JP6217297B2 - トナー強制排出制御装置及びトナー強制排出制御プログラム - Google Patents
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Description
このような画像形成装置では、トナーにキャリアや帯電促進剤などを混合した現像剤が用いられる。例えば、画像形成装置に備えられる現像器では、容器に収容された現像剤中のトナーを現像ロールに付着させ、現像ロールの回転によりトナーを感光体ドラム上へ運んで、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーで現像する。感光体ドラム上のトナー像は、中間転写ベルトを経て記録材に転写される。
また、画像形成装置には、感光体ドラムや中間転写ベルト等の被クリーニング体の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング装置と、当該クリーニング装置により除去された廃トナーを回収するトナー回収機構が設けられている。
例えば、特許文献1には、クリーニング装置により回収したトナーを、第1搬送手段によりトナー廃棄容器に搬送するか、第2搬送手段により現像装置に搬送し、その時の搬送モーターのトルクを検出し、それに応じて、リサイクルトナー供給率を制御し、このとき、搬送負荷の検出結果は回収トナーの流動性、つまり、リサイクルトナーの劣化状況に対応したものとなっていることから、搬送負荷が上昇した時は、リサイクルトナー供給率を少なくし、凝縮物の発生を抑制する発明が開示されている。
まず、本発明に係るトナー強制排出制御装置が設けられる画像形成装置について説明する。画像形成装置は、紙などの記録材に画像を形成する機能を備えた装置であり、例えば、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、これらの機能を併せもった複合機などが知られている。
図示の画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式であり、代表的な機能部として、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部21と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙P(記録材の一例)に一括転写(二次転写)させる二次転写部22と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器34と、を備えている。
これらの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されており、中間転写ベルト15に対して接離可能に構成されている。
また、二次転写部22にて中間転写ベルト15に対向して設けられる二次転写バイアスロール23は、通常ではトナーの付着は無いが、まれにトナーが付着することがあり、付着したトナーが汚れとなって画質欠陥を引き起こす可能性がある。そこで、二次転写バイアスロール23も被クリーニング体として扱う。つまり、二次転写バイアスロール23に対してもクリーニング装置が配設される。
このトナー回収機構は、画像形成装置のハウジングに内蔵されており、ドラムクリーナ17Y,17M,17C,17Kに各々の上端が連結されて縦方向に延びる円筒状のトナー搬送路50Y,50M,50C,50Kと、各トナー搬送路50(50Y,50M,50C,50K)の下端に連結されて横方向に延びる円筒状のトナー搬送路51と、トナー搬送路51の末端に上端が連結されて縦方向に延びる円筒状のトナー搬送路52と、トナー搬送路52の下端に連結されたトナー回収容器53と、を備えている。すなわち、トナー搬送路50〜52により、各ドラムクリーナ17Y,17M,17C,17Kからトナー回収容器53に至るトナー回収経路が構成されている。
このようなトナー回収機構は他のクリーニング装置(ベルトクリーナ18やロールクリーナ24)についても設けられており、トナー回収経路の態様は各々で異なるが、基本的な仕組みは同様である。
トナー強制排出モードは、種々の態様により実行することができ、例えば、一次転写への高印字出力に相当する出力動作を繰り返すことで、実際の出力動作は行わず、トナーを排出する手法(特許第3757612号公報)などがある。
なお、同図において、トナー搬送駆動部61は、トナー搬送路50〜52に設けられたトナー搬送部材54に軸周り回転の駆動力を与えるモーター57に該当し、トナー搬送部材54毎に設けられる。
また、駆動検知部62は、トナー搬送駆動部61の駆動状態を検知する機能部であり、トナー搬送駆動部61毎(つまり、トナー搬送部材54毎)に設けられる。本例では、トナー搬送駆動部61の駆動状態として、トナー搬送駆動部61の負荷を表す負荷トルクを検出する。なお、トナー搬送駆動部61の負荷トルクは、トナー搬送駆動部61の駆動電流やエンコーダ出力に基づいて算出できる。
また、本例の画像形成装置は、今後実行することが予定された画像形成出力に係るジョブを受け付け順に蓄積(スタック)するメモリを備え、当該メモリに蓄積されたジョブをそのスタック順(受け付け順)に実行する仕組みを有しているものとする。メモリにスタックされるジョブとしては、通常の動作モードのジョブやトナー強制排出モードのジョブがある。
駆動制御部71は、データ取得部72により取得された各トナー搬送駆動部61の負荷トルクのデータに基づいて、各トナー搬送駆動部61の回転速度を制御する。
データ蓄積部73は、データ取得部72により取得された各トナー搬送駆動部61の負荷トルクのデータを、その取得時間及び各トナー搬送駆動部61を識別する情報と対応付けて、トナー搬送駆動部61毎の時系列データとして蓄積する。
なお、本例では、トナー強制排出モードのジョブを実行予定に追加する判定で用いる閾値と、トナー強制排出モードのジョブを実行予定から削除する判定で用いる閾値とを同じ値を用いているが、互いに異なる値を用いる(例えば、追加の判定に用いる閾値より削除の判定に用いる閾値を小さくする)構成としてもよい。
また、上記の手法は一例であり、他の手法によりトナーの劣化状態を判定しても構わない。
排出量T=A+B*X1+C*X2+D*X3+E*X4+F*X5+G*X6+G*X7
ここで、A〜Hは予め実験により求めた係数であり、各々のトナー回収経路に応じた値が設定される。また、X1〜X7は説明変数であり、トナーの排出量Tに影響を与える主な因子について設定される。本例では、説明変数として、X1:用紙サイズ、X2:印字面積率(用紙上における印字面積の比率)、X3:紙種、X4:動作モード(通常モードやトナー強制排出モード)、X5:温度、X6:湿度、X7:印字濃度(印字部分のトナー濃度)を設定してある。
なお、トナーの排出量を算出する手法として、上記の式以外の他の手法によりトナーの排出量を算出しても構わない。
また、トナー回収経路状態判定部75は、トナー回収経路が詰まってことが判明した状態において、その後にトナー強制排出モードのジョブの実行が予定(メモリにスタック)されている場合には、トナー強制排出モードのジョブを実行しても保守のための期間を確保できるかを調べ、保守のための期間を確保できなければ、トナー強制排出モードのジョブの実行を抑制する旨の通知をジョブ制御部74へ出力する。
ここでは、説明の簡略化のため、各々のトナー回収経路が1本のトナー搬送路で構成された(1つのトナー搬送駆動部61を有する)モデル、すなわち、トナー回収経路とトナー搬送駆動部61を1対1に対応させたモデルを例にして説明する。
まず、データ蓄積部73に蓄積されているトナー搬送駆動部61毎の負荷トルクの時系列データに基づいて、トナー回収経路の詰まり状態を判定する。具体的には、画像形成装置の運用中に測定したトナー搬送駆動部61の負荷トルクが予め定めた閾値を上回った場合に、当該トナー搬送駆動部61に対応するトナー回収経路に詰まりが発生したと判定する。
また、通常の動作モードのジョブの実行が予定(メモリにスタック)されている場合には、当該ジョブについてトナー排出量見積部77により算出されたトナーの排出量の見積値(当該ジョブによるトナー堆積量の増加分)を現在のトナー堆積量の推定値と加算し、当該加算結果を現在のトナー堆積量の推定値として扱う。なお、トナー強制排出モードのジョブの実行が予定されている場合の動作については後述する。
まず、トナー強制排出モードのジョブを実行した後のトナー堆積猶予量の推定値を算出する。すなわち、トナー堆積量の推定値に、トナー強制排出モードの実行によるトナーの排出量の見積値(トナー排出量見積部77により算出)を加算する。
次に、トナーの排出量の見積値を加算したトナー堆積猶予量の推定値とトナー堆積猶予量の下限値とを比較することで、トナー強制排出モードのジョブ後も保守のための期間を確保できるか判断する。
一方、トナーの排出量の見積値を加算したトナー堆積猶予量の推定値がトナー堆積猶予量の下限値を下回ると判定された場合には、トナー強制排出モードのジョブ後は保守のための期間を確保できないと判断し、トナーの排出量の見積値の加算は取り止め、当該トナー強制排出モードのジョブの実行を抑制する旨の通知をジョブ制御部74へ出力する。また、保守の実施を促す指示を画像形成装置の表示装置等に出力して、速やかに保守が実施されるようにする。
本例では、予め定められた待機期間が経過するまでトナー強制排出モードのジョブの実行を保留し、待機期間が経過した後にトナー強制排出モードのジョブを実行する。ここで、トナー回収経路状態判定部75によりトナー強制排出モードのジョブ後は保守のための期間を確保できないと判断された場合には、上述したように、トナー強制排出モードのジョブの実行を抑制する旨の通知の他に、保守の実施を促す指示も出力されているので、保守の実施を促す指示から保守が完了するまでに必要と想定される期間を待機期間として設定することで、保守が完了してトナー回収経路の詰まりが解消するまでトナー強制排出モードのジョブの実行を抑制することができる。
まず、トナー搬送駆動部61の駆動に伴い、当該トナー搬送駆動部61に設けられた駆動検知部62により当該トナー搬送駆動部61の負荷トルクが測定される(ステップS11,S12)。駆動検知部62により測定されたトナー搬送駆動部61の負荷トルクのデータは、データ取得部72によりトナー強制排出制御装置に取り込まれる。
ステップS15において、実行予定のジョブとしてトナー強制排出モードのジョブが存在しないと判定された場合は、現在のトナー堆積量の推定値と実行予定のジョブ(トナー強制排出モードのジョブを含まない)によるトナー排出量の見積値とを加算した結果がトナー堆積量の上限値に未達か否かを判定し(ステップS16)、トナー堆積量の上限値に未達と判定された場合には、次回の処理タイミングまで待機する。一方、トナー堆積量の上限値に達したと判定された場合には、保守(詰まった部分の清掃や交換など)の実施を促す通知を出力する(ステップS17)。
具体的には、ジョブ制御部74は、トナー回収経路状態判定部75からトナー強制排出モードのジョブの実行を抑制する旨の通知を受けた場合に、メモリにスタックされている通常の動作モードのジョブについて印字面積率(エリアカバレッジ率)の見積もりを行い、印字面積率の見積値を予め定めた高印字基準値と比較し、印字面積率の見積値が高印字基準値を上回るジョブ(すなわち、トナーの消費量が多い高トナー消費ジョブ)が存在すれば、当該ジョブが優先的に実行されるように実行順序の入れ替えを行う(高トナー消費ジョブの実行順序を早める)。これにより、トナーの消費量が多い高トナー消費ジョブの方が、これよりトナーの消費量が少ない他のジョブよりも優先して実行されるので、トナー劣化判定76におけるカウント値(低トナー消費ジョブが継続的に繰り返された度合を示すカウント値)をリセット(或いは減算)させることができ、その結果、カウント値が閾値を下回ると、トナー強制排出モードのジョブがメモリのスタックから削除され、トナー強制排出モードの実行が回避される。
また、トナー回収経路の詰まりの判定やトナー堆積量の推定は、上記のようなトナー搬送駆動部61の負荷トルクに基づく手法以外で行ってもよく、例えば、トナー回収経路の振動に基づく手法や、トナー回収経路の音に基づく手法を採用してもよい。
なお、本例では、本発明に係る判定機能(判定手段の機能)をトナー回収経路状態判定部75により実現し、本発明に係る抑制機能(抑制手段の機能)をトナー回収経路状態判定部75及びジョブ制御部74により実現している。
なお、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、各機能部を専用のハードウェアモジュールで実現するようにしてもよい。
61:トナー搬送駆動部、 62:駆動検知部、 71:駆動制御部、 72:データ取得部、 73:データ蓄積部、 74:ジョブ制御部、 75:トナー回収経路状態判定部、 76:トナー劣化判定部、 77:トナー排出量見積部
Claims (4)
- 現像器内のトナーを強制的に排出するトナー強制排出モードを有する画像形成装置について、画像形成出力の過程で排出されるトナーを回収容器へ搬送するトナー回収経路の詰まりの有無を判定する判定手段と、
前記判定手段によりトナー回収経路が詰まっていると判定されたことに応じて、その後に予定されたトナー強制排出モードの実行を抑制する抑制手段と、
を備え、
前記抑制手段は、トナーの消費量が少ない画像形成出力のジョブよりトナーの消費量が多い画像形成出力のジョブの方が優先的に実行されるようにジョブの実行順序を入れ替える、
ことを特徴とするトナー強制排出制御装置。 - 前記抑制手段は、予め定められた期間が経過するまでトナー強制排出モードの実行を保留する、
ことを特徴とする請求項1に記載のトナー強制排出制御装置。 - 前記抑制手段は、トナー回収経路の詰まりが解消されたことを示す操作入力があるまでトナー強制排出モードの実行を保留する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー強制排出制御装置。 - 現像器内のトナーを強制的に排出するトナー強制排出モードを有する画像形成装置のコンピュータに、
画像形成出力の過程で排出されるトナーを回収容器へ搬送するトナー回収経路の詰まりの有無を判定する判定機能と、
前記判定機能によりトナー回収経路が詰まっていると判定されたことに応じて、その後に予定されたトナー強制排出モードの実行を抑制する抑制機能と、
を実現させるためのトナー強制排出制御プログラムであって、
前記抑制機能は、トナーの消費量が少ない画像形成出力のジョブよりトナーの消費量が多い画像形成出力のジョブの方が優先的に実行されるようにジョブの実行順序を入れ替える、
ことを特徴とするトナー強制排出制御プログラム。
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