JP2017041497A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂封止や加圧による磁性コアの特性劣化を抑制しつつ、良好に放熱を行うことが可能なリアクトルを提供する。
【解決手段】封止樹脂部50を磁性コア20の下面20bと接するようにして放熱性を確保しつつも、上面20aおよび両側面20c、20dがほぼ覆われないようにし、磁性コア20が封止樹脂部50から露出させられるようにする。これにより、封止樹脂部50の硬化収縮によって磁性コア20に応力が印加される領域を最小限に留めることが可能となる。また、磁性コア20自身の磁歪によって封止樹脂部50と干渉して応力が印加されることを最小限に留めることも可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、巻線型のコイルを磁性コアの周囲に巻回したリアクトルに関するものであり、特に電気自動車やハイブリッド車両などに搭載されるリアクトルに適用されて好適なものである。
従来、ハイブリッド車両などに搭載されるリアクトルでは、コイルの銅損や磁性コアの鉄損が発生することから、リアクトルの発熱が生じる。ハイブリッド車両では出力が大きいため、リアクトルの発熱も多くなる。このため、リアクトルの下面に放熱板を設け、ボビンと封止樹脂を介して放熱板からの熱の放出によってリアクトルの冷却が行われている。
しかしながら、ボビンとコアの線膨張係数差からヒートショックによりボビンなどにクラックが入り易く、このクラックの発生によって絶縁不良が起こり、リアクトルの焼損の原因となっていた。
この問題を解決できるものとして、特許文献1にボビンレスによるリアクトルが提案されている。このようにボビンレスでリアクトルを形成することにより、線膨張係数差が低減されてクラックの発生が抑制され、絶縁不良およびそれに起因するリアクトルの焼損を抑制することが可能となる。
具体的には、筐体となるハウジング内に、磁性コアとコイルを配置した状態でフィラーが配合された樹脂封止材を充填することでコイルと磁性コアの間の隙間を封止している。磁性コアは、2つのU字型コアとギャップ部材とによって構成されており、2つのU字型コアそれぞれの両先端をコイルに挿入しつつ向かい合わせ、ギャップ部材を介して連結させて環状としている。そして、環状とされた磁性コアを径方向外方から板バネによってハウジングの内壁面に押し当てることで位置決めしつつ、コイルを上方から加圧して位置決めし、この状態で樹脂封止材を充填することで、樹脂封止を行っている。
特開2009−94328号公報
しかしながら、板バネによる加圧が為された状態で磁性コアが樹脂封止されることになるため、磁性コアの特性劣化、つまり損失の増大や透磁率の低下の問題を発生させる。また、コイルおよび磁性コアをすべて樹脂封止材で覆った構造であるため、樹脂封止による磁性コアの特性劣化も発生させる。
なお、磁性コアは磁歪効果により、応力を印加すると透磁率低下や損失増加することが知られている。上記特許文献1の構造では、磁性コアに応力が印加される要因として、次の(1)〜(3)が挙げられる。すなわち、(1)周辺部材からの加圧があること、(2)磁性コアの周辺に封止された樹脂が硬化収縮されることで、磁性コアに応力が印加されること、(3)磁束が印加された磁性コアの膨張により封止された樹脂と干渉し応力が印加されることである。上記した磁性コアを板バネで固定することは(1)の要因を発生させ、磁性コアやコイルの全体を樹脂封止材で封止することは(2)、(3)の要因を発生させることとなる。
本発明は上記点に鑑みて、樹脂封止や加圧による磁性コアの特性劣化を抑制しつつ、良好に放熱を行うことが可能なリアクトルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、磁性コア(20)と、磁性コアに巻回されたコイル(30)と、磁性コアおよびコイルが配置される放熱面(40b)を含み、磁性コアおよびコイルの放熱を行う冷却部材(40、60)と、放熱面から突出させられて設けられ、磁性コアを支持するコア支持部(40d)と、放熱面から突出させられて設けられ、コイルを支持するコイル支持部(40e)と、コア支持部によって磁性コアが支持され、かつ、コイル支持部によってコイルが支持された状態で、放熱面から磁性コアの間に充填されることで、磁性コアのうちの放熱面側の面を封止しつつ、該磁性コアのうち放熱面と反対側の面を露出させるように形成された封止樹脂部(50)と、を有していることを特徴としている。
このように構成されるリアクトルは、磁性コアおよびコイルと冷却部材との間を封止樹脂部によって充填しているため、磁性コアおよびコイルからの熱を効率良く冷却部材に伝えられる。また、封止樹脂部にて磁性コアのうち放熱面側の面を封止しつつ、放熱面と反対側の面を覆わないようにし、磁性コアが封止樹脂部から露出させられるようにしている。このため、封止樹脂部の硬化収縮によって磁性コアに応力が印加される領域を最小限に留めることが可能となる。また、磁性コア自身の磁歪によって封止樹脂部と干渉して応力が印加されることを最小限に留めることも可能となる。
また、このような構成によれば、磁性コアに対する周辺部材からの加圧、例えば板バネによる押し付けが無いし、熱変形に伴う封止樹脂部からの加圧も抑制できる。さらに、リアクトルの使用時に磁束が印加された磁性コアが膨張したとしても、封止樹脂部との接触部位がほぼ磁性コアのうち放熱面側の面のみとなることから、磁性コア自身の磁歪に起因して封止樹脂部から印加される応力を抑制できる。したがって、樹脂封止や加圧による磁性コアの特性劣化、つまり損失の増大や透磁率の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるリアクトル10の一部断面上面図である。 図1のII−II断面図である。 図1に示すリアクトル10の斜視分解図である。 リアクトル10を車両用の昇圧コンバータ用リアクトルとして適用する場合を想定した諸元を示した図である。 磁性コア20を立方体形状とした場合と扁平形状とした場合それぞれの場合の各部の寸法設定に対応する熱抵抗や発熱温度の関係を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態のリアクトル10は、磁性コア20、コイル30、筐体40、封止樹脂部50および冷却器60などを有した構成とされている。このリアクトル10は、電気自動車やハイブリッド車両などに搭載される昇圧コンバータ用リアクトル等のように、例えば高出力を発生させるものとして適用される。
磁性コア20は、鉄系合金、アモルファス金属(例えば鉄系アモルファス材料)など、コア材料として用いられる軟磁性材で構成されており、例えば熱伝導率が1〜50W/mKに設定される。本実施形態では、図1に示すように、磁性コア20を上面形状が相対する2辺を2組有した矩形の枠体形状としているが、磁束が流れる構成であれば他の形状であっても良い。例えば上面形状が円形枠状であっても良い。また、磁性コア20については1部材である必要はなく、複数に分割されたものが一体とされたものであっても良いし、互いに接触するように配置されたものであっても良い。
また、磁性コア20は、図2に示すように、コイル30に対して通電を行ったときに発生させられる磁束の流れと直交する方向での断面形状が、四角形状とされている。より詳しくは、磁性コア20は、紙面上下方向の寸法である厚み方向寸法よりも紙面左右方向の寸法である幅方向寸法が大きくされた扁平形状とされている。本実施形態の場合、磁性コア20の断面形状を長方形状としている。そして、長辺を構成する上面20aおよび下面20bが後述する筐体40の放熱面を構成する底面40bと対向させられている。そして、上面20aと下面20bとの間を繋ぐ各面、つまり短辺を構成する内周側面20cおよび外周側面20dが筐体40の底面に対して垂直方向に向くようにして磁性コア20が筐体40上に配置されている。
さらに、本実施形態では、磁性コア20のうち下面20bと両側面20c、20dとによって構成される角部を丸めたR形状としてある。このように、磁性コア20の角部を丸めることによって、封止樹脂部50から受ける応力の集中を緩和できるようにしている。磁性コア20のうち丸められた部分の高さ、つまり磁性コア20のうち筐体40と対向する一面からの距離については任意に設定できる。好ましくは、封止樹脂部50に埋まる高さ分、磁性コア20の角部をR形状にすると良い。封止樹脂部50の熱変形や充填量のバラツキおよび磁性コア20の位置ズレなどを加味しつつ、応力による影響を少なくできるように、磁性コア20のうち丸められた部分の高さを10mm程度とすると良い。
コイル30は、磁性コア20に対して巻回されており、例えば銅などの導体線を絶縁被膜したものによって構成されている。上記したように、本実施形態では磁性コア20を四角形枠体形状としているが、この磁性コア20の相対する2辺それぞれにコイル30を巻回してある。磁性コア20のうちの一辺に巻回されたコイル30aともう一辺に巻回されたコイル30bとは繋がっている。本実施形態の場合、磁性コア20の下方位置、つまり筐体40側において、コイル30aとコイル30bとが連結部30cを介して繋がっている。また、各コイル30a、30bを構成する導体線のうち連結部30cと反対側は封止樹脂部50の外側において引き出された引出配線30aa、30baとされている。この引出配線30aa、30baを介して、コイル30が外部回路と電気的に接続されることで、リアクトル10への通電が可能とされている。
筐体40は、磁性コア20およびコイル30を収容するケースであり、熱伝導率が例えば50W/mK以上の高い材料、例えばアルミニウムによって構成されている。本実施形態では、筐体40を冷却器60と別体として構成しているが、これらは共に冷却部材を構成するものであり、これらが一体とされることで冷却部材が構成されていても良い。
筐体40は、図2および図3に示すように、磁性コア20およびコイル30が収容される凹部40aを有した有底部材によって構成されており、図1に示すように、本実施形態の場合は上面形状が四角形状の有底部材とされている。具体的には、筐体40は、放熱面を構成する底面40bに加えて側面40cを有し、これら底面40bと側面40cとによって凹部40aが構成されている。そして、図1に示すように側面40cによって囲まれる範囲内に配置され、かつ、深さ方向において凹部40a内に少なくとも一部が入り込むようにして磁性コア20およびコイル30が収容されている。
より詳しくは、筐体40に形成される凹部40aは、磁性コア20の下面20bが後述する封止樹脂部50と密着する深さに設定されている。すなわち、筐体40に磁性コア20およびコイル30を収容したときに、側面40cにおける底面40bと反対側の端部が磁性コア20の下面20bよりも底面40bから離れた位置に達するように、側面40cの高さが設定されている。
また、筐体40の底面40bには、磁性コア20を支持するコア支持部40dと、コイル30を支持するコイル支持部40eとが備えられている。コア支持部40dおよびコイル支持部40eは底面40bより突き出すように設けられた突起部によって構成されている。
コア支持部40dおよびコイル支持部40eは、筐体40と一体化されている。ただし、筐体40を導体材料で構成している場合には、筐体40とコイル30との絶縁が図れるように、コイル支持部40eの少なくとも一部を絶縁材料で構成している。絶縁材料としては、例えば樹脂やセラミックスなどを用いることができる。コイル支持部40eについては、筐体40を製造する際に一体成形することで筐体40と一体化することができる。また、コア支持部40dについては非磁性材料によって構成してあり、絶縁の観点からコイル支持部40eと同様に非磁性の絶縁材料、例えば樹脂によって構成されていると好ましい。
コア支持部40dおよびコイル支持部40eの形状については任意であるが、ここでは先端が平面とされた円柱形状としている。コア支持部40dとコイル支持部40eの突き出し量については、その上に搭載される磁性コア20とコイル30の段差に応じて異ならせてあり、コア支持部40dの方がコイル支持部40eよりも突き出し量を大きくしてある。そして、突き出し量の異なるコア支持部40dおよびコイル支持部40eによって磁性コア20およびコイル30が支持されることで、磁性コア20とコイル30との間の隙間が確保されると共に、筐体40とコイル30との絶縁確保が為される。
コア支持部40dは、封止樹脂部50による樹脂封止の前の状態において磁性コア20を筐体40に対して支持できるように複数箇所に設けてある。本実施形態の場合、コア支持部40dを4箇所に備えてある。コア支持部40dの形成位置については、磁性コア20を傾き無く支持できる位置であればどこであっても構わないが、ここではコイル30から離れた位置、かつ、磁性コア20のうち磁束が少ない位置としている。具体的には、磁性コア20のうち内周側面20cよりも外周側面20d側の位置にコア支持部40dを配置してあり、本実施形態の場合には磁性コア20の四隅に配置してある。なお、コア支持部40dの個数については任意であり、4個未満もしくは5個以上であっても構わない。
コイル支持部40eは、封止樹脂部50による樹脂封止の前の状態においてコイル30を筐体40に対して支持できるように複数箇所に設けてある。本実施形態の場合、コイル支持部40eを2箇所に備えてある。コイル支持部40eの形成位置については、コイル30を傾き無く、かつ、コイル30と磁性コア20との間に所望の隙間が形成されるように支持できる位置であればどこであっても構わない。ここでは、コイル30のうち熱が籠もり難い外側、つまりコイル30のうち磁性コア20の中心側ではなくその反対側に配置されている。本実施形態のように、コイル30がコイル30a、30bの2つに分けて設けられた構造とされている場合、コイル30aとコイル30bの配列方向の外側、より好ましくは磁性コア20よりも外側の位置にコイル支持部40eを配置すると良い。なお、コイル支持部40eの個数については任意であり、各コイル30a、30bに対して複数個ずつ、例えば2個ずつ備えるとより安定した支持が可能となる。
封止樹脂部50は、放熱フィラーを含むバインダー樹脂である。例えば、放熱フィラーとしては、アルミナなどを用いており、樹脂材料としてはエポキシ樹脂やシリコーンなどを用いている。このような材料で構成される封止樹脂部50は、例えば熱伝導率が0.7〜4W/mK、例えば3W/mKとなる。
封止樹脂部50は、筐体40に形成された凹部40a内に充填されて硬化させられている。封止樹脂部50は、コイル30のうちの磁性コア20よりも下方に位置している部分が浸され、かつ、少なくとも磁性コア20の下面20bが接する位置まで形成されている。封止樹脂部50としては、硬化される前の状態での粘度が低いものを適用しており、磁性コア20とコイル30との間やこれらと筐体40との間を隙間無く充填できるようにしている。
ただし、封止樹脂部50は、磁性コア20の下面20bには接しているが、上面20aおよび両側面20c、20dのうちの半分以上、好ましくは9割以上の厚み分は覆っておらず、磁性コア20が封止樹脂部50から露出させられている。封止樹脂部50より磁性コア20が受ける応力を考慮すると、封止樹脂部50が磁性コア20の下面20bと接する位置まで形成されていているのが好ましい。しかしながら、樹脂の硬化収縮のバラツキを考慮すると、硬化後の封止樹脂部50が下面20bから離れてしまう可能性も有ることから、下面20bよりも少し上面20a側の位置まで封止樹脂部50を形成する方が好ましい。したがって、封止樹脂部50の形成位置を上記位置となるようにしている。
冷却器60は、冷却部材の一部を構成するものである。本実施形態の場合、筐体40の底面40bに対して例えばシリコーン系ゲルなどの熱伝導率が高い放熱ゲル70を介して貼り合わされることで接続性を向上してある。例えば、シリコーン系ゲルの場合、熱伝導率が1W/mK程度であり、薄く塗布することで筐体40から冷却器60に対して良好に熱伝達を行うことができる。
冷却器60は、空冷式のものであっても水冷式のものであっても良い。空冷式の場合、冷却器60は、例えば単なる高熱伝導体板で構成されたヒートシンクであっても良いし、コイル30や磁性コア20および筐体40などと反対側となる裏面側に放熱フィンが備えられたヒートシンクであっても良い。また、冷却器60の内部に冷媒通路を構成し、冷媒通路内に冷媒が流動させられる構造であっても良い。
以上のようにして、本実施形態にかかるリアクトル10が構成されている。このように構成されるリアクトル10は、次のようにして製造される。
まず、磁性コア20、コイル30および筐体40を用意する。磁性コア20に対してコイル30が巻回されるように配置する。例えば磁性コア20を2つのU字コアなどで構成しておき、2つのU字コアの各先端をコイル30に対して互いに反対方向から挿し込むことで、磁性コア20に対してコイル30が巻回された構造を構成できる。
そして、筐体40の凹部40a内に磁性コア20およびコイル30を配置し、これらを上方から筐体40の底面40b側に押し付けた状態で凹部40a内に放熱フィラーを含む樹脂材料を充填する。そして、これを硬化させて封止樹脂部50を構成したのち、磁性コア20やコイル30の押し付けを解除する。その後、筐体40の底面40bに放熱ゲル70を介して冷却器60を貼り付けることで、本実施形態にかかるリアクトル10が完成する。
このように構成されるリアクトル10は、磁性コア20およびコイル30と筐体40との間を封止樹脂部50によって充填しているため、磁性コア20およびコイル30からの熱を効率良く筐体40および冷却器60に伝えられる。そして、封止樹脂部50と磁性コア20の下面20bとが接するようにしており、磁性コア20とコイル30との間の隙間を埋めるように封止樹脂部50を備えている。このように、磁性コア20とコイル30との間の隙間を封止樹脂部50によって埋めることで、放熱促進を図ることができる。
すなわち、空気の熱伝導率は0.03W/mK程度であり、例えば熱伝導率が3W/mK程度の封止樹脂部50を備えることで放熱を促進できる。
また、封止樹脂部50を磁性コア20の下面20bと接するようにしつつも、上面20aおよび両側面20c、20dがほぼ覆われないようにし、磁性コア20が封止樹脂部50から露出させられるようにしている。このため、封止樹脂部50の硬化収縮によって磁性コア20に応力が印加される領域を最小限に留めることが可能となる。また、磁性コア20自身の磁歪によって封止樹脂部50と干渉して応力が印加されることを最小限に留めることも可能となる。
このように、磁性コア20に対する周辺部材からの加圧、例えば板バネによる押し付けが無いし、熱変形に伴う封止樹脂部50からの加圧も抑制できる。さらに、リアクトル10の使用時に磁束が印加された磁性コア20が膨張したとしても、封止樹脂部50との接触部位がほぼ下面20bのみであることから、磁性コア20自身の磁歪に起因して封止樹脂部50から印加される応力を抑制できる。
したがって、樹脂封止や加圧による磁性コア20の特性劣化、つまり損失の増大や透磁率の低下を抑制することが可能となる。そして、放熱については、磁性コア20とコイル30が共に封止樹脂部50に接していることから、封止樹脂部50を介して筐体40および冷却器60に良好に熱を伝えることができる。よって、良好に放熱を行うことが可能なリアクトル10とすることが可能となる。
なお、特許文献1のように、封止樹脂部によって磁性コアやコイルの全体を覆う構造の場合、より放熱が良好に行われることとなる。これと比較すると、本実施形態のリアクトル10のように封止樹脂部50によって磁性コア20やコイル30の一部しか覆っていない構造の放熱効果が小さい可能性がある。しかしながら、主に放熱が行われるのは磁性コア20やコイル30のうち筐体40からの距離が最も近い部分であることから、本実施形態の構造であっても十分な放熱効果を得ることができる。特に、本実施形態では、磁性コア20を断面形状が扁平形状となるようにしていることから、磁性コア20の体積に対する冷却面積を増加させることが可能となり、放熱性を確保することが可能となる。
ここで、本実施形態では、磁性コア20における磁束の流れと直交する方向での断面形状を扁平形状とすることによって放熱性が良好となるようにしているが、ここでの扁平は次のように定義される。
図4に、リアクトル10を車両用昇圧コンバータリアクトルとして適用する場合を想定した諸元を示す。コア損失は、10kWで駆動時の損失を示している。コアの熱導率は、磁性コア20として、鉄粉を放熱フィラーを含むバインダ樹脂で挟み、圧縮したものを使用した場合を想定した値である。冷却面は、磁性コア20およびコイル30の片面のみから放熱する場合を想定した。
これらを前提として、コア損失により発熱した時の放熱性について試算した。具体的には、磁性コア20の中心位置を発熱面と想定し、磁性コア20の発熱がすべて片面の冷却面、つまり冷却器60で放熱したとした時の熱抵抗は数式1のように表わされる。
Figure 2017041497
また、磁性コア20を立方体状とした場合と冷却面積を増加させた扁平形状とした場合それぞれの寸法などを図5に示すように定義し、それぞれの熱抵抗を試算した。
コイル30の熱伝導率は高いため、影響を無視し、最悪条件を見積もるため発熱が冷却面から一番離れた箇所で発生していると仮定すると、熱抵抗は図5中に示したように、磁性コア20を立方体状とした場合には5℃/W、扁平形状とした場合には1℃/Wと算出される。
このように、リアクトルを扁平形状を取ることで放熱が促進され、磁性コア20を立方体状にする場合に対して、磁性コア20の温度を低くすることができる。そして、例えば許容発熱温度ΔTが100℃であるとすると、磁性コア20を立方体形状とした場合の発熱温度が455℃であったのに対して扁平形状の場合には92℃となっており、許容発熱温度ΔTを満足していることが判る。
この結果より、特許文献1のようにリアクトル全体を樹脂封止していたのに対し、本実施形態のように片面のみの樹脂封止して放熱を行う場合でも、放熱性を確保することが可能となる。そして、上記の試算に基づけば、扁平形状の寸法範囲については磁性コア20のうちの冷却面積、つまり縦、横の寸法に対する厚さの寸法の比に基づいて数式2のように定義される範囲とすることができる。すなわち、扁平形状の長方形状における短辺を分子にとり、2つの長辺を乗算した値を分母にとったときに、3/100以下となるようにしている。
Figure 2017041497
また、本実施形態では、コア支持部40dを磁性コア20のうちの内周側面20cよりも外周側面20d側の位置に形成している。このため、磁性コア20のうちの磁束が少ない位置をコア支持部40dによって支持することができる。すなわち、リアクトル10において磁束は磁性コア20の内周部に多く集まる。磁性コア20の加圧による特性劣化は磁束が多く集まる部位ほど影響が大きい。したがって、本実施形態のようにコア支持部40dの配置場所を設定することで、磁性コア20の特性劣化をさらに抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、コイル支持部40eをコイル30aとコイル30bの配列方向の外側に配置している。リアクトル10において、発熱は冷却器60から熱抵抗が高い中心部に集中することから、熱が籠もる中心部から離れた位置にコイル支持部40eを配置している。これにより、さらにリアクトル10の損失増加を抑制することが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、磁性コア20を扁平形状としたが、これはより高い放熱性を得るためであり、放熱性に応じて磁性コア20の高さを適宜変更すれば良いため、磁性コア20の高さについては任意に設定可能である。例えば、磁性コア20を断面形状が正方形状のもので構成しても良い。
また、上記実施形態では、磁性コア20を長方形状としつつ、封止樹脂部50側において磁性コア20の角部を丸めたR形状としたが、角部が丸められていなくても良い。また、磁性コア20のうちの封止樹脂部50側の角部を面取りした構造であっても良い。
なお、上記実施形態では、リアクトル10を電気自動車やハイブリッド車両などに搭載される昇圧コンバータ用リアクトル等に適用する場合について説明したが、これは適用例の一例を挙げたに過ぎず、他のものへの適用も可能である。例えば、リアクトル10を充電器のPFC用昇圧リアクトルや平滑チョークなどに適用することも可能である。
また、上記実施形態では、2つのU字コアでリアクトル10を構成しているが、2つのE字コアや複数のI字コアによってリアクトル10を構成することもでき、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
10 リアクトル
20 磁性コア
30 コイル
40 筐体
40b 底面
40d コア支持部
40e コイル支持部
50 封止樹脂部
60 冷却器
70 放熱ゲル

Claims (11)

  1. 磁性コア(20)と、
    前記磁性コアに巻回されたコイル(30)と、
    前記磁性コアおよび前記コイルが配置される放熱面(40b)を含み、前記磁性コアおよび前記コイルの放熱を行う冷却部材(40、60)と、
    前記放熱面から突出させられて設けられ、前記磁性コアを支持するコア支持部(40d)と、
    前記放熱面から突出させられて設けられ、前記コイルを支持するコイル支持部(40e)と、
    前記コア支持部によって前記磁性コアが支持され、かつ、前記コイル支持部によって前記コイルが支持された状態で前記放熱面から前記磁性コアの間に充填されることで、前記磁性コアのうちの前記放熱面側の面を封止しつつ、該磁性コアのうち前記放熱面と反対側の面を露出させるように形成された封止樹脂部(50)と、を有していることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記磁性コアは、前記放熱面と対向する一面を下面(20b)、該一面の反対側の一面を上面(20a)、前記上面および前記下面とを繋ぐ側面(20c、20d)を有し、前記コイルに対して通電を行ったときに発生させられる磁束の流れと直交する方向での断面形状が四角形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記磁性コアは、前記断面形状が、前記四角形状のうち前記上面および前記下面を構成する辺が長辺、前記側面を構成する辺が短辺とされる扁平形状の長方形状とされていることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記扁平形状の長方形状における前記短辺を分子にとり、前記2つの長辺を乗算した値を分母にとったときに3/100以下となっていることを特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記磁性コアのうち、前記下面と前記側面とによる角部が丸められていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載のリアクトル。
  6. 前記磁性コアは、前記コイルに対して通電を行ったときに発生させられる磁束の流れと直交する方向での断面形状が、前記放熱面に対する法線方向の寸法より前記放熱面に対する平行な方向の寸法が大きくされた扁平形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  7. 前記磁性コアは、前記放熱面の法線方向から見た形状が枠体形状とされ、該枠状の内周側を構成する内周側面(20c)と外周側を構成する外周側面(20d)とを有し、
    前記コア支持部は、前記コイルから離れた位置、かつ、前記磁性コアのうち前記内周側面よりも前記外周側面側の位置において前記磁性コアを支持していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のリアクトル。
  8. 前記磁性コアは、前記放熱面の法線方向から見た形状が矩形の枠体形状とされ、
    前記コア支持部は、前記磁性コアの四隅に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のリアクトル。
  9. 前記コイルは、前記枠体形状とされた前記磁性コアに対して巻回されており、
    前記コイル支持部は、前記コイルのうち前記磁性コアの中心側よりもその反対側となる外側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のリアクトル。
  10. 前記コイル支持部は、前記磁性コアよりも外側において前記コイルを支持していることを特徴とする請求項9に記載のリアクトル。
  11. 前記コア支持部は、少なくとも一部が前記磁性コアと前記放熱面とを絶縁する絶縁材料で構成され、
    前記コイル支持部は、少なくとも一部が前記コイルと前記放熱面とを絶縁する絶縁材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のリアクトル。
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