JP2007192877A - 湿式現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式現像装置において、現像剤担持体上の残留現像剤を十分にクリーニングし、且つ現像剤担持体の摩耗等の少ない、耐久性のある湿式現像装置、及びこの湿式現像装置を用いた画像画像形成装置を提供すること。
【解決手段】液体現像剤の薄層を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に接触する位置に配置され、前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給部材と、を有する湿式現像装置において、現像剤担持体の表面硬度よりも供給部材の表面硬度が高いことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は液体現像剤を用いた湿式現像装置及び画像形成装置に関するものである。
従来より、高速の画像出力機としては、主に印刷機が用いられている。しかし、印刷機は、版を作る必要があり、少ない部数を印刷するときは、コストが高くなる。そのため、少ない部数でかつ高速の画像出力を低価格できる方式として、電子写真方式が提案されている。電子写真方式には、乾式電子写真方式と湿式電子写真方式がある。中でも、画質の点で湿式電子写真方式が優れている。
湿式電子写真方式は、絶縁性液体の中にトナーを分散した液体現像剤を用い、この液体現像剤の薄層を現像剤担持体表面に形成し、潜像を形成した像担持体を現像する。この時、像担持体上に潜像として形成した画像パターンで現像剤担持体上の液体現像剤が消費されるため、現像剤担持体上に潜像に対応した液体現像剤層の厚さの薄いパターンが残る。このままで新たな液体現像剤を現像剤担持体上に供給すると前の画像パターンが現像剤担持体上の液体現像剤層の厚さムラとして残り、その結果、画像上に濃度ムラとして現れるという問題があった。
このため、従来は、現像後、現像剤担持体上に残る液体現像剤(残留現像剤)をクリーニングブレードで完全に掻き取り、その後、液体現像剤供給部材で液体現像剤を供給し、現像剤担持体上に均一な膜厚の液体現像剤層を形成するという方法がとられていた。しかし、この方法では、現像剤担持体表面をクリーニングブレードで強く押圧し、クリーニングするため、現像剤担持体表面が部分的に摩耗し、画像状スジムラが発生していた。そのため、現像剤担持体やクリーニングブレードの寿命が短いという問題があった。
そこで、現像剤担持体上の残留現像剤をクリーニングブレードで掻き取るのではなく、現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給ローラで掻き取るという方法も提案されている(特許文献1参照。)。
特開2004−109655号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法でも、十分に現像剤担持体表面の残存現像剤をクリーニングすることができず、画像パターンに対応した液体現像剤の消費に対応したの濃度ムラが発生するという問題が見られた。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、湿式現像装置において、現像剤担持体上の残留現像剤を十分にクリーニングし、且つ現像剤担持体の摩耗等の少ない、耐久性のある湿式現像装置、及びこの湿式現像装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ねたところ、以下に記載の手段より、前記課題を解決することができた。
請求項1に係る湿式現像装置は、液体現像剤の薄層を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に接触する位置に配置され、前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給部材と、前記供給部材をクリーニングするクリーニング部材と、を有し、前記現像剤担持体の表面硬度よりも供給部材の表面硬度が高いことを特徴とするものである。
請求項2に係る湿式現像装置は、請求項1に記載の湿式現像装置において、前記現像剤担持体の表面硬度が、30°〜50°(JIS−A)で、且つ供給部材の表面硬度が55°〜70°(JIS−A)であることを特徴とするものである。
請求項3に係る湿式現像装置は、請求項1又は2に記載の湿式現像装置において、前記現像剤担持体と前記供給部材との回転方向が互いに対向部において逆方向であり、且つ現像剤担持体の周速よりも供給部材の周速の方が早いことを特徴とするものである。
請求項4に係る湿式現像装置は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の湿式現像装置において、前記供給部材と前記現像剤担持体の周速比(供給部材の周速/現像剤担持体の周速)が1.1〜3であることを特徴とするものである。
請求項5に係る画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、液体現像剤の薄層を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給部材と、を有する画像形成装置において、請求項1乃至4の何れか1項に記載の湿式現像装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、液体現像剤の薄層を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に接触する位置に配置され、前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給部材と、前記供給部材をクリーニングするクリーニング部材と、を有する湿式現像装置において、現像剤担持体の表面硬度よりも供給部材の表面硬度を高くすることにより、現像剤担持体上の残留現像剤を十分にクリーニングし、且つ現像剤担持体の摩耗等の少ない、耐久性のある湿式現像装置、及びこの湿式現像装置を用いた画像形成装置を提供することができる。
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の概略構成を示す図である。像担持体1の周囲には、矢印で示す回転方向に、順に帯電装置2、露光装置3、湿式現像装置4、転写ローラ5、像担持体クリーニングブレード6、除電ランプ7が配設されている。液体現像装置4内には現像槽を設け、その中に絶縁性のキャリア液中にトナー粒子を分散させた液体現像剤を貯蔵している。さらにその液体現像剤の薄層を形成した現像剤担持体9が設けられ、回転により、液体現像剤の薄層が像担持体1に送られ、所定プロセスで像担持体1上に形成された潜像を現像し、トナー像とする。この時、現像剤担持体9と像担持体1は接触している。
給紙部より給紙された転写紙20は、転写ローラ5と像担持体1の間に搬送される。像担持体1上に形成されたトナー像は、転写ローラ5にトナーと逆極性の電圧を印加することで、転写紙20上に転写される。
その後転写紙20は、定着ローラ30に搬送されて、トナーが定着され、プリントは完了する。転写後、像担持体1上に残留したトナー及び紙粉は、像担持体クリーニングブレード6で清掃され、像担持体1の表面の電荷は、除電ランプ7により消去され、次回の作像に備える。
現像回数を重ねるにしたがって、現像槽中のトナー濃度が低下してゆくので、現像剤中のトナー濃度を絶えず検出し、所定の濃度以下に低下した場合はトナーを現像剤に補給し、トナー濃度を常に所定の範囲内に維持することが行われる。
図2を用い、現像部の詳細を説明する。
湿式現像装置4は液体現像剤を収容する現像剤槽8、現像剤担持体9、供給部材10、汲み上げ部材11から主に構成されている。
汲み上げ部材11には規制ブレード12、供給部材10にはクリーニングブレード13が設けられている。
現像剤担持体9は図中A方向に回転し、供給部材10は現像剤担持体9との対向部で現像剤担持体9と反対方向になる図中B方向に回転する。汲み上げ部材11は供給部材10との対向部で供給部材10と同方向になる図中C方向に回転する。
汲み上げ部材11は液体現像剤に接触して設けられ、その回転により液体現像剤を汲み上げる。その後規制ブレード12により、一定の現像剤膜厚になるよう制御される。膜厚が制御された汲み上げ部材11上の液体現像剤は汲み上げ部材11と供給部材10間のニップ部(接触部)で供給部材10へと受け渡される。汲み上げ部材11と供給部材10の周速が同じ場合、汲み上げ部材上の現像剤膜厚の約半分が供給部材10へと転移する。次に供給部材10上の液体現像剤は供給部材10と現像剤担持体9とのニップ部で現像剤担持体9へ受け渡される。このとき現像剤担持体9は供給部材10との対向部において供給部材10に対して逆方向に回転しており、80%以上のトナーが現像剤担持体9へと転移する。
現像剤担持体9上に搬送されてきた液体現像剤は現像剤担持体9と像担持体1とのニップ部で形成された電界により現像され、像担持体1上へ移る。ここで像担持体1上に移る液体現像剤は、像担持体1上の画像部に対応した部分であり、非画像部に対応した部分の液体現像剤は現像剤担持体9上にとどまる。ニップ部通過後の現像剤担持体9上の残存現像剤は、供給部材10との接触部で供給部材10上にほぼ100%転移し、現像剤担持体9上の残存現像剤をクリーニングする。クリーニングされた残存現像剤は、現像槽8に戻される。なお、クリーニングされた残存現像剤は、一旦別の現像剤貯蔵槽(図示せず)に回収され、そこで濃度調整された後、現像槽8に戻すようにしても良い。
供給部材10の表面硬度は、現像剤担持体9の表面硬度よりも高いことが良い。供給部材10の表面硬度を高くし、現像剤担持体9と接触させることによりことにより、供給部材10の表面が現像剤担持体9の表面に食い込んだ形状となり、現像剤担持体9上の残存現像剤を効率的にクリーニングできる。
現像剤担持体9の表面硬度が、30°〜50°(JIS−A)で、且つ供給部材10の表面硬度が55°〜70°(JIS−A)であることがより好ましい。
現像剤担持体9の表面硬度が30°〜50°(JIS−A)であると、像担持体1と適度な密着性が保たれ、像担持体1と現像剤担持体9との間に異物が介在することから生じる現像剤担持体9表面のキズの発生が少なくなるとともに、像担持体1を現像するための現像時間を十分にとれ、画像乱れや現像不良などの発生も少なく、より良好な現像が行われる。
このように現像剤担持体9に対して、供給部材10の硬度を55°〜70°(JIS−A)とすることにより、現像剤担持体9と供給部材10との間での摩耗を少なくすることができ、よって、現像剤担持体9表面の摩耗によるキズもより少なくなる。さらに、現像後の現像剤担持体上9上の残存現像剤を供給部材10により十分にクリーニングすることができ、現像剤担持体9上の画像パターンに対応した液体現像剤層の層厚ムラを消去することができる。
さらに、現像剤担持体9と供給部材10との回転方向が互いに対向部において逆方向であり、且つ現像剤担持体9の周速よりも供給部材10の周速の方が早いことが好ましく、この時の周速比が1.1〜3であればより好ましい。現像剤担持体9と供給部材10との回転方向が互いに対向部において逆方向で、且つ現像剤担持体9の周速よりも供給部材10の周速の方が早いと、現像剤担持体9上に形成される液体現像剤の薄層がさらに均一となり、スジムラ等の発生のない均一な画像が得られるとともに、現像剤担持体9上の残存現像剤を供給部材10が効率よく掻き取り、画像パターンによる濃度ムラの発生も見られない良好な画像を得ることができ、周速比が1.1〜3の時、より効果が上がる。
現像剤担持体9の構成としては、上記の特性を備えているものであれば、何ら制限を加えるものではないが、金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆した構成を取ることができる。金属ローラの材質としては、導電性の金属材料であればよく、SUSやアルミニウムなどを用いることができる。導電性ゴム材料としては、液体現像剤による膨潤をしない、1×104〜1×108Ω・cmの導電性を有するものであれば良い。具体的には、シリコンゴムやウレタンゴム、NBR等を用いることができ、また、導電性付与のためには、導電性カーボンや金属フィラーをゴム材料に混入させることで付与できるが、これらの材料に限定されるものではない。導電性ゴムの厚みは、0.5mm〜10mm程度であれば良い。
供給部材10の構成としては、本発明の上記の特性を備えているものであれば、何ら制限を加えるものではないが、金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆した構成を取ることができる。金属ローラの材質としては、導電性の金属材料であればよく、SUSやアルミニウムなどを用いることができる。導電性ゴム材料としては、液体現像剤による膨潤をしない、1×104〜1×108Ω・cmの導電性を有するものであれば良い。具体的には、シリコンゴムやウレタンゴム、NBR等を用いることができ、また、導電性付与のためには、導電性カーボンや金属フィラーをゴム材料に混入させることで付与できるが、これらの材料に限定されるものではない。導電性ゴムの厚みは、0.5mm〜10mm程度であれば良い。
供給部材10に液体現像剤を汲み上げる汲み上げ部材11としては、金属ローラの表面に微細な凹部を形成したアニックスローラを用いることができる。しかし、特にこれに限定されるものではなく、液体現像剤を現像槽8から汲み上げ、供給部材10に搬送できるものであれば良い。
規制ブレード12には、金属ブレードやゴムブレードを用いることができる。ゴムブレードでは、ウレタンゴムやシリコンゴム、NBR等の材料を用いることができる。また、クリーニングブレード13も規制ブレード12と同じ材料を用いることができるが、これらに限られるものではない。
像担持体1としては、一般的に湿式現像装置を用いた画像形成装置に用いられるものであれば用いることができる。
現像剤は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、前記トナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。
キャリア液としては、一般に電子写真用現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができるが、中でも不揮発性の液体が好ましい。不揮発性液体としては、例えば、シリコンオイル、ミネラルオイル、パラフィンオイル、鉱物油等をあげることができる。
トナーとしては、一般に電子写真用現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレンーアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を複数、混合して用いても良い。また、トナーの着色に用いられる顔料及び染料も一般に市販されているものを用いることができる。例えば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としては、ソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
現像剤の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。例えば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ロールミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体を例えばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末を例えば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。
続いて、得られたトナーをキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、現像剤を得ることができる。
現像剤のトナー濃度は、10〜50質量%が好ましい。
このときの現像剤の粘度は、25℃において0.05Pa・s以上100Pa・s以下が好ましく、より好ましくは、0.1Pa・s以上20Pa・s以下である。0.05Pa・sより低粘度の場合、トナー濃度が低くなるとともに、トナーの分散性が悪くなるので、現像剤を薄層にして現像することができなくなる。
また、100Pa・sより高粘度になると、キャリア液とトナーとの攪拌が難しくなり、均一な現像剤を作製するための装置が大がかりとなるためコスト高になるという問題がある。なお、現像剤の粘度は、TAインスツルメント社製の粘度測定装置アレス(品番:FR−100)で測定した値である(25°C)。
以上のような構成により、画像を形成することで、現像ニップ部通過後の現像剤担持体9上の残存現像剤は、供給部材10により十分にクリーニングされ、供給部材10上のクリーニングした現像剤は、クリーニングブレード13により現像槽8に戻される。次に汲み上げ部材11から一定量の現像剤が供給部材10の表面に供給され、さらに供給部材10上の現像剤は、クリーニングされた現像剤担持体9上に供給され、均一な膜厚の液体現像剤層が現像剤担持体9上に形成される。この現像剤担持体9上の均一な膜厚の液体現像剤層により像担持体1の表面を現像することで、画像濃度ムラのない均一な画像を形成できる画像形成装置を提供できる。また、現像剤担持体9の表面摩耗も少なく、耐久性のある湿式現像装置を提供できる。
次に本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1〜21、比較例1〜6)
図1に示す構成を備えた湿式画像形成装置を使用した。像担持体1は直径100mmのアルミドラムに有機感光体膜(膜厚35μm)を形成したものであり、回転周速を400mm/secに設定した。帯電装置205はスコロトロンチャージャーを用い、像担持体1の表面電位が−600Vになるようにした。露光装置3は半導体レーザで画像部分を露光した時に像担持体1の表面電位が−50Vとなるように設定した。
現像液としては、キャリア液(シリコンオイル(信越シリコーン(株)製))にコニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)のカラー複写機C350用のブラックトナーを粉砕し、平均粒径3μmとしたものを添加した。分散剤(アビシア社製ソルスパース13940)をトナー量に対して2質量%添加した。なお、得られた液体現像剤のトナーの帯電量は−100μC/gであった。
また、湿式現像装置4の設定条件は、以下のとおりである。
現像剤担持体9は、
外形 :40mm(芯金:アルミローラ、直径34mm)
材質 :ウレタンゴム+カーボンブラック
表面導電率 :1.0×105Ω・cm
表面硬度 :25°〜70°(JIS−A)
回転周速 :400mm/sec
バイアス電圧:−400V
画像形成時は、像担持体1と現像剤担持体9との軸間距離(各回転軸の中心の間の距離)は69.8mmとした。
供給部材10は、
外形 :40mm(芯金:アルミローラ、直径34mm)
材質 :ウレタンゴム+カーボンブラック
表面導電率 :1.0×105Ω・cm
表面硬度 :50°〜75°(JIS−A)
回転周速 :440〜1200mm/sec
バイアス電圧:−400V
現像剤担持体9と供給部材10との軸間距離は、39.5mmとした。
現像剤担持体9のクリーニングブレード13としては、シリコンゴム3mmのものを用いた。
汲み上げ部材11は、SUS製のアニックスローラを用いた。
外形 :40mm
回転周速 :440〜1200mm/sec
バイアス電圧:−400V
供給部材10と汲み上げ部材11の軸間距離は、39.8mmとした。
汲み上げ部材11の規制ブレード12としては、ステンレスで板圧0.1mmのものを用いた。
以上の構成において、現像剤担持体9の表面硬度及び回転周速を表1の様に設定し、実施例1〜21、比較例1〜6の耐久テストを行い、画像を評価した。
耐久テストは、白黒比(B/W)が5%のA4版のチャートを100,000枚連続プリントした。画像の評価は、現像剤担持体9の耐久性を見るために、100,000枚連続プリント後に網点ハーフ画像を出力し、画像上の筋状ノイズを目視観察により評価した。画像上に筋状ノイズの認められないものを◎、わずかに認められるが問題とならないものを○、認められるが問題とならないものを△、認められ問題となるものを×とした。この筋状ノイズは、現像剤担持体9の表面の摩耗キズにより発生することは、耐久テスト終了後、現像剤担持体9の摩耗キズと対応させることにより確認している。また、現像剤担持体9上の現像後の残存現像剤のクリーニング性について、100,000枚連続プリント後に図3に示すよう画像パターン21の逆T字型黒画像(L1:200mm、L2:30mm、D1:40mm、D2:150mm)を取り、図3の転写紙20の画像E部における横方向の濃度差を目視観察により評価した。濃度差が認められないものを◎、わずかに認められるが問題とならないものを○、認められるが問題とならないものを△、認められ問題となるものを×とした。この濃度差を評価することにより、像担持体1の画像部に現像剤担持体9上の現像剤が移行した部分と、像担持体1の非画像部に対応し現像されずに現像剤担持体9上に残った部分とで、現像剤担持体9の1回転後の画像濃度が異なるかどうかを見ていることになる。すなわち、供給部材10で現像剤担持体9の表面にある現像ニップ部通過後の残存現像剤を十分にクリーニングしているかどうかを評価することができる。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2007192877
表1の結果から、現像剤担持体の表面硬度よりも供給部材の表面硬度が高いことにより、画像濃度ムラや筋状ノイズの少ない、耐久性に富む湿式現像装置を得ることができることが分かる。また、現像剤担持体の表面硬度が、30°〜50°(JIS−A)で、且つ供給部材の硬度が55°〜70°(JIS−A)であることが好ましく、さらには、供給部材と現像剤担持体との回転方向が互いに対向部において逆方向であり、且つ現像剤担持体の周速よりも供給部材の周速の方が早いことがより好ましいことが分かる。
このように本発明により、現像剤担持体上の残留現像剤を十分にクリーニングし、且つ現像剤担持体の摩耗等の少ない、耐久性のある湿式現像装置、及びこの湿式現像装置を用いた画像画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る液体現像装置の一実施形態を示す概略構成図である。 評価用の画像パターンを示した図である。
符号の説明
1 像担持体
2 帯電装置
3 露光装置
4 湿式現像装置
5 転写ローラ
6 像担持体クリーニングブレード
7 除電ランプ
8 現像槽
9 現像剤担持体
10 供給部材
11 汲み上げ部材
12 規制ブレード
13 クリーニングブレード
20 転写紙
21 画像パターン
30 定着装置

Claims (5)

  1. 液体現像剤の薄層を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に接触する位置に配置され、前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給部材と、
    前記供給部材をクリーニングするクリーニング部材と、
    を有し、
    前記現像剤担持体の表面硬度よりも供給部材の表面硬度が高いことを特徴とする湿式現像装置。
  2. 前記現像剤担持体の表面硬度が、30°〜50°(JIS−A)で、且つ供給部材の表面硬度が55°〜70°(JIS−A)であることを特徴とする請求項1に記載の湿式現像装置。
  3. 前記現像剤担持体と前記供給部材との回転方向が互いに対向部において逆方向であり、且つ現像剤担持体の周速よりも供給部材の周速の方が早いことを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式現像装置。
  4. 前記供給部材と前記現像剤担持体の周速比(供給部材の周速/現像剤担持体の周速)が1.1〜3であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の湿式現像装置。
  5. 静電潜像を担持する像担持体と、
    液体現像剤の薄層を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する供給部材と、を有する画像形成装置において、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の湿式現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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