JP4840084B2 - 電圧変換装置およびこの電圧変換装置を備えた車両 - Google Patents

電圧変換装置およびこの電圧変換装置を備えた車両 Download PDF

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Description

本発明は、電圧変換装置およびこの電圧変換装置を備えた車両に関し、特に、磁歪による騒音源となるコアを含む電圧変換装置およびそれを備えた車両に関する。
近年ますます高まりつつある省エネ・環境問題を背景に、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きく注目されている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。すなわち、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換された交流電圧によりモータを回転させることによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧をリアクトルなどの電圧変換装置によって変圧(たとえば、昇圧)し、その変圧された直流電圧をインバータに供給することによってモータを駆動する。
そして、ハイブリッド電気自動車または電気自動車においては、車内快適性が求められるところ、上記の電圧変換装置内に設けられたリアクトルによって、一般に、コア部材の磁歪(「磁気ひずみ」とも称される。)に起因した騒音が発生する。
そこで、たとえば、特開2005−72199号公報では、ワニス含浸された複数の積層鋼板を直接またはギャップスペーサを介して互いに突き当てて、その突き当て面とギャップスペーサとの間に固定用接着剤を充填して硬化したリアクトルが提案されている。
このリアクトルによれば、突き当て面とギャップスペーサとを固定接着剤で両者を強固に固定して、磁束の変化による吸引力や磁歪によってギャップスペーサに応力がかかった際に、積層鋼板やギャップスペーサが振動することを抑制している。
また、特開2004−193322号公報には、内部にリアクトルを収容し、樹脂が封入されたケースが提案されている。このケース内に収容されたリアクトルは、リアクトルの両端をケースに形成されたボスにネジ止めされている。
さらに、リアクトルの振動がケースに伝播し、振動が車両全体に伝播することにより発生する騒音を低減する電圧変換装置として、たとえば、特開2005−150517号公報に提案される電圧変換装置などが提案されている。
特開2005−72199号公報 特開2004−193322号公報 特開2005−150517号公報
しかし、上記特開2005−72199号公報に提案されたリアクトルにおいては、かえって積層鋼板同士間に生じる吸引力や磁歪による振動エネルギを発散させることが出来ず、リアクトルを固定する固定部材を介して車両側に伝達される。これにより、車両が振動することを抑制することができず、結果として騒音の低減を図ることができない。
また、特開2004−193322号公報に提案されたケースにおいては、リアクトルの両端がネジによってケースに固定されているため、そのままネジを介してケースおよび車両側に振動が伝達されてしまう。このため、騒音の低減を図ることができない。
さらに、特開2005−150517号公報に提案されたリアクトルにおいては、2つの各U字コアの上部を金属部材でケースに固定しており、各コアの配列方向の振動が各金属部材を介してケースに伝達される。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各コアの配列方向に生じる振動を車両側に伝達することを抑制することにより、騒音の低減が図られた電圧変換装置およびこの電圧変換装置を備えた車両を提供することである。
本発明に係る電圧変換装置は、第1コアと、第1コアの両側に設けられた第2コアおよび第3コアと、第1コアと第2コアとを連結する第1連結部と、第1コアと第3コアとを連結する第2連結部とを含むコアと、コアに巻回されたコイルとを備える。そして、第1コアと第3コアとから離れて配置されるとともに、第2コアを固定支持可能な支持部材と、コアを覆うと共に、コアと支持部材との間に充填された樹脂部とを備える。上記支持部材は、冷却器に固定される固定部と、固定部の表面のうち、冷却器と反対側に位置する表面に形成され、第2コアが固定される突出部とを含む。上記固定部は、冷却器と対向する表面であって樹脂部の下方に位置する部分に位置すると共に、コアからの振動に共振したときの腹部に位置する第1凹部と、冷却器と対向する表面であって樹脂部の下方に位置する部分に位置すると共に、第1凹部と隣り合い冷却器と接触する接触部とを含む。好ましくは、上記第2コアは、第1コアよりも磁歪の小さい部材から形成される。好ましくは、上記支持部材は、冷却器に固定される固定部と、固定部の表面のうち、冷却器と反対側に位置する表面に形成され、第2コアに向けて突出する突出部とを含む。そして、上記支持部材は、冷却器と対向する表面のうち、突出部に対して該突出部の突出方向と反対側に位置する部分に形成された第2凹部を含む。
ましくは、上記樹脂部を外方に露出させる。本発明に係る車両は、直流電源と、モータと、直流電源から受ける直流電圧を電圧変換して出力する上記電圧変換装置と、電圧変換装置によって電圧変換された直流電圧を受けてモータを駆動するインバータとを備える。
本発明に係る電圧変換装置によれば、第2コアを支点として、第3コア側が自由に振動することにより、各コアの配列方向の振動エネルギが拡散され、固定部材に伝達される振動エネルギを低減することができる。
以下、図面を用いて本実施の形態に係る電圧変換装置およびこの電圧変換装置を備えた車両について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の符号を付して、その説明を繰り返さない場合がある。
図1は、本実施の形態に係る車両の駆動ユニットの構造の一例を示す概略図である。図1に示される例では、駆動ユニット1は、ハイブリッド車両に搭載される駆動ユニットであり、モータジェネレータ100と、ハウジング200と、減速機構300と、ディファレンシャル機構400と、ドライブシャフト受け部900と、端子台600とを含んで構成される。
モータジェネレータ100は、電動機または発電機としての機能を有する回転電機であり、軸受120を介してハウジング200に回転可能に取付けられた回転シャフト110と、回転シャフト110に取付けられたロータ130と、ステータ140とを有する。
モータジェネレータ100から出力された動力は、減速機構300からディファレンシャル機構400を介してドライブシャフト受け部900に伝達される。ドライブシャフト受け部900に伝達された駆動力は、ドライブシャフト(図示せず)を介して車輪(図示せず)に回転力として伝達されて、車両を走行させる。
一方、ハイブリッド車両の回生制動時には、車輪は車体の慣性力により回転させられる。車輪からの回転力によりドライブシャフト受け部900、ディファレンシャル機構400および減速機構300を介してモータジェネレータ100が駆動される。このとき、モータジェネレータ100が発電機として作動する。モータジェネレータ100により発電された電力は、PCU700におけるインバータを介してバッテリ800に蓄えられる。
駆動ユニット1には、レゾルバロータと、レゾルバステータとを有するレゾルバ(図示せず)が設けられている。レゾルバロータは、モータジェネレータ100の回転シャフト110に接続されている。また、レゾルバステータは、レゾルバステータコアと、該コアに巻回されたレゾルバステータコイルとを有する。上記レゾルバにより、モータジェネレータ100のロータ130の回転角度が検出される。検出された回転角度は、PCU700へ伝達される。PCU700は、検出されたロータ130の回転角度と、外部ECU(Electrical Control Unit)からのトルク指令値とを用いてモータジェネレータ100を駆動するための駆動信号を生成し、その生成した駆動信号をモータジェネレータ100へ出力する。
図2は、PCU700の主要部の構成を示す回路図である。図2を参照して、PCU700は、コンバータ710と、インバータ720と、制御装置730と、コンデンサC1、C2と、電源ラインPL1〜PL3と、出力ライン740U、740V、740Wとを含む。コンバータ710は、バッテリ800とインバータ720との間に接続され、インバータ720は、出力ライン740U、740V、740Wを介してモータジェネレータ100と接続される。
コンバータ710に接続されるバッテリ800は、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池である。バッテリ800は、発生した直流電圧をコンバータ710に供給し、また、コンバータ710から受ける直流電圧によって充電される。
コンバータ710は、パワートランジスタQ1、Q2と、ダイオードD1、D2と、リアクトルLとからなる。パワートランジスタQ1、Q2は、電源ラインPL2、PL3間に直列に接続され、制御装置730からの制御信号をベースに受ける。ダイオードD1、D2は、それぞれパワートランジスタQ1、Q2のエミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにパワートランジスタQ1、Q2のコレクタ−エミッタ間にそれぞれ接続される。リアクトルLは、バッテリ800の正極と接続される電源ラインPL1に一端が接続され、パワートランジスタQ1、Q2の接続点に他端が接続される。
このコンバータ710は、リアクトルLを用いてバッテリ800から受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を電源ラインPL2に供給する。また、コンバータ710は、インバータ720から受ける直流電圧を降圧してバッテリ800を充電する。
インバータ720は、U相アーム750U、V相アーム750VおよびW相アーム750Wからなる。各相アームは、電源ラインPL2、PL3間に並列に接続される。U相アーム750Uは、直列に接続されたパワートランジスタQ3、Q4からなり、V相アーム750Vは、直列に接続されたパワートランジスタQ5、Q6からなり、W相アーム750Wは、直列に接続されたパワートランジスタQ7、Q8からなる。ダイオードD3〜D8は、それぞれパワートランジスタQ3〜Q8のエミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにパワートランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間にそれぞれ接続される。そして、各相アームにおける各パワートランジスタの接続点は、出力ライン740U、740V、740Wを介してモータジェネレータ100の各相コイルの反中性点側にそれぞれ接続されている。
このインバータ720は、制御装置730からの制御信号に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ100へ出力する。また、インバータ720は、モータジェネレータ100によって発電された交流電圧を直流電圧に整流して電源ラインPL2に供給する。
コンデンサC1は、電源ラインPL1、PL3間に接続され、電源ラインPL1の電圧レベルを平滑化する。また、コンデンサC2は、電源ラインPL2、PL3間に接続され、電源ラインPL2の電圧レベルを平滑化する。
制御装置730は、モータジェネレータ100の回転子の回転角度、モータトルク指令値、モータジェネレータ100の各相電流値、およびインバータ720の入力電圧に基づいてモータジェネレータ100の各相コイル電圧を演算し、その演算結果に基づいてパワートランジスタQ3〜Q8をオン/オフするPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータ720へ出力する。
また、制御装置730は、上述したモータトルク指令値およびモータ回転数に基づいてインバータ720の入力電圧を最適にするためのパワートランジスタQ1、Q2のデューティ比を演算し、その演算結果に基づいてパワートランジスタQ1、Q2をオン/オフするPWM信号を生成してコンバータ710へ出力する。
さらに、制御装置730は、モータジェネレータ100によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ800を充電するため、コンバータ710およびインバータ720におけるパワートランジスタQ1〜Q8のスイッチング動作を制御する。
このPCU700においては、コンバータ710は、制御装置730からの制御信号に基づいて、バッテリ800から受ける直流電圧を昇圧して電源ラインPL2に供給する。そして、インバータ720は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を電源ラインPL2から受け、その受けた直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ100へ出力する。
また、インバータ720は、モータジェネレータ100の回生動作によって発電された交流電圧を直流電圧に変換して電源ラインPL2へ出力する。そして、コンバータ710は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を電源ラインPL2から受け、その受けた直流電圧を降圧してバッテリ800を充電する。
PCU700は、インバータ720と、リアクトルLとを備える。そして、リアクトルLは、インバータ720への電力供給経路に設けられる。
上記のリアクトルL1、コンバータ710、インバータ720、コンデンサC2およびインバータ720は、格納ケースとしてのPCUケース内に収容される。
図3は、リアクトルL1を含み、振動の伝播を抑制する振動伝播抑制手段とを備えた電圧変換装置150の構成を示す断面図であり、図4は、リアクトルL1の構成を示す斜視図である。図5は、図3に示されたV−V線における断面図である。
図3に示す例においては、電圧変換装置150は、リアクトルL1と、このリアクトルL1を支持固定するとともに、PCUケースに設けられた冷却器286に固定される支持部材500とを備えている。
図4に示すように、リアクトルL1は、2つのブロックコア(第1コア)250、251と、このブロックコア250、251の両側に配置されたU字型ブロックコア(第2コア)260、262とを含むコア290と、コイル266、267とを備えている。
ブロックコア250は、2つのI字型ブロックコア252、254を有している。そして、I字型ブロックコア252とI字型ブロックコア254とは互いに離間しており、I字型ブロックコア252とI字型ブロックコア254との間には、接着剤270が充填されている。これにより、I字型ブロックコア252とI字型ブロックコア254とは一体とされ、ブロックコア(第1コア)250を形成している。
ブロックコア251は、2つのI字型ブロックコア256、258を有している。そして、I字型ブロックコア256とI字型ブロックコア258とは互いに離間しており、I字型ブロックコア256とI字型ブロックコア258との間には、接着剤276が充填されている。これにより、I字型ブロックコア256とI字型ブロックコア258とは一体とされ、ブロックコア251を形成している。
そして、U字型ブロックコア262とI字型ブロックコア254との間には、U字型ブロックコア262とI字型ブロックコア254とを互いに接着固定する接着剤268が充填されている。
U字型ブロックコア262とI字型ブロックコア258との間には、U字型ブロックコア262とI字型ブロックコア258とを互いに接着固定する接着剤274が充填されている。
U字型ブロックコア260とI字型ブロックコア252との間には、U字型ブロックコア260とI字型ブロックコア252とを接着固定する接着剤272が充填されている。
U字型ブロックコア260とI字型ブロックコア256との間には、U字型ブロックコア260とI字型ブロックコア256とを接着固定する接着剤278が充填されている。
このため、U字型ブロックコア260、ブロックコア250、251およびU字型ブロックコア262は、一体とされている。
I字型ブロックコア252〜258およびU字型ブロックコア260、262は、いずれも、電磁特性に優れた珪素鋼板を積層してかしめた積層型のコアである。そして、U字型ブロックコア260、262は、I字型ブロックコア252〜258を構成する珪素鋼板の磁歪特性よりも優れた低磁歪材によって構成されている。ここで、磁歪とは、強磁性材が磁化されるときに発生する僅かな変形(ひずみ)である。たとえば、磁歪が0.1×10−6程度の珪素鋼板は、低磁歪材に相当し、磁歪が1×10−6を超えるような珪素鋼板は、上記の低磁歪材に対して高磁歪材であるといえる。そして、磁歪特性に優れる低磁歪材は、高磁歪材に比べてコストが高い。
図5に示す例においては、2つのコイル266、267は、ブロックコア250、251にぞれぞれ巻回されている。そして、コイル266、267は、図2で示した電源ラインPL1と、パワートランジスタQ1、Q2の接続点にそれぞれ接続されている。
図4において、コイル266、267に矢印で示される方向に直流電流が流されると、I字型ブロックコア252〜258内部に磁束が発生する。I字型ブロックコア252、254において発生した磁束は、ギャップを介してU字型ブロックコア260へ伝播し、さらにI字型ブロックコア256へと伝播する。また、I字型ブロックコア256、258において発生した磁束は、ギャップを介してU字型ブロックコア262へ伝播し、さらにI字型ブロックコア254へと伝播する。このように、直流電流がコイル266、267に流されると、磁束は、I字型ブロックコア252〜258およびU字型ブロックコア260、262によって構成される環状コアの内部を循環する。
図1において、PCU20がモータジェネレータM1を駆動するとき、図2に示すコンバータ710のパワートランジスタQ2が高周波でオン/オフされる。そして、パワートランジスタQ2がオンされると、電源ラインPL1、PL3、リアクトルL1、パワートランジスタQ2およびバッテリ800からなる閉回路に直流電流が流れる。そうすると、リアクトルL1の環状コアに磁束が発生する。
この磁束の発生によって、図4に示すI字型ブロックコア252〜258およびU字型ブロックコア260、262には磁歪が発生するが、U字型ブロックコア260、262は、低磁歪材によって構成されているので、ハイブリッド自動車における快適性が阻害されるレベルの騒音を発生させるような磁歪振動は発生しない。
なお、上記のように、パワートランジスタQ2がオンとなり閉回路に直流電流が流れると、I字型ブロックコア252、254、256、258に磁束が流れ、U字型ブロックコア262がI字型ブロックコア252、254、256、258側に引かれる。
そして、パワートランジスタQ2がオフとなると、I字型ブロックコア252、254、256、258に磁束が発生しないので、U字型ブロックコア260、262はI字型ブロックコア252、254、256、258に引かれなくなる。
したがって、パワートランジスタQ2がオン/オフされると、リアクトルL1に各I字型およびU字型ブロックコア252〜262の配列方向に振動が生じることになる。
その一方で、図3に示すように、支持部材500は、リアクトルL1のU字型ブロックコア260を固定しており、他のU字型ブロックコア262やI字型ブロックコア252〜258とは離間している。このように、リアクトルL1は、U字型ブロックコア260を支持部とし、U字型ブロックコア262側が自由端とされた片持ち状態で支持部材500に固定されている。
このため、リアクトルL1が、I字型およびU字型ブロックコア252、254、256、258、260、262の配列方向の振動したとしても、支持部材500がリアクトルL1を支持する支持部以外でリアクトルL1と衝突および接触しない。
このため、リアクトルL1から支持部材500、さらに、冷却器286およびPCUケースに伝播することを抑制することができ、騒音の発生を抑制することができる。
特に、U字型ブロックコア260は、他のI字型ブロックコア252、254、256、258よりも磁歪振動が小さいため、U字型ブロックコア260から支持部材500に伝達される振動は小さく抑えることができる。
図3において、支持部材500は、冷却器286に固定される固定部501と、この固定部501の表面のうち、冷却器286と反対側に位置する表面に形成され、U字型ブロックコア260に向けて突出する突出部502とを備えている。
突出部502の上端部には、U字型ブロックコア260がボルトなどの固定具284によって固定されている。支持部材500は、固定部501の表面のうち突出部502に対して、突出部502の突出方向と反対側に位置する部分に凹部530が形成されている。
このため、突出部502からリアクトルL1の振動が支持部材500に振動が伝播して、支持部材500が突出部502の突出方向に振動したとしても、固定部501のうち、突出部502と反対側に位置する部分が冷却器286を叩くことを抑制することができる。これにより、支持部材500が冷却器286を直接叩くことにより生じる騒音の抑制および冷却器286への振動の伝播を抑制することができる。
リアクトルL1と支持部材500との間には、ポッティング材と呼ばれる熱硬化性の樹脂部282が設けられている。なお、ポッティング材としては、たとえば、伝導率が高い不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。なお、ポッティング材にかえて、たとえばBMC(Bulk Molding Compound)、エポキシ樹脂といった熱硬化性樹脂やPPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)などの熱可塑性樹脂等としてもよい。
この樹脂部282は、アルミなどの金属材料から構成された支持部材500よりも小さな押圧力によって弾性変形し易く(弾性係数が小さく)、さらに、変形後また元の形状に戻ることができる柔らかい材質から構成されている。このため、U字型ブロックコア262およびI字型ブロックコア252〜258から樹脂部282を介して支持部材500に伝達される振動を減衰させることができる。
特に、本実施の形態においては、樹脂部282の外表面は外部に露出しているため、樹脂部282は、リアクトルL1からの振動に合わせて自由に外方に向けて変形し、リアクトルL1からの振動を緩衝することができる。
樹脂部282は、リアクトルL1の外表面をモールドするように形成されており、リアクトルL1に生じる熱を支持部材500に伝えることができる。
なお、支持部材500は、アルミなどの金属材料から構成されており、熱伝達率が高く、良好に冷却器286に熱を放熱することができる。
そして、支持部材500に伝達された熱は、冷却器286の表面と接触する固定部501の接触面550から冷却器286に放熱される。
図6は、支持部材500の第1変形例を示す底面図である。そして、図7は、支持部材500が図3に示すリアクトルL1の振動に共振したときの幅方向rの振動波形を示すグラフであり、図8は、長さ方向lの振動波形を示したグラフである。
図7に示す例においては、固定部501の幅方向rには、3つの腹部と2つの節部とが形成されている。そして、図8に示す例では、固定部501の長さ方向lにおいては、2つの腹部と1つの節部とが形成されている。
すなわち、図6および図7に示すように固定部501が共振する場合には、6つの腹部が形成される。そこで、このように固定部501が共振する場合には、当該腹部となる部分に予め、凹部530〜535を形成する。これにより、支持部材500が共振した際に、固定部501の腹部が冷却器286の表面を叩くのを抑制することができる。
なお、図9は、支持部材500の第2変形例を示す底面図である。そして、図10は、支持部材500が図3に示すリアクトルL1の振動に共振したときの幅方向rの振動波形を示すグラフであり、図11は、長さ方向lの振動波形を示したグラフである。
この図7および図8に示すように、支持部材500が共振する際には、図9に示すように、凹部540〜548を形成する。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、電圧変換装置およびこの電圧変換装置を備えた車両に好適である。
本実施の形態に係る車両の駆動ユニットの構造の一例を示す概略図である。 PCUの主要部の構成を示す回路図である。 リアクトルを含み、振動の伝播を抑制する振動伝播抑制手段とを備えた電圧変換装置の構成を示す断面図である。 リアクトルの構成を示す斜視図である。 図3に示されたV−V線における断面図である。 支持部材の第1変形例を示す底面図である。 支持部材が図3に示すリアクトルの振動に共振したときの幅方向の振動波形を示すグラフである。 長さ方向の振動波形を示したグラフである。 支持部材の第2変形例を示す底面図である。 支持部材が図3に示すリアクトルの振動に共振したときの幅方向の振動波形を示すグラフである。 長さ方向の振動波形を示したグラフである。
符号の説明
150 電圧変換装置、250,251 ブロックコア、252,254,256,258 I字型ブロックコア、260,262 U字型ブロックコア、268,270,272,274,276,278 接着剤、282 樹脂部、286 冷却器、500 支持部材、501 固定部、502 突出部、530 凹部。

Claims (5)

  1. 第1コアと、前記第1コアの両側に設けられた第2コアおよび第3コアと、前記第1コアと前記第2コアとを連結する第1連結部と、前記第1コアと前記第3コアとを連結する第2連結部とを含むコアと、
    前記コアに巻回されたコイルと、
    前記第1コアと前記第3コアとから離れて配置されるとともに、前記第2コアを固定支持可能な支持部材と、
    前記コアを覆うと共に、前記コアと前記支持部材との間に充填された樹脂部と、
    を備え、
    前記支持部材は、冷却器に固定される固定部と、前記固定部の表面のうち、前記冷却器と反対側に位置する表面に形成され、前記第2コアが固定される突出部とを含み、
    前記固定部は、前記冷却器と対向する表面であって前記樹脂部の下方に位置する部分に位置すると共に、前記コアからの振動に共振したときの腹部に位置する第1凹部と、前記冷却器と対向する表面であって前記樹脂部の下方に位置する部分に位置すると共に、前記第1凹部と隣り合い前記冷却器と接触する接触部とを含む、電圧変換装置。
  2. 前記第2コアは、前記第1コアよりも磁歪の小さい部材から形成された、請求項1に記載の電圧変換装置。
  3. 前記支持部材は、冷却器に固定される固定部と、前記固定部の表面のうち、前記冷却器と反対側に位置する表面に形成され、前記第2コアに向けて突出する突出部とを含み、
    前記支持部材は、前記冷却器と対向する表面のうち、前記突出部に対して該突出部の突出方向と反対側に位置する部分に形成された第2凹部を含む、請求項1または請求項2に記載の電圧変換装置。
  4. 前記樹脂部は、外方に露出する、請求項に記載の電圧変換装置。
  5. 直流電源と、
    モータと、
    前記直流電源から受ける直流電圧を電圧変換して出力する請求項1から請求項のいずれかに記載の電圧変換装置と、
    前記電圧変換装置によって電圧変換された直流電圧を受けて前記モータを駆動するインバータと、
    を備えた車両。
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