JP2010186093A - 中間転写体及びそれを用いる電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷初期から画像の乱れの発生が無く、安定した画像特性を長期間に渡って保持できる中間転写体及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】 光導電体層を有する感光体表面のオフセット防止剤を含まないトナー画像を中間転写体に転写し、該中間転写体上の前記トナー画像を支持体上に転写して画像を形成する電子写真装置において、感光体表面にトナーフィルミング抑制及びクリーニング性向上のための潤滑剤塗布装置とブレードによるクリーニング機構を有する装置であり、前記中間転写体表面に少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカあるいは微粒子金属粉あるいは微粒子着色剤あるいは微粒子の帯電制御剤あるいはシリコーン系材料の微粒子を1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を、塗布,乾燥処理して微小な離型性の良い比較的均一な凹凸を形成して表面処理層として用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】 光導電体層を有する感光体表面のオフセット防止剤を含まないトナー画像を中間転写体に転写し、該中間転写体上の前記トナー画像を支持体上に転写して画像を形成する電子写真装置において、感光体表面にトナーフィルミング抑制及びクリーニング性向上のための潤滑剤塗布装置とブレードによるクリーニング機構を有する装置であり、前記中間転写体表面に少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカあるいは微粒子金属粉あるいは微粒子着色剤あるいは微粒子の帯電制御剤あるいはシリコーン系材料の微粒子を1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を、塗布,乾燥処理して微小な離型性の良い比較的均一な凹凸を形成して表面処理層として用いる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、中間転写体及びそれを用いる電子写真装置に関するものである。
電子写真法は、特公昭42−23910号公報、特公昭43−24748号公報、米国特許明細書第2,297,691号に示されるように各種の方法が提案されているが、一般的には光導電性物質からなる感光体の表面に静電潜像を形成し、該潜像上にトナーを用いて現像後、紙等の転写材にトナーを転写する方法が用いられている。
静電潜像にトナーを用いて現像する方法としては、パウダークラフト法(米国特許明細書第2,221,776号)、カスケード法(米国特許明細書第2,618,552号)、磁気ブラシ法(米国特許明細書第2,874,063号)、フアーブラシ法(米国特許明細書第2,902,974号)、接触現像法(米国特許明細書第2,811,465号)、加圧現像法(米国特許明細書第3,152,012号)、磁性トナー法(米国特許明細書第3,909,258号)など各種の乾式現像法が知られている。これらのうちで最も一般的な方法はカスケード法と磁気ブラシ法である。
一方、感光体に形成されたトナー画像を支持体上に転写する方法としては、カラー複写機等のカラー電子写真装置に採用されている、中間転写体を用いる方法がある。この方法は、感光体に形成されたトナー画像を支持体上に転写して画像を形成する方法である。この画像形成方式は、容易に多色画像を形成する事ができる。
前記の中間転写体を用いる画像形成方式では、トナー画像を一時的に保持する中間転写体には多くの特性が要求される。例えば、感光体と中間転写体とのニップ部に異物(キャリア等)が噛み込んだときに感光体表面の傷発生を抑制し感光体の寿命を延ばす手段として、中間転写体の表面に弾性層を設けることがあげられる。
また、この方法の利点として特開平1−198773号公報に示されているように、感光体と中間転写体の転写点でのニップが安定に確保される。また、トナー画像を一時的に安定に保持すると同時にトナー画像を支持体に均一に転写するという相反する両特性に対応するため、特開平7−234592号公報、特開平9−281813号公報にあるように中間転写体表面にトナー粒径の1/2以下の微小粒子とそれ以下の微粒子、トナー粒径と同等若しくはそれ以下の粒子とトナー粒径の1/10以下の粒子を機械的に固着させてトナーの付着力低減を図ることが提案されている。
また、特開平10−319730号公報には中間転写体表面に微粒子を湿式塗布して、2次転写効率を向上させる方法が提案されている。さらに、特開2002−162767号公報にはシリカ微粒子をシラン化合物により中間転写体表面に固着させ、転写効率向上並びに中間転写体表面の清掃性向上等の提案がなされている。
上記従来技術のように、中間転写体に弾性を持たせることは有効な手段であり、また、中間転写体表面に微小粒子を固着させることは画像支持体への転写効率の向上に有効である。
しかしながら、前記公知例の一つは最終的に機械的に固着させるため、中間転写体表面に微小な傷を発生させてしまう。この傷が表面の状態(機械的、電気的)を変化させるため、感光体から中間転写体への転写並びに中間転写体から画像支持体への転写時に、画像乱れが発生する事には触れていない。
また、トナーの1/2以下あるいは同等以下という比較的大きな粒子を用いることにより、中間転写体表面にその粒子が存在しているため、感光体から中間転写体へのトナー画像転写時および中間転写体から画像支持体への転写時、画像乱れ、転写不良等が発生してしまうということにも触れていない。
また、微小粒子が均一に固着されていない場合、各々の転写において画像全体において不均一となり転写ムラが発生するため、濃度ムラや文字・細線等の画像の中抜けによる画像欠陥、細線の太さ不均一等さまざまな問題が発生してしまう。また、上記問題点はトナーおよびその表面に着目していないため、高精細化、高速化、高精度化時に顕著に表れる。
さらには、オフセット防止剤(例:WAX等)を含まないトナーを用いた装置の場合、感光体及び中間転写体の表面は前記トナーによる機械的摩耗が顕著に現れ、画像乱れや転写異常を助長することになると同時に、これら消耗品の大幅な寿命低下になってしまうことにも触れられていない。
実際、高解像度(1200ドット/インチ)パターンにて確認したところ、画像支持体上の微小な傷が付いた場所のトナー画像周辺は若干のトナー飛び散りが発生し、細線の不均一性、画像乱れが見られた。また、この現象は初期段階から見られ、印刷枚数をかさねる事により早い段階で顕著になった。更に、高速化対応を確認するため中間転写体ユニットのみの速度を上げ、表面に付与された粒子の存在を確認したところ、2倍、3倍と高速化するとその微粒子は中間転写体のクリーナ等により早い段階で脱落し、求める効果が大幅に低下することが確認できた。さらには、オフセット防止剤を含まないトナーにて連続印刷評価を行ったところ、感光体表面及び中間転写体表面は短時間で傷が発生し、画像にも大きな影響を及ぼすことが分った。つまり、前記方策は低速時には非常に有効であるが、さらなる高速化、高精彩化、高精度化には未だ不十分である事が推察できる。
さらにもう一つの公知例では、湿式により均一に付着させることを提案している。この方法は、微粒子を均一に付着させるのに有効であるが、中間転写体表面への付着力が弱いため、印刷初期にクリーナ等により剥がれてしまい、より信頼性の高い高精細、高速機には対応できないという問題が発生してしまう。
さらにもう一つの公知例では、疎水化された微粒子(シリカ粒子)を、シラン化合物(沸点が150℃以下の液体)を用い、中間転写体表面に塗布し、乾燥(100℃以下)して用いることが提案されている。また、マシン内に微粒子供給装置あるいは現像剤内にその微粒子を添加して各々の表面に供給する方式を提案している。
微粒子を中間転写体表面に均一に付着させることは、前記と同様の効果が得られる。しかしながら、この供給手段並びに現像剤内への微粒子添加は、装置構成の複雑化、現像剤設計の複雑化となるため低コスト、低エネルギー化には好ましくない。また、シラン化合物を用いて疎水化された微粒子を中間転写体表面に付着させても、多少の優位差はあるにしても、やはり前記と同様に付着力が弱いため、印刷初期にクリーナや現像剤等の摩擦により剥がれてしまい、より信頼性の高い高精細、高速機には対応できないという問題が発生してしまう。
特に今後の高速化,高精細化,高精度に対応するには、中間転写体表面をさらに均一化し高性能化しなければならない。さらに、新しい中間転写体を用いると、上記問題点は初期において顕著に現れるため装置全体の信頼性を失うことになる。
本発明の解決しようとする課題は、今後の高速化,高精細化,高精度に対応するため、感光体から中間転写体並びに中間転写体から画像支持体へのトナーの転写効率を向上させると同時に、感光体表面の摩耗速度並びに中間転写体表面摩耗速度を抑制し、これらの機械的寿命を向上させ環境に優しいシステムとし各々の転写時における画像欠陥をなくし再現性の良い画像を出力できる中間転写体およびそれを用いた電子写真装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の第1の手段は、光導電体層を有する感光体表面のオフセット防止剤を含まないトナー画像を中間転写体に転写し、該中間転写体上の前記トナー画像を支持体上に転写して画像を形成し、前記感光体表面にトナーフィルミング抑制及びクリーニング性向上のための潤滑剤塗布装置とブレードによるクリーニング機構を有する電子写真装置の中間転写体において、
前記中間転写体表面に、少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカと微粒子金属粉、微粒子の帯電制御剤、シリコーン系の微粒子1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を塗布、乾燥処理して用いることを特徴とするものである。
前記中間転写体表面に、少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカと微粒子金属粉、微粒子の帯電制御剤、シリコーン系の微粒子1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を塗布、乾燥処理して用いることを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記印刷速度が35ips(インチ/秒)以上の速度を有する電子写真装置であり、前記中間転写体表面に少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカと微粒子金属粉,微粒子の帯電制御剤,シリコーン系材料の微粒子の1種以上を分散並びに樹脂あるいは油系材料の1種以上を溶解させる溶媒が、有機系溶剤であることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1または第2の手段において、前記微粒子シリカと微粒子金属粉,微粒子の帯電制御剤,シリコーン系材料の微粒子は、トナーの表面に外添している材料であることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1ないし第3の手段において、前記中間転写体表面が有機材料にて形成されていることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1ないし第4の手段において、前記中間転写体表面の有機材料がフッ素の材料あるいはポリイミド系の材料であることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1ないし第3の手段において、前記中間転写体表面の有機材料がフッ素系の材料あるいはポリイミド系の弾性層であり、該弾性層が複数層形成されていることを特徴とするものである。
本発明の第7の手段は前記第1ないし第6の手段において、前記微粒子シリカあるいは微粒子金属粉あるいは微粒子着色剤あるいは微粒子の帯電制御剤あるいはシリコーン系材料の微粒子の平均粒径が、画像を形成する着色粒子の1/10以下であることを特徴とするものである。
本発明の第8の手段は前記第1ないし第7の手段において、前記溶媒に溶解可能な材料として、シリコーン系材料であることを特徴とするものである。
本発明の第9の手段は前記第1ないし第8の手段において、前記中間写体の表面に塗布,乾燥後の塗布した材料に含まれる微粒子材料の割合が70〜90重量%であり、塗布した材料全体の量が10,000平方cm当り5g以上20g以下であることを特徴とするものである。
本発明の第10の手段は電子写真電子写真装置において、前記第1ないし第9の手段の中間転写体を用いたことを特徴とするものである。
以上述べたように本発明によれば、中間転写体表面に少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカあるいは微粒子の帯電制御剤等の微粒子材料を1種以上と、溶媒に溶解可能な有機材料を1種以上含む溶液を塗布処理し微小凹凸を設けることにより、初期から画質の乱れが無く、画質安定性が良好で優れた画像品質を得ることができると同時に信頼性の高い中間転写体およびそれを用いた電子写真装置を得ることができる。
本発明者等は上記の課題を解決するため、オフセット防止剤を含まないトナー及びその表面と感光体表面及び中間転写体表面に着目し、その感光体表面、中間転写体表面の摩耗状況と中間転写体表面に転写されたトナーの状態、中間転写体から画像支持体に転写されるトナーの状態、転写ムラ発生状況、画像濃度ムラ、文字・細線等の画像の中抜けによる画像欠陥、細線の太さ不均一等との関係について鋭意検討を重ねた。その結果、オフセット防止剤を含まないトナー表面に外添されている材料と中間転写体の表面状態との関係が、上記画像特性に大きな影響を及ぼすことを見出した。
さらには、感光体表面へのトナーフィルミング抑制のための潤滑剤塗布装置により潤滑剤を均一に一定量塗布し続けることで、感光体及び中間転写体表面の摩耗速度に大きな影響を及ぼすことを見出した。潤滑剤としては、一般に知られている脂肪酸金属塩、メラミンシアヌレート、ポリテトラフッ化エチレン、2硫化モリブデン、脂肪酸アミドから選ばれる少なくとも1種の潤滑性物質を用いることができる。
特に今後の高速化,高精細化,高精度に対応するには、感光体並びに中間転写体表面の表面状態を高精度に制御し、ある一定期間その表面状態を維持する必要があることも見出した。これらは、感光体及び中間転写体の長寿命化にも対応でき、環境に優しいシステムになることにも繋がる。
前記課題を解決する為の本発明の手段は、以下の通りである。
すなわち、光導電体層を有する感光体表面のオフセット防止剤を含まないトナー画像を支持体上に転写して画像を形成する電子写真装置において、感光体表面にトナーフィルミング抑制及びクリーニング性向上のための潤滑剤塗布装置とブレードによるクリーニング機構を有する装置であり、該中間転写体上の前記トナー画像を支持体上に転写して画像を形成する電子写真装置において、前記中間転写体表面に少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカあるいは微粒子金属粉あるいは微粒子着色剤あるいは微粒子の帯電制御剤あるいはシリコーン系材料の微粒子を1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を、塗布,乾燥処理して用いる事を特徴とする中間転写体も設けることにより上記課題を解決することが出来る。
微粒子材料の平均粒径は、画像を形成する画像粒子の1/10以下が好ましい。より好ましくは、1/15以下が良い。微粒子材料の平均粒径が、画像を形成する画像粒子の1/10以上となると、微粒子を含む層の上に画像を形成する画像粒子が転写された時、その微粒子の粒径の影響が大きく関与する為、その粒子に邪魔されて画像乱れが発生する。また、転写体への画像転写時においても同様の画像乱れが発生しやすくなり好ましくない。高解像度を要求される画像には致命的となる。
また、塗布乾燥後の分散微粒子と有機材料の比率における微粒子材料の割合は70〜90重量%が好ましい。有機材料の配合量が増加すると、材料により表面がべたついたり、表面に付着した有機材料によるごわごわ感が発生し好ましくない。また、必要以上の付着力を与える為、転写効率、画像欠陥が逆に発生してしまう可能性があるため好ましくない。有機材料の配合量が少ないと、微粒子の中間転写体への接着力不足により簡単に外れてしまう為、当初の目的とする効果が半減してしまうので好ましくない。
有機溶剤に溶解可能な有機材料としては、シリコーン系オイル、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル共重合体、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂等の前記微粒子の分散を阻害せず被塗工表面への密着性を有すると共に、分散微粒子との密着性を有する材料が好ましい。より好ましくは、用紙等の被印刷物との離型性を有する材料を用いた方が、より安定した効果が得られる。また、これらを1種もしくは2種以上混合した系で用いる事ができる。
溶媒としては、水系、有機溶剤系のものを用いることができる。その一例としては、アルコール系(エチルアルコール、イソプロピルアルコール等)、芳香族系(トルエン、キシレン等)、炭化水素系(ヘキサン、シクロヘキサン等)、ケトン系(アセトン、2−ブタノン等)、エーテル系(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等)、水系(水、分散剤/乳化剤添加等)等があり、これらを1種もしくは2種以上を混合した系で用いることができる。
さらに、塗布乾燥された分散微粒子と有機材料の合計重量は、10,000平方cm当り5g以上20g以下が好ましく、より好ましくは、5g以上10g以下が良い。10,000平方cm当り20g以上塗布しても効果はさほど変化せず、逆に付着物が離脱しやすくなり、脱落した物質が装置内部を汚染してしまうという欠点が発生してしまう。また、付着量が5g以下になると、当初の目的とする効果が半減してしまうため好ましくない。
つまり、溶媒に溶解可能な上記有機材料にて、上記微粒子材料を中間転写体表面に固着させて、転写されるトナーとの間に適度な静電的な付着力を与え、転写時、画像支持体へスムーズに転写される様にする。つまり、各々の転写時における表面に存在するトナーへの機械的、静電的圧力を緩和するため、トナー粒子1個1個が画像支持体上にスムーズに転写される様になる。さらには、中間転写体表面に微小な離型性の良い凹凸が形成されるため、トナーが離れる際の剥離放電が抑えられると共に剥離がスムーズに行われるため、剥離時のトナーの静電的画像乱れも抑制される。また、溶媒に溶解可能でかつ中間転写体に密着性の良い有機材料を用いているため、中間転写体がトナー及びその外添剤と馴染むまでの期間その特性を保持することが出来る。より好ましくは、上記形成された層、微粒子材料、溶媒に溶解可能な有機材料が、静電的にトナーと逆極性方向になるような設計手法を取ることが良い。
以下、本発明の実施例について説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
本発明の一例について、図を用いて説明する。図1は本発明に用いた電子写真装置の概略断面図で、図に従って装置の構成を説明する。
本体には、プリンタを制御する上位装置(図示せず)が設置されている。この上位装置には、画像信号処理部とプリント指令制御部が内蔵されている。
本体右より中央部に3箇所の回転可能な軸によって張架されたベルト状の感光体1が設けられている。ベルト状感光体1は、表面に感光層(例えば有機光導電体:OPC)を有し、その下部に導電層(例えばアルミ)を持つ多層構造になっている。ベルト状感光体1は、図1中の矢印方向に走行するようになっており、ベルト状感光体周辺には、矢印方向に沿って順番に帯電器2、露光手段3、現像手段4a、4b、4c、4d、中間転写体5、イレーズ光6、潤滑剤塗布装置7、感光体クリーニング機構8が設けられている。
帯電器2は、コロトロンであり、コロトロンワイヤーの放電によって感光体表面を帯電する。露光手段3は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、fθレンズとそれらを納めたケースによりなっている。
現像手段4a、4b、4c、4dの4台の現像機は、同型の物であるがそれぞれ異なる色のトナー、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックが収納されており、各々の色を現像する。また、それぞれ独立に作動するようになっている。
中間転写体5は、直径80〜150mmの円筒で、導電性の円筒基体(例えばアルミニウムのドラム)とそれを覆う表面層(詳細は後で説明)から構成されている。
導電性の円筒基体は、アースに接続されている。この中間転写体5は、ベルト感光体1と適度な圧力で押しつけられていて、ニップ巾2〜20mmで接触し、ベルト感光体1上に形成されたトナー像は、このニップ部においてベルト感光体1の導電層に印可した電圧により中間転写体5上に転写される。
ベルト状感光体1と中間転写体5は、両方別駆動していても、一方が他方の従動であっても良い。イレーズランプ6は、トナー像転写後のベルト感光体1上の残留電位を光照射により除去する。潤滑剤塗布装置7は、内部に納められた潤滑剤を感光体表面に常に均一かつ同一塗布量となるような制御がされている。
感光体クリーニング機構8は、転写後にベルト感光体1上に残っている残留トナーを除去する。同じくクリーニング機構14は、中間転写体5上に記録媒体転写後残留しているトナーを除去する。
転写前帯電器9は、中間転写体5上のトナー表面の電位を一定にし、転写を行ないやすいようにする役目を持つ。
感光体ベルト1から中間転写体5に転写されたトナー像は、用紙10に転写機11により転写され、予熱機12により予備加熱され、定着ローラにシリコーンオイルを塗布された定着機13によって用紙10にトナー像を溶融定着する。
次に本実施例において用いた転写ベルトについて説明する。図2は、転写ベルトの概略断面図である。
中間転写体5は、金属(アルミニウム等)の円形型素管を5a覆うように、柔軟性を有する無短のベルトが設置されている。中間転写体5は、図2に示すように柔軟性を持ち、弾性を有するポリウレタンゴム5bと、この弾性層5bの上下に、オゾンによるウレタンゴムの劣化防止、ベルトの機械的強度補強及び表面の離型性改良のため形成された補強・離型層5cが設けられている。さらにその表面に、本発明の表面層5dをスプレー塗工により設けた4層構成となっている。
ところで、中間転写体5は、弾性層5bのみの表面に本発明の表面層を施して用いても同様の効果が得られる。さらに弾性層5bは、柔軟性をもち弾性を有しかつ機械的特性が目的に合うものであれば、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴム、フッ素ゴム等の物を用いることができ、目的によりこれらを1層ないし2層以上組み合わせても良い。
また、弾性層5bの表面、裏面あるいは上下に、オゾンによる弾性層5bの劣化防止、ベルトの機械的強度補強及び表面の離型性改良あるいは抵抗値調整等のために形成する材料として、フッ素系材料、半導電性プラスチック、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の柔軟性を有する一般的な材料を用いることができる。
これらを用いた中間転写体の作成は、公知の技術にて製造することが出来る。
用いたトナーは、日立製作所の連続紙プリンタ用として用いている基本樹脂がポリエステル系のトナーを、マイナス帯電型に変更しかつオフセット防止剤を添加しないトナーを作成して用いた。外添剤は、マイナス帯電トナー用のシリカを適量外添して用いた。
〔実施例1〕
〔実施例1〕
ポリウレタンゴム(2mm厚)の両面に、ダイエルラテックスGLS-213(A)液(ダイキン工業(株)製)と、ダイエルラテックスGLS-213(B)液(ダイキン工業(株)製)とを所定量混合攪拌後、スプレーガンにてコーテイングを行い、自然乾燥後170℃にて1時間焼成して、表面層約20ミクロン厚を有する転写ベルトを得た。
次に、無機材料でシリカであるアミノアルキルシリル基処理品のアエロジルRY−200H(日本アエロジル(株)製)を4重量部とシリコーンオイルKF54(信越化学(株)製)0.6重量部とを、溶媒であるトルエン(和光純薬(株)製)85.4重量部に分散溶解して、超音波分散を2時間程行い、転写ベルト表面にコートする塗液を作成した。スプレーガンにて、前記塗液を13g/1,000cm2割合となるように、前記転写ベルト表面に均一なコーテイングを行い、自然乾燥後、110℃にて1時間乾燥して表面に微粒子による微小凹凸を有する目的とする中間転写体を得た。
この転写ベルトを用い、図1に示すような構成の電子写真装置、印刷速度35ips(インチ/秒)を有する連続紙のレーザプリンタを試作し、これを用いて画像支持体に転写されるトナーの状態、転写ムラ発生状況、画像濃度ムラ、文字・細線等の画像の中抜けによる画像欠陥、細線の太さ不均一等との関係に及び中間転写体、感光体の傷及び摩耗量について評価した。
用いた用紙は、プリンタに用いられているHINIP・HS用紙(55kg連量紙:小林記録(株)製)を用いた。
画像評価の結果、初期から転写ムラ、画像濃度ムラ、画像の中抜け等の画像欠陥は発生せず、細線の太さ不均一も無い良好な画像が得られ、50万頁印刷してもその状況は変化しなかった。
また、中間転写体の摩耗量は約1.5μm,感光体の摩耗量は約2.5μmと非常に少ない摩耗量であることが分った。これらの表面に、特に大きな傷は見られなかった。
〔実施例2〕
〔実施例2〕
中間転写体の最表面層をポリイミド材とし、表面に塗工する塗液を表1に示すような組成にて作成し、スプレーガンにて表1に示す塗液塗工量になるように塗工して、実施例1と同様の乾燥及び評価実験を行った。
なお、シリカR−972はジメチルジクロルシラン基処理品。LR−147は、四級アンモニウム塩の帯電制御剤。酸化アルミニウムは、アルミニウムの酸化物。フタロシアニンは、着色剤としても用いられているものを用いた。トスパール200Bは、球形のシリコーン樹脂のパウダであり、分級を追加して平均粒径約0.5μmとしたものを用いた。
〔実施例3〜4及び比較例1〜5〕
〔実施例3〜4及び比較例1〜5〕
中間転写体表面の材質として実施例1の物を用い、表1に示すような組成にて作成し、スプレーガンにて表1に示す塗液塗工量になるように塗工して、実施例1と同様の乾燥及び評価実験を行った。
本発明における塗液の塗工方法はスプレー方式に限らず、転写ベルト表面に塗液を均一に塗布でき、微粒子の均一塗工が可能であれば、バーコータ法等による塗工でも良い。塗工に用いる塗液調合において、微粒子の分散助剤として、必要に応じて公知の分散剤を用いることができる。
つまり、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油性材料にて、無機あるいは有機の微粒子を中間転写体表面に出来るだけ均一に固着させて、中間転写体表面とトナーとに適度な空隙を設けると共に、トナーとの間で適度な吸着力を保持させるような設計にて用いることがより望ましい。
本発明に用いられるトナーは、オフセット防止剤を含まず、公知のトナー用樹脂、着色剤、帯電制御剤、助剤等を配合し、公知の方法によりトナー化したもの、さらにはこれらのトナーに所望の特性を得るため、外添剤を組み合わせたものが使用できる。
1…感光体ベルト、2…帯電器、3…レーザ光(露光手段)、4a,4b,4C,4d…現像機、5…中間転写体、5a…金属円筒形素管、5b…ポリウレタンゴム、5c…補強・離型層、5d…本発明表面層、6…イレーズ光、7…潤滑剤塗布装置、8…クリーニング機構、9…転写前帯電器、10…用紙、11…転写ローラ、12…予熱器、13…定着機、14…クリーニング機構。
Claims (10)
- 光導電体層を有する感光体表面のオフセット防止剤を含まないトナー画像を中間転写体に転写し、該中間転写体上の前記トナー画像を支持体上に転写して画像を形成し、前記感光体表面にトナーフィルミング抑制及びクリーニング性向上のための潤滑剤塗布装置とブレードによるクリーニング機構を有する電子写真装置において、
前記中間転写体表面に、少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカと微粒子金属粉、微粒子の帯電制御剤、シリコーン系の微粒子1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を塗布、乾燥処理して用いることを特徴とする電子写真装置の中間転写体。 - 前記印刷速度が35ips(インチ/秒)以上の速度を有する電子写真装置であり、前記中間転写体表面に少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカと微粒子金属粉,微粒子の帯電制御剤,シリコーン系材料の微粒子の1種以上を分散並びに樹脂あるいは油系材料の1種以上を溶解させる溶媒が、有機系溶剤であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記微粒子シリカと微粒子金属粉,微粒子の帯電制御剤,シリコーン系材料の微粒子は、トナーの表面に外添している材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記中間転写体表面が有機材料にて形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記中間転写体表面の有機材料がフッ素の材料あるいはポリイミド系の材料であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記中間転写体表面の有機材料がフッ素系の材料あるいはポリイミド系の弾性層であり、該弾性層が複数層形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記微粒子シリカあるいは微粒子金属粉あるいは微粒子着色剤あるいは微粒子の帯電制御剤あるいはシリコーン系材料の微粒子の平均粒径が、画像を形成する着色粒子の1/10以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記溶媒に溶解可能な材料として、シリコーン系材料であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電子写真装置の中間転写体。
- 前記中間写体の表面に塗布,乾燥後の塗布した材料に含まれる微粒子材料の割合が70〜90重量%であり、塗布した材料全体の量が10,000平方cm当り5g以上20g以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電子写真の中間転写体。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の中間転写体を用いたことを特徴とする電子写真電子写真装置。
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---|---|---|---|
JP2009030721A JP2010186093A (ja) | 2009-02-13 | 2009-02-13 | 中間転写体及びそれを用いる電子写真装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011039430A (ja) * | 2009-08-18 | 2011-02-24 | Ricoh Co Ltd | 中間転写ベルト並びにこれを用いた画像形成装置及び画像形成方法 |
US20120213546A1 (en) * | 2011-02-17 | 2012-08-23 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming apparatus and image forming method |
JP2014122958A (ja) * | 2012-12-20 | 2014-07-03 | Canon Inc | 画像形成装置 |
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2009
- 2009-02-13 JP JP2009030721A patent/JP2010186093A/ja active Pending
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JP2011039430A (ja) * | 2009-08-18 | 2011-02-24 | Ricoh Co Ltd | 中間転写ベルト並びにこれを用いた画像形成装置及び画像形成方法 |
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US8611800B2 (en) * | 2011-02-17 | 2013-12-17 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming apparatus and image forming method |
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