JP4838442B2 - 放射線撮影システムおよびその制御方法ならびに記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体に向けて照射され該被写体を透過した放射線の強度分布を撮影する放射線撮影システム及びその制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断を目的とする医療用放射線撮影や物質の非破壊検査等の様々な分野の放射線撮影において、増感紙と放射線フィルムとを組み合わせた所謂放射線写真法が利用されている。この方法によれば、被写体を透過したX線等の放射線が増感紙に入射すると、増感紙に含まれる蛍光体が放射線のエネルギを吸収して発光する。この発光により、増感紙に密着した放射線フィルムが感光して放射線フィルム上に放射線像(潜像)が形成される。この後、放射線フィルムが現像処理され、放射線像が直接に放射線フィルム上で可視化される。
【0003】
実際の放射線撮影は、例えば、1組みの増感紙と放射線フィルムが収容されたカセッテを用いてなされる。この場合、放射線発生装置から放射された放射線が被写体を透過してカセッテに入射することにより放射線画像が得られる。
【0004】
カセッテは持ち運びが簡単にできるので、ポータブル放射線発生装置と組み合わせることにより、例えば、カセッテを入院患者の病室に運んでそれをベッドの上に垂直に配置して被検者を側方から撮影することや、或いは、カセッテをベッドの上に配置してベッドに横臥させた患者の必要部位を撮影することが可能である。また、カセッテをブッキースタンドや臥位テーブルに脱着可能にし、移動グリッド機構や放射線発生装置と共に用いて、1つの完全な放射線撮影システムとして使用することもできる。このようにカセッテは、種々の放射線撮影にフレキシブルに対応できる放射線撮影装置である。
【0005】
しかし、カセッテは、1回の撮影ごとにフィルムの交換、カセッテの再設置が必要であるため、多数の放射線撮影が必要となる病院などにおいては、撮影者に相当な労力を強いる。
【0006】
近年では、放射線像をリアルタイムで直接にデジタル画像に変換することができる放射線検出器が提案されている。このような放射線検出器は、例えば固体光検出器と放射線を可視光に変換するシンチレータとを積層してなる。固体光検出器は、石英ガラスからなる基板上に、アモルファス半導体と、該アモルファス半導体を挟む透明導電膜及び導電膜とからなる固体光検出素子をマトリクス状に配列してなる。この検出器の詳細は、例えば特開平8−116044号公報に記載されている。
【0007】
この放射線検出器では、対象物を透過した放射線をシンチレータで可視光に変換し、この可視光を固体光検出素子の光電変換部により電気信号として検出する。この電気信号は、各固体光検出素子から所定の読み出し方法により読み出され、A/D変換されて放射線画像信号として出力される。このように、この放射線検出器は、撮影者の労力を軽減し簡単な過程で放射線画像信号を得ることができる。
【0008】
得られた放射線画像信号は、画像信号処理装置により種々の信号処理が施された後に、CRT等の再生装置により放射線画像として再生され、医者によって読影、診断される。また、信号処理によって、コントラストや鮮鋭性の優れた放射線画像を再生することも可能である。この放射線検出器は厚さ数mmの平面パネルであるため、撮影装置の薄型化や軽量化が極めて容易である。そこで、撮影者による持ち運びが容易な、あるいはブッキースタンドや臥位テーブル等の撮影システムに対する脱着を可能にした、大面積センサを有する放射線検出器が提案されている。このような可搬性に優れ、あるいは移動配置が可能な放射線検出器は、例えばデジタルカセッテと呼ばれている。
【0009】
デジタルカセッテでは、放射線画像を即時に読み出すことが可能なため、従来のカセッテにおけるような撮影ごとのフィルム交換が不要となる。したがって、同じ撮影システムで用いる限り、撮影ごとにカセッテを運搬し再設置する必要がない。デジタルカセッテによれば、デジタル画像のため、画像処理により、従来の増感紙及び放射線フィルムを利用したカセッテでは得られない高画質の画像を得ることもできる。さらに、デジタルカセッテは、従来のカセッテと同様に、薄型かつ軽量という特徴により、ブッキースタンドや臥位テーブルの撮影システムの他、Cアーム型撮影システムなどの多種多様な撮影システムに対して脱着することができる。また、デジタルカセッテをポータブルな放射線発生装置と共に動けない患者のいる所まで携帯し、撮影することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
大面積センサを有するデジタルカセッテは、様々な撮影システムに装着され、様々な場所に携帯されて撮影に使用され、または、種々の放射線撮影を行うことができる。したがって、放射線デジタル画像がどの場所で、またはどの撮影システムで撮影されたのかを区別することが難しかった。また、デジタルカセッテがどの撮影システムに設置してあるかを目視で確認する必要があった。さらに、これらの問題から波及して以下のような問題があった。
【0011】
(1)第1の問題
大面積センサは個々の画素の放射線に対する感度が均一でないため、一般的には、個々の画素の感度情報を有する感度補正画像を予め取得し、その感度補正画像に基づいて撮影画像を補正する。その際、撮影システム固有の放射線照射ムラ、後方散乱ムラ、場合により、使用されるグリッドに起因して画像に重畳されるパターン(例えば縞状パターン)なども同時に除去または低減する補正(画質補正)をする必要がある。したがって、撮影画像がどの撮影システムで撮影されたのかが分からなければ、適正な感度補正画像(撮影に使った撮影システム本体に適合した感度補正画像)を用いて感度補正や画質補正をすることができないという問題があった。
【0012】
(2)第2の問題
ブッキースタンドのような立位スタンドを用いた撮影システムでは、被写体は立った状態で撮影されるので、センサの上側の部分で被写体(例えば人体)の上部が撮影される。一方、臥位テーブルのようなベッドタイプの撮影台を用いた撮影システムでは、被写体(例えば人体)はどちらの方向にでも横になれるので、必ずしもセンサの上側の部分で被写体の上部が撮影されるとは限らない。このように撮影システムによって被写体の写り方(向き等)が異なる場合があるので、撮影画像がどの撮影システムで撮影されたのかが分からなければ、撮影画像に適切な画像処理を施すことが困難となる。その一例を詳しく言えば、撮影画像に画像処理(例えば階調処理)を施す場合に、撮影画像中の被写体の所定の領域から特徴量を抽出する必要がある。センサに対する被写体の回転角度(向き)が定まっていない場合には、例えば撮影画像からその回転角度を決定したうえで特徴量を解析する必要があるため、センサに対する被写体の回転角度が定まっている場合に対して画像処理の工数が多くなり、または画像処理エラー(例えば、特徴量の抽出の失敗)が発生する可能性がある。
【0013】
(3)第3の問題
ブッキースタンドや臥位テーブル等を用いた医療用放射線撮影システムでは、1つの撮影システムだけでも、被写体の部位又は撮影方法などを特定するための撮影メニューの項目が、数十〜百或いはそれを越えるほど多数に及ぶ。さらに、ベッドサイドで動けない患者を撮影する場合、患者の態勢に合わせて撮影をする必要があるので、必要な撮影メニューの項目数は上記と同様或いはそれを越えるものとなる。
【0014】
撮影された放射線デジタル画像は、該放射線デジタル画像に写っている部位等に応じて適切な画像処理が施される。現在のところ、画像のみを解析することによって画像に写っている部位を特定することは難しい。そこで、撮影メニューを表示し、そこから撮影者に撮影部位又は撮影方法等を選択させる必要がある。撮影画像がどの撮影システムで撮影されたのかが分からなければ、デジタルカセッテを脱着できるすべての撮影システムの撮影メニューを表示する必要があり、さらに撮影者は、膨大な数の撮影メニューの一覧から適切な部位又は撮影方法等を選択しなくてはならず、使い勝手が悪い。
【0015】
(4)第4の問題
ある撮影システムに故障等の不具合が生じ撮影画像に異常が現れた場合、撮影画像に撮影システムの情報があれば、前記不具合をすばやく発見することが可能である。しかし、一般的に、撮影者は、撮影システムによってではなくて、患者名や撮影部位によって撮影画像を管理する。したがって、撮影画像がどの撮影システムで撮影されたのか分からず、そのため撮影システムの不具合を迅速に発見することができない。
【0016】
(5)第5の問題
病院内には、放射線情報システムRIS(Radiology Information System)や院内情報システムHIS(Hospital Information System)用のネットワークが設置されている。HIS/RIS情報には、患者名、患者ID、撮影システム、撮影部位、撮影条件、担当医師名等の情報が含まれる。これらの情報は、HIS/RISネットワークを通して各放射線撮影室に設置されているHIS/RIS情報端末に転送される。この端末の制御下で撮影の準備が行われる。すなわち、HIS/RISからの情報により撮影システムが選択され、撮影メニューが自動設定され、放射線発生装置にも撮影条件すなわち管電圧、管電流、照射時間、AEU(Auto Exposure Unit)の有無が自動設定される。しかし、デジタルカセッテがどの撮影システムに設置してあるかを撮影者が自分で確認する以外の方法で分からない場合には、撮影者の確認ミスにより、使用される撮影システムにデジタルカセッテが設置されていない状態で放射線照射が行われ、被写体である患者に無意味な照射を行うなど、不適切な動作が行われる可能性がある。
【0017】
(6)第6の問題
例えば、放射線発生装置、移動グリッド又は透視装置等を含む撮影システムは、撮影の際に撮影システムに固有の駆動を行う。従来のフィルム/スクリーンを用いたカセッテを用いた撮影では、前記撮影システム固有の駆動は、カセッテ自体が駆動要素を持たないためカセッテと全く関係なく行われていた。しかし、デジタルカセッテを用いた撮影の場合には、デジタルカセッテ内のセンサは信号の消去(リセット又は電荷の掃出し)、信号の蓄積、信号の読み取り、信号の消去というように、所定のサイクル(シークエンス)でセンサ固有の駆動を行わなくてはならない。したがって、デジタルカセッテを撮影システムに設置することで、デジタルカセッテのセンサ駆動と撮影システム固有の駆動(放射線発生装置や移動グリッド等の駆動)とを連動又は同期させることが必要となった。しかし、デジタルカセッテがどの撮影システムに設置してあるかが分からなければ、デジタルカセッテのセンサ駆動と撮影システム固有の駆動とを連動又は同期させることができない。
【0018】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、デジタルカセッテを使用する撮影システムに特有の問題を解決すること、より具体的には、上記に列挙した問題を解決することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、被写体を透過した放射線を撮影する放射線撮影システムに係り、該システムは、光電変換部を有し、被写体を透過した放射線を撮影するためのカセッテ型撮影装置と、前記カセッテ型撮影装置を着脱自在に保持する保持部を有する、立位タイプおよびベットタイプのいずれかの撮影台と、前記撮影台の前記保持部によって保持された前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとを得る検知部と、前記検知部によって得られた前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとによってそれぞれ特定される前記カセッテ型撮影装置と前記撮影台との組み合わせにより構成される撮影システムに対応するデータに基づいて、前記カセッテ型撮影装置によって撮影された画像に対して前記撮影システムに対応する画像処理をする制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面は、被写体を透過した放射線を撮影する放射線撮影システムに係り、該システムは、光電変換部を有し、被写体を透過した放射線を撮影するための複数のカセッテ型撮影装置と、前記カセッテ型撮影装置を着脱自在に保持する保持部を有する複数の撮影台と、前記複数のカセッテ型撮影装置から選択されるカセッテ型撮影装置と前記複数の撮影台から選択される撮影台との組合せにより構成される撮影システムを特定するシステム情報に基づいて動作する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記システム情報に対応する撮影メニューを前記システム情報に基づいて選択する選択部を有し、前記システム情報に対応する撮影メニューは、被写体部位及び/又は撮影方法に関する項目を含む、ことを特徴とする。
本発明の第3の側面は、光電変換部を有し、被写体を透過した放射線を撮影するためのカセッテ型撮影装置と、前記カセッテ型撮影装置を着脱自在に保持する保持部を有する、立位タイプおよびベットタイプのいずれかの撮影台とを備える放射線撮影システムの制御方法に係り、該制御方法は、前記撮影台の前記保持部によって保持された前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとを得る検知工程と、前記検知工程で得られた前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとによってそれぞれ特定される前記カセッテ型撮影装置と前記撮影台との組み合わせにより構成される撮影システムに対応するデータに基づいて、前記カセッテ型撮影装置によって撮影された画像に対して前記撮影システムに対応する画像処理をする工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第3の側面は、上記の放射線撮影システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読出可能な記憶媒体を対象とする。
本発明の第4の側面は、上記の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体を対象とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0047】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態は、撮影システム本体にデジタルカセッテが装着されたことに応じて、それらを制御する撮影制御装置が撮影システム本体の撮影システム情報を取得し、取得した撮影システム情報に基づいて補正用データを選択して撮影システム本体に固有の画像補正を行う放射線撮影システムに関する。
【0048】
図1の100から190は、本発明の好適な実施の形態に係る放射線撮影システムの一例を示す概略的構成図である。100は撮影システム本体、105は放射線発生装置操作部、110は放射線発生装置、120は放射線発生装置110から放射された放射線、130は放射線が照射される被写体、140は被写体130を支える他、カセッテホルダーを支える撮影架台、150は撮影架台140に設置されたカセッテホルダー、160、165はカセッテホルダー150に設置するデジタルカセッテ、170は撮影制御装置、180は撮影メニュー表示部、190はHIS/RIS端末から入力されるHIS/RIS情報、198はデジタルカセッテ160を制御するための第1通信路、199は撮影システム本体100を制御するための第2通信路である。
【0049】
まず、撮影架台140に設けられたカセッテホルダー150にデジタルカセッテ160を装着する。次に、被写体をカセッテホルダー150上の所定の位置に配置して、撮影者(例えば撮影技師)は、放射線発生装置操作部105と撮影メニュー表示部180を利用して撮影情報(例えば、管電圧、mAs値、AECのON/OFF、撮影部位等の情報)を入力する。尚、撮影メニュー表示部180は例えばタッチパネル、キーボード等の入力部を備え、撮影部位その他の情報を選択又は入力できるように構成されていてもよい。撮影者が放射線発生装置操作部105の放射線照射ボタンを押すと、撮影可能状態であれば、撮影制御装置170の制御下で放射線120が被写体130に照射される。デジタルカセッテ160は、被写体130を透過してきた放射線120をデジタル画像として取得する。デジタルカセッテ160が取得した放射線画像は、撮影制御装置170で画像補正及び画像処理がされた後に保存される。保存された放射線デジタル画像は、必要に応じてプリントアウトされたり、モニター表示されたりする。撮影情報(例えば、管電圧、mAs値、AECのON/OFF、撮影部位等の情報)は、撮影者によって直接入力される他に、HIS又はRISを介して撮影依頼情報を受信したHIS/RIS端末からのHIS/RIS情報190を利用して自動的に入力されうる。放射線発生装置110等の制御は第2通信路199を介して、デジタルカセッテ160、165等の制御は第1通信路198を介して、撮影制御装置170が行う。尚、ここでいう制御は、制御対象に対し単に同期のための信号を送信することも含むものとする。
【0050】
撮影システム本体100の形態としては、ブッキースタンドや臥位テーブル等、デジタルカセッテを支持又は保持するための各種撮影台(スタンド)を使用する多種多様な形態が考えられる。この撮影システム本体の例を図36に示す。デジタルカセッテ160は、カセッテホルダー150を備えた様々な撮影システム本体100に装着することができる。図1では、撮影制御装置170が個別に設けられているが、撮影制御装置170は、デジタルカセッテ160内に組み込まれてもよいし、撮影システム本体100内に組み込まれてもよい。
【0051】
図2〜図4は、図1のカセッテホルダー150及びデジタルカセッテ160の第1〜第3の実施例を示す図である。具体的には、図2〜図4は、撮影システム本体100のカセッテホルダー150にデジタルカセッテ160が装着されたときにデジタルカセッテ160、撮影システム本体100及び/又は撮影制御装部170が該当する撮影システム情報及び/又はデジタルカセッテ情報を取得する3つの実施例を示している。更に具体的には、図2は、デジタルカセッテ160が撮影システム本体100を認識することによりデジタルカセッテ160及び撮影制御装置170が該当する撮影システム情報を取得する形態を示し、図3は、撮影システム本体100のカセッテホルダー150がデジタルカセッテ160を認識することにより撮影システム本体100及び撮影制御装置170が該当するデジタルカセッテ情報を取得する形態を示し、図4は、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100のカセッテホルダー150との間で通信することにより、デジタルカセッテ160及び撮影制御装置170が撮影システム情報を取得するとともに、撮影システム本体100及び撮影制御装置170がデジタルカセッテ情報を取得する形態を示す。
【0052】
図2に示す第1の実施例において、150はカセッテホルダー、160はデジタルカセッテ、202はマーク検知部、203は撮影システム検知マーク、204は第1カセッテ固定部、205は第2カセッテ固定部、206は第1固定検知部、207は第2固定検知部、198は第1通信路である。
【0053】
まず、デジタルカセッテ160をカセッテホルダー150に差し込むと、第1カセッテ固定部206及び第2カセッテ固定部205によりデジタルカセッテ160が固定される。デジタルカセッテ160が正しく固定されたかどうかは、第1固定検知部206により確認される。固定が確認されると、マ−ク検知部202により、カセッテホルダー150に付されている撮影システム検知マーク203を読み取る。撮影システム検知マーク203には、撮影システム本体を特定するための撮影システムIDがあり、マーク検知部202は、この撮影システムIDを読み取る。読み取られた撮影システムIDは、デジタルカセッテ201内に保持されるか、又は、通信路198を介して撮影制御装置170へ送信される。ここで、撮影システム検知マーク203は、例えば、バーコードでもよいし、磁気コードでもよい。前者の場合、マーク検知部202はバーコードリーダーであり、後者の場合、マーク検知部202は磁気コードリーダーである。
【0054】
図3に示す第2の実施例において、150はカセッテホルダー、160はデジタルカセッテ、212はデジタルカセッテ検知マーク、213はマーク検知部、214は第1カセッテ固定部、215は第2カセッテ固定部、216は固定検知部、199は通信路である。
【0055】
まず、デジタルカセッテ160をカセッテホルダー210に差し込むと、第1カセッテ固定部214及び第2カセッテ固定部215によりデジタルカセッテ160が固定される。デジタルカセッテ160が正しく固定されたかどうかは、固定検知部216により確認される。固定が確認されると、マ−ク検知部213により、デジタルカセッテ160に付されているデジタルカセッテ検知マーク212を読み取る。デジタルカセッテ検知マーク212には、デジタルカセッテ160を特定するデジタルカセッテIDがあり、マーク検知部213は、このデジタルカセッテIDを読み取る。読み取られたデジタルカセッテIDは、撮影システム本体100内に保持されるか、又は、通信路199を介して撮影制御装置170へ送信される。ここで、デジタルカセッテ検知マーク212は、例えば、バーコードでもよいし、磁気コードでもよい。前者の場合、マ−ク検知部213はバーコードリーダーであり、後者の場合、マ−ク検知部213は磁気コードリーダーになる。
【0056】
図4に示す第3の実施例において、150はカセッテホルダー、160はデジタルカセッテ、222は撮影システム情報通信部、223はカセッテ情報通信部、224は第1カセッテ固定部、225は第2カセッテ固定部、226は第1固定検知部、227は第2固定検知部、198は第1通信路、199は第2通信路である。
【0057】
まず、デジタルカセッテ160をカセッテホルダー150に差し込むと、第1カセッテ固定部224及び第2カセッテ固定部225によりデジタルカセッテ160が固定される。デジタルカセッテ160が正しく固定されたかどうかは、第1固定検知部226、第2固定検知部227により確認される。固定が確認されると、撮影システム情報通信部222とカセッテ情報通信部223により、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間で通信を行い、デジタルカセッテ160は撮影システムIDを取得し、撮影システム本体100はデジタルカセッテIDを取得する。取得した撮影システムID及びデジタルカセッテIDは、各々デジタルカセッテ160内及び撮影システム本体100内に保持されるか、各々第1通信路198及び第2通信路199から撮影制御装置170へ送信される。ここで、カセッテ情報通信部223と撮影システム情報通信部222との間の情報通信は、例えば、赤外線通信等の無線通信でもよいし、コネクター接続等による有線通信でもよい。
【0058】
図2〜図4に示す実施例では、撮影システム本体100(又はデジタルカセッテ160)を特定するためのID情報を検知して、これを撮影制御装置170に送信するが、ID情報以外の撮影システム本体100(又はデジタルカセッテ160)についてのより詳細な情報(例えば、仕様又は制御パラメータ等)を検知し送信してもよい。したがって、以下では、撮影システムID及びデジタルカセッテIDの代わりに、撮影システム情報及びデジタルカセッテ情報と呼ぶことにする。
【0059】
図5〜図10は、デジタルカセッテ160及び撮影システム本体100に各々設けられた撮影システム検知部及びデジタルカセッテ検知部を説明する図である。具体的には、図5及び図6は、図2に示す第1の実施例に対応する撮影システム検知部を示しており、この第1の実施例では、デジタルカセッテ160が撮影システム本体100を認識することによりデジタルカセッテ160及び撮影制御装置170が撮影システム情報を取得する。図7及び図8は、図3に示す第2の実施例に対応するデジタルカセッテ検知部を示しており、この第2の実施例では、撮影システム本体100に備わっているカセッテホルダー150がデジタルカセッテ160を認識することにより撮影システム本体100及び撮影制御装置170がデジタルカセッテ情報を取得する。図9及び図10は、図4に示す第3の実施例に対応する撮影システム検知部及びデジタルカセッテ検知部を示しており、この第3の実施例では、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100に備わっているカセッテホルダー150とが通信することにより、デジタルカセッテ160及び撮影制御装置170が撮影システム情報を、撮影システム本体100及び撮影制御装置170がデジタルカセッテ情報を取得する。
【0060】
まず、図5及び図6に示す第1の実施例について説明する。図5において、160はデジタルカセッテ、202はマーク検知部、206は第1固定検知部、207は第2固定検知部、305は撮影システム検知部、306は画像取得部、198は第1通信路である。
【0061】
図6において、310〜320は、デジタルカセッテ160の固定(装着)から撮影システム情報の記憶までのフローを示している。310は、デジタルカセッテ160の固定を検知する固定検知モジュール、311は、デジタルカセッテが固定されてない場合に固定エラーを送信する固定エラー送信モジュール、312は、撮影システム検知マーク203を読み取るマーク読み取りモジュール、313は、撮影システム検知マーク203を読み取れなかった場合に読み取りエラーを送信する読み取りエラー送信モジュール、314は、撮影システム情報を検知する情報検知モジュール、316は、撮影システム情報を記憶する情報記憶モジュール、318は、画像取得部306又は撮影制御装置170へ撮影システム情報を送信する情報送信モジュール、319は、画像取得部306又は撮影制御装置170で撮影システム情報を受信する情報受信モジュール、320は、画像取得部306又は撮影制御装置170で撮影システム情報を記憶する情報記憶モジュールである。
【0062】
以下、310〜320のフローを説明する。まず、固定検知モジュール310では、第1固定検知部206及び第2固定検知部207によりデジタルカセッテ160が固定されたことが確認された場合に、撮影システム検知部305が、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断する。固定エラー送信モジュール311では、2つの固定検知部206及び207のうち片方のみの固定検知部により固定が検知された場合に、撮影システム検知部305が、固定エラーとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。尚、該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるために利用される。マーク読み取りモジュール312では、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断されると、マーク検知部202を用いて撮影システム検知マーク203を読み取る。エラー送信モジュール313では、マークを正しく読み取れない場合に、撮影システム検知部305が読み取りエラーが発生したとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。尚、該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるために利用される。情報検知モジュール314では、マーク検知部302によって撮影システム検知マーク203を正しく読み取れた場合に、撮影システム検知部305が撮影システム情報を取得する。情報記憶モジュール316では、取得した撮影システム情報を撮影システム検知部305内に記憶する。情報送信モジュール318では、記憶した撮影システム情報を画像取得部306に送信するか、又は、第1通信路198を使って撮影制御装置170に送信する。情報受信モジュール319では、情報送信モジュール318によって送信された撮影システム情報を画像取得部306又は撮影制御装置170が受信する。情報記憶モジュール320では、受信した撮影システム情報を画像取得部306又は撮影制御装置170が記憶する。記憶した情報は、画像補正や画像処理のために必要に応じて使用する。以上のフローにおいて、310〜318は、撮影システム検知部305で行われる。また、319及び320は画像取得部306又は撮影制御装置170で行われる。
【0063】
次に、図7及び図8に示す第2の実施例について説明する。図7において、150はカセッテホルダー、213はマーク検知部、216は固定検知部、335はデジタルカセッテ検知部、199は第2通信路である。
【0064】
図8において、340〜350は、デジタルカセッテ160の固定から撮影システム情報の保存までのフローを示している。340は、デジタルカセッテ160の固定を検知する固定検知モジュール、342は、デジタルカセッテ検知マーク212を読み取るマーク読み取りモジュール、343は、デジタルカセッテ検知マーク212を読み取れなかった場合にエラーを送信する読み取りエラー送信モジュール、344は、デジタルカセッテ情報を検知する情報検知モジュール、346は、デジタルカセッテ情報を記憶する情報記憶モジュール、348は、撮影制御装置170へ撮影システム情報を送信する情報送信モジュール、349は、撮影制御装置170で撮影システム情報を受信する情報受信モジュール、350は、撮影制御装置170で撮影システム情報を記憶する情報記憶モジュールである。
【0065】
以下、340〜350のフローを説明する。まず、固定検知モジュール340では、固定検知部216によりデジタルカセッテ160が固定されたことが確認された場合に、デジタルカセッテ検知部335が、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断する。マーク読み取りモジュール342では、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に設置されたと判断されると、マーク検知部213を用いてデジタルカセッテ検知マーク212を読み取る。エラー送信モジュール343では、マークを正しく読み取れない場合に、デジタルカセッテ検知部335が読み取りエラーが発生したとみなし、第2通信路199を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。情報検知モジュール344では、マーク検知部213によってデジタルカセッテ検知マーク212を正しく読み取れた場合に、デジタルカセッテ検知部335がデジタルカセッテ情報を取得する。情報記憶モジュール346では、取得したデジタルカセッテ情報をデジタルカセッテ検知部335内に記憶する。情報送信モジュール348では、デジタルカセッテ160が設置された撮影システム100の撮影システム情報を第2通信路199を使って撮影制御装置170に送信する。更に、デジタルカセッテ160が撮影システム情報を必要とする場合、撮影制御装置170が例えば第1通信路を介してデジタルカセッテ160に撮影システム情報を送信することにより、例えば画像取得部306が撮影システム情報を利用できるように構成すればよい。また、これに併せて、必要に応じて、記憶されているデジタルカセッテ情報も送信する。尚、デジタルカセッテ情報を送信する必要がある場合とは、例えば図1のようにデジタルカセッテが複数あり、使用されるデジタルカセッテを特定する必要がある場合等である。また、デジタルカセッテが1つしかなく、デジタルカセッテ情報が撮影制御装置170等に記憶されている場合には、上述のモジュール342乃至346及びそれに対応するフローは必ずしも必要ではない。情報受信モジュール349では、情報送信モジュール348で送信された撮影システム情報を撮影制御装置170が受信する。情報記憶モジュール350では、受信した撮影システム情報を撮影制御装置170内に記憶する。記憶した情報は、画像補正や画像処理のために使用される。情報送信モジュール348は、固定検知モジュール340によりデジタルカセッテ160がカセットホルダー150に固定されたことが検知された後、又は情報記憶モジュール346によりデジタルカセッテ情報が記憶された後に実行される。したがって、デジタルカセッテ160が撮影システム本体100に装着されていない状態においては、撮影システム情報は送信されない。以上のフローにおいて、340〜348はデジタルカセッテ検知部335で行われる。
【0066】
次に、図9及び図10に示す第3の実施例について説明する。図9において、160はデジタルカセッテ、222は撮影システム情報通信部、223はカセッテ情報通信部、226は第1固定検知部、227は第2固定検知部、365は撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部、306は画像取得部、198は第1通信路、199は第2通信路、369はカセッテ検知部及びカセッテ通信制御部である。
【0067】
図10において、370〜380は、デジタルカセッテ160の固定から撮影システム情報の記憶までのフローを示している。370は、カセッテの固定を検知する固定検知モジュール、371は、カセッテが固定されてない場合に固定エラーを送信する固定エラー送信モジュール、372は、デジタルカセッテ160と撮影システム100との間における通信を確認する通信確認モジュール、373は、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間で通信ができなかった場合にエラーを送信する通信エラー送信モジュール、374は、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間における通信により撮影システム情報又はデジタルカセッテ情報を検知する情報検知モジュール、376は、撮影システム情報又はデジタルカセッテ情報を記憶する情報記憶モジュール、378は、画像取得部306又は撮影制御装置170へ撮影システム情報を送信する情報送信モジュール、379は、画像取得部306又は撮影制御装置170が撮影システム情報を受信する情報受信モジュール、380は、画像取得部306又は撮影制御装置170内に撮影システム情報を記憶する情報記憶モジュールである。
【0068】
以下、370〜380のフローを説明する。まず、固定検知モジュール370では、第1固定検知部226及び第2固定検知部227によりデジタルカセッテ160が固定されたことが確認された場合に、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断する。固定エラー送信モジュール371では、2つの固定検知部226及び227のうち片方のみの固定検知部により固定が確認された場合に、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が固定エラーが発生したとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。通信確認モジュール372では、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断した場合に、撮影システム情報通信部222とカセッテ情報通信部223を用いて、デジタルカセッテ160と撮影システム100との間における通信を確認する。エラー送信モジュール373では、正しく通信ができない場合に、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365は通信エラーが発生したとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用させる。情報検知モジュール374では、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間における通信により、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が、元々持っている自己の情報(デジタルカセッテ情報)の他に、撮影システム情報を取得する。又は、情報検知モジュール374では、デジタルカセッテ360と撮影システム本体100との間における通信により、カセッテ検知部及びカセッテ通信制御部369が、元々持っている自己の情報(撮影システム情報)の他に、デジタルカセッテ情報を取得する。情報記憶モジュール376では、取得した撮影システム情報を撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365内に記憶するか、又は、デジタルカセッテ情報をカセッテ検知部及びカセッテ通信制御部369内に記憶する。情報送信モジュール378では、デジタルカセッテ160が設置された撮影システム本体100の撮影システム情報を画像取得部306に送信するか、又は、第1通信路198若しくは第2通信路199を使って撮影制御装置170に送信する。情報受信モジュール379では、情報送信モジュール378で送信された撮影システム情報を画像取得部306又は撮影制御装置170が受信する。情報記憶モジュール380では、受信した撮影システム情報を画像取得部306又は撮影制御装置170が記憶する。記憶した情報は、画像補正や画像処理のために必要に応じて使用される。情報送信モジュール378は、情報記憶モジュール376の実行後に実行される。したがって、撮影システム情報はデジタルカセッテが撮影システム本体に装着された後に送信される。以上のフローにおいて、370〜378は、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365、又は、カセッテ検知部及びカセッテ通信制御部369で行われる。
【0069】
図2、図5及び図6に示す第1の実施例では、撮影システム本体100については撮影システム検知マーク203を付加するだけでよいので、例えば、既存の撮影システム本体を容易に流用することができる。すなわち、既存の撮影システム本体の所定位置に撮影システム検知マーク203を付けることにより、デジタルカセッテ160又は撮影制御装置170が該撮影システム本体の撮影システム情報を得ることができる。
【0070】
図3、図7及び図8に示す第2の実施例では、デジタルカセッテ160についてはデジタルカセッテ検知マーク212を付加するだけでよいので、例えば、既存のデジタルカセッテを容易に流用することができる。すなわち、既存のデジタルカセッテの所定位置にデジタルカセッテ検知マーク212を付けることにより、撮影システム本体100又は撮影制御装置170がデジタルカセッテ情報を取得することができる。また、第2の実施例は、デジタルカセッテの軽量化、小型化、低コスト化等の点でも優れている。
【0071】
図4、図9及び図10に示す第3の実施例では、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との間に通信機能を備えることにより、撮影制御装置170を介することなく、直接的に撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との間で情報を交換することができ、相互の動作の連動等が容易になる。したがって、より高機能の放射線撮影装置を提供することができる。また、第3の実施例は、撮影システム本体100やデジタルカセッテ160、更には撮影システム全体の拡張性の点でも優れている。更に、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とが通信できることで、図1に示す第1通信路または第2通信路の何れかをなくした構成とすることも可能となり、この場合、装置間の接続が煩雑にならなくて済むという効果がある。
【0072】
図11は、撮影制御装置170の構成例を示す図である。図11において、400はCPU、410は撮影システム情報保存部、420は画像補正部、430は画像処理部、440は画像情報添付部、450は撮影メニュー制御部、460は放射線発生信号制御部、470は画像保存部、480は撮影制御部、490は撮影システム駆動制御部である。
【0073】
図12は、画像補正部420の機能を説明するフロー図である。図12に示す例では、複数の撮影システム本体100の各々に撮影システム情報と関連付けて補正用データを記憶しておき、デジタルカセッテ160が装着された撮影システム100の撮影システム情報に対応する補正用データを用いて画像補正を行う。
【0074】
図12において、500は、画像取得部306又は撮影制御装置170に送信され記憶されている撮影システム情報である。505は、複数の撮影システム100に各々対応する複数の補正用画像データを取得する補正用画像データ取得モジュールである。510は、補正用画像データ取得モジュール505で取得した複数の補正用画像データ505を画像補正データとして記憶する画像補正データ記憶モジュールである。515は、画像補正データ記憶モジュール510に記憶された複数の画像補正データから撮影システム情報500に対応する画像補正データを選択する画像補正データ選択モジュールである。520は、通常の撮影により画像を取得する撮影画像取得モジュールである。525は、撮影画像に対して選択された画像補正データに基づいて画像補正をする画像補正モジュールである。530は、画像補正モジュール525で補正された撮影画像を記憶する補正済み画像記憶モジュールである。
【0075】
まず、撮影システム情報500は、情報記憶モジュール(図6の320、図8の350、図10の380)で記憶した撮影システム情報である。補正画像データ取得モジュール505は、使用する複数の撮影システム本体100の各々について画像補正のためのデータを取得する。通常は、画像補正のためのデータは、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160を装着して、被写体がない状態で予め撮影した画像(補正用画像データ)である。画像補正データ記憶モジュール510は、補正用画像データ505で取得した画像補正のためのデータを必要に応じて使用できるように記憶する。画像補正データ選択モジュール515は、撮影システム情報500に対応する画像補正データを画像補正データ記憶モジュール510に記憶されている複数の画像補正データから選択する。撮影画像取得モジュール520は、撮影システム情報500に対応する撮影システム100で被写体を撮影する。画像補正モジュール525では、画像補正データ選択モジュール515で選択された画像補正データを用いて、撮影画像取得モジュール520で取得した画像を補正する。すなわち、ある撮影システム100で撮影された画像は、それと同一の撮影システム100についての画像補正データに基づいて補正される。補正済み画像記憶モジュール530は、画像補正モジュール525で補正された画像を必要に応じて使用できるように記憶する。以上のフローにおいて、画像補正データ記憶モジュール510、画像補正データ選択モジュール515、画像補正モジュール525は、画像補正部420で実行される。
【0076】
デジタルカセッテ160に搭載される大面積センサは個々の画素の放射線に対する感度が均一でないため、個々の画素の感度を補正するための感度補正画像を予め取得し、その感度補正画像の各画素値に基づいて撮影画像に現れる感度の不均一性の影響を補正する。その際、撮影システム本体100固有の放射線照射ムラ、後方散乱ムラ、また場合により、使用されるグリッドに起因したパターンの画像への重畳などの撮影システム本体100ごとの画像劣化も同時に除去又は低減する補正(画質補正)をすることも必要である。したがって、検知された撮影システム情報を用いることにより、撮影画像に対して、当該撮影画像の撮影に使われた撮影システム100について作成された画像補正データを用いて、感度ムラ補正やその他のムラ補正等の画像補正を施すことができる。
【0077】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、撮影システム本体にデジタルカセッテを設置することにより、撮影システム情報を取得し、撮影システム情報に基づいて画像処理用データを選択し、撮影システム固有の画像処理を行う放射線撮影装置に関する。
【0078】
撮影システム情報の取得までは、第1の実施の形態(図1〜図11)までと実質的に同様である。以下では、複数の撮影システムの各々について画像処理用データを撮影システム情報と関連付けて記憶しておき、デジタルカセッテ160が実際に設置された撮影システム100の撮影システム情報に基づいて当該撮影システム100についての画像処理用データを選択して、画像処理を行う例を説明する。
【0079】
図13は、画像処理部430の機能を説明するフロー図である。600は、画像取得部306又は撮影制御装置170で記憶されている撮影システム情報である。605は、複数の撮影システム本体に各々対応する複数の画像処理用データを取得する画像処理用データ取得モジュールである。610は、画像処理用データ取得モジュール605で取得した複数の画像処理用データを記憶する記憶モジュールである。615は、撮影システム情報600に対応する画像処理用データを選択する画像処理用データ選択モジュールである。620は、通常の撮影により画像を取得する撮影画像取得モジュールである。625は、撮影画像に対して選択された画像処理用データに基づいて画像処理をする画像処理モジュールである。630は、画像処理モジュール625で画像処理された撮影画像を記憶する処理済み画像記憶モジュールである。
【0080】
撮影システム情報600は、情報記憶モジュール(図6の320、図8の350、図10の380)で記憶した撮影システム情報である。画像処理用データ取得モジュール605は、使用する複数の撮影システム本体100の各々について画像処理用データを予め取得する。画像補正データと画像処理用データとの違いは、画像補正データは、実際に撮影される撮影システム100で撮影された画像に基づいて作成されたデータであるのに対して、画像処理用データは、予め撮影システム本体100での撮影を必要とせず、撮影システム本体100毎に予め決まっている画像の特徴(画像中の被写体の向きや体位、撮影部位など)に依存して画像処理を異ならせるためのデータである。画像処理用データ記憶モジュール610は、画像処理用データ取得モジュール605で取得した画像処理用データを必要に応じて使用できるように記憶する。画像処理用データ選択モジュール615は、撮影システム情報600に対応する画像処理用データを画像処理用データ記憶モジュール610に記憶されている複数の画像処理用データから選択する。撮影画像取得モジュール620は、撮影システム情報600に対応する撮影システム100で被写体を撮影する。画像処理モジュール625は、画像処理用データ選択モジュール615で選択した画像処理用データを用いて、撮影画像取得モジュール620で取得した画像を処理する。すなわち、ある撮影システム100で撮影された画像は、それと同一の撮影システム100についての画像処理用データに基づいて処理される。処理済み画像記憶モジュール630は、画像処理モジュール625で画像処理された画像を必要に応じて使用できるように保存する。以上のフローにおいて、画像処理用データ記憶モジュール610、画像処理用データ選択モジュール615、画像処理モジュール625は画像処理部430で実行される。
【0081】
立位ブッキースタンドのような立位タイプのスタンドを使用する撮影システムでは、被写体は立った状態で撮影されるので、センサの上側では被写体(例えば人体)の上部が撮影される。一方、臥位テーブルのようなベットタイプのスタンドを使用する撮影システムでは、被写体はどちらの方向にでも横になれるので、必ずしもセンサの上側で被写体(例えば人体)の上部が撮影されるとは限らない。このように、撮影システムによって被写体の写り方が違うので、撮影された画像がどの撮影システムで撮影されたのかが分からなければ、画像に適切な画像処理を施すことができない。更に詳しく言えば、撮影画像に画像処理、例えば階調処理を施す場合、撮影画像中の被写体の特徴量(例えば、被写体中の所定領域の画素値又はその分布もしくは統計量、等)を抽出する処理を行う必要がある。センサに対する被写体の回転角度(向き)が定まっていなければ、回転角度を検出して、又は撮影画像を回転させながら特徴量を解析する必要があり、センサに対する被写体の回転角度が定まっている場合に対して、画像処理の工数が多くなる。そこで、検知された撮影システム情報に応じて、必要な場合のみ被写体の回転を考慮した画像処理を行うようにすれば、上記のような無駄な処理を減らし、更には画像処理エラー(例えば、特徴量の抽出の失敗)が発生する可能性を減らすことができる。このように、検知された撮影システム情報に対応する画像処理を撮影画像に施すことにより撮影画像に対して安定した画像処理を施すことができる。
【0082】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態は、撮影システム100にデジタルカセッテ160を設置することにより、撮影システム情報を取得し、その撮影システム情報に基づいて撮影メニューを選択し、撮影メニューを表示する放射線撮影装置に関する。
【0083】
撮影システム情報の取得までは、第1の実施の形態(図1〜図11)と実質的に同様である。この実施の形態では、撮影システムを登録すると共にその撮影メニューを設定しておき、デジタルカセッテ160が実際に設置された撮影システム本体100の撮影システム情報に基づいて、設定記憶されている複数の撮影メニューの中から当該撮影システム本体100に対応する撮影メニューを選択して表示する。
【0084】
図14は、撮影メニュー制御部450の機能を説明するフロー図である。700は、画像取得部306又は撮影制御部170に送信され記憶されている撮影システム情報である。705は、撮影システム本体100の登録と登録された撮影システム本体100についての撮影メニューの設定を行うための登録設定モジュールである。710は、登録設定モジュール705で登録及び設定がされた撮影システム別の撮影メニューを記憶する撮影メニュー記憶モジュールである。715は、撮影システム情報700に対応する撮影メニューを選択する撮影メニュー選択モジュールである。720は、撮影メニュー選択モジュール715で選択された撮影メニューを撮影メニュー表示部180に出力又は送信する撮影メニュー出力モジュールである。730は、出力又は送信された撮影メニューを撮影メニュー表示部180で表示する撮影メニュー表示モジュールである。
【0085】
撮影システム情報700は、情報記憶モジュール(図6の320、図8の350、図10の380)で記憶した撮影システム情報である。登録設定モジュール705は、使用する複数の撮影システム100を予め登録すると共に登録された複数の撮影システム100について各々の撮影メニュー群を設定する。撮影メニュー記憶モジュール710は、登録設定モジュール705で設定された撮影メニュー群を必要に応じて使用できるように記憶する。撮影メニュー選択モジュール715は、撮影システム情報700に対応する撮影メニューを、撮影メニュー記憶モジュール710に記憶されている複数の撮影メニューから選択する。撮影メニュー出力モジュール720は、撮影システム情報700によって特定される撮影システム本体100についての撮影メニューを撮影メニュー表示部180に出力又は送信する。これにより、撮影メニュー表示モジュール730は、撮影メニュー表示部180に表示される撮影メニューを切り替える。以上のフローにおいて、撮影メニュー記憶モジュール710、撮影メニュー選択モジュール715、撮影メニュー出力モジュール720は、撮影メニュー制御部450に含まれる。
【0086】
医療分野の放射線検査で使用されるブッキースタンドや臥位テーブル等の撮影システムでは、1つの撮影システムだけで被写体の部位などを特定する撮影メニューの項目が数十〜百或いはそれを越えるほど多数に及ぶ。さらに、ベッドサイドで動けない患者を撮影する場合、患者の態勢に合わせて撮影をする必要があるので、必要な撮影メニューの項目数は上記と同様或いはそれを越えるものとなる。撮影により得られる放射線デジタル画像は、被写体部位に応じて適切な画像処理が施されなければならない。現在のところ、画像のみを解析することによって被写体部位を特定することは難しい。そこで、撮影メニューを表示し、そこから撮影者に撮影部位を選択させる必要がある。この実施の形態によれば、検知された撮影システム情報に基づいて適切な撮影メニューを表示する。すなわち、この実施の形態によれば、デジタルカセッテ160を装着可能な全ての撮影システム100の撮影メニューを表示する必要がないため、撮影メニューが煩雑又は膨大にならず、撮影者は効率的に撮影メニューから適切な項目(被写体部位及び/又は撮影方法、等)を選択することができる。
【0087】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態は、撮影システム本体100へのデジタルカセッテ160の設置に応じて撮影システム情報を取得し、その撮影システム情報を撮影画像に添付する放射線撮影装置に関する。
【0088】
撮影システム情報の取得までは、第1の実施の形態(図1〜図11)と実質的に同様である。この実施の形態では、取得した撮影システム情報、即ちデジタルカセッテ160が実際に設置された撮影システム本体100の撮影システム情報を撮影画像に添付する。
【0089】
図15は、画像情報添付部440の機能を説明するフロー図である。800は画像取得部306又は撮影制御部170に送信され記憶されている撮影システム情報である。820は、撮影システム情報800に対応する撮影システム本体100で撮影された通常の画像撮影を記憶する記憶モジュールである。825は、通常の撮影をして得た画像に対して、使用した撮影システム本体100の撮影システム情報を添付する情報添付モジュールである。830は、撮影システム情報の添付された画像を記憶する添付済み画像記憶モジュールである。
【0090】
また、図16は、画像情報添付部がデジタルカセッテ160に備わっている例を示す図である。図16において、160はデジタルカセッテ、850は画像取得部、860は画像情報添付部、870は撮像部、875は撮影システム情報保存部、880は撮影システム検知部である。デジタルカセッテ160は画像取得部850を備えており、画像取得部850は、撮像部870、画像情報添付部860及び撮影システム情報保存部875を有する。画像情報添付部860が、撮像部870が取得した画像に、撮影システム情報保存部875に記憶される撮影システム情報を添付する。
【0091】
撮影システム情報800は、情報記憶モジュール(図6の320、図8の350、図10の380)で記憶した撮影システム情報である。撮影した画像は、記憶モジュール820に記憶される。情報添付モジュール825は、記憶モジュール820に記憶された撮影画像に対して撮影システム情報800を添付する。添付済み画像記憶モジュール830は、撮影システム情報が添付された撮影画像を記憶する。以上のフローにおいて、情報添付モジュール825は、画像情報添付部440又は860で利用される。
【0092】
撮影システム情報の画像への添付の簡単な例として、医療用画像転送プロトコルとして標準的なDICOM(Digital Imaging & Communication in Medicine)3.0対応のファイル形式で保存された画像ファイルのヘッダーに撮影システム情報を添付する例を挙げることができる。尚、撮影システム情報はDICOM等の画像ファイルのヘッダー情報の一部として、画像ファイルの規格に従って、例えばヘッダーの所定項目(例えば自由定義領域)に所定フォーマットで、取り込むことができる。
【0093】
撮影者は、撮影システム情報でなく患者名や撮影部位情報によって撮影画像を管理することが多い。このような場合にも、ある撮影システムに故障等の不具合が生じた結果、撮影画像に異常があらわれれば、この実施の形態では撮影画像に撮影システム情報が添付されているので、このような撮影システムの不具合を即座に発見することができる。
【0094】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態は、撮影システム本体100へのデジタルカセッテ160の設置に応じて撮影システム情報を取得し、取得された撮影システム情報と、HIS/RIS情報190や撮影者による撮影メニュー表示部180を介した指定に基づく撮影システム本体100(撮影システム情報)とが一致しない場合にエラーを表示して、放射線照射を禁止する(放射線照射信号を遮断する)放射線撮影装置に関する。
【0095】
撮影システム情報の取得までは、第1の実施の形態(図1〜図11)と実質的に同様である。この実施の形態では、取得した撮影システム情報に対応する撮影システム本体と、デジタルカセッテ160が実際に設置された撮影システム本体100とが違う場合に、放射線発生装置の照射信号を遮断する。
【0096】
図17は、放射線発生信号制御部460の機能を説明するフロー図である。900は、画像取得部306又は撮影制御部170に送信され記憶されている撮影システム情報である。905は、HIS/RIS情報190又は撮影者による撮影メニュー表示部180の操作画面への入力操作等から撮影者が撮影システムを指定するための撮影システム指定モジュールである。尚、撮影システム指定部905はHIS/RIS又は操作者の指定に係る撮影部位情報等から予め決められた撮影システムを選択するように構成されてもよい。910は、撮影システム指定モジュール905で指定された撮影システム本体100と撮影システム情報900に記憶されている検知された撮影システム本体100の撮影システム情報とを比較する情報比較モジュールである。915は、検知された撮影システム本体100と指定された撮影システム本体100とが一致する場合に、通常の撮影を実行する撮影モジュールである。920は、検知された撮影システム本体と指定された撮影システム本体とが違う場合に、撮影メニュー表示部180等にエラーを送信するエラー送信モジュールである。925は、検知された撮影システムと入力された撮影システムが違う場合に、撮影メニュー表示部180等でエラーを表示するエラー表示モジュールである。930は、放射線発生ボタンが押されても、放射線の照射を禁止する、例えば放射線発生装置に放射線の発生を指示する照射信号を送信しないように制御する照射信号遮断モジュールである。
【0097】
撮影システム情報900は、情報記憶モジュール(図6の320、図8の350、図10の380)で記憶した撮影システム情報である。撮影システム指定モジュール905は、HIS/RIS情報190、又は撮影者による撮影メニュー表示部180の操作に基づいて、撮影システム本体100を指定する。情報比較モジュール910は、撮影システム指定モジュール905によって指定された撮影システム本体100と撮影システム情報900に記憶されている検知された撮影システム本体100の撮影システム情報とを比較する。撮影モジュール915は、検知された撮影システム本体100と指定された撮影システム本体100とが一致する場合に、通常の撮影を実行する。エラー送信モジュール920は、検知された撮影システム本体100と指定された撮影システム本体100とが一致しない場合にエラーを送信する。エラー表示モジュール925は、送信されたエラーを撮影メニュー表示部180等に表示して撮影者に警告を発する。照射信号遮断モジュール930は、検知された撮影システム本体100と指定された撮影システム本体100とが一致しない場合に、放射線発生ボタンが押されても放射線発生装置に照射信号を送信しない。以上のフローにおいて、情報比較モジュール910、エラー送信モジュール920、照射信号遮断モジュール930は、放射線発生信号制御部460で利用される。
【0098】
病院内には放射線情報システムRIS(Radiology Information System)用のネットワークが設置されている。RIS情報には、患者名、患者ID、撮影部位、撮影条件、担当医師名等の情報が含まれる。これらの情報は、RISネットワークを通して各放射線撮影室に設置されているRIS情報端末に転送される。この端末で撮影者は患者を確認した後に撮影を開始する。RISからの情報に基づいて撮影システム本体が選択され、撮影メニューが自動設定され、放射線発生装置に撮影条件、すなわち管電圧、管電流、照射時間、AEU(Auto Exposure Unit)の有無等が自動設定され得る。検知された撮影システム本体が、放射線を照射すべく選択された撮影システム本体であるか否かを判断すれば、自動選択されたままデジタルカセッテ160が設置されていない撮影システム本体100で被写体に放射線を誤照射する等の不都合を回避することができる。
【0099】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態は、撮影システム本体へのデジタルカセッテの設置に応じて撮影システム情報を取得し、これによりデジタルカセッテが設置された撮影システムを特定し、特定した撮影システムとデジタルカセッテとを連動又は同期させて駆動しながら撮影を行う放射線撮影装置に関する。
【0100】
撮影システム情報の取得までは、第1の実施の形態(図1〜図11)と実質的に同様である。この実施の形態では、取得した撮影システム情報に基づいて、デジタルカセッテ160が実際に設置されている撮影システム本体100を特定して、デジタルカセッテ160とその特定した撮影システム本体100とを連動又は同期させて駆動しながら撮影を実行する。
【0101】
図18は、撮影システム駆動制御部の機能を説明するフロー図である。図18において、1000は、画像取得部306又は撮影制御部170に送信され記憶されている撮影システム情報である。1005は、HIS/RIS情報190又は撮影者によって撮影メニュー表示部180等を介して入力される情報に基づいて、撮影条件(撮影部位など)等を入力する他、放射線発生装置操作部105から送られてくる放射線照射を指示する放射線照射信号等を入力する入力モジュールである。1020は、入力モジュール1005によって入力される情報或いは指示に従って撮影を制御する撮影制御モジュールである。1030は、デジタルカセッテ160を駆動する駆動モジュールである。1040は、放射線発生装置110を駆動するモジュールである。1050は、デジタルカセッテ160及び放射線発生装置110を除き、移動グリッド等を含む撮影システム本体100を駆動するモジュールである。1060は撮影の終了に関する処理を実行する撮影終了モジュールである。
【0102】
以下、1000〜1060のフローを説明する。撮影システム情報1000は、情報記憶モジュール(図6の320、図8の350、図10の380)で記憶した撮影システム情報である。入力モジュール1005は、HIS/RIS情報190、又は撮影者によって撮影メニュー表示部180等から入力される情報に基づいて撮影部位や撮影条件等を入力する他、放射線発生装置操作部105からの放射線照射信号を入力する。撮影制御モジュール1020は、撮影システム情報100に基づいてデジタルカセッテ160が設置された撮影システム本体100を特定し、入力モジュール1005から撮影の開始が指示されると、それに応じて各種撮影情報に従って、デジタルカセッテ160、放射線発生装置110、撮影システム100が連動又は同期するようにそれらの駆動を制御する。デジタルカセッテ駆動モジュール1030は、撮影制御モジュール1020からの駆動信号に基づいてセンサを駆動する。放射線発生装置の駆動モジュール1040は、撮影制御モジュール1020からの駆動信号に基づいて放射線発生装置110を駆動する。撮影システムの駆動モジュール1050は、撮影制御モジュール1020からの駆動信号に基づいて撮影システム本体100の各部を駆動する。撮影終了モジュール1060は、センサに蓄積された放射線信号(例えば、センサに照射された放射線に基づいて発生した電荷)を読み取る。
【0103】
図19は、撮影制御モジュール1020によって、デジタルカセッテ駆動モジュール1030、放射線発生装置駆動モジュール1040、撮影システム駆動モジュール1050を連動又は同期させる一例を示す図である。なお、この例は、撮影システム駆動モジュール1050が移動グリッドを駆動する例である。
【0104】
放射線発生装置操作部105の放射線照射ボタンが押されると、入力モジュール1005がそれを検知し、撮影制御モジュール1020に撮影の開始を指示する。撮影制御モジュール1020は、デジタルカセッテ駆動モジュール1030、放射線発生装置駆動モジュール1040、撮影システム駆動モジュール1050に対してそれぞれ所定のタイミングで駆動開始信号を送る。まず、撮影制御モジュール1020は、放射線照射開始時にグリッドが撮影に最も適した位置(グリッド最適位置)に配置されるようなタイミングで撮影システム本体100に移動開始信号を送り、これによりグリッドを移動させる。次に、撮影制御モジュール1020は、デジタルカセッテ160に放射線信号を蓄積するためのセンサ蓄積信号を送り、これによりセンサに蓄積を開始させる。撮影制御モジュール1020は、放射線発生装置110の放射線照射ディレイ(照射を指示してから実際に照射が開始するまでに要する時間)を考慮しつつ、グリッドがグリッド最適位置に移動してきてセンサで蓄積がなされている時に放射線の照射が開始するように放射線発生装置110に照射開始信号を送り、放射線の照射を開始させる。これにより、グリッドがグリッド最適位置に位置しセンサが信号を蓄積している状態で放射線の照射が開始する。放射線照射が終了すれば、グリッドの駆動を停止し、センサの信号蓄積を終了して、デジタルカセッテ160、放射線発生装置110、撮影システム本体100の連動駆動を終了する。
【0105】
放射線発生装置、移動グリッド、透視装置等の撮影システムは撮影システム本体に固有の駆動が必要である。従来のフィルム/スクリーンを用いたカセッテでは、当該カセッテは通常駆動要素を持たず、そのため撮影システム固有の駆動は、カセッテと全く関係なく行われていた。しかしデジタルカセッテは、例えば前述のように信号の消去、信号の蓄積、信号の読み取り、信号の消去、・・・という所定のサイクル又はシーケンスでセンサ固有の駆動を行わなくてはならない。したがって、検知された撮影システム情報に基づいてデジタルカセッテ160がどの撮影システム100に設置してあるか特定することにより、デジタルカセッテ160の駆動と、放射線発生装置110及び/又は撮影システム本体100の駆動とを連動又は同期させることができる。
【0106】
撮影システム本体100との間で通信することによりデジタルカセッテ160が撮影システム情報を取得する図4に示すような形態では、撮影システム検知マーク等によって提供される固定的な撮影システム情報以外に、動的に変化する撮影システム情報を取得することもできるので、当該通信部を利用して例えば図18、図19に示すような撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との駆動の連動又は同期のための通信が行えるほか、機能の高い放射線撮影装置を構成することもできる。さらに、図1に示す第1通信路または第2通信路の何れかをなくすことができ、装置間の接続が煩雑にならなくて済むという効果もある。
【0107】
[第7の実施の形態]
本発明の第7の実施の形態は、撮影システム本体にデジタルカセッテを装着することにより構成される撮影システムに関する。この撮影システムでは、撮影システム本体のIDとデジタルカセッテのIDとの組み合わせを取得し、そのIDの組み合わせに基づいて画像処理を行う。
【0108】
図1の100から190は、本発明の好適な実施の形態に係る放射線撮影システムの好適な一例を示す概略的構成図である。100は撮影システム本体、105は放射線発生装置操作部、110は放射線発生装置、120は放射線発生装置110から放射された放射線、130は放射線が照射される被写体、140は被写体130を支える他、カセッテホルダーを支える撮影架台、150は撮影架台140に設置されたカセッテホルダー、160はカセッテホルダー150に装着、すなわち撮影システム本体100に組み込んで使用される第1デジタルカセッテ、165は撮影システム本体100に組み込まずに使用される第2デジタルカセッテ、170は撮影制御装置、180は撮影メニュー表示部、190はHIS/RIS端末から入力されるHIS/RIS情報、198はデジタルカセッテ160又は165を制御するための第1通信路、199は撮影システム本体100を制御するための第2通信路である。
【0109】
まず、撮影架台140に設定されたカセッテホルダー150にデジタルカセッテ160を装着する。次に、被写体をカセッテホルダー150の所定の位置に配置して、撮影者(例えば撮影技師)は、放射線発生装置操作部105と撮影メニュー表示部180を利用して撮影情報(例えば、管電圧、mAs値、AECのON/OFF、撮影部位等の情報)を入力する。尚、撮影メニュー表示部180は例えばタッチパネル、キーボード等の入力部を備え、撮影部位その他の情報を選択又は入力できるように構成されていてもよい。撮影者が放射線発生装置操作部105の放射線照射ボタンを押すと、撮影可能状態であれば、撮影制御装置170の制御下で放射線120が被写体130に照射される。被写体130を透過してきた放射線120をデジタル画像としてデジタルカセッテ160で取得する。デジタルカセッテ160で取得した放射線画像は、撮影制御装置170で画像補正及び画像処理がされた後に保存される。保存された放射線デジタル画像は、必要に応じてプリントアウトされたり、モニター表示されたりする。撮影情報(例えば、管電圧、mAs値、AECのON/OFF、撮影部位等の情報)は、撮影者が直接入力される他に、HIS又はRISを介して撮影依頼情報を受信した HIS/RIS端末からのHIS/RIS情報190を利用して自動的に入力され得る。放射線発生装置110等の制御は第2通信路199を介して、デジタルカセッテ160、165等の制御は第1通信路198を介して撮影制御装置170が行う。尚、ここでいう制御は、制御対象に対し単に同期のための信号を送信することも含むものとする。
【0110】
撮影システム本体100としては、ブッキースタンドや臥位テーブル等を使用する多種多様な形態が考えられる。この撮影システム本体の例を図36に示す。デジタルカセッテ160は、カセッテホルダー150を備えた様々な撮影システム本体100に装着することができる。図1では、撮影制御装置170が個別に設けられているが、撮影制御装置170は、デジタルカセッテ160内に組み込まれてもよいし、撮影システム本体100内に組み込まれてもよい。
【0111】
図2〜図4は、図1のデジタルカセッテ160の第1〜第3の実施例を示す図である。具体的には、図2〜図4は、デジタルカセッテ160を撮影システム本体100のカセッテホルダー150に装着することにより構成される撮影システムにおいて、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との組み合わせのIDを取得する際の3つの実施例を示している。更に具体的には、図2は、デジタルカセッテ160が撮影システム本体100を認識することにより、当該デジタルカセッテ160のIDと当該撮影システム本体100のIDとの組み合わせを取得する形態を示す。 図3は、撮影システム本体100のカセッテホルダー150がデジタルカセッテ160を認識することにより、当該デジタルカセッテ160のIDと当該撮影システム本体100のIDとの組み合わせを取得する形態を示す。図4は、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100のカセッテホルダー150との間で通信することにより、当該デジタルカセッテ160のIDと当該撮影システム本体100のIDとの組み合わせを取得する形態を示す。
【0112】
図2に示す第1の実施例において、150はカセッテホルダー、160はデジタルカセッテ、202はマーク検知部、203は撮影システム検知マーク、204は第1カセッテ固定部、205は第2カセッテ固定部、206は第1固定検知部、207は第2固定検知部、198は第1通信路である。
【0113】
まず、デジタルカセッテ160をカセッテホルダー150に差し込むと、第1カセッテ固定部206、第2カセッテ固定部205によりデジタルカセッテ160が固定される。デジタルカセッテ160が正しく固定されたかどうかは、第1固定検知部206により確認される。固定が確認されると、マ−ク検知部202により、カセッテホルダー150に付されている撮影システム検知マーク203を読み取る。撮影システム検知マーク203には、撮影システム本体100を特定するためのIDがあり、マーク検知部202はこのIDを読み取る。読み取られた撮影システム本体100のIDは、これを読み取った側のデジタルカセッテのIDと共にIDの組としてデジタルカセッテ160内に保持されるか、又は第1通信路198を介して撮影制御装置170へ送信される。ここで、撮影システム検知マーク203は、例えば、バーコードでもよいし、磁気コードでもよい。前者の場合、マーク検知部202はバーコードリーダーであり、後者の場合、マーク検知部202は磁気コードリーダーである。
【0114】
図3に示す第2の実施例において、150はカセッテホルダー、160はデジタルカセッテ、212はデジタルカセッテ検知マーク、213はマーク検知部、214は第1カセッテ固定部、215は第2カセッテ固定部、216は固定検知部、199は第2通信路である。
【0115】
まず、デジタルカセッテ160をカセッテホルダー150に差し込むと、第1カセッテ固定部214、第2カセッテ固定部215によりデジタルカセッテ160が固定される。デジタルカセッテ160が正しく固定されたかどうかは、固定検知部216により確認される。固定が確認されると、マ−ク検知部213により、デジタルカセッテ160に付されているデジタルカセッテ検知マーク212を読み取る。デジタルカセッテ検知マーク212には、デジタルカセッテ160を特定するデジタルカセッテIDがあり、マーク検知部213は、このデジタルカセッテIDを読み取る。読み取られたデジタルカセッテIDは、それを検知した側の撮影システム本体100のIDと共にIDの組として撮影システム本体100内に保持されるか、又は第2通信路199を介して撮影制御装置170へ送信される。ここで、デジタルカセッテ検知マーク212は、例えば、バーコードでもよいし、磁気コードでもよい。前者の場合、マ−ク検知部213はバーコードリーダーであり、後者の場合、マ−ク検知部213は磁気コードリーダーになる。
【0116】
図4に示す第3の実施例において、150はカセッテホルダー、160はデジタルカセッテ、222は撮影システム情報通信部、223はカセッテ情報通信部、224は第1カセッテ固定部、225は第2カセッテ固定部、226は第1固定検知部、227は第2固定検知部、198は第1通信路、199は第2通信路である。
【0117】
まず、デジタルカセッテ160をカセッテホルダー150に差し込むと、第1カセッテ固定部224、第2カセッテ固定部225によりデジタルカセッテ160が固定される。デジタルカセッテ160が正しく固定されたかどうかは、第1固定検知部226、第2固定検知部227により確認される。固定が確認されると、撮影システム情報通信部222とカセッテ情報通信部223により、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間で通信を行い、デジタルカセッテ160は撮影システム100のIDを取得し、撮影システム本体100はデジタルカセッテのIDを取得する。取得した撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテのIDは、IDの組として撮影システム本体100内又はデジタルカセッテ160内に保持されるか、第1通信路198又は第2通信路199を介して撮影制御装置170へ送信される。ここで、カセッテ情報通信部223と撮影システム通信部222との間の情報通信は、例えば、赤外線通信等の無線通信でもよいし、コネクター接続等による有線通信でもよい。
【0118】
図5、図7、図9及び図20〜図22は、デジタルカセッテ160又は撮影システム本体100に設けられた撮影システム検知部又はデジタルカセッテ検知部を説明する図である。具体的には、図5及び図20は、図2に示す第1の実施例に対応する撮影システム検知部を示しており、この第1の実施例では、デジタルカセッテ160が撮影システム本体100を認識することにより撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテのIDとの組を取得する形態を示す。図7及び図21は、図3に示す第2の実施例に対応するデジタルカセッテ検知部を示しており、この第2の実施例では、撮影システム本体100に備わっているカセッテホルダー150がデジタルカセッテ160を認識することにより撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテのIDとの組を取得する形態を示す。図9及び図22は、図4に示す第3の実施例に対応する撮影システム検知部及びデジタルカセッテ検知部を示しており、この第3の実施例では、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100に備わっているカセッテホルダー150とが通信することにより、デジタルカセッテ160、撮影システム本体100又は撮影制御装置170が撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテのIDとの組を取得する形態を示す。
【0119】
まず、図5及び図20に示す第1の実施例について説明する。図5において、160はデジタルカセッテ、202はマーク検知部、206は第1固定検知部、207は第2固定検知部、305は撮影システム検知部、306は画像取得部、198は第1通信路である。
【0120】
図20において、1310〜1320は、デジタルカセッテ160の固定(装着)からIDの組の記憶までのフローを示している。1310は、デジタルカセッテ160の固定を検知する固定検知モジュール、1311は、デジタルカセッテが固定されていない場合に固定エラーを送信する固定エラー送信モジュール、1312は、撮影システム検知マーク203を読み取るマーク読み取りモジュール、1313は、撮影システム検知マーク203を読み取れなかった場合に読み取りエラーを送信する読み取りエラー送信モジュール、1314は、撮影システム本体100のIDを検知する情報検知モジュール、1316は、撮影システム本体100のIDを記憶する情報記憶モジュール、1318は、撮影制御装置170に対して、撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のID(自己のID)との組を送信する情報送信モジュール、1319は、撮影制御装置170でIDの組を受信する情報受信モジュール、1320は、撮影制御装置170でIDの組を記憶する情報記憶モジュール2である。
【0121】
以下、1310〜1320のフローを説明する。まず、固定検知モジュール1310では、第1固定検知部206と第2固定検知部207によりデジタルカセッテ160が固定されたことが確認された場合に、撮影システム検知部305が、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断する。固定エラー送信モジュール1311では、2つの固定検知部206及び207のうち片方のみの固定検知部により固定が検知された場合に、撮影システム検知部305が、固定エラーとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。マーク読み取りモジュール1312では、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断されると、マーク検知部202を用いて撮影システム検知マーク203を読み取る。エラー送信モジュール1313では、マークを正しく読み取れない場合に、撮影システム検知部305が、読み取りエラーが発生したとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。情報検知モジュール1314では、マーク検知部302によって撮影システム検知マーク203を正しく読み取れた場合に、撮影システム検知部305が撮影システム本体100のIDを取得する。情報記憶モジュール1316では、取得した撮影システム本体100のIDを撮影システム検知部305内に記憶する。情報送信モジュール1318では、記憶した撮影システム本体100のIDと、デジタルカセッテ160のID(自己のID)とをIDの組として、第1の通信路198を使って撮影制御装置170に送信する。情報受信モジュール1319では、情報送信モジュール1318によって送信されたIDの組を撮影制御装置170で受信する。情報記憶モジュール1320では、受信したIDの組を撮影制御装置170で記憶する。記憶したIDの組は、必要に応じて画像補正や画像処理のために使用される。以上のフローにおいて、1310〜1318は、撮影システム検知部305で行われる。
【0122】
図7及び図21に示す第2の実施例について説明する。図7において、150はカセッテホルダー、213はマーク検知部、216は固定検知部、335はデジタルカセッテ検知部、199は第2通信路である。
【0123】
図21において、1340〜1350は、デジタルカセッテ160の固定から撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組の保存までのフローを示している。1340は、デジタルカセッテ160の固定を検知する固定検知モジュール、1342は、デジタルカセッテ検知マーク212を読み取るマーク読み取りモジュール、1343は、デジタルカセッテ検知マーク212を読み取れなかった場合にエラーを送信する読み取りエラー送信モジュール、1344は、デジタルカセッテ160のIDを検知する情報検知モジュール、1346は、デジタルカセッテ160のIDを記憶する情報記憶モジュール、1348は、撮影制御装置170へ撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組を送信する情報送信モジュール、1349は、撮影制御装置170で前記IDの組を受信する情報受信モジュール、1350は撮影制御装置170でIDの組を記憶する情報記憶モジュールである。
【0124】
以下、1340〜1350のフローを説明する。まず、固定検知モジュール340では、固定検知部216によりデジタルカセッテ160が固定されたことが確認された場合に、デジタルカセッテ検知部335が、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断する。マーク読み取りモジュール1342では、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に組み込まれたと判断されると、マーク検知部213を用いてデジタルカセッテ検知マーク212を読み取る。エラー送信モジュール1343では、マークを正しく読み取れない場合に、デジタルカセッテ検知部335が、読み取りエラーが発生したとみなし、第2通信路199を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。情報検知モジュール1344では、マーク検知部213によってデジタルカセッテ検知マーク212を正しく読み取れた場合に、デジタルカセッテ検知部335がデジタルカセッテ160のIDを取得する。情報記憶モジュール1346では、取得したデジタルカセッテIDをデジタルカセッテ検知部335内に記憶する。情報送信モジュール1348では、デジタルカセッテ160が装着された撮影システム本体100のIDと当該デジタルカセッテ160のIDとの組を、第2通信路199を使って撮影制御装置170に送信する。情報受信モジュール1349では、情報送信モジュール1348で送信されたIDの組を撮影制御装置170が受信する。情報記憶モジュール1350では、受信したIDの組を撮影制御装置170内に記憶する。記憶したIDの組は、必要に応じて画像補正や画像処理のために使用される。以上のフローにおいて、1340〜1348はデジタルカセッテ検知部335で行われる。
【0125】
次に、図9及び図22に示す第3の実施例について説明する。図9において、160はデジタルカセッテ、222は撮影システム情報通信部、223はカセッテ情報通信部、226は第1固定検知部、227は第2固定検知部、365は撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部、306は画像取得部、198は第1通信路、199は第2通信路、369はカセッテ検知部及びカセッテ通信制御部である。
【0126】
図22において、1370〜1380は、デジタルカセッテ160の固定から撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組の保存までのフローを示している。1370はカセッテの固定を検知する固定検知モジュール、1371はカセッテが固定されてない場合に固定エラーを送信する固定エラー送信モジュール、1372はデジタルカセッテ160と放射線撮影手段100との間の通信確認をする通信確認モジュール、1373はデジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間で通信ができなかった場合にエラーを送信する通信エラー送信モジュール、1374はデジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間における通信により撮影システム本体100のID又はデジタルカセッテ160のIDを検知する情報検知モジュール、1376は撮影システム本体100のID又はデジタルカセッテ160のIDを記憶する情報記憶モジュール、1378は撮影制御装置170へ撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組を送信する情報送信モジュール、1379は撮影制御装置170でIDの組を受信(検知)する情報受信(情報検知)モジュール、1380は撮影制御装置170内にIDの組を記憶する情報記憶モジュールである。
【0127】
以下、1370〜1380のフローを説明する。まず、固定検知モジュール1370では、第1固定検知部226と第2固定検知手段227によりデジタルカセッテ160が固定されたことが確認された場合に、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断する。固定エラー送信モジュール1371では、2つの固定検知部227及び227のうち片方のみの固定検知部により固定が確認された場合に、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が、固定エラーが発生したとみなし、第1通信路198を使って撮影制御装置170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御装置170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。通信確認モジュール1372では、デジタルカセッテ160がカセッテホルダー150に装着されたと判断した場合に、撮影システム情報通信部222とカセッテ情報通信部223とを用いて、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間における通信を確認する。エラー送信モジュール1373では、正しく通信ができない場合に、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が、通信エラーが発生したとみなし、第1通信路198を使って撮影制御部170にエラー信号を送信する。該エラー信号は撮影制御部170が撮影メニュー表示部180にエラー表示させるのに利用される。情報検知モジュール1374では、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間の通信により、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365が撮影システム本体100のIDを取得する。又は、情報検知モジュール1374では、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との間の通信により、カセッテ検知部及びカセッテ通信制御部369がデジタルカセッテ160のIDを取得する。情報記憶モジュール1376では、取得した撮影システム本体100のIDを撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365内に記憶するか、又は、取得したデジタルカセッテ160のIDをカセッテ検知部及びカセッテ通信制御部369内に記憶する。情報送信モジュール1378では、デジタルカセッテ160が装着された撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組を、第1通信路198又は第2通信路199を使って撮影制御部170に送信する。情報受信モジュール1379では、情報送信モジュール1378で送信されたIDの組を撮影制御装置170が受信する。情報記憶モジュール1380では、受信したIDの組を撮影制御部170内記憶する。記憶したIDの組は、必要に応じて画像補正や画像処理のために使用される。以上のフローにおいて、1370〜1378は、撮影システム検知部及び撮影システム通信制御部365又はカセッテ検知部及びカセッテ通信制御部369で行われる。
【0128】
図2、図5及び図20に示す第1の実施例では、撮影システム本体100については撮影システム検知マーク203を付加するだけでよいので、例えば、既存の撮影システム本体を容易に流用することができる。すなわち、既存の撮影システム本体の所定位置に撮影システム検知マーク203を付けることにより、デジタルカセッテ側が撮影システム本体のIDを認識することができる。これにより、撮影制御装置170は、撮影システム本体のIDとデジタルカセッテのIDとの組、すなわち、1つの撮影システムを構成している撮影システム本体とデジタルカセッテの組み合わせを認識することができる。
【0129】
図3、図7及び図21に示す第2の実施例では、デジタルカセッテ160についてはデジタルカセッテ検知マーク212を付加するだけでよいので、例えば、既存のデジタルカセッテを容易に流用することができる。すなわち、既存のデジタルカセッテの所定位置にデジタルカセッテ検知マーク212を付けることにより、撮影システム本体側がデジタルカセッテのIDを認識することができる。これにより、撮影制御装置170は、撮影システム本体のIDとデジタルカセッテのIDとの組、すなわち、1つの撮影システムを構成している撮影システム本体とデジタルカセッテの組み合わせを認識することができる。また、第2の実施例は、デジタルカセッテの軽量化、小型化、低コスト化等の点でも優れている。
【0130】
図4、図9及び図22に示す第3の実施例では、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との間に通信機能を備えることにより、撮影制御装置170を介することなく、直接的に撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との間で情報を交換することができ、相互の動作の連動等が容易になる。したがって、より高機能の放射線撮影装置を提供することができる。更に、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とが通信できることで、図1に示す第1通信路または第2通信路の何れかをなくした構成とすることも可能となり、この場合、装置間の接続が煩雑にならなくて済むという効果がある。
【0131】
図23は、撮影制御装置170における撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組の記憶方法を説明する図である。図23において、M個の撮影システム本体100とN個のデジタルカセッテ160とが、撮影制御装置170に接続されている。撮影制御装置170は、M個の撮影システム本体100とN個のデジタルカセッテ160とを制御するための管理部1410を有する。この管理部1410は、受信したIDの組に基づいてデータベースを作成(更新)し、そのデータベースに基づいてM個の撮影システム本体100とN個のデジタルカセッテ160とを管理することができる。図24は、管理部1410によって作成されるデータベースの一例を概念的に示す図であり、図25は、データベースの作成と活用に関するフローを説明する図である。
【0132】
図23において、N個のデジタルカセッテ160はそれぞれ第1通信路198を介して撮影制御装置170に接続され、M個の撮影システム本体100はそれぞれ第2通信路199を介して撮影制御装置170に接続されている。この状態で、管理部1410は、図24に示すような3次元のデータベース1600を作成する。このデータベース1600は、N個のデジタルカセッテ160及びM個の撮影システム本体100によって構成される撮影システムに関する情報を提供する。データベース1600の第1の次元(列)は、デジタルカセッテ160のN個のIDである。第2の次元(行)は、M個の撮影システム本体100のIDと、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160が組み込まれない場合(単体で使用される場合)の合計でM+1の選択肢を含む。すなわち、データベース1410は、(M+1)×N組の組み合わせ(フィールド)を提供する。第3の次元は、各フィールドについて複数の項目を与えるものであり、各項目に値が割り振られている。項目の一例としては、図24に示すように、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160が装着されているか否かを示す項目が挙げられる。図24では、各IDの組に対応するフィールドに○又は×が設定されている。○は、撮影システム100にデジタルカセッテ160が装着されていることを示し、×は、装着されていないことを示している。典型的には、○及び×は2値のパラメータとして与えられる。
【0133】
以下、図25を参照しながらデータベースの作成フローを説明する。1450はデジタルカセッテ160の接続を判断する第1接続判断モジュール、1455はデータベースへ行の作成又は追加をする行作成モジュール、1460は撮影システム本体100の接続を判断する第2接続判断モジュール、1455はデータベースへ列の作成又は追加をする列作成モジュール、1470はIDの組み合わせを取得(検知)したかどうかを判断する組取得判断モジュール、1475はIDの組み合わせをデータベースに記憶させる記憶モジュール、1480はデジタルカセッテ160の切断を判断する第1切断判断モジュール、1485はデータベースの行の削除をする行削除モジュール、1490は撮影システム本体100の切断を判断する第2切断判断モジュール、1495はデータベースの列の削除をする列削除モジュールである。
【0134】
第1接続判断モジュール1450では、デジタルカセッテ160が新規に撮影制御装置170に接続されたか否かを判断する。判断方法は、第1通信路198を介して通信を試みる方法でもよいし、撮影メニュー表示部180からの撮影者による入力によってもよいし、他の方法でもよい。行作成モジュール1455では、新規に接続されたデジタルカセッテ160のIDを取得又は作成し、データベース1600にデジタルカセッテ160のIDを1つ増やしてデータベースの行を追加し、当該行の各フィールド(組み合わせ)の項目に対して値を割り当てる。第2接続判断モジュール1460では、撮影システム本体100が新規に撮影制御装置170に接続されたか否かを判断する。判断方法は、第2通信路199を介して通信を試みる方法でもよいし、撮影メニュー表示部180からの撮影者による入力によってもよいし、他の方法でもよい。列作成モジュール1465では、新規に接続された撮影システム本体100のIDを取得又は作成し、データベース1600に撮影システム本体100のIDを1つ増やしてデータベースの列を追加し、当該列の各フィールド(組み合わせ)の項目に対して値を割り当てる。組取得判断モジュール1470では、図20〜図22で説明したIDの組が取得(検知)されたかどうかを判断する。IDの組記憶モジュール1475では、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160が組み込まれているかどうかを記憶する。第1切断判断モジュール1480では、デジタルカセッテ160が撮影制御装置170から切断されたか否かを判断する。判断方法は、第1通信路198を介して通信を試みる方法であってもよいし、撮影メニュー表示部180からの撮影者による入力によってもよいし、他の方法でもよい。行削除モジュール1485では、切断されたデジタルカセッテ160のIDに対応するデータベース1600の行を削除する。第2接続判断モジュール1490では、撮影システム本体100が切断されたか否かを判断する。判断方法は、第2通信路199を介して通信を試みる方法であってもよいし、撮影メニュー表示部180からの撮影者による入力によってもよいし、他の方法でもよい。列削除モジュール1495では、切断された撮影システム本体100のIDに対応するデータベース1600の列を削除する。ここで説明した接続及び切断は、撮影システム本体100、デジタルカセッテ160がそれぞれ第1通信路198、第2通信路199に接続されているか否かに関わらず、上記判断ルーチンによって判断される。 図26は、撮影制御部170の構成例を示す図である。1510は撮影システム情報保存部、1520は画像補正部、1530は画像処理部、1540は画像情報添付部、1550は撮影メニュー制御部、1560は放射線発生信号制御部、1570は画像保存部、1580は撮影制御部、1590は撮影システム駆動制御部、1595は補正画像データ保存部である。
【0135】
図27は、画像処理部の機能を説明するフロー図である。図27において、1600は、撮影制御装置170の管理部1410で管理されているデータベースである。1605は、撮影システム本体別に画像処理用データを取得する画像処理用データ取得モジュールである。1610は、画像処理用データ取得モジュール605で取得した撮影システム本体別の画像処理用データある。1611は、撮影画像の送信元IDを取得し記憶するモジュールである。1615は、撮影画像送信元IDをキーとしてデータベース1600に基づいて特定される画像処理用データを選択する画像処理用データ選択モジュールである。1620は、撮影画像を取得する撮影画像取得モジュールである。1625は、撮影画像に画像処理用データに基づいて画像処理を施す画像処理モジュールである。1630は、画像処理モジュール1625で画像処理された撮影画像を記憶する処理済み画像記憶モジュールである。
【0136】
データベース1600は、検知した各IDの組、すなわち、どの撮影システム本体100とどのデジタルカセッテ160とが組み合わされているかを示す情報(以下、組み合わせ情報と呼ぶ)を提供する。画像処理用データ取得モジュール1605では、使用する複数の撮影システム本体100と複数のデジタルカセッテ160との各組み合わせについて画像処理用のデータを予め取得する。 画像処理用データ記憶モジュール1610では、画像処理用データ取得モジュール1605で取得した画像処理用データを必要に応じて使用できるように記憶する。撮影画像の送信元IDの記憶モジュール1611では、撮影画像がデジタルカセッテ160又は撮影システム本体100から送信されるくるときに併せて送信されてくる送信元のデジタルカセッテ160及び撮影システム本体100のID情報を記憶する(上述のようにデジタルカセッテ160の単独使用の場合も含む)。画像処理用データ選択モジュール1615では、撮影画像の送信元IDの記憶モジュール1611に記憶されている送信元IDをキーとして、データベース1600に登録されている組み合わせ情報に基づいて、実際に撮影に使用された撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との組み合わせを特定し、該組み合わせに対応する画像処理用データを画像処理用データの記憶モジュール1610から選択する。撮影画像の記憶モジュール1620は、撮影画像を画像処理部1530に送信する。画像処理モジュール1625では、画像処理用データ選択モジュール1615で選択された画像処理用データ、すなわち、撮影に使用された撮影システム本体100及びデジタルカセッテ160に対応する画像処理用データを用いて、撮影画像に画像処理を施す。処理済み画像記憶モジュール1630では、画像処理モジュール1625で画像処理された画像を必要に応じて使用できるように保存する。以上のフローにおいて、画像処理用データの記憶モジュール1610、画像処理用データ選択モジュール1615、画像処理モジュール1625は、画像処理部1530に含まれる。
【0137】
立位ブッキースタンドのような立位タイプのスタンドを使用する撮影システムでは、被写体は立った状態で撮影されるので、センサの上側では被写体(例えば人体)の上部が撮影される。一方、臥位テーブルのようなベットタイプのスタンドを使用する撮影システムでは、被写体はどちらの方向にでも横になれるので、必ずしもセンサの上側で被写体(例えば人体)の上部が撮影されるとは限らない。このように、撮影システムによって被写体の写り方が違うので、撮影された画像がどの撮影システムで撮影されたのかが分からなければ、画像に適切な画像処理を施すことができない。更に詳しく言えば、撮影画像に画像処理、例えば階調処理を施す場合、撮影画像中の被写体の特徴量(例えば、被写体中の所定領域の画素値又はその分布もしくは統計量、等)を抽出する必要がある。センサに対する被写体の回転角度(向き)が定まっていなければ、回転角度を検出して、又は撮影画像を回転させながら特徴量を解析する必要があり、センサに対する被写体の回転角度が定まっている場合に対して、画像処理の工数が多くなる。そこで、撮影画像送信元IDに応じて、必要な場合のみ被写体の回転を考慮した画像処理を行うようにすれば、上記のような無駄な処理を減らし、更には画像処理エラー(例えば、特徴量の抽出の失敗)が発生する可能性を減らすことができる。このように、撮影画像送信元IDに対応する画像処理を撮影画像に施すことにより、撮影画像に対して安定した画像処理を施すことができる。
【0138】
[第8の実施の形態]
本発明の第8の実施の形態では、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160を装着することにより構成される撮影システムにおいて、組み合わに係るデジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組を取得し、該IDの組に基づいて画像補正データを選択し、画像補正を行う放射線撮影装置に関する。
【0139】
デジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組の取得までは、第7の実施の形態(図1、図20〜図26)と実質的に同一である。以下では、複数の画像補正用データを上記の複数のIDの組と関連付けてデータベース1600に登録しておき、撮影に使用したデジタルカセッテ160と撮影システム本体100についてのIDの組をキーとしてデータベース1600に基づいて画像補正用データを選択して、撮影画像に画像補正を施す例を説明する。
【0140】
図28は、画像補正部1520の機能を説明するフロー図である。ここでは、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との各組み合わせについて、及び、撮影システム本体100に装着せずにデジタルカセッテ160単体で使用する場合について、予め補正用データを作成し、これらをデータベースのIDの組と関連付けて記憶し、撮影に使用されたデジタルカセッテ160及び撮影システム本体100の組み合わせ(又はデジタルカセッテ単独使用)に基づいて補正用データを選択して、画像補正を行う例を示す。
【0141】
図29は、データベースにおける補正用データの関連付けの概念図である。図30は、補正画像データの選択方法を説明するフロー図である。図31は、補正用画像データの収集方法を説明するフロー図である。
【0142】
まず、図28のフロー図について説明する。1700は撮影制御装置170で管理されているデータベースである。1705は画像補正のための補正用画像データを収集する補正用画像データ収集モジュールである。1710は収集モジュール705で収集した画像補正データを補正画像データ保存部1595に記憶する補正画像記憶モジュールである。1711は撮影画像の送信元IDを記憶する記憶モジュールである。1715は撮影画像送信元IDをキーとしてデータベース1700に基づいて特定される補正画像データを選択する補正画像データ選択モジュールである。1720は撮影画像を取得する撮影画像取得モジュールである。1725は撮影画像に補正画像データに基づいて画像補正を施す画像補正モジュールである。1730は画像補正モジュール1725で画像補正された撮影画像を記憶する処理済み画像記憶モジュールである。
【0143】
データベース1700は、各IDの組、すなわち、どの撮影システム本体100とどのデジタルカセッテ160が組み合わされているかを示す組み合わせ情報を提供する。補正用画像データ収集モジュール1705では、使用する複数の撮影システム本体100と複数のデジタルカセッテ160との各組み合わせについて、及び、デジタルカセッテ160が単体で使用される場合について、画像補正用のデータを予め取得する。 補正用画像データの記憶モジュール1710は、補正用画像データ収集モジュール1705で収集した補正用画像データをデータベース1700のIDの組に対応させて、必要に応じて使用できるように記憶する。
【0144】
図29において、データベース1700中の×印は、それが付された撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との組み合わせについては、補正用画像が取得できていないことを示す。補正用画像が取得できているIDの組では、データベース1700に補正画像データ保存部1595に保存されている補正画像のデータ番号が記されている。撮影画像の送信元IDの記憶モジュール1711は、撮影画像がデジタルカセッテ160又は撮影システム本体100から送信されてくるときに併せて送信されてくる送信元のデジタルカセッテ160及び撮影システム本体100のID情報を記憶する。補正画像データ選択モジュール1715では、撮影画像の送信元IDの記憶モジュール1711に記憶されている組み合わせ情報に基づいて、実際に撮影に使用された撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との組み合わせ(上述のようにデジタルカセッテ160の単独使用の場合も含む)を特定し、該組み合わせに対応する補正用画像データを補正用画像データの記憶モジュール1710から選択する。撮影画像の記憶モジュール1720では、撮影画像を画像補正部1520に送信する。画像補正モジュール1725では、補正画像データ選択モジュール1715で選択された補正用画像データ、すなわち、撮影に使用された撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との組合せに対応する補正用画像データを用いて、撮影画像に画像補正を施す。処理済み画像記憶モジュール1730では、画像補正モジュール1725で画像補正された画像を必要に応じて使用できるように保存する。以上のフローにおいて、補正画像データ選択モジュール1715、画像補正モジュール1725は、画像補正部1520に含まれる。
【0145】
図30は、補正画像データ選択モジュール1715をより詳細に説明する図である。1700は撮影制御装置170で管理されているデータベースである。1711は撮影画像の送信元IDである。1750は送信元IDに対応するIDの組に対応する補正用画像データの有無を、データベース1700を参照して判定する判定モジュールである。1755は、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像データがある場合に、該補正画像データを選択する選択モジュールである。1760は、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像データがない場合に、デジタルカセッテ160単体で取得した補正画像データを選択する単体補正画像選択モジュールである。
【0146】
判定モジュール1750では、撮影画像の送信元ID(1711)をキーとしてデータベース1700のIDの組を特定し、特定したIDの組に対応する補正用画像データが取得されているか否かを判定する。組み合わせ補正画像選択モジュール1755では、補正画像データ判定モジュール1750において、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像があると判定した場合に、補正画像データ保存部1595より該補正画像データを取得し、画像補正モジュール1725に渡す。単体補正画像選択モジュール1760では、補正画像データ判定モジュール1750において、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像データがないと判定した場合に、補正画像データ保存部1595より、デジタルカセッテ単体で取得した補正画像を取得し、それを画像補正モジュール1725に渡す。ここで、補正画像の取得は、補正画像のデータの番号(例えば、図29の"L,1")を指定することによって行われる。なお、デジタルカセッテ単体で取得した補正画像のデータの番号は、図29のデータベース1700では、M+1番目の列に記載されている。
【0147】
図31は、補正用画像データ収集モジュール1705における収集方法を詳細に説明する図である。図28で示す補正画像データ選択モジュール1715では、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像データがない場合に、デジタルカセッテ160を撮影システム本体100に組み込まずに単体で取得した補正画像データを選択する。したがって、補正用画像データ収集モジュール1705では、デジタルカセッテ160を撮影制御装置170に接続した場合には、原則として必ずデジタルカセッテ160単体で補正画像を取得するようにしなくてはならない。そこで、撮影者にデジタルカセッテ160単体で補正画像データを取得するように要請する機能が必要となる。図31のフローは、撮影者にこのような要請を行うフローを示している。
【0148】
1700は撮影制御装置170によって管理されているデータベースである。1765はデジタルカセッテ単体で補正画像データが取得されているかどうかを判断する判定モジュールである。1770はデジタルカセッテ単体での補正画像データが取得されてない場合に、撮影者にそれを取得するよう警告を発する警告モジュール1770である。1775は撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて補正画像データが取得されているかどうかを判断する判定モジュールである。1780は、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて補正画像データが取得されていない場合に、撮影者にそれを取得するように警告を発する警告モジュールである。
【0149】
単体補正画像取得判定モジュール1765では、データベース1700にデジタルカセッテ単体で取得した補正画像があるどうかを判定する。単体補正画像取得警告モジュール1770では、デジタルカセッテ単体で取得した画像がない場合に、デジタルカセッテ単体での補正データを取得するように撮影者に警告を出す。判定モジュール1775では、単体で取得した画像がある場合に、さらにデータベース1700を調べ、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像データがあるかどうかを判定する。警告モジュール1780では、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて取得した補正画像データがない場合に、撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを組み合わせて補正画像データを取得するように撮影者に警告を出す。デジタルカセッテ160に搭載される大面積センサは個々の画素の放射線に対する感度が均一でないため、個々の画素の感度ばらつきを補正するための感度補正画像を予め取得し、その感度補正画像の各画素値に基づいて撮影画像に現れる感度の不均一性の影響を補正する。その際、撮影システム本体100固有の放射線照射ムラ、後方散乱ムラ、場合により、使用されるグリッドに起因して画像に重畳されるパターン(例えば縞状パターン)などの撮影システム本体100ごとの画像劣化も同時に除去又は低減する補正(画質補正)をすることも必要である。したがって、検知された撮影システム情報(撮影画像送信元ID)を用いることにより、撮影画像に対して、当該撮影画像の撮影に使われた撮影システム100について作成された画像補正データを用いて、感度ムラ補正やその他のムラ補正等の画像補正を施すことができる。
【0150】
[第9の実施の形態]
本発明の第9の実施の形態では、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160を装着することにより構成される撮影システムにおいて、組み合わせに係るデジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組を取得し、該IDの組を撮影画像に添付する放射線撮影装置に関する。
【0151】
デジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組の取得までは、第7の実施の形態(図1、図20〜図26)と実質的に同一である。
【0152】
図32は、画像情報添付部1540の機能を説明するフロー図である。1600は撮影制御装置170で管理されているデータベースである。1811は撮影画像の送信元IDを記憶する記憶モジュールである。1820はデータベース1600中のいずれかのIDの組に対応する撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを用いて通常の撮影により撮影した画像を記憶する画像記憶モジュールである。1825は、撮影画像に対して、その撮影に係る撮影システム本体100のIDとデジタルカセッテ160のIDとの組み合わせ情報を添付する情報添付モジュールである。1830はIDの組み合わせ情報を添付した画像を記憶する添付済み画像記憶モジュールである。
【0153】
撮影をすると撮影画像の送信元から撮影画像と共に送信元IDが送信されてきて、送信元ID記憶モジュール1811に記憶される。また、撮影画像は画像記憶モジュール1820に記憶される。情報添付モジュール1825は、データベース1600中から送信元IDに対応するIDの組を特定し、それを画像記憶モジュール1820に記憶されている撮影画像に添付する。以上のフローにおいて、情報添付モジュール1825は、画像情報添付部1540で実行される。
【0154】
撮影システム情報の画像への添付の簡単な例として、医療用画像転送プロトコルとして標準的なDICOM(Digital Imaging & Communication in Medicine)3.0対応のファイル形式で保存された画像ファイルのヘッダーに撮影システム情報(送信元IDに対応するIDの組)を添付する例を挙げることができる。尚、撮影システム情報(送信元IDに対応するIDの組)はDICOM等の画像ファイルのヘッダー情報の一部として、画像ファイルの規格に従って、例えばヘッダーの所定項目(例えば自由定義領域)に所定フォーマットで、取り込むことができる。
【0155】
撮影者は、撮影システム情報でなく患者名や撮影部位によって撮影画像を管理することが多い。このような場合にも、ある撮影システムに故障等の不具合が生じた結果、撮影画像に異常があらわれれば、この実施の形態では撮影画像に組み合わせ情報(撮影システムを特定する情報、即ち送信元IDに対応するIDの組)が添付されているので、このような撮影システム(撮影システム本体100又はデジタルカセッテ160)の不具合を即座に発見することができる。
【0156】
[第10の実施の形態]
本発明の第10の実施の形態では、撮影システム本体100にデジタルカセッテ160を装着することにより構成される撮影システムにおいて、組み合わせに係るデジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組を取得し、取得された当該IDの組(撮影システム情報)と、HIS/RIS情報190又は撮影者による撮影メニュー表示部180を介した指定に基づく撮影システム情報とが一致しない場合にエラーを表示して、放射線照射を禁止する(放射線照射信号を遮断する)放射線撮影装置に関する。
【0157】
デジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組の取得までは、第7の実施の形態(図1、図20〜図26)と実質的に同一である。この実施の形態では、HIS/RIS情報190又は撮影者により撮影メニュー表示部180を介して入力された情報に基づく撮影システム情報と、実際の撮影システムの構成とが異なる場合に、放射線発生装置に対し放射線の発生を指示する照射信号を遮断する。
【0158】
図33は、放射線発生信号制御部1560の機能を説明するフロー図である。1600は撮影制御装置170で管理されているデータベースである。1905はHIS/RIS情報190、又は撮影者から撮影メニュー表示部180を介して与えられる指示に従って、使用する撮影システム本体100及びデジタルカセッテ160を設定し、又はデジタルカセッテ160単体での使用を設定する指定モジュールである。1910は指定モジュール1905で指定された撮影システム本体100及びデジタルカセッテ160の組(撮影システム構成)が実在する撮影システム構成と一致するかどうかをデータベース1600中のIDの組から判定する判定モジュールである。1915は指定された撮影システム構成と実在する撮影システム構成とが一致する場合に、通常の撮影を実行する撮影モジュールである。1920は指定された撮影システム構成と実在する撮影システム構成とが一致しない場合に、エラー信号を送信するエラー送信モジュールである。1925は該エラー信号に基づいて、エラーを表示するエラー表示モジュールである。1930は放射線発生ボタンが押されても、放射線発生装置に放射線の発生を指示する照射信号を送信しないように制御する照射信号遮断モジュールである。
【0159】
まず、指定モジュール1905では、HIS/RIS情報190、又は撮影者による撮影メニュー表示部180を介した入力情報に応じて、使用されるべき撮影システム(撮影システム本体100及びデジタルカセッテ160)を指定する。判定モジュール1910では、指定された撮影システムが実在する撮影システム構成と一致するどうかをデータベース1600を参照して判定する。撮影モジュール1915では、指定された撮影システムが実在する撮影システム構成と一致する場合に、通常の撮影を実行する。エラー送信モジュール1920では、指定された撮影システムが実在する撮影システム構成と一致しない場合にエラー信号を送信する。エラー表示モジュール1925では、送信されたエラー信号に基づいて撮影メニュー表示部180にエラー情報を表示して撮影者に警告を発する。照射信号遮断モジュール1930では、指定された撮影システムが実在する撮影システム構成と一致しない場合に、放射線発生ボタンが押されても、放射線発生装置に照射信号を送信しないように制御する。以上のフローにおいて、判定モジュール1910、エラー送信モジュール1920、照射信号遮断モジュール1930は、放射線発生信号制御部1560で実行される。
【0160】
病院内には放射線情報システムRIS(Radiology Information System)用のネットワークが設置されている。RIS情報には、患者名、患者ID、撮影部位、撮影条件、担当医師名等の情報が含まれる。これらの情報は、RISネットワークを通して各放射線撮影室に設置されているRIS情報端末に転送される。この端末で撮影者は患者の確認後撮影を開始する。RISからの撮影依頼情報に基づいて撮影システムが選択され、撮影メニューが自動設定され、放射線発生装置に撮影条件すなわち管電圧、管電流、照射時間、AEU(Auto Exposure Unit)の有無等が自動設定され得る。指定された撮影システムの本体100にデジタルカセッテ160が組み込まれていない場合に放射線の発生を禁止する(例えば、放射線発生装置に放射線の発生を指示する照射信号を遮断する)ことにより、自動選択されたままデジタルカセッテ160が装着されていない撮影システム本体100で被写体に放射線を誤照射をする等の不都合を回避することができる。
【0161】
[第11の実施の形態]
本発明の第11の実施の形態は、撮影システム本体にデジタルカセッテを装着することにより構成される撮影システムにおいて、組み合わせに係るデジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組を取得し、取得したIDの組によって特定される撮影システム本体100とデジタルカセッテ160とを連動又は同期させて駆動しながら撮影を行う放射線撮影装置に関する。
【0162】
デジタルカセッテ160のIDと撮影システム本体100のIDとの組の取得までは、第7の実施の形態(図1、図20〜図26)と実質的に同一である。この実施の形態では、取得したIDの組情報に基づいて、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100とを特定し、それらを連動又は同期させて駆動しながら撮影を実行する。
【0163】
図34は、撮影システム駆動制御部の機能を説明するフロー図である。1600は撮影制御装置170で管理されているデータベースである。11005はHIS/RIS情報190又は撮影者によって撮影メニュー表示部180を介して入力される情報(撮影部位、撮影条件など)を入力する他、放射線発生装置操作部105から送られてくる放射線照射の指示を入力する入力モジュールである。11020は、入力モジュール11005によって入力される情報或いは指示に従って撮影を制御する撮影制御モジュールである。11030は、デジタルカセッテ160を駆動する駆動モジュールである。11040は、放射線発生装置110を駆動する駆動モジュールである。11050は、デジタルカセッテ160及び放射線発生装置110を除き、移動グリッド等を含む撮影システム本体100(撮影台)を駆動する駆動モジュールである。11060は撮影の終了に関する処理を実行する撮影終了モジュールである。
【0164】
以下、図34のフローを説明する。1600は撮影制御装置170で管理されているデータベースである。入力モジュール11005は、HIS/RIS情報190、又は撮影者によって撮影メニュー表示部1180等から入力される情報に基づいて撮影部位や撮影条件等(撮影システムの指定を含む)を入力する他、放射線発生装置操作部105からの、放射線発生を指示する放射線照射信号を入力する。撮影制御モジュール11020は、入力モジュール11005から提供される情報(撮影システムを指定する情報)をキーとしてデータベース1600を参照することにより、デジタルカセッテ160と撮影システム本体100との組を特定する。そして、撮影制御モジュール11020は、入力モジュール11005から撮影の開始が指示されると、それに応じて各種撮影情報に従って、デジタルカセッテ160、放射線発生装置110、撮影システム本体100が連動又は同期するようにそれらの駆動を制御する。デジタルカセッテ駆動モジュール11030は、撮影制御モジュール11020からの駆動信号に基づいてセンサを駆動する。放射線発生装置の駆動モジュール11040は、撮影制御モジュール11020からの駆動信号に基づいて放射線発生装置110を駆動する。撮影システムの駆動モジュール11050は、撮影制御モジュール11020からの駆動信号に基づいて撮影システム本体100(撮影台)の各部を駆動する。撮影終了モジュール1060では、センサに蓄積された放射線信号(例えば、センサに照射された放射線に基づいて発生した電荷)を読み取とる。以上のフローにおいて、撮影制御モジュール11020、デジタルカセッテ駆動モジュール11030、駆動モジュール11040、撮影システム本体駆動モジュール11050、撮影終了モジュール11060は、撮影システム駆動制御部1590で実行される。
【0165】
図35は、撮影制御モジュール11020によって、デジタルカセッテ駆動モジュール11030、放射線発生装置駆動モジュール11040、撮影システム本体駆動モジュール11050を連動又は同期させる一例を示す図である。なお、この例は、撮影システム本体駆動モジュール11050が移動グリッドを駆動する例である。
【0166】
放射線発生装置操作部105の放射線照射ボタンが押されると、入力モジュール11005がそれを検知し、撮影制御モジュール11020に撮影の開始を指示する。撮影制御モジュール11020は、デジタルカセッテ駆動モジュール11030、放射線発生装置駆動モジュール11040、撮影システム本体駆動モジュール11050に対してそれぞれ所定のタイミングで駆動開始信号を送る。まず、撮影制御モジュール11020は、放射線照射開始時にグリッドが撮影に最も適した位置(グリッド最適位置)に配置されるようなタイミングで撮影システム本体100に移動開始信号を送り、これによりグリッドを移動させる。次に、撮影制御モジュール11020は、デジタルカセッテ160に放射線信号を蓄積するためのセンサ蓄積信号を送り、これによりセンサに蓄積を開始させる。撮影制御モジュール11020は、放射線発生装置110の放射線照射ディレイ(照射を指示してから実際に照射が開始するまでに要する時間)を考慮しつつ、グリッドがグリッド最適位置に移動してきてセンサで蓄積がなされている時に放射線の照射が開始するように放射線発生装置110に照射開始信号を送り、放射線の照射を開始させる。これにより、グリッドがグリッド最適位置に位置しセンサが信号を蓄積している状態で放射線の照射が開始する。放射線照射が終了すれば、グリッドの駆動を停止し、センサの信号蓄積を終了して、デジタルカセッテ160、放射線発生装置110、撮影システム本体100の連動駆動を終了する。
【0167】
放射線発生装置、移動グリッド、透視装置等の撮影システムは撮影システム本体に固有の駆動が必要である。従来のフィルム/スクリーンを用いたカセッテでは、当該カセッテは通常駆動要素を持たず、そのため撮影システム固有の駆動は、カセッテと全く関係なく行われていた。しかしデジタルカセッテは、例えば前述のように信号の消去、信号の蓄積、信号の読み取り、信号の消去・・・という所定のサイクル又はシーケンスでセンサ固有の駆動を行わなくてはならない。したがって、入力される撮影システム本体及び/又はデジタルカセッテの情報をキーとしてデータベ−ス1600を参照することにより使用するデジタルカセッテ160と撮影システム100の組を特定することにより、デジタルカセッテ160の駆動と、放射線発生装置110及び/又は撮影システム本体100の駆動とを連動又は同期させることができる。
【0168】
撮影システム本体100との間で通信することによりデジタルカセッテ160が撮影システム情報を取得する図4に示すような形態では、撮影システム検知マーク等によって提供される固定的な撮影システム情報以外に、動的に変化する撮影システム情報を取得することもできるので、当該通信部を利用して例えば図34、図35に示すような撮影システム本体100とデジタルカセッテ160との駆動の連動又は同期のための通信が行えるほか、機能の高い放射線撮影装置を構成することもできる。さらに、図1に示す第1通信路または第2通信路の何れかをなくすことができ、装置間の接続が煩雑にならなくて済むという効果もある。
【0169】
(他の実施形態)
前述した実施形態の機能を実現するために各種のデバイスを動作させるべく、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウエアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)が格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
またこの場合、前記ソフトウエアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0170】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM,、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることが出来る。
【0171】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と協働して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0172】
更に、供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0173】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタルカセッテを使用する撮影システムに特有の問題、例えば、デジタルカセッテがどのような撮影システムを構成しているか、又はどの撮影システム本体(撮影台)に装着されているかが不明であることに起因する問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係る放射線撮影システムの一例を示す概略的構成図である。
【図2】カセッテホルダー及びデジタルカセッテの第1の実施例を示す図である。
【図3】カセッテホルダー及びデジタルカセッテの第2の実施例を示す図である。
【図4】カセッテホルダー及びデジタルカセッテの第3の実施例を示す図である。
【図5】撮影システム検知部を示す図である。
【図6】デジタルカセッテ検知部を示す図である。
【図7】撮影システム検知部及びデジタルカセッテ検知部を示す図である。
【図8】撮影システム検知部の第2の実施例を示す図である。
【図9】撮影システム検知部の第3の実施例を示す図である。
【図10】撮影システム検知部の第3の実施例を示す図である。
【図11】撮影制御装置の構成例を示す図である。
【図12】画像補正部の機能を説明するフロー図である。
【図13】画像処理部の機能を説明するフロー図である。
【図14】撮影メニュー制御部の機能を説明するフロー図である。
【図15】画像情報添付部の機能を説明するフロー図である。
【図16】画像情報添付部がデジタルカセッテに備わっている例を示す図である。
【図17】放射線発生信号制御部の機能を説明するフロー図である。
【図18】撮影システム駆動制御部の機能を説明するフロー図である。
【図19】撮影制御モジュールによって、デジタルカセッテ駆動モジュール、放射線発生装置駆動モジュール、撮影システム駆動モジュールを連動させる一例を示す図である。
【図20】撮影システム検知部を示す図である。
【図21】デジタルカセッテ検知部を示す図である。
【図22】撮影システム検知部及びデジタルカセッテ検知部を示す図である。
【図23】撮影制御装置における撮影システム本体のIDとデジタルカセッテのIDとの組の記憶方法を説明する図である。
【図24】管理部によって作成されるデータベースの一例を概念的に示す図である。
【図25】データベースの作成と活用に関するフローを説明する図である。
【図26】撮影制御部の構成例を示す図である。
【図27】画像処理部の機能を説明するフロー図である。
【図28】画像補正部の機能を説明するフロー図である。
【図29】データベースにおける補正用データの関連付けの概念図である。
【図30】補正画像データ選択モジュールを説明する図である
【図31】補正用画像データ収集モジュールにおける収集方法を詳細に説明する図である。
【図32】画像情報添付部の機能を説明するフロー図である。
【図33】放射線発生信号制御部の機能を説明するフロー図である。
【図34】撮影システム駆動制御部の機能を説明するフロー図である。
【図35】撮影制御モジュールによって、デジタルカセッテ駆動モジュール、放射線発生装置駆動モジュール、撮影システム駆動モジュールを連動させる一例を示す図である。
【図36】撮影システム本体の例を示す図である。
Claims (8)
- 被写体を透過した放射線を撮影する放射線撮影システムであって、
光電変換部を有し、被写体を透過した放射線を撮影するためのカセッテ型撮影装置と、
前記カセッテ型撮影装置を着脱自在に保持する保持部を有する、立位タイプおよびベットタイプのいずれかの撮影台と、
前記撮影台の前記保持部によって保持された前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとを得る検知部と、
前記検知部によって得られた前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとによってそれぞれ特定される前記カセッテ型撮影装置と前記撮影台との組み合わせにより構成される撮影システムに対応するデータに基づいて、前記カセッテ型撮影装置によって撮影された画像に対して前記撮影システムに対応する画像処理をする制御手段と、
を備えることを特徴とする放射線撮影システム。 - 前記制御手段は、前記データに基づいて、前記カセッテ型撮影装置によって撮影された画像を補正する画像補正部を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
- 前記制御手段は、前記データに基づいて、前記カセッテ型撮影装置によって撮影された画像に対して階調処理のための特徴量抽出処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
- 前記制御手段は、前記撮影システムに関連する情報を撮影された画像に添付する情報添付部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
- 被写体を透過した放射線を撮影する放射線撮影システムであって、
光電変換部を有し、被写体を透過した放射線を撮影するための複数のカセッテ型撮影装置と、
前記カセッテ型撮影装置を着脱自在に保持する保持部を有する複数の撮影台と、
前記複数のカセッテ型撮影装置から選択されるカセッテ型撮影装置と前記複数の撮影台から選択される撮影台との組合せにより構成される撮影システムを特定するシステム情報に基づいて動作する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記システム情報に対応する撮影メニューを前記システム情報に基づいて選択する選択部を有し、前記システム情報に対応する撮影メニューは、被写体部位及び/又は撮影方法に関する項目を含む、
ことを特徴とする放射線撮影システム。 - 光電変換部を有し、被写体を透過した放射線を撮影するためのカセッテ型撮影装置と、前記カセッテ型撮影装置を着脱自在に保持する保持部を有する、立位タイプおよびベットタイプのいずれかの撮影台とを備える放射線撮影システムの制御方法であって、
前記撮影台の前記保持部によって保持された前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとを得る検知工程と、
前記検知工程で得られた前記カセッテ型撮影装置のIDと前記撮影台のIDとによってそれぞれ特定される前記カセッテ型撮影装置と前記撮影台との組み合わせにより構成される撮影システムに対応するデータに基づいて、前記カセッテ型撮影装置によって撮影された画像に対して前記撮影システムに対応する画像処理をする工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の放射線撮影システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読出可能な記憶媒体。
- 請求項6に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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