートはジクロルメタンの溶液からメタノールで
再沈して精製した。精製後よく乾燥したのち、ジクロル
メタンを溶媒に用いて20℃にて溶液粘度を測定した。こ
の値から算出した粘度平均分子量はv=31,000であっ
た。また、実施例1と同様に機器分析を行ったところ、
実施例1と同じ結果が得られたことから、生成したポリ
マーは2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパンと2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
ターシャリーブチルフェニル)プロパンの9:1のポリカ
ーボネートの共重合体であると確認することができる。
実施例3 2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン154部(50mol%)と2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパン
204部(50mol%)とジフェニルカーボネート264部を3
三つ口フラスコに入れ、脱気、N2パージを5回繰り返
した後、シリコンバス160℃で窒素を導入しながら溶融
させた。溶融したら、カーボネート化触媒である水素化
ホウ素カリウムを予めフェノールに溶かした溶液(仕込
んだビスフェノール全量に対して10-3mol%量)を加
え、160℃,N2下,30分撹はん醸成した。次に、同温度
下、100Torrに減圧し30分撹はんした後、同温度下でさ
らに50Torrに減圧し60分反応させた。次に徐々に温度を
220℃まで上げ60分反応させここまでの反応でフェノー
ル留出理論量の80%を留出させた。しかる後、同温度下
で10Torrに減圧し30分反応させ、温度を徐々に270℃に
上げ30分反応させた。さらに同温度下で5Torrまで減圧
し30分反応させ、フェノール留出理論量のほぼ全量を留
出させて前縮合を終えた。次に同温度下で0.1〜0.3Torr
で2時間縮合させた。窒素下にて生成物のポリマーを取
り出し冷却した後、ジクロルメタンを溶媒として用いて
20℃にて溶液粘度を測定した。この値から算出した粘度
平均分子量はv=27,000であった。IRスペクトルを測
定すると1740〜1810cm-1にカーボネート結合の特性吸収
が見られた(図3)。また、1H−NMRを測定すると1.36p
pmにターシャリーブチル基のメチル基水素の吸収、1.68
ppmにプロパンのメチル基水素の吸収、2.30ppmにメチル
基水素の吸収、7.20〜7.40ppmにフェニル基に由来する
吸収を観測した(図4)。また、DSCからガラス転移点
はTg=120℃であることがわかった。更に光弾性定数を
測定するとC=40 Brewsters(10-12m2/N)であること
がわかった。また、NMRの積分値から生成したポリマー
は2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパンと2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−タ
ーシャリーブチルフェニル)プロパンの1:1のポリカー
ボネート共重合体であることが確認できる。
実施例4 三つ口フラスコに撹はん機,温度計,ガラス導入管,
排気管を付ける。水酸化ナトリウム10重量%水溶液に2,
2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プ
ロパン154部(50mol%)と2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シ−3−ターシャリレブチルフェニル)プロパン204部
(50mol%)を溶かし、ジクロルメタンを加え、これを
激しく撹はんしながらホスゲンガスを導入した。ホスゲ
ンはボンベから空の洗気びん,水を入れた洗気びん,空
の洗気びんを通してフラスコに導入した。ホスゲンガス
を導入中の反応温度は25℃以下になるように水冷した。
縮合の進行と共に溶液は粘ちょうになってくる。さらに
ホスゲン−塩化水素錯体の黄色が消えなくなるまでホス
ゲンを通じた。反応終了後、メタノールに反応溶液を注
ぎ込み、ろ別し、水洗を繰り返した。さらに生成したポ
リカーボネートはジクロルメタンの溶液からメタノール
で再沈精製した。精製後よく乾燥したのち、ジクロルメ
タンを溶媒に用いて20℃にて溶液粘度を測定した。この
値から算出した粘度平均分子量はv=29,000であっ
た。また、実施例3と同様に機器分析を行ったところ、
実施例3と同じ結果が得られたことから、生成したポリ
マーは2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパンと2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
ターシャリーブチルフェニル)プロパンの1:1のポリカ
ーボネートの共重合体であると確認することができる。
実施例5 2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン46部(15mol%)と2,2−ビス−(4−ヒド
ロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパン34
7部(80mol%)とジフェニルカーボネート264部を3
三つ口フラスコに入れ、脱気、N2パージを5回繰り返し
た後、シリコンバス160℃で窒素を導入しながら溶融さ
せた。溶融したら、カーボネート化触媒である水素化ホ
ウ素カリウムを予めフェノールに溶かした溶液(仕込ん
だビスフェノール全量に対して10-3mol%量)を加え、1
60℃,N2下,30分撹はん醸成した。次に、同温度下、100T
orrに減圧し、30分撹はんした後、同温度下でさらに50T
orrに減圧し、60分反応させた。次に徐々に温度を220℃
まで上げ60分反応させ、ここまでの反応でフェノール留
出理論量の80%を留出させた。しかる後、同温度下で10
Torrに減圧し30分反応させ、温度を徐々に270℃に上げ3
0分反応させた。さらに同温度下で5Torrまで減圧し30分
反応させ、フェノール留出理論量のほぼ全量を留出させ
前縮合を終えた。次に同温度下で0.1〜0.3Torrで2時間
縮合させた。窒素下にて生成物のポリマーを取り出し冷
却した後、ジクロルメタンを溶媒として用いて20℃にて
溶液粘度を測定した。この値から算出した粘度平均分子
量はMv=18,000であった。IRスペクトルを測定すると17
40〜1805cm-1にカーボネート結合の特性吸収が見られた
(図5)。また、1H−NMRを測定すると1.36ppmにターシ
ャリーブチル基のメチル基水素の吸収、1.68ppmにプロ
パンのメチル基水素の吸収、2.30ppmにメチル基水素の
吸収、7.20〜7.30ppmにフェニル基に由来する吸収を観
測した(図6)。また、DSCからガラス転移点はTg=119
℃であることがわかった。更に光弾性定数を測定すると
C=28 Brewsters(10-12m2/N)であることがわかっ
た。また、NMRの積分値から生成したポリマーは2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン
と2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブ
チルフェニル)プロパンの3:17のポリカーボネート共重
合体であることが確認できる。
実施例6 三つ口フラスコに撹はん機,温度計,ガス導入管,排
気管を付ける。水酸化ナトリウム10重量%水溶液に2,2
−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン46部(15mol%)と2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−
3−ターシャリーブチルフェニル)プロパン347部(85m
ol%)を溶かし、ジクロルメタンを加え、これを激しく
撹はんしながらホスゲンガスを導入した。ホスゲンはボ
ンベから空の洗気びん,水を入れた洗気びん,空の洗気
びんを通してフラスコに導入した。ホスゲンガスを導入
中の反応温度は25℃以下になるように水冷した。縮合の
進行と共に溶液は粘ちょうになってくる。さらにホスゲ
ン−塩化水素錯体の黄色が消えなくなるまでホスゲンを
通じた。反応終了後、メタノールに反応溶液を注ぎ込
み、ろ別し、水洗を繰り返した。さらに生成したポリカ
ーボネートはジクロルメタンの溶液からメタノールで再
沈殿して精製した。精製後よく乾燥したのち、ジクロル
メタンを溶媒に用いて20℃にて溶液粘度を測定した。こ
の値から算出した粘度平均分子量はv=20,000であっ
た。また、実施例5と同様に機器分析を行ったところ実
施例5と同じ結果が得られたことから、生成したポリマ
ーは2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパンと2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−タ
ーシャリーブチルフェニル)プロパンの3:17のポリカー
ボネート共重合体であることが確認できる。
(発明の効果) 本発明のポリカーボネート共重合体は光弾性係数が小
さいためレーザー光線により信号を記録し、或いはレー
ザー光線の反射又は透過により記録された信号の読み出
しを行なう光学式情報記録用ディスクに有用である。
【図面の簡単な説明】
図1,図3,図5はそれぞれ実施例1,3,5で得られた本発明
の共重合体のIRスペクトル、図2,図4,図6はそれぞれ実
施例1,3,5で得られた本発明の共重合体のNMRスペクトル
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチ
    ルフェニル)プロパン99〜1モル%と2、2−ビス−
    (4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)
    プロパン1〜99モル%とをカーボネート結合して得ら
    れ、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
    ル)プロパンの構成単位が99〜1モル%、2、2−ビス
    −(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニ
    ル)プロパンの構成単位が1〜99モル%であり、かつ粘
    度平均分子量1,000〜100,000である芳香族ポリカーボネ
    ート共重合体。
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