以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置について詳しく説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置の一例として、本発明が特に有効に適用される電子写真カラー複写機を用いて説明する。電子写真カラー複写機は、複数の画像形成部を並列に配し、且つ中間転写方式を採用したカラー画像出力装置である。
最初に、本画像形成装置の特徴について説明する。
[特徴]
本発明の画像形成装置は、画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理とを適正化して、または、現像剤の吐き出し処理を適正化して、ユーザのプリント待ち時間を短縮しかつ上記処理で用いられる現像剤の消費量を低減することを特徴とする。ここで、画像形成条件の補正処理とは、レジストレーション補正処理または濃度補正処理である。
例えば、印刷ジョブの順番を変更して画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理とを合わせて行うように制御することができる。そのため、画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理を個々に行う場合に比べてトータル的なユーザのプリント待ち時間は低減し、現像剤の吐き出し処理で吐き出される現像剤は画像形成条件の補正処理で用いられるため現像剤の消費量も低減する。このように、画像形成条件の補正処理における現像剤の消費を現像剤の吐き出し処理と兼ねさせることで、トータル的なトナー消費量を低減しかつ画像形成装置のダウンタイムを短縮するように制御することで、ユーザビリティーを向上させることができる。
また、連続して画像デューティの低い画像の画像形成ジョブ(以下、画像形成ジョブを印刷ジョブと記す。尚、ジョブは、入力画像1枚でその出力が1枚(部)又は複数枚(部)、入力画像が複数枚でその出力が1枚(部)又は複数枚(部)を含む)を行うために現像剤の吐き出し処理が必要な場合において、その後に続く印刷ジョブが画像デューティの高い画像の場合に、印刷ジョブの順番を入れ替えて現像剤の吐き出し処理を不要にすることができる。そのため、現像剤の吐き出し処理で吐き出される現像剤を有効に利用して現像剤の消費量を低減することができる。
<1.画像形成装置の構成>
以下、1.本画像形成装置の構成、2.レジストレーション補正処理、3.濃度補正処理、4.印刷ジョブスケジューリングの順序で説明する。すなわち、まず、本画像形成装置の構成を説明し、続いて、本画像形成装置を用いた画像形成条件の補正処理(レジストレーション補正処理および濃度補正処理)について説明する。最後に、本発明の特徴である印刷ジョブスケジューリング処理、つまり、画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理とを適正化する処理、あるいは、現像剤の吐き出し処理を適正化する処理、について説明する。
[画像形成装置:図1A]
図1Aは、電子写真カラー複写機の全体構成を示す概略断面図である。
電子写真カラー複写機は、画像読取部1Rと、画像出力部1Pとを有する。画像読取部1Rは、原稿画像を光学的に読み取り、電気信号に変換して画像出力部1Pに送信する。画像出力部1Pは、複数の、本実施形態では4つ並設された画像形成部10(10a、10b、10c、10d)と、給紙ユニット20と、中間転写ユニット30と、定着ユニット40と、クリーニングユニット50と、制御ユニット(図示せず)とを有する。
更に、個々のユニットについて詳しく説明する。
各画像形成部10(10a、10b、10c、10d)は同じ構成とされる。各画像形成部10(10a、10b、10c、10d)では、第一の像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム11(11a、11b、11c、11d)が回転自在に軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光体ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に一次帯電器12(12a、12b、12c、12d)、光学系13(13a、13b、13c、13d)、折り返しミラー16(16a、16b、16c、16d)が配置されている。また、現像装置14(14a、14b、14c、14d)、及びクリーニング装置15(15a、15b、15c、15d)も配置されている。
一次帯電器12a〜12dにおいて感光体ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、光学系13a〜13dにより、記録画像信号出力部1Rからの記録画像信号に応じて変調した、例えばレーザービームなどの光線を折り返しミラー16a〜16dを介して感光体ドラム11a〜11d上に露光する。その結果、感光体ドラム11a〜11d上に静電潜像が形成される。
更に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックといった4色の現像剤(以下、「トナー」という。)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって上記静電潜像を顕像化する。顕像化された可視画像を画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdにて中間転写ユニット30を構成する第二の像担持体としてのベルト状の中間転写体、即ち、中間転写ベルト31に転写する。中間転写ユニット30については、後で詳述する。
画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの下流側では、クリーニング装置15a、15b、15c、15dにより中間転写体に転写されずに感光体ドラム11a〜11d上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
給紙ユニット20は、転写材Pを収納するためのカセット21a、21b及び手差しトレイ27と、カセット21a、21b若しくは手差しトレイ27より転写材Pを一枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、26を有する。また、給紙ユニット20は、各ピックアップローラ22a、22b、26から送り出された転写材Pを更に搬送するための給紙ローラ対23と、給紙ガイド24を有する。更に、給紙ユニット20は、各画像形成部の画像形成タイミングに合わせて転写材Pを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25a、25bを有する。
中間転写ユニット30について詳細に説明する。
中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32と、ばね(図示せず)の付勢によって中間転写ベルト31に適度なテンションを与えるテンションローラとしての、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33を有する。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32、従動ローラ33、二次転写対向ローラ34との間に張設巻回されている。又、駆動ローラ32と従動ローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。中間転写ベルト31としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)などが用いられる。駆動ローラ32は、金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングしてベルトとのスリップを防いでいる。駆動ローラ32は、パルスモータ(不図示)によって回転駆動される。
各感光体ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写用帯電器35(35a〜35d)が配置されている。一方、二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。
また、中間転写ベルト31の二次転写領域Teの下流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングユニット50が配置される。クリーニングユニット50は、中間転写ベルト31上のトナーを除去するためのクリーニングブレード51と、廃トナーを収納する廃トナーボックス52とを備えている。
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒーターなどの熱源を備えた定着ローラ41aと、そのローラに加圧される41b(このローラにも熱源を備える場合もある)とを有する。更に、定着ユニット40は、上記ローラ対41a、41bのニップ部へ転写材Pを導くためのガイド43、定着ユニットの熱を内部に閉じ込めるための定着断熱カバー46、47を有する。また、定着ユニット40は、上記ローラ対41a、41bから排出されてきた転写材Pをさらに装置外部に導き出すための内排紙ローラ44、外排紙ローラ45、及び、転写材P積載する排紙トレー48などを備えている。
[操作表示:図1B]
図1Bは図1Aの画像形成装置における操作表示装置400を示す図である。
操作表示装置400には、画像形成動作を開始するためのスタートキー402、画像形成動作を中断するためのストップキー403、置数設定等を行うテンキー404〜412および414などが配置されている。また、操作表示装置400には、IDキー413、クリアキー415、リセットキー416、メンテナンスキー417なども配置されている。また、上部にタッチパネルが形成された液晶表示部420が配置されており、画面上にソフトキーを作成可能となっている。
[制御部:図2]
図2は制御部80のブロック図である。
201は画像読み取りを行うスキャナ部で、202はその画像データを画像処理するRGB-IP部、203はファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部である。更に、204はネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card)部分である。205はコンピュータ側から送られてきたページ記述言語(PDL)を画像信号に展開するPDL部であり、212はアドオン部であり、通常スルーであるが、アドオン情報の付加と解除を行う際には有効になる。そして、画像形成装置の使い方に応じてコア部206で画像信号を一時保存したり、経路を決定する。次に、コア部206から出力された画像データは、CMYK-IP部207を経由して、PWM部208に送られた後、画像形成を行うプリンタ部209に送られプリントアウトされる。
[RGB-IP部の構成:図3]
図3を用いてスキャナ部201及びRGB-IP部202について説明する。
入力された光学的信号は、 CCDセンサ308により電気信号に変換される。このCCDセンサ308はRGB3ラインのカラーセンサであり、RGBそれぞれの画像信号としてA/D変換部401に入力される。ここでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータで、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R0,G0,B0に変換される。その後、402のシェーディング補正で色ごとに、基準白色板の読み取り信号を用いた、公知のシェーディング補正が施される。更に、CCDセンサ308の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路403において、副走査方向の空間的ずれが補正される。
入力マスキング部404は、CCDセンサ308のR,G,Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分である。入力マスキング部404では、CCDセンサ308の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0,G0,B0)信号を標準的な(R,G,B)信号に変換する。更に、輝度/濃度変換部(LOG変換部)405はルックアップテーブル(LUT)RAMにより、構成され、RGBの輝度信号がC1,M1,Y1の濃度信号になるように変換される。マルチファンクションプリンタによりモノクロの画像処理を行う場合には、単色の1ラインセンサを用いて、単色でA/D変換、シェーディングを行ったのち、入出力マスキング、ガンマ変換、空間フィルタの順で処理しても構わない。
[FAX部の構成:図4]
図4を用いてFAX部203について説明する。
まず、受信時には、電話回線から来たデータをNCU部501で受け取り電圧の変換を行い、モデム部502の中の復調部504でA/D変換及び復調操作を行った後、伸張部506でラスタデータに展開する。一般にFAXでの圧縮伸張にはランレングス法などが用いられるが、公知であるためここではその説明を割愛する。ラスタデータに変換された画像は、メモリ部507に一時保管され、画像データに転送エラーがないことを確認後、コア部206へ送られる。次に、送信時は、コア部よりやってきたラスタイメージの画像信号に対して、圧縮部505でランレングス法などの圧縮を施し、モデム部502内の変調部503にてD/A変換及び変調操作を行った後、NCU部501を介して電話回線へと送られる。
[NIC部の構成:図5]
図5を用いてNIC部204について説明する。
ネットワーク101に対してのインターフェイスの機能を持つのが、このNIC部204であり、例えば10Base-T/100Base-TXなどのEthernet(登録商標)ケーブルなどを利用して外部からの情報を入手したり、外部へ情報を流す役割を果たす。外部より情報を入手する場合は、まず、トランス部601で電圧変換され、602のLANコントローラ部に送られる。LANコントローラ部602は、その内部にバッファメモリ1(不図示)を持っており、その情報が必要な情報か否かを判断した上で、バッファメモリ2(不図示)に送った後、PDL部205に信号を流す。次に、外部に情報を提供する場合には、PDL部205より送られてきたデータは、LANコントローラ部602で必要な情報を付加して、トランス部601を経由してネットワークに接続される。
[PDL部の構成:図5]
次に、図5を用いてPDL部205の説明をする。
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトウェアによって作成された画像データは、文書、図形、写真などから構成されており、それぞれは、文字コード、図形コード及び、ラスタ画像データなどによる画像記述の要素の組み合わせから成っている。これが、いわゆるPDL(Page Description Language = ページ記述言語)であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるものである。
図5は、上記PDLデータからラスタ画像データへの変換処理を表わす部分である。NIC部204から送られてきたPDLデータは、CPU部603を経由して一度ハードディスク(HDD)のような大容量メモリ604に格納され、ここで各ジョブ毎に管理、保存される。次に、必要に応じて、CPU部603は、RIP(Raster Image Processing )と呼ばれるラスタ化画像処理を行って、PDLデータをラスタイメージに展開する。展開されたラスタイメージデータは、CMYKの色成分毎にDRAMなどの高速アクセス可能なメモリ605にジョブ毎にページ単位で格納され、プリンタ部208の状況に合わせて、再びCPU部603を介して、コア部206へ送られる。
[コア部の構成:図6]
図6を用いてコア部206について説明する。
コア部206のメイン制御部700は全てのモジュールを統括するコントロール部である。バスセレクタ部701は、いわば交通整理の役割を担っている。すなわち、スタンドアローンとしての複写機能、ネットワークスキャン、ネットワークプリント、ファクシミリ送信/受信、各種機能に応じてバスの切り替えを行うところである。
細かく説明するならば、そのフローは、以下のような機能が考えられる。
・スタンドアローン複写機:スキャナ201→コア206→プリンタ208
・ネットワークスキャン:スキャナ201→コア206→NIC部204
・ネットワークプリント:NIC部204→コア206→プリンタ208
・ファクシミリ送信機能:スキャナ201→コア206→FAX部203
・ファクシミリ受信機能:FAX部203→コア206→プリンタ208
次に、バスセレクタ部701を出た画像データは、圧縮部702、ハードディスク(HDD)などの大容量メモリからなるメモリ部703及び、伸張部704を通ってプリンタ部208へ送られる。また、CMYK-IP部710は後述するCMYK-IP部207と同等の機能を有しており、バスセレクタ部701を出た画像データからYMCK単位で使用するトナーの消費量を計測する機能をもっている。そのため、入力された印刷JOB単位で画像比率データを画像形成前に格納することができる。ここで用いられる圧縮方式は、JPEG,JBIG,ZIPなど一般的なものを用いればよい。
次に、圧縮された画像データは、ジョブ毎に管理され、ファイル名、作成者、作成日時、ファイルサイズ、画像画像比率データ、画像形成動作モードの設定などの付加データと一緒に格納される。更に、ジョブの番号とパスワードを設けて、それらも一緒に格納すれば、パーソナルボックス機能をサポートすることができる。これは、データの一時保存や特定の人にしかプリントアウト(HDDからの読み出し)ができない親展機能である。
格納されているそれぞれのジョブに対しては、ジョブを指定して呼び出しが行われた場合には、パスワードの認証を行った後、HDDより呼び出し、画像伸張を行ってラスターイメージに戻してプリンタ部207に送られる。操作部705は、ユーザが画像形成動作の入力および、動作状態を出力する。
[CMYK-IP部の構成:図6]
図6によりCMYK-IP部207を説明する。
コア部206より渡されたデータは、出力マスキング/UCR回路部706に入る。出力マスキング/UCR回路部706は、前述のRGB-IP部202にて説明したLOG変換(405)後のC1,M1,Y1信号を画像形成装置のトナー色であるY,M,C,K信号にマトリクス演算を用いて変換する部分である。出力マスキング/UCR回路部706では、CCDセンサ308で読み込まれたRGB信号に基づいたC1,M1,Y1,K1信号をトナーの分光分布特性に基づいたC,M,Y,K信号に補正して出力する。
次に、ガンマ補正部707にて、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのC,M,Y,Kデータに変換される。また、空間フィルタ708では、シャープネスまたは、スムージングが施された後、画像信号はPWM部208へと送られる。画像カウンタ709は、前記画像信号からトナーの消費量をカウントする。カウントしたデータはコア部206へ送られる。
[PWM部の構成:図7]
図7によりPWM部208を説明する。
CMYK-IP部207を出たイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に色分解された画像データはそれぞれのPWM部208を通ってそれぞれ画像形成される。801は三角波発生部である。802はD/Aコンバータであり、入力されるディジタル画像信号をアナログ信号に変換する部分である。これらの2つの信号は、図7(b)の10−2aのようにコンパレータ803に送られて大小比較される。そして、図7(b)の10−2bのような信号となってレーザ駆動部804に送られ、CMYKそれぞれが、CMYKそれぞれのレーザ13でレーザビームに変換される。そして、ポリゴンミラーで、それぞれのレーザビームを走査して、それぞれの感光体ドラム11(11a、11b、11c、11d)に照射される。
コア部206により画像形成動作開始が発せられると、プリンタ部209においては選択された用紙サイズなどにより選択された給紙段から給紙動作を開始する。例えば、上段の給紙段から給紙された場合について説明すると、図1にて、先ず、ピックアップローラ22aにより、カセット21aから転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして、給紙ローラ対23によって転写材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a、25bまで搬送される。その時レジストローラ25a、25bは停止されており、転写材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部が画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ25a、25bは回転を始める。この回転時期は、転写材Pと画像形成部より中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定されている。
また、13はレーザスキャナであり、画像データ信号に対応するレーザ光を出力し、ポリゴンミラーによって主走査方向に走査し感光ドラム11に照射することによって、感光ドラム11に静電潜像が形成される。静電潜像された感光ドラム11の表面と現、像バイアスが印加された現像器14内の現像スリーブ面との間に形成される電位量に応じたトナーが、現像器14から感光ドラム11表面へ飛ばされ、感光ドラム11表面の静電潜像が現像される。感光ドラム11上に形成されたトナー像は、回転する中間転写ベルト31上に転写される。
前述したプロセスを経て一番上流にある感光体ドラム11d上に形成されたトナー画像が、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。そこでは各画像形成部間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて、その次のトナー像が転写される。以下も同様の工程が繰り返されることで、4色のトナー像が中間転写ベルト31上において一次転写される。
その後、転写材Pが二次転写領域Teに進入し、中間転写ベルト31に接触すると、転写材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧を印加する。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー画像が転写材Pの表面に転写される。その後、転写材Pは搬送ガイド43によって定着ローラニップ部まで正確に案内される。そして、ローラ対41a、41bの熱及びニップの圧力によってトナー画像が転写材P表面に定着される。その後、内外排紙ローラ44、45により搬送され、転写材Pは機外に排出され、排紙トレー48に積載される。
<2.レジストレーション補正>
次に、上記説明した本画像形成装置を用いた画像形成条件の補正処理であるレジストレーション補正処理と濃度補正処理について順次説明する。まず、レジストレーション補正について説明する。
パターン画像読み取り手段であるフォトセンサ60、61は、複数の感光体ドラムのうち、ベルト進行方向において最下流に位置する感光体ドラム11aと駆動ローラ32の間に位置する。そして、中間転写ベルト31上に形成されたレジストレーション補正用パターン画像70を読み取る。
本実施形態では、画像形成動作を行う前に、所定のタイミングで中間転写ベルト31上にレジストレーション補正用パターン画像70を形成し、フォトセンサ60、61で読み取る。そして、各色に相当する感光体ドラム上でのレジストレーションずれを検出し、記録されるべき画像信号に電気的補正をかけ、及び/又はレーザービーム光路中に設けられている折り返しミラー16aを駆動して、光路長変化或いは光路変化の補正を行う。
[レジストレーション補正用パターン画像:図8]
レジストレーション補正用パターン画像としては様々なパターンが提案されており、ここでは図8のようなレジストレーション補正用パターン画像を形成する。
このようなパターンをLED、フォトトランジスタ等の発光素子、受光素子にて構成されるパターン検知手段、即ち、パターン読み取り手段としてのフォトセンサで読み取られる。このフォトセンサは、プロセス方向と直交する方向に所定の距離をおいて2つ配置されており、レジストレーション補正用パターン画像は、このフォトセンサ上を通過するように形成される。
[フォトセンサ:図9]
図9は、フォトセンサ60、61がベルト31上のレジストレーション補正用パターン70を検知する様子を示したものである。なお、中間転写ベルト31としては、フォトセンサ60、61内の発光素子(LED)が照射する光(例えば赤外光)の反射率がパターン70に比べて大きい材質のものを使用しており、この反射率の違いによりパターン検知を可能としている。
[受光:図10]
図10には、LEDが照射する光を画像ずれ検出用パターン70若しくは転写ベルト31が反射する反射光を受光素子(フォトトランジスタ)PTが受光する様子を示す。図10の(A)は、ベルト31→パターン70→ベルト31の順番で受光回路LRCが反射光を検知した様子を示す。
[レジストレーション補正動作:図11]
次に、図11のフローチャートを用いてレジストレーション補正動作を詳細に説明する。
プリンタ部209は、レジストレーション補正動作を開始すると、中間転写ベルト31の回転駆動を開始する(ステップS2-1)。次に、中間転写ベルト31の搬送方向と直交する方向に所定の距離をおいて配置されたフォトセンサ60、61のLEDを点灯する(ステップS2-2)。そして、レジストレーション補正パターン70をプリンタ部209へ送信し、プリンタ部209はレジストレーション補正パターン70を書き込む(ステップS2-3)。LEDの照射光でレジストレーション補正パターンを読み取り(ステップS2-4)、レジストレーション補正を行う(ステップS2-5)。そして、フォトセンサ60、61のLEDを消灯し本動作を終了する(ステップS2-6)。
<3.濃度補正処理>
次に、上記説明した本画像形成装置を用いた画像形成条件の補正処理である濃度補正処理について説明する。
[濃度検知センサ:図12]
図12に濃度検知センサ62の配置例を示す。
画像濃度補正処理では、中間転写ベルト31上に各色の濃度パッチ画像を形成し、これを本発明の構成要素たる検知手段としての濃度検知センサ62で読み取る。そして、高圧条件やレーザーパワーといったプロセス形成条件にフィードバックする事によって各色の最大濃度やハーフトーン階調特性を合わせる。ここで、各色の最大濃度を一定に保つ画像濃度制御はDmax制御、ハーフトーンの階調特性を画像信号に対してリニアに保つ画像濃度制御はDhalf制御と称する。Dmax制御は、各色のカラーバランスを一定に保つことと同時に、トナーの載りすぎによる色重ねした文字の飛び散りや、定着不良を防止する意味も大きい。
一般的に濃度検知センサ62は、濃度パッチを光源で照射し、反射光強度を受光センサで検知する。その反射光強度の信号はA/D変換された後、本発明の構成要素たる検知パターン形成手段及び画像形成条件を制御する手段としてのCPUで処理され、プロセス形成条件10にフィードバックされる。具体的にDmax制御は、画像形成条件を変えて形成した複数の濃度パッチを光学センサで検知し、その結果から所望の最大濃度を得られる条件を計算し、画像形成条件を変更する。
[濃度パッチ:図13]
図13は、濃度パッチの大きさを示す図である。
本実施の形態では各濃度パッチの大きさを図13に示すように主走査方向に20.3mm、副走査方向に16.24mmとする。次に、同じパッチの画像データを用いて、帯電バイアスVpY1をVpY2に変え、現像バイアスVdY1をVdY2に変えて同様にしてイエローの濃度パッチPY2をITB30上に形成する。さらに同様に、マゼンタ、シアン、ブラックについても帯電バイアスと現像バイアスを変化させて、濃度パッチPM2、PC2、PK2をITB30上に形成する。この処理を帯電バイアスVpYn、VpMn、VpCn、VpKnと現像バイアスVdMn、VdCn、VdKnについてnを1から5まで計5回繰り返して行う。そして、最終的には図13に示すようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃度パッチPYn、PMn、PCn、PKn(nは1〜5)がITB上の長手20方向に一直線に5組形成されることになる。
濃度検知センサの方式は反射光の乱反射成分を検知する方式と反射光の正反射成分を検知する方式の2つの方式に大別される。まず、乱反射成分を検知する方式について詳述する。乱反射成分とは、色として感じる反射の成分であり、その反射光量は濃度パッチの色材の量、すなわちトナー量の増加に応じて増大する特徴がある。
[乱反射光量とトナー量との関係:図14]
図14は、従来の画像形成装置において適用される、乱反射光量とトナー量との関係のグラフである。
また、その反射光は濃度パッチから全方向にまんべんなく拡散することもその特徴である。乱反射成分を検知するタイプの濃度センサは、後述する正反射成分の影響を除くために、照射角と受光角が異なるよう構成される。しかしながら、この乱反射を検知する濃度センサで黒トナーの濃度を検知した場合、黒トナーが光を吸収するため黒トナーからの反射光を検知することができない。そこで、この場合、例えば濃度パッチの下地の部分に有彩色のものを用い、下地の反射光量が黒トナーにより隠される量を測定することにより、黒トナーの濃度を検知するという方法も考案されている。
また中間転写ベルト31は、紙搬送力や画像安定性を確保するために抵抗値の調整を行う必要があり、そのためカーボンブラックが分散され、黒色や濃い灰色となることが多い。したがって、中間転写ベルト31上で黒トナーの濃度を検知する場合、濃度パッチからも下地からも光が反射されず、乱反射を検知するタイプの濃度センサでは黒トナーの検知ができない。そこで、正反射光を検知するタイプの濃度センサを用いる必要がある。
[正反射光量とトナー量との関係:図15]
図15は、正反射光量とトナー量との関係を示すグラフである。
以下、反射光の正反射成分を検知する方式について詳述する。正反射光を検知するタイプのセンサでは、下地面(中間転写ベルト31)の法線に対して照射角と対称となる方向に反射される光を検知する。この反射光量は、下地(ETBまたはITB)の材質固有の屈折率と表面状態により決まる反射率に依存し、光沢として感じる。下地の上に濃度パッチが形成された場合、トナーがある部分では下地が隠され反射光が無くなる。したがって、濃度パッチのトナー量と正反射光量の関係は図15に示すように、トナー量の増加につれて反射光量は小さくなる。
正反射光を検知するタイプの濃度センサは、トナーからの反射光ではなく、下地からの反射光を主として検知するため、トナー、下地の色によらず濃度検知を行うことができ、乱反射光を検知するタイプの濃度センサよりも有利である。また、一般的に正反射成分の反射光量は乱反射成分の反射光量よりも大きく、濃度センサの検知精度に関しても正反射光を検知するタイプの濃度センサの方が有利である。そのため、感光体上で濃度検知を行う場合にも正反射光を検知するタイプの濃度センサを用いるのが望ましい。
しかしながら、正反射光を検知するタイプの濃度センサで有彩色のトナーを検知した場合には問題が生じる。有彩色トナーの濃度パッチに光を照射した場合、トナー量の増加に応じて乱反射光が増加し、その反射光は全方向にまんべんなく拡散されることは前述した。したがって、濃度センサで検知される光は正反射成分と乱反射成分の和になる。
[正反射光検知濃度センサによる有彩色のトナーの検知:図16、17]
図16は、正反射光を検知するタイプの濃度センサで有彩色のトナーを検知したときのトナー量と反射光量の関係を示す。
つまり、トナー量と反射光量の関係は正反射の特性である細実線と乱反射の特性である破線の和になり、太実線のような負性特性を示す。従って、正反射光と乱反射光の両方の特性を生かすため、図17に示す光学センサのように1つの発光素子301からの照射光を正反射光用(302)と乱反射光用(303)の2つの受光素子を用いて検出し、それをもって濃度検知を行う。すなわち、中間転写ベルト31上に濃度パッチを形成し、1つの濃度センサで全色の濃度を検知している。
[下地補正:図18、19]
ところで、下地からの反射光を主として検知する正反射光検知タイプの濃度センサでは、使用度合いによって下地の表面状態が変動した場合、反射光量も変動してしまう。そこで、濃度パッチの反射光量を下地の反射光量で規格化した後、濃度情報に変換するなどの補正(以下「下地補正」と称する)を行うのが有効である。ここで、下地補正のための下地反射光量の測定は、中間転写ベルト31の材質むらや経時変化を考慮して、なるべく濃度パッチを作成するのと同じタイミング、同じ位置で行うことが望ましい。従って、下地反射光量を測定する方法として図18で示すように濃度パッチの濃度と下地反射光量を交互に測定する方法や、図19で示すように濃度パッチの濃度を連続して測定した後に中間転写ベルト31の周分の下地反射光量を測定する方法がとられている。
[画像濃度制御:図20]
以下に本発明で行う画像濃度制御の例としてDmax制御について図20のフローチャートを用いて詳しく説明する。本実施の形態においてDmax制御は画像形成を500回行う毎に行う構成とする。
プリンタ部209は、濃度補正処理を開始すると、中間転写ベルト31の回転駆動を開始し(ステップS1-1)、中間転写ベルト31上に配置された濃度検知センサ62のLEDを点灯する(ステップS1-2)。そして、プリンタ部209へ送信し、プリンタ部209は濃度パッチ71を書き込む(ステップS1-3)。LEDの照射光で濃度パッチ71を読み取り(ステップS1-4)、濃度補正を行う(ステップS1-5)。濃度検知センサ62のLED301を消灯し(ステップS1-6)、本動作を終了する。
<4.印刷JOBスケジューリング>
最後に、本発明の特徴である画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理とを適正化する処理、あるいは、現像剤の吐き出し処理を適正化する処理である印刷ジョブスケジューリングについて説明する。これらの適正化の処理により、吐き出される現像剤の量を低減したり、あるいは吐き出される現像剤を画像形成条件の補正処理に用いることで吐き出される現像剤の量を低減することができる。またユーザのプリント待ち時間を短縮することができる。
[印刷JOBスケジューリング]
印刷ジョブスケジューリングの具体的な処理は、図22A、22B、22C、図23に示すフローチャートに従って行われる。しかし、図22A〜図23に示すフローチャートの理解を容易にするため、まず図21A、21B、21C、21D、21Eに示すユーザが複数の印刷JOBを入力した場合の具体例を用いて印刷JOBスケジューリング処理の概要および個別的な説明を行う。その後、図22A〜図23の全体的な説明について説明する。
[印刷JOBスケジューリングの例:図21A]
図21Aは、調整シーケンス後に吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行った結果を示す一例である。
図21Aの(a)、(c)は、本印刷JOBスケジューリング処理前の状態を示し、(b)、(d)は、本印刷JOBスケジューリング処理後の状態を示している。図21Aの(a)は、濃い印刷ジョブ1のあとに調整タイミングとなり、調整シーケンスを行い、そのあとに薄い印刷ジョブ2があり、薄い印刷ジョブ2のあとに吐き出しタイミングとなり、吐き出しシーケンスを行う状態を示している。本印刷JOBスケジューリング処理により、図21Aの(b)に示すように、吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBを調整シーケンスの前に実行し、その後、調整シーケンスと吐き出しシーケンスを同時に実行するように制御される。そのため、画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理を個々に行う場合に比べてトータル的なユーザのプリント待ち時間は低減する。また、現像剤の吐き出し処理で吐き出される現像剤は画像形成条件の補正処理で用いられるため現像剤の消費量も低減する。なお、上記の処理は、図22Aのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(YES)→S3−3(YES)→S3−4(YES)→S3−5(YES)→S3−6(YES)→S3−8の流れで行われる処理である。その詳細は後述する。
[印刷JOBスケジューリングの別の例:図21B]
図21Bは、調整シーケンス後に図21Aと異なる吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行った結果を示す一例である。
図21Bの(a)、(c)は、本印刷JOBスケジューリング処理前の状態を示し、(b)、(d)は、本印刷JOBスケジューリング処理後の状態を示している。図21Bの(a)は、濃い印刷ジョブ1のあとに調整タイミングとなり、調整シーケンスを行い、そのあとに濃い印刷ジョブ2と薄い印刷ジョブ3が続き、薄い印刷ジョブ3のあとに吐き出しタイミングとなり、吐き出しシーケンスを行う状態を示している。本印刷JOBスケジューリング処理により、図21Bの(b)に示すように、吐き出しシーケンスの必要な薄い印刷JOB3を調整シーケンスの前に実行し、調整シーケンスと吐き出しシーケンスを同時に実行するように制御される。また、濃い印刷JOB1を調整シーケンスと吐き出しシーケンスを同時に実行した後に実行するように印刷JOBスケジューリングを行うように制御される。そのため、画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理を個々に行う場合に比べてトータル的なユーザのプリント待ち時間は低減する。また、現像剤の吐き出し処理で吐き出される現像剤は画像形成条件の補正処理で用いられるため現像剤の消費量も低減する。なお、上記の処理は、図22Aのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(YES)→S3−3(YES)→S3−4(YES)→S3−5(YES)→S3−6(NO)→S3−7の流れで行われる処理である。この詳細は後述する。
[印刷JOBスケジューリングの別の例:図21C]
図21Cは、調整シーケンス後に吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行った結果を示す一例である。
図21Cの(a)、(c)は、本印刷JOBスケジューリング処理前の状態を示し、(d)は、本印刷JOBスケジューリング処理後の状態を示している。
図21Cの(a)は、薄い印刷ジョブ1のあとに調整タイミングとなり、調整シーケンスを行い、そのあとに薄い印刷ジョブ2と薄い印刷ジョブ3が続き、薄い印刷ジョブ3のあとに吐き出しタイミングとなる状態を示している。そして、さらに、吐き出しシーケンスを行った後に、濃い印刷ジョブ4が続く状態を示している。
ここで、薄い印刷ジョブ2と薄い印刷ジョブ3とはそれぞれ単独では吐き出しシーケンスが不要な印刷ジョブであるが、薄い印刷ジョブ2と薄い印刷ジョブ3とが連続するとトータルとして吐き出しシーケンスが必要な印刷ジョブである。
この場合には、薄い印刷ジョブ1の時点での本印刷JOBスケジューリング処理では、印刷ジョブの変更は行わず、図21Cの(d)に示すように、薄い印刷ジョブ1のあとに調整シーケンスを行うように制御する。そのため、調整シーケンスと吐き出しシーケンスとは同時に実行されない。しかし、調整シーケンスが終了後の薄い印刷ジョブ2を実行する時点で、再度、本印刷JOBスケジューリング処理が行われ、その結果として、吐き出しシーケンスを低減することができる。この点については、図21Dで説明する。なお、上記の処理は、図22Aのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(YES)→S3−3(YES)→S3−4(YES)→S3−5(NO)→S3−9の流れで行われる処理である。
[印刷JOBスケジューリングの別の例:図21D]
図21Dは、調整シーケンスは無いが吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行った結果を示す一例である。図21Dの(a)、(c)は、本印刷JOBスケジューリング処理前の状態を示し、(b)、(d)は、本印刷JOBスケジューリング処理後の状態を示している。図21Dの(a)は、薄い印刷ジョブ1のあとに薄い印刷ジョブ2があり、薄い印刷ジョブ2のあとに吐き出しタイミングとなり、吐き出しシーケンスの後に濃い印刷ジョブ3がある状態を示している。本印刷JOBスケジューリング処理により、図21Dの(b)に示すように、印刷JOB間に吐き出しシーケンスが必要なくなるように印刷JOBスケジューリングを行うことで、吐き出しシーケンスを実行しないように制御される。そのため、現像剤の吐き出し処理が無くなるのでユーザのプリント待ち時間は低減する。また、現像剤の吐き出し処理が無くなるので現像剤の消費量も低減する。なお、上記の処理は、図22Aと図22Cのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(NO)→S3−10(YES)→S3−11(YES)→S3−12(NO)→S3−12−1(YES)→S3−13(NO)→S3−14の流れで行われる。この詳細は後述する。
[印刷JOBスケジューリングの別の例:図21E]
図21Eは、調整シーケンスは無いが吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBが複数あった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行った結果を示す一例である。
図21Eの(a)、(c)は、本印刷JOBスケジューリング処理前の状態を示し、(b)、(d)は、本印刷JOBスケジューリング処理後の状態を示している。図21Eの(a)は、薄い印刷ジョブ1のあとに吐き出しタイミングとなり、吐き出しシーケンスの後に薄い印刷ジョブ2があり、薄い印刷ジョブ2のあとに吐き出しタイミングとなり、吐き出しシーケンスの後に濃い印刷ジョブ3がある状態を示している。本印刷JOBスケジューリング処理により、図21Eの(b)に示すように、印刷JOB間に吐き出しシーケンスが必要なくなるように印刷JOBスケジューリングを行うことで、吐き出しシーケンスの実行回数を減らすように制御される。そのため、現像剤の吐き出し処理回数げ減るのでユーザのプリント待ち時間は低減する。また、現像剤の吐き出し処理回数が減るので現像剤の消費量も低減する。なお、上記の処理は、図22Aと図22Bのフローチャートにおいて、S3−1(YES)→S3−15(YES)→S3−16(YES)→S3−17(NO)→S3−17−1(YES)→S3−18(NO)→S3−20の流れで行われる。
[吐き出しシーケンス、濃度補正処理、レジストレーション補正処理の設定]
次に、吐き出しシーケンスおよび吐き出しシーケンスと画像形成条件の補正処理の関連について説明する。吐き出しシーケンスとは、現像剤に品質劣化があると予測された場合に、現像剤の消費量に応じて決められる量の現像剤を吐出して基準トナー画像を形成する処理である。この吐き出しシーケンスによる現像剤の吐出によって画像を高品質に維持することができる。また、吐き出しシーケンスと画像形成条件の補正処理(濃度補正処理またはレジストレーション補正処理)を同時に行う場合には、現像剤の吐き出し処理で吐き出される現像剤は画像形成条件の補正処理で用いられるため現像剤の消費量を低減することができる。本実施形態では、吐き出しシーケンス、濃度補正処理、レジストレーション補正処理の一例を以下のように設定する。吐き出しシーケンスでは、各印刷JOB単位で、各色ごとに画像比率を算出し、単独印刷ジョブのみが又は各々の単独印刷ジョブが連続して100枚以上の画像形成をしたときの1枚あたりの画像比率が2%を切る状態になった場合に、その印刷JOB間で該当する色について吐き出しシーケンスを実行するように設定する。ここで、画像比率はA4換算1枚あたりの画像ドット形成比率であり、全面ベタ画像の場合は100であり、画像形成しない場合は0である。また、濃度補正処理は150枚に1度、レジストレーション補正処理は450枚に1度、実行するように設定する。
[吐き出しシーケンス設定の具体例]
[印刷JOBが単独の場合]
例えば,図21Aの印刷JOB1(ファイル名AS123456)では、1部当たりの枚数が10枚で、1部の出力の印刷JOBであり、トータル出力枚数は10×1枚の印刷JOBであり、C色をみると画像比率10でトータル枚数は10枚である。そこで、トータル画像比率、しきい値は以下のようになる。
10%×10枚=100 (印刷JOB1のトータル画像比率)
2%×10枚=20 (印刷JOB1の吐き出しシーケンス実行しきい値)
印刷JOB1のトータル画像比率≧印刷JOB1の吐き出しシーケンス実行しきい値。
そこで、印刷JOB1では吐き出しシーケンスは必要ないと判断される。この場合には、印刷JOB1の後に吐き出しシーケンスは設定されない。
また、図21Aの印刷JOB2(ファイル名AS123457)では、1部当たりの枚数が20枚で、5部の出力の印刷JOBであり、トータル出力枚数は20×5=100枚の印刷JOBであり、C色をみると画像比率1でトータル枚数は100枚である。そこで、トータル画像比率、しきい値は以下のようになる。
1%×100枚=100 (印刷JOB2のトータル画像比率)
2%×100枚=200 (印刷JOB2の吐き出しシーケンス実行しきい値)
印刷JOB2のトータル画像比率<印刷JOB2の吐き出しシーケンス実行しきい値。
印刷JOB2のトータル画像比率はしきい値を下回っており、かつ、100枚以上の画像形成という吐き出しシーケンス実行条件を満たしている。従って、印刷JOB2を単独で処理した場合には、印刷JOB2実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断される。この場合には、印刷JOB2の後に吐き出しシーケンスが設定される。
[印刷JOBが連続する場合]
一方、印刷JOBが複数ある場合には、トータル画像比率の積算は、印刷JOB間にまたがって積算され、吐き出しシーケンスの実行判断に使用される。なお、トータル画像比率の積算は、調整シーケンス及び吐き出しシーケンス実行後にリセットされる。
例えば,図21Aに示すように印刷JOB1(ファイル名AS123456)と印刷JOB2(ファイル名AS123457)が連続する場合には、
C色についてトータル画像比率を算出すると、
10%×10枚=100 (印刷JOB1を実行後)
10%×10枚+1%×100枚=200 (印刷JOB2を実行後)である。
吐き出しシーケンス実行しきい値は、
2%×10枚=20 (印刷JOB1を実行後)
2%×110枚=220 (印刷JOB2を実行後)である。
印刷JOB2後のトータル画像比率<印刷JOB2後の吐き出しシーケンス実行しきい値。印刷JOB2後のトータル画像比率はしきい値を下回っておりかつ、トータル積算枚数も100枚を超えているので、印刷JOB2を実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断できる。
[印刷JOBスケジューリング処理]
以下、図21A〜21Eで概要を説明した印刷JOBスケジューリングについて、図22A〜図23と対応させながら詳しく説明する。なお、以下の説明では、図21A、21B、21Dを例に取り説明する。なお、図21A〜21Eの各(e)には図22A〜図23のフローチャートの対応するステップ番号の流れを記載した。
[印刷JOBスケジューリングの詳細:図21A]
図21Aは、調整シーケンス後に吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行う場合の処理である。この処理は、図22Aのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(YES)→S3−3(YES)→S3−4(YES)→S3−5(YES)→S3−6(YES)→S3−8の流れで行われる処理である。以下、詳細に説明する。
図21Aは、(a)に示すように、濃い印刷JOB1(AS123456)を実行後に、調整制御(濃度またはレジストレーション補正制御)を行うタイミングとなっている。コア部206は図22AのステップS3−1に示すように印刷JOB1実行後に吐き出しシーケンスを実行するがどうか判断する。トータル画像比率が吐き出しシーケンス実行しきい値未満でありかつトータル出力枚数が100枚以上の場合、吐き出しシーケンスが必要であると判断する。印刷JOB1を実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合、印刷JOB1実行後に、調整シーケンスと、吐き出しシーケンスをあわせて実行することになる。しかし、図21Aの例では、トータル画像比率はしきい値を上回っているので、印刷JOB1実行後に吐き出しシーケンスは必要ないと判断する。
次に、印刷JOB1の後に次の印刷JOBが入力されているかどうか判断する(ステップS3−3)。次の印刷JOBが入力されていると判断した場合、次ぎの印刷JOB、すなわち薄い印刷JOB2(AS123457)実行後のトータル画像比率を算出し、印刷JOB2を実行後に吐き出しシーケンスが必要であるかどうか判断する(ステップS3−4)。
C色についてトータル画像比率を算出すると、
10%×10枚=100 (印刷JOB1を実行後)
10%×10枚+1%×100枚=200 (印刷JOB2を実行後)
である。吐き出しシーケンス実行しきい値は、
2%×10枚=20 (印刷JOB1を実行後)
2%×110枚=220 (印刷JOB2を実行後)
である。従って、トータル画像比率はしきい値を下回っておりかつ、トータル積算枚数も100枚を超えているので、印刷JOB2を実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断できる。
次に、印刷JOB2が単独で吐き出しシーケンスが必要か否かを調べると、
1%×100枚=100 (印刷JOB2のトータル画像比率)
2%×100枚=200 (印刷JOB2の吐き出しシーケンス実行しきい値)
である。従って、印刷JOB2のトータル画像比率はしきい値を下回っており、かつ、100枚以上の画像形成という吐き出しシーケンス実行条件を満たしているので、印刷JOB2実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断される(ステップS3−5)。
この場合のトナー吐出し量は、2%を基準とすると、2%×110枚−200=20となる。
次に、次回の調整シーケンスのタイミング以内(150枚以内)であるかどうかを判断する(ステップS3−6)。ここで印刷枚数は110枚であり、150枚以内であると判断される。そこで、調整シーケンスを遅らせて、印刷JOB1を実行後に印刷JOB2を実行したのち調整シーケンス、および吐き出しシーケンスをあわせて実行するように印刷JOBスケジューリングを行う(ステップS3−8)。
[印刷JOBスケジューリングの詳細:図21B]
図21Bは、調整シーケンス後に吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行う場合の処理である。この処理は、図22Aのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(YES)→S3−3(YES)→S3−4(YES)→S3−5(YES)→S3−6(NO)→S3−7の流れで行われる処理である。以下、詳細に説明する。
図21Bは、(a)に示すように、濃い印刷JOB1(AS123456)を実行後に、調整制御(濃度またはレジストレーション補正制御)を行うタイミングとなっている。コア部206は図22AのステップS3−1に示すように印刷JOB1を実行後に吐き出しシーケンスを実行するがどうか判断する。トータル画像比率が吐き出しシーケンス実行しきい値未満でありかつトータル出力枚数が100枚以上の場合、吐き出しシーケンスが必要であると判断する。印刷JOB1を実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合、印刷JOB1実行後に、調整シーケンスと、吐き出しシーケンスをあわせて実行することになる。しかし、図21Bの例では、トータル画像比率はしきい値を上回っているので、印刷JOB1実行後に吐き出しシーケンスは必要ないと判断する。
次に、印刷JOB1の後に次の印刷JOBが入力されているかどうか判断する(ステップS3−3)。次の印刷JOBが入力されていると判断した場合、次ぎの印刷JOB、すなわち濃い印刷JOB2(AS123457)および薄い印刷JOB3(AS123458)実行後のトータル画像比率を算出する。そして、印刷JOB2を実行後に吐き出しシーケンスが必要であるかどうか判断する(ステップS3−4)。
C色についてトータル画像比率を算出すると、
10%×10枚=100 (印刷JOB1を実行後)
10%×10枚+3%×40枚=220 (印刷JOB2を実行後)
10%×10枚+3%×40枚+1%×150枚=370 (印刷JOB3を実行後)
である。吐き出しシーケンス実行しきい値は、
2%×10枚=20 (印刷JOB1を実行後)
2%×50枚=100 (印刷JOB2を実行後)
2%×200枚=400 (印刷JOB3を実行後)
である。
また、印刷JOB3だけの印刷JOBを実行した場合でも、
C色についてトータル画像比率を算出すると、
1%×150枚=150 (印刷JOB3のみを実行後)
吐き出しシーケンス実行しきい値は
2%×150枚=300 (印刷JOB3のみを実行後)
である。印刷JOB2を実行後は、トータル画像比率はしきい値を上回っているので、吐き出しシーケンスの必要は無いと判断できる。しかし、印刷JOB3を実行後は、トータル画像比率がしきい値を未満でありかつ、トータル出力枚数も100枚をこえているので、吐き出しシーケンスが必要と判断できる。
次に、印刷JOB2、印刷JOB3が単独で吐き出しシーケンスが必要か否かを調べると、印刷JOB2実行後は吐き出しシーケンスが不要で、印刷JOB3実行後に吐き出しシーケンスが必要であると判断される(ステップS3−5)。
次に、次回の調整シーケンスのタイミング以内(150枚以内)であるかどうかを判断する(ステップS3−6)。150枚以上であり、調整シーケンスを遅らせることはできないと判断する。次に、印刷JOB3だけを実行した場合を考えると、トータル画像比率が吐き出しシーケンス実行しきい値を下回っておりかつトータル出力枚数が100枚以上であることから、吐き出しシーケンスが必要と判断できる。そこで、印刷JOB1を実行する前に、印刷JOB3を実行したのち、調整シーケンスおよび吐き出しシーケンスをあわせて実行した後、印刷JOB1、印刷JOB2を実行するように印刷JOBスケジューリングを行う(ステップS3−7)。
[印刷JOBスケジューリングの詳細:図21D]
図21Dは、調整シーケンスは無いが吐き出しシーケンスの必要な印刷JOBがあった場合において本印刷JOBスケジューリング処理を行う場合の処理である。この処理は、図22Aと図22Cのフローチャートにおいて、S3−1(NO)→S3−2(NO)→S3−10(YES)→S3−11(YES)→S3−12(NO)→S3−12−1(YES)→S3−13(NO)→S3−14の流れで行われる。以下、詳細に説明する。
図21Dは、(a)に示すように、薄い印刷JOB1(AS123456)と薄い印刷JOB2(AS123457)を実行後に吐き出しシーケンスを行うタイミングとなっている。コア部206は図22AのステップS3−1に示すように印刷JOB1を実行後に吐き出しシーケンスを実行するがどうか判断する。トータル画像比率が吐き出しシーケンス実行しきい値未満でありかつトータル出力枚数が100枚以上の場合、吐き出しシーケンスが必要であると判断する。しかし、図21Dの例では、トータル画像比率はしきい値を下回っているがトータル枚数が100枚を超えていないので、印刷JOB1実行後に吐き出しシーケンスは必要ないと判断する。また、印刷JOB後に調整タイミングが無いのでステップS3−10に進む。
次に、印刷JOB1の後に印刷JOBが入力されているかどうか判断する(ステップS3−10)。印刷JOBが入力されていると判断した場合、次ぎの印刷JOB、すなわち印刷JOB2(AS123457)および、印刷JOB3(AS123458)を実行後のトータル画像比率を算出する。そして、印刷JOB2および印刷JOB3を実行後に吐き出しシーケンスが必要であるかどうか判断する(ステップS3−11)。
C色についてトータル画像比率を算出すると、
1%×80枚=80 (印刷JOB1を実行後)
1%×80枚+2%×40枚=160 (印刷JOB2を実行後)
1%×80枚+2%×40枚+35%×40枚=1550 (印刷JOB3を実行後)
である。吐き出しシーケンス実行しきい値は、
2%×80枚=160 (印刷JOB1を実行後)
2%×120枚=240 (印刷JOB2を実行後)
2%×160枚=320 (印刷JOB3を実行後)
である。印刷JOB3を実行後は、吐き出しシーケンスの必要は無いと判断できる。しかし、印刷JOB2を実行後は、トータル画像比率がしきい値を未満でありかつ、トータル出力枚数も100枚をこえているので、吐き出しシーケンスが必要と判断できる。次に、印刷JOB2だけを実行した場合を考えると、トータル画像比率が吐き出しシーケンス実行しきい値を以上であり、吐き出しシーケンスが必要でないと判断できる(ステップS3−12)。
また、吐き出しシーケンス後に印刷JOB3があり(ステップS3−12−1)、吐き出しが必要な印刷JOB2の後の印刷JOB3に吐き出しシーケンスは必要でない(ステップS3−13)。そこで、印刷JOB1を実行する前において、印刷JOB1,印刷JOB3を実行したのち、印刷JOB2を実行するように印刷JOBスケジューリングを行う(ステップS3−14)。それによって吐き出しシーケンスの必要が無くなる。
[印刷JOBスケジューリング処理:図22A〜図23]
以下印刷JOBスケジューリングに関して、図22A,22B,22C、図23のフローチャートを用いて説明する。
図22A〜図23は、印刷JOBスケジューリング処理を行うフローである。この処理は、コア部206のメイン制御部700がメモリ部703に格納された制御プログラムに基づいて不図示のRAMあるいはメモリ部703を作業領域に用いながら各部を制御して行う処理である。すなわち、メイン制御部700はユーザによって入力された1つもしくは複数の印刷JOBの処理順番を判断し、画像形成条件の補正処理と現像剤の吐き出し処理とを適正化して、または、現像剤の吐き出し処理を適正化する。その結果、ユーザのプリント待ち時間が短縮されかつ上記処理で用いられる現像剤の消費量が低減される。
まず、図22AのステップS3-1において、これから処理する印刷JOBを実行後に吐き出しシーケンスが必要であるかどうか判断する。ステップS3-1で吐き出しシーケンスが必要か否かの判断の詳細を図23に示す。
図23は印刷JOBを実行後に吐き出しシーケンスの実行が必要かどうかを判断するフローチャートである。吐き出しシーケンスとは、各印刷JOB単位で、各色ごとに画像比率を算出し、単独印刷ジョブのみが又は各々の単独印刷ジョブが連続して100枚以上の画像形成をしたときの1枚あたりの画像比率が2%を切る状態になった場合に、その印刷JOB間で該当する色のトナーを吐き出す処理である。ここで、画像比率とはA4換算1枚あたりの画像ドット形成比率であり、全面ベタ画像の場合は100であり、画像形成しない場合は0である。
図23のステップS4-1において、トータル画像比率が吐き出しシーケンスを実行するしきい値未満であり、かつトータル出力枚数が100枚以上の場合には、ステップS4-2に進み、吐き出しシーケンスが必要であると判断して終了する。一方、ステップS4-1において、吐き出しシーケンスが必要でないと判断した場合には何もしないで終了する。
次に、図22AのステップS3-1に戻り、印刷JOBを実行後に、吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合には、図22BのステップS3-15に進む。一方、ステップS3-1で吐き出しシーケンスが必要でないと判断した場合には、ステップS3−2に進み、印刷JOBを実行後に調整シーケンスが必要であるかどうか判断する。ここで、調整シーケンスとは、濃度補正シーケンスまたはレジストレーション補正シーケンスのことである。濃度補正シーケンスでは印刷JOBで形成される画像の150枚間隔で上記説明された濃度補正処理が実行される。レジストレーション補正シーケンスでは印刷JOBで形成される画像の450枚間隔で上記説明されたレジストレーション補正処理が実行される。
次に、ステップS3-2で調整シーケンスが必要でないと判断した場合には、図22Cに示すステップS3-10に進む。一方、ステップS3-2で印刷JOBを実行後に調整シーケンスが必要であると判断した場合には、ステップS3-3に進み、次ぎの印刷JOBが入力されているかどうか判断する。
ステップS3−3において、次ぎの印刷JOBがないと判断した場合には、ステップS3-9に進み、印刷JOB終了後に調整シーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3-3において、次ぎの印刷JOBがあると判断した場合には、ステップS3-4に進む。ステップS3-4において、次の印刷JOB終了時に吐き出しシーケンスが必要かどうかを判断し、次の印刷JOB終了時に吐き出しシーケンスが必要でない場合には、ステップS3−3に戻って、次ぎの印刷JOBが無くなるまで上記説明した処理を行う。
一方、ステップS3−4において、次の印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合にはステップS3-5に進む。そして、ステップS3-5において、吐き出しシーケンスが必要な理由が、次の印刷JOBがその前に行われる印刷JOBとの累積によって必要であり、かつ次の印刷JOBが単独の印刷JOBとしても吐き出しシーケンスが必要であるか否かを判断する。
ステップS3−5において、単独では吐き出しシーケンスが不要であると判断した場合には、ステップS3−9に進み、印刷JOB終了後に調整シーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3−5において、単独でも吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合にはステップS3−6に進む。ステップS3−6では、吐き出しシーケンスが必要な印刷JOBを終了までに次の調整タイミング(次の濃度補正処理までの150枚)以内か否かを判別し、次の調整タイミング以内で無いならば、ステップS3−7に進む。
ステップS3-7では、単独でも吐き出しシーケンスを必要な印刷JOBを先に処理し、その印刷JOB終了後に調整シーケンスおよび吐き出しシーケンスを行い、その後に残りの印刷JOBを処理するように印刷JOBスケジューリングを行う。そして、一連の作業を終了する。
一方、ステップS3−6において、次の調整タイミング以内である場合には、ステップS3-8に進む。ステップS3−8では、吐き出しが必要な印刷JOB終了後に、調整シーケンスおよび吐き出しシーケンスを行い、その後に残りの印刷JOBを処理するように印刷JOBスケジューリングを行ってから一連の作業を終了する。
次に、図22Cについて説明する。ステップS3-10では、次ぎの印刷JOBが入力されているかどうか判断し、次ぎの印刷JOBがないと判断した場合には、一連の作業を終了する。
一方、ステップS3-10で次ぎの印刷JOBがあると判断した場合には、ステップS3−11に進み、次の印刷JOB終了時に吐き出しシーケンスが必要かどうかを判断し、吐き出しシーケンスが不要の場合には、ステップS3−10に戻る。
一方、ステップS3-11において、印刷JOB終了時に吐き出しシーケンスが必要な場合には、ステップS3-12に進む。そして、ステップS3-12において、吐き出しシーケンスが必要な理由が、次の印刷JOBがその前に行われる印刷JOBとの累積によって必要であり、かつ次の印刷JOBが単独の印刷JOBとしても吐き出しシーケンスが必要であるか否かを判断する。
ステップS3−12において、単独では吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合には、ステップS3−12−2に進み、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3-12において、単独の印刷JOBとしては吐き出しシーケンスが不要であると判断した場合にはステップS3−12−1に進む。
ステップS3−12−1では、吐き出しシーケンス後に印刷JOBがあるか否かを判断し、印刷JOBが無いと判断した場合には、ステップS3−14−1に進み、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3−12−1で、吐き出しシーケンス後に印刷JOBがあると判断した場合には、ステップS3−13に進み、吐き出しが必要な印刷JOB終了後の印刷JOBの終了後において吐き出しシーケンスが必要か否かを判断する。
ステップS3−13において、吐き出しが必要な印刷JOB終了後の印刷JOBの終了後において吐き出しシーケンスが不要であると判断した場合には、ステップS3−14に進む。ステップS3−14では、図21Dに一例を示すようにすべての印刷JOBの終了後に吐き出しシーケンスが不要となるように印刷JOBの実行順番を変える印刷JOBのスケジューリングを行ってから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3−13において、吐き出しが必要な印刷JOB終了後の印刷JOBの終了後において吐き出しシーケンスが不要であると判断した場合には、ステップS3−14−1に進む。ステップS3-14−1では、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
次に、図22Bについて説明する。ステップS3-15において、次ぎの印刷JOBが入力されているかどうか判断し、次ぎの印刷JOBがないと判断した場合には、ステップS3-19に進み、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3-15で次ぎの印刷JOBがあると判断した場合には、ステップS3-16に進み、次の印刷JOB終了時に吐き出しシーケンスが必要かどうかを判断し、吐き出しシーケンスが不要の場合には、ステップS3−15に戻る。
一方、ステップS3-16において、印刷JOB終了時に吐き出しシーケンスが必要な場合には、ステップS3-17に進む。そして、ステップS3-17において、吐き出しシーケンスが必要な理由が、次の印刷JOBがその前に行われる印刷JOBとの累積によって必要であり、かつ次の印刷JOBが単独の印刷JOBとしても吐き出しシーケンスが必要であるか否かを判断する。
ステップS3−17において、単独では吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合には、ステップS3−19に進み、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3-17において、単独の印刷JOBとしては吐き出しシーケンスが不要であると判断した場合にはステップS3−17−1に進む。
ステップS3−17−1では、吐き出しシーケンス後に印刷JOBがあるか否かを判断し、印刷JOBが無いと判断した場合には、ステップS3−20−1に進み、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3−17−1で、吐き出しシーケンス後に印刷JOBがあると判断した場合には、ステップS3−18に進み、吐き出しが必要な印刷JOB終了後の印刷JOBの終了後において吐き出しシーケンスが必要か否かを判断する。
ステップS3−18において、吐き出しが必要な印刷JOB終了後の印刷JOBの終了後において吐き出しシーケンスが不要であると判断した場合には、ステップS3−20に進む。ステップS3−20では、図21Eに一例を示すように吐き出しシーケンスが必要な印刷JOBの終了後に、次の吐き出しシーケンスが不要となるように印刷JOBの実行順番を変える印刷JOBのスケジューリングを行ってから一連の作業を終了する。
一方、ステップS3−18において、吐き出しが必要な印刷JOB終了後の次の印刷JOBの終了後においても吐き出しシーケンスが必要であると判断した場合には、ステップS3−20−1に進む。ステップS3-20−1では、印刷JOB終了後に吐き出しシーケンスを実行するように制御してから一連の作業を終了する。
[他の実施形態]
また、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給してもよい。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RWを用いることができる。また、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される。しかし、それ以外にも、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される。これ以外にも、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
上記実施の形態では、画像形成装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。