JP4835370B2 - メディアスタッカ及びそれを備えたメディア処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、CDあるいはDVDなどの円板状のメディアを収容するメディアスタッカ及びそれを備えたメディア処理装置に関する。
近年、多数枚のブランクCDやDVDなどのメディアにデータの書き込みを行うディスクダビング装置、データの書き込みとレーベル印刷を行ってメディアを制作して発行可能なCD/DVDパブリッシャなどのメディア処理装置が用いられつつある。この種のメディア処理装置では、CDやDVDなどの円板状のメディアは、メディアスタッカに積層させて収容した状態にて取り扱われる。(例えば、非特許文献1、2参照)。
TEAC製品紹介ホームページ(http://www.tsc.teac.co.jp/02products/sys/cdrw1050/index.html) PRIMERA製品紹介ホームページ(http://www.hoei.co.jp/japan/product/primera/bravo_pro.html)
このメディアスタッカとしては、ユーザによるメディア収容部からのメディアの取り出しの容易化を図るべく、円筒部の対向位置に切欠部を形成したものがあるが、メディア収容部のメディアを取り出す際に、最下部のメディアの外周縁へ指を係止させづらく、メディアの取り出し作業に手間を要していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ユーザによるメディアの把持を容易にかつ確実に行うことができ、メディアの取り出し性が良好に確保されたメディアスタッカ及びそれを備えたメディア処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のメディアスタッカは、底板と、この底板に立設された円筒部とを有し、前記円筒部内が複数の円板状のメディアを積層させて収容可能なメディア収容部とされたメディアスタッカであって、前記円筒部は、互いに対向する位置に切欠部を形成することにより、平面視円弧状の一対の枠体とされ、前記底板は、前記メディア収容部に収容されるメディアが載置される円形の底面を有し、前記切欠部における前記底面の周縁は、前記メディア収容部に収容される前記メディアよりも僅かに小さな半径の円弧状に形成されていることを特徴とする。
この構成のメディアスタッカによれば、対向位置に形成された切欠部にてメディア収容部内のメディアを両側から把持して容易に取り出すことができる。
特に、切欠部における底面の周縁が、メディア収容部に収容されるメディアよりも僅かに小さな半径の円弧状に形成されているので、メディアを把持する指を、最下部のメディアの外周縁へ容易にかつ確実に係止させることができ、メディア収容部内のメディアを容易にかつ確実に把持して取り出すことができる。
また、前記切欠部における前記底面の周縁は、前記メディアの半径よりも0.5〜15mm小径とされていることが好ましい。
この構成によれば、メディア収容部内のメディアを容易にかつ確実に把持することができ、しかも、底板の底面によってメディアの安定した収容状態を確保することができる。
さらに、前記底板には、前記切欠部における前記底面の周縁の外周側に凹部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、指の先端を凹部内へ配置させてメディアを掴むことにより、容易にかつ確実にメディアの外周縁に指を係止させることができる。
また、一側部側と、この一側部側の反対側である他側部側とが異なる平面形状とされていることが好ましい。
この構成によれば、平面形状を確認することにより、メディアスタッカの向きを容易に把握することができる。これにより、例えば、各種装置へ装着する際に、容易に正しい向きに合わせて装着することができ、装着作業の円滑化を図ることができる。
さらに、一側部側を矩形状とし、他側部側を円弧状とすることが好ましい。
この構成によれば、メディアスタッカの向きを容易に把握することができるとともに、各種装置へ装着する際に、例えば、装着部に設けた両側壁によって矩形状の一側部側を案内させることができ、装着作業の円滑化を図ることができる。
また、前記底板の裏面に、同一突出寸法の3つの脚部が周方向に間隔をあけて形成することが好ましい。
この構成によれば、平面上に載置した際に、3つの脚部によって平面上に安定した状態に設置することができる。
また、前記底板の裏面に、前記脚部よりも突出寸法の小さい3つの設置脚を周方向へ間隔をあけて形成することが好ましい。
この構成によれば、例えば、各種装置の装着部へ装着した際に、設置脚を装着部の床に当接させる構造とすることにより、安定した設置状態を得ることができる。
また、本発明のメディア処理装置は、メディア保持部に収納されたメディアに対して各種処理を施すメディア処理装置であって、上記メディアスタッカが、前記メディア保持部に設けられたスタッカ収納部に着脱可能とされていることを特徴とする。
この構成のメディア処理装置によれば、メディアを容易にかつ確実に把持して取り出すことができるメディアスタッカを備えているので、処理作業を円滑に行うことができる。
以下、本発明に係るメディアスタッカ及びそれを備えたメディア処理装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1はパブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図、図2はパブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図、図3はパブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図、図4はパブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図、図5はパブリッシャの内部概略構成図である。
パブリッシャ1は、例えばCDあるいはDVD等の円板状のメディアへのデータの書き込みやメディアのレーベル面への印刷を行うメディア処理装置であり、ほぼ直方体形状のケース2を備えている。このケース2の前面には、左右に開閉可能な開閉扉3、4が取り付けられている。ケース2の上側右端部には、表示ランプ、操作ボタンなどが配列された操作面5が設けられており、また、ケース2の下端には、メディア排出口6が設けられている。
正面視右側の開閉扉3は、閉じた状態にてロックされており、操作面5には、例えば、指紋センサなどの図示せぬ生体認証用の読み取り部が配置され、予め登録されている者のみが開閉できるようになっている。また、開閉扉3は、パブリッシャ1と通信可能に接続された後述する上位機器97側(図5参照)からの指令によっても開閉可能となっている。
図2に示すように、正面視左側の開閉扉4は、レーベルプリンタ(記録装置)11のインクカートリッジ12の変換時に開閉するためのものであり、この開閉扉4を開けると、鉛直方向に配列された複数のカートリッジホルダ13を有するカートリッジ装着部14が露出するようになっている。
図3にも示すように、パブリッシャ1のケース2の内部には、データ書き込み処理が行われていない複数枚の未使用のブランクメディアMAをスタック可能なブランクメディア保管部21と、作成済みメディアMBが保管される作成済みメディア保管部22が同軸状態で上下に配置されている。なお、この作成済み保管部22には、使用済みメディアMCを処分する場合に、この使用済みメディアMCがセットされる。
ブランクメディア保管部21は、メディアを収容可能なメディア収容部103が形成されたメディアスタッカ100を着脱可能に収納するスタッカ収納部23を備えており、このスタッカ収納部23に収納されたメディアスタッカ100には、上側からブランクメディアを受け入れ同軸に積層した状態で収容可能とされている。
ブランクメディア保管部21にブランクメディアMAを収納あるいは補充する作業は、開閉扉3を開け、メディアスタッカ100を取り出すことにより、簡単に行うことが可能となっている。
下側の作成済みメディア保管部22も同一構造となっており、メディアを収容可能なメディア収容部103が形成されたメディアスタッカ100を着脱可能に収納するスタッカ収納部23を備え、このスタッカ収納部23に収納されたメディアスタッカ100に、上側から作成済みメディアMBあるいは使用済みメディアMCを受け入れ同軸に積層した状態で収容可能とされている。
使用済みメディアMCを処分する場合には、開閉扉3を開けて、作成済みメディア保管部22に、使用済みメディアMCを収容したメディアスタッカ100をセットして処分動作を行うことが可能となっている。また、開閉扉3からは、作成済みメデイアMB(すなわち、データの書き込み、及びレーベル面印刷が終了したメディア)を取り出すこともできる。
これらのブランクメディア保管部21及び作成済みメディア保管部22の後側には、メディア搬送機構31が配置されている。メディア搬送機構31は、ケース2に垂直に取り付けられているシャーシ32と、このシャーシ32の上下の水平支持板部33,34の間に垂直に架け渡されている垂直ガイド軸35と、この垂直ガイド軸35に取り付けたメディアキャリア36とを備えている。メディアキャリア36は、駆動モータ37によって垂直ガイド軸35に沿って昇降可能であるとともに、垂直ガイド軸35を中心に左右に旋回可能である。メディア搬送機構31によってメディア排出口6に搬送されてきたメディアは、このメディア排出口6から外部に取り出すことが可能である。
上下の保管部21,22及びメディア搬送機構31の側方の部位には、上下に積層された2つのメディアドライブ41が配置され、これらメディアドライブ41の下側にレーベルプリンタ11の後述するキャリッジ62(図4参照)が移動可能に配置されている。
メディアドライブ41は、メディアへのデータ書き込み位置とメディアの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ41aをそれぞれ有している。
また、レーベルプリンタ11は、メディアのレーベル面へのレーベル印刷可能な位置とメディアの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ51を有している。
図2及び図3では、上側のメディアドライブ41のメディアトレイ41aが手前に引き出されてメディア受け渡し位置にある状態及び下側のレーベルプリンタ11のメディアトレイ51が奥側のレーベル印刷可能位置にある状態が示されている。また、レーベルプリンタ11はインクジェットプリンタであり、インク供給機構71として各色(本実施形態ではブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの6色)のインクカートリッジ12が用いられ、これらのインクカートリッジ12がカートリッジ装着部14の各カートリッジホルダ13に前方から装着されている。
ここで、ブランクメディア保管部21及び作成済みメディア保管部22に収納されたメディアスタッカ100には、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が昇降可能な後述する切欠部106が形成されている。また、これら上下のブランクメディア保管部21と作成済みメディア保管部22との間には、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が水平に旋回して、作成済みメディア保管部22の真上に位置できるように隙間が開いている。さらに、メディアトレイ41aをメディアドライブ41に押し込むと、メディア搬送機構31のメディアキャリア36を下降させて、メディア受け渡し位置にあるメディアトレイ51にアクセス可能となっている。したがって、メディアキャリア36の昇降及び左右への旋回の組み合わせ動作によって、メディアを各部に搬送することが可能とされている。
メディアトレイ51のメディア受け渡し位置の下方には、廃棄用メディアMDを保管するための廃棄用スタッカ52が配置されており、この廃棄用スタッカ52には、例えば30枚程度の廃棄用メディアMDが保管可能とされている。メディアトレイ51が廃棄用スタッカ52の上方のメディア受け渡し位置からデータ書き込み位置へ退避した状態にてメディア搬送機構31のメディアキャリア36により、廃棄用メディアMDを廃棄用スタッカ52に供給可能となっている。
まとめると、CDあるいはDVDからなるメディアは、ブランクメディア保管部21、作成済みメディア保管部22、廃棄用スタッカ52、メディアドライブ41のメディアトレイ41a及びレーベルプリンタ11のメディアトレイ51間を、メディア搬送機構31のメディアキャリア36によって搬送される。
また、レーベルプリンタ11の前方側には、メディア処分機構92(図5参照)が取り付けられている。このメディア処分機構92は、プランジャなどの駆動機構によって突起部を突出させることにより、後側あるいは前側に移動するメディアトレイ51に搭載されたメディアに突起部を接触させ、メディアの記録面を機械的に破壊し、書き込み及び読み出しを不能な状態とする。
次に、レーベルプリンタ11の構成について説明する。
図2から図4にも示すように、レーベルプリンタ11はインクジェットヘッド61を有するキャリッジ62を備えており、このキャリッジ62は、キャリッジガイド軸63に沿って、水平方向に往復移動可能に支持されている。そして、このキャリッジ62は、キャリッジガイド軸63に沿って水平に架け渡したタイミングベルト64と、これを駆動するためのキャリッジモータ65とを備えている。
キャリッジ62に搭載されているインクジェットヘッド61は、そのノズル面が下向きとされており、インクジェットヘッド61の下側位置を、前後方向に水平にメディアトレイ51が往復移動可能となっている。メディアトレイ51は、その右側の端が、前後方向に水平に延びるガイド軸66によって支持され、その左側の端が、スライド可能な状態で、前後方向に水平に延びるガイドレール67によって支持されている。このメディアトレイ51の駆動機構も、前後方向に水平に架け渡した図示しないタイミングベルトと、これを駆動するためのトレイモータとを備えた構成となっている。
レーベルプリンタ11は、インクカートリッジ12が装着されるカートリッジ装着部14を有するインク供給機構71を備えている。このインク供給機構71は、縦型構造を有しており、パブリッシャ1のベース72上に立設されて鉛直方向に配設されている。このインク供給機構71には、可撓性を有するインク供給チューブ73の一端が接続されており、このインク供給チューブ73の他端は、キャリッジ62に接続されている。
そして、インク供給機構71のインクカートリッジ12のインクは、インク供給チューブ73を介してキャリッジ62に供給され、このキャリッジ62に設けられた図示しないダンパユニット及び背圧調整ユニットを経てインクジェットヘッド61に供給される。
なお、インク供給機構71には、その上部に、加圧機構74が設けられており、この加圧機構74は、インクカートリッジ12内を加圧し、インクカートリッジ12内のインクパックに貯留しているインクを送り出す。
また、キャリッジ62のホームポジション(図4に示す位置)における下方側には、インク吸引機構81が設けられている。このインク吸引機構81は、ホームポジションに配置されたキャリッジ62の下面に露出するインクジェットヘッド61のノズルを覆うキャップ82と、インクジェットヘッド62のヘッドクリーニング動作やインク充填動作によってキャップ82に排出された廃インクを吸引する廃インク吸引ポンプ83とを備えている。
そして、このインク吸引機構81の廃インク吸引ポンプ83によって吸引された廃インクは、チューブ84を介して、廃インク吸収タンク85へ送り込まれる。
この廃インク吸収タンク85は、ケース86内に後述する吸収材104を配設したもので、その上面は、複数の通気孔87を有するカバー88によって覆われている。
なお、廃インク吸引機構81の下方には、廃インク吸収タンク85の一部である廃インク受け部89が設けられ、廃インク吸引機構81から滴下した廃インクを受け止め、吸収材によって吸収するようになっている。
メディアトレイ51は、矩形の板の上面に、メディアを載せるための円形の浅い凹部51aを備えている。また、この凹部51aの中心部には、同心円上において120度間隔に配置された図示せぬ3本の垂直爪を備えている。そのうち2本の垂直爪は半径方向に一体となって移動可能であり、残りの1本の垂直爪は、固定位置に配置されている。電磁ソレノイドなどの不図示の駆動機構によって2本の垂直爪が移動するようになっている。
メディアを、そのレーベルなどが印刷されるレーベル面を上向きにして、上から凹部51aに落とすと、メディアのセンターホールに3本の垂直爪が差し込まれた状態になる。この後に、2本の垂直爪を半径方向の外方に僅かに移動すると、これら3本の垂直爪がメディアのセンターホールの内周面に内側から押し付けられた状態になる。これにより、メディアがメディアトレイ51に保持される。この状態で、図示せぬトレイモータを駆動して、メディアトレイ51をガイド軸66に沿って後ろ側に移動させ、インクジェットヘッド61の印字領域内まで移動させることができる。この後は、インクジェットヘッド61によって、メディアのレーベル面に所定の印刷を施すことができる。
次に、パブリッシャ1の内部構成について説明する。
図5に示すように、パブリッシャ1は、各部の制御を司る制御部91を有し、パブリッシャ1内の各部間の動作制御を行う中央制御部となっている。具体的には、メディアドライブ41、レーベルプリンタ11、メディア搬送機構31等の動作を制御する。
パブリッシャ1は、メディア作成のための機能に加えて、作成後に不要となった使用済みメディアMCを、データ書き込み、データ読み出し不能な状態に処分するためのメディア処分機構92に加え、このメディア処分機構92によって処分される使用済みメディアMCのレーベル面の印刷画像を読み取るための、例えば、CCDなどを有するラインセンサからなる画像センサ93、読み取られたレーベル面の印刷画像を、メディア処分機構92によるメディア処分履歴94aとして記憶するための記憶部94を備えている。
メディア処分機構92は、前述したように、レーベルプリンタ11におけるメディアトレイ51の動きを利用して、使用済みメディアMCの記録面に機械的に傷を付けて、データの読み出し及び書き込みが不能の廃棄用メディアMDとするようになっている。
レーベル面の印刷画像の読取用の画像センサ93は、例えば、メディア搬送機構31に搭載されている。メディア搬送機構31に把持された使用済みメディアMCを回転させ、このメディアMCのレーベル面に受光面が対峙する状態で、メディア半径方向に沿って配置されている画像センサ93によって、レーベル面の全体の印刷画像を読み取るようになっている。この代わりに、メディア搬送機構31に把持された使用済みメディアMCのレーベル面に沿って、その半径方向に配置されている画像センサ93側を回転させて、レーベル面の全印刷画像を読み取るようにしても良い。
さらに、制御部91には操作部95が接続されており、操作部95には認証用のパスワードなどを入力するためのテンキーなどの英数字キ一群、各種のファンクションキ一群、及び状態表示ランプなどの表示器群が配置されている。また、制御部91は、通信用のインターフェース96を介して、専用通信回線あるいは一般通信回線によって上位機器97と接続されている。通常は、上位機器97側から制御部91に供給されるメディア作成指令、メディア処分指令などに基づき、メディア作成動作(データ書き込み動作、レーベル面印刷動作)、メディア処分履歴作成動作(レーベル面印刷画像読取動作)、メディア処分動作などが起動するようになっている。
次に、上記のパブリッシャ1におけるメディア保管部21,22に着脱されるメディアスタッカについて説明する。
図6はメディアスタッカの上部右斜め後方側から視た斜視図、図7はメディアスタッカの上部左側から視た斜視図、図8はメディアスタッカの上部右側から視た斜視図、図9はメディアスタッカの平面図、図10はメディアスタッカの下部右斜め後方側から視た斜視図、図11はメディアスタッカの下部左側から視た斜視図、図12は他の形状の下部係止片を有するメディアスタッカの後方側から視た斜視図、図13は他の形状の下部係止片を有するメディアスタッカの後方側から視た斜視図、図14はメディアスタッカの収容円を示す平面図、図15はメディアスタッカが収容されるスタッカ収納部を示す平面図である。
図6から図11に示すように、メディアスタッカ100は、射出成形によって一体成形した合成樹脂製であり、パブリッシャ1のメディア保管部21,22に設けられたスタッカ収納部23に着脱される。
このメディアスタッカ100は、底板101と、この底板101に立設された円筒部102とを有しており、円筒部102内が、CDやDVDなどの円板状のメディアを積層状態に収容可能なメディア収容部103とされている。
円筒部102は、互いに対向する平面視円弧状の一対の枠板104,105から構成されており、これら枠板104,105同士の間が、互いに対向する切欠部106,107とされている。
ここで、これら切欠部106,107は、メディアスタッカ100のスタッカ収納部23への挿入方向に対して所定角度だけ斜めの対角線上の位置に形成されている。
そして、このメディアスタッカ100をスタッカ収納部23へ装着した状態において、これら切欠部106,107のうちのスタッカ収納部23への装着方向前方側(以下、前方側と称する)の隙間106にて、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が昇降可能とされている。
また、メディアスタッカ100のスタッカ収納部23への装着方向後方側(以下、手前側と称する)は、底板101に形成された張り出し部110によって平面視矩形状とされている。そして、この張り出し部110によって切欠部107の下端が連結されて補強されている。
この張り出し部110には、後方側へ略水平に突出する下部係止片111が形成されている。また、円筒部102を構成する枠板104には、その上端に、下部係止片111と上下に対向する上部係止片112が略水平に突設されている。
そして、メディアスタッカ100では、ユーザは、親指を上部係止片112に係止させ、その他の指を下部係止片111に係止させた状態にて、容易に把持して持ち運びが可能とされている。
なお、親指が係止される上部係止片112は、係止する親指の形状に対応して窪ませられている。
また、ユーザの指が接触する下部係止片111の裏面及び上部係止片112の上面には、それぞれ複数の突条111a,112aが間隔をあけて形成されており、これら突条111a,112aが滑り止めとなってユーザの指との係止力が高められるようになっている。
また、上部係止片112は、外方へ向かって次第に上方へ傾斜され、下部係止片111は、外方へ向かって次第に下方へ傾斜されており、これにより、ユーザの指が良好に係止されるようになっている。
また、上部係止片112は、その中心線がメディア収容部103の中心へ向くように形成されており、バランス良くメディアスタッカ100を把持することができるようになっている。
また、枠体104,105の上端には、外周方向へ突出する補強リブ104a,105aが形成されており、枠体104の補強リブ104aは、上部係止片112に一体的に連結されている。
なお、下部係止片111の外縁に、下方へ突出する係止突条を形成したり、あるいは上部係止片112の外縁に、上方へ突出する係止突条を形成することにより、ユーザの指との係止力をさらに高めることができる。
また、図12に示すように、下部係止片111の外縁に係止突条111bを形成し、この係止突条111bに、ユーザの指が配置される円弧状の凹部111cを形成しても良く、このようにすると、メディアスタッカ100を把持する際における指の位置を容易に確認することができ、また、指を満遍なく係止させることができる。
なお、図13に示すように、係止突条111bを形成しない場合は、下部係止片111の外縁に、ユーザの指の配置位置を示す円弧状の凹部111dを形成しても良い。
ここで、メディア収容部103を形成する円筒部102は、射出成形時における金型からの抜き方向の関係から、上方へ向かって僅かに拡径する形状とされる。このため、メディア収容部103は、上方へ向かって次第に広くなるため、メディアを収容した際に、上方側でのがたつきが大きくなる。
このため、この円筒部102の内周には、周方向へ間隔をあけて複数のリブ121が下端から上端にわたって形成されている。これらリブ121は、その内側の端面121aが、底板101に対して垂直とされており、図14に示すように、これらリブ121の端面121aを結ぶ円が、メディアの外周よりも僅かに大きな円とされ、この円は、その内側にメディアが積層されて収容される収容円Cとされている。
したがって、メディア収容部103内に収容されたメディアは、その外周縁が、底板101に対して垂直の端面121aを有する各リブ121によって保持され、上下にわたって精度良く保持される。
これらリブ121は、その両側面が、枠板104,105の端面と一致しない位置に形成されている。
また、周方向に隣り合うリブ121同士は、平面視にて、メディア収容部103の中心点Oを通る直線同士のなす角が90°以下とされている。
底板101は、メディア収容部103に収容されるメディアが載置される円形の底面101aを有しており、枠板104,105の切欠部106,107にて、その底面101aの周縁101b,101cが、メディア収容部103に収容するメディアよりも小さな半径の円弧状に形成されている。
また、張り出し部110が形成された底板101には、切欠部107における底面101aの周縁101cの外周側に、凹部101dが形成されており、この凹部101dを構成する壁部の一部が底面101aの円弧状の周縁101cに沿って形成されている。
また、上記メディアスタッカ100には、底板101の裏面から同一突出寸法の3つの脚部131,132,133が形成されている。これら脚部131,132,133のうちの前方側の脚部131,132は、円柱状に形成されており、手前側の脚部133は、下方へ突設された板状に形成され、下部係止片111に沿って設けられている。
また、メディアスタッカ100の底板101には、その中心位置に、メディアの中心に形成されたセンターホールよりも大径の逃げ孔134が形成されている。
さらに、メディアスタッカ100の底板101の裏面には、同一突出寸法の円弧状の3つの設置脚135,136,137が周方向へ間隔をあけて形成されている。これら設置脚135,136,137は、脚部131,132,133よりも突出寸法が小さくされている。
上記メディアスタッカ100が装着されるメディア保管部21,22のスタッカ収納部23は、図15に示すように、メディアスタッカ100が載置される載置床141を有しており、この載置床141の両側及び奥側が壁部142によって囲われている。
また、載置床141には、メディアスタッカ100の前方側の脚部131,132が嵌合可能な保持孔143,144が形成されている。これら保持孔143,144の一方の保持孔143には、脚部131の嵌合状態を検出することにより、メディアスタッカ100がスタッカ収納部へ装着されたか否かを検出する図示しないスタッカ検出センサが設けられている。
また、載置床141には、メディアの中心の孔部よりも大径の逃げ孔145が形成されており、スタッカ収納部23にメディアスタッカ100を装着した際に、メディアスタッカ100の逃げ孔134と連通される。
次に、スタッカ収納部23へメディアスタッカ100を着脱する場合について説明する。
なお、ここでは、パブリッシャ1へブランクメディアMAを補充する場合及び作成済みメディアMBを取り出す場合を例にとって説明する。
(スタッカ収納部への装着)
ブランクメディアMAをパブリッシャ1へ補充すべく、スタッカ収納部23へメディアスタッカ100を装着する場合は、まず、メディアスタッカ100のメディア収容部103内に、所定枚数のブランクメディアMAを入れる。
このようにすると、これらブランクメディアMAがメディアスタッカ100のメディア収容部103内における各リブ121の内側の端面121aを結ぶ円からなる収容円C内に、積層された状態に収容される。
次に、ブランクメディアMAを収容させたメディアスタッカ100の上部係止片112に親指を係止させるとともに下部係止片111に他の指を係止させることにより、メディアスタッカ100を把持する。
次いで、このメディアスタッカ100を、スタッカ収納部23へパブリッシャ1の前面側から載置床141に載置させて挿入する。
このとき、ユーザは、メディアスタッカ100の形状から、張り出し部110を形成することにより矩形状とされた側が手前側であることを容易に認識することができ、スタッカ収納部23への挿入方向を容易に把握することができる。
また、スタッカ収納部23への挿入時には、メディアスタッカ100は、矩形状の張り出し部110がスタッカ収納部23の両側の壁部142に摺接することによりガイドされるので、スタッカ収納部23へ円滑に挿入することができる。
そして、メディアスタッカ100をスタッカ収納部23の奥まで差し込むと、メディアスタッカ100の前方側の脚部131,132が載置床141の保持孔143,144にそれぞれ嵌合し、メディアスタッカ100側の逃げ孔134とスタッカ収納部23側の逃げ孔145とが互いに連通した状態に位置決めされる。
このようにして、メディアスタッカ100がスタッカ収納部23に装着されると、保持孔143に脚部131が嵌合することにより、スタッカ検出センサによってメディアスタッカ100のスタッカ収納部23への装着が確認される。
また、このとき、各設置脚135,136,137が載置床141の上面に当接することにより、メディアスタッカ100が載置床141上に安定した状態にて設置される。
(スタッカ収納部からの取り出し)
作成済みメディアMBをパブリッシャ1から取り出すべく、スタッカ収納部23からメディアスタッカ100を取り外す場合は、まず、パブリッシャ1の開閉扉3を開き、取り出すメディアスタッカ100の上部係止片112に親指を係止させるとともに下部係止片111に他の指を係止させることにより、メディアスタッカ100を把持する。
次いで、このメディアスタッカ100を、少し持ち上げてメディアスタッカ100の前方側の脚部131,132を載置床141の保持孔143,144から外し、その後、手前に引き出す。
このようにすると、メディアスタッカ100がスタッカ収納部23から取り外され、また、保持孔143から脚部131が外されることにより、スタッカ検出センサによってスタッカ収納部23からのメディアスタッカ100の取り出しが確認される。
その後、スタッカ収納部23から取り外したメディアスタッカ100を平面上に載置し、このメディアスタッカ100のメディア収容部103から作成済みメディアMBを取り出す。
作成済みメディアMBを取り出す場合には、ユーザは、切欠部106,107にて、上方側から作成済みメディアMBを把持しながら上方へ引き上げる。このとき、底板101の底面101aの円弧状の周縁101b,101cから作成済みメディアMBの外周縁が僅かに突出していることより、ユーザは、容易に最下部の作成済みメディアMBの外周縁を指に係止させることができ、積層状態の複数の作成済みメディアMBを一括してメディア収容部103から取り出すことができる。
本実施形態では、底板101の底面101aの円弧状の周縁101b,101cから作成済みメディアMBの外周縁の突出する量を4mmとしている。この突出量すなわち切欠部106,107における底面の周縁101b,101cは、メディアMBの半径よりも0.5〜15mm小径の範囲が好ましい。0.5mm未満の場合は、メディアスタッカ100の収容部103と収容されたメディアMBの遊びが片方側に寄った場合突出量が極めて少なくなり、メディアMBの外周縁を指に係止させることができにくく、また、15mmを超えると、切欠量が多いことからメディアスタッカ100の強度が弱くなったり、あるいは枠板104,105が倒れ易くて精度がでない不具合を生じ易い。
以上、説明したように、上記実施形態に係るメディアスタッカによれば、円筒部102の互いに対向する位置に切欠部106,107を形成することにより、円筒部102を平面視円弧状の一対の枠体104,105としたので、対向位置に形成された切欠部106,107にてメディア収容部103内のメディアを両側から把持して容易に取り出すことができる。
特に、切欠部106,107における底面101aの周縁101b,101cが、メディア収容部103に収容されるメディアよりも僅かに小さな半径の円弧状に形成されているので、メディアを把持する指を、最下部のメディアの外周縁へ容易にかつ確実に係止させることができ、メディア収容部103内のメディアを容易にかつ確実に把持して取り出すことができる。
そして、上記メディアスタッカ100を備えたメディア処理装置であるパブリッシャ1によれば、メディアを容易にかつ確実に把持して取り出すことができるメディアスタッカ100を備えているので、処理作業を円滑に行うことができる。
また、上記メディアスタッカ100では、切欠部106,107における底面101aの周縁101b,101cを、メディアの半径よりも0.5〜15mm小径とすることが好ましく、このようにすると、メディア収容部103内のメディアを容易にかつ確実に把持することができ、しかも、底板101の底面101aによってメディアの安定した収容状態を確保することができる。
さらに、底板101には、切欠部107における底面101aの周縁101cに凹部101dが形成されているので、指の先端を凹部101d内へ配置させてメディアを掴むことにより、容易にかつ確実にメディアの外周縁に指を係止させることができる。
また、上記メディアスタッカ100では、上部係止片112及び下部係止片111を有する一側部側を平面視矩形状とすることにより、この一側部側と、この一側部側の反対側である他側部側とを異なる平面形状としたので、平面形状を確認することにより、メディアスタッカ100の向きを容易に把握することができる。これにより、パブリッシャ1のスタッカ収納部23へ装着する際に、容易に正しい向きに合わせて装着することができ、装着作業の円滑化を図ることができる。
特に、一側部側を矩形状とし、他側部側を円弧状としたので、パブリッシャ1のスタッカ収納部23へ装着する際に、スタッカ収納部23を構成する両側の壁部142によって矩形状の一側部側を案内させることができ、装着作業の円滑化を図ることができる。
また、底板101の裏面に、同一突出寸法の3つの脚部131,132,133が周方向に間隔をあけて形成されているので、平面上に載置した際に、3つの脚部131,132,133によって平面上に安定した状態に設置することができる。
特に、下部係止片111の近傍の脚部133は、下方へ突設された板状に形成され、下部係止片111に沿って設けられているので、下部係止片111に代えて、板状の脚部133に指を係止させてメディアスタッカ100を把持することもできる。
さらに、底板101の裏面に、脚部131,132,133よりも突出寸法の小さい3つの設置脚135,136,137を周方向へ間隔をあけて形成したので、パブリッシャ1のスタッカ収納部23へ装着した際に、設置脚135,136,137をスタッカ収納部23の載置床141に当接させて安定した設置状態を得ることができる。
パブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図である。 パブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図である。 パブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図である。 パブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図である。 パブリッシャの内部概略構成図である。 メディアスタッカの上部右斜め後方側から視た斜視図である。 メディアスタッカの上部左側から視た斜視図である。 メディアスタッカの上部右側から視た斜視図である。 メディアスタッカの平面図である。 メディアスタッカの下部右斜め後方側から視た斜視図である。 メディアスタッカの下部左側から視た斜視図である。 他の形状の下部係止片を有するメディアスタッカの後方側から視た斜視図である。 他の形状の下部係止片を有するメディアスタッカの後方側から視た斜視図である。 メディアスタッカの収容円を示す平面図である。 メディアスタッカが収容されるスタッカ収納部を示す平面図である。
符号の説明
1…パブリッシャ(メディア処理装置)、21,22…メディア保持部、23…スタッカ収納部、100…メディアスタッカ、101…底板、101a…底面、101b,101c…周縁、101d…凹部、102…円筒部、103…メディア収容部、104,105…枠体、106,107…切欠部、131,132,133…脚部、135,136,137…設置脚、MA,MB,MC,MD…メディア。

Claims (7)

  1. 底板と、この底板に立設された円筒部とを有し、前記円筒部内が複数の円板状のメディアを積層させて収容可能なメディア収容部とされたメディアスタッカであって、
    前記円筒部は、互いに対向する位置に切欠部を形成することにより、平面視円弧状の一対の枠体とされ、
    前記メディアはCDまたはDVDであり、
    前記円筒部は上方に向けて拡径する形状であり、
    前記円筒部の内周には、その下端から上端にわたって複数のリブが形成されており、
    前記底板は、前記CDまたはDVDが載置される円形の底面を有し、
    前記複数のリブの内端面同士を結ぶ円は、前記CDまたはDVDの外周よりも僅かに大きく、
    前記切欠部における前記底面の周縁は、前CDまたはDVDよりも0.5〜15mm小さな半径の円弧状に形成されていることを特徴とするメディアスタッカ。
  2. 請求項1に記載のメディアスタッカであって、
    前記底板には、前記切欠部における前記底面の周縁の外周側に凹部が形成されていることを特徴とするメディアスタッカ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のメディアスタッカであって、
    一側部側と、この一側部側の反対側である他側部側とが異なる平面形状とされていることを特徴とするメディアスタッカ。
  4. 請求項に記載のメディアスタッカであって、
    一側部側を矩形状とし、他側部側を円弧状としたことを特徴とするメディアスタッカ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のメディアスタッカであって、
    前記底板の裏面には、同一突出寸法の3つの脚部が周方向に間隔をあけて形成されていることを特徴とするメディアスタッカ。
  6. 請求項に記載のメディアスタッカであって、
    前記底板の裏面には、前記脚部よりも突出寸法の小さい3つの設置脚が周方向に間隔をあけて形成されていることを特徴とするメディアスタッカ。
  7. メディア保持部に収納されたメディアに対して各種処理を施すメディア処理装置であって、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のメディアスタッカが、前記メディア保持部に設けられたスタッカ収納部に着脱可能とされていることを特徴とするメディア処理装置
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