JP2010118610A - リアクトル - Google Patents

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Masayuki Kato
雅幸 加藤
Mutsumi Ito
睦 伊藤
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Abstract

【課題】放熱性に優れ、小型なリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、これらコイル2と磁性コア3との組合体1Aの外周を覆う樹脂被覆部5と、組合体1Aの冷却ベースB側に配置される放熱部4とを具える。放熱部4は、樹脂被覆部5の樹脂により組合体1Aに一体化されている。また、放熱部4は、冷却ベースB内の冷媒Cに浸漬されるフィン部4fを有する。リアクトル1は、ケースを有しないことで小型であり、冷媒Cと直接接触するフィン部4をリアクトル1自体に具えることで、放熱性に優れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車載用DC-DCコンバータの構成部品などに利用されるリアクトルに関する。特に、小型で、放熱性に優れるリアクトルに関する。
従来、磁性材料からなるコアの外周にコイルが配置されたリアクトルが知られている。リアクトルの代表的な構造は、コアとコイルとの組合体をケース内に収容し、このケース内に樹脂を注入して封止した構造が挙げられる。このリアクトルは、通電時に発熱するコイルやコアを効率よく冷却できるように、冷却水といった冷媒を内蔵する冷却ベース(基台)に上記ケースを固定して利用される(特許文献1の図1,2)。上記ケースは、アルミニウムといった熱伝導性に優れる材料から構成され、放熱経路に利用される。
特開2006-351653号公報
自動車などの車両に配置される車載部品では、小型、軽量であることが望まれる。しかし、従来のリアクトルは、ケースを具えることで、小型化、軽量化が難しい。そこで、ケースを省略することが考えられるが、その場合、放熱性の低下が懸念される。
放熱性を高めるために、図4に示すように冷却ベース100の冷媒流路の内面自体にフィン101が設けられたものがあるが、この構成では、放熱性を十分に高められるとは言い難い。
そこで、本発明の目的は、小型でありながら、放熱性に優れるリアクトルを提供することにある。
本発明は、ケースを省略すると共に、磁性コアとコイルとの組合体にフィン部を具えた構成とすることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、コイルと、このコイルが配置される磁性コアとを具える。これらコイルと磁性コアとの組合体は、当該リアクトルが載置される冷却ベース側に固定された放熱部を具える。この放熱部は、上記冷却ベース内の冷媒に浸漬されるフィン部を有する。
本発明リアクトルは、コイルと磁性コアとの組合体がケースに収納されない構成、即ち、上記組合体がケースを介することなく冷却ベースに固定される構成であるため、ケースを有する従来のリアクトルと比較して、小型である。かつ、本発明リアクトルは、冷却ベースではなく、上記組合体自体にフィン部を有する構成であるため、コイルや磁性コアの熱をフィン部に効率よく伝えられ、放熱性に優れる。特に、このフィン部が冷却ベース内の冷媒に浸漬されるように構成されていることから、コイルや磁性コアの熱を効率よく冷媒に放出することができる。以下、本発明をより詳細に説明する。
放熱部は、少なくとも一つのフィン部と、このフィン部が設けられる台部とを具える構成が挙げられる。フィン部の形態は、特に問わない。例えば、複数の平坦な板材が並列された形態、複数の曲面板が並列された形態、及び複数の棒状体が並列された形態の少なくとも一つの形態が挙げられる。複数の形態を組み合わせた形態としてもよい。上記平坦な板材、曲面板、棒状体がフィンとなる。
放熱部の構成材料は、放熱性に優れるものが好ましく、更に、コイルの近傍に配置されることから非磁性であることが好ましい。例えば、非磁性の金属材料やセラミックスが挙げられる。上記金属材料から構成された放熱部は、非常に熱伝導率が高い上に、欠けや割れなどが生じ難く、上記セラミックスからなる放熱部は、絶縁性に優れることから、コイルや磁性コアとの間の絶縁を確保できる上に軽量である。金属材料からなる放熱部は、例えば、切削や鋳造などにより形成することができる。セラミックスからなる放熱部は、適宜な形状の焼結体を利用するとよい。特に、放熱部が、冷却ベースの構成材料よりも熱伝導率が高い材料から構成されていると、放熱性により優れる。
或いは、放熱部の構成材料は、樹脂とすることができる。特に、組合体の外周が樹脂被覆部により覆われた構成とし、放熱部は、この樹脂被覆部の樹脂により一体に成形されたものとすると、フィン部の形成が容易である上に、組合体を覆う樹脂と放熱部とが同じ樹脂により構成されることで、組合体との密着性に優れる上に、強固に固定される。
一方、上記金属材料やセラミックスなどからなる放熱部は、組合体の外周を覆う樹脂被覆部の樹脂を接着剤として機能させ、この樹脂により組合体に一体化された構成とすると、組合体に密着させることができる上に、組合体に容易に固定させることができる。ボルトやネジなどの締付部材を用いて組合体に放熱部を固定してもよいが、上記樹脂被覆部の樹脂による固定と合わせて上記締付部材を用いると、組合体に放熱部をより密着できる上に、強固に固定することができる。そのため、本発明リアクトルを搬送する際などで、放熱部が組合体から脱落などすることを防止できる。特に、リアクトルを冷却ベースに固定するための締付部材が挿通される挿通孔を上記樹脂被覆部に具える場合、放熱部も挿通孔を具える構成とし、これら挿通孔に共通の締付部材が挿通される構成とすると、部品点数の削減などを図ることができる。即ち、組合体に対する放熱部の密着及び固定と、組合体の冷却ベースへの固定とに利用する締付部材を共通に利用する構成とすると、一つの締付部材の締付作業により、組合体に放熱部を密着、固定させられる上に、組合体を冷却ベースに固定することができる。
放熱部に具えるフィン部は、冷媒に浸漬されるように、冷却ベースにおいて本発明リアクトルが配置される箇所には、フィン部が挿入される孔を設けておく。この孔から、フィン部が冷媒側に突出するように、本発明リアクトルを配置する。このとき、上記孔から冷媒が外部に流出しないように、放熱部において冷却ベースに接する面には、Oリング用溝を設けておき、この溝にOリングを嵌め込むことが好ましい。
本発明リアクトルは、小型でありながら、放熱性に優れる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るリアクトルを詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明リアクトルを冷却ベースに固定した状態を示す正面図、図2は、本発明リアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体を模式的に示す上面図、図3は、本発明リアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の正面図である。以下、図において同一符号は同一物を示す。リアクトル1は、内部に冷却水といった冷媒Cが充填されている冷却ベースBに直接取り付けられて利用されるものであり、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3とを主要構成部材とする。これらコイル2と磁性コア3との組合体1Aは、その外周を樹脂被覆部5で覆われている。このリアクトル1の特徴とするところは、組合体1Aの冷却ベース側に放熱部4を具える点にある。以下、各構成を説明する。
[コイル]
コイル2を構成する巻線として、ここでは、銅製の平角線からなる導体と、この導体の表面にエナメルといった絶縁材料からなる絶縁層を具える被覆平角線を利用している。この巻線をエッジワイズ巻きにして形成した第一コイル2a及び第二コイル2b(図2)をそれぞれ用意し、両コイル2a,2bを構成する巻線の一方の端部2ea,2eb(図1)を溶接などにより接合させて、コイル2を形成している。コイル2a,2bを構成する巻線の他方の端部2e(図1)にはそれぞれ、溶接などにより端子部材(図示せず)が接続される。これら端子部材を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。なお、図2では巻線の端部を省略している。
コイル2は、1本の連続する巻線により形成することもできる。この場合、第一コイルと第二コイルとの間の巻線を折り返してなる巻返し部により、第一コイルと第二コイルとを連結させるとよい。
巻線は、上記被覆平角線以外でもよく、例えば、丸線からなる導体と、この導体の表面に上述の絶縁層を具える被覆丸線などが利用できる。
[磁性コア]
磁性コア3は、図2に示すように第一コイル2a,第二コイル2bがそれぞれ配置される一対の直方体状のコイル巻回部3cと、コイル2a,2bが実質的に配置されない一対の端部コア3eとを有する。この磁性コア3は、離間して並列されるコイル巻回部3cを挟むように端部コア3eが配置されて閉ループ状(環状)に形成される。磁性コア3は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性材料からなる磁性体部3mとアルミナなどの非磁性材料からなるギャップ材3gとからなる。コイル巻回部3cは、磁性体部3mからなるコア片とギャップ材3gとを交互に積層して構成される。磁性体部3m(コア片)は、軟磁性粉末の圧粉成形体や、複数の電磁鋼板を積層した積層体が利用できる。ギャップ材は、インダクタンスの調整のためにコア片間に設けられる隙間に配置される部材である(エアギャップの場合もある)。これらコア片及びギャップ材は、例えば、接着剤などで一体に接合される。コア片の分割数やギャップ材の個数は、リアクトル1がそれぞれ所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。
上述のコイル2は、巻返し部が無いため、巻返し部の分だけ磁性コア3の長さLc(一方の端部コア3eの端面から他方の端部コア3eの端面までの長さ)を短くできる。
また、図3に示すように正面から見ると磁性コア3は、H字状である。即ち、端部コア3eの冷却ベース側の面(図3において下面、以下、ベース面3bと呼ぶ)、及びこのベース面3bに対向する面(図3において上面)の双方の面は、コイル巻回部3cの冷却ベース側の面及びその対向面のそれぞれよりも突出しており、面一になっていない。そして、端部コア3eのベース面3b及びその対向面がコイル2の外周面と概ね面一となるように、端部コア3eの大きさを調整している。
[インシュレータ]
コイル2と磁性コア3との組立体1Aは、インシュレータ6も設けられている。インシュレータ6は、コイル巻回部3cの外周を覆う筒状部(図示せず)と、コイル2の端面に当接される一対の枠状部6fとを具える。筒状部は、半割れの角筒片同士を係合する構成とすると、コイル巻回部3cの外周を容易に覆うことができる。各枠状部6fは、筒状部の一端部に配置される矩形枠である。インシュレータには、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁材料が利用できる。
[樹脂被覆部]
上記組合体1Aは、その外周を覆うように樹脂被覆部5(図1)を具える。ここでは、樹脂被覆部5は、コイル2と磁性コア3との組立体1Aを作製した後、コイル2の巻線の端部2ea,2eb,2eが露出されるように、エポキシ樹脂をトランスファーモールド成形することで形成している。この樹脂被覆部5は、直方体状であり、コイル2及び磁性コア3を覆う箇所の平均厚さは、1〜2mmである。樹脂被覆部5の四隅は比較的厚くし、各隅にそれぞれ、冷却ベースBにリアクトル1を固定するためのボルト7(締付部材)が挿通される挿通孔5hを具える。樹脂被覆部5の形状や樹脂の厚さは適宜選択することができる。樹脂被覆部5の構成樹脂は、上記エポキシ樹脂の他、ウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。
[放熱部]
そして、上記組合体1Aは、冷却ベースB側に放熱部4を具える。放熱部4は、矩形板状の台部4bと、台部4bの一面から突出し、複数の平坦な矩形板材が並列されてなるフィン部4fとを具え、樹脂被覆部5の樹脂により、組合体1Aの冷却ベースB側の面に一体化されている。
図1に示す放熱部4は、組合体1Aに固定された状態において、コイル2が存在する領域にフィン部4fが存在するように、台部4bの所定の領域のみにフィン部4fを具える。具体的には、台部4bにおいて冷却ベース側は、四隅部分よりも中央部分が突出した段差形状であり、この突出した面から更に突出するようにフィン部4fを具える。台部に対してフィン部を設ける領域は特に問わないが、最も発熱するコイル2が十分に冷却されるように、コイルの存在領域には少なくとも、フィン部が存在することが好ましい。
台部4bにおいて組合体1A側の面は、組合体1Aを過不足無く載置できる大きさを有する矩形状の平面である。平面に代えて、微細な凹凸を有する面とすると、樹脂被覆部5の樹脂との密着性を高められる。また、この面の上記突出部分から外れた四隅に、樹脂被覆部5の挿通孔5hに連続するように設けられた挿通孔4hを有している。また、台部4bの冷却ベース側の面において四隅の近傍領域(即ち、上記突出部分以外の領域)は、冷却ベースBに接する。この冷却ベース側の面の四隅の近傍領域において、挿通孔4hよりもフィン部4f寄りの箇所に、冷却ベースBの冷媒Cが漏れ出ないように、Oリング8を嵌め込むためのOリング用溝を具える。
フィン部の形状や大きさ、数は特に問わない。図1に示す矩形板状とすると、切削や鋳造、押出などにより成形し易い。波形や湾曲面を有する曲面板とすると、矩形板材よりも表面積が大きくなって、冷媒との接触面積を大きくし易いことで、放熱性を高め易い。これら板材ではなく、複数の棒状体とすると、冷媒との接触面積を更に大きくし易い。棒状体は、丸棒でも角棒でもよい。ここでは、放熱部4は、アルミニウムを鋳造して形成されたものを利用している。その他、例えば、押出成形により放熱部4を形成することができる。
[冷却ベース]
冷却ベースBには、上記フィン部4fが挿入される挿入孔Bh、及び台部4bが嵌め込まれる放熱部用溝Bcが設けられている。また、放熱部用溝Bcには、Oリング8が嵌め込まれるOリング用溝、及びボルト7がねじ込まれるボルト穴B7を具える。
[リアクトルの形成]
上記構成を具えるリアクトル1は、以下のようにして形成することができる。
まず、コア片やギャップ材を接着剤などで固定してコイル巻回部3cを形成し、この外周にインシュレータ6の筒状部を配置する。別途、作製しておいたコイル2を筒状部が配されたコイル巻回部3cに配置し、コイル2の両端面に、インシュレータ6の枠状部6f及び端部コア3eを当接させ、コイル2を挟むように枠状部6f及び端部コア3eを配置して、接着剤などで端部コア3eとコイル巻回部3cとを接合する。この工程により、コイル2と磁性コア3との組合体1Aが得られる。
得られた組合体1Aにおいて、端部コア3eの冷却ベース面3b(図3)に放熱部4の台部4bを接するように配置させる。このとき、組合体1Aのコイル2の冷却ベース側の面と、放熱部4の台部4bにおける組合体1A側の面との間にごく僅かな隙間ができる。この状態で樹脂被覆部5を形成し、組合体1Aの外周を樹脂で覆うと共に、組合体1Aと放熱部4とを樹脂被覆部5の樹脂により接合する。このとき、上記隙間に樹脂被覆部5の樹脂が充填されることで、コイル2と放熱部4との絶縁を確保することができる上に、放熱部4と上記樹脂との接合面積を大きくすることができる。上記工程により、リアクトル1が組み立てられる。
なお、端部コア3eのベース面3bに接着剤などを極薄く(数十μm程度)塗っておくと、端部コア3eと放熱部4とを密着させ易い。
[リアクトルの取り付け]
上記構成を具えるリアクトル1は、以下のようにして冷却ベースBに取り付ける。
冷却ベースBの放熱部用溝Bcに設けられたOリング用溝にOリング8を嵌め込んだ後、リアクトル1のフィン部4fを挿入孔Bhに挿入すると共に、台部4bを放熱部用溝Bcに嵌め込む。そして、樹脂被覆部5の挿通孔5h、放熱部4の挿通孔4h、及び冷却ベースBのボルト穴B7に、共通するボルト7を挿入して締め付ける。この工程により、放熱部4を有するリアクトル1を冷却ベースBに固定することができる。かつ、このボルト7の締め付けにより、放熱部4と組合体1Aとを密着させられる上に、双方が冷却ベースB側に押し付けられた状態でリアクトル1を取り付けられる。また、フィン部4fは、冷却ベースBの冷媒Cに浸漬される。
[効果]
リアクトル1は、ケースを不要とし、冷却ベースBに直接取り付ける構成であることから、小型・軽量である。かつ、リアクトル1は、冷媒に浸漬されるフィン部4fを具えることで、コイル2や磁性コア3の熱を冷却ベースBの冷媒Cに効率よく伝えられるため、放熱性に優れる。例えば、図4に示すように、フィン101が設けられた冷却ベース100に、樹脂被覆部5を具えるコイル2と磁性コア3との組合体1Bをボルト7により固定する場合、組合体1Bと冷却ベース100とを密着させるために、グリス200などを介在させることが考えられる。しかし、密着性を高めるためにグリスを厚く塗布すると、グリスは熱抵抗が大きいことから、放熱性の劣化を招く。これに対して、リアクトル1は、熱抵抗が大きいグリスを介在させる必要が実質的になく、放熱性に優れる。特に、リアクトル1の放熱部4は、熱伝導率が高い金属材料により構成されていることからも、放熱性に優れる。
また、リアクトル1は、樹脂被覆部5の樹脂により、組合体1Aと放熱部4とが一体化されているだけでなく、リアクトル1を冷却ベースBに固定するためのボルト7によっても固定される。そのため、組合体1Aと放熱部4とをより密着できる上に、強固に固定させることができる。かつ、このボルト7により組合体1Aと放熱部4とが冷却ベースB側に押し付けられるため、リアクトル1は、放熱性をより高められる。その上、リアクトル1を冷却ベースBに固定するために用いられるボルト7を組合体1Aと放熱部4との固定にも利用することで、部品点数や作業工程の削減を図ることができる。
更に、リアクトル1は、台部4bにおいて突出した面から更にフィン部4fが突出して設けられており、フィン部4fのみが冷媒に接触する構成である。即ち、冷却ベースBに設けられた放熱部用溝Bc及び挿入孔Bhを埋めるように台部4bが配置される。かつ、冷却ベースBへの固定にあたり、Oリングを介在させる構成である。この構成によりリアクトル1を冷却ベースBに取り付けることで、冷却ベースBの冷媒Cが冷却ベースBの挿入孔Bhから外部に漏洩することを防止できる。
加えて、リアクトル1は、磁性コア3の端部コア3eに放熱部4を接触させる構成とすることで、コイル2や磁性コア3の熱を放熱部4により効率よく伝えられ、放熱性に更に優れる。また、端部コア3eをコイル巻回部3cよりも突出した形状とすることで、端部コアの外周面とコイル巻回部の外周面とが面一である従来のリアクトルにおける端部コアの断面積と、端部コア3eの断面積とを等しくすると、リアクトル1は、従来のリアクトルよりも磁性コアの長さLcを短くできる。従って、リアクトル1は、冷却ベースBに対する載置面積が従来のリアクトルよりも小さく、小型である。
その他、リアクトル1は、樹脂被覆部5を具えることで、(1)コイル2と磁性コア3との組合体1Aを一体に取り扱える、(2)放熱部4を組合体1Aに固定できる、(3)磁性コア3を補強できる、(4)外部環境からコイル2や磁性コア3を保護できる、(5)周囲の部材との間で絶縁を確保できる、といった種々の効果を奏することができる。
また、リアクトル1は、樹脂被覆部5にボルト7が挿通される挿通孔5hを具えることで、別途、固定用部材を用いなくても、冷却ベースBに簡単に取り付けられる。なお、樹脂被覆部5において挿通孔5hが設けられる箇所は、樹脂を厚くしておくと、ボルト7を締め付けた際の応力により割れなどが生じ難い。或いは、挿通孔5hに金属製のカラーを配置することで、締め付け時の応力を低減することができる。また、挿通孔5hを設けている箇所は、組合体1Aが存在しない箇所であるため、肉厚な樹脂部分が存在することによる放熱性の低下を低減することができる。
(実施形態2)
上記実施形態1は、アルミニウムからなる放熱部4を説明したが、その他の放熱部の構成材料として、例えば、アルミニウム合金、銅、銀、これらの合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼といった金属材料、窒化珪素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ほう素(BN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックスといった非金属材料を利用することができる。特に、銅やその合金は、一般にアルミニウム(237W/m・K)で構成される冷却ベースと比較して、熱伝導率が高く、放熱性に更に優れるリアクトルが得られる。
(実施形態3)
上記実施形態1に示すように放熱部が金属材料といった導電性材料からなる場合、放熱部の台部においてコイルと接触する側の面に絶縁性に優れるセラミックス薄膜を設けた構成とすると、コイルと放熱部との間に樹脂被覆部の樹脂のみが存在する場合と比較して、絶縁性をより高められる。セラミックス薄膜は、例えば、Si3N4,Al2O3,AlN,BN,SiCなどが挙げられ、PVD法やCVD法などで台部の表面に成膜することで形成することができる。
また、コイル2と放熱部4との間に介在される樹脂被覆部5の樹脂を薄くして、上記セラミックスといった放熱性及び絶縁性に優れる材料からなる放熱板を介在させてもよい。上述のようにセラミックス薄膜を形成した放熱部の上に、更に放熱板を介在させてもよい。
(実施形態4)
上記実施形態1では、放熱部4が樹脂被覆部5と別材料から構成される例を説明したが、放熱部を樹脂被覆部の樹脂により成形されたものとすることができる。この場合、樹脂被覆部の成形と同時に放熱部を形成することができ、放熱部を具えるリアクトルの製造性に優れる。
(実施形態5)
上記実施形態1では、樹脂被覆部5にのみ挿通孔を設けた構成としたが、磁性コアにボルト7が挿通される挿通孔を設けた構成とすることができる。この挿通孔は、特に磁気的影響が及び難い端部コアに設けることが好ましい。このような挿通孔を有する磁性コアは、圧粉成形体とすると容易に製造可能である。磁性コア全体を樹脂被覆部で覆う場合、磁性コアに設けた挿通孔と連続するように樹脂被覆部にも挿通孔を設ける。
(実施形態6)
上記実施形態1では、冷却ベースBの上面にリアクトル1を取り付ける構成を説明したが、冷却ベースの下面にリアクトル1を取り付けることも可能である。このとき、リアクトル1は、放熱部4と樹脂被覆部5とが共通のボルト7により固定されるため、取付作業性に優れる上に、放熱部4が脱落することもない。
(実施形態7)
上記実施形態1では、樹脂被覆部5を具える構成を説明したが、樹脂被覆部を省略してもよい。この場合、上述の実施形態6のように、磁性コア自体に挿通孔を設けて、この挿通孔に挿通される締付部材により、放熱部を組立体に固定させると共に、組立体を冷却ベースに固定する構成とすることができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明のリアクトルは、放熱性に優れ、小型であるため、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
実施形態1のリアクトルの正面図である。 実施形態1のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体を模式的に示す上面図である。 実施形態1のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の正面図である。 フィンを具える冷却ベースに配置されたリアクトルの正面図である。
符号の説明
1 リアクトル 1A,1B 組合体 2 コイル 2a 第一コイル 2b 第二コイル
2e,2ea,2eb 巻線の端部 3 磁性コア 3b ベース面 3c コイル巻回部
3e 端部コア 3m 磁性体部 3g ギャップ材 4 放熱部 4b 台部 4f フィン部
4h,5h 挿入孔 5 樹脂被覆部 6 インシュレータ 6f 枠状部 7 ボルト
8 Oリング
101 フィン 200 グリス B,100 冷却ベース Bh 挿入孔 Bc 放熱部用溝
B7 ボルト穴 C 冷媒

Claims (7)

  1. コイルと、このコイルが配置される磁性コアとを具えるリアクトルであって、
    前記コイルと前記磁性コアとの組合体は、前記リアクトルが載置される冷却ベース側に固定された放熱部を具え、
    前記放熱部は、前記冷却ベース内の冷媒に浸漬されるフィン部を有することを特徴とするリアクトル。
  2. 前記組合体の外周を覆う樹脂被覆部を具え、
    前記放熱部は、前記樹脂被覆部の樹脂により前記組合体に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記放熱部は、前記冷却ベースの構成材料よりも熱伝導率が高い材料から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記放熱部は、前記樹脂被覆部の樹脂により成形されていることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
  5. 前記樹脂被覆部には、前記リアクトルを前記冷却ベースに固定するための締付部材が挿通される挿通孔が設けられており、
    前記放熱部には、前記締付部材が挿通される挿通孔が設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記放熱部には、前記冷却ベースに接する面にOリングが嵌め込まれるOリング用溝が設けられてることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記フィン部は、複数の平坦な板材が並列された形態、複数の曲面板が並列された形態、及び複数の棒状体が並列された形態の少なくとも一つの形態であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
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