JP4136640B2 - 現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法 - Google Patents

現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の複写機、レーザプリンタにおいては高画質を求められると同時に、高耐久性、高安定も望まれている。つまり環境変動による画質の変化が少なく、また常に安定した画像を経時において提供していかなければならない。従来より、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤(以下現像剤と称す)を現像剤担持体である現像スリーブ上に保持し、この現像スリーブに内包される磁極によって磁気ブラシを形成させ、現像スリーブに潜像担持体である感光体と対向する位置で現像バイアスを印加することにより現像を行う2成分現像方式が広く知られている。この2成分現像方式は、カラー化が容易なことから広く用いられている。この方式において、現像剤は現像スリーブの回転に伴い、現像スリーブと感光体とが対向する領域である現像領域に搬送される。この現像領域とは、現像剤が磁場の作用により穂を形成して立ちあがり、感光体に接触し、感光体から離れる間に形成される領域であり、現像ニップ領域とも称されている。現像剤が現像領域に搬送されるに従い、現像極の磁力線に沿いながら、現像剤中の多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。
【0003】
また、現像電界として直流電圧に交流成分を重畳し、トナーを感光体に付勢する方向に作用する電界と、トナーを現像スリーブ側に移動させる方向に作用する電界を交互に生成する交番電界を用いる濃度安定化技術も広く用いられている。交番電界を用いることによる高い現像能力により、経時変化でトナーの帯電量分布がシフトした場合においても十分なベタ濃度を確保でき、同時にハーフトーンなどの比較的潜像の浅いパターンであってもトナーを付着させるのに十分な電界を形成することができる。そのためこの技術は十分な現像能力とハーフトーンの安定性を両立するものとして、特にカラー画像形成装置などで使用される頻度が高くなっている。もちろんモノクロ複写機においても、ハーフトーンの粒状性向上や均一なベタ埋まりを実現するために用いるには最適な技術といえる。
【0004】
しかしながら、現像電界として交番電界を用いた場合、現像領域内で磁気ブラシの疎密により発生する局所的な電界強度の増加によって(特に潜像の深い部分に対して)放電が発生し、画像がリング状に白く抜ける現象が発生した。そのため、現像に使用するキャリアの抵抗値に制約があり、いわゆる低抵抗キャリアを用いるのは困難であった。さらに言うと、中高抵抗キャリアであっても、コート膜の不均一により局所的にブレイクダウンし、放電する場合もあるため、キャリアコート層の均一性やキャリア芯材の抵抗値、即ち、キャリア芯材に用いる材料に対しても制約条件が多く存在した。
【0005】
そこで特許文献1においては、現像剤層厚規制部材通過後の現像スリーブ上での単位面積当たりの現像剤重量Ma、現像領域における現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤重量Mbとしたとき、
Mb−Ma≧70g/m^2
(なお、本明細書において、^は次の数字の冪乗、例えばここでは2乗であることを示す)の式を満足させるべく、現像スリーブ表面に対する現像剤の滑り効率ηを調整することにより、ベタ部に隣接するハーフトーン部のかすれがなく、常時良好な画質を得ようとしている。
【0006】
また、特許文献2および3においては、感光体と現像スリーブの近接領域に現像磁極の磁束密度ピークを配置し、その現像スリーブ回転方向上流側40゜以内の位置に磁束密度ピークを持つ異極を設ける。これにより磁気ブラシの穂の密度を高め、6本/mm^2以上として、がさつきのない良好な画像を得ようとしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−29308号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平7−121031号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平7−128982号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1においては、現像領域における現像剤の滑り、言い換えると、トナーを保持したキャリアの滑りは、経時において画像品質を保つという点において、不利となる場合がある。例えばキャリア付着とキャリア飛散である。キャリア付着は磁性キャリアを現像スリーブに保持する磁気的拘束力と地肌部電位と現像バイアスで決まる地肌ポテンシャルによる感光体への電気的吸引力のバランスが崩れた際に発生するものである。現像剤の滑り効率を大きくし、現像領域において現像剤量を増加させるということは、つまり、本来磁気的拘束下で制御すべきキャリアに対し、キャリア付着余裕度を低下させるということを意味している。
【0011】
また、滑り効率を大きくして現像領域での現像剤量を多くし過ぎると、現像領域上流部、及び、中央部において、現像剤がパッキングされた状態となる。そのため、現像領域の上流部では磁気ブラシが立ちあがって、感光体に接触する際に行なわれるべき現像が妨げられてしまう。また中央部での現像剤のパッキングは逆に一旦感光体に現像したトナーをスキャベンジングにて掻き取るように作用してしまうため、現像領域中での現像効率が低下してしまう。結果として、ベタ周辺にあるハーフトーン領域の境界部(特に現像方向上流側のハーフトーン境界)が抜けてしまう。また、現像効率の観点からは、現像スリーブ直上の現像剤の移動速度と感光体近傍の現像剤の移動速度は等しくなる状態が効率の良い状態と考えられるため、滑り効率ηを大きく設定することは、現像効率の低下を意味すると考えられる。
【0012】
更に、特許文献2および3は、実際の現像領域中の現像剤、または磁気ブラシの密度は、現像領域での現像ギャップ、感光体、現像スリーブの曲率から決定されるものであり、現像ローラ単体で測定した磁気ブラシ密度は、実際の系とは異なる。例えば、現像ローラ単体での密度を6本/mm^2以上とした状態で、広い現像ギャップで画像出力した場合、がさつきの多い画像となってしまう。
【0013】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、現像領域に進入する以前の、現像スリーブ表面における現像剤の被覆状態を最適に保つことにより、現像領域における現像剤の密度(磁気ブラシの密度)を適正化し、ハーフトーン部のドット像の再現性を高め、粒状性と階調性に優れた画像を提供することにある。
【0014】
本発明の目的はまた、現像領域に進入する以前の、現像スリーブ表面における現像剤の被覆状態を最適に保ちつつ現像領域を通過する現像剤量を適正に制御することにより、現像剤の耐久性、ならびにトナー帯電量の安定性を向上させることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体が、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む2成分の現像剤を担持し、像担持体との間に形成され現像領域に搬送し、現像バイアスとしてDCバイアスを用いて、前記像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像する際の前記現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法において、
前記現像領域よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側に位置する現像剤量規制部材と前記現像領域との間の現像剤搬送領域を撮像し、得られた画像を2値化処理して前記現像剤による現像担持体表層の見かけ被覆率Mを算出し、現像剤層厚規制部材を通過する単位面積当りの現像剤量である汲み上げ量に対して前記被覆率Mをプロットし、その結果から、
M=αA+β(%)
但し、A:単位面積当たりの現像剤量(g/cm^2)
α:現像剤による現像剤担持体表面の被覆率を表す表面被覆係数
β:A=0での計算上の見かけ被覆率で現像剤の紛体特性により決定される値
で表される式を求め、前記現像剤による現像剤担持体表層の見かけ被覆率Mとなるように現像剤量を制御することを特徴としている。これにより、現像領域において現像剤の密度が最適に保たれるため、キャリア付着、トナー飛散を抑制できると同時に高品位な画像を提供することができる。また前記のような見かけ被覆率Mの設定は、現像領域におけるキャリアへの圧力上昇に伴うメカ的なストレスも低減することができ、現像剤の超寿命化に効果的である。さらにまた、DCバイアスでの現像が可能となるため、現像に使用するキャリアの抵抗値(キャリアコート層の均一性やキャリア芯材に用いる材料も含む)に対する制約が少なくなり、いわゆる低抵抗キャリアを用いることが可能となる。
【0016】
前記目的を達成するため、第2の手段は、第1の手段における記表面被覆係数αが1.6以下であることを特徴としている。
【0017】
前記目的を達成するため、第3の手段は、第1または第2の手段における前記現像領域において、式
Gp×ρr≦0.07
但し、ρr:現像剤の見かけ密度(g/cm^2)
Gp:現像ギャップ(cm)
を満たすように前記現像剤担持体と前記像担持体との間の現像ギャップを設定することを特徴としている。
【0018】
前記目的を達成するため、第4の手段は、第1ないし第3の手段における前記トナーは、有機溶媒中に少なくとも、ウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー組成物を溶解または分散させ、該溶解または分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去、洗浄して得られるトナーを用いることを特徴としている。少なくとも結着樹脂、該結着樹脂と非相溶の離型剤および着色剤からなる電子写真用カラートナーにおいて、結着樹脂と着色剤の混合物を予め有機溶剤と共に混練させることにより、初期的に結着樹脂と着色剤が十分に付着した状態となって、分散が効果的に行なわれる条件になり、結着樹脂中での着色剤の分散が良好で、着色剤の分散径が小さくなり、着色剤が微分散され、着色力が高く、且つ色調の鮮明な透過性の高い優れたカラートナーを使用するので、透明性、彩度(鮮やかさ、光沢)そして色再現性に優れた高品質画像を得ることが可能となる。
【0019】
前記目的を達成するため、第5の手段は、第1ないし第4の手段における前記トナーが、重量平均粒径が4〜8μmであり、粒径分布が式
Dv/Dn≦1.25
但し、Dv:重量平均粒径
Dn:個数平均粒径
を満足することを特徴としている。このように、小粒径且つ粒度分布がシャープなトナーを使用するので、先鋭性、高精細性に優れた画像を得ることが可能となる。
【0020】
前記目的を達成するため、第6の手段は、第1ないし第5の手段における前記トナーが、平均円形度0.90以上、1.00未満のトナーであることを特徴としている。このようなトナーは、流動性に優れ、補給トナーの分散性、トナー帯電量立ち上がり性及び像担持体との非静電的付着力の小さいので、ムラのない現像及び高効率・高性能転写により高品質画像を得ることができる。
【0021】
前記目的を達成するため、第7の手段は、第1ない第6の手段における前記トナーと混合するキャリアの体積平均粒径が、25μmから55μmであることを特徴としている。このように、トナーと混合するキャリアとして、いわゆる小粒径キャリアを用いることにより、キャリアへのトナー被覆率の増加を抑制することができ、トナー飛散、地肌汚れなどの不具合を解消することができる。また、潜像に対しトナー像を忠実に再現することが可能となるため、高品位の画像が得られる。更にキャリア小径化に伴い、キャリア周りの現像電界が増加し、小さい現像ポテンシャルで現像することが可能となる
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
図1及び図2により本発明の現像方法について説明する。図1は本発明の現像方法における現像領域内での2成分現像剤の状態を模式的に示す概略図、図2は図1の状態を感光体側から見た現像領域近傍の模式図である。これらの図において、1は像担持体である感光体、302は現像装置の現像スリーブで、図示していないが内部には周囲にN・Sの磁極を持つ磁石ローラが設けられている。また、C及びDはそれぞれ、現像領域、見かけ被覆率の測定領域である。現像領域Cとは、磁性キャリアが集合する穂が磁気ブラシを形成している状態であって、感光体1に磁気ブラシが当接し、常に磁気ブラシが状態を変化させながら、トナーが感光体1に向かって現像剤から現像される領域をいう。現像主磁極に至るまでの磁性キャリアは、磁石間であるため、法線方向の磁力線は小さいが、互いに隣接する磁石は逆極になっているため接線方向の磁力線が大きくなる。そのため磁石上の磁気ブラシと比較して薄い磁性キャリアの集団である現像剤層を形成することになる。
【0033】
この現像剤層が主磁極磁力を形成する磁石(図示しない)の位置にくると、いくつかの磁性キャリアが集合して穂を形成して立ち上がる。この穂を形成するために集合する磁性キャリアの個数は、一般に現像剤規制部材を通過する現像剤の量で決定されるが、それ以外にも磁性キャリアの磁気的性質、磁石の有する磁力の大きさ、磁石の形状、配置の仕方による磁力線の大きさ及び傾きによって決定される。
【0034】
現像領域Cにおいて、現像剤は磁石の法線磁力により磁気ブラシを形成している状態であるが、現像領域C通過時における現像剤の挙動は、現像領域Cにおける現像剤の詰まり状態、現像ギャップ、現像スリーブ302と感光体1の線速比により変化する。現像領域Cにおける現像剤の挙動は、断面方向からの観察から言うと、現像スリーブ302の近傍と感光体1の近傍の現像剤の移動速度が、ほぼ等しい状態が最も理想的であると言える。このような状態にすることにより、キャリア付着やベタ周辺のハーフトーン抜けなどのない高画質の画像が得られる。
【0035】
一方、現像領域Cにおいて、現像剤密度が嵩密度以上の状態となるとき、現像スリーブ302の直上の現像剤層と感光体1近傍の現像剤層の移動速度差が大きくなる。つまり、感光体1近傍の現像剤層の速度は、現像スリーブ302直上の現像剤層と比較して遅くなる。これら不具合を解消するためには、現像領域において、感光体1近傍の現像剤に対して、十分な磁気的拘束力を作用させることが重要と言える。そのためには、現像剤層を薄層化するのが効果的であるといえる。また、潜像の忠実再現の観点からも、現像剤層の薄層化は効果的である(薄層化と同時に現像ギャップを狭く設定する)。
【0036】
そこで本発明の現像方法では、現像領域に侵入する以前の現像剤層の状態を最適に保つことによって、現像領域において過度な摺擦力をトナーに与えず、磁気ブラシの密度が高く、現像電界が均一な領域において、効果的に現像を行なうようにした。
【0037】
特にDC現像方式において粒状性の良い均一な画像を得るという課題に対しては、現像領域Cにおける磁気ブラシの均一性を向上させるのが必須条件であると言える。しかしながら、現像領域Cで均一な磁気ブラシを形成させるためには、現像領域Cに進入する以前の磁気ブラシ状態が均一でなくてはならない。図2に感光体1側から見た現像領域Cの前部と現像領域Cの概略図を示す。図2にDで示す測定領域での現像剤層が不均一である場合、現像領域Cにおける現像剤層も不均一となってしまう。この現象は、現像領域中において、現像剤(現像剤の中で、特に、トナーを担持しているキャリア)が、現像スリーブの軸方向に移動しづらいことに起因していると考えられる。
【0038】
そこで発明者らは、現像領域Cに侵入する以前の測定領域Dにおける磁気ブラシ状態に着目し観察を行なった。なお、評価は単体試験機を用いた方法で行っている。ここで現像スリーブ302の径はφ30mm、感光体1は径がφ90のものを用いた。なお、感光体1は擬似感光体であり、アクリル製の透明ドラムを用いている。所定の線速で現像スリーブ302、感光体1を回転させた後、透明ドラム越しに実体顕微鏡を用い現像領域に進入する以前の現像剤層の状態(投影面積を測定しており、データは2次元である。)を確認した。評価自体は透明ドラムを用いなくても可能であるが、実際の感光体を用いた場合、観察する際に取り外さねばならない。取り外す際に振動により、ブラシ状態が正確に観察されない可能性があるため、透明感光体を用いている。なお、この際、擬似感光体の表面摩擦係数μは実感光体と表面摩擦係数と揃えてある。評価に使用した実体顕微鏡はSZ−STB1(オリンパス光学工業株式会社製)であり、取得した画像は画像処理ソフト(Image Hyper II)で2値化処理し、見かけの被覆率Mを算出した。見かけ被覆率M(%)は、実験式
M=αA+β ・・・(1)
で表現することができる。ここで、αは表面被覆係数、Aは単位面積当たりの現像剤量(g/cm^2)、βは現像剤の汲み上げが0mg/cm^2場合の仮想の被覆率M0である。表面被覆係数αとβは両者とも実験的に決定される数値である。α値が大きくなるほど、汲み上げ量(図8に示す現像剤層厚規制部材303を通過する現像スリーブ302上の単位面積当りの現像剤量;mg/cm^2)の変化に伴い、見かけ被覆率Mが大きく変化することを意味する。
【0039】
現像剤層厚規制部材303と現像スリーブ302とのギャップ間を通過する現像剤量は、厳密に言うと現像スリーブ302の回転に伴い微小に変化する。この変動は現像スリーブ302のフレや現像剤の流動性に起因するところが大きいのであるが、DCバイアス現像においては、現像剤の微少な変化に対しても、出力画像のざらつき感が大きくなる場合がある。そのため、これら微小な変動に対して余裕のある設定が望まれた。
【0040】
発明者らが行なった評価結果を図3のグラフと図4ないし図6に表形式で示す。図4に示した評価で用いたキャリアの体積平均粒径は55μmであり、図5、図6の各評価はそれぞれ体積平均粒径が35μm、25μmのキャリアである。なお、実験に使用するトナーは体積平均粒径が5.2μmの重合トナーを用い、ベタ部トナー付着量が0.5mg/cm^2になるよう現像電界を調整して実験を行った。
【0041】
図4ないし図6に示すように、見かけ被覆率が80%以下では、現像ギャップの設定値の如何にかかわらず、粒状性のよい画像を得ることができなかった。また、見かけ被覆率が125%以上の状態では、ざらつきを確保する条件は存在するものの、見かけ被覆率がさらに高い条件において、キャリア付着とベタ周辺のハーフトーンの抜けが顕著となり、全ての画質項目に対して満足させることは困難であった。
【0042】
各表において、網掛けしてある条件が評価を行なった画質項目について、すべてを満足する条件である。評価内容は、粒径の異なる3種類のキャリアにおいて、汲み上げ量、見掛け密度、現像ギャップを変化させて、各画質項目ごとに目標値に対する達成度を評価するというものである。
【0043】
次にα値であるが、図4の条件に対しては、1.57、図5、図6に対しては、それぞれ1.25、1.0であった。これらの結果より、小粒径キャリアは、見かけ被覆率の変化が汲み上げ量の変化に対して小さいため、特にDCバイアス現像を行なうに際して有効であることが明らかとなった。なお、このα値は、発明者らが行なった他の実験において、キャリアの飽和磁化を下げること、現像スリーブ302の磁束密度を低下させることにより、小さくできることがわかっている。
【0044】
また、β値は現像ギャップの設定値と相関があり、β値が大きいほど、現像ギャップを狭く設定しなくてはならない。この値もα値と同様にキャリアの飽和磁化、粒径などの粉体特性、ならびに現像スリーブの磁気特性に依存するところが大きい。
【0045】
更に、β値は原理的にはゼロとなり、前記の見かけ被覆率Mと汲み上げ量Aの関係式においても原点を通るはずである。今回の実験式は汲み上げ量Aの値が実使用領域で成立するものである。現実には非実用領域である汲み上げ量が5mg/cm^2以下において、見かけ被覆率Mは急速に原点に向かって収束する。β値は実用領域における実験式から得られる、汲み上げ量;0mg/cm^2における見かけ被覆率Mの計算値である。
【0046】
また、2成分現像剤においては、見かけ密度を参照して現像領域を通過させる現像剤量を規定するのが望ましく、現像剤が過度に詰まった状態となり、現像ニップ幅を広げる方向に作用するということが明らかとなった。見掛け密度(JIS Z2504)ρr(g/cm^2)は、容器を自然落下させた粉体で充填し、平板ですり落とし求めるもので、ゆるみ見掛け密度という場合もある。尚、後処理に振動法を追加した場合の見掛け密度ρtは上述のゆるみ見掛け密度より高く、測定データの再現性は良い。ゆるみ見掛け密度と区別する意味で、圧縮密度という場合もある。本来の現像領域からはみ出した現像剤(特に現像領域下流側に広がった現像剤)はキャリア付着、やトナー飛散などの不具合を発生させる。このような状態では、トナー飛散、キャリア付着が発生しやすい状態となる。現像剤は例えば見かけ密度ρrが1.8(g/cm^2)程度であっても10回程度のタッピングを行なった場合、1.4(g/cm^2)程度にかさ密度が変化する。しかしながらこのような状態は現像領域ではありえず、前述のように現像ニップ幅を増加させるように働く。瞬間的のこのように密度が高い状態になったと仮定しても、この様に現像剤密度が高い現像領域では、トナーが感光体1に向かって飛翔する空間が存在しないために、現像効率の低下を招いてしまう。
【0047】
一般的に、キャリアの真比重が同じであっても、キャリアの粒径が小さくなるに従って、見掛け密度は小さくなる。そのため、例えキャリアの飽和磁化(emu/g)が同一であっても、飽和磁化(emu/cm^3)は小さくなるため、キャリア1個あたりの飽和磁化が低下した以上にキャリア付着を起こしやすい状態となる。その状態を回避するために、
Gp×ρr≦0.07 ・・・(2)
以下であることが望ましい。このように設定することにより、小粒径キャリアを良い条件で使用することができるため、粒状性とキャリア付着を両立することができる。
【0048】
今回の一連の評価に関しては、いわゆるDCバイアスを用いて現像を行なった。現像バイアスとしてDCバイアスを用いた場合でも、均一感が高く粒状性の良い画像を得るための条件として、上記関係を提案する。発明者らが行なった別の評価においても、現像ギャップが狭い場合(Gp:0.3以下)では振動バイアスと比較して、遜色がない画像を得ることが可能な条件が存在した。その際に見かけ被覆率:M値は前記した状態に収まるように設定しなくてはならない。現像バイアスとして、DCバイアスを用いることにより現像領域において、キャリアに与える電気的ストレスを低減することができる。そのため、トナーの帯電量を安定化することが可能となった。さらに、本実施例のように現像領域に進入する以前の見かけ被覆率:M値を前記した条件に設定することにより、現像領域におけるトナー、キャリアへのメカ的(圧力上昇に伴う)ストレスも低減することができ、現像剤の長寿命化に効果的である。
【0049】
なお、この発明における効果は、粉砕法によるトナーでも、重合法によるトナーでも得られるが、望ましくは重合法により作成された重合球形トナーが、より効果が得られやすい。実験としては重合球形トナーを用いた。本発明のトナーは、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーAが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーAをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンBと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cを形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂Cを含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られるものである。
【0050】
ウレア変性ポリエステル系樹脂Cにおいて、そのTgは40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。その数平均分子量Mnは2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。
【0051】
このトナーは、該プレポリマーAと該アミンBとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cをバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。
【0052】
本発明のトナーにおいて、その重量平均粒径Dvは4〜8μmであり、その個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)は、
1.00≦Dv/Dn≦1.25 ・・・(3)
である。Dv/Dnをこのように規定することにより、高解像度、高画質のトナーを得ることが可能となる。また、より高品質の画像を得るには、着色剤の重量平均粒径Dvを4〜8μmにし、個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)を1.00≦Dv/Dn≦1.25にし、且つ3μm以下の粒子を個数%で1〜10個数%にするのがよく、より好ましくは、重量平均粒径を4〜6μmにし、Dv/Dnを1.00≦Dv/Dn≦1.15にするのがよい。このようなトナーは、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に2成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0053】
トナーの円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(シスメックス株式会社製)により計測される。
【0054】
本発明のトナーにおいて、その平均円形度は0.90以上、1.00未満であり、本発明のトナーは、特定の形状と形状の分布を有すことが重要である。なお、円形度とは、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長/粒子投影像の周囲長である。平均円形度が0.90未満ではトナーは不定形の形状を示し、満足した転写性やチリのない高画質画像を与えない。不定形のトナー粒子は感光体1等への平滑性媒体への接触点が多く、また突起先端部に電荷が集中することから、ファンデルワールス力や鏡像力が比較的球形な粒子よりも高い。そのため静電的な転写工程においては、不定形粒子と球形の粒子の混在したトナーでは球形の粒子が選択的に移動し、文字部やライン部画像抜けが起る。また、残されたトナーは次の現像工程のために除去しなければならず、クリーナ装置が必要であったり、トナーイールド(画像形成に使用されるトナーの割合)が低かったりする不具合点が生じる。粉砕トナーの円形度は本装置で計測した場合、通常0.910〜0.920である。尚、平均円形度を大きくし、所謂球形トナーを得る製造として、先述の製造方法以外に公知の乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の重合法を用いても良い。
【0055】
付け加えると、トナー表面に添加する添加材量は発明においては、シリカ:0.7重量部、酸化チタン:0.3重量部である。キャリアとトナーの物理的付着力を下げて、現像効率をさらに高めるためには、表面に添加するシリカ量を、1重量部以上としトナーTの流動性を向上させることも考えられるが、帯電量変化に伴った環境変動に対する余裕度が低下すること、経時における磁性キャリアの汲上量(ドクタを通過する単位面積当たりの磁性キャリアの通過量)が低下するなどの弊害をもたらすため、発明では上記の添加量としてある。
【0056】
ここで低電界ポテンシャル現像の実施例について言及する。この実施例では感光体の露光前の帯電電位V0を−350V、露光後の帯電電位VLを−50Vとして現像バイアス電圧VBを−250Vすなわち現像ポテンシャル(VL−VB=200V)として現像工程が行われるものとする。この時、
0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<400V
を満たす。
【0057】
|VD−VL|<400V
は感光体1の露光部分とそうで無い部分の放電を避けるためにパッシェンの放電則より設定したものである。この実施例はネガポジのプロセスである。
【0058】
ここで、本発明の現像方法を実施する画像形成装置の主要構成について、図7及び図8により説明する。図7は本発明の現像装置を備えた画像形成装置の全体構成を概略的に示す図、図8は図7の現像装置の詳細な構成を示す図である。
【0059】
ここに示す画像形成装置はカラー画像を得るための4ドラム方式(タンデム方式)のもので、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の画像を重ね合わせたカラー画像を形成するため、4組の画像形成部と図示していないが4組の光走査装置を備えている。各画像形成部の構成は同じであるので、その1つの構成にのみ参照番号を付し、残り3つの画像形成部の参照番号及び構成の説明は省略する。画像形成部は、像担持体であるドラム状の感光体1の周辺に、感光体1の表面を一様に帯電する帯電装置2、図示しない光書込装置からのビーム4によって感光体1に形成された静電潜像を現像する現像装置3、感光体1上に現像された画像を転写材である転写紙8に転写させるため転写紙8を搬送するエンドレスベルト状の搬送ベルト5、転写後に残った現像剤を除去するクリーニング装置6等が配設されている。転写紙8は装置本体の下方に設けられた給紙カセット11内に納められている。9は転写紙8に転写された画像を定着させるための定着装置である。
【0060】
図2に示すように、現像装置3内には現像に使用されるトナーとキャリアからなる現像剤が収容されており、現像剤収容室301内には回転自在なスクリュウ304,305が配設されている。現像剤は回転するスクリュウ304,305によって偏り無く現像装置3内を循環し、トナーは所望の濃度に均一に分散し、キャリアとの間で摩擦帯電される。さらに、スクリュウ305の上部には所定の距離を持って感光体1と対向するように現像剤担持体である現像スリーブ302が回転自在に配置されている。現像スリーブ302内部には、周囲にN・Sの磁極を持つマグネットローラ(図示しない)が配されており、不図示の駆動装置により現像スリーブ302が回転することによって、現像剤が汲み上げられる。さらに現像スリーブ302上には、所望の量の現像剤だけを感光体1と現像スリーブ302との間に形成された現像領域へと搬送するように、余剰分を掻き取る現像剤量規制部材303が設けられている。
【0061】
感光体1は帯電装置2により、表面を一様に帯電された後、光走査装置のビーム4により露光され、静電潜像が形成される。現像装置3は現像スリーブ302により装置内の現像剤を感光体1と対向する現像ニップ領域へ搬送し、感光体ドラム表面に形成されている静電潜像に現像剤中のトナーを付着させ顕像化する。現像ニップ領域は、現像領域とも称され、現像剤が磁場の作用により穂を形成して立ちあがり、感光体1に接触し、感光体1から離れる間に形成される領域を指す。トナー像は感光体1と搬送ベルトによって搬送されてきた転写紙8とが対向する転写領域において、転写紙8に転写され転写紙上の画像となる。クリーニング装置6は、転写紙8に転写し切れずに感光体1の表面に残ったトナーを、クリーニングブレード(図示しない)により除去する。クリーニング装置6を通過した感光体1の表面は、その後、帯電装置2により表面を一様に帯電され、次の画像形成工程を繰返す。
【0062】
これら画像形成装置を用い、本発明の条件と通常現像条件との比較を行なうために、ランニング試験を行なった。現像バイアスとしては、共にDCバイアスを使用し、両条件ともに、現像後のベタ部トナー付着量を0.5(mg/cm^2)となるように調整した。評価項目はキャリアのCA(キャリア帯電能力)の変化を測定した。本発明の実施例として、Gp:0.25、見かけ被覆率M:115%とした。また比較例としては、Gp:0.5、見かけ被覆率M:200%とした。現像装置3に入れる現像剤量は共に400gである。評価画像としては、印字率5%のチャートを用いた。これは低画像面積率の画像を出力することにより、現像剤の劣化を促進するためである。
【0063】
それらの評価結果を図9のグラフに示す。図9は実機ランニングにおけるキャリア帯電能力の低下加速試験の結果を表すグラフである。本発明の実施の形態の条件では、キャリアのCA低下は小さいが、比較例では、CAの低下が大きい。これらとして考えられる理由を示す。現像領域において、現像剤(トナー、およびキャリア)にストレスをかける条件は、上記したメカ的(圧力上昇に伴う)とACバイアス印加による電気的ストレスの他に、現像領域を通過する際のトナー使用率がある。つまり、一旦現像領域に入った現像剤が現像領域を出るまでに消費させるトナーの量が多いほど現像剤の劣化は少なくなる。今回の例で言うと、見かけ被覆率が115%ではM:200%と比較して現像領域を通過する現像剤量は約半分となる。しかしながら、ベタの付着量はそろっているため、被覆率Mが低いほうが、現像効率が良いことになる。理想的には現像領域を通過した際、現像剤に含まれるトナーは全て現像されることが望ましい。現像領域通過時に使用しないトナー量が多いほど、現像剤の劣化度合いが高くなる。低画像面積率の画像でランニングした場合と、高画像面積率でランニングした場合で現像剤の劣化が低画像面積率時において著しくなる理由がそこにあると考えられる。繰り返しになるが、耐久性の観点から言及すると、現像領域に侵入させる現像剤量は、画像品質が満足できる範囲(ハーフトーンの粒状性、地肌汚れなど)で低減させることが効果的である。
【0064】
次に本発明の低電位プロセスによるプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を、図10により説明する。図10はプロセスカートリッジの概略構成を示す図である。プロセスカートリッジは、上述の感光体1、帯電装置2、現像装置3及びクリーニング装置6の構成要素のうち、複数のものを一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成するものである。この実施の形態においては、プロセスカートリッジ50は、像担持体である感光体51、この感光体51を帯電する帯電装置52、感光体51に形成された潜像を可視化する現像スリーブ53を備えた現像装置54、感光体51に付着した現像装置54の現像剤を取り除くクリーニング装置55が一体に設けられ、図示しない画像形成装置本体に着脱自在に装着される。
【0065】
このプロセスカートリッジ50は、感光体51が所定の周速度で回転駆動され、感光体51は回転過程において、帯電装置52によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(図示しない)からの画像露光光を受け、こうして感光体51の周面に静電潜像が順次形成される。形成された静電潜像は、次いで現像装置54によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部(図示しない)から感光体51と転写装置(図示しない)との間に感光体51の回転と同期されて給送された転写紙に、転写装置により順次転写されていく。像転写を受けた転写紙は感光体51面から分離されて、装置本体に設けられた定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0066】
像転写後の感光体51の表面は、クリーニング装置55によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。プロセスカートリッジ50は独立して取り外しが可能で、感光体ユニット、現像装置とも本発明で寿命は延びるが、必ずしもその長さは一致しない場合もあり、その時はそれぞれ別々に容易に交換することが可能となる。また、独立して配設できるので簡単な機構を追加することで、非現像時に現像ローラを感光体から退避させる事が可能となるので、現像ローラへのトナーフィルミングの促進が低減され、更に現像装置の寿命が延びる。
【0067】
なお、プロセスカートリッジは、上述した構成の外に、少なくとも感光体51と現像装置54のみを一体的にカートリッジ化したしたものでもよい。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、現像領域において現像剤の密度が最適に保たれるため、キャリア付着、トナー飛散を抑制できると同時に高品位な画像を提供することができる。
【0069】
また、前記のような見かけ被覆率Mの設定は、現像領域におけるキャリアへの圧力上昇に伴うメカ的なストレスも低減することができ、現像剤の超寿命化に効果的である。
【0070】
さらに、DCバイアスでの現像が可能となるため、現像に使用するキャリアの抵抗値(キャリアコート層の均一性やキャリア芯材に用いる材料も含む)に対する制約が少なくなり、いわゆる低抵抗キャリアを用いることが可能となる。
【0071】
【発明の効果】
これまでの説明で明らかなように、本発明によれば、現像領域に進入する以前の現像スリーブ表面における現像剤の被覆状態が最適に保持されるので、現像領域における現像剤の密度(磁気ブラシの密度)を適正化し、ハーフトーン部のドット像の再現性を高め、粒状性と階調性に優れた画像を提供することができる。
【0072】
また、現像領域に進入する以前の現像スリーブ表面における現像剤の被覆状態を最適に保ちつつ現像領域を通過する現像剤量を適正に制御するので、現像剤の耐久性、ならびにトナー帯電量の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像方法における現像領域内での2成分現像剤の状態を模式的に示す概略図である。
【図2】図1の状態を感光体側から見た現像領域近傍の模式図である。
【図3】見かけ被覆率と現像剤搬送量との関係を示すグラフである。
【図4】キャリアの平均粒径が55μmのキャリアの場合の見かけ被覆率や現像剤搬送量の評価を表形式で示す図である。
【図5】キャリアの平均粒径が35μmのキャリアの場合の見かけ被覆率や現像剤搬送量の評価を表形式で示す図である。
【図6】キャリアの平均粒径が25μmのキャリアの場合の見かけ被覆率や現像剤搬送量の評価を表形式で示す図である。
【図7】本発明の現像装置を備えた画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図8】図7の現像装置の詳細な構成を示す図である。
【図9】実機ランニングにおけるキャリア帯電能力の低下加速試験の結果を表す図である。
【図10】プロセスカートリッジの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1,51 感光体
2,52 帯電装置
3,54 現像装置
4 ビーム
5 搬送ベルト
6,55 クリーニング装置
8 転写紙
9 定着装置
50 プロセスカートリッジ
53,302 現像スリーブ
301 現像剤収容室
303 現像剤量規制部材
304,305 スクリュウ

Claims (7)

  1. 像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体が、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む2成分の現像剤を担持し、像担持体との間に形成され現像領域に搬送し、現像バイアスとしてDCバイアスを用いて、前記像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像する際の前記現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法において、
    前記現像領域よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側に位置する現像剤量規制部材と前記現像領域との間の現像剤搬送領域を撮像し、得られた画像を2値化処理して前記現像剤による現像担持体表層の見かけ被覆率Mを算出し、現像剤層厚規制部材を通過する単位面積当りの現像剤量である汲み上げ量に対して前記被覆率Mをプロットし、その結果から、
    M=αA+β(%)
    但し、A:単位面積当たりの現像剤量(g/cm^2)
    α:現像剤による現像剤担持体表面の被覆率を表す表面被覆係数
    β:A=0での計算上の見かけ被覆率で現像剤の紛体特性により決定される値
    で表される式を求め、前記現像剤による現像剤担持体表層の見かけ被覆率Mとなるように現像剤量を制御することを特徴とする現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
  2. 前記表面被覆係数αが1.6以下であることを特徴とする請求項1記載の現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
  3. 前記現像領域において、
    Gp×ρr≦0.07
    但し、ρr:現像剤の見かけ密度(g/cm^2)
    Gp:現像ギャップ(cm)
    を満たすように前記現像剤担持体と前記像担持体との間の現像ギャップを設定することを特徴とする請求項1または2記載の現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
  4. 前記トナーが有機溶媒中に少なくとも、ウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー組成物を溶解または分散させ、該溶解または分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去、洗浄して得られるトナーを用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
  5. 前記トナーが、重量平均粒径が4〜8μmであり、粒径分布が、
    Dv/Dn≦1.25
    但し、Dv:重量平均粒径
    Dn:個数平均粒径
    を満足することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
  6. 前記トナーが、平均円形度0.90以上、1.00未満のトナーであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
  7. 前記トナーと混合するキャリアの体積平均粒径が25μmから55μmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1記載の現像剤坦持体上の現像剤量の設定方法。
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