JP4834414B2 - クリーニング装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クリーニング装置および画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、像担持体や中間転写体などの被清掃体たる像担持体について、記録体や他の像担持体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、クリーニングブレードを用いたものがよく知られている。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された球形に近いトナー(以下、「球形トナー」という。)を用いた画像形成装置が知られている。この球形トナーは、従来の粉砕トナー(異形トナー)に比べて転写効率が高いなどの特徴があり、近年の高画質化の要求に応えることが可能であることが知られている。しかし、球形トナーは、クリーニングブレードに堰き止められた後、像担持体との摩擦力により転がってクリーニングブレードをすり抜けやすく、クリーニング性が悪化してしまう。
これに対し、小粒径トナーや球形トナーのクリーニング時にも確実なクリーニング性を備えたクリーニング方式として、静電ブラシクリーニング方式がある。この静電ブラシクリーニング方式のクリーニング装置は、次のような構成を備えている。すなわち、感光体表面に接触摺擦する導電性のブラシローラと、導電性ブラシローラに接触する回収ローラおよび回収ローラに接触するゴムブレードからなるトナー除去手段とを備えた構成である。静電ブラシクリーニング方式のクリーニング装置においては、導電性ブラシローラあるいは導電性ブラシローラと回収ローラとの両方に電圧を印加し、摺擦力に加え静電気力で感光体からトナーを除去する。このため、小粒径トナーや球形トナーに対してもクリーニング性能が得られる。
ところで、一般的に画像形成装置では、転写工程で現像後のトナー極性と逆極性の電圧を印加して感光体上のトナーを転写するため、転写後に感光体上に残ったトナーは現像後のトナー極性のままのトナー、逆極性に帯電したトナー、あるいは無帯電トナーの混合物となっている(図9参照)。この両極性及び無帯電トナーの混合物をクリーニングするクリーニング装置として、図10に示すようなクリーニング装置が提案されている。すなわち、正極性の電圧を印加した第1導電性ブラシローラ171と、負極性の電圧を印加した第2導電性ブラシローラ172とを並べ各極性トナーごとにクリーニングするものである。
しかし、感光体1に対向して2本の導電性ブラシローラ171、172を配置し、さらには、それぞれのブラシに付着したトナーを除去する除去手段173、174を配置することは画像形成装置の小型化という課題を達成し難い。そこで、特許文献1では、サイズを増加させずにトナーに各極性トナーごとにクリーニングする導電性ブラシローラを備えたクリーニング装置を提案している。この特許文献1の導電性ブラシローラは、複数の導電性の起毛に正極性のバイアスを印加する第1領域と負極性のバイアスを印加する第2の領域とに分けらている。そして、正極性、負極性それぞれの領域に分割されたブラシローラを回転させて、それぞれを感光体表面に接触させて、感光体表面から各極性トナーごとにクリーニングしている。また、無帯電トナーは、ブラシローラによって、機械的に掻き取られて感光体表面から除去される。これにより、像担持体に対向して1本のブラシローラを配置するのみでよいので、小型化という点でメリットがある。
特開2005−157374号公報
ところで、トナーに含有されているシリカやステアリン酸亜鉛等の添加剤は、画像形成工程中の機械的ストレス等によってトナー本体から遊離することがある。このように遊離した添加剤が現像領域での現像剤による摺擦や上記ブラシによる摺擦により長期的に像担持体表面に押し付けられると、その添加剤が像担持体表面に薄いフィルム状に付着するフィルミング現象が発生する。このフィルミング現象が発生すると、像担持体上に付着したトナーの付着力が弱まり、像流れと呼ばれる現象が発生するなどの不具合が生じる。このため、上記ブラシローラによってフィルム状に付着した添加剤を、削りとって、フィルミング現象による不具合を抑制している。
しかし、特許文献1の構成のように、導電性の起毛に負極性または正極性の電圧を印加すると、フィルム状に付着した添加剤を削り取る効果が小さくなり、フィルミング現象による不具合を十分に抑制することができないという不具合が発生した。そこで、本出願人は、ブラシローラの起毛に電圧を印加したときと、印加しないときとの起毛の挙動を目視で観察したところ、以下のような挙動を確認した。すなわち、起毛に電圧を印加すると、感光体と接触している導電性の起毛がブラシローラ移動方向上流側に撓んでしまうという挙動である。起毛に電圧が印加されると、起毛が撓んでしまう理由は定かではないが、起毛に電圧を印加する結果、像担持体と起毛との間に電界が形成され、この電界の影響を受けて、起毛がブラシローラ移動方向上流側に撓んだと考えられる。このように、起毛が撓む結果、感光体と起毛との接触圧が弱まり、ブラシローラによってフィルム状に付着した添加剤を、削りとる効果が小さくなったと考えられる。また、感光体と起毛との接触圧が弱まる結果、無帯電トナーを機械的に良好に掻き取ることができず、無帯電トナーを感光体表面から良好に除去することができないという不具合も生じる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、装置の小型化を図るとともに、像担持体上に付着したフィルム状の物質および無帯電トナーを良好に掻き取ることのできるクリーニング装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸体上に設けられた複数の導電性起毛を有し、且つ表面移動する像担持体に対して当接しながら回転して該像担持体の表面をクリーニングするブラシローラを備えたクリーニング装置において、該ブラシローラは、該導電性起毛に正極性のバイアスを印加して像担持体表面の負極性に帯電したトナーを除去する第1領域と、該導電性起毛に負極性のバイアスを印加して像担持体表面の正極性に帯電したトナーを除去する第2領域と、上記第1領域と上記第2領域との間に配置され、像担持体表面に付着した物質を機械的に除去する掻き取り部材を備えた第3領域とを有し、該掻き取り部材に電気を導通させないよう構成し、正極性の電圧が印加される第1電極部と、負極性の電圧が印加される第2電極部と、上記第1電極部と上記第2電極部との間に配置された絶縁部とを表面に有し、上記ブラシローラに接触して、ブラシローラに付着した物質を回収する回収ローラを備え、上記第1領域が上記回収ローラと接触する領域を通過するとき、上記第1領域が上記回収ローラの上記第1電極部と接触し、上記第2領域が上記回収ローラと接触する領域を通過するとき、上記第2領域が上記回収ローラの上記第2電極部と接触し、上記第3領域が上記回収ローラと接触する領域を通過するとき、上記第3領域が上記回収ローラの上記絶縁部と接触するように、上記回収ローラを回転させたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記第3領域を非バイアス印加領域としたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記掻き取り部材を絶縁性部材としたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、求項1乃至いずれかのクリーニング装置において、上記掻き取り部材は、複数の起毛であって、該起毛の剛性を、上記導電性起毛の剛性よりも大きくなるよう構成したことことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至いずれかのクリーニング装置において、上記ブラシローラにおける上記第3領域が占める割合を上記第1領域および上記第2領域が占める割合よりも高くすることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至いずれかのクリーニング装置において、上記ブラシローラにおける上記第3領域が占める割合を上記第1領域および上記第2領域が占める割合よりも低くすることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、該像担持体に静電潜像を形成する潜像形成装置と、該像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する現像装置と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置と、該像担持体をクリーニングするクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、上記クリーニング装置として請求項1乃至いずれかのクリーニング装置を採用することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記像担持体表面が上記ブラシローラと接触する領域を通過する間に、上記第1領域、第2領域および第3領域と該像担持体表面とが少なくとも一回以上接触するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7または8の画像形成装置において、上記像担持体としてフィラー(粒子状物質)を含有する保護層が形成されたものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項7乃至9いずれかの画像形成装置において、上記像担持体上にトナー像を形成するためのトナーとして、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項7乃至10いずれかの画像形成装置において、上記像担持体と、少なくとも上記クリーニング装置とを一体的に構成し、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記プロセスカートリッジを複数備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ブラシローラの第1領域で像担持体表面の負極性に帯電したトナーを除去し、ブラシローラの第2領域で正極性に帯電したトナーを除去することで、1本のブラシローラで感光体表面の両極性のトナーを除去することができる。よって、正極性、負極性の電圧をそれぞれ印加した2本のブラシローラを並べるものに較べて装置を小型化することができる。また、第3領域に備えらた掻き取り部材には、電気が導通しないので、掻き取り部材と感光体との間に電界が形成されるのを抑制することができる。よって、掻き取り部材が電界の影響でブラシローラ移動方向上流側に撓むことが抑制され、掻き取り部材の像担持体との接触圧が低下するのを抑制することができる。その結果、掻き取り部材は、像担持体表面にフィルム状に付着したトナー添加剤や、像担持体上の無帯電トナーを良好に掻き取ることができる。従って、像担持体表面にフィルム状に付着したトナー添加剤や、像担持体上の無帯電トナーを像担持体表面から良好にに除去することができる。
以下、本発明を画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態について説明する。図1は本実施形態に係るプリンタの全体構成図である。
像担持体である感光体1の周囲には、帯電ローラー等で感光体1の表面を帯電する帯電装置2、レーザー光線Lで感光体1の一様帯電処理面に潜像を形成する図示しない露光装置、感光体1上において潜像に対し帯電したトナーを付着させることでトナー像を形成させる現像手段としての現像装置6、転写ローラ12aで感光体1上に形成されたトナー像を転写紙Pに転写する転写装置5、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニング装置7、感光体1上の残留電位を除去する除電装置8、が順に配列されている。
上記構成のプリンタにおいて、帯電装置2の帯電ローラ2aによって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、図示しない露光装置によって静電潜像を形成され、現像装置6によってトナー像を形成される。当該トナー像は転写装置5によって感光体ドラム1表面から、給紙トレイ3から搬送された転写紙Pへ転写される。
上記転写装置5の下方には、記録体たる転写紙Pを複数枚重ねて収容する給紙カセット3が配設されている。この給紙カセット3は、一番上の転写紙Pに押し当てている給紙ローラ3aを所定のタイミングで回転駆動させ、その転写紙Pを給紙搬送路に給紙する。給紙搬送路内では、送り出された転写紙Pが複数の搬送ローラ対13を経た後、レジストローラ対14のローラ間に挟まれて止まる。レジストローラ対14は、挟み込んだ転写紙Pを、上述のようにして感光体1上に形成されたトナー像に重ね合わせ得るタイミングで転写ローラ12aと感光体1との間の転写ニップに向けて送り出す。これにより、感光体1上のトナー像と、レジストローラ対14によって送り出された転写紙Pとが転写ニップで同期して密着される。そして、転写電圧の影響によって転写紙P上に静電転写される。
上記転写ローラ12aには、紙搬送ベルト12が巻き付いており、紙搬送ベルト12は、転写ローラ12aと駆動ローラ12bとに張架されて、図中反時計回りに無端移動する。また、この紙搬送ベルト12の更に左側方には、定着装置9、排紙ローラ対10が順次配設されている。上述のトナー像が静電転写された転写紙Pは、紙搬送ベルト12上に送られた後、定着装置9内に入る。定着装置9内に入った転写紙Pは、加熱処理及び加圧処理が施される。これにより、トナーが圧力を受けながら熱溶融して転写紙Pにトナー像が定着せしめられる。そして、転写紙Pは定着装置9内から排紙ローラ対10を経て機外へと排出される。
転写されずに感光体ドラム上に残ったトナーはクリーニング装置7によって回収される。残留トナーを除去された感光体1は除電ランプ8で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。また、紙搬送ベルト12上に転移してしまったトナーは、ベルトクリーニング装置15によって紙搬送ベルト12上から除去される。
本実施形態では、感光体1、その周囲に配置された現像装置6、帯電装置2、クリーニング装置7等を一体化したプロセスカートリッジ100として構成している。このプロセスカートリッジ100は、プリンタ本体に対して着脱自在となっている。よって、プロセスカートリッジ100内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ100を交換すればよく、利便性が向上する。
図2は、上記クリーニング装置7を示す拡大構成図である。クリーニング装置7は、回転軸体たるローラ状のコア部材71bの表面に無数の起毛71aが植毛されたブラシローラ71と、回収ローラ72およびスクレーパ部材73からなる除去手段と、搬送手段74とを有している。ブラシローラ71の先端側を感光体1に接触させながら接触部で感光体1表面とは逆方向に移動させるように、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動せしめられる。そして、感光体1表面に摺擦する複数の起毛によって転写残トナーを捕捉する。回収ローラ72は、感光体1との間にブラシローラ71を挟み込むように配設されている。そして、ブラシローラ71のブラシ71aに接触する表面を接触部で起毛71aとは逆方向に移動させるように、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動せしめられる。板状のスクレーパ部材73は、その先端のエッジを所定の圧力で回収ローラ72に当接させるように配設されている。また、搬送手段74は、スクレーパ部材73の重力方向下側に配設されている。
次に、ブラシローラ71について、詳細に説明する。図3は、ブラシローラローラ71を模式的に示す図である。図に示すように、起毛71aは、正極性に帯電する第1領域たる領域Aと、負極性に帯電する第2領域たる領域Bと、起毛に電気が導通されないように構成された第3領域たる領域Cとを有している。ブラシローラ71のコア部材71bには、負極性の電圧を印加する第1電源701と、正極性の電圧を印加する第2電源702とが接続されている。第1電源701は、コア部材71bの領域Bに対応する部分に接続されており、第2電源702は、コア部材71bの領域Aに対応する部分に接続されている。この第1電源701から負極性の電圧が印加されることで、領域Bの複数の起毛が負極性に帯電する。また、第2電源702から正極性の電圧が印加されることで、領域Aの複数の起毛が正極性に帯電する。領域Aと領域Bとに配設された起毛71aは、導電性起毛となっており、領域Cに配設された掻き取り部材としての起毛は、絶縁性となっており、起毛に電気が流れないようになっている。複数の絶縁性起毛で構成された領域Cは、領域Aと領域Bとの間に配置されている。領域Aと領域Bとは、互いに異なる極性に帯電するので、領域Aと領域Bとが隣合っていると、領域Aの起毛と領域Bの起毛とが接触してリークするおそれがある。リークしてしまうと、領域Aおよび領域Bの起毛の帯電量が減少して、転写残トナーを静電的に吸着することができなくなり、クリーニング不良が生じるおそれがある。しかし、上記のように領域Aと領域Bとの間に絶縁の領域Cを設けることで、リークを防止することができ、領域Aおよび領域Bの起毛の帯電量の減少を抑制することができる。
電圧が印加された領域Aおよび領域Bの起毛が、感光体の表面がブラシローラとが接触するニップ領域26に進入すると、起毛がブラシローラ移動方向上流側に撓んでしまう。電圧が印加された起毛が撓んでしまう理由は定かではないが、起毛に電圧を印加することで、感光体と起毛との間の電界が形成される。この電界の影響により、ブラシローラ移動方向上流側に起毛を撓ませる力が働くためと考えられる。その結果、領域Aおよび領域Bの起毛は、感光体との接触面積が増し、感光体上の転写残トナーを良好に静電吸着させて転写残トナーを感光体上から除去することができる。しかし、起毛が撓むと起毛と感光体との接触圧が低下してしまい、感光体表面にフィルム状に付着したトナーの添加剤を良好に掻き取ることができない。一方、領域Cの絶縁性の起毛は、電気が導通しないので、感光体と起毛との間に電界が形成されない。よって、領域Cの起毛は、電界の影響でブラシローラ移動方向上流側に撓むことがない。その結果、領域Cの起毛は、感光体との接触圧の低下が抑制され、感光体表面にフィルム状に付着したトナーの添加剤や、無帯電トナーを良好に掻き取ることができる。
起毛71aの材料としては、ナイロン、アクリル、ポリエステル、PETなどの繊維材を用いることができる。領域A、領域Bの起毛は、これらの繊維にカーボンファイバーを芯材として内装することで、導電性を付与している。また、これらの繊維にカーボンファイバーを分散混合することで、起毛に導電性を付与しても良い。本実施形態においては、領域Aおよび領域Bに配設される導電性起毛の体積抵抗率を、10〜10[Ω・cm]としている。一方、領域Cに配設される起毛には、上記のカーボンフィーバーを含有させないため、ブラシの体積抵抗値は、1014[Ω・cm]以上の高抵抗となっている。
また、領域Cに配設される起毛の剛性を領域Aおよび領域Bに配設される起毛の剛性よりも高くするのが好ましい。領域Aおよび領域Bの起毛は、感光体表面の転写残トナーを静電的に吸着して除去するので、起毛が感光体と接触したときに感光体との接触面積が大きい方がより多くの転写残トナーを静電的に吸着することができ好ましい。よって、領域Aおよび領域Bに配設する起毛は、剛性を低くして、感光体と接触したときに大きく撓んで感光体との接触面積が大きくなるようにする。
一方、領域Cの起毛は、感光体表面のフィルム状に付着したトナーの添加剤や、感光体上の弱帯電トナーを機械的に掻き取って除去するので、起毛の剛性が低いと感光体との接触圧が低下してしまい、感光体上の弱帯電トナーを機械的に掻き取る効果が弱まる。よって、領域Cに配置される起毛は、剛性を高くして、起毛が感光体表面と接触しても撓み難くして、感光体との接触圧が低下しないようにするのが好ましい。
また、感光体の表面が感光体とブラシローラとが接触するニップ領域26の先端位置Pから後端位置Qに移動する間に少なくとも一回はブラシローラの領域A、B、Cが感光体1と摺接するように、ブラシローラ71の回転速度が設定されいる。
次に、回収ローラ72について詳細に説明する。図4は、ブラシローラ71と回収ローラ72と、スクレーパ部材73とを示した図である。
図に示すように、回収ローラ72は、その表面に電極部A’と、電極部B’と、絶縁部C’とを有している。絶縁部C’は、電極部A’と電極部B’との間に配置して、電極部A’と電極部B’との間でリークが起きないようにしている。電極部A’には、電極部A’に正極性の電圧を印加する第3電源703が接続されている。これにより、電極部A’が正極性に帯電する。また、電極部B’には、電極部B’に負極性の電圧を印加する第4電源704が接続されている。これにより、電極部B’が負極性に帯電する。電極A’に印加される電圧の絶対値は、ブラシローラ71の領域Aに印加される電圧の絶対値よりも大きくなるように設定されている。また、電極B’に印加される電圧の絶対値は、ブラシローラ71の領域Bに印加される電圧の絶対値よりも大きくなるように設定されている。そして、ブラシローラ71の領域Aが回収ローラ72と接触する領域を通過するときに、電極部A’と接触し、ブラシローラ71の領域Bが回収ローラ72と接触する領域を通過するときに、電極部B’と接触し、ブラシローラ71の領域Cが回収ローラ72と接触する領域を通過するときに、絶縁部C’と接触するよう、回収ローラ72の回転速度を設定する。回収ローラ72の回転速度は、ギヤなどの組合せで機械的に容易に設定することができる。また、スクレーパ部材73の耐磨耗性を向上させる目的で、回収ローラ72の表面をフッ素、PVDF(ポリフッ化ビニデン)、PFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体)などで被覆しても良い。
次に、上記クリーニング装置7の動作について詳しく説明する。プリント信号が入力されて画像形成動作が開始されると、帯電、書き込み、現像、転写工程を経た後、感光体1上の転写残トナーがクリーニング装置7との対向部へ送られてくる。この転写残トナーは、転写工程で電荷が注入されて、逆極性に帯電したトナー、あるいは無帯電トナーの混合物となっている。そして、感光体の表面がニップ領域26の先端位置Pに進入すると、ブラシローラ71のA,B、Cの領域うち一つと接触する。例えば、感光体の表面がニップ領域26の先端位置Pで領域Aと接触すると、感光体表面の転写残トナーのうち、負極性に帯電した転写残トナーが、ブラシローラ71の領域Aの起毛によって静電的に吸着されて、感光体から除去される。感光体の表面がニップ領域内を進んでいくと、感光体表面と接触するブラシローラの領域が領域Aから領域Cへ変わる。感光体表面がブラシローラ71の領域Cが接触すると、感光体表面にフィルム状に付着したトナーの外添剤が掻き取られ、機械的に除去される。また、感光体表面の弱帯電の転写残トナーも、ブラシローラ71の領域Cの起毛で機械的に感光体表面から除去される。さらに、感光体1の表面がニップ領域内を進んでいくと、感光体表面と接触するブラシローラ71の領域が、領域Cから領域Bに変わる。ブラシローラ71の領域Bが接触すると、感光体表面の正極性に帯電した転写残トナーが起毛に静電吸着して、感光体上から除去される。このように、感光体表面がニップ領域26を抜ける間に少なくとも一回は、ブラシローラ71の領域A、B、Cと接触することで、感光体表面の正極性、負極性および無帯電の転写残トナーが除去されるとともに、感光体表面にフィルム状に付着したトナー添添剤が除去される。
ブラシローラ71の領域Aに付着した負極性の転写残トナーは、回収ローラ72の電極部A’に静電吸着して、ブラシローラ71から除去される。また、ブラシローラ71の領域Bに付着した負極性の転写残トナーは、回収ローラ72の電極部B’に静電吸着して、ブラシローラ71から除去される。また、ブラシローラ71の領域Cに付着した無帯電の転写残トナーおよびトナー添加剤は回収ローラ72との接触時の振動によって、ブラシローラ71から振るい落とされて搬送手段74へ落下する。
回収ローラ72に付着した転写残トナーは、スクレーパ部材73に堰き止められる。スクレーパ部材73が転写残トナーを堰き止める領域に回収ローラ72の電極部A’が進入すると、スクレーパ部材73に堰き止められた転写残トナーのうち、正極性の転写残トナーが反発力で回収ローラ表面から飛翔して、回収ローラ72から離脱する。また、スクレーパ部材73が転写残トナーを堰き止める領域に回収ローラ72の電極部B’が進入すると、スクレーパ部材73に堰き止められた転写残トナーのうち、正極性の転写残トナーが反発力で回収ローラ表面から飛翔して、回収ローラ72から離脱する。このようにして、回収ローラ72から離脱した転写残トナーは、搬送手段74へ落下する。
搬送手段72へ落下した転写残トナー等は、搬送手段74により、クリーニング装置7の外へ適宜排出される。
本実施形態においては、ブラシローラの領域をA、C、B、C、A、C、B、Cとして、8分割に分割しているが、少なくとも領域を4の整数倍に分割すれば、A領域とB領域との間に絶縁性の領域Cを配置することができ、A領域とB領域の絶縁性を確保することができる。また、分割数が少ないと、感光体表面がニップ領域を通過する間にブラシローラA、B、C領域と接触させるためには、ブラシローラの回転速度を早める必要がある。具体的に説明すると、領域がA、C、B、Cの4分割のブラシローラの場合は、感光体表面がニップ領域を通過する間にブラシローラA、B、C領域と確実に接触させるためには、少なくともブラシローラを1回転させる必要が生じる。一方、領域がA、C、B、C、A,C、B、Cの8分割のブラシローラの場合は、感光体表面がニップ領域を通過する間にブラシローラを半回転させれば、ブラシローラの領域A、B、Cと確実に接触させることができる。その結果、ブラシローラの領域の分割数の多い方が、ブラシローラの回転速度を遅くすることができ、ブラシローラとの摩擦に伴う感光体表面の摩耗を抑制することができる。
次に、ブラシローラ71の分割数とクリーニング性との関係について調べた。その結果を、図5に示す。図の横軸は、ブラシローラの領域Aおよび領域Bに印加した電圧の絶対値であり、縦軸は、クリーニング性(ID)である。クリーニング性(ID)は、次のようにして求めた値である。ブラシローラ通過後の感光体上のトナーをテープに転写し、紙上に貼り付けそれを分光測色計(アムテック社製Xライト)で反射濃度を測定する。一方、テープのみを紙に貼り付け分光測色計で反射濃度を測定し、感光体上トナーが付着したテープの反射濃度からテープのみの反射濃度を引いた値(ID)である。このIDとトナー個数は相関関係が有り、トナー個数が多いとIDの値は増加する。従って、IDでクリーニング性の判断ができる。
また、調査時の画像形成装置の具体的な条件は以下のものである。
感光体径:φ40[mm]
感光体線速:100[mm/S]
ブラシローラ径:φ30[mm]
ブラシローラ線速:300[mm/S]
ブラシ食い込み量:1[mm]
トナー:球形φ5[μm]
回収ローラ絶対値印加電圧=ブラシローラ絶対値印加電圧+200[V]
図に示すように、ブラシローラの領域の分割数が多くなるに従って、クリーニング性が向上しているのがわかる。これは、ブラシローラの領域の分割数が多くなるに従って、感光体表面と領域との接触回数が増えるためと考えられる。具体的に説明すると、領域が4分割のブラシローラの場合は、ブラシローラが1回転する間に領域Aおよび領域Bは、感光体表面と一回(領域Cは2回)しか接触しないが、領域が8分割されたブラシローラは、1回転する間に領域Aおよび領域Bは、感光体表面と2回(領域Cは4回)接触する。領域が12分割されたブラシローラは、1回転する間に領域Aおよび領域Bは、感光体表面と3回(領域Cは6回)接触することができる。このように、領域の分割数を増やすと、領域の接触回数が増え、クリーニング性が向上したと考えられる。
また、図からわかるように、ブラシローラの領域Aおよび領域Bに印加する電圧の絶対値が増加するに従って、クリーニング性が向上する。
本実施形態においては、ブラシローラの領域A、B、Cの比率は、等間隔であるが、装置やトナーの特性に合わせて、その比率を適宜変更しても良い。例えば、クリーニング性は悪いが、感光体表面にトナーの添加剤がフィルミングし難い場合は、図6に示すように、領域A、Bを領域Cよりも比率を大きくして、転写残トナーの除去能力の高いブラシローラとする。また、クリーニング性は良いが、感光体表面にトナーの添加剤がフィルミングし易い場合は、領域Cを領域A、Bよりも比率を大きくして、フィルミング除去能力の高いブラシローラとする。
また、本実施形態においては、領域Cのフィルム状のトナー添加剤を掻き取る掻取部材を絶縁性の起毛で構成しているが、掻取部材に電気が導通しなければよく、例えば、シート状の可撓性の絶縁部材で構成しても良い。領域Cをシート状の絶縁部材で構成しても、領域Aのブラシおよび領域Bのブラシ間のリークを抑制することができる。また、このシート状の絶縁部材は、電気を導通しないので感光体と絶縁部材との間で電界が発生することがなく、シート状の絶縁部材が電界の影響で撓むことがない。よって、シート状の絶縁性部材と感光体との接触圧が低下することが抑制され、シート状の絶縁部材の先端で感光体表面にフィルム状に付着したトナー添加剤を掻き取ることができる。
また、領域Cを非バイアス印加領域として、電圧を印加しないようにすれば、領域Cに配設される起毛が導電性であっても領域Cに配設された起毛に電気が導通しない。よって、感光体表面と領域Cの起毛との間に電界が形成されることがないので、領域Cの起毛が電界の影響により撓むのを抑制することができる。よって、領域Cの起毛と感光体表面との接触圧が低下するのを抑制することができ、領域Cでフィルム状に付着したトナーの添加剤および弱帯電トナーを掻き取って、除去することができる。
また、コア部材71bの領域Cの部分に絶縁性のシートを貼り付け、この絶縁性のシートに複数の起毛を植毛することで、掻取部材たる起毛に電気を導通させない構成とすることもできる。
次に、クリーニング装置7の変形例について説明する。図7は、クリーニング装置7の変形例である。この変形例のクリーニング装置7は、回収ローラ72を単一電極とし、これに矩形波またはSIN波の電圧を印加する電源705を設けたものである。この電源705は、ブラシローラ71の領域Aが、回収ローラ72との接触領域を通過するタミングで正極性の電圧を回収ローラ72に印加し、領域Bが、回収ローラ72との接触領域を通過するタミングで負極性の電圧を回収ローラ71に印加する。回収ローラ72に印加する電圧の絶対値は、ブラシローラに印加される電圧の絶対値よりも大きくしている。
ブラシローラの領域Aが回収ローラ72との接触領域を通過するタイミングで、電源装置は、回収ローラに印加する電圧を正極性に切り替えると、領域Aのブラシに静電吸着した負極性の転写残トナーが、回収ローラ72に静電吸着して、負極性の転写残トナーをブラシローラから回収する。また、このとき、回収ローラ72に付着した正極性の転写残トナーは、反発力で回収ローラ表面から飛翔して、回収ローラ72から離脱し、搬送手段74へ落下する。また、ブラシローラ71の領域Bが、回収ローラ72との接触領域を通過するタイミングで回収ローラ72に印加される電圧を負極性に切り替える。領域Bのブラシに静電吸着した正極性の転写残トナーが、回収ローラ72に静電吸着して、正極性の転写残トナーをブラシローラから回収する。また、回収ローラ72によって回収された負極性の転写残トナーは、反発力で回収ローラ表面から飛翔して、回収ローラ72から離脱し、搬送手段74へ落下する。また、この変形例においては、ブラシローラ71の領域Cが、回収ローラ72との接触領域を通過するときは、回収ローラ72に電圧を印加しないようにしている。
この変形例のクリーニング装置7は、回収ローラ72に電圧を印加する電源を1つのすることができ、装置の小型化することができる。また、装置内のレイアウトの自由度を高めることができる。また、回収ローラ72を単一の電極とすることができるので、回収ローラを容易に製造することができ、コストダウンを図ることができる。
次に、本実施形態の画像形成装置で好適に用いられる感光体について説明する。
感光体の基本的構成は導電性支持体、潜像担持層、表面層(保護層)からなる。また、潜像担持層としては帯電可能な電気絶縁性で有ることが必要であるが、非光導電性の誘電層または光導電性を有した感光層が使用可能で有る。
感光体1とクリーニング装置7のブラシローラ71の接触圧は従来のブレードクリーニング方式に比べ大幅に小さくなっているが、ブラシローラ71を高速で回転すると経時で感光体表面が磨耗してくる。そこで長期寿命を確保するために、感光体保護層のバインダー樹脂を架橋構造としたり、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する事で強固にすることで耐久性が向上出来る。バインダー樹脂の架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、保護層としての機能を十分に発現することが可能となる。電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
また、熱または光を用いて正孔輸送性化合物の重合または架橋を行うが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合があるが、より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。この場合の重合開始剤とは、主には波長400[nm]以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。なお、本発明においては、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。
このように形成した網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
<電子写真感光体A>
電子写真感光体1において、保護層塗工液及び膜厚・作成条件を下記のように代えた以外は電子写真感光体1と同様にして、電子写真感光体Aを作成した。
メチルトリメトキシシラン182部、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン40部、2−プロパノール 225部、2%酢酸 106部、 アルミニウムトリスアセチルアセトナート1部を混合し、保護層用の塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に塗布・乾燥し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、膜厚3μmの保護層を形成した。
<電子写真感光体B>
電子写真感光体1において、保護層塗工液及び膜厚・作成条件を下記のように代えた以外は電子写真感光体1と同様にして、電子写真感光体Bを作成した。
正孔輸送性化合物(構造式(I))を30部、アクリルモノマー(構造式(II))及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)0.6部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製した。この塗料をスプレーコーティング法により先の電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm]の光強度で30秒間硬化させることによって、膜厚5[μm]の表面保護層を形成した。
Figure 0004834414
なお、本実施形態では、像担持体としてドラム状の感光体1を用いた例について説明したが、他の形状の像担持体を用いるものにも適用することができる。例えば、二つのローラ間に張架され、無端移動するベルト状の感光体を用いる装置にも同様に適用することができる。また、感光体1の帯電電位が負極性であり、二成分系現像剤を用いた反転現像方式を採用する現像装置を備えている場合について説明したが、本発明は、感光体の帯電電位が負極性であるものに限定されることなく、帯電電位が正極性であるものにも同様に適用することができる。また、一成分現像剤を用いたものや正規現像方式を採用したものにも同様に適用することができる。
次に、本実施形態の画像形成装置で好適に用いられるトナーについて説明する。高繊細な画像を得るためには、小粒径の粒径分布がシャープであるものが好ましい。小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。
また、トナーの形状係数SF−1は100〜150の範囲にあることが好ましい。ここで形状係数SF−1とは、球状物質の形状の丸さの割合を示す数値であり、球状物質を二次元平面状に投影してできる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じた値で表される。
つまり、次の(1)式によって定義されるものである。
Figure 0004834414
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。一般的に、トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。
また、本実施例で使用したトナーは、有機溶媒中にウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂を含む結着樹脂、着色剤を含有したトナー組成物を溶解或いは分散させ、水系媒体中で粒子化するとともに重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去、洗浄、乾燥して得られたトナーを用いた。なお、平均円形度を大きくし、所謂球形トナーを得る製造として、先述の製造方法以外に公知の乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の重合法を用いても良いし、従来の粉砕法で得られたトナーを熱処理により球形化処理したものを用いてもよい。
また、本実施形態では、ひとつのプロセスカートリッジを備えたモノクロ画像形成装置に本発明のクリーニング装置を適応しているが、これに限られない。例えば、図8に示すような、マゼンタ・シアン・イエロー・ブラックの4つのプロセスカートリッジ100Y、C、M、Kを横に並べて配置してタンデム画像形成部を構成するカラー画像形成装置に適応できる。
また、感光体上のトナー像を中間転写体に転写し、その中間転写体上のトナー像を転写紙に転写する中間転写方式の画像形成装置にも適応することができる。このとき、本発明のクリーニング装置は、感光体上に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置のみならず、中間転写ベルト上に付着した転写残トナーをクリーニングする中間転写体クリーニング装置としても適用できる。中間転写体としては、ベルト状の中間転写ベルトのほか、ドラム状の中間転写ドラム等を用いることができる。中間転写体の電気的特性(体積抵抗率、表面抵抗率など)、厚さ、構造(単層、二層、それ以上の複層)、材料、材質等は、作像条件などにより適切なものを種々選択して採用することができる。
(1)
以上、本実施形態のクリーニング装置によれば、ブラシローラ71の第1領域たる領域Aで像担持体表面の負極性に帯電したトナーを除去し、ブラシローラ71の第2領域たる領域Bで正極性に帯電したトナーを除去することで、1本のブラシローラで感光体表面の両極性のトナーを除去することができる。よって、正極性、負極性の電圧をそれぞれ印加した2本のブラシローラを並べるものに較べて装置を小型化することができる。また、第3領域たるC領域に備えらた掻き取り部材たる起毛には、電気が導通しないので、領域Cの起毛と感光体との間に電界が形成されるのを抑制することができる。よって、領域Cの起毛が電界の影響でブラシローラ移動方向上流側に撓むことが抑制され、領域Cの起毛の感光体との接触圧が低下するのを抑制することができる。その結果、領域Cの起毛は、感光体表面にフィルム状に付着したトナー添加剤や、感光体上の無帯電トナーを機械的に良好に掻き取ることができる。従って、感光体表面にフィルム状に付着したトナー添加剤や、感光体上の無帯電トナーを像担持体表面から良好にに除去することができる。
(2)
また、上記C領域を非バイアス印加領域とすることで、領域Cの起毛に電気が導通しないようにすることができる。
(3)
また、領域Cの起毛を絶縁性にしても、領域Cの起毛に電気が導通しないようにすることができる。
(4)
また、絶縁性の起毛を配設した領域Cを上記領域Aと上記領域Bとの間に配置することで、領域Aの起毛と領域Bの起毛との接触によるリークを防止することができ、安定したクリーニングを行うことができる。
(5)
また、C領域の起毛の剛性を、A領域およびB領域に配設された導電性起毛の剛性よりも大きいので、C領域の起毛が感光体と接触したときに大きく撓んで、感光体との接触圧が低下してしまうのを抑制することができる。また、領域Aおよび領域Bの起毛は、領域Cの起毛よりも剛性が低いので、AまたはB領域の起毛が感光体と接触したとき、大きく撓んで感光体と起毛との接触面積を大きくすることができる。これにより、感光体上の転写残トナーを良好に静電吸着することができる。
(6)
また、ブラシローラに付着したトナーを除去する除去手段としての回収ローラを設ける。これにより、ブラシローラの起毛に付着したトナーを除去してリフレッシュするので、トナーを効率よくクリーニングすることができる。よって、長期にわたって安定したクリーニング性能を得ることができる。
(7)
また、上記感光体表面が上記ブラシローラと接触する領域を通過する間に、上記A〜C領域、と感光体表面とが少なくとも一回以上接触させる。よって、ブラシローラによって感光体上の負極性に帯電したトナー、正極性に帯電したトナー、弱帯電トナー、および、フィルム状のトナー添加剤を除去することができる。
(8)
また、ブラシローラにおける上記C領域が占める割合を上記A領域および上記B領域が占める割合よりも高くすることで、クリーニング性は良いが、感光体表面にトナーの添加剤がフィルミングし易い特性の装置であっても、転写残トナーおよびフィルム状のトナー添加剤を良好に除去することができる。
(9)
また、上記ブラシローラにおける上記C領域が占める割合を上記A領域および上記B領域が占める割合よりも低くすることで、クリーニング性は悪いが、感光体表面にトナーの添加剤がフィルミングし難い特性の装置であっても、転写残トナーおよびフィルム状のトナー添加剤を良好に除去することができる。
(10)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(9)の特徴をもつクリーニング装置7を用いることで、装置を小型化することができ、良好なクリーニング性能を得ることができる。また、感光体表面のフィルミング現象による像流れと呼ばれる異常画像を抑制することができる。
(11)
また、感光体としてフィラー(粒子状物質)を含有する保護層が形成されたものを用いることで、感光体の表面膜削れを低減することができる。
(12)
また、トナー像を形成するためのトナーとして、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあるものを用いる。これにより、クリーニング入力量が低減し余裕度が向上するとともに、高画質画像が得られる。また、クリーニング装置の長寿命化も図れる。
(13)
また、感光体と少なくともクリ−ニング装置とを一体的に構成し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジを設けたので、ユーザーメンテナンス性が高く、長期にわたり異常画像の発生し難い画像形成装置が得られる。
(14)
また、プロセスカートリッジを複数備えることで、カラー画像を形成することができる。
本実施形態の画像形成装置を示す概略構成図。 同画像形成装置に用いるクリーニング装置の説明図。 同クリーニング装置のブラシローラの説明図。 同クリーニング装置の要部拡大構成図。 クリーニング性と領域の分割数との関係を示す図。 ブラシローラにおける領域Cの占める割り合いを、領域Aおよび領域Bの割合よりも小さくした例を示す図。 クリーニング装置の変形例を示す図。 タンデム式のカラー画像形成装置の概略構成図。 感光体上の転写残トナーの帯電分布を示す図。 従来のクリーニング装置の要部構成図。
符号の説明
1:感光体
6:現像装置
7:クリーニング装置
71:ブラシローラ
72:回収ローラ
73:スクレーパ部材
74:搬送手段
100:プロセスカートリッジ

Claims (12)

  1. 回転軸体上に設けられた複数の導電性起毛を有し、且つ表面移動する像担持体に対して当接しながら回転して該像担持体の表面をクリーニングするブラシローラを備えたクリーニング装置において、
    該ブラシローラは、該導電性起毛に正極性のバイアスを印加して像担持体表面の負極性に帯電したトナーを除去する第1領域と、該導電性起毛に負極性のバイアスを印加して像担持体表面の正極性に帯電したトナーを除去する第2領域と、上記第1領域と上記第2領域との間に配置され、像担持体表面に付着した物質を機械的に除去する掻き取り部材を備えた第3領域とを有し、該掻き取り部材に電気を導通させないよう構成し
    正極性の電圧が印加される第1電極部と、負極性の電圧が印加される第2電極部と、上記第1電極部と上記第2電極部との間に配置された絶縁部とを表面に有し、上記ブラシローラに接触して、ブラシローラに付着した物質を回収する回収ローラを備え、
    上記第1領域が上記回収ローラと接触する領域を通過するとき、上記第1領域が上記回収ローラの上記第1電極部と接触し、上記第2領域が上記回収ローラと接触する領域を通過するとき、上記第2領域が上記回収ローラの上記第2電極部と接触し、上記第3領域が上記回収ローラと接触する領域を通過するとき、上記第3領域が上記回収ローラの上記絶縁部と接触するように、上記回収ローラを回転させたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1のクリーニング装置において、
    上記第3領域を非バイアス印加領域としたことを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1のクリーニング装置において、
    上記掻き取り部材を絶縁性部材としたことを特徴とするクリーニング装置。
  4. 求項1乃至いずれかのクリーニング装置において、
    上記掻き取り部材は、複数の起毛であって、該起毛の剛性を、上記導電性起毛の剛性よりも大きくなるよう構成したことことを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項1乃至いずれかのクリーニング装置において、
    上記ブラシローラにおける上記第3領域が占める割合を上記第1領域および上記第2領域が占める割合よりも高くすることを特徴とするクリーニング装置。
  6. 請求項1乃至いずれかのクリーニング装置において、
    上記ブラシローラにおける上記第3領域が占める割合を上記第1領域および上記第2領域が占める割合よりも低くすることを特徴とするクリーニング装置。
  7. 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、該像担持体に静電潜像を形成する潜像形成装置と、該像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する現像装置と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置と、該像担持体をクリーニングするクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
    上記クリーニング装置として請求項1乃至いずれかのクリーニング装置を採用することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    上記像担持体表面が上記ブラシローラと接触する領域を通過する間に、上記第1領域、第2領域および第3領域と該像担持体表面とが少なくとも一回以上接触するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7または8の画像形成装置において、
    上記像担持体としてフィラー(粒子状物質)を含有する保護層が形成されたものを用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7乃至9いずれかの画像形成装置において、上記像担持体上にトナー像を形成するためのトナーとして、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項7乃至10いずれかの画像形成装置において、
    上記像担持体と、少なくとも上記クリーニング装置とを一体的に構成し、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11の画像形成装置において、
    上記プロセスカートリッジを複数備えたことを特徴とする画像形成装置。
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