JP3225175B2 - 現像剤の製造方法 - Google Patents

現像剤の製造方法

Info

Publication number
JP3225175B2
JP3225175B2 JP06250395A JP6250395A JP3225175B2 JP 3225175 B2 JP3225175 B2 JP 3225175B2 JP 06250395 A JP06250395 A JP 06250395A JP 6250395 A JP6250395 A JP 6250395A JP 3225175 B2 JP3225175 B2 JP 3225175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerizable monomer
toner
hetero
polymerized
aqueous dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06250395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08262792A (ja
Inventor
悦子 宮本
貴雄 泉
弘 村田
由香 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP06250395A priority Critical patent/JP3225175B2/ja
Priority to US08/618,779 priority patent/US5698356A/en
Publication of JPH08262792A publication Critical patent/JPH08262792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3225175B2 publication Critical patent/JP3225175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0812Pretreatment of components
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0804Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium
    • G03G9/0806Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium whereby chemical synthesis of at least one of the toner components takes place

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷などにおける静電荷像を現像するための電子写
真用現像剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水系での重合トナーの製法として
は、大きく分類すると乳化重合粒子凝集法、懸濁重合法
があげられる。特開昭63−186253号公報にみら
れるような乳化重合粒子凝集法では、2ミクロン程度の
一次粒子を凝集させて大粒径化するために、制御範囲は
数ミクロンから数十ミクロンと広範囲で制御可能である
が、粒子径を連続的に制御することは困難である。ま
た、乳化重合粒子凝集法では界面活性剤のトナー粒子へ
の残留による耐湿性の問題がある。一方、特公昭53−
17735号に見られるような懸濁重合法では、耐湿性
の問題は乳化重合法に比較して優れているが、粒子径は
5ミクロンから数十ミクロンと制御範囲が狭くなり、ト
ナーの小粒径化に有利と言われる重合法の利点が十分に
は生かせない点が問題である。
【0003】上記問題を解決するためには、小粒径に有
利でかつ界面活性剤を使用しないソープフリー重合法に
よりトナーを合成することができれば解決されると言わ
れて来たが、以下の理由によりこれまで実現が困難であ
った。
【0004】1.ソープフリー重合法では、トナーに必
要な成分を水系に分散することが必要であり、それらの
成分を粒子生成中に重合粒子に含有することが困難であ
る。2.ソープフリー重合法での粒子の生成は数ミクロ
ンが限界であり、トナー粒径への粒子の生成が困難であ
る。上記1と2の問題点については、まだ十分な解決が
なされていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、ソープフリー重合を用いてそ
のトナーの添加成分を十分に内添し得、耐湿性に優れ、
その粒径を容易に制御し得、現像剤として十分な粒径が
得られ、これによりその粒径をサブミクロンから数十ミ
クロンまで制御可能な現像剤の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の5つの
態様からなる。本発明の第1の態様によれば、樹脂粒子
及び着色剤を含有するヘテロ凝集体の水系分散液に、重
合性単量体、油溶性重合開始剤、及び半重合された重合
性単量体を含有する重合性単量体組成物を添加する工程
と、該水系分散液中で、該ヘテロ凝集体と該重合性単量
体組成物とを撹拌により造粒し、シード体を形成する工
程と、該シード体を含む水系分散液を、水溶性ソープフ
リー重合開始剤の存在下で重合する工程とを具備するこ
とを特徴とする現像剤の製造方法が提供される。
【0007】本発明の第2の態様によれば、樹脂粒子及
び着色剤を含有するヘテロ凝集体の水系分散液に、重合
性単量体、油溶性重合開始剤、及び帯電制御剤を混入し
た半重合された重合性単量体を含有する重合性単量体組
成物を添加する工程と、該水系分散液中で、該ヘテロ凝
集体と該重合性単量体組成物とを撹拌により造粒し、シ
ード体を形成する工程と、該シード体を含む水系分散液
を、水溶性ソープフリー重合開始剤の存在下で重合する
工程とを具備することを特徴とする現像剤の製造方法が
提供される。
【0008】本発明の第3の態様によれば、樹脂粒子及
び着色剤を含有するヘテロ凝集体の水系分散液に、重合
性単量体、油溶性重合開始剤、及び半重合された重合性
単量体を含有する重合性単量体組成物を添加する工程
と、該水系分散液中で、該ヘテロ凝集体と該重合性単量
体組成物とを撹拌により造粒して、シード体を形成する
工程と、該シード体を含む水系分散液を、水溶性ソープ
フリー重合開始剤の存在下で重合し、重合トナーを得る
工程とを具備する現像剤の製造方法において、撹拌条件
によりシード体の粒径を変化させることにより、重合ト
ナーの粒径を制御することを特徴とする現像剤の製造方
法が提供される。
【0009】本発明の第4の態様は、前述の第1の態様
の好ましい態様を示すもので、樹脂粒子及び着色剤を含
有するヘテロ凝集体の水系分散液に、重合性単量体、油
溶性重合開始剤、及び半重合された重合性単量体を含有
する重合性単量体組成物を添加する工程と、該水系分散
液中で、該ヘテロ凝集体と該重合性単量体組成物とを撹
拌により造粒し、0.1〜1μmの大きさのシード体を
形成する工程と、該シード体を含む水系分散液を、水溶
性ソープフリー重合開始剤の存在下で重合する工程とを
具備することを特徴とする現像剤の製造方法を提供する
ものである。
【0010】また、本発明の第5の態様は、第1の態様
の他の好ましい態様を示すもので、樹脂粒子及び着色剤
を含有するヘテロ凝集体の水系分散液に、重合性単量
体、油溶性重合開始剤、及び半重合された重合性単量体
を含有する重合性単量体組成物を添加する工程と、該水
系分散液中で、該ヘテロ凝集体と該重合性単量体組成物
とを撹拌により造粒し、0.1〜1μmの大きさのシー
ド体を形成する工程と、該シード体を含む水系分散液
を、水溶性ソープフリー重合開始剤の存在下で重合し、
1〜100μmの大きさのトナーを得る工程とを具備す
ることを特徴とする現像剤の製造方法を提供するもので
ある。
【0011】
【作用】本発明においては、具体的には、まず、(1)
ソープフリー重合によるサブミクロンの樹脂粒子とサブ
ミクロンの着色剤粒子を含むヘテロ凝集体を水系に分散
する。この水系分散液中には、任意に、ワックス等を混
入することができる。次に、(2)重合性単量体、油溶
性重合開始剤、及び半重合させた重合性単量体を含有す
る重合性単量体組成物を(1)に添加する。ここで、好
ましくは帯電制御剤を混入する。その後、(3)ヘテロ
凝集体と重合性単量体組成物とを撹拌造粒してシード体
を形成する。このとき、撹拌条件たとえば撹拌温度、撹
拌力、撹拌時間等を制御することにより、シード体の粒
径を制御することができる。(4)得られたシード体を
含む水系分散液に、ソープフリー重合開始剤である水溶
性重合開始剤を添加し、重合を行なう。以上のようにし
て、現像剤を製造することができる。
【0012】本発明においては、ソープフリー重合法に
おいて、各トナー成分を良好に添加するために、半重合
された重合性単量体を造粒工程(3)で使用する。この
ことにより、(1)のヘテロ凝集だけでは水系に残留し
ていた着色剤、ワックスなどを、トナーに良好に分散さ
せて内添することが可能となり、さらに、従来ソープフ
リー重合法では良好な内添が困難であった帯電制御剤な
どを、(2)において半重合させた重合性単量体に添加
混合することで、トナーに分散性良く内添することが可
能となった。また、従来ソープフリー重合法での粒子の
生成は、数ミクロンが限界であり、そのまま現像剤とし
て使用するには不十分であったが、本発明では、重合粒
子の粒径の大粒径化を、半重合させた重合性単量体を用
いたシード体の造粒(3)と、さらにはソープフリー重
合開始剤を用いた、シード体のトナーへの重合成長
(4)で実現できる。さらには、水系でヘテロ凝集体と
重合性単量体組成物を撹拌して造粒・大粒径化(3)す
ることで、トナー粒子径をサブミクロンから数十ミクロ
ンまでかなり連続的に制御することが可能である。
【0013】半重合させた重合性単量体は、おそらく、
水系に単離していた着色などの成分が半重合された重合
性単量体の高分子マトリックスに捕捉されてシード体に
含有されるものと思われる。また、ヘテロ凝集体と速や
かに造粒されシード体を構成し、重合性単量体を膨潤し
やすくしている可能性があると思われる。また、重合性
単量体の多くは水溶液に遊離しているが、ソープフリー
重合によりそれら遊離の重合性単量体が速やかに消費さ
れるのが観察される。この点が、一般の界面活性剤を使
った膨潤シート重合とは違う特徴的な点である。
【0014】具体的に本発明は、着色剤やワックスなど
を含有させ、かつソープフリー重合による粒子の大粒径
化のためのシード体作成のために、ソープフリー重合に
よるサブミクロンの樹脂粒子とサブミクロンの着色剤粒
子、さらにはワックスなどのヘテロ凝集体を水系に分散
する。
【0015】そして、ヘテロ凝集では当然のことながら
遊離の単体の着色剤やワックスを生じるので、さらにそ
れらを半重合させた重合性単量体を含む重合性単量体組
成物と撹拌造粒してシード体に含有させる。
【0016】最終的にシード体をトナーの粒子径に成長
させるためにソープフリー重合開始剤である水溶性重合
開始剤の存在下で重合する。この時、内部は油溶性開始
剤により重合され、外側はソープフリー重合により遊離
の重合性単量体が消費されるため、表面は耐湿性の優れ
たものとなる。
【0017】さらに水系に残留し易く、内添が困難であ
る帯電制御剤を、半重合させた重合性単量体と混合して
添加することで、耐湿性を損なわずにトナーに内添で
き、かつ従来は外添微粒子として使用されている帯電制
御剤を、湿式で容易に内添することで、外添工程も短縮
できる。
【0018】また、トナー粒子径の制御方法として、シ
ード体の造粒において撹拌力を制御することでサブミク
ロンから数十ミクロンまでの広い制御範囲で粒子径を制
御できる。このことはおそらく、シード体を構成してい
るヘテロ凝集体がサブミクロンの大きさであるためと思
われる。
【0019】
【実施例】本発明に用いられるヘテロ凝集体のモデル図
を図1に示す。図1のように、本発明に用いられるヘテ
ロ凝集体は、樹脂粒子1、樹脂粒子1の周囲に凝集した
着色剤2、さらには任意に着色剤2の周囲に凝集したワ
ックス3を含む。ヘテロ凝集体の分散液4は、静電的引
力などで上記の成分が凝集したヘテロ凝集体が水系に分
散したものである。ヘテロ凝集体の大きさは、通常平均
粒径0.1〜1μm、好ましくは0.5〜1μmであ
り、ほぼ樹脂粒子の大きさで決定される。
【0020】樹脂粒子としては、市販のもの、合成した
もののいずれも使用できる。原料としては、少なくとも
本発明に使用される重合性単量体などを単独または二種
以上組み合わせたものをソープフリー重合法により重合
して得られた粒子を使用できる。このような樹脂粒子の
材料としては、たとえば、ポリスチレン、スチレン−ア
クリル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウ
レタン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、ポリアミド、パラフィンなどが挙げられる。分子量
は、重量平均分子量で1万〜50万が好ましく、また、
大きさは好ましくは平均粒径0.1〜1μm、さらに好
ましくは0.5〜1μmである。
【0021】着色剤としては、例えば無機顔料(天然、
クロム酸塩、フェロシアン化合物、酸化物、塩化物、硫
酸塩、珪酸塩、金属粉等)、有機顔料(天然染料レー
キ、ニトロソ系、アゾ系、フタロシアニン系、縮合多環
系、塩基性染料レーキ、媒染染料系、建染染料系等)、
水溶性染料、油溶性染料などがあげられる。無機顔料の
具体例としては、例えば黄土色等の天然顔料、黄鉛、ジ
ンクイエロー、バリウムイエロー、クロムオレンジ、モ
リブデンレッド、クロムグリーン等のクロム酸塩、紺青
等のフェロシアン化合物、酸化チタン、チタンイエロ
ー、チタン白、ベンガラ、黄色酸化鉄、亜鉛フェライ
ト、亜鉛華、鉄黒、コバルトブルー、酸化クロム、スピ
ネルグリーン等の酸化物、カドミウムイエロー、カドミ
ウムオレンジ、カドミウムレッド、等の硫化物、硫酸バ
リウム等の硫酸塩、珪酸カルシウム、群青等の珪酸塩、
ブロンズ、アルミニウム等の金属粉、カーボンブラック
等があげられる。有機顔料の具体例として、例えばマダ
レーキ等の天然レーキ、ナフトールグリーン、ナフトー
ルオレンジ等のニトロソ系顔料、ベンジジンイエロー
G、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、バルカ
ンオレンジ、レーキレッドR、レーキレッドC、レーキ
レッドD、ウオッチングレッド、ブリリアンカーミン6
B、ピラロゾンオレンジ、ボルドー10G、(ボンマル
ーン)等の溶性アゾ系、ピラロゾンレッド、パラレッ
ド、トルイジンレッド、ITRレッドトルイジンレッド
(レーキレッド4R)、トルイジンマルーン、ブリリア
ントファイストスカーレッド、レーキボルドー5B、等
の不溶性アゾ系、縮合アゾ系等のアゾ系顔料、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、ブロム化フタ
ロシアニングリーン、ファストスカイブルー等のフタロ
シアニン顔料、スレンブルー等のアントラキノン系、ペ
リレンマルーン等のペリレン系、ペリノンオレンジ等の
ペリノン系、キナクリドン、ジメチルキナクリドン等の
キナクリドン系、ジオキサジンバイオレット等のジオキ
サジン系、イソインドリン系、キノフタロン系等の縮合
多環系顔料、ローダミン6Bレーキ、ローダミンレーキ
B、マラカイトグリーン等の塩基性染料レーキ、アリザ
リンレーキ等の媒染染料系顔料、インダスレンブルー、
インジゴブルー、アントアントロンオレンジ等の建染染
料系顔料、蛍光顔料、アジン顔料(ダイヤモンドブラッ
ク)、グリーンゴールド等があげられる。水溶性染料の
具体例としては、例えばローダミンB等の塩基性染料、
酸性染料、蛍光染料等、油溶性染料の具体例としては、
例えばファストオレンジR、オイルレッド、オイルイエ
ロー等のモノアゾ染料、アントラキノンブルー、アント
ラキノンバイオレット等のアントラキノン系染料、ニグ
ロシン、インジュリン等のアジン染料、塩基性、酸性、
金属錯化合物系染料等があげられる。使用量は、トナー
に対し、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは
1〜10重量%である。
【0022】着色剤の分散剤としては、例えばアニオン
性では脂肪酸塩型の−COONH4、硫酸エステル塩型
の−OSO3 NH4 、燐酸エステル塩型の−OPO3
(NH42 などがあげられ、カチオン性ではアミン塩
型の1,2,3級アルキルアミン類、1,2,3級エタ
ノールアミン類、ポリエチレンポリアミン類、アルキル
アミンのエチレンオキサイド付加物などがあげられる。
具体的な例として、スチレン誘導体構造を持つものとし
て、
【0023】
【化1】 、アクリル酸誘導体構造を持つものとしてCH2 =CR
1 COO(CH2 )n−NR23 、さらにスチレンア
クリル酸共重合誘導体構造を持つものとして、
【0024】
【化2】 、などがあげられる。(n:1〜10の整数、R1,R
2,R3:炭素数1〜6のアルキル基)使用量は好まし
くは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜
15重量%である。特に、着色剤の分散剤としてアミン
類の使用が、耐湿性にとって望ましい。
【0025】ワックスとしては、低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、パラフィン等があげられ
る。水系で分散するためには、エマルジョンタイプのカ
ルボキシル基変性ポリオレフィンとして、エチレン、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1等のオレフィン単
位を骨格としカルボキシル基を有するように変性され、
かつアンモニアまたはアミンでカルボキシル基の少なく
とも一部が中和された自己乳化型のポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス等があげられる。使用量
は、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは1〜
10重量%である。
【0026】図2に本発明に用いられる重合性単量体組
成物のモデル図を示す。図2のように、この重合性単量
体組成物9は、重合性単量体5、半重合させた重合性単
量体6、油性重合開始剤7、さらには帯電制御剤あるい
は帯電制御用外添微粒子8などを含む。
【0027】重合性単量体としては、ビニル芳香族単量
体、アクリル系単量体、ビニルエステル系単量体ビニル
エーテル系単量体、ジオレフィン系単量体、モノオレフ
ィン系単量体等である。モノビニル芳香族単量体として
は、モノビニル芳香族炭化水素として、たとえばスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロ
スチレン、o−、m−、p−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレン、ジビニルベンゼンの単独または二種以上の
組み合わせをあげることができる。また、アクリル系単
量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリ
ル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピル、δ−
ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタアク
リル酸エチル、エチレングリコールジメタクリル酸エス
テル、テトラエチレングリコールジメタクリル酸エステ
ル等があげられる。ビニルエステル系単量体としては、
たとえばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等があげられる。ビニルエーテル系単量体としては、た
とえばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテ
ル、ビニルシクロヘキシルエーテル等、ジオレフィン系
単量体としては、たとえばブタジエン、イソブレン、ク
ロロブレン等、モノオレフィン系単量体としては、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ベンテ
ン−1、4−メチルベンテン−1等があげられる。
【0028】半重合された重合性単量体とは、上記の重
合性単量体を予めごく少量の油溶性重合開始剤と熱など
により重合を開始させて得られたもので、量体の一部分
が高分子を持ち、単量体よりも粘性を持つ流動体をい
う。また、半重合された重合性単量体は、重量平均分子
量で100万以上の部分を含んでいることが望ましい。
【0029】油性重合開始剤としては、単量体に可溶な
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、クメン
ヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物などがあげら
れる。使用量は、重合性単量体に対して好ましくは0.
01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%
である。
【0030】帯電制御剤としては、ニグロシン系染料、
4級アンモニウム塩等の電子供与性物質等の負帯電制御
剤としては、正帯電性制御剤、モノアゾ系染料の金属塩
のような電子吸引性物質があげられる。
【0031】また、帯電制御用外添微粒子としては、酸
化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸
化錫、酸化インジウム、酸化セリウム等の金属酸化物の
ほかステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸鉛等の脂肪酸金属塩、その他チタン酸バリウ
ム、チタン酸ストロンチウム、塩基性酢酸ビスマス等の
無機物、PMMA、スチレン−アクリル共重合体、フッ
化ビニリデン、4フッ化エチレンなどフッ素樹脂等が使
用できる。帯電制御剤および帯電制御用外添微粒子は、
半重合された重合性単量体に混合することで良好に添加
される。
【0032】本発明に使用されるシード体は、本発明の
ヘテロ凝集体と重合性単量体組成物とを混合、撹拌など
により造粒することにより得られる。造粒の際の混合や
撹拌方法としては、たとえば、ホモジナイザーのような
一般的な乳化機、懸濁機、ミキサー、マグネティックス
ターラーなどの機械的撹拌、また超音波撹拌などが使用
できる。これらの機械は、樹脂単量体により膨潤された
樹脂粒子を小粒径化するために用いることもできるが、
本発明の方法では、造粒、大粒径化に利用する。
【0033】本発明に使用される水溶性重合開始剤は、
ソープフリー重合開始剤である反応性乳化剤、反応性界
面活性剤であり、このような水溶性ソープフリー重合開
始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、DEAM
(N,N′−ジエチルアミノエチルメタクリレート)、
AIBN・2HCl(イソブチルアミドハイドロクロリ
ック酸)などが好ましく使用できる。その他、ポリオキ
シエチレンメタクリレート、ジメチルアミノエチル、ジ
エチルアミノエチルメタクリレートの酢酸塩なども使用
できる。
【0034】使用量は、重合性単量体に対して好ましく
は0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5
重量%である。本発明の方法では、反応系中の固形分仕
込量は、通常の範囲である1〜30重量%、好ましくは
3〜20重量%であり、トナーの平均粒子径は1〜10
0μm、好ましくは2〜20μmである。重合温度は、
好ましくは40〜100℃の温度で、重合時間は、好ま
しくは1〜24時間である。
【0035】図3に、本発明の方法を表すフロー図を示
し、これを用いて本発明の現像剤の製造方法を説明す
る。図3に示すように、本発明の現像剤の製造方法で
は、まず、図1に示すヘテロ凝集体の分散液を調製す
る。ヘテロ凝集体の分散液を得るためには、たとえばソ
ープフリー重合により負帯電性の樹脂粒子を合成し、こ
れに正帯電性に分散した着色剤を添加、混合し、超音波
分散機やナノマイザーなどにより、静電的にヘテロ凝集
させることにより、これらのヘテロ凝集体が分散された
溶液が得られる。さらに、任意にワックスなどを添加す
る場合は、例えば負帯電性の自己乳化型エマルジョンワ
ックス等を混合し、同様に、超音波分散機あるいはナノ
マイザーなどにより、静電的にヘテロ凝集させ、これに
より分散したヘテロ凝集体を調製できる。
【0036】次に、図2に示したような重合性単量体組
成物を調製する。ここで、重合性単量体組成物とは、重
合性単量体、半重合された重合性単量体、油溶性重合開
始剤、さらには任意成分として帯電制御剤等を含むもの
で、油溶性重合開始剤を重合性単量体に混合して、第一
の溶液を調製し、これとは別に帯電制御剤を半重合され
た重合性単量体に混合して第2の溶液を調製し、その後
両者を混合して得られたものである。また、半重合され
た重合性単量体とは、熱重合により単量体の一部分が高
分子を持ち、単量体よりも粘性を持つ流動体となったも
のをいい、たとえば、60度などに設定した乾燥器など
で重合性単量体を一晩放置すれば得られる。
【0037】その後、このようにして得られたヘテロ凝
集体分散液に、この重合性単量体組成物を添加し、ホモ
ジナイザーなどで造粒することにより、シード体分散液
を調製する。ここで、シード体は、ヘテロ凝集体、重合
性単量体組成物、遊離していた着色剤やワックスを含有
しており、また、シード体分散液には、遊離の重合性単
量体がかなりの量存在している。この状態で、ソープフ
リー重合開始剤を添加し内部を油性重合開始剤により重
合し、外側をソープフリー重合により成長重合させて現
像剤を製造する。
【0038】図4の本発明における粒子生成の概念図を
示す。図4に示すように、本発明によれば、たとえば大
きさ約0.9ミクロンのヘテロ凝集体10を造粒して約
6ミクロンのシード体11を形成し、さらにソープフリ
ー重合を行なうことにより、約10ミクロンのトナー1
2が得られる。このとき、主な粒子径制御は、シード体
を造粒するときのホモジナイザーなどの機械的撹拌力の
調整で制御できる。機械的撹拌力では、撹拌力と撹拌時
間が因子となるが、懸濁重合法の場合とは反対に、力が
大きくなるほど、また時間が長くなるほど、シード体は
大粒径化し得る。このことによって、サブミクロンから
数十ミクロンまでの粒子径のものが、連続的に得られ
る。
【0039】図5に、本発明の電子写真用トナーを使用
し得る画像形成装置の一例を示す。図5は、カラー画像
形成装置であり、本装置では、感光体201、帯電装置
202、レーザー露光装置203、現像装置200、転
写装置209、ブレードクリーニング装置204、及び
除電ランプ205からなる1ユニットが、各々黒、イエ
ロー、マゼンダ、シアンの4色について4ユニット配列
されている。
【0040】この装置では、矢印の方向から紙やOHP
シートなどの転写材213が転写ベルト208上にのっ
て搬送され、感光体201に接触する部分で、転写ベル
ト208の下側から転写装置209によって転写電圧が
印加され、感光体201上に現像されたトナーが、転写
材213に転写される。これが各色について順次行なわ
れ、転写材213上にトナー画像が重ね合わされる。転
写装置209としては、弾性ローラにバイアス電圧を印
加するものなどが用いられている。転写材213上に重
ね合わされたトナー画像は、定着装置210の中の加熱
ローラ211、加圧ローラ212の間を通過することに
よりトナーに熱が加えられ、画像支持体上に定着され
る。このようにしてフルカラー画像が得られる。
【0041】本発明のトナーを、表面温度128℃のヒ
ートローラー熱定着器(ニップ幅7.5mm)とブレー
ドクリーニング装置を有するプリンタの現像剤に使用
し、プロセススピード105mm/秒で文字、線、及び
20mm角のべた黒、網点ハーフトーンのパッチの画像
出力を行なった。また、平均粒径約60μmのフェライ
トキャリヤと重量比100:4で混合し、二成分現像器
と表面温度128℃のヒートローラー熱定着器(ニップ
幅7.5mm)とブレードクリーニング装置とを有する
プロセススピード65mm/秒のプリンタに、現像剤と
して使用し、画像出力を行ない、以下のような評価を行
なった。
【0042】耐湿性かぶり試験 得られた重合トナーを45℃で50時間乾燥した後、2
0℃、50%(N/N)で、画像出力1000枚目の感
光体上の潜像を市販のメンディングテープでテーピング
したものの明度(%)と、その後30℃、85%(H/
H)で12時間後の1枚目の感光体上の潜像をテーピン
グしたものの明度(%)を比較し、その差が5%以上の
ものは×、小さいものは○とした。なお、明度の測定
は、彩色差計ミノルタCR−10により測定した。
【0043】吸水性試験 最終粒子を、常温常湿、20℃、50%(N/N)と、
高温高湿、30℃、85%(H/H)の環境に、12時
間置いたものの水分率を測定し、その差が0.05%以
下のものは○、大きいものは×とした。なお、水分率は
カールフィッシャー法により試料加熱温度200℃で、
所要時間15分で測定した。
【0044】以下に本発明の具体的な実施例を記載す
る。特に断りの無い場合は数量は重量で表示する。 実施例1 樹脂粒子の合成 組成 スチレン : 160部 アクリル酸n−ブチル : 40部 過硫酸アンモニウム : 1部 イオン交換水 : 800部 過硫酸アンモニウムを、イオン交換水に溶解し、上記重
合性単量体を添加し、1リットル4つ口フラスコ中で撹
拌速度250rpm、重合温度70℃、重合時間8時間
で反応させ、平均粒径0.7μmの樹脂粒子を得た。 ヘテロ凝集体の調製 組成 記樹脂粒子分散液 : 25部 (樹脂粒子 5部) カーボンブラック : 2部 カチオン性オリゴマー : 0.5部 イオン交換水 : 430部 上記組成の溶液を撹拌棒により混合し、超音波分散機
(大和科学製、BRANSONB−12)で10分間分
散してヘテロ凝集体分散液を得た。使用したカチオン性
オリゴマーは、重量平均分子量1500で、構造式がC
2 =CR1 COO(CH2 )n−NHR23 であっ
た。 半重合させた重合性単量体の調製 スチレン : 4部 アゾビスイソブチルニトリル:0.02部 上記組成の溶液を、真空乾燥機(大和科学製、DP−4
1)で60度に設定して12時間放置し、粘性のある流
動体を得た。分子量は、重量平均で300万であった。 重合性単量体組成物の調製 スチレン : 28部 アクリル酸n−ブチル : 8部 アゾビスイソブチルニトリル: 1.0部 上記組成物を撹拌棒により良く混合し、次に、先の半重
合された重合性単量体4部を撹拌棒により混合して重合
性単量体組成物を得た。 シード体分散液の調製 上記ヘテロ凝集体分散液に,同じく上記の重合性単量体
組成物を添加し、ホモジナイザー(特殊機化工業製T.
K.AUTOホモミキサー)で,5000rpmで,1
0分間撹拌してシード体分散液を得た。 ソープフリー重合トナーの合成 上記のシード体分散液を、1リットル4つ口のフラスコ
に移し、ソープフリー重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウムを0.1部添加して、撹拌速度80rpm、重合温
度80℃、重合時間6時間で反応させ、平均粒径10.
0μmのソープフリー重合トナーを得た。さらに、O.
M.ダイザー(奈良機械製、ハイブリダイザーNHS−
O)によりシリカを0.3重量%外添して最終的なトナ
ーを得た。このトナーを図5のプリンターに適用し、耐
湿性のかぶり試験したところ、環境変化によるかぶりの
差は5%以下で判定は○となり、さらに吸水性試験でも
環境変化に対して吸水率の差は0.05%以下で判定は
○となり、良好な耐湿性を示した。
【0045】実施例2 実施例1において、ヘテロ凝集体の調製に用いるワック
スとして、重量平均分子量3000でアンモニアにより
中和した自己乳化型ポリエチレンワックスを0.5部添
加する他は同様にして、体積平均粒子径10.3μmの
ソープフリー重合トナーを得た。得られたソープフリー
重合トナーに実施例1と同様にしてシリカを0.3重量
%外添し、最終的なトナーを得た。このトナーを図5に
示すプリンターな適用し、耐湿性のかぶり試験したとこ
ろ、環境変化によるかぶりの差は5%以下で判定は○と
なり、さらに吸水性試験でも環境変化に対して吸水率の
差は0.05%以下で判定は○となり、良好な耐湿性を
示した。
【0046】実施例3 実施例1において、重合性単量体組成物の調製に用いる
半重合させた重合性単量体に、さらに帯電制御剤として
CCA(ヘキストジャパン製、VP2038)を0.5
部添加して撹拌棒で混合した後、これを、油溶性重合開
始剤を含有した重合性単量体に添加して撹拌棒で混合
し、重合性単量体組成物を調製する他は同様にして、体
積平均粒子径10.5μmのソープフリー重合トナーを
得た。得られたソープフリー重合トナーに実施例1と同
様にしてシリカを0.3重量%外添して最終的なトナー
を得た。このトナーを図5に示すプリンターに適用し、
耐湿性のかぶり試験したところ、環境変化によるかぶり
の差は5%以下で判定は○となり、さらに吸水性試験で
も環境変化に対して吸水率の差は0.05%以下で判定
は○となり良好な耐湿性を示した。
【0047】実施例4 実施例3において、重合性単量体組成物の調製に用いら
れる半重合させた重合性単量体に、帯電制御剤として外
添用微粒子(総研科学製、MP2701)を0.5部添
加して撹拌棒で混合した後、油溶性重合開始剤を含有し
た重合性単量体に添加して撹拌棒で混合し、重合性単量
体組成物とする他は同様にして、体積平均粒子径10.
6μmのソープフリー重合トナーを得た。得られたソー
プフリー重合トナーに、実施例1と同様にしてシリカを
0.3重量%外添して最終的なトナーを得た。このトナ
ーを図5に示すプリンターに適用し、耐湿性のかぶり試
験したところ、環境変化によるかぶりの差は5%以下で
判定は○となり、さらに吸水性試験でも環境変化に対し
て吸水率の差は0.05%以下で判定は○となり、良好
な耐湿性を示した。
【0048】実施例5 実施例1において、シード体分散液の調製に使用される
ホモジナイザーで、4000rpmで10分間撹拌する
他は同様にして、体積平均粒子径7.5μmのソープフ
リー重合トナーを得た。得られたソープフリー重合トナ
ーに、実施例1と同様にして、シリカを0.5重量%外
添して最終的なトナーを得た。このトナーを図5に示す
プリンターに適用し、耐湿性のかぶり試験したところ、
環境変化によるかぶりの差は5%以下で判定は○とな
り、さらに吸水性試験でも環境変化に対して吸水率の差
は0.05%以下で判定は○となり、良好な耐湿性を示
した。
【0049】実施例6 実施例5において、シード体分散液の調製に使用される
ホモジナイザーで、3000rpmで10分間撹拌する
他は同様にして、体積平均粒子径4.8μmのソープフ
リー重合トナーを得た。得られたソープフリー重合トナ
ーに、実施例1と同様にしてシリカを0.8重量%外添
して最終的なトナーを得た。このトナーを図5のプリン
ターに適用し、耐湿性のかぶり試験したところ、環境変
化によるかぶりの差は5%以下で判定は○となり、さら
に吸水性試験でも環境変化に対して吸水率の差は0.0
5%以下で判定は○となり、良好な耐湿性を示した。
【0050】比較例1 実施例1において、重合性単量体組成物に半重合された
重合性単量体の添加をしない他は同様にして、体積平均
粒子径10.5μmのソープフリー重合トナーを得た。
しかしながら、収率が30%と悪く、微粒子も多量に得
られた。得られたソープフリー重合トナーに、実施例1
と同様にしてシリカを0.3重量%外添し、最終的なト
ナーを得た。このトナーを図5のプリンターに適用し、
耐湿性のかぶり試験したところ、環境変化によるかぶり
の差は6%で判定は×となり、さらに吸水性試験でも環
境変化に対して吸水率の差は0.1%で判定は×とな
り、期待された耐湿性は見られなかった。このことは、
かなりの量の微粒子の生成があったことから、ヘテロ凝
集時の遊離の着色剤がシード体調製時に有効に含有され
ずに分散液に残留し、ソープフリー重合中に重合トナー
の表面を汚染したためと考えられる。
【0051】比較例2 実施例1において、ソープフリー重合トナーの合成でソ
ープフリー重合開始剤を添加しない他は同様にして、体
積平均粒子径6.5μmのソープフリー重合トナーを得
た。得られたソープフリー重合トナーに、実施例1と同
様にしてシリカを0.5重量%外添して最終的なトナー
を得た。このトナーを図5のプリンターに適用し、耐湿
性のかぶり試験したところ、環境変化によるかぶりの差
は10%で判定は×となり、さらに吸水性試験でも環境
変化に対して吸水率の差は0.2%で判定は×となり、
良好な耐湿性を見られなかった。このことは、最後の段
階で、ソープフリー重合によりトナー表面を覆うことが
耐湿性の改善には必要なことを現していると考えられ
る。
【0052】比較例3 スチレン : 60部 アクリル酸n−ブチル : 40部 アクリル酸 : 8部 過硫酸カリウム : 0.5部 イオン交換水 : 100部 ノニオン乳化剤 : 1部 アニオン乳化剤 : 1.5部 以上を撹拌下で70度で8時間重合させる。この樹脂エ
マルジョンにカーボンブラック5部とイオン交換水40
0部を混合し、スラッシャーで混合して30度で2時間
保持し約2ミクロンの一次粒子を得た。その後、pHを
酸性にして約10ミクロンの二次粒子に凝集させ、70
度で3時間で粒子間を融着熟成して、体積平均粒子径
9.7μmの乳化重合粒子凝集法による重合トナーを得
た。得られた重合トナーにシリカを0.5重量%外添し
て最終的なトナーを得た。このトナーを図5のプリンタ
ーに適用し、耐湿性のかぶり試験したところ、環境変化
によるかぶりの差は15%で判定は×となり、さらに吸
水性試験でも環境変化に対して吸水率の差は0.5%で
判定は×となり、耐湿性に問題があった。
【0053】比較例4 実施例3において、ヘテロ凝集体分散液に、CCA(ヘ
キストジャパン製、VP2038)を0.5部添加して
超音波分散する他は同様にして、体積平均粒子径10.
7μmのソープフリー重合トナーを得た。得られたソー
プフリー重合トナーに実施例1と同様にしてシリカを
0.3重量%外添して最終的なトナーを得た。このトナ
ーを図5に示すプリンターに適用し、耐湿性のかぶり試
験したところ、環境変化によるかぶりの差は8%で判定
は×となり、さらに吸水性試験でも環境変化に対して吸
水率の差は0.1%で判定は×となり、乳化重合粒子凝
集法程ではないとしても良好な耐湿性は見られなかっ
た。このことは、かなりの量の微粒子の生成があったこ
とから、CCAの水系添加によりヘテロ凝集時の遊離の
着色剤やCCAがシード体調製時に有効に含有されずに
分散液に残留し、ソープフリー重合中に重合トナーの表
面を汚染したためと考えられる。
【0054】比較例5 スチレン : 100部 カーボンブラック : 5部 アゾビスイソブチルニトリル: 1.2部 以上を混合したものを以下の水溶液に添加した。 リン酸三カルシウム : 3部 イオン交換水 : 500部 以上をホモジナイザーにより攪はんし、油滴がこれ以上
小さくならない大きさ(約5、6ミクロンほど)になっ
たところで通常の重合容器で100rpm、60度、1
0時間重合して体積平均粒子径5.5μmの懸濁重合に
よる重合トナーを得た。シリカを0.7重量%外添して
最終的なトナーを得た。このトナーを図5のプリンター
に適用し、耐湿性のかぶり試験したところ、環境変化に
よるかぶりの差は10%で判定は×となり、さらに吸水
性試験でも環境変化に対して吸水率の差は0.3%で判
定は×となり、乳化重合粒子凝集法ほどではないが、耐
湿性に問題があった。また、懸濁重合法ではこれ以上の
小粒径化は無理であった。
【0055】以上の実施例の試験結果を以下にまとめ
る。 耐湿性かぶり試験 吸水性試験 トナー粒子径(μm) 実施例1 ○ ○ 10.0 実施例2 ○ ○ 10.3 実施例3 ○ ○ 10.5 実施例4 ○ ○ 10.6 実施例5 ○ ○ 7.5 実施例6 ○ ○ 4.8 比較例1 × × 10.5 比較例2 × × 6.5 比較例3 × × 9.7 比較例4 × × 10.7 比較例5 ○ × 5.5
【0056】
【発明の効果】本発明の効果は、乳化重合法の問題点で
ある耐湿性の問題を解決して、かつ懸濁重合の粒子径制
御範囲の狭さの問題を解決するソープフリー重合法によ
るトナーの製造方法の提供であり、ソープフリー重合法
でのトナー成分の含有の問題、粒子生成(大粒径化)の
問題、粒子径制御の問題などを半重合された重合性単量
体の利用と水系での重合性単量体を含む組成物の攪はん
による大粒径化により解決し、耐湿性に優れ、粒子径を
サブミクロンから数十ミクロンまで制御可能な電子写真
用ソープフリー重合トナーの製法の提供にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられるヘテロ凝集体の概念図
【図2】 本発明に用いられる重合性単量体組成物の概
念図
【図3】 本発明にかかるソープフリー重合トナーの製
法のフロー図
【図4】 本発明にかかるるソープフリー重合トナーの
粒子生成の概念図
【図5】 本発明に使用し得るカラー画像形成装置の一
例を表す概略断面図
【符号の説明】
1…樹脂粒子、 2…着色剤、 3…ワックス、 4…ヘテロ凝集体分散液、 5…重合性単量体、 6…半重合された重合性単量体、 7…油溶性重合開始剤、 8…帯電制御剤/帯電制御用外添微粒子、 9…重合性単量体組成物、 10…ヘテロ凝集体、 11…シード体、 12…ソープフリー重合トナー、 200…現像装置、 201…感光体、 202…帯電装置、 203…レーザー露光装置、 204…ブレードクリーニング装置、 205…除電ランプ、 209…転写装置、 210…定着装置、 211…加熱ローラー、 212…加圧ローラー、 213…画像支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 弘 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝柳町工場内 (72)発明者 中村 由香 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝柳町工場内 (56)参考文献 特開 平7−70212(JP,A) 特開 平3−15859(JP,A) 特開 平5−222204(JP,A) 特開 平3−15861(JP,A) 特開 昭59−62869(JP,A) 特開 昭59−62870(JP,A) 特開 平2−302761(JP,A) 特開 平1−257853(JP,A) 特開 昭64−44456(JP,A) 特開 昭59−58439(JP,A) 特開 平5−271312(JP,A) 特開 平3−220203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 - 9/087

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂粒子及び着色剤を含有するヘテロ凝
    集体の水系分散液に、重合性単量体、油溶性重合開始
    剤、及び半重合された重合性単量体を含有する重合性単
    量体組成物を添加する工程と、該水系分散液中で、該ヘ
    テロ凝集体と該重合性単量体組成物とを撹拌により造粒
    し、シード体を形成する工程と、該シード体を含む水系
    分散液を、水溶性ソープフリー重合開始剤の存在下で重
    合する工程とを具備することを特徴とする現像剤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 樹脂粒子及び着色剤を含有するヘテロ凝
    集体の水系分散液に、重合性単量体、油溶性重合開始
    剤、及び帯電制御剤を混入した半重合された重合性単量
    体を含有する重合性単量体組成物を添加する工程と、該
    水系分散液中で、該ヘテロ凝集体と該重合性単量体組成
    物とを撹拌により造粒し、シード体を形成する工程と、
    該シード体を含む水系分散液を、水溶性ソープフリー重
    合開始剤の存在下で重合する工程とを具備することを特
    徴とする現像剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂粒子及び着色剤を含有するヘテロ凝
    集体の水系分散液に、重合性単量体、油溶性重合開始
    剤、及び半重合された重合性単量体を含有する重合性単
    量体組成物を添加する工程と、該水系分散液中で、該ヘ
    テロ凝集体と該重合性単量体組成物とを撹拌により造粒
    して、シード体を形成する工程と、該シード体を含む水
    系分散液を、水溶性ソープフリー重合開始剤の存在下で
    重合し、重合トナーを得る工程とを具備する現像剤の製
    造方法において、撹拌条件によりシード体の粒径を変化
    させ、重合トナーの粒径を制御することを特徴とする現
    像剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂粒子及び着色剤を含有するヘテロ凝
    集体の水系分散液に、重合性単量体、油溶性重合開始
    剤、及び半重合された重合性単量体を含有する重合性単
    量体組成物を添加する工程と、該水系分散液中で、該ヘ
    テロ凝集体と該重合性単量体組成物とを撹拌により造粒
    し、0.1〜1μmの大きさのシード体を形成する工程
    と、該シード体を含む水系分散液を、水溶性ソープフリ
    ー重合開始剤の存在下で重合する工程とを具備すること
    を特徴とする現像剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂粒子及び着色剤を含有するヘテロ凝
    集体の水系分散液に、重合性単量体、油溶性重合開始
    剤、及び半重合された重合性単量体を含有する重合性単
    量体組成物を添加する工程と、該水系分散液中で、該ヘ
    テロ凝集体と該重合性単量体組成物とを撹拌により造粒
    し、0.1〜1μmの大きさのシード体を形成する工程
    と、該シード体を含む水系分散液を、水溶性ソープフリ
    ー重合開始剤の存在下で重合し、1〜100μmの大き
    さのトナーを得る工程とを具備することを特徴とする現
    像剤の製造方法。
JP06250395A 1995-03-22 1995-03-22 現像剤の製造方法 Expired - Fee Related JP3225175B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06250395A JP3225175B2 (ja) 1995-03-22 1995-03-22 現像剤の製造方法
US08/618,779 US5698356A (en) 1995-03-22 1996-03-20 Method of manufacturing developing agent

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06250395A JP3225175B2 (ja) 1995-03-22 1995-03-22 現像剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08262792A JPH08262792A (ja) 1996-10-11
JP3225175B2 true JP3225175B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=13202046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06250395A Expired - Fee Related JP3225175B2 (ja) 1995-03-22 1995-03-22 現像剤の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5698356A (ja)
JP (1) JP3225175B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102334000B (zh) * 2009-01-30 2017-02-08 Lg电子株式会社 冰箱

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6656653B2 (en) * 1999-12-15 2003-12-02 Mitsubishi Chemical Corporation Toner for the development of electrostatic image and method for producing the same
JP3869218B2 (ja) * 2001-02-06 2007-01-17 三菱化学株式会社 静電荷現像用トナー及びその製造方法
KR100472553B1 (ko) * 2002-06-18 2005-03-08 제일모직주식회사 아크릴계 마이크로 입자의 제조 방법
JP4206767B2 (ja) * 2003-02-07 2009-01-14 旭硝子株式会社 撥水撥油剤水性組成物
US7901862B2 (en) * 2007-11-27 2011-03-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Developing agent and method for manufacturing the same

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7706989A (nl) * 1976-08-02 1978-02-06 Xerox Corp Werkwijze ter vorming van toners door polymerisa- tie.
US4071670A (en) * 1976-08-02 1978-01-31 Xerox Corporation Method of sizing monomer droplets for suspension polymerization to form small particles
JP2537503B2 (ja) * 1987-01-29 1996-09-25 日本カーバイド工業株式会社 静電荷像現像用トナ−
JP2650227B2 (ja) * 1988-04-12 1997-09-03 三田工業株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
US5397671A (en) * 1994-02-10 1995-03-14 Xerox Corporation Processes for preparing crosslinked resins and toner compositions therefrom
US5487847A (en) * 1994-04-11 1996-01-30 Xerox Corporation Process for the preparation of conductive polymeric particles with linear and crosslinked portions
US5496676A (en) * 1995-03-27 1996-03-05 Xerox Corporation Toner aggregation processes

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102334000B (zh) * 2009-01-30 2017-02-08 Lg电子株式会社 冰箱

Also Published As

Publication number Publication date
US5698356A (en) 1997-12-16
JPH08262792A (ja) 1996-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3156881B2 (ja) 静電荷現像用トナー
KR101223643B1 (ko) 전자사진용 토너 및 그의 제조방법
US5166032A (en) Color toner containing organic pigment and process for producing the same
JP2007034310A (ja) トナーの製造方法、これを利用して製造されたトナー、画像形成方法及び画像形成装置
US20070154831A1 (en) Method of preparing toner and toner prepared using the method
JP3225175B2 (ja) 現像剤の製造方法
KR20050076328A (ko) 결정성 고분자를 포함하는 코아-쉘 고분자 라텍스 및 그의제조 방법
JP3956618B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP2861719B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2954786B2 (ja) フルカラートナーキット
JP4111358B2 (ja) カラートナーとその製造方法
JP2007079576A (ja) トナーの製造方法、トナー、画像形成方法、画像形成装置
US20090053642A1 (en) Toner, method of forming images using the toner and image forming device using the toner
JP3069938B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP3277081B2 (ja) 異形樹脂粒子、樹脂粒子の異形化方法、及び異形樹脂粒子からなる電子写真用トナー
JPH0232365A (ja) 重合法マゼンタトナー
JP3153810B2 (ja) 静電荷像現像用カラートナー
US20030232269A1 (en) Process for producing toner particles
JP2007193343A (ja) トナーの製造方法とそれを利用して製造されたトナー、前記トナーを利用した画像形成方法及び前記トナーを受容した画像形成装置
JP2007065675A (ja) トナーの製造方法、該方法を利用して製造されたトナー、画像形成方法及び画像形成装置
JP3372683B2 (ja) 静電荷像現像用カラートナー
JPH06102699A (ja) 画像形成方法
JPH08234494A (ja) 静電荷像現像用カラートナー
CN110832407B (zh) 品红调色剂
JP2002236394A (ja) 異形電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070824

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees