JP2006267365A - 静電潜像用液体現像剤及び現像方法 - Google Patents

静電潜像用液体現像剤及び現像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 駆動電力の少ないモータで供給可能にすることにより、モータからの振動による影響をなくして高画質な画像形成が行えるとともに画像形成装置のコンパクト化を実現させる静電潜像用液体現像剤を提供する。
【解決手段】 絶縁性液体中にトナーを分散させた静電潜像用液体現像剤であり、測定周波数100rad/sec、温度25℃における貯蔵弾性率G1、損失弾性率G2の比がG2/G1≧3となる静電潜像用液体現像剤。
【選択図】 図2

Description

本発明は静電潜像用液体現像剤、及び、該液体現像剤を用いた現像方法に関する。
従来より、高速の画像出力機としては、主に印刷機が用いられている。しかし、印刷機は、版を作る必要があり、少ない部数を印刷するときは、コストが高くなる。そのため、少ない部数でかつ高速の画像出力を低価格でできる方式として、電子写真方式が提案されている。電子写真方式には、乾式電子写真方式と湿式電子写真方式がある。中でも、画質の点で湿式電子写真方式が優れている。
湿式電子写真方式は、絶縁性液体中にトナーを分散した液体現像剤を用いる。湿式電子写真方式は、高速現像が可能であり、且つ、現像機をコンパクト化するため、高濃度で高粘性の液体現像剤を用いるのが一般的である。
しかし、高濃度で高粘性の液体現像剤を用いる場合、現像ローラ上に形成される液体現像剤の薄層の膜厚が、現像ローラの軸方向で不均一になるという問題があった。すなわち、互いに対向してウィズ方向(対向部において同じ方向)に回転する一対のローラ間に、高濃度で高粘性の液体現像剤を供給した場合、一方のローラから他方のローラに液体現像剤が引き渡される位置で、液体現像剤が両ローラに分断されるときに負圧が発生する。この負圧と液体現像剤の表面張力とのバランスがくずれることにより、液体現像剤の薄層上でローラ長手方向に膜厚ムラが発生するものと推測される。
この膜厚ムラの影響で、画像上に濃度ムラが発生する。また、膜厚ムラは、液体現像剤の粘度が高くなると、ローラの回転速度がより低くても発生する傾向があり、印刷速度の使用領域が制限される、という問題が発生している。そこで、一対のローラの回転速度に適度な周速比を設け、その回転方向を両者の対向部において互いに逆方向に回転(カウンタ回転)させることで、膜厚ムラを抑制する方法が提案されている(特許文献1参照。)。
特開平11−174851号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような膜厚ムラを抑制する方法では、駆動トルクが大きくなり、使用するモータを大型のものにする必要がある。このため、装置が大きくなるとともに、モータから発する振動が画像形成に影響を与えるようになり、微細なドット画像や細線画像の再現性を劣化させるようになった。また、モータを駆動させるための消費電力に伴うコストアップも無視することができなかった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。
本発明は、液体現像剤を用いた画像形成において、膜厚ムラを発生させることなく現像剤を安定に現像ローラに供給することのできる液体現像剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、液体現像剤を現像ローラに供給するときに、駆動系からの振動などの影響で画像品質を低下させることなく安定した画像形成が行える液体現像剤と、当該液体現像剤を用いた現像方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の手段により達成できる。
請求項1に記載の静電潜像用液体現像剤は、絶縁性液体中にトナーを分散した静電潜像用液体現像剤において、測定周波数100rad/sec、温度25℃でそれぞれ測定した貯蔵弾性率G1及び損失弾性率G2が、G2/G1≧3の関係を満たすことを特徴とするものである。
請求項4に記載の現像方法は、現像剤槽内に収容した液体現像剤を、一つ以上のローラを介してドラム状の静電潜像担持体と対向する現像領域に搬送し、該液体現像剤を用いて該静電潜像担持体上の潜像を現像する現像方法において、
(i)前記液体現像剤は請求項1乃至3の何れか1項に記載の静電潜像用液体現像剤であり、
(ii)前記静電潜像用液体現像剤を供給する側のローラと前記静電潜像用液体現像剤を受容する側のローラ又は前記ドラム状の静電潜像担持体はそれぞれウィズ方向に回転し、
(iii)前記静電潜像用液体現像剤を供給する側のローラの周速をV1、前記静電潜像用液体現像剤を受容する側のローラ又は前記ドラム状の静電潜像担持体の周速をV2とすると、0.5≦V1/V2≦5の関係を満たす、ことを特徴とするものである。
本発明の静電潜像用液体現像剤は、貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2とが、G2/G1≧3の関係を満たすことにより、現像工程において、現像ローラ上に形成される液体現像剤の薄層に膜厚ムラの発生を抑制することができるようになった。その結果、均一で濃度ムラのない画像を安定して形成することが可能になった。
また、本発明に係る静電潜像用液体現像剤を用いて静電潜像担持体上の潜像を現像する際、液体現像剤を供給する側のローラの周速をV1、液体現像剤を受容する側のローラ又はドラム状の静電潜像担持体の周速をV2として、0.5≦V1/V2≦5の関係を満たすときに、より均一な画像を形成できることを見いだした。
特に、本発明によれば、現像剤と現像ローラに供給するときに、大きな駆動トルクをかけなくても膜厚ムラの発生を抑制することができるようになったので、駆動用のモータをわざわざ大型のものにする必要が無くなった。その結果、モータ等の駆動系による振動の影響を懸念することなく、微細なドット画像や細線画像を忠実に再現することができるようになった。
とりわけ、高精細な画像再現性が要求されるデジタルの画像形成には効果的であり、写真画像のように高階調性を有する画像も安定且つ忠実に再現することができる画像形成装置を提供することを可能にした。
本発明に係る液体現像剤により、上記効果が得られた理由は以下のように推測される。すなわち、液体現像剤の貯蔵弾性率と損失弾性率とが本発明で特定する関係を有するときに、液体現像剤の粘性が適度に発現されるためと推測される。その結果、ローラのニップ部近傍で液体現像剤が両ローラに分断されるときに生ずる負圧と液体現像剤の表面張力のバランスが適度に保持されるようになって、膜厚ムラの発生を抑制させているものと推測される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、貯蔵弾性率と損失弾性率とは、液体現像剤が外力を受けたときに生ずる弾性特性と粘性特性に起因する影響を数学的に表現したものである。すなわち、貯蔵弾性率とは、液体現像剤に外力が加わった時に生ずるひずみと同位相の弾性応力の比率のことをいい、液体現像剤が受けた外力の内で、弾性的に蓄えることのできるエネルギーに相当するものをいう。一方、損失弾性率とは、液体現像剤に外力が加わった時に生ずるひずみと異なる位相の比率のことで、液体現像剤が受けた外力の内で熱として散逸するエネルギーに相当するものをいう。そして、これら2つの弾性率の比は、液体現像剤の弾性成分に対する粘性成分の比を示すものである。
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。ドラム状の静電潜像担持体1の周囲には、矢印で示す回転方向に順に、帯電装置2、露光装置3、液体現像装置4、転写ローラ5、クリーニングブレード6、定着ローラ7が、それぞれ配設されている。像担持体1の表面を帯電装置2により、所定の表面電位に一様に帯電し、その後、露光装置2により、画像情報の露光を行い、像担持体1の表面に静電潜像を形成する。静電潜像担持体1の静電潜像を現像装置4により現像することで、静電潜像担持体1の表面にトナー像を形成する。
図2は、本発明の液体現像剤を好適に用いることのできる液体現像装置の概略構成を示す図である。液体現像装置4の下方に現像槽45を設け、その中にキャリア液である絶縁性液体中にトナーを分散させた液体現像剤8を貯蔵している。供給ローラ43が、液体現像剤8に接触するように設けられている。供給ローラ43の回転により、液体現像剤8は、汲み上げられ、すり切りブレード44で一定の搬送量に規制され、供給ローラ43の表面に液体現像剤8の薄層が形成される。
供給ローラ43の表面に形成された液体現像剤8の薄層は、規制ローラ42と接触するように設けられているので、液体現像剤8の薄層の一部が規制ローラ42に渡される。次いで、規制ローラ42と現像ローラ41とが接触し、規制ローラ42から液体現像剤8の薄層の一部が現像ローラ41に渡される。現像ローラ41に所定の現像バイアスを印加し、現像ローラ41を静電潜像を担持した静電潜像担持体1と接触させることにより、静電潜像担持体1にトナー像が形成される。
図1に戻って、静電潜像担持体1に形成されたトナー像は、所定の電圧が印加された転写ローラ5により転写紙9上に転写される。その後、所定の温度に保持された定着ローラ7を通過して加熱・加圧されることより、トナー像は転写紙9上に固定的に定着される。また、トナー像の転写後の静電潜像担持体1上に残存する液体現像剤8は、クリーニングブレード6により除去される。上記工程を繰り返すことにより、転写紙8上への画像形成を連続して行っている。
本発明は、上記のような画像形成装置を用いて、液体現像剤の薄層を供給する側のローラから受容する側のローラ又はドラム状の静電潜像担持体に受容させる場合、受容したローラ又はドラム状の静電潜像担持体に形成される液体現像剤の薄層の膜厚ムラを解消するためになされたものである。
本発明は、従来技術では液体現像剤がローラ間でスムーズに移動できないこと、すなわち液体現像剤の移動に多少のバラツキが存在していることに着目した。このことを図3を用いて、受容する側のローラ又はドラム状の静電潜像担持体に形成される液体現像剤の薄層の膜厚ムラの発生状況について説明する。
図3は、膜厚ムラの発生状況を説明する模式図である。図3(a)は、液体現像剤8を供給する側のローラ(供給側ローラ)43から受容する側のローラ(受容側ローラ)42へ、液体現像剤8を移動させるニップ部40近傍の模式図である。
供給側ローラ43と受容側ローラ42とのニップ部40の回転方向上流側には液体現像剤8の溜まり81が形成され、この溜まり81ではニップ部40を通過するまで液体現像剤8の圧力が高まっていく。次に、ニップ部40を通過した後、すなわち回転方向下流側では、液体現像剤の圧力が緩和されるとともに液体現像剤8の薄層は供給側ローラ43と受容側ローラ42の両方に引っ張られて、分断されて、受容側ローラ42に供給される。そして、従来技術の液体現像剤は、回転方向下流側で行われる分断が規則的に行われず、長い間引っ張られてから分断する領域82Aと引っ張られてすぐに分断する領域82Bがあるようにばらつきが見られたのである。
図3(b)は、液体現像剤8の薄層の状態を図3(a)のA方向から見た図である。このように、液体現像剤8は、同時に分断することなく、分断した領域82Bとまだ分断していない領域82Aとが混在している状態を形成している。そして、ニップ部40を通過後、早く分断したところの液体現像剤8は、両ローラに引っ張られた部分に移動するものと考えられる。その結果、ニップ部40を通過後すぐに分断した部分に比べ、ニップ部40を通過後しばらくしてから分断した部分の方が、液体現像剤8の薄膜の膜厚が厚くなるものと推測される。
この現象は、高粘度(10Pa・s以上、25℃)の液体現像剤を用いた時と、ローラ周速度の速い時(100cm/s以上)に、より顕著に表れる傾向がある。
このように、従来技術の液体現像剤では、ローラ間の移動にばらつきが見られ、この現象の原因として、液体現像剤が十分に均一化されておらず、粘弾性の観点からばらつきを有していることが考えられた。
そこで、本発明者は、液体現像剤中に局所的に粘弾性的にばらつきのない、均一な液体現像剤を作製する技術を検討したのである、そして、本発明者は、液体現像剤の弾性的に振る舞う性質に関係する貯蔵弾性率と粘性的に振る舞う性質に関係する損失弾性率に着目した。すなわち、液体現像剤が測定周波数100rad/sec、温度25℃でそれぞれ測定した貯蔵弾性率(G1)と損失弾性率(G2)が、G2/G1≧3の関係を満たすとき、液体現像剤8は、供給側ローラ43と受容側ローラ42の間で同レベルに引っ張られた部分はばらつき無く同時に分断されるようになり、受容側ローラ42表面に形成された液体現像剤の薄層上に膜厚ムラの発生が抑えられる。また、G2/G1≧10の関係を満たすときにはさらに好ましい結果が得られる。G2/G1の上限は粒子の凝集/分散性によって決まるが概ね100である。
本発明の液体現像剤8は、キャリア液である絶縁性液体と静電潜像を現像するための帯電したトナーと、前記トナーを分散させる分散剤を主要成分としている。
キャリア液としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。例えば、鎖状あるいは分岐鎖状脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素などが挙げられ、具体的には、n−ペンタン、シクロヘキサン、イソパラフィン、塩素化パラフィン、ナフサ、ケロシン軽油などである。例えば、モレスコホワイト(松村石油研究所(株)製)などを用いることができる。
トナーとしては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば、特に制限なく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を複数、混合して用いても良い。また、トナーの着色に用いられる顔料及び染料も公知のものを用いることができる。例えば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としては、ソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
液体現像剤の調製方法としては、一般に用いられる方法に基づいて調製することができる。例えば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ロールミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体を例えばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末を例えば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。
続いて、得られたトナーをキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。
この時、前記トナーとキャリア液の混合した液体に分散剤を加えるのが好ましい。
分散剤はトナーとキャリア液の双方に優れた親和力を有するポリマーが用いられる。(以下、ポリマー分散剤とも言う。)分散剤はキャリア液内で完全又は部分的に溶解されたり、あるいはスエリングされる。
分散剤に用いられるポリマーは特に制限されていないが、構造中に少なくとも1つの酸性基を有するポリマー、あるいは構造中に少なくとも1つのアミン基を有するポリマーが好ましく用いられる。
少なくとも1つの酸性基を有するポリマーを含有する分散剤の例として、ポリアクリル酸及びその炭化水素溶解性コポリマーと、ポリメタクリル酸及びその炭化水素溶解性コポリマーと、ポリスチレンスルホン酸及びその炭化水素溶解性コポリマーと、ポリビニルスルホン酸及びその炭化水素溶解性コポリマーと、スチレン/マレイン酸コポリマー及びその炭化水素溶解性誘導体と、ビニルメチルエーテル/マレイン酸コポリマー及びその炭化水素溶解性誘導体などが挙げられる。
前記ポリマーは、必ずしもそうではないが、重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましい。少なくとも1つの酸性基を有する酸ポリマー分散剤の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸又はこれら混合物を含有する炭化水素溶解性コポリマー(例えば、商品名ソルスパルス3000(Solsperse3000)(リーブリゾーブ社製)、商品名ソルスパルス28000(Solsperse28000)(リーブリゾーブ社製))が挙げられる。
少なくとも1つのアミン基を有する分散剤の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリアミン、ポリエチレンイミン、アミン基含有ポリ(メタ)アクリレート、アミン基含有アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレートのコポリマー及びこれらの炭化水素溶解性誘導体がある。本発明の好ましい分散剤としてはジメチルアミノエチルメタクリレートのような三級アミンモノマーから誘導された炭化水素溶解性コポリマーである。(例えば、商品名ソルスパース13940(Solsperse13940)(リーブリゾーブ社製)。)
分散剤は、その構造や添加量により液体現像剤の粘性を制御することができる。分散剤の添加量は、液体現像剤に対して0.01乃至20質量%、好ましくは、0.1乃至10質量%である。添加量をこの範囲内とすることにより、膜厚ムラの発生を回避して濃度ムラのない良好な画像形成を行うことが可能である。
また、液体現像剤を作製するときの混合時間などの分散条件も本発明の効果を発現させる上で大きな要因となっている。例えば、後述する実施例に記載のように混合時間を制御することにより、液体現像剤の貯蔵弾性率と損失弾性率を制御できることが確認されている。
このトナーとキャリア液との分散剤の混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、液体現像剤を得ることができる。
本発明においては、液体現像剤の貯蔵弾性率(G1)と損失弾性率(G2)の測定は、TAインスツルメント社製のAres100FRTを用い、温度25℃で、コーンプレートφ25mm(θ=0.02rad)で行った値で定義される。測定前処理としては、調製した液体現像剤8に100/sのずり速度で100秒間、ずりを与え、3分間放置した。測定時に与えたひずみは0.05%とした。
また、本発明者は、液体現像剤の弾性的に振る舞う性質に関係する貯蔵弾性率と粘性的に振る舞う性質に関係する損失弾性率に加え、液体現像剤を供給する側のローラと受ける側のローラのウィズ方向の回転における両ローラの周速に着目した。種々実験を重ねた結果、液体現像剤を供給する側のローラの周速をV1、液体現像剤を受容する側のローラ又はドラム状の静電潜像担持体の周速をV2とすると、0.5≦V1/V2≦5の関係を満たすときに、膜厚ムラがさらに減少することを見出した。
V1/V2が、0.5以下では、供給する側のローラ表面の液体現像剤量が多くなり、均一な膜厚が得られにく、画像のムラが発生する。V1/V2が、5以上では、供給する側のローラの駆動トルクが大きくなり、モータが大きくなるとともに、駆動による振動も大きくなり、細線の再現性が悪くなるという問題が発生する。
本発明において、液体現像剤8を供給する側のローラと受ける側のローラとは、現像装置4内における規制ローラ42が供給する側のローラ、現像ローラ41が受ける側のローラである。また、静電潜像担持体1と現像ローラ41との関係では、供給する側のローラが現像ローラ41で、受ける側のローラは静電潜像担持体1となる。また、各ローラの直径は、一般に用いられるローラの直径を使用することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(1)液体現像装置について
液体現像装置として図2の構成のものを用いた。
液体現像装置4の設定条件を以下に示す。
現像ローラ41としては以下のものを使用した。
径:φ40mm
材料:NBR
ゴム硬度:30、70°
周速(V2):210mm/sec
規制ローラ42としては以下のものを使用した。
径:φ40mm
材料:NBR
ゴム硬度:50°
周速(V1):63〜1260mm/sec(V1/V2=0.3〜6)
供給ローラ43としては以下のものを使用した。
径:φ40mm
材料:SUS(アニロックス)
周速:210mm/sec
形状:図4に示す。凹部に液体現像剤を保持してすり切りブレード44で一定量を供給している。また、各ローラ間のニップ幅は、約3mmとした。
画像形成条件としては、非画像部の静電潜像担持体の表面電位Vo:−500V、画像部の静電潜像担持体の表面電位Vi:−50V、現像ローラのバイアス電位Vb:−300Vした。この条件で画像比率5.5%のテストチャートを10000枚プリントした。その後、画像の濃度ムラ及び細線再現性の評価を行った。
(2)実験その1
(実施例1)
トナーは、市販トナーM72F(コニカミノルタ(株)製)を用い、キャリア液に市販のホワイトオイルP120(松村石油研究所(株)製)用いた。また、分散剤としては、Solsperse3000(リーブリゾーブ社製)を用いた。分散装置としては、ペイントシェーカー(レッドデビル社製:商品名レッドデビル)を用い、キャリア液70質量部、トナー30質量部、分散剤2質量部を混合し、この混合液300mlに分散用のビーズ(直径5mm)を10g加え、30分間混合した。このようにして、帯電極性が負のトナーを有する液体現像剤(実施例1)を作製した。この液体現像剤(実施例1)の貯蔵弾性率(G1)と損失弾性率(G2)をTAインスツルメント社製のAres100FRTを用い、温度25℃、コーンプレートφ25mm(θ=0.02rad)で測定した。測定結果を表1に示す。
この液体現像剤(実施例1)を液体現像装置4に用い、図1の画像形成装置により、画像形成を行った。
(実施例2)
実施例1において、混合時間30分間を15分間に代えた他は、同一条件とした。
(実験例3)
実施例1において、分散剤Solsperse3000をSolsperse13940に代え、混合時間30分間を240分間に代えた他は、同一条件とした。
(比較例1)
実施例1において、混合時間30分間を240分間に代えた他は、同一条件とした。
(比較例2)
実施例1において、混合時間30分間を300分間に代えた他は、同一条件とした。
(比較例3)
実施例1において、分散剤Solsperse3000をX線感材用のゼラチンに代えた他は、同一条件とした。
以上の実施例1〜3と比較例1〜3の測定結果及び評価結果を表1に示す。
Figure 2006267365
[評価]
〈画像濃度ムラ〉
画像比率5.5%のテストチャート上の5カ所の5mmφ黒丸のコピー画像の反射濃度を、反射濃度計RD918(マクベス製)により測定し、その最高値と最低値との差を画像濃度ムラ(ΔID)として、同時に目視評価を行い、以下のように評価した。○及び△を合格とし、×を不合格とした。
◎:ΔIDが0.1未満、目視観察でほとんど差が認められない。
○:ΔIDが0.1以上0.2以下、目視観察でやや濃度ムラが目立つが実用上問題なし。
△:ΔIDが0.2を越え0.3以下、目視観察で濃度ムラが目立つが実用上問題なし。
×:ΔIDが0.3を越える、目視ではっきりとした濃度ムラが確認され、実用上問題。
〈細線再現性〉
画像形成装置の現像方向に対して横方向に形成した線画の解像度を評価した。倍率10倍のルーペを用いて、1mm幅中で識別することの可能な細線の数(本/mm)を確認した。○及び△を合格とし、×を不合格とした。
◎:10本/mm以上
○:9本/mmから7本/mm
△:6本/mmから4本/mm
×:3本/mm以下
以上の結果を表2及び表3に示す。
Figure 2006267365
Figure 2006267365
以上の結果から、酸性基を有するポリマーやアミン基を有するポリマーよりなる分散剤を含有し、液体現像剤の測定周波数100rad/sec、温度25℃で測定した貯蔵弾性率(G1)と損失弾性率(G2)の比がG2/G1≧3の関係を満たす液体現像剤を用いることにより、現像ローラ上に形成される液体現像剤薄層の膜厚ムラを抑制できることが確認された。また、規制ローラと現像ローラが、ウィズ方向に回転し、規制ローラの周速(V1)と現像ローラの周速(V2)が、0.5≦V1/V2≦5の関係のとき、液体現像剤薄層の膜厚ムラを抑制し、且つ画像濃度ムラが少なく、細線再現性の良い画像を形成することができた。
(3)実験その2
次に、液体現像剤中に添加する分散剤Solsperse3000の添加量を表4に示す他は、実施例1と同一条件にて8種類の液体現像剤を作製した。これらを実施例4〜10、比較例4,5とする。
実験その1と同じように画像濃度ムラと細線再現性の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2006267365
以上の結果から、分散剤の添加により、本発明の効果がより明瞭に発現されることが確認された。
本発明の液体現像剤を好適に用いることのできる画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の液体現像剤を好適に用いることのできる液体現像装置の概略構成を示す図である。 膜厚ムラの発生状況を説明する模式図である。 本発明にかかる液体現像剤の供給ローラの概略図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体
2 帯電装置
3 露光装置
4 液体現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニングブレード
7 除電ランプ
8 静電潜像用液体現像剤
9 転写紙
40 ニップ部
41 現像ローラ
42 規制ローラ(受容側ローラ)
43 供給ローラ
44 すり切りブレード
45 現像剤槽

Claims (4)

  1. 絶縁性液体中にトナーを分散した静電潜像用液体現像剤において、
    測定周波数100rad/sec、温度25℃でそれぞれ測定した貯蔵弾性率G1及び損失弾性率G2が、G2/G1≧3の関係を満たすことを特徴とする静電潜像用液体現像剤。
  2. 前記静電潜像用液体現像剤は、トナーと、キャリアと、分散剤とを含有するものであって、該分散剤は、構造中に少なくとも1つの酸性基を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像用液体現像剤。
  3. 前記静電潜像用液体現像剤は、トナーと、キャリアと、分散剤とを含有するものであって、該分散剤は、構造中に少なくとも1つのアミン基を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像用液体現像剤。
  4. 現像剤槽内に収容した液体現像剤を、一つ以上のローラを介してドラム状の静電潜像担持体と対向する現像領域に搬送し、該液体現像剤を用いて該静電潜像担持体上の潜像を現像する現像方法において、
    (i)前記液体現像剤は請求項1乃至3の何れか1項に記載の静電潜像用液体現像剤であり、
    (ii)前記静電潜像用液体現像剤を供給する側のローラと前記静電潜像用液体現像剤を受容する側のローラ又は前記ドラム状の静電潜像担持体はそれぞれウィズ方向に回転し、
    (iii)前記静電潜像用液体現像剤を供給する側のローラの周速をV1、前記静電潜像用液体現像剤を受容する側のローラ又は前記ドラム状の静電潜像担持体の周速をV2とすると、0.5≦V1/V2≦5の関係を満たす、
    ことを特徴とする現像方法。
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