JP4961143B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記クリーニングローラに当接し、クリーニングローラに付着したトナーを堰き止めて、該トナーを該クリーニングローラ表面の該トナーの帯電極性と異なる極性の領域と対向させるスクレーパ部材を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記スクレーパ部材および上記クリーニングローラのいずれか一方が弾性変形するように、上記スクレーパ部材を上記クリーニングローラに当接させたことを特徴とするものである。
また、第1領域および第2領域をエレクトレット材料で構成するので、表面にバイアスを印加しなくても、正極性の電位を有する第1領域および負極性の電位を有する第2領域を形成することができる。よって、正極性のバイアスを印加する電源装置や負極性のバイアスを印加する電源装置が不要となり、装置の大型化を抑制することができ、装置内のレイアウトの自由度の低下を抑制することができる。また、装置の部品点数の増加を抑制することができ、コストアップを抑制することができる。
像担持体である感光体1の周囲には、帯電ローラー2aで感光体1の表面を帯電する帯電装置2、レーザー光線Lで感光体1の一様帯電処理面に潜像を形成する露光装置3、感光体1上において潜像に対し帯電したトナーを付着させることでトナー像を形成させる現像手段としての現像装置6、転写ローラ12aで感光体1上に形成されたトナー像を転写紙Pに転写する転写装置5、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニング装置7が順に配列されている。
また、本実施形態においては、芯材の表面に直接エレクトレット材料からなる表面層を設けているが、芯材の表面に発泡ウレタンゴムなどの弾性部材で構成された弾性層を形成し、この弾性層の表面にエレクトレット材料からなる表面層を形成しても良い。弾性層を設けることで、クリーニングローラ71が良好に撓むことができ、クリーニングニップを広げることができる。また、正極性または負極性の電位を有する繊維状のエレクトレット材料や粒子状のエレクトレット材料を分散させて表面層を形成しても良い。
同様にして、クリーニングローラ71表面の第1領域71eに付着した負極性の転写残トナーが、スクレーパ部材73に堰止められた後、クリーニングローラ表面を相対的に移動する。そして、負極性の電位を有する第2領域71eと対向すると、反発力でクリーニングローラ表面から飛翔して、クリーニングローラ71から離脱する。これにより、クリーニングローラ表面から転写残トナーが除去されて、安定的なクリーニング性を維持することができる。
クリーニングローラ71から離脱した転写残トナーは、搬送手段74へ落下して、搬送手段74により、クリーニング装置7の外へ適宜排出される。
なお、図7では、クリーニングローラ71の線速を感光体1の線速よりも遅くした例について説明したが、クリーニングローラ71の線速を感光体1の線速よりも速くした場合も同様の効果を得ることができる。この場合は、転写残トナーは、クリーニングローラ71の表面を図中下側へ相対移動し、図中下側の領域に静電的に吸着される。
感光体の表面がクリーニングニップ入り口から出口まで移動するのにかかる時間tは、t=N/vdとなる。この時間tで、クリーニングローラが移動する距離yは、Vc×t=(Vc/Vd)Nとなる。ニップ幅N=1[mm]、(Vc/Vd)=0.5のとき、クリーニングローラ表面の移動距離yは、0.5[mm]となる。すなわち、感光体の表面がニップ幅1[mm]移動する間に、クリーニングローラの表面は0.5[mm]移動する。よって、領域間ピッチLを、0.5[mm]以下に設定すれば、感光体表面が、クリーニングニップを通過する間に第1領域71eおよび第2領域71eに接触させることができる。また、(Vc/Vd)=1.5のときは、感光体の表面がニップ幅N=1[mm]移動する間に、クリーニングローラの表面は1.5[mm]移動する。すなわち、感光体表面がクリーニングニップを通過する間に、クリーニングローラ表面は、0.5[mm]先に進む。よって、この場合も、領域間ピッチLを0.5[mm]以下に設定すれば、感光体表面が、クリーニングニップを通過する間に第1領域71eおよび第2領域71fに接触させることができる。
まず、実施例1のクリーニングローラの製造方法について説明する。
図10は、実施例1のクリーニングローラの製造方法について説明する図である。まず、図10(a)に示すように、PET(ポリエチレンテレフタレート)などエレクトレット性を付与できるシート材50を、グランドに接続された板状の第1電極61と、電源に接続された板状の第2電極62とで挟みこむ。第2電極62には、正極性のバイアスを印加する第1電源63に接続された図10(b)に示すような櫛歯状の正極性電極部62aと、負極性のバイアスを印加する第2電源64に接続された櫛歯状の負極性電極部62bとを有している。正極性電極部62aの櫛歯部分Aと負極性電極部62bの櫛歯部分Bとが交互になるように配置されている。
また、第2電極62の正極性電極部62aと負極性電極部62bとの形状を変えることで、格子状、曲線状など、種々の領域パターンをクリーニングローラ表面に形成することができる。
図11は、実施例2のクリーニングローラ71の製造方法について説明する図である。
実施例2のクリーニングローラ71の製造方法においては、まず、正極性の電位を有する粒子状エレクトレット材料と、負極性の電位を有する粒子状のエレクトレット材料を得る。この粒子状のエレクトレ材料は、図11(a)に示すように、グランドに接続されたノズル部81の先端に電源装置83から電圧が印加されるリング電極82を配置した射出成形装置80で溶融した高分子を液滴状に射出することで得ることができる。例えば、リング電極82に負極性の電圧を印加すると、リング電極82とノズル部81の先端との間に強力な電界が生じる。溶融した高分子がノズル部81の先端から射出する際に、電界の作用により、正極性の結合イオンや分散イオンが移動してくる。その結果、ノズル先端から液滴状に射出された高分子には、正極性の結合イオンや分散イオンが多く付与される。よって、液滴状の射出された高分子は冷間後、正極性の電位を有する粒子状のエレクトレット材料となる。また、リング電極82に正極性の電圧を印加すれば、負極性の電位を有する粒子状のエレクトレット材料を得ることができる。
また、クリーニングローラの表面を平滑にするために、粒子状のエレクトレット材料が分散された表面層を切削研磨したり、表面コートを行ったりしてもよい。
図13は、実施例3のクリーニングローラの製造方法を説明する図である。
まず、グランドに接続された透明電極87上のバインダー樹脂となる液状の紫外硬化樹脂材料85に、図11(a)に示した射出成形装置80で得られる負極性または正極性の電位を有する粒子状のエレクトレット材料を分散させる(図13(a))。次に、図13(b)に示すような、櫛歯状の正極性電極部86aの櫛歯部Aと、櫛歯状の負極性電極部86bの櫛歯部Bとが交互に配置された配向電極部72をエレクトレット材料が分散された液状の紫外硬化樹脂材料85と対向させる(図13(c))。次に、配向電極86の正極性電極部86aに第1電源装置88から正極性の電圧を印加し、負極性電極部86bに第2電源装置89から負極性の電圧を印加する。すると、正極性の電位を有するエレクトレット材料が液状の紫外硬化樹脂内を移動して、負極性電極部86bと対向する。一方、負極性の電位を有するエレクトレット材料が液状紫外硬化樹脂内を移動して、正極性電極部86aと対向する。これにより、粒子状のエレクトレット材料が所定の電位パターンとなるように、液状の紫外硬化樹脂内に配列される。このように粒子状のエレクトレット材料が所定の電位パターンに配列したら、液状の紫外硬化樹脂に透明電極87を介して紫外線を照射して、紫外硬化樹脂を硬化させる。すると、図13(d)に示すような、表面に所定の幅を有した正極性の電位を有する直線状の第1領域、正極性の電位を有する直線状の第2領域とが交互に現れるシート材93が形成される。次に、このシート材93を、図13(e)に示すように、円筒状の芯材71bに巻き付けることで、表面に正極性の電位を有する第1領域と、負極性の電位を有する第2極性とが互い違いに配列されたクリーニングローラ71を得ることができる。
また、クリーニングローラの表面を平滑にするために、粒子状のエレクトレット材料が分散された表面層を切削研磨したり、表面コートを行ったりしてもよい。
つまり、次の(1)式によって定義されるものである。
以上、本実施形態のクリーニング装置によれば、クリーニングローラ表面に正極性の電位を有する第1領域と負極性の電位を有する第2領域とを設けたので、第1領域と第2領域とが接触してリークを生じることがない。また、ひとつのローラに正極性の電位を有する第1領域と負極性の電位を有する第2領域とを設けたので、一つのローラで帯電微粉たる負極性の転写残トナーおよび正極性の転写残トナーを除去することができる。よって、正極性、負極性の電圧をそれぞれ印加した2本のローラを並べるものに較べて装置を小型化することができる。
また、第1領域および第2領域をエレクトレット材料で構成するので、表面にバイアスを印加しなくても、正極性の電位を有する第1領域および負極性の電位を有する第2領域を形成することができる。よって、正極性のバイアスを印加する電源装置や負極性のバイアスを印加する電源装置が不要となり、装置の大型化を抑制することができ、装置内のレイアウトの自由度の低下を抑制することができる。また、装置の部品点数の増加を抑制することができ、コストアップを抑制することができる。
(2)
また、スクレーパ部材が、クリーニングローラに付着した転写残トナーを堰き止めて、クリーニングローラ表面のトナーの帯電極性と異なる極性の領域と対向させる。転写残トナーが、クリーニングローラ表面のトナーの帯電極性と異なる極性の領域と対向すると、反発力で回収ローラ表面から飛翔して、クリーニングローラから離脱する。これにより、クリーニングローラ表面から転写残トナーを除去することができる。よって、静電的に転写残トナーをクリーニングローラから除去するので、掻き取るなどの機械的に転写残トナーをクリーニングローラから除去する方法では除去し難かった球形トナーであっても、良好にクリーニングローラ表面から除去することができる。
(3)
また、上記スクレーパ部材および上記クリーニングローラのいずれか一方が弾性変形するように、上記スクレーパ部材を上記クリーニングローラに当接させている。これにより、クリーニングローラに偏心などによって、スクレーパ部材との接触位置が変動しても、スクレーパ部材またはクリーニングローラが弾性変形して、変動を吸収することができる。これにより、スクレーパ部材がクリーニングローラから離間することが抑制され、クリーニングローラに静電吸着した転写残トナーをスクレーパ部材で良好に堰き止めることができる。
(4)
また、被清掃体たる感光体と上記クリーニングローラとの接触領域たるクリーニングニップにおいて、上記感光体と上記クリーニングローラとの間に線速差が生じるようにしたので、感光体上の転写残トナーがクリーニングニップを通過する間にクリーニングローラの異なる部分と対向することができる。これにより、感光体上の転写残トナーがクリーニングニップを通過するまでの間に第1領域と第2領域との間の電界の影響を受けるようになり、転写残トナーをクリーニングローラに静電的に付着させることができる。
(5)
また、上記感光体表面がクリーニングニップを通過する間に、上記第1および第2領域と感光持体表面とが少なくとも一回以上接触するようにしたので、感光体上の負極性に帯電したトナー、正極性に帯電したトナーを確実にクリーニングローラで除去することができる。
(6)
また、上記第1領域と第2領域とをトナーの平均粒径以上のピッチで配置したので、トナーが複数の領域間の電界の影響を受けなくなる。よって、各領域間の電界の影響によって生じる静電気力が互いに打ち消し合って、転写残トナーを転写残トナーの帯電極性と異極性電位を有する領域へ移動させるための静電気力が弱まることが抑制される。
(7)
また、上記第1領域および上記第2領域が所定のパターンで表面に形成された薄状のエレクトレット材料をローラに固定することで、クリーニングローラ表面にエレクトレット材料で構成された第1領域および第2領域を設けることができる。
(8)
また、粒子状または繊維状のエレクトレット材料をローラの表面に分散固定することで、クリーニングローラ表面にエレクトレット材料で構成された第1領域および第2領域を設けることができる。また、分散させるエレクトレット材料の量や、エレクトレット材料の大きさを調整することで、所望の領域間ピッチを得ることができる。また、トナー粒径程度の大きさのエレクトレット材料を分散すれば、領域間ピッチをトナー粒径程度にまで狭めることができ、領域間の電界を強くすることができる。よって、転写残トナーをクリーニングローラの表面に良好に付着させることができる。
(9)
また、粒子状または繊維状のエレクトレット材料を所定のパターンに配列してローラ表面に固定することでも、クリーニングローラ表面にエレクトレット材料で構成された第1領域および第2領域を設けることができる。
(10)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(9)の特徴をもつクリーニング装置7を用いることで、装置を小型化することができ、良好なクリーニング性能を得ることができる。
(11)
また、トナー像を形成するためのトナーとして、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあるものを用いる。これにより、クリーニング入力量が低減し余裕度が向上するとともに、高画質画像が得られる。また、クリーニング装置の長寿命化も図れる。
6:現像装置
7:クリーニング装置
71:ブラシローラ
72:回収ローラ
73:スクレーパ部材
74:搬送手段
Claims (3)
- 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、該像担持体に静電潜像を形成する潜像形成装置と、該像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する現像装置と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置と、該像担持体をクリーニングするクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
上記クリーニング装置は、像担持体に当接してクリーニングニップを形成し、該像担持体の表面のトナーを静電的に除去するクリーニングローラを備え、
上記クリーニングローラの表面層を、表面に正極性の電位を有する第1領域と、負極性の電位を有する第2領域とが交互に形成されたエレクトレット材料で構成し、
上記第1領域と上記第2領域とが交互に形成された上記エレクトレット材料を、グランドに接続された第1電極部材と、正極性の電圧が印加された正極性電極部と負極性の電圧が印加された負極性電極部とが交互に配列された第2電極部材とで溶融した高分子を挟みこむことで形成し、
上記トナーは、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあり、粒径が、5[μm]以上10[μm]以下であって、
上記像担持体と上記クリーニングローラとの対向領域において、上記像担持体表面移動方向と上記クリーニングローラの表面移動方向とが同一方向であり、上記像担持体の線速をVd、クリーニングローラの線速をVcとしたとき、
0.5≦Vc/Vd≦1.5、
上記クリーニングニップ幅を、1[mm]以下、
上記第1領域と上記第2領域との領域間ピッチを、10μm以上、500μm以下に設定し、
上記像担持体表面が上記クリーニングニップを通過する間に、上記第1および第2領域と少なくとも一回以上接触するように構成し、
上記第1領域と上記第2領域との領域間に形成された電界により、像担持体表面上の転写残トナーを、このトナーの帯電極性と逆極性の電位を有する領域へ移動させて、このトナーの帯電極性と逆極性の電位を有する領域に付着させて像担持体表面から除去することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記クリーニングローラに当接し、クリーニングローラに付着したトナーを堰き止めて、該トナーを該クリーニングローラ表面の該トナーの帯電極性と異なる極性の領域と対向させるスクレーパ部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記スクレーパ部材および上記クリーニングローラのいずれか一方が弾性変形するように、上記スクレーパ部材を上記クリーニングローラに当接させたことを特徴とする画像形成装置。
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