JP4830978B2 - 湿式現像装置及び湿式画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、トナーをキャリア液に分散した液体現像剤を用いて、像担持体上の静電潜像を現像する湿式現像装置及び湿式画像形成装置に関する。
従来より、像担持体表面の静電潜像を、トナー粒子を絶縁性キャリア液に分散させた液体現像剤を用いた湿式現像装置で現像し、現像により形成されたトナー像を転写材に転写して最終画像を得る画像形成装置が知られている。また、前記液体現像剤による現像により形成されたトナー像を中間転写体に一次転写し、中間転写体の表面に複数のトナー像を重ね合わせ、その後重ね合わせたトナー像を転写材に一括転写して最終画像を得る画像形成装置も知られている。
かかる湿式現像装置を用いた湿式画像形成装置は、乾式画像形成装置では実現できない利点を有しており、近年その価値が見直されつつある。湿式画像形成装置の主な利点は、サブミクロンサイズの極めて微細なトナーを用いることができるため高画質を実現でき印刷並みの質感を得られること、比較的低温でトナーを転写材に定着できるため省エネルギーを実現できること、などである。
しかし、従来の湿式現像方式では、現像液中のトナー粒子は、ほとんど帯電していないので、液体現像剤を担持する現像剤担持体と像担持体との間の現像部を電界により移動する時間が非常に遅く、高速なシステム速度の領域では現像効率が悪いという問題があった。そのため、大量の液体現像剤を現像部に供給したり、高濃度な液体現像剤を用いたりする方法が提案されたが、装置の大型化や地肌カブリなどの問題点が発生した。
このような問題に対して、特許文献1では、現像剤担持体に担持するトナーを供給するための供給ローラ上で、液体現像剤層にコロナ帯電器を用いて電荷を与える方法が提案されている。供給ローラ上の液体現像剤槽に電荷を与えることにより、供給ローラ表面にトナー層を形成し、このトナー層を現像剤担持体に供給することで、現像剤担持体表面に高濃度な液体現像剤層を形成することができ、高速現像が可能としている。
特開平9−211994号公報
しかし、特許文献1において、より高速なシステム速度の領域では、供給ローラ上のトナー量をより増やす必要があり、それに伴い供給ローラと現像剤担持体との分離部分での液面の乱れや、帯電不良トナーの発生などにより、縦スジ状濃度ムラや背景部カブリが発生するという問題が残る。
従って、本発明が解決しようとする技術課題は、より高速なシステム速度でも画像ノイズが少ない湿式現像装置及び画像形成装置を提供することである。
本発明は、以下の構成により上記課題を達成することができる。
1.
トナーをキャリア液に分散した液体現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体と対向して配置され、前記液体現像剤を表面に担持し、該液体現像剤を前記現像剤担持体に供給する供給部材と、
前記現像剤担持体と前記供給部材との間にバイアス電圧を印加する電源と、
前記供給部材の表面の前記液体現像剤に電荷を与える電荷付与手段と、
を有し、
前記電荷付与手段により前記供給部材の表面の前記液体現像剤のトナーを帯電し、前記現像剤担持体と前記供給部材間に印加した前記バイアス電圧により前記供給部材の表面の帯電したトナーを前記現像剤担持体に転移させる湿式現像装置において、
前記現像剤担持体と前記供給部材とが対向する対向部において、前記現像剤担持体の表面の移動方向と前記供給部材の表面の移動方向が同方向で、前記供給部材の表面の移動速度が、前記現像剤担持体の表面の移動速度よりも大きいことを特徴とする湿式現像装置。
1に記載の湿式現像装置は、前記供給部材の表面の移動速度を可変する手段を備えることを特徴とする
1に記載の湿式現像装置は、前記電荷付与手段により前記供給部材の表面に向けて放出する電荷の量を前記供給部材の表面の移動速度に応じて制御する制御手段を有することを特徴とする

前記供給部材の表面の移動速度は、前記現像剤担持体の表面の移動速度の1.5〜3倍であることを特徴とするに記載の湿式現像装置。

像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する手段と、該像担持体上の静電潜像を現像するためのに記載の湿式現像装置と、を備えたことを特徴とする湿式画像形成装置。
本発明によれば、供給部材の表面の液体現像剤に電荷を与える電荷付与手段を有し、現像剤担持体と供給部材とが対向する対向部において、現像剤担持体の表面の移動方向と供給部材の表面の移動方向が同方向で、供給部材の表面の移動速度が、現像剤担持体の表面の移動速度よりも大きい構成にしている。このような構成によって、より高速な現像を行っても、画像ノイズが少ない湿式現像装置を提供でき、また、常に安定した高画質な画像を形成できる該湿式現像装置を用いた湿式画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の湿式現像装置を用いた湿式画像形成装置を示す図である。像担持体としての感光体5の周囲には、矢印で示す回転方向の順に、帯電装置12、露光装置13、湿式現像装置100、感光体クリーニング装置8、除電ランプ11がそれぞれ配置されている。
湿式現像装置100により現像され、感光体5上に形成されたトナー像は、中間転写体7に転写され、その後、転写ローラ9により転写紙90に転写される。その後、転写紙90上のトナー像は、定着装置91で定着されて画像を形成する。
湿式現像装置100は、絶縁性のキャリア液にトナー粒子を分散させた液体現像剤2を貯蔵した現像剤槽1と、現像剤槽1から液体現像剤2を汲み上げ、金属製の規制ブレード3により、一定膜厚の液体現像剤層を表面に形成する供給部材である供給ローラ14と、規制ブレード3により一定膜厚となった供給ローラ14上の液体現像剤層に電荷を付与する電荷付与手段としてのコロトロンチャージャ15と、供給ローラ14から液体現像剤を受け取る現像剤担持体としての現像ローラ4と、現像ローラ4上の液体現像剤を掻き取るクリーニングブレード6とを有している。
本発明に係る湿式画像形成装置の画像形成動作について、図1を用いて説明する。
供給ローラ14は、図中b方向への回転により、現像剤槽1中の液体現像剤2を汲み上げる。汲み上げられた供給ローラ14上の液体現像剤は、金属製の規制ブレード3により規制され、一定の厚みの液体現像剤の層に形成される。
一定の厚みにされた供給ローラ14上の液体現像剤は、コロトロンチャージャ15により電荷が与えられ、現像ローラ4との接触部に搬送され、供給ローラ14上から現像ローラ4上に移動する。
一方、感光体5の表面は、帯電装置12により一様に帯電された後、露光装置13により画像露光され、静電潜像が形成される。
現像ローラ4上の液体現像剤2は、図中aの方向に回転し、感光体5と現像ローラ4のニップ部(現像部)で感光体5表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する。
現像後の現像ローラ4表面の液体現像剤2は、画像パターンに対応して、トナー濃度の異なるパターンが形成され、この上に新たな液体現像剤を供給すると現像ローラ4上のトナー濃度に対応したメモリー画像が現れる。このメモリー画像の発生を防ぐために、現像ローラ4上の現像後の液体現像剤を一旦全てクリーニングするクリーニングブレード6が設けられている。クリーニングブレード6によるクリーニング後、新しい液体現像剤2が供給ローラ14により現像ローラ4に供給される。クリーニングブレード6により剥離された液体現像剤2は、現像剤槽1に回収され、混合攪拌と濃度調整を行った後に再利用される。
感光体5上に形成されたトナー像は、感光体5と中間転写体7の接触部(1次転写部)で電気力により中間転写体7側に移動する。中間転写体7に転写されずに残った感光体5上のトナーやキャリア液は、クリーニングブレード8でクリーニングされる。感光体5はその後イレーサ11により除電され、再び帯電される。
中間転写体7上に転写されたトナーは、転写ローラ9との間の転写紙90上に転写され、定着装置91で定着される。中間転写体7から転写紙11に転写されずに残ったトナーやキャリア液は、クリーニングブレード10でクリーニングされる。
図2を用いて、湿式現像装置100の詳細な動作を説明する。
液体現像剤2は現像剤槽1に溜められている。供給ローラ14は一部が液体現像剤2中に浸漬して設けられ、供給ローラ14の回転により液体現像剤2を汲み上げる。供給ローラ14表面に汲み上げられた液体現像剤2は規制ブレード3により所定の厚みに規制される。規制ブレード3により規制された供給ローラ14上の液体現像剤2は、供給ローラ14の回転によりコロトロンチャージャ15対向部に運ばれ、コロトロンチャージャ15から放出されるイオンにより電荷が付与される。コロトロンチャージャ15により放出されたイオンは液体現像剤中のトナーに蓄積する。コロトロンチャージャ15にはプラスの電圧が電源51により印加されており、チャージャ15対向部を通過した後のトナーはプラスに荷電される。その後供給ローラ14の回転により現像ローラ4との接触部に搬送される。
また、現像ローラ4と供給ローラ14との間には、プラスに帯電したトナーが現像ローラ4側に移動するように、供給ローラ14側がプラスになるように電源52によりバイアス電圧が印加されている。
現像ローラ4と供給ローラ14との対向する対向部において、現像ローラ4の表面の移動方向と供給ローラ14の表面の移動方向が同方向で、供給ローラ14の表面の移動速度が、現像ローラ4の表面の移動速度よりも大きい。
このようにすることで現像ローラ4側に移動するキャリア液の量を少なくすることができ、トナー濃度の高い液体現像剤の層を現像ローラ4の表面に形成することができる。このことを図3を用いて説明する。図3(a)は現像ローラ4と供給ローラ14のそれぞれの表面の移動速度が同じ場合を示し、図3(b)は、現像ローラ4の表面の移動速度に比べ、供給ローラ14の表面の移動速度が大きい場合を示す。図3(a)のように現像ローラ4と供給ローラ14のそれぞれの表面の移動速度が同じ場合には、現像ローラ4と供給ローラ14との間にある液体現像剤のトナーは、電源52により現像ローラ4側に移動し、供給ローラ14側にキャリア液の層が形成される。この状態で現像ローラ4と供給ローラ14とが回転移動すると、キャリア液の層のほぼ中央部分でキャリア液が両ローラ4,14に分離される。しかし、図3(b)のように、現像ローラ4の表面の移動速度に比べ、供給ローラ14の表面の移動速度が大きい場合には、供給ローラ14の方がキャリア液を連れまわそうとする力が強くなり、キャリア液の層の分断位置は、現像ローラ4側に偏る。その結果、現像ローラ4に移動するキャリア液の量が少なくなり、トナー濃度の高い液体現像剤の層を形成することができる。この結果、画像形成のプロセス速度が早く、現像速度の速い現像であっても、現像ローラ4上のトナー濃度が高く、トナー粒子が短時間に感光体の潜像に移動することができる。
また、供給ローラ14の表面の移動速度は、現像ローラ4の表面の移動速度の1.5〜3倍であることが好ましい。1.5倍以上にすると、キャリア液を供給ローラ14側に多く分離する効果が、より大きくなり、現像ローラ4の表面のトナー濃度をより高濃度にすることができる。しかし、3倍を超えると、供給ローラ14により現像ローラ4上の液体現像剤の層を乱し、画像ノイズが生じやすくなる。また、供給ローラ上に付与する電荷量も多くなり、電荷付与手段の電源コストがアップする。更に、供給ローラ14の駆動トルクも大きくなり、供給ローラ14の回転ムラが生じやすく、駆動トルクの大きいモータを使用すると、装置が大きくなるとともに、コストが高くなる。
また、コロトロンチャージャ15によりイオンとして放出される電荷の量は、供給ローラの表面の移動速度に応じて制御することが好ましい。このように制御することで、供給ローラ14の表面の移動速度が変化しても、供給ローラ14の表面上のトナー粒子に与えられる電荷量を所定の値に維持することができ、より高画質な画像を形成することができる。
特に、供給ローラ14の表面の移動速度を、転写紙90の表面の凹凸状態に応じて変化させる場合に有効である。転写紙90に表面の凹凸が少ないコート紙を用いた場合、適切な画像濃度を得るためのトナー量は、表面の荒れている上質紙に比べて、少なくて良い。
即ち、転写紙90の種類に応じて、供給ローラ14の表面の移動速度を制御することで、常に適切なトナー量を現像ローラ4の表面に担持させることができる。しかし、この時のコロトロンチャージャ15の出力を同じ値に固定すると、供給ローラ14の移動速度に応じて、現像ローラ4上のトナー帯電量が変化し、カブリや濃度不良を生じる恐れがある。
よって、コロトロンチャージャ15の放出する電荷の量を供給ローラ14の表面の移動速度に応じて制御することで、常に安定したトナー帯電量の液体現像剤の層を現像ローラ4の表面に形成することができ、より高画質な画像を形成できる。
電荷付与手段としてコロトロンチャージャ15について説明したが、スコロトロンチャージャでも良い。さらに、接触式のローラ帯電やブラシ帯電、フィルム帯電などの方式を用いてもよい。
また、トナーの帯電極性としてプラスの場合を説明したが、マイナスに帯電したトナーを用いた画像形成方法であっても良い。
また、コロトロンチャージャ15の電源としては、定電流電源が、電荷量を制御する点から好ましい。
転写紙90の種類により現像ローラ上のトナー量及びコロトロンチャージャ15による供給ローラへの供給電荷量の制御としては次のようにすることができる。
湿式画像形成装置に、転写紙90の種類を検知する検知手段60を設け、該検知手段60により検知した結果を基に、湿式画像形成装置の有する制御手段としての制御回路61が、供給ローラ14のモータ62の回転数を制御し、供給ローラ14の表面の移動速度と電源51の出力の電流量が所定の値になるように制御してやればよい。
このようにすることで転写紙90の表面状態に応じて、適切に帯電したトナーを必要量、転写紙90に転移させることができ、常に高画質な画像を形成できる。
また、操作者の好みの画像濃度に変更できるようにし、操作者が操作パネルより、好みの濃度を指定し、該指定結果に基づき、湿式画像形成装置の有する制御回路が、供給ローラ14の表面の移動速度と電源51の出力の電流量が所定の値になるように制御しても良い。
液体現像液は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、前記トナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。
キャリア液としては、一般に電子写真用現像液に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができるが、中でも不揮発性の液体が好ましい。不揮発性液体としては、例えば、シリコンオイル、ミネラルオイル、パラフィンオイル、等の鉱物油等をあげることができる。
トナーとしては、一般に電子写真用現像液に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレンーアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を複数、混合して用いても良い。また、トナーの着色に用いられる顔料及び染料も一般に市販されているものを用いることができる。例えば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としては、ソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
現像液の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。例えば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ロールミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体を例えばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末を例えば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。
続いて、得られたトナーをキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。
この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、現像液を得ることができる。
本発明に係る湿式現像装置に使用する液体現像剤の粘度としては、1mPa・s〜10000mPa・sのものが好ましく、トナー濃度としては、10〜50質量%が好ましい。なお、現像液の粘度は、TAインスツルメント社製の粘度測定装置アレス(品番:FR−100)で測定した。
図4に、本発明の第2の実施形態の湿式現像装置101の概略図を示す。
第2の本実施形態は、汲み上げローラ19を用いた場合の例である。第1の実施形態と同じ構成要素には同じ番号を付し、説明は省略する。
現像剤槽1中の液体現像剤2は、汲み上げローラ19の回転(回転方向は図中C方向:供給ローラ14との接触部において表面が同じ方向に移動する。)により、汲み上げローラ19の表面に汲み上げられる。汲み上げローラ19は、表面に溝が形成された金属製のアニロックスローラを用いる。汲み上げローラ19上の湿式現像液2は、規制ブレード3により規制される。汲み上げローラ19には溝が設けられているため、液体現像剤は規制ブレード3によりローラ表面の溝部にのみ存在するように規制され、汲み上げローラ19上の液体現像剤量は溝の容積で決められる。このような構成とすることにより液体現像剤2の粘度の依存がなく、安定した液体現像剤の量を汲み上げローラ19の表面に担持することができる。
汲み上げローラ19は、供給ローラ14に所定の幅で接触(ニップ部)するように圧接されており、規制ブレード3で規制された後の汲み上げローラ19の溝の中にある液体現像剤はそのニップ部で供給ローラ14に転移する。汲み上げローラ19と供給ローラ14は同電位に構成されており、供給ローラ14上のトナー濃度は現像剤槽1中のトナー濃度と同じである。供給ローラ14上に転移したあとの動作は第1の実施形態と同様である。
現像ローラ4上の液体現像剤量を制御するには第1の実施形態と同様に供給ローラ14の表面の移動速度を変えるが、汲み上げローラ19も供給ローラ14と同速に制御する。
汲み上げローラ19表面には多数の溝が存在するため、供給ローラ14と汲み上げローラ19間で速度差があると供給ローラ14が削れ、問題となるため、汲み上げローラ19と供給ローラ14は同じ速度で同じ方向に回転させることが必要である。
汲み上げローラ19は供給ローラ14と別に駆動手段を設けても良いが、供給ローラ14に圧接させて、従動するようにしても良い。
図5に、本発明の第3の実施形態の湿式現像装置102の概略図を示す。
第3の実施形態の湿式現像装置102は、第2の実施形態において、現像剤槽1をなくし、別途配置した現像剤タンク(図示せず)からポンプにより送られた現像液を軸方向に複数個設けた現像剤供給口20から供給している。現像剤供給口20の下部にはガイド22が設けられており、現像液を汲み上げローラ19に導く。汲み上げローラ19端部等からこぼれる液体現像剤を受ける現像剤受け21を汲み上げローラ19下方に設けた。このような構成にすることで湿式現像装置102を小さくでき、湿式画像形成装置の構成の自由度が広がる。
また、第2及び第3の実施形態のように汲み上げローラ19を用いる場合には、現像ローラ4との接触部を通過した供給ローラ14上には、ほとんどキャリア液のみの層が存在しており、その状態で再び汲み上げローラ19とのニップ部に突入するとニップ中のトナー濃度が低下する。そのため、供給ローラ14に形成される液体現像剤のトナー濃度も低下する恐れがある。そのため、図6に示すように、現像ローラ4との接触部を通過した供給ローラ14上にクリーニングブレード22を設けても良い。
次に本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1〜7、比較例1と2)
図1に示す湿式画像形成装置を使用した。感光体5は直径210mmのアルミドラムに有機感光体膜(a−Si、膜厚35μm)を形成したものであり、回転周速を420mm/secに設定した。帯電装置12はスコロトロンチャージャーを用い、感光体5の表面電位が600Vになるようにした。露光装置13は半導体レーザで画像部分を露光した時に感光体5の表面電位が50Vとなるように設定した。
液体現像剤としては、キャリア液(松村石油製モレスコP120)にコニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)のカラー複写機C350内のブラックトナーを粉砕し、平均粒径2μm(SALD2200:島津製作所製で測定)としたものを添加した。トナー濃度を25質量%とし、粘度は100mPa・s(ARES:Rheometrics Scientific社製)とした。
湿式現像装置100の現像ローラ4の条件は以下のとおりである。
直径 :40mm
材質 :ポリウレタンゴム+カーボンブラック
体積抵抗率 :1.0×106Ω・cm
ゴム硬度 :40°(JIS A)
回転周速 :420mm/sec
現像バイアス電圧:400V
また、供給ローラ14の条件は以下のとおりである。
直径 :40mm
材質 :ポリウレタンゴム+カーボンブラック
体積抵抗率 :1.0×106Ω・cm
ゴム硬度 :60°(JIS A)
周速比(θ):0.8〜3.5(現像ローラ4の表面の移動速度に対する供給ローラ14の表面の移動速度の比)
周速比制御方法:供給ローラ軸に直結のモータ回転速度制御
供給ローラへ印加したバイアス電圧:600V(現像ローラ4と供給ローラ14の電位差:200V)
供給ローラの押し込み量(現像ローラとの接触位置から更に現像ローラ側に移動させ圧接状態にする移動量):0.1mm
また、電荷付与手段15にはコロトロンチャージャを用い、電源にはトレック社製のMODEL610Eをもちいて定電流制御とした。電流値は、供給ローラ14の周速が420mm/secの場合(θ=1)に供給ローラ14への流れ込み電流を200μAとした。周速比に対応して表1のように変化させた。
供給ローラ14の規制ブレード3としては、SUS0.15mmのブレードを用いた。液体現像剤は供給ローラ14の回転により汲み上げられ、金属製の規制ブレード3により規制される。供給ローラ上の液体現像剤量は、4.0g/m2であった。
感光体クリーニングブレードとしては、ウレタンゴム2mmのものを用い、クリーニング動作時、感光体の接線から20度の角度でカウンタに接している。圧接力は15N/mである。
中間転写体7は、直径100mmで、ウレタンゴム5mmの基材表面にウレタンコート0.03mmを施したものでる。
中間転写体クリーニングブレード10として、ウレタンゴム2mmのものを用い、クリーニング動作時、中間転写体7の接線から20度の角度でカウンタに接している。圧接力は15N/mである。
転写紙90としては、コート紙を用いた。
この条件で、供給ローラ14の周速度とコロトロンチャージャ15の電流値を表1のように変化させた。それぞれの条件で、規制後の供給ローラ14表面及び供給後の現像ローラ4表面の液体現像剤量、トナー量、キャリア液量、トナー濃度(TC質量%)を測定した。
現像ローラ4上の液体現像剤量は一定面積の現像液を布でふき取り、ふき取る前後の布の質量差とふき取り面積から算出する。供給ローラ14上の液体現像剤量も同様に求めた。供給ローラ14上のトナー濃度は液体現像剤作成時の濃度と変わらないため、供給ローラ14上のトナー量は液体現像剤量と液体現像剤のトナー濃度から求めることができる。この場合、供給ローラ14上の液体現像剤量は4.0g/m2で、トナー濃度が25質量%であることから供給ローラ14上のトナー量は1.0g/m2となる。現像ローラ4と供給ローラ14間にはトナーが全て移動するのに十分な電界が形成されており、現像ローラ4上のトナー量は供給ローラ14上のトナー量とθから求めることができる。トナーが現像ローラ4に全て移動ことは、現像ローラ4と供給ローラ14との接触部通過後の供給ローラ14表面を観察し、確認した。更に、トナー量と液体現像剤量からトナー濃度、キャリア液量を算出した。
評価としては、600dpiの書き込み手段により、1on/1offの横線画像を形成し、A4の用紙に10枚作成した後の画像ノイズ(縦スジ状濃度ムラ、背景部カブリ)を目視により観察した。画像ノイズの確認できないものを◎、わずかに確認できるが問題とならないレベルのものを○、確認できるが許容できるレベルのものを△、許容できないレベルのものを×とした。観察結果を表1に示す。
Figure 0004830978
(実施例8〜13)
実施例8及び9としては、実施例2に対して、転写紙90及び供給ローラ14の周速度とコロトロンチャージャ15の電流値を表2のように変化させた他は実施例2と同様に行った。予め転写紙90が上質紙の場合は、転写紙上に必要なトナー量は2.5g/m2で、マット紙の場合は、2.0g/m2であることが分かっている。
評価としては、600dpiの書き込み手段により、1on/1offの横線画像を形成し、A4の用紙に10枚作成した後、画像ノイズを実施例2と同様に行い、また、黒ベタ画像部の画像像度をX−Rite310濃測計(X−Rite Company製)により測定した。画像濃度が1.2〜1.5のものを○、0.8〜1.2未満又は1.5を越え、1.8以下のものを△、0.8未満又は1.8を越えるものを×とした。観察結果を表2に示す。
Figure 0004830978
表1から明らかなように現像ローラ4に対する供給ローラ14の周速比θを大きくすると現像ローラ4上のトナー濃度が上昇していることが分かる。このように現像ローラ4の表面移動速度よりも供給ローラ14の表面移動速度を大きくすることにより、現像ローラ4の表面の液体現像剤のトナー濃度を高くすることができ、感光体5への現像速度が速くなり、より高速な画像形成が可能となる。また、現像ローラ4上のキャリア液の量も少なくなるので、感光体5へのキャリア液の付着量も少なくなり、経済的になる。
また、供給ローラ14の表面移動速度は現像ローラ4の表面移動速度の1.5〜3倍が好ましいことが分かる。供給ローラ14の移動速度が3倍を超えると、供給ローラ14の掻き取り性が大きくなり、かえって現像ローラ4上の液体現像剤の層を乱していることが考えられる。
また、表2の結果より、転写紙90の種類に応じて供給ローラ14の表面移動速度と電荷付与手段の出力を制御することにより現像ローラ4上のトナー量と荷電量を適切に調整でき、常に良好な画像を形成することが可能となる。
本発明の第1の実施形態の湿式現像装置を用いた湿式画像形成装置を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態の湿式現像装置の概略構成図である。 本発明に係る現像剤担持体と供給部材の周速度(表面移動速度)の違いによる現像剤担持体上の液体現像剤のトナー濃度の違いを説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態の湿式現像装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態の湿式現像装置を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態の湿式現像装置の供給ローラ上にクリーニングブレードを設けた概略構成図である。
符号の説明
1 現像剤槽
2 液体現像剤
3 規制ブレード
4 現像ローラ
5 感光体
6 クリーニングブレード
7 中間転写体
8 感光体クリーニング装置
9 転写ローラ
10 中間転写体クリーニングブレード
11 除電ランプ
12 帯電装置
13 露光装置
14 供給部材
15 コロナチャージャー
19 汲み上げローラ
20 現像剤供給口
21 現像剤受け
22 ガイド
51、52 電源
90 転写紙
91 定着装置
100、101、102 湿式現像装置

Claims (4)

  1. トナーをキャリア液に分散した液体現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体と対向して配置され、前記液体現像剤を表面に担持し、該液体現像剤を前記現像剤担持体に供給する供給部材と、
    前記現像剤担持体と前記供給部材との間にバイアス電圧を印加する電源と、
    前記供給部材の表面の前記液体現像剤に電荷を与える電荷付与手段と、
    を有し、
    前記電荷付与手段により前記供給部材の表面の前記液体現像剤のトナーを帯電し、前記現像剤担持体と前記供給部材間に印加した前記バイアス電圧により前記供給部材の表面の帯電したトナーを前記現像剤担持体に転移させる湿式現像装置において、
    前記現像剤担持体と前記供給部材とが対向する対向部において、前記現像剤担持体の表面の移動方向と前記供給部材の表面の移動方向が同方向で、前記供給部材の表面の移動速度が、前記現像剤担持体の表面の移動速度よりも大きく、
    前記供給部材の表面の移動速度を可変する手段を備え、
    前記電荷付与手段により前記供給部材の表面に向けて放出する電荷の量を前記供給部材の表面の移動速度に応じて制御する制御手段を有することを特徴とする湿式現像装置。
  2. 前記供給部材の表面の移動速度は、前記現像剤担持体の表面の移動速度の1.5〜3倍であることを特徴とする請求項に記載の湿式現像装置。
  3. 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する手段と、該像担持体上の静電潜像を現像するための請求項に記載の湿式現像装置と、を備えたことを特徴とする湿式画像形成装置。
  4. 前記供給部材の表面の移動速度は、前記液体現像剤がトナー像として転写されることによって画像が形成される転写紙の表面の凹凸状態に応じて変化されることを特徴とする請求項3に記載の湿式画像形成装置。
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