JP6398907B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、巻線型のコイルを磁性コアの周囲に巻回したリアクトルに関するものであり、特に電気自動車やハイブリッド車両などに搭載されるリアクトルに適用されて好適なものである。
従来、ハイブリッド車両などに搭載されるリアクトルでは、コイルの銅損や磁性コアの鉄損が発生することから、リアクトルの発熱が生じる。ハイブリッド車両では出力が大きいため、リアクトルの発熱も多くなる。このため、リアクトルの下面に放熱板を設け、ボビンと封止樹脂を介して放熱板からの熱の放出によってリアクトルの冷却が行われている。
しかしながら、ボビンとコアの線膨張係数差からヒートショックによりボビンなどにクラックが入り易く、このクラックの発生によって絶縁不良が起こり、リアクトルの焼損の原因となっていた。
この問題を解決できるものとして、特許文献1にボビンレスによるリアクトルが提案されている。このようにボビンレスでリアクトルを形成することにより、線膨張係数差が低減されてクラックの発生が抑制され、絶縁不良およびそれに起因するリアクトルの焼損を抑制することが可能となる。
具体的には、筐体となるハウジング内に、磁性コアとコイルを配置した状態でフィラーが配合された樹脂封止材を充填することでコイルと磁性コアの間の隙間を封止している。樹脂封止材は、熱伝導率が0.7〜4W/mKの性能を有し、粘度が低いものが適用されることでコイルと磁性コアの間の隙間が封止されるようにしている。また、磁性コアは、2つのU字型コアとギャップ部材とによって構成されており、2つのU字型コアそれぞれの両先端をコイルに挿入しつつ向かい合わせ、ギャップ部材を介して連結させて環状としている。そして、環状とされた磁性コアを径方向外方から板バネによってハウジングの内壁面に押し当てることで位置決めしつつ、コイルを上方から加圧して位置決めし、この状態で樹脂封止材を充填することで、樹脂封止を行っている。
特開2009−94328号公報
しかしながら、板バネによる加圧が為された状態で磁性コアが樹脂封止されることになるため、磁性コアの特性劣化、つまり損失の増大や透磁率の低下の問題を発生させる。また、コイルおよび磁性コアをすべて樹脂封止材で覆った構造であるため、樹脂封止による磁性コアの特性劣化も発生させる。
なお、磁性コアは磁歪効果により、応力を印加すると透磁率低下や損失増加することが知られている。上記特許文献1の構造では、磁性コアに応力が印加される要因として、次の(1)〜(3)が挙げられる。すなわち、(1)周辺部材からの加圧があること、(2)磁性コアの周辺に封止された樹脂が硬化収縮されることで、磁性コアに応力が印加されること、(3)磁束が印加された磁性コアの膨張により封止された樹脂と干渉し応力が印加されることである。上記した磁性コアを板バネで固定することは(1)の要因を発生させ、磁性コアやコイルの全体を樹脂封止材で封止することは(2)、(3)の要因を発生させることとなる。
本発明は上記点に鑑みて、樹脂封止や加圧による磁性コアの特性劣化を抑制しつつ、良好に放熱を行うことが可能なリアクトルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、磁性コア(20)と、磁性コアに巻回されたコイル(30)と、磁性コアおよびコイルを挟んだ両側に配置され、磁性コアおよびコイルが配置される放熱面(40b、41b)を含み、磁性コアおよびコイルの放熱を行う第1冷却部材(40、60)および第2冷却部材(41、61)と、第1冷却部材の放熱面から磁性コアの間に充填されることで、磁性コアのうちの放熱面側となる下面(20b)を封止すると共に、第2冷却部材の放熱面から磁性コアの間に充填されることで、磁性コアのうちの放熱面側となる上面(20a)を封止しつつ、該磁性コアのうち放熱面に繋がる両側面(20c、20d)を露出させるように形成された第1封止樹脂部(50)および第2封止樹脂部(51)と、を有し、第1冷却部材および第2冷却部材は、共に、放熱面を構成する底面(40b、41b)を含む筐体(40、41)と、該筐体に貼り合わされた冷却器(60、61)とを備えた構成とされ、第1冷却部材および第2冷却部材それぞれに備えられた筐体の底面は、磁性コアおよびコイル側に突き出した凸面状とされ、該底面の厚みが該底面の外縁側よりも内側の方が厚くされることで、該底面の中央位置に向かうに連れて該底面と磁性コアおよびコイルとの間隔が狭くされており、磁性コアは、コイルに通電を行ったときに発生する磁束の流れに対して直交する面での断面形状が、第1冷却部材と第2冷却部材が並ぶ方向と同方向の寸法より該方向に対する垂直方向の寸法が大きくされた扁平形状とされていることを特徴としている。
このように、第1封止樹脂部および第2樹脂封止部を磁性コアの下面もしくは上面と接するようにしつつも、両側面において磁性コアが封止樹脂部から露出させられるようにしている。このため、第1封止樹脂部および第2樹脂封止部の硬化収縮によって磁性コアに応力が印加される領域を最小限に留めることが可能となる。また、磁性コア自身の磁歪によって第1封止樹脂部および第2樹脂封止部と干渉して応力が印加されることを最小限に留めることも可能となる。また、磁性コアを断面形状が扁平形状となるようにし、磁性コアの体積に対する冷却面積を増加させている。これにより、放熱性を確保することが可能となる。
また、このような構成によれば、磁性コアに対する周辺部材からの加圧、例えば磁性コアの径方向外方からの板バネによる押し付けがほぼ無い構造にでき、熱変形に伴う封止樹脂部からの加圧も抑制できる。さらに、リアクトルの使用時に磁束が印加された磁性コアが膨張したとしても、第1封止樹脂部および第2樹脂封止部との接触部位がほぼ磁性コアのうち放熱面側の下面および上面のみとなることから、磁性コア自身の磁歪に起因して第1封止樹脂部および第2樹脂封止部から印加される応力を抑制できる。したがって、樹脂封止や加圧による磁性コアの特性劣化、つまり損失の増大や透磁率の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるリアクトル10の一部断面上面図である。 図1のII−II断面図である。 図2のIII−III断面図である。 図1に示すリアクトル10の斜視分解図である。 リアクトル10を車両用の昇圧コンバータ用リアクトルとして適用する場合を想定した諸元を示した図である。 磁性コア20を立方体形状とした場合と扁平形状とした場合それぞれの場合の各部の寸法設定に対応する熱抵抗や発熱温度の関係を示した図である。 本発明の第2実施形態にかかるリアクトル10の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるリアクトル10の断面図である。 筐体40の底面40bを平板状とした場合に硬化収縮時に封止樹脂部50より掛かる応力を示した断面図である。 図9(a)に示した応力によって筐体40が破損した様子を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1〜図4に示すように、本実施形態のリアクトル10は、磁性コア20、コイル30、筐体40、41、封止樹脂部50、51および冷却器60、61などを有した構成とされている。このリアクトル10は、電気自動車やハイブリッド車両などに搭載される昇圧コンバータ用リアクトル等のように、例えば高出力を発生させるものとして適用される。
磁性コア20は、鉄系合金、アモルファス金属(例えば鉄系アモルファス材料)など、コア材料として用いられる軟磁性材で構成されており、例えば熱伝導率が1〜50W/mKとなっている。本実施形態では、図1に示すように、磁性コア20を上面形状が相対する2辺を2組有した矩形の枠体形状としているが、磁束が流れる構成であれば他の形状であっても良い。例えば上面形状が円形枠状であっても良い。また、磁性コア20については1部材である必要はなく、複数に分割されたものが一体とされたものであっても良いし、互いに接触するように配置されたものであっても良い。
また、磁性コア20は、図2に示すように、コイル30に対して通電を行ったときに発生させられる磁束の流れと直交する方向での断面形状が、四角形状とされている。より詳しくは、磁性コア20は、紙面上下方向の寸法である厚み方向寸法よりも紙面左右方向の寸法である幅方向寸法が大きくされた扁平形状とされている。換言すると、磁性コア20のうち、筐体40、41や冷却器60、61が並ぶ方向と同方向の寸法よりも、該方向に対する垂直方向の寸法が大きくされた扁平形状とされている。本実施形態の場合、磁性コア20の断面形状を長方形状としている。そして、長辺を構成する上面20aおよび下面20bが後述する筐体40、41の放熱面を構成する底面40b、41bと対向させられている。そして、上面20aと下面20bとの間を繋ぐ各面、つまり短辺を構成する内周側面20cおよび外周側面20dが筐体40、41の底面40b、41bに対して垂直方向に向くようにして磁性コア20が筐体40、41上に配置されている。
コイル30は、磁性コア20に対して巻回されており、例えば銅などの導体線を絶縁被膜したものによって構成されている。上記したように、本実施形態では磁性コア20を四角形枠体形状としているが、この磁性コア20の相対する2辺それぞれにコイル30を巻回してある。磁性コア20のうちの一辺に巻回されたコイル30aともう一辺に巻回されたコイル30bとは繋がっている。本実施形態の場合、磁性コア20の下方位置、つまり筐体40側において、コイル30aとコイル30bとが連結部30cを介して繋がっている。また、各コイル30a、30bを構成する導体線のうち連結部30cと反対側の先端は、封止樹脂部50、51で覆われていない位置において引き出された引出配線30aa、30baとされている。この引出配線30aa、30baを介して、コイル30が外部回路と電気的に接続されることで、リアクトル10への通電が可能とされている。
筐体40、41は、磁性コア20およびコイル30を収容するケースであり、熱伝導率が例えば50W/mK以上の高い材料、例えばアルミニウムによって構成されている。筐体40、41は、それぞれ、磁性コア20およびコイル30を挟んだ一方と他方に配置され、筐体40、41の間に磁性コア20およびコイル30が保持されている。本実施形態では、筐体40および冷却器60や筐体41および冷却器61を別体として構成しているが、これらはそれぞれ第1冷却部材や第2冷却部材を構成するものであり、それぞれ一体とされることで第1冷却部材や第2冷却部材が構成されていても良い。
筐体40、41は、図2〜図4に示すように、磁性コア20およびコイル30が収容される凹部40a、41aを有した有底部材によって構成されており、図1に示すように、本実施形態の場合は上面形状が四角形状の有底部材とされている。具体的には、筐体40、41は、放熱面を構成する底面40b、41bに加えて側面40c、41cを有し、これら底面40b、41bと側面40c、41cとによって凹部40a、41aが構成されている。そして、図1に示すように側面40c、41cによって囲まれる範囲内に配置され、かつ、深さ方向において凹部40a、41a内に少なくとも一部が入り込むようにして磁性コア20およびコイル30が収容されている。
より詳しくは、筐体40、41に形成される凹部40a、41aは、磁性コア20の下面20bが後述する封止樹脂部50、51と密着する深さに設定されている。すなわち、筐体40に磁性コア20およびコイル30を収容したときに、側面40c、41cにおける底面40b、41bと反対側の端部が磁性コア20の下面20bよりも底面40b、41bから離れた位置に達するように、側面40c、41cの高さが設定されている。
また、筐体40、41の底面40b、41bには、磁性コア20を支持するコア支持部40d、41dと、コイル30を支持するコイル支持部40e、41eとが備えられている。コア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eは底面40b、41bに配置された板バネもしくはスペーサによって構成されている。筐体40、41の間において磁性コア20およびコイル30が位置ズレなく支持可能であればコア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eをスペーサによって構成すれば良い。また、位置ズレない支持を行うために、磁性コア20およびコイル30を挟み込む方向に押圧する必要がある場合には、コア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eを板バネで構成するのが好ましい。
これらコア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eは、筐体40、41と一体化されていても良いし、別部材で構成されていても良い。筐体40、41を導体材料で構成している場合には、筐体40、41とコイル30との絶縁が図れるように、コイル支持部40e、41eの少なくとも一部を絶縁材料で構成している。絶縁材料としては、例えば樹脂やセラミックスなどを用いることができる。
また、コア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eの形状については任意であるが、これらに支持された磁性コア20とコイル30との間の隙間が確保されると共に、筐体40、41とコイル30との絶縁確保が為されるように、寸法が決められている。
コア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eは、封止樹脂部50、51による樹脂封止の前の状態において磁性コア20を筐体40、41に対して支持できるように複数箇所に設けてある。コア支持部40d、41dおよびコイル支持部40e、41eの形成位置については、磁性コア20やコイル30を傾き無く支持できる位置であればどこであっても構わない。
封止樹脂部50、51は、第1樹脂封止部および第2樹脂封止部を構成するものでり、放熱フィラーを含むバインダー樹脂である。例えば、放熱フィラーとしては、アルミナなどを用いており、樹脂材料としてはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などを用いている。このような材料で構成される封止樹脂部50、51は、例えば熱伝導率が0.7〜4W/mK、例えば3W/mKとなる。
封止樹脂部50、51は、筐体40、41に形成された凹部40a、41a内に充填されて硬化させられている。封止樹脂部50、51は、コイル30のうちの磁性コア20よりも底面40b、41b側に位置している部分が浸されている。封止樹脂部50は、少なくとも磁性コア20の下面20bが接する位置まで形成されている。また、封止樹脂部51は、少なくとも磁性コア20の上面20aが接する位置まで形成されている。封止樹脂部50、51としては、硬化される前の状態での粘度が低いものを適用しており、磁性コア20とコイル30との間やこれらと筐体40、41との間を隙間無く充填できるようにしている。
ただし、封止樹脂部50は、磁性コア20の下面20bには接しているが、下面20bの近傍以外はほぼ覆っておらず、磁性コア20の下面20bと両側面20c、20dのうち下面20bの近傍のみを覆っている。封止樹脂部51も、磁性コア20の上面20aには接しているが、上面20aの近傍以外はほぼ覆っておらず、磁性コア20の上面20aと両側面20c、20dのうち上面20aの近傍のみを覆っている。このため、磁性コア20の両側面20c、20dが封止樹脂部50、51から露出させられている。封止樹脂部50より磁性コア20が受ける応力を考慮すると、封止樹脂部50、51が磁性コア20の下面20bと接する位置まで形成されていているのが好ましい。しかしながら、樹脂の硬化収縮のバラツキを考慮すると、硬化後の封止樹脂部50、51が下面20bもしくは上面20aから離れてしまう可能性も有る。このため、封止樹脂部50については下面20bよりも少し上面20a側の位置まで形成する方が好ましく、封止樹脂部51については上面20aよりも少し下面20b側の位置まで形成する方が好ましい。したがって、封止樹脂部50、51の形成位置を上記位置となるようにしている。
冷却器60、61は、第1冷却部材および第2冷却部材の一部を構成するものである。本実施形態の場合、筐体40、41の底面40b、41bに対して例えばシリコーン系ゲルなどの熱伝導率が高い放熱ゲル70、71を介して貼り合わされることで接続性を向上してある。例えば、シリコーン系ゲルの場合、熱伝導率が1W/mK程度であり、薄く塗布することで筐体40、41から冷却器60、61に対して良好に熱伝達を行うことができる。
冷却器60、61は、空冷式のものであっても水冷式のものであっても良い。空冷式の場合、冷却器60、61は、例えば単なる高熱伝導体板で構成されたヒートシンクであっても良いし、コイル30や磁性コア20および筐体40、41などと反対側となる裏面側に放熱フィンが備えられたヒートシンクであっても良い。また、冷却器60、61の内部に冷媒通路を構成し、冷媒通路内に冷媒が流動させられる構造であっても良い。
以上のようにして、本実施形態にかかるリアクトル10が構成されている。このように構成されるリアクトル10は、次のようにして製造される。
まず、磁性コア20、コイル30および筐体40、41を用意する。磁性コア20に対してコイル30が巻回されるように配置する。例えば磁性コア20を2つのU字コアなどで構成しておき、2つのU字コアの各先端をコイル30に対して互いに反対方向から挿し込むことで、磁性コア20に対してコイル30が巻回された構造を構成できる。
そして、筐体40の凹部40a内に磁性コア20およびコイル30を配置し、これらを上方から筐体40の底面40b側に押し付けた状態で凹部40a内に放熱フィラーを含む樹脂材料を充填する。そして、これを硬化させて封止樹脂部50を構成したのち、磁性コア20やコイル30の押し付けを解除する。
次に、筐体41の凹部41a内に筐体40に固定された状態の磁性コア20およびコイル30を配置し、これらを上方から筐体41の底面41b側に押し付けた状態で凹部41a内に放熱フィラーを含む樹脂材料を充填する。そして、これを硬化させて封止樹脂部51を構成したのち、磁性コア20やコイル30の押し付けを解除する。
その後、筐体40、41の底面40b、41bに放熱ゲル70、71を介して冷却器60、61を貼り付けることで、本実施形態にかかるリアクトル10が完成する。
このように構成されるリアクトル10は、磁性コア20およびコイル30と筐体40、41との間を封止樹脂部50、51によって充填しているため、磁性コア20およびコイル30からの熱を効率良く筐体40、41および冷却器60、61に伝えられる。そして、封止樹脂部50、51と磁性コア20の下面20bもしくは上面20aとが接するようにしており、磁性コア20とコイル30との間の隙間を埋めるように封止樹脂部50、51を備えている。このように、磁性コア20とコイル30との間の隙間を封止樹脂部50、51によって埋めることで、放熱促進を図ることができる。
すなわち、空気の熱伝導率は0.03W/mK程度であり、例えば熱伝導率が3W/mK程度の封止樹脂部50、51を備えることで放熱を促進できる。
また、封止樹脂部50、51を磁性コア20の下面20bもしくは上面20aと接するようにしつつも、両側面20c、20dにおいて磁性コア20が封止樹脂部50、51から露出させられるようにしている。このため、封止樹脂部50、51の硬化収縮によって磁性コア20に応力が印加される領域を最小限に留めることが可能となる。また、磁性コア20自身の磁歪によって封止樹脂部50、51と干渉して応力が印加されることを最小限に留めることも可能となる。
さらに、本実施形態のリアクトル10では、磁性コア20に対する周辺部材からの加圧、例えば磁性コア20の径方向外方からの板バネ等による押し付けがほぼ無い構造とされている。つまり、リアクトル10は、板バネ等による加圧があっても、磁性コア20の中心軸方向への加圧、つまり筐体40、41が配置される側からのみとされている。
上記したように、一般的に、磁性コアに対して応力が加えられることで特性劣化が起こることが知られているが、その程度は応力を加える方向によって大きく異なる。具体的には、磁歪効果は、磁性コアを流れる主磁束と平行に応力を加えた場合に大きく、そのような応力が加えられたときに特に大きく特性劣化が生じる。
特許文献1に示されたリアクトルのように、磁性コイル全体を樹脂封止したり、磁性コイルを径方向外方から押し付ける場合、磁歪効果による影響が大きく、磁性コアの特性劣化が大きくなる。
しかしながら、本実施形態のリアクトル10のように、磁性コア20に対して径方向外方からの押し付けが無く、押し付けられても磁性コア20に対して磁性コア20の中心軸方向への加圧である。このため、磁歪効果の影響を小さくでき、特性劣化を抑制することが可能となる。
このように、磁性コア20に対する径方向外方からの加圧をほぼ無くすことで磁歪効果を抑制できると共に、熱変形に伴う封止樹脂部50、51からの加圧も抑制できる。さらに、リアクトル10の使用時に磁束が印加された磁性コア20が膨張したとしても、封止樹脂部50、51との接触部位がほぼ下面20bおよび上面20aのみである。このため、磁性コア20自身の磁歪に起因して封止樹脂部50、51から印加される応力を抑制できる。
したがって、樹脂封止や加圧による磁性コア20の特性劣化、つまり損失の増大や透磁率の低下を抑制することが可能となる。そして、放熱については、磁性コア20とコイル30が共に封止樹脂部50、51に接していることから、封止樹脂部50、51を介して筐体40、41および冷却器60、61に良好に熱を伝えることができる。よって、良好に放熱を行うことが可能なリアクトル10とすることが可能となる。
また、特許文献1のように、封止樹脂部によって磁性コアやコイルの全体を覆う構造の場合、より放熱が良好に行われることとなる。これと比較すると、本実施形態のリアクトル10のように封止樹脂部50、51によって磁性コア20やコイル30の一部しか覆っていない構造の放熱効果が小さい可能性がある。しかしながら、主に放熱が行われるのは磁性コア20やコイル30のうち筐体40、41からの距離が最も近い部分であることから、本実施形態の構造であっても十分な放熱効果を得ることができる。特に、本実施形態では、磁性コア20を断面形状が扁平形状となるようにしていることから、磁性コア20の体積に対する冷却面積を増加させることが可能となり、放熱性を確保することが可能となる。
ここで、本実施形態では、磁性コア20における磁束の流れと直交する方向での断面形状を扁平形状とすることによって放熱性が良好となるようにしているが、ここでの扁平は次のように定義される。
図5に、リアクトル10を車両用昇圧コンバータリアクトルとして適用する場合を想定した諸元を示す。コア損失は、20kWで駆動時の損失を示している。コアの熱導率は、磁性コア20として、鉄粉を放熱フィラーを含むバインダ樹脂で挟み、圧縮したものを使用した場合を想定した値である。冷却面は、磁性コア20およびコイル30の両面から放熱する場合を想定した。
これらを前提として、コア損失により発熱した時の放熱性について試算した。具体的には、図5に示すように、磁性コア20の中心位置を発熱面と想定し、磁性コア20の発熱がすべて両面の冷却面、つまり冷却器60、61で放熱したとした時の熱抵抗Raは数式1のように表わされる。
Figure 0006398907
また、磁性コア20を立方体状とした場合と冷却面積を増加させた扁平形状とした場合それぞれの寸法などを図6に示すように定義し、それぞれの熱抵抗Raを試算した。
コイル30の熱伝導率は高いため、影響を無視し、最悪条件を見積もるため発熱が冷却面から一番離れた箇所で発生していると仮定すると、熱抵抗Raは図6中に示したように、磁性コア20を立方体状とした場合には2.5℃/W、扁平形状とした場合には0.5℃/Wと算出される。
このように、リアクトルを扁平形状を取ることで放熱が促進され、磁性コア20を立方体状にする場合に対して、磁性コア20の温度を低くすることができる。そして、例えば許容発熱温度ΔTが100℃であるとすると、磁性コア20を立方体形状とした場合の発熱温度が450℃であったのに対して扁平形状の場合には90℃となっており、許容発熱温度ΔTを満足していることが判る。
この結果より、特許文献1のようにリアクトル全体を樹脂封止していたのに対し、本実施形態のように2面のみの樹脂封止して放熱を行う場合でも、放熱性を確保することが可能となる。そして、上記の試算に基づけば、扁平形状の寸法範囲については磁性コア20のうちの冷却面積、つまり縦、横の寸法に対する厚さの寸法の比に基づいて数式2のように定義される範囲とすることができる。
Figure 0006398907
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して磁性コア20の形状を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7に示したように、本実施形態では、磁性コア20の角部を丸めた形状としている。具体的には、磁性コア20のうち下面20bと両側面20c、20dとによって構成される角部、および、上面20aと両側面20c、20dとによって構成される角部を丸めたR形状としてある。
理想的には、封止樹脂部50、51によって磁性コア20の下面20bや上面20aのみが封止され、両側面20c、20dについてはすべて露出させられていることが好ましい。しかしながら、実際には、リアクトル10の製造工程上、両側面20c、20dの一部が覆われるように封止樹脂部50、51が形成される可能性がある。
したがって、本実施形態のように、磁性コア20の角部を丸めることによって、封止樹脂部50、51から受ける応力の集中を緩和できる。これにより、封止樹脂50、51の熱変形に伴う磁性コア20への加圧を抑制できる。よって、より磁性コア20の特性劣化を抑制することができる。
なお、磁性コア20のうち丸められた部分の高さ、つまり磁性コア20のうち筐体40、41と対向する一面からの距離については任意に設定できる。好ましくは、封止樹脂部50、51に埋まる高さ分、磁性コア20の角部をR形状にすると良い。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1、第2実施形態に対して筐体40、41の形状を変更したものであり、その他については第1、第2実施形態と同様であるため、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態の構造に対して本実施形態を適用する場合について説明するが、第2実施形態の構造に対しても同様に本実施形態を適用できる。
図8に示したように、本実施形態では、筐体40、41における底面40b、41bの厚みを外縁側、つまり側面40c、41c側よりも内側において厚くしている。具体的には、底面40b、41bのうち凹部40a、41a側の表面を磁性コア20やコイル30側に突き出した凸面状としている。これにより、筐体40、41と磁性コア20やコイル30との間隔が磁性コア20の中心部に向かうに連れて狭くなるようにしている。
図9(a)に示すように、筐体40、41に対して封止樹脂を充填して封止樹脂部50、51を形成する際に、図中矢印で示したように充填後の硬化収縮による応力が筐体40、41に加わることになる。この応力が筐体40、41の中心側向かうように作用し、応力集中によって図9(b)に示すように筐体40、41が破損、変形することが懸念される。
したがって、本実施形態のように、筐体40、41の底面40b、41bの厚みを側面40c、41c側よりも内側において厚くすることで、封止樹脂部50、51の硬化収縮時の応力集中を緩和できると共に、筐体40、41の剛性を高めることができる。これにより、リアクトル10の破損を抑制できると共に、磁性コア20の放熱効率の低下に起因する損失増大を抑制することが可能となる。
また、筐体40、41の底面40b、41bの厚みを変えるだけで、筐体40、41と磁性コア20やコイル30との間隔を磁性コア20の中心部に向かうに連れて狭くなる構造を実現できる。したがって、筐体40、41の体格を大きくするなどを行う必要が無く、筐体40、41の小型化、低コスト化を図ることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態で説明した磁性コア20、コイル30、筐体40、41などの形状などについては一例を示したに過ぎず、他の形状であっても良い。
なお、上記実施形態では、リアクトル10を電気自動車やハイブリッド車両などに搭載される昇圧コンバータ用リアクトル等に適用する場合について説明したが、これは適用例の一例を挙げたに過ぎず、他のものへの適用も可能である。例えば、リアクトル10を充電器のPFC用昇圧リアクトルや平滑チョークなどに適用することも可能である。
また、上記実施形態では、2つのU字コアでリアクトル10を構成しているが、2つのE字コアや複数のI字コアによってリアクトル10を構成することもでき、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
10 リアクトル
20 磁性コア
30 コイル
40、41 筐体
40b、41b 底面
50、51 封止樹脂部
60、61 冷却器
70、71 放熱ゲル

Claims (3)

  1. 磁性コア(20)と、
    前記磁性コアに巻回されたコイル(30)と、
    前記磁性コアおよび前記コイルを挟んだ両側に配置され、前記磁性コアおよび前記コイルが配置される放熱面(40b、41b)を含み、前記磁性コアおよび前記コイルの放熱を行う第1冷却部材(40、60)および第2冷却部材(41、61)と、
    前記第1冷却部材の前記放熱面から前記磁性コアの間に充填されることで、前記磁性コアのうちの前記放熱面側となる下面(20b)を封止すると共に、前記第2冷却部材の前記放熱面から前記磁性コアの間に充填されることで、前記磁性コアのうちの前記放熱面側となる上面(20a)を封止しつつ、該磁性コアのうち前記放熱面に繋がる両側面(20c、20d)を露出させるように形成された第1封止樹脂部(50)および第2封止樹脂部(51)と、を有し、
    前記第1冷却部材および前記第2冷却部材は、共に、前記放熱面を構成する底面(40b、41b)を含む筐体(40、41)と、該筐体に貼り合わされた冷却器(60、61)とを備えた構成とされ、
    前記第1冷却部材および前記第2冷却部材それぞれに備えられた前記筐体の前記底面は、前記磁性コアおよび前記コイル側に突き出した凸面状とされ、該底面の厚みが該底面の外縁側よりも内側の方が厚くされることで、該底面の中央位置に向かうに連れて該底面と前記磁性コアおよび前記コイルとの間隔が狭くされており、
    前記磁性コアは、前記コイルに通電を行ったときに発生する磁束の流れに対して直交する面での断面形状が、前記第1冷却部材と前記第2冷却部材が並ぶ方向と同方向の寸法より該方向に対する垂直方向の寸法が大きくされた扁平形状とされていることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記磁性コアは、前記コイルに通電を行ったときに発生する磁束の流れに対して垂直な面での断面形状が四角形状であって、該四角形状のうち前記上面および前記下面を構成する辺が長辺、前記両側面を構成する辺が短辺とされる扁平形状の長方形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記磁性コアのうち、前記下面と前記両側面とによる角部が丸められていることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
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