JP5267915B2 - 粘着転写用液体現像剤 - Google Patents
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Description
電子写真法におけるLED、レーザビーム等のデジタル的な潜像形成技術の発達により、例えば1200DPI等の高精細なドット像の書き込みが可能になっており、このような潜像形成技術を採用した高精細、高画質な画像を形成することができる画像形成方法及び装置が望まれている。このような高画質なプリントを得るためには、ドット面積の正確な再現性が必要で、トナー像を潜像担持体や中間転写体から、中間転写体や記録媒体に転写する際のトナー飛散や潰れ(加熱・加圧定着でも生じる)は特にカラープリントにおいて主要な課題となる。
使用するトナーの粒径を微細化すれば、高解像度トナー像を実現できる。また、微細な粒径のトナーを使用すれば、トナー像の厚さも薄くなり色重ねでカラープリントを得る場合の色表現性も向上する他、最終記録体である転写紙上に転写されたトナー像の厚みが粒径に応じて薄くなる分、転写紙のカールやトナー像のヒビわれの程度も改善される。トナーとしては、乾式現像方式における、粉体キャリア等と摩擦帯電させて用いられる粉体トナーと、液体現像方式における、液体キャリアである溶剤に分散して用いられるトナー(以下、液体トナーという)とがある。
又、トナーの溶融温度が低いほど消費電力や高速化に有利であるが、溶融温度が低い粉体トナーではブロッキングを起こすという問題がある。一方、液体トナーでは溶剤に分散して使用するので、このような問題も無く、低融点(低軟化点)のトナーを採用できる。
また、従来の液体現像画像形成装置においては、キャリア液を用いるがゆえに、像がつぶれて、高精細な画像を得られない場合があった。トナーとキャリア液とから成る現像液により現像された潜像担持体の表面には、トナーだけではなくキャリア液も含む現像液層から成るトナー像が形成されている。液体現像によって形成された潜像担持体上のトナー像を記録媒体等に電界を用いて転写するには、転写電界が形成された潜像担持体と記録媒体等の転写相手との間、すなわち転写ギャップには、適正な量のキャリア液は必要である。
しかし、キャリア液が過剰な場合、ドットやラインなどのトナー像がつぶれ、ライン幅が太くなったり、画像濃度にムラが出たりすることがあり、潜像担持体上に形成されたトナー像を忠実に記録媒体に転写するのは困難である。これは、潜像担持体の表面にキャリア液が過剰に存在すると、キャリア液が少ない場合と同じ転写電位差では電界不足となり、転写時に、潜像担持体の表面でトナー像を構成するトナーが、潜像に忠実に移動できないことが原因であると考えられる。多量のキャリア液に合わせて必要な電界を形成するためには、より高電圧を必要とする不具合が生じる。
そして、さらにつぶれを防ぐための方法として、電圧を印加したローラを、潜像担持体上のトナー像の表面に、空隙をもって対向させ、潜像担持体上に形成されたトナー像を硬化させた後に該トナー像を記録媒体に転写する方法がある(例えば、特許文献1や特許文献2)。
また、特許文献3には、潜像担持体上や中間転写体上のトナー画像を乾燥させた後、転写時に記録媒体との間に非水溶媒を供給し、静電転写する方法が提案されている。乾燥させることにより、トナー画像を形成するトナー粒子の粒子間に存在する担体液が蒸発し、トナー粒子が凝集し、これによってトナー粒子間の相互作用が高まったところへ、非水溶媒を供給し電界転写するものである。転写材への転写時に、トナー粒子が個々に挙動しなくなりトナー粒子の凝集体として転写するので、トナ−画像のつぶれや、広がりを防止し、高解像力のある、高画質な画像を得ることができる。
・モノマーA(R:H又はCH3)
・モノマーB
・モノマーC(R:H又はCH3)
また、請求項2の発明は、請求項1の粘着転写用液体現像剤において、上記トナー樹脂成分のモノマー成分比が、モノマーA/モノマーB/モノマーC/モノマーD/モノマーE=5〜20[mol%]/40〜80[mol%]/1〜10[mol%]/1〜30[mol%]/1〜20[mol%]であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の粘着転写用液体現像剤において、上記樹脂の重量平均分子量Mwが20000〜40000、数平均分子量Mnが10000〜35000であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の粘着転写用液体現像剤において、上記樹脂の体積抵抗が1×1010〜1×1016[Ω・cm]であることを特徴とするものである。
このように、請求項1乃至4の発明によれば、トナーの樹脂成分として、モノマーA、モノマーB、モノマーC、モノマーD、及び、モノマーEを含むことにより、トナーの粘着力で転写する画像形成方法に用いたときに、転写時に画像が欠けることを防止することができるという優れた効果がある。
図1は、液体現像剤Dとして本発明に係る粘着転写用液体現像剤を用いる湿式画像形成装置であるプリンタ100の一例の概略説明図である。
プリンタ100は、潜像担持体である感光体1の周りに帯電手段である帯電電圧付与部材2、露光手段である露光装置3、現像手段である現像ローラ4、余剰現像剤除去手段であるスクイズローラ5などを備える。またスクイズローラ5の感光体1の表面移動方向下流側には、感光体1の表面に送風Wを当てるブロアー6が配置されて、さらに、その下流側には、転写ローラ7が配置され、転写ニップを形成する。そして、転写ニップの下流側には、分離ローラ8、クリーニングブレード9、クリーニングローラ10、除電装置11などが配置されている。また、現像ローラ4に供給する液体現像剤Dを収容する現像液タンクを備えている。
プリンタ100では、帯電電圧付与部材2により、感光体1に電荷を与え、露光装置3による露光光Lによって非画像部の電荷を消去する。感光体1はセレン感光体、有機感光体、アモルファスシリコン感光体が使用できる。帯電時の感光体1の表面電位は、400[V]〜1600[V]の範囲が良好である。露光後の感光体1の電荷の残っている潜像を現像ローラ4から供給される液体現像剤Dが含有するトナーにより現像して感光体1の表面上にトナー像を形成する。そして、現像後の感光体1の表面上の液体現像剤Dに対してスクイズローラ5及びブロアー6の送風Wで余剰の現像液を除去し、トナーが含有する粘着剤の粘着力によって転写基材Pに転写させる。感光体1上のトナー像を転写基材Pに転写する転写位置には、感光体1と接触して対向する転写ローラ7が配置されており、感光体1と転写ローラ7とが形成する転写ニップの転写圧は0.1〜10[kg/cm2]が良好である。
転写ニップを通過した転写基材Pは、分離ローラ8と感光体1との対向部である転写基材分離部で感光体1から分離し、プリンタ100の装置外に搬送される。
現像ローラ4は感光体1と順方向に回転し、スクイズローラ5は逆方向に回転させ、感光体1に対する線速は現像ローラ4が1.2倍〜6倍、スクイズローラ5の線速は1.2倍〜4倍が効果的である。
転写されずに感光体1に残った現像剤をクリーニングブレード9、クリーニングローラ10で除去後、除電装置11で感光体1の表面を除電する。
また、露光の工程で感光体1上の画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に画像形成できる。
中間転写部材20の材質は、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴム等の耐溶剤性、弾力性のあるものが望ましく、フッ素樹脂等でコーティングされていれば更に良い。
図2に示すように、中間転写部材20を備えたプリンタ100であれば、図1のプリンタ100よりもさらに高い転写圧力を付与できる、中間転写部材20に低表面エネルギーの材料を用いることができる、中間転写部材20へ転写するときに高固形分化できるなどの利点がある。このため、図1のプリンタ100よりも粘着転写性が向上するプリンタ100を実現することができる。この場合、感光体1から中間転写部材一次転写は100〜1000[V]の静電転写を用い、一次転写圧は0.1〜3[kg/cm2]二次転写圧は0.1〜30[kg/cm2]が良好である。
層厚は、1〜15[μm]程度が良く、望ましくは3〜10[μm]が良い。層厚1[μm]以下では、濃度が十分でなく15[μm]以上では解像度が低下する。
現像ローラ4に形成した静電荷像用液体トナー層にコロナ放電を行った後に静電潜像を現像することにより、トナーの凝集力を向上させることができ、解像度を高めることができる。コロナ放電はトナーと同極性の場合に効果が高く、電圧は500〜8000[V]程度が良い。
一般的な材料の割合は、着色剤5〜10[質量%]、樹脂5〜30[質量%]、担体液65〜95[質量%]、帯電制御剤0.1〜1[質量%]である。この現像剤をそのまま、あるいは、適当な割合に希釈してプリンタ100の現像液タンクに入れ画像形成に用いる。
プリンタ100で用いる液体現像剤Dは粘着転写用液体現像剤であり、トナーを構成するトナー樹脂成分として化11〜化15の一般式で示すモノマーA、モノマーB、モノマーC、モノマーD、及び、モノマーEを含有する。
・モノマーA(R:H又はCH3)
(RがHの場合 n:6〜9、RがCH3の場合n:10〜14)
・モノマーB
(n:6〜8)
・モノマーC(R:H又はCH3)
・モノマーD(R:H又はCH3)
・モノマーE(R:H又はCH3)
モノマーBとしては、ヘキシルメタアクリレート、ヘプチルメタアクリレート、オクチルメタアクリレート、2エチルヘキシルメタアクリレートなどが挙げられる。
モノマーCとしては、ブタジェンアクリル性モノマーが挙げられる。
モノマーDとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
モノマーEとしては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
モノマーBは、トナー中の溶媒との親和性を高め、トナーの分散安定性を向上さ、定着後の粘着性を抑える効果がある。モノマーBが40[mol%]未満であると分散安定の効果が低下し、80[mol%]よりも多いと粘着性が低下し粘着転性を阻害する傾向がある。このため、モノマーBは樹脂成分中で40[mol%]〜90[mol%]が望ましい。
モノマーCは、トナー層のフィルム化を促進させ、転写時にトナー層を一体化して転写させたり、定着後のトナー層被膜を強固にしたりする効果がある。1[mol%]未満ではフィルム化効果が少なく転写不良を発生させたり、定着強度を低下させたりすることがあり、10[mol%]よりも多いと溶媒との親和性が低下し凝集が発生する場合がある。
モノマーDは樹脂骨格をグラフト、架橋構造にし、転写時のトナー層膜強度を上げたり、着色剤に吸着、一体化させたりする効果がある。1[mol%]未満ではその効果が少なく、30[mol%]以上では溶媒親和性が低下する傾向がある。
モノマーEはモノマーDとの反応で架橋構造形成に作用したり、カルボン酸の水素結合によるトナー層のフィルム一体化転写性を向上したりする効果がある。1[mol%]未満ではその効果が少なく、20[mol%]以上では溶媒親和性が低下する。
また、樹脂の構造は重合方法により変わるが、一例として以下の化16ようなものがあげられる。
トナーの粘着性を利用した定着を行う画像形成装置に使用する液体現像剤では、非加熱での粘着転写を実現するため、液状担体であるキャリア溶媒が減少した時に、トナー層が粘着性を発現し、トナー層が一体となって転写することが重要となる。トナー層が粘着性をおびていても、トナー層内で分断されてしまうと、転写率が低下し、狙いの画像濃度を得ることができなくなる。
図4は、トナーの違いや転写基材Pの表面状態の違いによる中間転写部材20から転写基材Pへの転写状態を示すモデル図である。
図4中の左側の図は、中間転写部材20から転写基材Pへの転写前の状態を示す図である。図4中の右側の図のうち、A及びCは表面が平滑な転写基材Pへの転写を示しており、B及びDは表面に凹凸のある転写基材Pへの転写を示している。そして、図4のA及びBは、トナー層が成膜して転写基材Pに転写された状態を示しており、C及びDは、トナー層が成膜せずにトナー層で分かれて転写基材Pに転写された状態を示している。
そして、粘着転写用液体現像剤としては、図4のCやDのように分断されての転写ではなくAやBのような転写を実現することができるものが求められる。
プリンタ100で用いる液体現像剤Dは、帯電特性、粘着転写性の良好な電子写真液体現像剤で、特に転写基材の特性(抵抗値など)や表面性(凹凸など)によらず良好な転写性が得られ、かつ、定着も非加熱で現像後スクイズによりトナー層中のキャリアを除去して粘着化して転写し、転写基材Pに不図示の加圧ローラでトナーを圧着して定着する。
一方、本発明の粘着転写用液体現像剤は材料にTg(ガラス転移点)の高い熱可塑性樹脂を用いるため、溶媒が減少した時に粘着性を生じ、非加熱での転写が可能となる。
また、モノマーD、Eにより樹脂の一部をグラフト化、架橋構造にした方が、トナー層の凝集力が高まり、溶剤があっても良好な粘着転写性を発現できる。
樹脂の体積抵抗が1×1010〜1×1016[Ω・cm]であることが望ましい。1×1010未満であるとトナーとしたときに現像性が低下する。
着色剤は一般の無機・有機顔料、染料を用いることができる。
例えば、プリンテックスV、プリンテックスU、プリンテックスG、スペシャルブラック15、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(以上デグサ社製)、三菱#44、#30、MR−11、MA−100(以上、三菱化成社製)、ラーベン1035、ラーベン1252、ニュースペクトII(以上、コロンビアカーボン社製)、リーガル400、660、ブラックパール900、1100、1300、モーガルL(以上、キャボット社製)などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY、ナフトールイエローS、ナフトールレッド、リソールファーストイエロー2G、パーマネントレッド4R、ブリリアントファーストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3Bインジゴ、チオインジゴオイルピンクおよびボルド−10Bなどの有機顔料、ディスパースファーストイエローG、ディスパースブルーFFR、ディスパースブルーグリーンB、ディスパースイエロー5G、ディスパースレッドFB、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックBなどの染料があげられる。
これらの着色剤は純度が高いものが望ましく特に80[%]以上のものが望ましい。
フラッシング処理とは、色素を水に溶かした含水液に、更に樹脂分散媒を加え、フラッシャーと呼ばれるニーダー中で良く混合し、顔料のまわりに存在する水を後から添加される樹脂分散媒によって置換する処理をいう。この操作により取出される水を排出し、樹脂溶液中に顔料が分散された状態とし乾燥させて、溶剤を除去し、得られた塊を粉砕することにより着色剤の粉末が得られる。
フラッシングする際の着色剤と樹脂の割合は、樹脂100重量部に対して着色剤10〜60重両部が適当である。フラッシング処理には、フミン酸、フミン酸塩(Na塩、NH4塩など)またはフミン酸誘導体の存在下に行うのが特に有利である。これら添加されるフミン酸類の量は、着色剤含水液の0.1〜30[重量%]程度が適当である。
フラッシング処理で使用する樹脂は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂などが望ましい。
また、担体液の沸点は、100[℃]以上が望ましい。沸点が100[℃]以下であると溶媒が揮発し易くなるため、転写前にトナー層の溶媒量が少なくなりすぎて粘着性が発現し難くなったり、未転写トナーが固着しやすくクリーニング性に問題が生じたりする場合がある。
平均粒径は0.1〜3[μm]が望ましく、0.1[μm]以下では、十分な濃度が得られない場合やニジミが発生しやすくなる場合があり、5[μm]以上では、色彩、解像性が悪くなる場合がある。
本発明の液体現像剤は、現像工程や液除去工程で固形分を上げることにより粘着性が発現し、粘着転写が可能になる。粘着転写し基材に定着後は溶剤がほとんどなくなるため、粘着性は消失する。
〔樹脂合成例1〕
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた0.5[L]のフラスコにアイソパーH300[g]を仕込み、90[℃]に加熱し、攪拌しながらラウリルメタアクリレート(モノマーA)0.02[mol]、2エチルヘキシルメタアクリレート(モノマーB)0.25[mol]、グリシジルメタアクリレート(モノマーD)0.04[mol]、メタクリル酸(モノマーE)0.01[mol]、ベンゾイルパーオキサド(反応開始剤)1[g]よりなるモノマー溶液を2時間かけて滴下した。
滴下後、95[℃]に保ち5時間重合を行った。
その後、ブタジエンアクリル変性モノマー(モノマーC)0.02[mol]、アズビスイソブチロニトリル0.5[g]よりなるモノマー溶液を1時間かけて滴下し、85[℃]に保ち1時間重合を行った。
合成された樹脂の重合率は94[%]、分子量Mnは21000、Mwは30000であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた0.5[L]のフラスコにクリストールJ72 320[g]を仕込み、105[℃]に加熱し、攪拌しながらトリデシルメタアクリレート(モノマーA)0.07[mol]、ヘプチルメタアクリレート(モノマーB)0.20[mol]、ブタジエンアクリル変性モノマー(モノマーC)0.01[mol]、グリシジルメタアクリレート(モノマーD)0.06[mol]、メタクリル酸(モノマーE)0.06[mol]、ベンゾイルパーオキサド(重合開始剤)1[g]よりなるモノマー溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、100[℃]に保ち5時間重合を行った。
合成された樹脂の重合率は98[%]、分子量Mnは18000、Mwは25000であった。
〔樹脂合成比較例1〕
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた0.5[L]のフラスコにアイソパーL320[g]を仕込み、105[℃]に加熱し、攪拌しながらステアリルメタアクリレート(該当なし)0.10[mol]、オクチルメタアクリレート(モノマーB)0.20[mol]、メチルメタアクリレート(該当なし)0.15[mol]、グリシジルメタアクリレート(モノマーD)0.03[mol]、メタクリル酸(モノマーE)0.02[mol]、ベンゾイルパーオキサド(重合開始剤)1[g]よりなるモノマー溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、100[℃]に保ち5時間重合を行った。
合成された樹脂の重合率は97[%]、分子量Mnは13000、Mwは24000であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた0.5LのフラスコにアイソパーH 270[g]を仕込み、80[℃]に加熱し、攪拌しながら2エチルヘキシルアクリレート(モノマーA)0.35[mol]、スチレン(該当なし)0.02[mol]、グリシジルアクリレート(モノマーD)0.03[mol]、メタクリル酸(モノマーE)0.02[mol]、ベンゾイルパーオキサド(重合開始剤)0.5[g]よりなるモノマー溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、85[℃]に保ち5時間重合を行った。
合成された樹脂の重合率は92[%]、分子量Mnは20000、Mwは31000であった。
フタロシアニンブルー(PB−15:3)(大日精化社製) 14部
上記樹脂合成例1の樹脂(固形分18.0[%]) 233部
アイソパーH (エクソンモービル社製) 30部
荷電制御剤(フォスファチジルコリン)(辻製油社製) 3部
これらをボールミルに入れて72時間分散後、さらにアイソパーHを30部加え、1時間分散し、これを濃縮液体現像剤とした。
この濃縮液体現像剤トナー100[g]とアイソパーH1[L]を混合した現像剤により図1の装置で画像形成を行った。
転写現像剤固形分90[%]、転写圧力3[kg/cm2]で普通紙(リコー製PPC用紙タイプ6000<70W>)に粘着転写を行った。
図2の装置で画像形成、粘着転写を行った以外は実施例1と同様に行った。
一次転写は印加電圧200[V]の静電転写、二次転写は転写圧力6[kg/cm2]で粘着転写で行った。二次転写時の現像剤固形分は97[%]であった。
キナクリドンレッド(PR−122)(富士色素社製)/ポリエステル樹脂(三菱レイヨン社製)フラッシング混練物(比率1/1) 30部
上記樹脂合成例2の樹脂(固形分19.2[%]) 78部
クリストール J72(エッソ石油社製) 50部
荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム)(日本化学産業社製) 2部
これらをボールミルに入れて90時間分散後、さらにクリストールJ72を60部加え、1時間分散し、これを濃縮液体現像剤とした。
この濃縮液体現像剤を図3の装置で薄層現像し、画像形成を行った。
一次転写は印加電圧300[V]の静電転写、二次転写は転写圧力5[kg/cm2]でリコー製OHPシートに粘着転写を行った。二次転写時の現像剤固形分は80[%]であった。
フタロシアニンブルー(PB−15:3)(大日精化社製) 14部
樹脂合成比較例1の樹脂(固形分21.6[%]) 194部
アイソパーH(エクソンモービル社製) 30部
荷電制御剤(フォスファチジルコリン)(辻製油社製) 3部
これらをボールミルに入れて72時間分散後、さらにアイソパーHを30部加え、1時間分散し、これを濃縮液体現像剤とした。
この濃縮液体現像剤トナー100[g]とアイソパーH1[L]を混合した現像剤により図1の装置で画像形成を行った。
転写現像剤固形分90[%]、転写圧力2[kg/cm2]で普通紙(リコー製PPC用紙タイプ6000<70W>)に粘着転写を行った。
ディスパースブルー60(DB−60)(有本化学社製) 15部
樹脂合成比較例2の樹脂(固形分19.6[%]) 153部
エクソールD130(エクソンモービル社製) 40部
荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム)(日本化学産業社製) 3部
これらをバスケットミルに入れて5時間分散後、さらにエクソールD130を40部加え、1時間分散し、これを濃縮液体現像剤とした。
この濃縮液体現像剤トナー200[g]とエクソールD130 1[L]を混合した現像剤により図2の装置で画像形成を行った。
一次転写は印加電圧300[V]の静電転写、二次転写は転写圧力10[kg/cm2]でポリエステルサテンに粘着転写で行った。二次転写時の現像剤固形分は94[%]であった。
平均粒径は島津製作所SA−CP3による。
液体現像剤を積分球式濁度計で透過率15[%]程度になるまでアイソパーで希釈し、SA−CP3用セルに充填する。測定条件はACCEL480、MODE:CENT、3〜16チャンネルで行った。
ζ電位は大塚電子ELS−8000による。
セル:低誘電率セル、電界:500[V/cm]、6回測定平均モードで測定した。
転写率はテープ剥離法による濃度から算出し、以下の式で求めた。
転写率
=(転写前感光体上濃度−転写後感光体残濃度)/(転写前感光体上濃度)×100[%]
帯電制御率は電着法により算出し、以下の条件で求めた。
電極間距離:1[cm]、電極面積:2[cm]×2[cm]、電着時間:100[秒]で測定した。
図4のA及びBのように、転写基材Pの材質(抵抗値など)に制約を受けず、トナー層が一体となり転写するため、凹凸のある基材にも良好な転写を行うことができた。
比較例2は本発明のモノマーA成分がないため、粘着性が発現せず粘着転写しなかった。また、モノマーC成分がないため、成膜化せずトナー層中で分裂し、樹脂抵抗が低いためトナー現像性も悪かった。
モノマーAの比率が、5〜20[mol%]の範囲であることにより、モノマーAが多すぎることに起因するトナーのフィルム化の効果の阻害や定着後のベトつきといった不具合、及び、少なすぎることに起因する粘着力不足での粘着転写性の低下という不具合の発生を防止することができる。
モノマーBの比率が、40〜80[mol%]の範囲であることにより、モノマーBが少なすぎることに起因する分散安定の効果の低下や、モノマーBが多すぎることに起因する粘着性が低下して、粘着転写性を阻害するといった不具合を防止することが出来る。そして、トナーと溶媒との親和性を高め、液体現像剤中のトナーの分散安定性を向上させることが出来る。
モノマーCの比率が、1〜10[mol%]の範囲であることにより、モノマーCが少なすぎることに起因するフィルム化効果の低下による転写不良の発生や定着強度の低下といった不具合、及び、モノマーCが多すぎることに起因する溶媒との親和性が低下して凝集が発生するという不具合を防止することが出来る。そして、トナー層のフィルム化を促進させ、転写時にトナー層を一体化して転写することが出来、定着後のトナー層被膜を強固にすることが出来る。
モノマーDの比率が、1〜30[mol%]の範囲であることにより、樹脂骨格をグラフト、架橋構造にし、転写時のトナー層膜強度を上げることが出来、着色剤に吸着、一体化させることが出来る。
モノマーEの比率が、1〜20[mol%]の範囲であることにより、モノマーDとの反応で架橋構造形成に作用し、カルボン酸の水素結合によるトナー層のフィルム一体化転写性に効果がある。
2 帯電電圧付与部材
3 露光装置
4 現像ローラ
5 スクイズローラ
6 ブロアー
7 転写ローラ
8 分離ローラ
9 クリーニングブレード
10 クリーニングローラ
11 除電装置
15 第二スクイズローラ
20 中間転写部材
21 溶剤除去ローラ
100 プリンタ
Claims (4)
- 液状担体中に分散した着色剤及び樹脂を含有するトナー粒子を、静電潜像に静電気的に付着させて可視像化後、トナーの粘着力により基材に転写を行う電子写真粘着転写技術に使用する粘着転写用液体現像剤において、
上記トナーを構成するトナー樹脂成分として化1〜化5の一般式で示すモノマーA、モノマーB、モノマーC、モノマーD、及び、モノマーEを含有することを特徴とする粘着転写用液体現像剤。
・モノマーA(R:HまたはCH3)
・モノマーB
・モノマーC(R:H又はCH3)
・モノマーD(R:H又はCH3)
・モノマーE(R:H又はCH3)
- 請求項1の粘着転写用液体現像剤において、
上記トナー樹脂成分のモノマー成分比が、モノマーA/モノマーB/モノマーC/モノマーD/モノマーE=5〜20[mol%]/40〜80[mol%]/1〜10[mol%]/1〜30[mol%]/1〜20[mol%]であることを特徴とする粘着転写用液体現像剤。 - 請求項1または2の粘着転写用液体現像剤において、
上記樹脂の重量平均分子量Mwが20000〜40000、数平均分子量Mnが10000〜35000であることを特徴とする粘着転写用液体現像剤。 - 請求項1、2または3の粘着転写用液体現像剤において、
上記樹脂の体積抵抗が1×1010〜1×1016[Ω・cm]であることを特徴とする粘着転写用液体現像剤。
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