JP6065760B2 - 湿式現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置、その他の電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、現像方式として湿式現像を採用した湿式現像装置および画像形成装置に関する。
従来、帯電している感光体を露光手段に依り露光して当該感光体に静電潜像を形成し、現像手段によりトナー粒子を感光体に付着させて静電潜像を顕像化してトナー粒子像を形成し、このトナー粒子像を転写媒体に転写するようにした電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。
現像手段の現像方式として、液体キャリアにトナー粒子を分散した現像液(湿式現像剤)を用いる湿式現像方式が知られている。湿式現像方式は、トナー粒子の平均粒子径が0.1μmm〜2μmmと小さいので高解像度の画像が得られる。さらに、湿式現像剤が液体のため流動性が高いことから、均一な画像が得られる。
湿式現像方式を用いる湿式現像装置は上記の高解像度・均一な画像というメリットから、商業印刷などの比較的プリントボリュームの大きい用途に用いられる。湿式現像装置としては、高速の印字速度、および、部品交換の手間の少ないことが求められる。そのため湿式現像装置を構成する各部材においては、部材間の摺擦などのストレスは高速化によって高くなる。
一方、湿式現像装置においては、ユーザー側での部品交換の手間を軽減するため、部品交換頻度を低減できるよう、部品の長寿命化を検討する必要がある。部品の長寿命化に関しては、部品に用いる材料および形状によって、部品の耐久性を高めることで、部品の耐ストレス性を向上させることができる。しかし、部品に用いる材料および形状だけでの対応には限界がある。今後益々、湿式現像装置の構成として、各部品にかかるストレスを軽減し、部品劣化を抑制することが求められる。
(感光体劣化の抑制)
湿式現像装置の重要な機能部材として感光体が挙げられる。現像部でのトナー粒子荷電が高いと、感光体にかかるストレスが高くなり、感光体劣化が促進する。すなわち、現像部でのトナー粒子荷電が高いと現像特性(現像ローラーから感光体へのトナー粒子移動効率。その現像バイアス依存特性。)が低効率側に移動するため、高い現像効率(現像ローラーから感光体へのトナー粒子移動効率)を得るためには現像バイアスを高くする必要がある。
現像効率が低いと、現像部まで搬送したトナー粒子のうち、感光体に移動し記録媒体上に印字されるトナー粒子量が少なくなるため、トナー粒子のロス、搬送に要したエネルギーのロスとなる。よって、現像効率は高くする必要がある。
現像バイアスを高く設定した場合に、感光体上の潜像背景部へのトナー粒子移動(背景部カブリ)を防止するには、感光体の潜像背景部の電位を高くする必要がある。現像バイアスを高く設定すると潜像背景部の電位を高くする必要がある理由については、後で説明する。
感光体の潜像背景部の電位を高く設定するには、感光体帯電装置の出力を高くする必要があり、感光体帯電装置からの放電による、感光体への放電ストレスが高くなり感光体劣化を促進してしまう。
また、現像バイアスを高く設定すると、感光体の潜像電位と現像バイアス電位との差が大きくなり、感光体に働く電界が強くなる。その結果、感光体への電気的なストレスが高くなり、感光体劣化を促進してしまう。
よって、感光体劣化を抑制するためには、現像部でのトナー粒子荷電は、画像品質を劣化させない限り、なるべく低い領域に制御する必要がある。
(背景部カブリについて)
感光体上の静電潜像は、感光体表面の電位が感光体潜像電位に設定された画像部と、背景部電位に設定された背景部とを含み、潜像電位と背景部電位とのコントラストにより、現像ローラーから感光体へのトナー粒子移動をオン/オフ制御して画像を形成している。
画像部においては、現像ローラーに印加された現像バイアスと感光体画像部電位とが形成する電界は、現像ローラー上の帯電したトナー粒子を感光体側に電気的に吸引するように感光体画像部電位が設定される。これにより画像部ではトナー粒子は感光体上に移動し、トナー粒子が付着して画像部が形成されている。
背景部においては、現像ローラーに印加された現像バイアスと感光体背景部電位とが形成する電界は、現像ローラー上の帯電したトナー粒子を現像ローラー側に電気的に吸引するように感光体背景部電位が設定される。これにより背景部ではトナー粒子は現像ローラーに保持され、感光体へは移動しないことで、トナー粒子の付着しない背景部が形成されている。
しかし、現像バイアスが高くなったり、感光体背景部電位が低くなったりすると現像バイアスと感光体背景部電位とが形成する電界は小さくなり、帯電したトナー粒子を現像ローラー側に電気的に吸引する力が弱くなる。
現像ローラー側に吸引する力が弱くなるとトナー粒子を現像ローラーに保持することができず、部分的にトナー粒子が感光体へ移動してしまう現象が起こる。このように背景部のトナー粒子が感光体へ移動してしまうと、画像上背景部にトナー粒子が付着してしまう。これが、背景部カブリとなる。
背景部カブリを防止するには、現像バイアスと感光体背景部電位とが形成する電界(電位差)は常に一定以上の大きさになるよう、現像バイアスに応じて感光体背景部電位を、または感光体背景部電位に応じて現像バイアスを適度に制御する必要がある。
よって上記のとおり現像部のトナー粒子荷電が高く、現像バイアスを高くする必要がある場合には、背景部カブリを防止するためには感光体背景部電位も高くする必要がある。
上記は現像部での現像ローラー上のトナー粒子が、所望の極性、所望の荷電量に制御できているトナー粒子(正規帯電トナー粒子)である場合に、現像バイアスと感光体背景部電位との電位差の異常により発生する背景部カブリである。現像バイアスと感光体背景部電位との電位差を所望の電位差(背景部カブリが発生しない電位差)に制御できていても、現像ローラー上のトナー粒子荷電の異常により背景部カブリが発生することもある。
すなわち、現像ローラー上のトナー粒子は、現像部に至るまでの間に種々の手段により荷電付与されている。現像部では一部のトナー粒子は所望の荷電量よりも低い荷電量に減衰してしまうことがある。背景部において現像バイアスと感光体背景部電位とが形成する電界(電位差)が正常であっても、正規帯電トナー粒子には現像ローラー側に吸引する電気的な力が働くが、上記のような低荷電量トナー粒子には現像ローラー側に吸引する電気的な力が弱くなる。現像ローラー側に吸引する力が弱くなるとトナー粒子を現像ローラーに保持することができず、部分的にトナー粒子が感光体へ移動してしまい背景部カブリになる。
トナー粒子に付与されたトナー粒子荷電は、現像ローラーおよび/または気中水分へと流れ出ることで、荷電減衰する。荷電減衰はトナー粒子特性、環境、現像ローラー物性、トナー粒子履歴等の影響によりばらつくため、均一に減衰することはなく、必ずばらつきを持って減衰することになる。低荷電量トナー粒子による背景部カブリを防止するためには、現像部では荷電減衰したトナー粒子であっても現像ローラー側に電気的に吸引されるよう、あらかじめトナー粒子に高めの荷電をトナー粒子に付与しておく必要がある。
現像部で感光体に現像する現像装置の構成としては、感光体に転接して潜像を現像する現像ローラー、現像ローラーに転接して現像剤を供給する供給ローラーを始めとした、複数の転接するローラー部材による構成が知られている。
このような複数のローラー部材を備える現像装置において、種々の理由により最下流の現像ローラー上ではなく、上流のローラー上にトナー粒子に荷電を付与するトナー粒子荷電付与部材を設けることがある。たとえば特開2008−299065号公報(特許文献1)および特開2012−68372号公報(特許文献2)は、現像ローラーに供給ローラーが転接し、供給ローラー上にトナー粒子荷電付与部材を設けている。
このような現像装置において、更に下流側のローラー上にも荷電を付与するトナー粒子荷電付与部材を設けることができ、たとえば、特許文献2では、現像ローラー上にも同極性のトナー粒子荷電付与部材を設けている。
このように上流のローラー上のトナー粒子荷電付与部材(上流側トナー粒子荷電付与部材)と下流のローラー上のトナー粒子荷電付与部材(下流側トナー粒子荷電付与部材)と、2つのトナー粒子荷電付与部材でトナー粒子に荷電を付与する理由とその効果は種々ある。
たとえば、現像部に至る前に現像剤中のトナー粒子間、トナー粒子とローラー間の吸着を強め、現像部でトナー粒子と液体キャリアとの分離を良好にする。他に、移動中に荷電減衰したトナー粒子を下流側トナー粒子荷電付与部材で再荷電して、低荷電量トナー粒子による背景部カブリを防止する。
従来から現像ローラー上または供給ローラー上の現像残現像剤薄層に対して、トナー粒子荷電付与部材により、現像部でのトナー粒子荷電と逆極性の荷電を付与し、現像残トナー粒子を除電しクリーニング部材でクリーニングしやすくするトナー粒子荷電付与部材(除電トナー粒子荷電付与部材)が広く用いられている。
特開2008−299065号公報 特開2012−68372号公報
上述した現像装置では、現像部でのトナー粒子荷電を高い領域にしか制御できず、感光体劣化を促進し短寿命にしてしまう課題がある。
上流側トナー粒子荷電付与部材と下流側トナー粒子荷電付与部材との2つのトナー粒子荷電付与部材で同極性の荷電をトナー粒子に付与した場合、現像部でのトナー粒子荷電は上流側トナー粒子荷電付与部材で付与されたトナー粒子荷電よりも低い領域には制御できない。
特に、上流側トナー粒子荷電付与部材で付与したトナー粒子荷電は転接部での移動、および、ローラー部材の駆動による搬送を経る間に荷電減衰する。荷電減衰したトナー粒子が現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリにならないよう、下流側トナー粒子荷電付与部材で電荷付与すると、元々荷電減衰が少なく荷電を維持していたトナー粒子にも電荷付与するため、更に高荷電になり、トナー粒子荷電を低い荷電領域に制御することができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、現像部でのトナー粒子荷電を低い荷電領域にも制御可能とする、湿式現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の湿式現像装置は、トナー粒子およびキャリア液を含む湿式現像剤を表面に担持し、潜像担持体と共に回転しながら現像部で上記潜像担持体上の静電潜像に上記トナー粒子を現像する現像剤担持体と、転接部で上記現像剤担持体に転接して、表面に担持した上記湿式現像剤を上記現像剤担持体に供給する供給部材と、上記現像剤担持体および上記供給部材上の上記湿式現像剤の移動方向の上記現像部に近い側を下流側、上記湿式現像剤の上記供給部材への供給開始位置に近い側を上流側とし、上記供給部材上において、上記供給部材の回転方向の上記転接部よりも上流側に配置され、上記供給部材に担持される上記トナー粒子に荷電を付与する上流側荷電付与部材と、上記現像剤担持体上において、上記現像剤担持体の回転方向の上記転接部と上記現像部との間に配置され、上記現像剤担持体に担持される上記トナー粒子に荷電を付与する下流側荷電付与部材とを備える。
上記下流側荷電付与部材は、上記上流側荷電付与部材が上記トナー粒子に付与する荷電極性と逆極性の荷電を上記トナー粒子に付与する。
他の形態においては、上記上流側荷電付与部材の上記トナー粒子に付与する荷電極性は、上記現像部の上記トナー粒子の荷電極性と逆極性であり、上記下流側荷電付与部材から上記現像剤担持体に流れ込む電流は、上記上流側荷電付与部材から上記供給部材に流れ込む電流より大きい。
他の形態においては、上記上流側荷電付与部材の上記トナー粒子に付与する荷電極性は、上記現像部の上記トナー粒子の荷電極性と同極性であり、上記下流側荷電付与部材から上記現像剤担持体に流れ込む電流は、上記上流側荷電付与部材から上記供給部材に流れ込む電流より小さい。
他の形態においては、上記現像剤担持体上において、上記現像剤担持体の回転方向の上記転接部と上記下流側荷電付与部材との間に配置され、上記現像剤担持体に担持される上記トナー粒子に荷電を付与する現像荷電付与部材をさらに備え、上記現像荷電付与部材の上記トナー粒子に付与する荷電極性は、上記現像部の上記トナー粒子の荷電極性と同極性である。
他の形態においては、上記下流側荷電付与部材から上記現像剤担持体に流れ込む電流は、上記上流側荷電付与部材から上記供給部材に流れ込む電流に応じて制御される。
他の形態においては、上記下流側荷電付与部材は、交流バイアスからなる交番電界を上記現像剤担持体に担持される上記トナー粒子に出力し、上記交番電界は、時間変動する間に上記上流側荷電付与部材が上記トナー粒子に付与する荷電の極性と逆極性になる。
本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、上述のいずれかに記載の湿式現像装置と、上記潜像担持体上に現像された画像を記録媒体に定着させる転写ユニットとを備える。
この発明によれば、現像部でのトナー粒子荷電を低い荷電領域にも制御可能とする、湿式現像装置および画像形成装置を提供する。
関連技術における湿式画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。 関連技術における湿式現像装置の概略構成図である。 関連技術における他の形態の湿式現像装置の概略構成図である。 トナー粒子への荷電付与部材である帯電チャージャーの構成を示す図である。 供給ローラーに流れ込む電流(μA)と電源から流れる電流(μA)との関係を示す図である。 関連技術の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 関連技術の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の別の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 実施の形態1の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像部、(D)は現像部(負)でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 実施の形態2の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 実施の形態3の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 実施の形態4の湿式現像装置の概略構成図である。 実施の形態4の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像チャージ前、(D)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 実施の形態4の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像チャージ前、(D)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 実施の形態4の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の他の概念図であり、(A)は上流チャージ後、(B)は下流チャージ前、(C)は現像部でのトナー粒子荷電量分布を示す図である。 本実施例および比較例において採用した湿式現像装置を用いた湿式画像形成装置によって記録媒体に転写される画像(チャート)を示す図である。 比較例1において、下流側帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を、0μA〜60μAまで変化させた結果を示す図である。 比較例1において、下流側帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を40μAとし、現像ローラーに印加するバイアス(V)を400V〜500Vまで変化させた結果を示す図である。 比較例2において、下流側帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を0μAとし、下流側帯電チャージャーによるトナー粒子薄層への荷電付与をしなかった結果、および、実施例1における、下流側帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を負極性とし、−20μA〜−60μAまで変化させた結果を示す図である。 実施例1において、現像ローラーに印加するバイアスを400V〜500Vまで変化させた結果を示す図である。 実施例2において、帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を140μA〜200μAまで変化させた結果を示す図である。 実施例3において、下流側帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を−160μAとし、現像帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を80μA〜140μAまで変化させた結果を示す図である。 実施例4において、下流側帯電チャージャーに印加するバイアスを交流重畳バイアスとし、交流電圧(8kVp−p/600Hz)に直流電流(5μA)を重畳して印加してトナー粒子薄層を除電し、現像帯電チャージャーから現像ローラーへの流れ込み電流を60μA〜120μAまで変化させた結果を示す図である。 実施例6における下流側帯電チャージャー(スコロトロン帯電器)の構成を示す図である。
本発明に基づいた実施の形態における湿式現像装置およびこの湿式現像装置を備える湿式画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
(関連技術:湿式画像形成装置100)
以下、図1を参照して、まず、関連技術における湿式画像形成装置100(画像形成装置)について説明する。図1は、関連技術における湿式画像形成装置100の一例を説明する概略構成図である。ドラム状の潜像担持体である感光体110が設けられ、感光体110の周辺には矢印で示す回転方向の順に湿式現像装置150、中間ロール161、クリーニング装置101、帯電装置105、および露光装置106がそれぞれ配置される。感光体110、クリーニング装置101、帯電装置105、および露光装置106により感光体ユニット119を構成する。
感光体110の表面は、帯電装置105により所定の表面電位に一様に帯電される。次に、感光体110の表面に、画像情報の露光を行ない、感光体110の表面に静電潜像を形成する。
次に、感光体110上の静電潜像は、湿式現像装置150によりトナー粒子およびキャリア液を含む湿式現像剤146で現像され、感光体110の表面にトナー粒子像が形成される。このとき、トナー粒子だけでなくキャリア液も感光体110の表面に付着する。湿式現像剤146は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナー粒子と、トナー粒子を分散させる分散剤とを主要成分としている。
感光体110の表面に形成されたトナー粒子像は、中間ロール161に転写される。中間ロール161に転写されたトナー粒子像は、加圧ローラー102との間で記録媒体191へ二次転写されて、画像が形成される。プレ加熱装置192は、定着ローラー対193より上流で、記録媒体191を加熱する装置である。プレ加熱装置192は、画像形成と共に記録媒体191に含侵したキャリア液の揮発を促進させる。その後、定着ローラー対193を用いて画像が記録媒体191に定着される。
中間ロール161、加圧ローラー102、プレ加熱装置192、および、定着ローラー対193により、感光体110上に現像された画像を記録媒体191に定着する転写ユニット160を構成する。
湿式画像形成装置100では、装置各部に与えるバイアス電位を始めとする様々な要素からなる画像形成条件を変化させることで、画像濃度などの画像品質を制御する。個体差、経時変化、および、温湿度など、湿式画像形成装置100の周囲環境の変化に起因してトナー粒子像の画像濃度が異なることがある。そこで、上記要素のうち画像濃度に影響を与える画像形成条件を調整し、適正な画像濃度および適正な画像品質が得られるよう濃度制御が行なわれる。
図1に示す湿式画像形成装置100は、感光体110と湿式現像装置150とを1組のみもつ単色の湿式画像形成装置を示している。感光体110および湿式現像装置150を4組用意しそれぞれに、シアン(水色)、マゼンタ(赤紫色)、イエロー(黄色)、およびブラック(黒色)の各色の画像形成をさせ、中間ロール161上で重ね合わせる構成にしたカラーの湿式画像形成装置でもよい。その他、従来から用いられる電子写真各プロセス技術は、湿式画像形成装置の目的に応じて任意の構成と組み合わせることができる。
(湿式現像剤について)
現像に用いる湿式現像剤146について説明する。湿式現像剤146は、溶媒であるキャリア液体中に着色されたトナー粒子を高濃度で分散している。また湿式現像剤146には、分散剤、荷電制御剤などの添加剤を適宜、選んで添加してもよい。
キャリア液としては、絶縁性の溶媒が用いられる。トナー粒子は、主として樹脂と着色のための顔料および/または染料を含む。樹脂には、顔料および/または染料をその樹脂中に均一に分散させる機能と、記録材に定着される際のバインダとしての機能とを有する。
トナー粒子としては、一般に電子写真用の湿式現像剤146に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー粒子用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、その他の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂を複数、混合して用いることも可能である。
トナー粒子の着色に用いられる顔料および/または染料も一般に市販されているものを用いることができる。トナー粒子の体積平均粒子径は、0.1μmm以上、5μmm以下の範囲が適当である。トナー粒子の平均粒子径が0.1μmmを下回ると現像性が大きく低下する。一方、平均粒子径が5μmmを超えると画像の品質が低下する。
湿式現像剤146の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラーミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナー粒子を得ることができる。
得られたトナー粒子をキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、湿式現像剤146を得ることができる。湿式現像剤146に対するトナー粒子の割合は、10質量%〜50質量%程度が適当である。
10質量%未満の場合、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性に問題がある。さらに、必要な画像濃度を得るため、多量の現像剤を供給する必要があり、紙上に付着するキャリア液が増加し、定着時に乾燥せねばならず、蒸気が発生し環境上の問題が生じる。50質量%を超える場合には、湿式現像剤146の粘度が高くなりすぎ、製造上も、取り扱いも困難になる。
本実施の形態においては、ポリエステル樹脂を100部および銅フタロシアニン15部をヘンシェルミキサー(登録商標)で十分混合した後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行ない、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナー粒子を得た。
IPS2028(出光興産社製)75部、粗粉砕トナー粒子を25部、分散剤としてV216(IPS社製)を0.8部混合し、サンドミルにより4日間湿式粉砕し、湿式現像剤を得た。なお、その時の粒径は2.0μmmであった。トナー粒子の粒径はレーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2200(島津製作所社製))にて測定した。
(湿式現像装置150)
次に、図2を参照して、関連技術における湿式現像装置150について説明する。図2は、関連技術における湿式現像装置150の概略構成図である。着色剤と樹脂からなるトナー粒子とその粒子を分散させる分散媒とからなる湿式現像剤146が現像剤槽145中に貯められている。
供給ローラー130は一部が湿式現像剤146中に浸漬され、図中矢印方向に回転する。その回転により湿式現像剤146は汲みあげられ、供給ローラー130に当接して設けられた規制ブレード141により一定の膜厚に規制される。一定の膜厚に規制された後、供給ローラー130の回転により湿式現像剤はトナー粒子への上流側荷電付与部材としての上流側帯電チャージャー131の対向部へ搬送され、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130へ流れ込む電流により湿式現像剤中のトナー粒子は帯電する。
なお、感光体110および供給ローラー130上の湿式現像剤146の移動方向の現像部n1に近い側を下流側、湿式現像剤146の供給ローラー130への供給開始位置に近い側を上流側とする。
上流側帯電チャージャー131により帯電された湿式現像剤146は、現像剤担持体としての現像ローラー120との転接部n2に移動する。現像ローラー120は供給ローラー130に当接しており転接部n2で表面が供給ローラー130表面と同じ方向(図中矢印方向)に回転している。
現像ローラー120と供給ローラー130との間にはトナー粒子が現像ローラー120側に転移するような電界が形成されており、その電界により現像ローラー120との転接部n2に侵入したトナー粒子は供給ローラー130表面から現像ローラー120表面側に移動する。
電界により現像ローラー120上に形成されたトナー粒子薄層は、現像ローラー120の回転によりトナー粒子への下流側荷電付与部材としての下流側帯電チャージャー121の対向部へ搬送され、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120へ流れ込む電流によりトナー粒子薄層中のトナー粒子は再度、帯電する。トナー粒子薄層は、現像ローラー120の回転により感光体110への現像部n1に搬送される。現像部n1に侵入したトナー粒子は感光体110上の静電潜像を現像する。
現像に使用されず現像ローラー120上に残存した湿式現像剤146は、クリーニング装置122により回収される。クリーニング装置122により回収された湿式現像剤146は、元の湿式現像剤146とトナー粒子濃度が異なるため、現像剤槽145とは別のタンク(図示せず)に回収され、トナー粒子濃度を調整後、再び現像剤槽145に戻される。
供給ローラー130は、ウレタンまたはNBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴムローラー、表面に凹部を設けたアニロックスローラーを用いることができる。現像ローラー120は、ウレタンまたはNBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴムローラーを用いることができる。
(湿式現像装置150A)
図3に、関連技術における他の形態の湿式現像装置150Aの概略構成図を示す。図2においては、現像ローラー120と供給部材としての供給ローラー130とが転接する、2本のローラー部材からなる湿式現像装置150を図示している。しかし、3本以上のローラー部材を含む湿式現像装置であってもよい。図3に示す湿式現像装置150Aは、現像ローラー120と供給ローラー130と汲み上げローラー140とが転接する、3本のローラー部材を含む。
湿式現像剤146中に汲み上げローラー140を浸漬し、図中矢印方向に回転する。その回転により湿式現像剤146は汲みあげられ、汲み上げローラー140に当接して設けられた規制ブレード141により一定の膜厚に規制される。一定の膜厚に規制された後、汲み上げローラー140の回転により湿式現像剤146は供給ローラー130との転接部に移動する。
供給ローラー130との転接部n3に侵入したトナー粒子の一部は汲み上げローラー140表面から供給ローラー130表面側に移動する。供給ローラー130上に形成されたトナー粒子薄層は供給ローラー130の回転により上流側帯電チャージャー131の対向部へ搬送され、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130へ流れ込む電流により湿式現像剤中のトナー粒子は帯電する。以下、図2に示す2本のローラー部材を含む湿式現像装置150と同様の動作により、この湿式現像装置150Aも感光体110上の静電潜像を現像することができる。
汲み上げローラー140は、ウレタンまたはNBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴムローラー、表面に凹部を設けたアニロックスローラーを用いることができる。供給ローラー130、および、現像ローラー120は、ウレタンまたはNBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴムローラーを用いることができる。
図3に示す湿式現像装置150Aにおいては、上流側帯電チャージャー131は供給ローラー130に対向して設けられた例を図示している。しかし、上流側帯電チャージャー131を汲み上げローラー140の回転方向の、規制ブレード141より下流、供給ローラー130との転接部より上流に設けてもよい。規制ブレード141により一定の膜厚に規制された湿式現像剤を上流側帯電チャージャー131によりトナー粒子を帯電し、その後、汲み上げローラー140と供給ローラー130との転接部n2に侵入したトナー粒子が供給ローラー130に移動する。
この場合、下流側帯電チャージャー121を現像ローラー120ではなく、供給ローラー130の回転方向の、汲み上げローラー140との転接部より下流、現像ローラー120との転接部寄り上流に設け、汲み上げローラー140から供給ローラー130に移動した湿式現像剤を下流側帯電チャージャー121によりトナー粒子を帯電するが、その後、供給ローラー130と現像ローラー120との転接部n2に侵入したトナー粒子が現像ローラー120に移動するようにしてもよい。
図2に示す2本のローラー部材を含む湿式現像装置150、および、図3に示す3本のローラー部材から成る湿式現像装置150Aの構成は一例であって、ローラーの本数、各ローラーの回転方向、各ローラーの回転速度、ローラーとローラーとの間に形成される電界などは、現像ローラー120上に均一なトナー粒子薄層を形成するために適宜設定されればよい。したがって、以下に示す各実施の形態の構成は、上記本関連技術の構成に限定されるものではない。
以下に説明する本実施の形態は、複数のローラー部材からなり、2本以上のローラー部材に対向して帯電チャージャーが設けられ、各帯電チャージャーは対向するローラーの回転方向の、現像部に供給されていく現像剤が担持される側に対向して設けられ、帯電チャージャーからローラーへ流れ込む電流により、現像部に供給されていく湿式現像剤中のトナー粒子を帯電する現像装置に関わる。
(トナー粒子への荷電付与部材)
図4に、以下に示す各実施の形態で用いられるトナー粒子への荷電付与部材である上流側帯電チャージャー131(下流側帯電チャージャー121も同じ構成)の構成を示す。ここでは、上流側帯電チャージャー131の構成につて説明する。上流側帯電チャージャー131は、ワイヤー21の周りにケーシング22が設けられており、ケーシング22はアースに接続されている。その結果、ワイヤー21からの電流は供給ローラー130およびケーシング22に流れ込む。
図5に、供給ローラーに流れ込む電流(μA)と電源から流れる電流(μA)との関係を示す。ワイヤー21は電源(図示せず)に接続されており、その電源から流れる電流と供給ローラー130に流れ込む電流とは、図5に示すように比例関係となる。現像ローラー120の場合も同様である。
よって、電源から流れる電流を調整することで上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流を制御することができる。同様に電源の電圧を制御することで供給ローラー130に流れ込む電流を制御することもできるため、電源の電圧を調整してもよい。下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流を制御する場合も同様であり、電源の電圧を調整する点も同様である。
(湿式現像装置(電子写真装置)の現像方式)
再び、図2を参照して、湿式現像装置150は、その現像方式によって、正転現像方式と反転現像方式に大別される。
(正転現像方式)
正転現像方式では、感光体110の未露光部分(露光装置106により露光されない部分)に感光体110の帯電極性と逆極性のトナー粒子を付着させて静電潜像を現像する。現像部のトナー粒子の帯電極性が正極性である場合について、より詳細に説明する。
感光体110の表面は、帯電装置105により、現像部のトナー粒子の帯電極性とは逆極性の負極性に一様に帯電され、表面の電位は感光体画像部電位になる。露光装置106により画像上で着色しないエリアに対して露光を行ない、露光されたエリアの表面電位は弱められ感光体背景部電位になり、感光体110の表面に静電潜像が形成される。
現像ローラー120は負極性のバイアスを印加され、感光体画像部電位と感光体背景部電位の中間の負極性の電位に設定される。現像部の正極性に帯電したトナー粒子およびキャリア液を含む湿式現像剤146は、画像部と背景部とで電界の作用により以下のように電気的な吸引力をうける。
静電潜像の画像部は、露光装置106に弱められることなく、負極性の感光体画像部電位を帯びている。現像ローラー120の電位よりも感光体画像部電位の方が負極性の高い電位のため、正極性のトナー粒子は電界の作用により感光体110側に吸引され、感光体110に移動する。
静電潜像の背景部は、露光装置106に弱められ、負極性の弱い感光体背景部電位を帯びている。感光体背景部電位よりも現像ローラー120の方が負極性の高い電位のため、正極性のトナー粒子は電界の作用により現像ローラー120側に吸引され、感光体110に移動しない。以上の作用により感光体110表面の静電潜像は現像される。
現像部のトナー粒子の帯電極性が負極性である場合には、感光体画像部電位と感光体背景部電位とは正極性になり、現像ローラー120には正極性のバイアスが印加され、感光体画像部電位と感光体背景部電位との中間の正極性の電位に設定される。画像部では負極性のトナー粒子は、現像ローラー120よりも正極性の高い電位である感光体画像部電位に電気的に吸引され、感光体110に移動する。
背景部では負極性のトナー粒子は、感光体背景部電位よりも正極性の高い電位である現像ローラー120に電気的に吸引され、感光体110に移動しない。以上の作用により感光体110表面の静電潜像は現像される。
(反転現像方式)
反転現像方式では、感光体110の露光部分(露光装置106により露光された部分)に感光体110の帯電極性と同極性のトナー粒子を付着させて静電潜像を現像する。
現像部のトナー粒子の帯電極性が正極性である場合について、より詳細に説明する。感光体110の表面は、帯電装置105により、現像部のトナー粒子の帯電極性と同極性の正極性に一様に帯電され、表面の電位は感光体背景部電位になる。露光装置106により画像上で着色するエリアに対して露光を行ない、露光されたエリアの表面電位は弱められ感光体画像部電位になり、感光体110の表面に静電潜像が形成される。
現像ローラー120は正極性のバイアスを印加され、感光体画像部電位と感光体背景部電位の中間の正極性の電位に設定される。現像部の正極性に帯電したトナー粒子およびキャリア液を含む湿式現像剤146は、画像部と背景部で電界の作用により以下のように電気的な吸引力をうける。
静電潜像の画像部は、露光装置106に弱められ、正極性の弱い感光体画像部電位を帯びている。感光体画像部電位よりも現像ローラー120の電位の方が正極性の高い電位のため、正極性のトナー粒子は電界の作用により感光体110側に吸引され、感光体110に移動する。
静電潜像の背景部は、露光装置106に弱められることなく、正極性の感光体背景部電位を帯びている。現像ローラー120よりも感光体背景部電位の方が正極性の高い電位のため、正極性のトナー粒子は電界の作用により現像ローラー120側に吸引され、感光体110に移動しない。以上の作用により感光体110表面の静電潜像は現像される。
現像部のトナー粒子の帯電極性が負極性である場合には、感光体画像部電位と感光体背景部電位は負極性になり、現像ローラー120には負極性のバイアスが印加され、感光体画像部電位と感光体背景部電位との中間の負極性の電位に設定される。画像部では負極性のトナー粒子は、現像ローラー120よりも負極性の低い電位である感光体画像部電位に電気的に吸引され、感光体110に移動する。
背景部では負極性のトナー粒子は、感光体背景部電位よりも正極性の低い電位である現像ローラー120に電気的に吸引され、感光体110に移動しない。以上の作用により感光体110表面の静電潜像は現像される。
(湿式現像装置150(150A)のトナー粒子荷電量分布)
図2および図3に示す関連技術における湿式現像装置150(150A)を参照して、トナー粒子荷電量分布の変化を説明する。この例においては、上流側に位置する供給ローラー130上に上流側帯電チャージャー131が設けられ、下流側に位置する現像ローラー120上に下流側帯電チャージャー121が設けられている。
以下の説明においては、現像部でのトナー粒子の荷電極性は正極性である場合を例として説明する。すなわち、感光体110の表面電位が負極性である正転現像方式か、感光体110の表面電位が正極性である反転現像方式の場合を例として説明する。
図6は、関連技術の湿式現像装置150のトナー粒子荷電量分布の概念図である。横軸が荷電量を表し、横軸の中心は荷電がキャンセルされた状態で、グラフの右に行くほど正極性に高荷電量、左に行くほど負極性の高荷電量を表す。縦軸は当該荷電量のトナー粒子個数を表し、グラフの上にいくほど当該荷電量のトナー粒子が多いことを表す。現像部で正極性のトナー粒子を現像する例を示し、グラフの点線は、現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する、トナー粒子荷電量の閾値を表す。
上述の湿式現像装置の動作により、トナー粒子薄層は上流側帯電チャージャー131を通過する際にトナー粒子が帯電され、上流側帯電チャージャー131の通過直後は、図6(A)のような正極性の荷電量分布をもつようになる。図6(A)において「上流チャージ後」と示す。以下、同様である)。
その後、トナー粒子薄層は供給ローラー130から現像ローラー120に移動され、下流のローラー(現像ローラー120)に到達するが、ローラー間の移動などの履歴を経てトナー粒子荷電は減衰し、図6(B)のように分布はブロードになる(裾が拡大する状態になる)。
特に荷電が減衰し低荷電量トナー粒子が増える方向に変化するため、図6(B)のように荷電分布の左側の肩(低荷電量側)がブロードになり、裾の長い分布になる。
ここで、図6(B)に示すように荷電減衰して低荷電量になったトナー粒子の一部は、低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する閾値以下の荷電量になっているため、下流側帯電チャージャー121で再荷電することなく、トナー粒子薄層が現像部に至った場合、これらの低荷電量トナー粒子は、背景部であっても感光体側に移動し、画像上に背景部カブリが発生する。
そこで、下流側帯電チャージャー121においてトナー粒子薄層を再荷電することが有効である。下流側帯電チャージャー121で正極性に再荷電することにより、図6(C)のように荷電量分布を正極性の高荷電量側にシフトさせ、荷電分布の左側の肩(低荷電量側)のトナー粒子であっても、現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する閾値以上の荷電量にし、背景部カブリを防止することができる。
しかし、荷電減衰の少なかったトナー粒子も再荷電されるため、荷電量分布は図6(C)のように高荷電量側にシフトする。このため現像部での荷電量分布は、図6(C)のように、上流側帯電チャージャー131直後の図6(A)よりも高荷電量側にしか制御できない。
図7に、関連技術の湿式現像装置150のトナー粒子荷電量分布の別の概念図を示す。図7の概念図で示される例は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流が大きく設定され、上流側帯電チャージャー131による供給ローラー130上のトナー粒子薄層の荷電が高い場合を示している。
上流側帯電チャージャー131を、現像ローラー120ではなく上流の、たとえば供給ローラー130に予め設ける理由には様々なものがあるが、場合によっては上流側帯電チャージャー131でトナー粒子薄層に高い荷電量を付与することが必要になる。
たとえば、現像ローラー120は供給ローラー130に当接しており転接部n2で表面が供給ローラー130の表面と同じ方向に回転しているが、同じ方向に回転し且つ表面の速度差が小さい場合には転接部n2の湿式現像剤146の動きによりトナー粒子薄層が乱されて画像上にムラが発生することがある。
これを防止するためにはトナー粒子薄層に荷電を付与し、現像ローラー120と供給ローラー130との間に、トナー粒子が現像ローラー120側に転移するような電界を形成する。その電界により転接部n2に侵入したトナー粒子を供給ローラー130表面から現像ローラー120表面側に移動するのが有効である。このような場合、上流側帯電チャージャー131がトナー粒子薄層に付与する荷電量を高くしなければならないことがある。
上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を大きくすると、上流側帯電チャージャー131通過直後のトナー粒子薄層は、図7(A)のように正極性の高い荷電量分布をもつようになる。
その後、トナー粒子薄層は下流側帯電チャージャー121に到達するが、履歴を経て荷電減衰し、図7(B)のように分布はブロードになる。特に荷電分布の左側の肩(正極性の低荷電量側)がブロードになり裾の長い分布になる。
上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を大きくすると、図7(B)に示すように荷電減衰しても、低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する閾値以下の荷電量になはならないため、下流側帯電チャージャー121で再荷電することなく、トナー粒子薄層が現像部に至った場合でも画像上の背景部カブリは発生しない。
下流側帯電チャージャー121で再荷電しなかった場合の現像部の荷電量分布を図7(C)に示す。下流側帯電チャージャー121で再荷電すると現像部の荷電量分布は正極性の高荷電量側、即ちグラフの右方向にシフトするため、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を大きくした場合、現像部の荷電量分布は低くても図7(C)のようになり、下流側帯電チャージャー121で再荷電した場合には図7(C)よりも更に高い荷電量分布になる。
このように関連技術の湿式現像装置150では、上流側帯電チャージャー131で付与したトナー粒子荷電量分布よりも現像部でのトナー粒子荷電量分布を低く制御することができないため、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を大きくすると、現像部での荷電量分布は図7(C)のように、上流側帯電チャージャー131の図7(A)よりも高荷電量側にしか制御できない。
上記のとおり、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流の大小、上流側帯電チャージャー131による供給ローラー130上のトナー粒子薄層の荷電が高低に関わらず、関連技術の湿式現像装置150では現像部の荷電量分布を上流側帯電チャージャー131直後よりも低荷電量側に制御することはできない。
また、荷電分布の左側の肩(低荷電量側)がブロードになり、裾の長い分布になっているため、現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリを防止するために閾値以上の荷電量になるよう、下流側帯電チャージャー121で荷電量分布を正極性の高荷電量側にシフトさせた場合、トナー粒子薄層全体としてはどうしても高荷電量になってしまう。湿式現像装置150Aの場合でも同様である。
(実施の形態1)
次に、実施の形態1の湿式現像装置について詳細に述べる。本実施の形態の湿式現像装置の概略構成図は、図2および図3に示した湿式現像装置150(150A)と構成は同様である。以下の各実施の形態では、湿式現像装置150と総称する。
ただし、下流側帯電チャージャー121には、上流側帯電チャージャー131とは逆極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131が付与する荷電とは逆極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
図8は、本実施の形態の湿式現像装置150のトナー粒子荷電量分布の概念図である。トナー粒子薄層は上流側帯電チャージャー131を通過する際にトナー粒子が帯電され、上流側帯電チャージャー131通過直後は、図8(A)のような正極性の荷電量分布をもつようになる。
ここで、下流側帯電チャージャー121には、上流側帯電チャージャー131とは逆極性の負極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131とは逆極性の負極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
このため荷電量分布は、図8(C)のように正極性の低荷電量側(負極性側。グラフの左方向)にシフトする。現像部での荷電量分布は、図8(C)のように、上流側帯電チャージャー131通過直後の図8(A)よりも低荷電量側に制御できるようになる。
さらに、本実施の形態の湿式現像装置150は、現像部でのトナー粒子荷電極性を負極性にして用いることもできる。即ち、上流側帯電チャージャー131で、図8(A)のような正極性の荷電量分布を付与した後に、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む流れ込み電流を大きくする。
これにより、下流側帯電チャージャー121でトナー粒子薄層の荷電量分布の極性を負極性に反転することができ、図8(D)のように、現像部での荷電量分布を負極性の低荷電量側に制御することができるようになる。
現像部でのトナー粒子荷電極性が負極性である場合、感光体110の表面電位が負極性である反転現像方式により、または、感光体110の表面電位が正極性である正転現像方式により静電潜像を現像することができる。
本実施の形態の湿式現像装置150により、上流側トナー粒子荷電付与部材(帯電チャージャー131)直後の荷電量分布よりも、現像部での荷電量分布を低荷電量側に制御できるようになる。
(流れ込み電流の制御)
上述したように、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流の大小により下流側帯電チャージャー121が現像ローラー120上のトナー粒子薄層に付与する荷電量の大小が変化し、トナー粒子薄層の荷電量分布のシフト量の大小も変化する。
同様に上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流の大小により上流側帯電チャージャー131が供給ローラー130上のトナー粒子薄層に付与する荷電量の大小が変化し、トナー粒子薄層の荷電量分布のシフト量の大小も変化する。
よって、現像部でのトナー粒子薄層の荷電量分布を、現像後の画像品質にムラの発生、濃度不足などの副作用の無いように適度に設定するためには、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流の大きさに応じて、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を定めるのがよい。
流れ込み電流と電源から流れる電流との関係を表わした、図5に示す比例関係から、上流側帯電チャージャー131に接続された電源から流れる電流に応じて、下流側帯電チャージャー121に接続された電源から流れる電流を定めるとよい。
上流側帯電チャージャー131からの流れ込み電流の大きさは一定の値でもよいが、同じ流れ込み電流であっても供給ローラー130上のトナー粒子量によってもトナー粒子薄層の荷電量分布は変化してしまう。トナー粒子量が多い部分では荷電量分布は低く、少ない部分では荷電量分布は高くなる。
トナー粒子量および湿式現像装置内部の状態は環境など種々の誤差により変動する。よって、上流側帯電チャージャー131からの流れ込み電流の大きさは、トナー粒子量およびトナー粒子薄層の荷電量分布などに応じて適宜制御されるのがよく、下流側帯電チャージャー121からの流れ込み電流の大きさは上流側帯電チャージャー131からの流れ込み電流の大きさに応じて制御されるのが好ましい。
(実施の形態2)
実施の形態2の湿式現像装置について詳細に述べる。本実施の形態の湿式現像装置の概略構成図は、図2および図3に示した湿式現像装置150(150A)と構成は同様である。ただし、下流側帯電チャージャー121は、上流側帯電チャージャー131とは逆極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131が付与する荷電とは逆極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
さらに、下流側帯電チャージャー121からローラー部材(現像ローラー120)に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131からローラー部材(供給ローラー130)に流れ込む電流より大きい。
図9は、本実施の形態の湿式現像装置150のトナー粒子荷電量分布の概念図である。本実施の形態では、図6および図7の関連技術における湿式現像装置とは、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流の極性が異なる。即ち、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流は、現像部のトナー粒子荷電極性(正極性)とは逆極性の、負極性に設定される。
上述の湿式現像装置150の動作により、トナー粒子薄層は上流側帯電チャージャー131を通過する際にトナー粒子が帯電され、上流側帯電チャージャー131通過直後は、図9(A)のような負極性の荷電量分布をもつようになる。
その後、トナー粒子薄層は供給ローラー130から現像ローラー120に移動され、下流側帯電チャージャー121に到達するが、ローラー間の移動などの履歴を経てトナー粒子荷電は減衰し、図9(B)のように分布はブロードになる。特に荷電が減衰し低荷電量トナー粒子が増える方向に変化するため、図9(B)のように荷電分布の右側の肩(負極性の低荷電量側)がブロードになり、裾の長い分布になる。
ここで、下流側帯電チャージャー121には上流側帯電チャージャー131とは逆極性の正極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131とは逆極性の正極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
このため荷電量分布は、図9(C)のようにグラフの右方向にシフトする。更に下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流より大きく設定されている。
その結果、下流側帯電チャージャー121がトナー粒子薄層に付与する電荷量は、上流側帯電チャージャー131がトナー粒子薄層に付与する電荷量を上回り、トナー粒子の荷電極性を下流側帯電チャージャー121と同じ正極性に反転し、現像部のトナー粒子荷電極性を正極性にすることができる。
本実施の形態によれば、上流側帯電チャージャー131で負極性に荷電されたトナー粒子を下流側帯電チャージャー121で正極性に反転させるため、現像部のトナー粒子の荷電量分布は、上流側帯電チャージャー131直後の荷電量分布に関わらず、より低荷電量側に制御することができる。
また、荷電極性を反転したことにより、図9(B)で荷電減衰によりブロードになり、裾の長い分布になっていた荷電分布の右側の肩は正極性の高荷電量側になり、正極性の低荷電量側(荷電分布の左側)の肩は裾が広がらないシャープな分布となる。
よって、図9(C)のように、上流側帯電チャージャー131と下流側帯電チャージャー121との出力を適切にすることで、荷電分布の左側の肩(低荷電量側)のトナー粒子が、現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する閾値以上の荷電量になるようにした場合であっても、関連技術の湿式現像装置の図6(C)に比べ、トナー粒子薄層全体の荷電量分布を低くすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の湿式現像装置について詳細に述べる。本実施の形態の湿式現像装置の概略構成図は、図2および図3に示した湿式現像装置150(150A)と構成は同様である。ただし、下流側帯電チャージャー121は、上流側帯電チャージャー131とは逆極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131が付与する荷電とは逆極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
さらに、下流側帯電チャージャー121からローラー部材(現像ローラー120)に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131からローラー部材(供給ローラー130)に流れ込む電流より小さい。
図10は、本実施の形態の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図である。本実施の形態では、図6および図7の関連技術における湿式現像装置の例と同様に、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流は、現像部のトナー粒子荷電極性と同極性(正極性)に設定される。
上述の湿式現像装置の動作により、トナー粒子薄層は上流側帯電チャージャー131を通過する際にトナー粒子が帯電され、上流側帯電チャージャー131の通過直後は、図10(A)のような負極性の荷電量分布をもつようになる。
その後、トナー粒子薄層は供給ローラー130から現像ローラー120に移動され、下流側帯電チャージャー121に到達するが、ローラー間の移動などの履歴を経てトナー粒子荷電は減衰し、図10(B)のように分布はブロードになる。
ここで、下流側帯電チャージャー121には上流側帯電チャージャー131とは逆極性の負極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131とは逆極性の負極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
このため荷電量分布は、図10(C)のようにグラフの左方向にシフトする。さらに、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流より小さく設定されているため、下流側帯電チャージャー121がトナー粒子薄層に付与する電荷量は、上流側帯電チャージャー131がトナー粒子薄層に付与する電荷量を下回り、トナー粒子の荷電極性を反転させることなく正極性を保ったまま除電することができる。
本実施の形態によれば、上流側帯電チャージャー131で正極性に荷電されたトナー粒子を下流側帯電チャージャー121で除電するため、現像部のトナー粒子の荷電量分布は、上流側帯電チャージャー131直後の荷電量分布より低荷電量側に制御することができる。
(実施の形態4)
図11を参照して、実施の形態4の湿式現像装置について詳細に述べる。図11は、本実施の形態の湿式現像装置150Bの概略構成図である。基本的な構成は、図2に示す湿式現像装置150と同様であるが、本実施の形態の湿式現像装置150Bは、現像ローラー120の回転方向の下流側帯電チャージャー121よりも下流側であって、現像部寄り上流の位置に現像帯電チャージャー123を有する。
下流側帯電チャージャー121は上流側帯電チャージャー131とは逆極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131が付与する荷電とは逆極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。さらに、現像帯電チャージャー123は現像部のトナー粒子荷電極性と同極性の正極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
図12は、本実施の形態の湿式現像装置150Bのトナー粒子荷電量分布の概念図である。本実施の形態では、現像部のトナー粒子の荷電極性に関わらず、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流の極性は正極性でも負極性でも構わないが、ここでは正極性の場合について説明する。
上述の湿式現像装置150Bの動作により、トナー粒子薄層は上流側帯電チャージャー131を通過する際にトナー粒子が帯電され、上流側帯電チャージャー131通過直後は、図12(A)のような正極性の荷電量分布をもつようになる。その後、トナー粒子薄層は供給ローラー130から現像ローラー120に移動され、下流側帯電チャージャー121に到達するが、ローラー間の移動などの履歴を経てトナー粒子荷電は減衰し、図12(B)のように分布はブロードになる。
ここで、下流側帯電チャージャー121には上流側帯電チャージャー131とは逆極性の負極性のバイアスが印加され、上流側帯電チャージャー131とは逆極性の負極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。
このため荷電量分布は、図12(C)のようにグラフの左方向にシフトし、除電される。より好ましくは、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流と同じ大きさに設定される。このようにすることで、下流側帯電チャージャー121後のトナー粒子薄層の荷電量分布をよりゼロに近いごく低荷電量の領域に設定することができる。
次に、トナー粒子薄層は現像ローラー120の回転により現像帯電チャージャー123に到達する。現像帯電チャージャー123は、正極性のバイアスが印加され、正極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。このため、現像部の荷電量分布は、図12(D)のようにグラフの右方向にシフトする。
トナー粒子を荷電ゼロに近いごく低荷電量に除電し、荷電量の履歴を消去した後で現像帯電チャージャー123により現像部のトナー粒子荷電量を所望の荷電量に設定するため、上流側帯電チャージャー131直後の荷電量分布に関わらず、より低荷電量側に制御することができる。
現像部のトナー粒子荷電量を現像帯電チャージャー123に印加するバイアスのみで簡単に制御することができ、感光体上のトナー粒子量、および画像状態に応じて現像部のトナー粒子荷電量を適正に制御する場合に、制御しやすい。
(実施の形態5)
実施の形態5の湿式現像装置について詳細に述べる。本実施の形態の湿式現像装置の概略構成図は、図11に示す湿式現像装置150Bと同様である。基本的な構成は実施の形態4と同様であるが、本実施の形態の下流側帯電チャージャー121は、電源によりワイヤー21に交流バイアスからなる交番電界が印加された交流帯電チャージャーである。
図13は、本実施の形態の湿式現像装置のトナー粒子荷電量分布の概念図である。本実施の形態では、現像部のトナー粒子の荷電極性に関わらず、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流の極性は正極性でも負極性でも構わないが、ここでは正極性の場合について説明する。
実施の形態4と同様の作用により、下流側帯電チャージャー121に到達したトナー粒子薄層は、図13(A),(B)で示したのと同様に、図12(A),(B)と同様の荷電量分布となる。ここで、下流側帯電チャージャー121には、電源より交流バイアスからなる交番電界が印加される。
(交流帯電チャージャー)
交流バイアスからなる交番電界が印加された帯電チャージャーは、正極性と負極性との両方のコロナを発生させる。この正極性と負極性とのコロナは、ローラー上のトナー粒子薄層の負極性の荷電の高い領域には正極性コロナが、正極性の荷電の高い領域には負極性コロナが吸引され、電気的に中和され、ローラー上のトナー粒子薄層を除電することができる。
さらに、上記交流バイアスに直流バイアスを重畳した交流重畳バイアスを印加すると、帯電チャージャーの上述の作用によりトナー粒子薄層の荷電量を一定値に収束させることができ、収束する荷電量は重畳する直流バイアス成分の大小で制御することもできる。一般に、交流バイアス、交流重畳バイアスを印加した帯電チャージャーは、荷電量を一定値に収束させる作用により、帯電均一性に優れている。
直流バイアスを重畳していない交流バイアスを印加すると、トナー粒子薄層の荷電は除電されてゼロに収束され、荷電量分布は、図13(C)のように、荷電ゼロにピークをもった、裾が広がらないシャープな荷電量分布になる。
次に、トナー粒子薄層は現像ローラー120の回転により現像帯電チャージャー123に到達し、現像帯電チャージャー123は正極性のバイアスが印加され、正極性の荷電をトナー粒子薄層に付与する。このため現像部の荷電量分布は、図13(D)のようにグラフの右方向にシフトする。
下流側帯電チャージャー121の作用によりトナー粒子荷電をゼロに除電し、荷電量分布も裾が広がらないシャープな分布にすることで、荷電量と荷電量分布の履歴を消去した上で現像帯電チャージャー123により現像部のトナー粒子荷電量を所望の荷電量に設定するため、上流側帯電チャージャー131直後の荷電量分布に関わらず、より低荷電量側に制御することができる。
現像部のトナー粒子荷電量を現像帯電チャージャー123に印加するバイアスのみで簡単に制御することができ、感光体上のトナー粒子量、および画像状態に応じて現像部のトナー粒子荷電量を適正に制御する場合に制御し易いだけでなく、荷電量分布の裾が広がらないシャープな分布になることで、現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する閾値以上の荷電量になるようにした場合であっても、トナー粒子薄層全体の荷電量分布を低くすることができる。
なお、本実施の形態の下流側帯電チャージャー121に印加される交流バイアスは、弱い直流バイアスを重畳した交流重畳バイアスであってもよい。直流バイアスを重畳していない交流バイアスでトナー粒子薄層の荷電をゼロに除電すると、トナー粒子が除電されすぎて現像ローラー120および/またはトナー粒子間での吸着力が弱まり、トナー粒子薄層が乱れてしまうことがある。
しかし、弱い直流バイアスを重畳した交流重畳バイアスにすることで、図14(A),(B)は、図13(A),(B)と同様の荷電量分布であるが、図14(C)に示すように、トナー粒子薄層をゼロに近いごく低荷電にし、薄層の乱れを防止することができる。その結果、荷電量分布を裾が広がらないシャープな分布にすることができる。
以上、現像部でのトナー粒子の荷電極性は正極性である場合を例として説明してきたが、現像部でのトナー粒子の荷電極性が負極性であってもよい。すなわち、感光体110の表面電位が正極性である反転現像方式、または、感光体110の表面電位が負極性である正転現像方式であってもよい。
現像部でのトナー粒子の荷電極性が負極性の場合であっても、下流側帯電チャージャー121は、上流側帯電チャージャー131がトナー粒子に付与する荷電極性と逆極性をトナー粒子に付与するようにすることで、同様の効果を得ることができる。
(実施例)
上述の実施の形態における効果を確認するために、後述する各比較例の条件およびその結果、並びに、各実施例の条件およびその結果を以下に示す。
供給ローラー130として、ゴム層の厚み6mm、直径φ40mmのポリウレタン製のゴムローラーを用いた。現像ローラー120として、ゴム層の厚み10mm、直径φ40mmのポリウレタンゴムにポリウレタン樹脂を表層として設けたものを用いた。それぞれの体積抵抗は、供給ローラー130は10の7乗Ω・cm、現像ローラー120は10の8乗Ω・cmであり、上流側帯電チャージャー131および下流側帯電チャージャー121の幅は21cmである。それぞれのローラーは、軸中心の距離を0.1mm押しこんだ状態(軸中心距離39.9mm)で、420mm/secの速度で回転させている。
現像部のバイアスとしては、現像ローラー120に印加するバイアスは400V、感光体110の感光体背景部電位は600V、感光体画像部電位は20Vになるよう、帯電装置105、露光装置106を調整した。現像ローラー120と感光体110間の電位差(現像電位差)を200Vとしたのは、正規帯電トナー粒子による背景部カブリを防止するためである。
一定面積の現像剤をふき取り、質量を測定することで現像剤量を求めることができる。上記拭き取ったサンプルを100度の恒温槽で加熱することでキャリア液を乾燥させ、トナー粒子のみの質量を求めることができる。供給ローラー130上の現像剤量は6g/mで、その中のトナー粒子量は1.5g/mであった。
図15に、本実施例および比較例において採用した湿式現像装置によって形成される画像(チャート)を示す。図15に示す画像(チャート)は、黒ベタ印刷領域B1と白ベタ領域W1とを含む。図15中の一点鎖線L1は、強制停止時の感光体110と現像ローラー120との現像部n1の位置を示す。
図15のチャートを感光体110表面に現像させ、感光体110上のチャートの静電潜像の半分が現像されたタイミングで、強制的に湿式画像形成装置を停止させた。現像後の黒ベタ印刷領域B1の、現像ローラー120上に残留した残トナー粒子の有無から現像効率を計測し、現像後の白ベタ領域W1の、感光体110上の背景部カブリの有無を観察した。
(比較例1)
図2に示す、湿式現像装置150を用いた。上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を80μA、供給ローラー130のバイアスを600Vとし、ローラー間の電位差を200Vとした。
ローラー間の電位差を200V未満にすると、供給ローラー130と現像ローラー120の転接部n2の出口での液の乱れの影響を受け、現像ローラー120上のトナー粒子薄層が不均一になったため、これを防止するためである。
現像ローラー120および供給ローラー130にバイアスを印可し、上流側帯電チャージャー131も出力させた状態で5秒間ローラーを駆動し、停止後の現像ローラー120上のトナー粒子量を拭きとり質量測定により求めた。トナー粒子量は、1.5g/mで供給ローラー130上のトナー粒子は全て現像ローラー120上に転移していた。
下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を、0μA〜60μAまで変化させた結果を、図16に示す。感光体110上の背景部カブリは、下流側帯電チャージャー121の流れ込み電流が低いと発生するが、流れ込み電流を40μA以上にし、現像部のトナー粒子荷電量を高くすると発生しなくなる。このことから、ここで発生した背景部カブリは正規帯電トナー粒子によるものではなく、現像部の低荷電量トナー粒子による背景部カブリであることが分かった。
上流側帯電チャージャー131の流れ込み電流を80μAにすると、現像部で荷電減衰したトナー粒子は低荷電量による背景部カブリとなってしまう。しかし、下流側帯電チャージャー121で流れ込み電流を40μAにすることで、荷電減衰したトナー粒子が背景部カブリとなることなく、現像することが可能となる。
一方、黒ベタ印刷領域B1の現像ローラー残は、下流側帯電チャージャー121の流れ込み電流が低いと殆ど観察されず、現像効率が高くなっている。しかし、流れ込み電流を40μA以上にすると現像ローラー残が観察され、現像効率が低下している。
下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を40μAとし、現像ローラー120に印加するバイアス(V)を400V〜500Vまで変化させた結果を、図17に示す。正規帯電トナー粒子による背景部カブリを防止するため現像ローラー120と感光体110との間の電位差(現像電位差)は200Vになるように、感光体背景部電位(V)を調整した。
下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を40μAとした場合、現像バイアスを450Vまで高くすることで現像ローラー残が観察されなくなり、現像効率が得られる。
このように現像バイアスを高くすることで現像効率を高くすることは可能であるが、感光体寿命を考慮すると、背景部カブリを防止した下流側帯電チャージャー121の流れ込み電流値で、現像効率も得られることが望ましい。
(比較例2)
上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を160μA、供給ローラー130のバイアスを700Vとし、ローラー間の電位差を300Vとした。ローラー間の電位差を300V未満にすると、現像ローラー120上のトナー粒子薄層が不均一になったため、これを防止するためである。
現像ローラー120上のトナー粒子量は1.5g/mで供給ローラー130上のトナー粒子は全て現像ローラー120上に転移していた。下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を0μAとし、下流側帯電チャージャー121によるトナー粒子薄層への荷電付与をしなかった結果を、図18に示す。図18には、後述の実施例1における、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を負極性とし、−20μA〜−60μAまで変化させた結果も併せて記載している。
上流側帯電チャージャー131の流れ込み電流を160μAにすると、背景部カブリが発生しないため、現像部でトナー粒子の荷電量は閾値以上になっている。一方、上流側帯電チャージャー131で高い荷電を付与したため、荷電減衰しても現像部の荷電量分布がかなり高い領域になってしまうため、現像ローラー残トナー粒子量が多く、現像効率が著しく低下してしまう。
現像ローラー120に印加するバイアスを400V〜550Vまで変化させた結果を、図19に示す。上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を160μAとした場合、現像バイアスを550Vまで高くすることで、現像ローラー残が観察されなくなり現像効率が得られる。
このように現像部の荷電量分布が高い領域であると、現像効率が得られる現像バイアスはかなり高くなってしまう。感光体寿命を考慮すると、現像部の荷電量分布は背景部カブリの発生しない程度に低い荷電量域に制御できることが望ましい。
(実施例1)
比較例2の条件において、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を負極性とし、−20μA〜−60μAまで変化させた結果を、図18に示す。現像部の荷電量分布は比較例2のときよりも低荷電量側に制御することが可能になる。
下流側帯電チャージャー121の流れ込み電流を−60μAにすると、荷電量分布が低荷電量側にシフトしすぎるため白ベタ部に背景部カブリが発生する。現像部の荷電量分布を、背景部カブリの発生しない程度になるべく低くするには、下流側帯電チャージャー121の流れ込み電流を―40μAにするのがよい。このように低荷電量側に制御可能になったことにより、現像効率を得るために現像バイアスを高める量は小さくて済む。
現像ローラー120に印加するバイアスを400V〜500Vまで変化させた結果を、図19に示す。現像バイアスを450Vにすることで現像ローラー残が観察されなくなり、現像効率が得られる。比較例2の現像バイアス550Vに比べて低い値で現像効率が得られる。
(実施例2)
上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を−80μA、供給ローラー130のバイアスを200Vとし、ローラー間の電位差を200Vとした。ローラー間の電位差を200V以下にすると、現像ローラー120上のトナー粒子薄層が不均一になったため、これを防止するためである。
現像ローラー120上のトナー粒子量は1.5g/mで供給ローラー130上のトナー粒子は全て現像ローラー120上に転移していた。下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を140μA〜200μAまで変化させた結果を、図20に示す。
帯電チャージャー131の流れ込み電流を160μA以上にすると、背景部カブリが発生しないため、現像部でトナー粒子の荷電量は閾値以上になっている。更に、流れ込み電流が160μA〜180μAの間では、ベタ部の現像ローラー残は観察されず、現像効率が高くなっていた。
よって、流れ込み電流を160μA〜180μAにすると背景部カブリを防止しつつ現像効率も得られる。これは荷電量分布の正極性の低荷電量側の肩(左側の肩)の裾が広がらないシャープな分布であるため、低荷電量トナー粒子による背景部カブリの発生しない程度に現像部の荷電量分布をなるべく低くしたときの、全体の荷電量が低くすることができたためである。
(実施例3)
図11に示す湿式現像装置150Bを用いた。上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を160μA、供給ローラー130のバイアスを700Vとし、ローラー間の電位差を300Vとした。
下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120への流れ込み電流を−160μAとし、現像帯電チャージャー123から現像ローラー120への流れ込み電流を80μA〜140μAまで変化させた結果を、図21に示す。
下流側帯電チャージャー121でトナー粒子薄層を除電しているため、現像部の荷電量分布は現像帯電チャージャー123の出力に応じて、比較例2よりも低荷電量側に制御することが可能になる。
現像帯電チャージャー123の流れ込み電流を100μAにすると、荷電不足のため背景部カブリが発生する。現像部の荷電量分布を、背景部カブリの発生しない程度になるべく低くするには、現像帯電チャージャー123の流れ込み電流を120μAにするのがよく、このように低荷電量側に制御可能になったことにより、現像効率を得るために現像バイアスを高める量は小さくて済む。現像バイアスを450Vにすることで現像ローラー残が観察されなくなり、現像効率が得られた。
(実施例4)
帯電チャージャー131から供給ローラー130への流れ込み電流を80μA、供給ローラー130のバイアスを600Vとし、ローラー間の電位差を200Vとした。下流側帯電チャージャー121に印加するバイアスを交流重畳バイアスとし、交流電圧(8kVp−p/600Hz)に直流電流(5μA)を重畳して印加してトナー粒子薄層を除電した。現像帯電チャージャー123から現像ローラー120への流れ込み電流を60μA〜120μAまで変化させた結果を、図22に示す。
下流側帯電チャージャー121でトナー粒子薄層を交流重畳バイアスにより除電しているため、現像部の荷電量分布は現像帯電チャージャー123の出力に応じて、比較例2よりも低荷電量側に制御することが可能になる。
現像帯電チャージャー123の流れ込み電流を80μA以上にすると、背景部カブリが発生しないため、現像部でトナー粒子の荷電量は閾値以上になっている。更に、流れ込み電流80μA〜100μAでは、ベタ部の現像ローラー残は観察されず、現像効率が高くなっていた。
よって流れ込み電流を80μA〜100μAにすると背景部カブリを防止しつつ現像効率も得られる。これは下流側帯電チャージャー121の交流重畳バイアスにより、荷電量分布の裾が広がらないシャープな分布であるため、低荷電量トナー粒子による背景部カブリの発生しない程度に現像部の荷電量分布をなるべく低くしたときの、全体の荷電量が低くすることができたためである。
(実施例5)
実施例5では、供給ローラー130に現像剤を塗布する汲み上げローラー140を設ける、図3に示す湿式現像装置150Aを用いた。その他は、実施例2と同じである。実施例2では供給ローラー130上に規制ブレード141が存在したが、実施例5では不要である。
汲み上げローラー140は表面に微小な凹部を持つアニロックスローラーを用いた。現像剤槽145中の湿式現像剤146に汲み上げローラー140の一部が浸漬している。汲み上げローラー140は供給ローラー130に一定の力で当接しており、供給ローラー130と同じ線速度で図中矢印方向に回転する。
汲み上げローラー140に回転により汲み上げられた湿式現像剤146は汲み上げローラー140に当接した規制ブレード141で余剰な湿式現像剤146が規制され、凹部のみに湿式現像剤146が存在する。規制ブレード141により凹部にのみ湿式現像剤146を保持した汲み上げローラー140は供給ローラー130との転接部n3に移動し、湿式現像剤146を供給ローラー130に受け渡す。
こうすることで、より正確な層厚さの湿式現像剤146の薄層を供給ローラー130上に形成でき、上流側帯電チャージャー131および下流側帯電チャージャー121により荷電付与されるトナー粒子量を安定させることができる。その結果、現像部のトナー粒子荷電量分布を所望の値に正確に制御しやすくなる。
(実施例6)
実施例6では、図23に示すように、グリッド電極23を有するスコロトロン帯電器を下流側帯電チャージャー121Aとして用いる。その他は実施例2と同じである。図4に示す下流側帯電チャージャー121に、グリッド電極23とグリッド電極23に接続された電源(図指せず)を設けて、下流側帯電チャージャー121A(スコロトロン帯電器)とした。
グリッド電極23に電源から印加する電位により、ワイヤー21から現像ローラー120へ流れ込む電流を制御することができ、トナー粒子に付与される荷電量を制御することができるようになる。
グリッド電極23に所望の電位を印加しておくと、現像ローラー120上のトナー粒子薄層が一定の荷電量に達していないと電流が流れ込みトナー粒子に荷電が付与されるが、トナー粒子薄層の荷電量が一定の荷電量に達すると、ワイヤー21空の流れ込み電流が制限され、トナー粒子薄層の荷電が中断される。
よって、スコロトロン帯電器で荷電した後の荷電量分布はより裾が広がらないシャープ形状の分布になる。また、流れ込み電流が制限される荷電量の閾値はグリッド電極23に印加する電位に依存するため、グリッド電極23の電源の出力で制御することも可能である。
荷電量分布の裾が広がらないシャープな分布であると、現像部で低荷電量トナー粒子による背景部カブリが発生する閾値以上の荷電量になるようにした場合であっても、トナー粒子薄層全体の荷電量分布を低くすることができる。さらに、現像部でのトナー粒子の荷電量がより均一となるため、感光体110へのトナー粒子の移動も均一になり、好ましい。
以上、本実施の形態における湿式現像装置およびこの湿式現像装置を備える湿式画像形成装置によれば、下流側荷電付与部材である下流側帯電チャージャー121は、上流側荷電付与部材である上流側帯電チャージャー131がトナー粒子に付与する荷電極性と逆極性の荷電をトナー粒子に付与する。
下流側帯電チャージャー121が、上流側帯電チャージャー131の極性と逆極性をトナー粒子に付与すると、下流側帯電チャージャー121で付与された高い荷電量を低める作用(除電作用)をするため、現像部n1でのトナー粒子荷電量を低い領域、たとえば上流側帯電チャージャー131で付与された荷電量よりも低い荷電量まで制御することが可能になる。
これにより、現像部n1でのトナー粒子の荷電を低く制御することが可能になる。このように、トナー粒子の荷電を低くできることにより、現像バイアスを高めることなく現像効率を高めることができる。
さらに、現像バイアスを低く制御できることにより、感光体110の電位(Vo)を低く設定でき、上流側帯電チャージャー131の出力を必要以上に高める必要がなくなる。その結果、上流側帯電チャージャー131の出力が高いことによる、感光体110の余分な劣化を抑制でき、感光体110の長寿命化を図ることができる。
また、上流側帯電チャージャー131のトナー粒子に付与する荷電極性は、現像部n1のトナー粒子の荷電極性と逆極性であり、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流より大きい。
こうすることで、上流側帯電チャージャー131で付与した荷電が減衰した一部のトナー粒子は、極性反転後は高荷電トナー粒子となり、残る大多数のトナー粒子は荷電量の低い側に分布する。極性反転後は、荷電量分布は自ずと低荷電側の裾が広がらないシャープな分布になるため、簡単な構成で、より低い荷電量で、低荷電量トナー粒子による背景部カブリを防止して荷電量を制御することが可能となる。
これにより、極性反転後の荷電量分布は自ずと、荷電量が低い側の裾が広がらないシャープな分布になるため、簡単な構成でより低い荷電量に制御することが可能となる。
また、上流側帯電チャージャー131のトナー粒子に付与する荷電極性は、現像部n1のトナー粒子の荷電極性と同極性であり、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流より小さくてもよい。
こうすることで、極性を反転させるだけの流れ込み電流を必要とせず、現像ローラー120への電気的なストレスをより小さくして、上流側帯電チャージャー131後の荷電量よりも低い領域まで荷電量を制御することが可能となる。
また、現像ローラー120上において、現像ローラー120の回転方向の転接部n2と下流側帯電チャージャー121との間に、現像ローラー120に担持されるトナー粒子に荷電を付与する現像荷電付与部材としての現像帯電チャージャー123をさらに配置し、現像帯電チャージャー123のトナー粒子に付与する荷電極性は、現像部n1のトナー粒子の荷電極性と同極性であってもよい。
これにより、荷電量がリセットされるため、現像帯電チャージャー123で現像部n1のトナー粒子荷電量を制御しやすくなり、上流側帯電チャージャー131で付与した荷電よりも低い荷電量に制御することが可能となる。
また、下流側帯電チャージャー121から現像ローラー120に流れ込む電流は、上流側帯電チャージャー131から供給ローラー130に流れ込む電流に応じて制御されるとよい。
低荷電量トナー粒子による背景部カブリと、トナー粒子荷電量が高いことによる感光体劣化抑制を両立するためには、現像ローラー120上のトナー粒子の荷電量を一定範囲に保つことが有効である。そうするためには、上流側帯電チャージャー131の出力に応じて下流側帯電チャージャー121の出力を制御することが有効となる。これにより、現像ローラー120上のトナー粒子荷電量を一定範囲に制御することが可能となる。
また、下流側帯電チャージャー121は、交流バイアスからなる交番電界を現像ローラー120に担持されるトナー粒子に出力し、交番電界は、時間変動する間に、上流側帯電チャージャー131がトナー粒子に付与する荷電の極性と逆極性になる。
トナー粒子荷電を除電する下流側帯電チャージャー121を交流バイアスからなる交番電界にすると、トナー粒子荷電量を小さく、かつ、トナー粒子荷電量分布も裾が広がらないシャープな分布となり、荷電量分布の履歴をリセットできる。
その結果、現像帯電チャージャー123は、容易に現像部n1でのトナー粒子荷電量を制御でき、荷電量分布の裾が広がらないシャープな分布になるとともに、低荷電側の裾が広がらないシャープな分布になるため、より低い荷電量で、低荷電量トナー粒子による背景部カブリとなることを抑制し、より低い荷電量に制御することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
21 ワイヤー、22 ケーシング、23 グリッド電極、80 電流、100 湿式画像形成装置、101,122 クリーニング装置、102 加圧ローラー、105 帯電装置、106 露光装置、110 感光体、119 感光体ユニット、120 現像ローラー、121 下流側帯電チャージャー、123 現像帯電チャージャー、130 供給ローラー、131 上流側帯電チャージャー、140 汲み上げローラー、141 規制ブレード、145 現像剤槽、146 湿式現像剤、150,150A,150B 湿式現像装置、160 転写ユニット、161 中間ロール、191 記録媒体、192 プレ加熱装置、193 定着ローラー対。

Claims (7)

  1. トナー粒子およびキャリア液を含む湿式現像剤を表面に担持し、潜像担持体と共に回転しながら現像部で前記潜像担持体上の静電潜像に前記トナー粒子を現像する現像剤担持体と、
    転接部で前記現像剤担持体に転接して、表面に担持した前記湿式現像剤を前記現像剤担持体に供給する供給部材と、
    前記現像剤担持体および前記供給部材上の前記湿式現像剤の移動方向の前記現像部に近い側を下流側、前記湿式現像剤の前記供給部材への供給開始位置に近い側を上流側とし、前記供給部材上において、前記供給部材の回転方向の前記転接部よりも上流側に配置され、前記供給部材に担持される前記トナー粒子に荷電を付与する上流側荷電付与部材と、
    前記現像剤担持体上において、前記現像剤担持体の回転方向の前記転接部と前記現像部との間に配置され、前記現像剤担持体に担持される前記トナー粒子に荷電を付与する下流側荷電付与部材と、を備え、
    前記下流側荷電付与部材は、前記上流側荷電付与部材が前記トナー粒子に付与する荷電極性と逆極性の荷電を前記トナー粒子に付与する、湿式現像装置。
  2. 前記上流側荷電付与部材の前記トナー粒子に付与する荷電極性は、前記現像部の前記トナー粒子の荷電極性と逆極性であり、
    前記下流側荷電付与部材から前記現像剤担持体に流れ込む電流は、前記上流側荷電付与部材から前記供給部材に流れ込む電流より大きい、請求項1に記載の湿式現像装置。
  3. 前記上流側荷電付与部材の前記トナー粒子に付与する荷電極性は、前記現像部の前記トナー粒子の荷電極性と同極性であり、
    前記下流側荷電付与部材から前記現像剤担持体に流れ込む電流は、前記上流側荷電付与部材から前記供給部材に流れ込む電流より小さい、請求項1に記載の湿式現像装置。
  4. 前記現像剤担持体上において、前記現像剤担持体の回転方向の前記転接部と前記下流側荷電付与部材との間に配置され、前記現像剤担持体に担持される前記トナー粒子に荷電を付与する現像荷電付与部材をさらに備え、
    前記現像荷電付与部材の前記トナー粒子に付与する荷電極性は、前記現像部の前記トナー粒子の荷電極性と同極性である、請求項1に記載の湿式現像装置。
  5. 前記下流側荷電付与部材から前記現像剤担持体に流れ込む電流は、前記上流側荷電付与部材から前記供給部材に流れ込む電流に応じて制御される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の湿式現像装置。
  6. 前記下流側荷電付与部材は、交流バイアスからなる交番電界を前記現像剤担持体に担持される前記トナー粒子に出力し、
    前記交番電界は、時間変動する間に前記上流側荷電付与部材が前記トナー粒子に付与する荷電の極性と逆極性になる、請求項4に記載の湿式現像装置。
  7. 潜像担持体と、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の湿式現像装置と、
    前記潜像担持体上に現像された画像を記録媒体に定着させる転写ユニットと、
    を備える、画像形成装置。
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