JP3702523B2 - 液体現像剤を用いた現像装置 - Google Patents

液体現像剤を用いた現像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置等に採用される現像装置に関し、さらに詳しくは液体現像剤を用いた現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種プリンタや複写機等においては、画像形成のための方式として、電子写真プロセス(いわゆるカールソンプロセス)が広く採用されている。この電子写真プロセスは、帯電工程→露光工程→現像工程→転写・剥離工程を経て記録シート上に画像を形成する。感光層が形成された電荷担持体は、帯電工程において表面が例えばマイナス電荷に一様に帯電され、次の露光工程において半導体レーザ光等によって画像信号に基づいたレーザ照射が行われて露光された部分のマイナス電荷が減少又は消失することにより、表面に静電潜像が形成される。
【0003】
電荷担持体は、表面に静電潜像が形成された後、現像工程において現像剤が供給され、静電潜像に対応した領域の表面に現像剤画像が形成される。この現像工程では、例えば液体現像剤が用いられる電気泳動現像方法を用いた現像装置によって現像が行われる。
【0004】
この電気泳動現像方法を用いた現像装置(以下、「電気泳動現像装置」という。)100では、図19に示すように、液体現像剤101が保持された金属板の現像剤支持体102に対して、静電潜像103が表面上に形成された電荷担持体104との間に現像電界部105を構成するように近接して現像する。現像剤支持体102には、電荷担持体104の表面上に形成された静電潜像103に対し、地肌汚れ防止のため適当な電圧が印加されている。
【0005】
液体現像剤101中の荷電トナー粒子106は、現像剤支持体102と電荷担持体104上の静電潜像103との間の電位差によって電気泳動現象を生じ、現像剤支持体102から電荷担持体104上の静電潜像103方向へと移動する。すなわち、液体現像剤101中の荷電トナー粒子106は、電荷担持体104上の静電潜像に吸引されて付着し現像トナー層107を形成する。電荷担持体104は、図20に示すように、現像トナー層107中の荷電トナー粒子108を付着した状態で現像剤支持体102から剥離されて、静電潜像103に対応した領域の表面に現像剤画像が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電気泳動現像装置100では、荷電トナー粒子106が電気泳動により現像電界部105を移動するので、現像速度が極めて遅く、高速現像には適していなかった。そこで、従来は、現像の高速化を図るために、大量の液体現像剤101を現像電界部105に供給したり、高濃度の液体現像剤101を現像電界部105に供給したりする必要があった。
【0007】
しかし、大量の液体現像剤101を現像電界部105に供給することは、装置の大型化を招き、また、高濃度の液体現像剤101を用いることは、電気泳動による現像トナー層107中の荷電トナー粒子108以外の余分な荷電トナー粒子109が付着し、地肌汚れ及び画像部への余分な荷電トナー粒子109の付着の原因となるといった問題点があったため、高濃度化には限界があった。
【0008】
さらに、電気泳動現像装置100では、電荷担持体104上に余分な液体現像剤層が形成されるため、そのスクイズ処理が必要となる。従来、このスクイズ処理は、エアーナイフスクイズや、コロナスクイズや、逆転ローラースクイズ等を用いた装置によって行われていた。
【0009】
さらに、電気泳動現像装置100により中間調濃度の均一な画像を得るには、液体現像剤101の流れのパターンやムラの影響をなくすために、液体現像剤101を静止状態として現像するなどの工夫が必要であり、高速化と両立しなかった。
【0010】
本発明者らは、電気泳動によらない液体現像装置で、現像後の電荷担持体上に余分な液体現像剤層が形成されず、さらに、高速現像しても中間調濃度の均一性と粒状性とが良好な画像を得る装置について鋭意研究し、予め現像剤支持体に荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を形成した後に電荷担持体と圧接して現像することによって、その解決策を見いだした。
【0011】
したがって、本発明は、現像速度の高速化、スクイズ処理の不要化、高速現像と中間調濃度の均一な現像との両立を図った液体現像剤を用いた現像装置及びこの現像装置を備えた画像形成装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成した本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置は、少なくとも着色剤と樹脂とからなる荷電トナー粒子を電気絶縁性液体中に分散させた液体現像剤が収容された現像剤収容部と、上記現像剤収容部から上記液体現像剤が供給ローラによって表面に一様に付着され、液体現像剤層が形成される中間ローラと、上記中間ローラと逆方向に回転するとともに、所定のニップ幅を形成するために上記中間ローラに圧接され、上記中間ローラに圧接された領域において、上記中間ローラの表面に付着した液体現像剤に電界を印加することによって、上記中間ローラの表面に一様に付着された上記液体現像剤層から、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を形成する電界印加ローラと、上記中間ローラから荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が転移される現像ローラとを備え、上記荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が転移された現像ローラを、静電潜像が形成された電荷担持体に対して圧接して現像を行う。
【0013】
以上のように構成された本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置は、電界印加ローラが、中間ローラの表面に付着した液体現像剤に電界を印加することにより、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を形成する。次に、中間ローラは、現像ローラとの間の電位差に応じて荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を現像ローラの表面へと転移する。そして、現像ローラは、この荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が転移された状態で、静電潜像が形成された電荷担持体に圧接して現像を行う。そして、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を形成していた荷電トナー粒子は、現像ローラと電荷担持体との間に形成される電界の方向に応じて分離され、電荷担持体上の潜像に応じた現像剤画像を形成する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置は、図1乃至図11に示すように、レーザプリンタ10に備えられている。
【0015】
レーザプリンタ10は、図1に示すように、ドラム感光体7と、このドラム感光体7の周囲に沿って順に配設されたクリーニング機構部15と、作像プロセス部16と、転写・剥離機構部と、この転写・剥離機構部に記録シート25を供給する記録シート供給部18及びドラム感光体7から剥離された記録シート25を排出する排出機構部19とから構成される。
【0016】
ドラム感光体7は、導電性基体の表面に有機光導電体或いは無機光導電体からなる感光層を形成したもので、図示しない駆動手段によって図1中に矢印Sで示す方向に回転駆動される。
【0017】
クリーニング機構部15は、上述したようにドラム感光体7の回転方向に沿って作像プロセス部16に先行して配設されている。クリーニング機構部15は、ドラム感光体7の表面に付着された液体現像剤を除去するブレード20と、画像形成工程において帯電されたドラム感光体7の表面を除電する除電ランプ21等から構成されている。ドラム感光体7は、この状態でブレード20の先端部が突き当てられることにより、表面に残留した液体現像剤が除去され、除電ランプ21が照射されることによって残留しているプラス電荷が除電される。
【0018】
ドラム感光体7は、クリーニング機構部15において表面のクリーニング処理を施された状態で作像プロセス部16へと回転駆動され、表面に画像形成が行われる。作像プロセス部16は、第1の帯電器22と、露光手段を構成するレーザ露光ユニット23及び現像装置24とから構成されている。
【0019】
第1の帯電器22は、ドラム感光体7の表面に近接して配設され、ドラム感光体7上の表面に例えばマイナス電荷を一様に帯電させるコロナ帯電器からなる。
【0020】
レーザ露光ユニット23は、図示しない制御部から送出される画像信号に応じて動作され、光学系を介してレーザ光によってドラム感光体7の表面を選択的に照射する。ドラム感光体7は、レーザ光が照射されることによって露光された表面部分の帯電されたマイナス電荷が除去され、画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0021】
ドラム感光体7は、レーザ露光ユニット23において静電潜像が形成された後、現像装置24へと回転駆動されて現像処理が施される。現像装置24は、詳細を後述するが、液体現像剤をドラム感光体7の表面に供給して静電潜像から現像剤画像を形成する。ドラム感光体7は、さらに回転駆動されて、記録シート供給部18から記録シート25が供給される。
【0022】
記録シート供給部18は、給紙カセットから収納した記録シート25を1枚ずつ送り出す詳細を省略する給紙機構27と、送り出された記録シート25を搬送するガイドローラ機構28とから構成されている。記録シート25は、さらに回転駆動されたドラム感光体7の表面に微圧が付与された状態で導かれることによって、密着される。
【0023】
ドラム感光体7は、表面に記録シート25を密着させた状態で回転駆動される。したがって、記録シート25には、このドラム感光体7の表面に形成された現像剤画像が転写される。
【0024】
このドラム感光体7の表面に記録シート25が重ね合わされて回転する位置には、転写・剥離機構部が配設されている。転写・剥離機構部は、第2の帯電器29と、剥離ツメ30とから構成されている。
【0025】
第2の帯電器29は、記録シート25を非転写面側から表面全体に亘って、ドラム感光体7の表面に形成された現像剤画像のプラス電荷と反対極性であるマイナス電荷を一様に帯電する。
【0026】
記録シート25は、ドラム感光体7から剥離され、剥離ツメ30に沿って排出機構部19へと排出される。排出機構部19は、記録シート25を搬送する複数の搬送ベルト31及び排紙ローラ32と、搬送された記録シート25に現像剤画像を定着させる定着装置34と、現像剤画像が定着された記録シート25を受ける排出皿33が配設されている。定着装置34は、例えば電熱ヒータによって構成されており、記録シート25に転写された液体現像剤による現像剤画像を熱定着してこの記録シート25に定着させる。
【0027】
ドラム感光体7は、記録シート25が剥離された後、クリーニング機構部15へと回転駆動される。そして、ドラム感光体7は、このクリーニング機構部15において、上述したように除電、クリーニング処理が施され、再び作像プロセス部16へと回転駆動され、次の画像形成操作が行われる。また、このベルト感光体を備えたレーザプリンタ10には、排風ファン35が備えられている。
【0028】
上述したように、レーザプリンタ10には、液体現像剤を用いた現像装置24が備えられている。以下に、この液体現像剤を用いた現像装置24の説明を行うが、この説明において、荷電トナー粒子は、正に帯電しているものとする。また、荷電トナー粒子が負に帯電している場合は、印加電圧を逆転することにより、全く同様に説明することができる。
【0029】
この液体現像剤を用いた現像装置24は、図2に示すように、上述した液体現像剤、ドラム感光体7の表面に圧接された現像ローラ63と、この現像ローラ63の表面に当接された中間ローラ51と、この中間ローラ51の周囲に沿って順に配設された供給ローラ54、電界印加ローラ53等から構成されている。
【0030】
現像ローラ63は、外径寸法が32±0.05mmとされた略円筒状に形成されている。また、現像ローラ63は、金属等の導電性材料で形成され、現像バイアス電圧が印加されている。現像ローラ63は、図2中に矢印Uで示すように、ドラム感光体7の回転方向と反対方向に回転駆動される。また、現像ローラ63は、導電性基体7Aが接地されたドラム感光体7の線速度と等しい線速度で回転駆動される。
【0031】
また、現像ローラ63には、下方近傍に位置して回収容器52が配設されている。回収容器52には、弾性部材で形成されたスクレーパ56の一端部が取り付けられている。このスクレーパ56は、現像ローラ63に他端部が当接され、現像ローラ63の表面に付着している残留した液体現像剤57を除去する。
【0032】
中間ローラ51は、外径寸法が32±0.05mmとされた略円筒状に形成されている。また、中間ローラ51は、図3に示すように、アルミニウム等の金属導電性材料で形成された芯金60と、この芯金60の表面にNBRゴム等の弾性部材が積層された導電性弾性層61とから構成され、現像ローラ63の電位に対して正の電圧が印加されている。導電性弾性層61は、この硬度がJIS・Aで30〜100゜とされている。中間ローラ51は、図2中に矢印Mで示すように、下の図ローラ63の回転方向と反対方向に回転駆動される。また、中間ローラ51は、導電性基体7Aが接地された現像ローラ63の線速度と等しい線速度で回転駆動される。
【0033】
また、供給ローラ54は、中間ローラ51の表面との間に適当なギャップを構成して近接されている。供給ローラ54は、外径寸法が30mmの略円筒状に形成されている。また、供給ローラ54は、アルミニウム等の金属導電性材料で形成されており、中間ローラ51と同電位の電圧が印加されている。供給ローラ54は、図2中に矢印Nで示すように、中間ローラ51の回転方向と反対方向に回転駆動される。また、供給ローラ54は、中間ローラ51の線速度と等しい線速度で回転駆動される。
【0034】
この供給ローラ54は、グラビアコータによって前計量して中間ローラ51上に液体現像剤を供給する。したがって、供給ローラ54は、表面にピラミッド型、格子型或いは線形型等の多数個の凹部であるセルが設けられている。この供給ローラ54では、ドクタブレード58によって液体現像剤をセルの空間に満たし、過剰な液体現像剤を取り除いて計量を行う。
【0035】
また、供給ローラ54は、グラビアコータの他に、ブレードによって既に中間ローラ51に供給された液体現像剤を後計量するブレードコータ、ロッドによって既に中間ローラ51に供給された液体現像剤を後計量するロッドコータ、ローラによって既に中間ローラ51に供給された液体現像剤を後計量するスクイズコータ、前計量して供給ローラ54上に液体現像剤を形成して供給ローラ54を中間ローラ51と逆方向に回転するリバースロールコータが採用されても良い。なお、供給ローラ54は、図2中に矢印Nで示す方向と反対方向に回転駆動されることも可能とされる。
【0036】
供給ローラ54には、下方近傍に位置して現像剤容器が配設されている。現像剤容器には、未使用の液体現像剤が収容されている。現像剤容器は、供給ローラ54の周面の一部が液体現像剤に浸潤された状態となる。この現像剤容器は、金属等の導電性材料で形成されており、供給ローラ54と同電位の電圧が印加されている。また、現像剤容器には、ドクターブレード58の一端部が取り付けられている。このドクターブレード58は、他端部が供給ローラ54に当接され、供給ローラ54の表面に過剰に付着した液体現像剤を除去する。さらに、現像剤容器には、液体現像剤を攪拌する攪拌ローラ59が設けられている。
【0037】
電界印加ローラ53は、図2に示すように、中間ローラ51が回転駆動してドラム感光体7に接触する前に位置している。電界印加ローラ53は、図4に示すように、現像ローラ63に対してニップ幅寸法が1mmとなるように圧接し、現像ローラ63の表面との間にギャップを構成して液体現像剤のメニスカス1Aができるように固定されている。電界印加ローラ53は、外径寸法が14mmの略円筒状に形成されている。また、電界印加ローラ53は、金属等の導電性材料で形成されており、中間ローラ51の電位に対して正の電圧が印加されている。
【0038】
電界印加ローラ53は、図2中に矢印Qで示すように、中間ローラ51の回転方向と反対方向に回転駆動される。また、電界印加ローラ53は、中間ローラ51の線速度と等しい線速度で回転駆動される。
【0039】
以上のように構成された液体現像剤を用いた現像装置24は、まず、供給ローラ54が、図2中に矢印Nで示す方向に回転駆動することによって、現像剤容器から多量に液体現像剤を汲み取って付着させる。次に、供給ローラ54は、図2に示すように、さらに回転駆動されて余分な液体現像剤がドクタブレード58によって取り除かれて計量され、液体現像剤層4が供給される。そして、中間ローラ51は、回転駆動する供給ローラ54に伴って、図4中に矢印Mで示す方向に回転駆動することにより、図4に示すように、表面に供給ローラ54から液体現像剤層4が供給される。
【0040】
このとき、中間ローラ51に供給された液体現像剤層4の重量は、図5に示すように、供給ローラ54のセルに含まれた液体現像剤層4の重量に比例して大きくなる。供給ローラ54のセルに含まれた液体現像剤層4の重量は、このうちの約50%が、中間ローラ51に供給されることがわかる。ここで、供給ローラ54のセルに含まれる液体現像剤層4の重量は、供給ローラ4のセルの深さdに伴って大きくなっている。これは、液体現像剤層4の濃度が20重量%のときの、供給ローラ54のセルの深さdが0.1mm、0.2mm、0.3mmの3種類の場合について得られた実験結果である。
【0041】
また、中間ローラ51に供給された液体現像剤層4の重量は、図6に示すように、供給ローラ54のセルに含まれた液体現像剤層4の濃度に比例して大きくなる。これは、供給ローラ54のセルの深さdが0.2mmのときの、液体現像剤層4の濃度が10重量%、20重量%、30重量%の3種類の場合について得られた実験結果である。
【0042】
次に、電界印加ローラ53は、図4に示すように、この状態で、中間ローラ51上の液体現像剤層4の表面に接触される。この際に、電界印加ローラ53は、回転駆動する中間ローラ51に伴って、図4中に矢印Qで示す方向に回転駆動することにより、中間ローラ51上に形成された液体現像剤層4の表面全体に亘って接触される。
【0043】
さらに、電界印加ローラ53は、中間ローラ51との間の電位差に応じて液体現像剤層4中の荷電トナー粒子5Aに電界を印加することによって電気泳動現象を生じさせる。このとき、液体現像剤層4中の荷電トナー粒子5Aは、電界印加ローラ53より電位の低い中間ローラ51に吸引されるとともに、電界印加ローラ53及び中間ローラ51によってプラスに帯電される。帯電された荷電トナー粒子5Bは、図4に示すように、中間ローラ51へと移動し、中間ローラ51側に集合して液体トナー層6を形成する。
【0044】
そして、この液体トナー層6が表面に形成された中間ローラ51は、さらに図2中に矢印Mで示す方向に回転駆動され、現像ローラ63の表面全体に亘って接触される。このとき、中間ローラ51には、図2に示すように、現像ローラ63に対して、液体トナー層6中の帯電された荷電トナー粒子5Bが全て転移するのに充分に高い電圧が印加されている。液体トナー層6中の帯電された荷電トナー粒子5Bは、現像ローラ63に吸引されて、現像ローラ63の表面へと転移される。
【0045】
そして、この液体トナー層6が表面に転移された現像ローラ63は、さらに図2中に矢印Uで示す方向に回転駆動される。この際に、現像ローラ63は、図7に示すように、ドラム感光体7の導電性基体7Aに対し、負の電圧−Vが印加される。ドラム感光体7は、この状態で、現像ローラ63上の液体トナー層6の表面に接触される。この際に、液体トナー層6は、詳細を以下説明するが、図8に示すように、ドラム感光体7の表面に供給され、ドラム感光体7上の静電潜像から現像剤画像を形成する。
【0046】
なお、ドラム感光体7は、導電性基体7Aの表面に感光層7Bを形成したものに限られるものではなく、誘電体の表面に静電潜像層を例えば帯電針等により形成したものであっても良い。
【0047】
この際に、上述した現像装置24を階調を表現するプリンターとして実施する場合は、この液体現像剤を用いた現像装置24は、ドラム感光体7の表面電位を連続的に変えることで、ドラム感光体7に現像される液体トナー層6の厚さを連続的に変えることができる。
【0048】
また、上述した現像装置24をこの2値のプリンタとして実施する場合は、マージンをもって、液体トナー層6を全て中間ローラ51の側に残留させて白部をつくったり、液体トナー層6を全てドラム感光体7側に現像させて黒部をつくったりすることができる。
【0049】
この後、現像ローラ63の表面に付着している残留した液体現像剤57は、図2に示すように、スクレーパ56によって現像ローラ63の表面からかきとられて、回収容器52に回収される。回収容器52に回収された液体現像剤57は、濃度制御によりトナー粒子の濃度の適性を図った後に、現像剤容器へ送られ再使用される。
【0050】
ここで、電界印加ローラ53及び中間ローラ51の線速度と電界印加ローラ53による帯電電位との関係について実験した結果を説明する。この実験は、外径寸法が30mmの中間ローラ51上に、外径寸法が14mmの電界印加ローラ53を、ニップ幅寸法が1mmとなるように圧接し、中間ローラ51上の荷電トナー粒子5Aを帯電して行う。このとき、電界印加ローラ53には、+360Vのバイアス電圧が印加されている。現像ローラ53上の荷電トナー粒子5Bは、供給ローラ54のグラビアコータによって計量されている。
【0051】
上記実験結果では、図9に示すように、電界印加ローラ53及び中間ローラ51の線速度を200mm/sまで上げても、帯電直後の電界印加ローラ53による帯電電位が90Vの値で一定となった。また、中間ローラ51上の荷電トナー粒子5Aのトナー重量は、電界印加ローラ53及び中間ローラ51の線速度によらず、透過濃度2.5に相当する0.19mg/cmであった。
【0052】
一方、平板による帯電実験から、荷電トナー粒子5Aは、トナー重量が0.19mg/cmのとき、帯電電位が70〜100Vの範囲であることが確認されている。したがって、上記実験では、帯電電位が飽和点に達し、中間ローラ51上の荷電トナー粒子5Aが完全に帯電していると言える。
【0053】
また、上記実験では、上述したように電界印加ローラ53と中間ローラ51とのニップ幅寸法が1mmであるので、電界印加ローラ53及び中間ローラ51の線速度が200mm/sの場合に、荷電トナー粒子5Aに電界が印加される時間が5msとなる。荷電トナー粒子5Aは、この5msの間に電荷との分離が完全に行われる必要がある。
【0054】
ところで、図10に示すように、平行平板電極81、82を用いた電流測定により、電流が流れきるまでに約35msもかかることがわかっている。この平行平板電極81、82を用いた電流測定は、荷電トナー粒子5Aが電界印加ローラ53と中間ローラ51との間に構成するギャップに入る瞬間を、スイッチ83をいれた瞬間として想定して行われている。また、この電流測定は、荷電トナー粒子5Aが帯電されて集合された液体トナー層6の形成が終了した状態を、電流が流れきった状態として行われている。したがって、この電流測定では、図11に示すように、スイッチ83を入れた瞬間から電流が流れきるまでに、上記約35msの時間がかかることがわかった。この実験からは、電界印加ローラ53及び中間ローラ51の線速度が約28m/s以下(有効帯電時間35ms以上)でなければ、荷電トナー粒子5Aの帯電が十分に行われないと考えられる。
【0055】
しかしながら、実際には、このような電界印加ローラ53による帯電では、少なくとも電界印加ローラ53及び中間ローラ51の線速度が200mm/s(有効帯電時間5ms)であっても、十分に帯電できている。このように、上記線速度が200mm/sと比較的速い線速度でも十分に帯電できるのは、電界印加ローラ53の印加した電界により荷電トナー粒子5Aと電荷とが分離現象を生じたときに、電界印加ローラ53と中間ローラ51との回転動作によって荷電トナー粒子5Aと電荷とが引き離されれば、荷電トナー粒子5Aが中間ローラ51にまで完全に到達するまでの上記約35msの時間をかけなくても良いからだと推定される。
【0056】
上述したように、液体現像剤を用いた現像装置24によれば、中間ローラ51に液体現像剤を付着させるとともに、電界を印加することによって液体トナー層6を形成し、現像ローラ63に液体トナー層6を転移した後にドラム感光体7と圧接して現像するので、電気泳動現像装置100のように荷電トナー粒子5Aを移動するのではなく、圧接とともに液体トナー層6中に形成される電界の方向により液体トナー層6が分離されて現像が行われ、高速現像が可能とされる。
【0057】
また、この液体現像剤を用いた現像装置24は、現像ローラ63上に液体トナー層6を転移した後にドラム感光体7と圧接するので、ドラム感光体7上に余分な液体現像剤層4が形成されず、従来の電気泳動現像装置100では必要であった、余分な液体現像剤層4のスクイズ処理が不要とされる。
【0058】
さらに、この液体現像剤を用いた現像装置24は、液体トナー層6が現像ローラ63上に転移されていれば、圧接とともに液体トナー層6中に形成される電界の方向により液体トナー層6が分離されて現像が行われるので、ドラム感光体7上の電荷の密度に忠実に対応した帯電された荷電トナー粒子5Bが現像され、これにより容易に中間調濃度の均一な現像剤画像を得ることが可能とされる。
【0059】
さらにまた、この液体現像剤を用いた現像装置24は、現像ローラ63に液体トナー層6が転移されればよいので、使用する液体現像剤の帯電された荷電トナー粒子5Bの濃度が高くても、従来の電気泳動現像装置100における地肌汚れ、画像部への余分な帯電された荷電トナー粒子5Bの付着といった問題がなく、高濃度の液体現像剤の使用が可能とされる。
【0060】
したがって、液体現像剤を用いた現像装置24によれば、現像速度が速く、スクイズ処理が不要で、中間調濃度の均一性と粒状性とが容易に得られ、さらに、高濃度の液体現像剤を用いることができるので、液体現像の高精細画像を、高速に、かつ小型の現像装置で容易に実現することが可能とされる。
【0061】
また、この液体現像剤を用いた現像装置24は、電界印加ローラ53が中間ローラ51の表面に付着した液体現像剤に電界を印加することにより、荷電トナー粒子5Bが集合された状態の液体トナー層6を高速に形成することができる。
【0062】
さらに、この液体現像剤を用いた現像装置24は、中間ローラ51が、芯金60の表面に導電性弾性層61が積層されたことにより、現像ローラ63に対して均一に当接され、液体トナー層6の現像ローラ63への確実な転移が図られ、現像ローラ63を形成する材料の選択範囲が拡大される。
【0063】
さらにまた、この液体現像剤を用いた現像装置24は、中間ローラ51が芯金60の表面に導電性弾性層61が積層され、供給ローラ54がグラビアコータにより液体現像剤を計量することにより、供給ローラ54が中間ローラ51に対して均一に当接され、液体現像剤の中間ローラ51への確実な供給が図られる。
【0064】
この実施の形態液体現像装置24は、アルミニウム等の金属導電性材料で形成された芯金60と、この芯金60の表面にNBRゴム等の弾性部材が積層された導電性弾性層61とから中間ローラ51が構成されたが、図12に示すように、アルミニウム等の金属導電性材料で形成された芯金60と、この芯金60の表面にHTVゴム等の弾性部材が積層された導電性弾性層61と、この導電性弾性層61の表面にPTAチューブ等の弾性部材が積層された導電性表層62とから現像ローラが構成されても良い。
【0065】
また、この実施の形態液体現像装置24は、上述した電界印加ローラ53以外に、コロナ帯電器や電界印加電極板によって、液体現像剤層4中の荷電トナー粒子5Aに帯電処理を施して液体トナー層6を形成しても良い。
【0066】
本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置24は、上述したレーザプリンタ10以外に、他のレーザプリンタ40等の画像形成装置にも適用される。このレーザプリンタ40は、図13に示すように、基本的な構成を上述したレーザプリンタ10と同様とするが、ドラム感光体7の代わりにベルト感光体41が備えられた構成を採用した点に特徴を有している。なお、以下の説明において、上述したレーザプリンタ10と同一部材、同一構成部については、同一符号を付すことにより、説明を省略する。
【0067】
レーザプリンタ40は、図13に示すように、複数のローラ群12乃至14間に掛け渡されて無端走行されるベルト感光体7と、このベルト感光体7の走行路に沿って順に配設されたクリーニング機構部15と、作像プロセス部16と、転写・剥離機構部17と、この転写・剥離機構部17に記録シート25を供給する記録シート供給部18及びベルト感光体7から剥離された記録シート25を排出する排出機構部19とから構成される。
【0068】
ベルト感光体7は、図13に示すように、導電性基体7Aの表面に有機光導電体或いは無機光導電体からなる感光層7Bを形成したもので、始端と終端とを接合して無端ベルトを構成している。このベルト感光体7を走行させるローラ群は、駆動ローラ13を含む複数個のローラ12乃至14から構成されている。ベルト感光体7は、これらローラ12乃至14に掛け渡されて略直角三角形状の走行路を形成し、図13中に矢印Rで示す方向に走行駆動される。作像プロセス部16には、上述した液体現像剤を用いた現像装置24が備えられている。ここで、本現像装置を用いて行った現像の理論の説明と理論の実験による検証を行う。まず、理論の説明から行う。
【0069】
図14に示すように、現像を終了したときの、現像剤支持体2側に残留した液体トナー層6Aの厚さをd、電荷担持体9側に現像された液体トナー層6Bの厚さをdとして、現像前の現像剤支持体2に形成されていた液体トナー層6の厚さをdとすると、液体トナー層6の厚さdは、下記式(1)で表される。
【0070】
=d+d・・・式(1)
また、現像剤支持体2からの厚さ方向における液体トナー層6Aの電位をVとすると、電位Vは、下記式(2)で表される。
【0071】
=ρd /2εε・・・式(2)
なお、上記式(1)におけるρは、液体トナー層6Bの電荷密度、εは真空の誘電率、εは液体トナー層6Bの比誘電率、dは、現像剤支持体2上に残留する液体トナー層6Bの厚さである。
【0072】
また、電荷担持体9からの厚さ方向における液体トナー層6Bのトナー電位をVとすると、トナー電位Vは、下記式(3)で表される。
【0073】
=ρd /2εε+ρd/εε・・・式(3)
なお、上記式(2)におけるρは液体トナー層6Bの電荷密度、εは真空の誘電率、εは液体トナー層6Bの比誘電率、εは電荷担持体9の比誘電率、dは、電荷担持体9上に残留する液体トナー層6Bの厚さ、dは、電荷担持体9の感光層9Bの厚さである。
【0074】
現像剤支持体2にかけられた電圧を{−V}、電荷担持体9の表面電位を{−V}とすれば、現像後の、現像剤支持体2とこれに残留している液体トナー層6Aの合計の電位は{V−V}となり、同じく現像後の、電荷担持体9とこれに残留している液体トナー層6Aの合計の電位は{−V+V}となる。
【0075】
上述した現像装置24を階調を表現するプリンターとして実施する場合は、この液体現像剤を用いた現像装置24は、電荷担持体9の表面電位を連続的に変えることで、電荷担持体9に現像される液体トナー層6の厚さを連続的に変えることができる。
【0076】
これは、現像後、現像剤支持体2とこれに残留している液体トナー層6Aの合計の電位{V−V}と、電荷担持体9とこれに現像された液体トナー層6Bの合計の電位{−V+V}とが、下記式(4)に示すように、等しくなるようなトナー電位V、トナー電位Vが存在する場合である。
【0077】
−V+V=V−V・・・式(4)
式(4)が成立する点近傍での液体トナー層6は、現像剤支持体2に近い側では現像剤支持体2方向へ、電荷担持体9に近い側では電荷担持体9方向へとそれぞれ引力を受ける。したがって、液体トナー層6は、式(4)が成立する点を境として現像剤支持体2側の液体トナー層6A と、電荷担持体9側の液体トナー層6Bとに分離される。この液体トナー層6が分離される大きさは、式(1)、式(2)、式(3)を使って、dについて解くことにより求めることができる。
【0078】
={1/(d/ε+d/ε)} ×{(V−V)ε/ρ+d /2ε}・・・式(5)
ここで、求めたdの値を式(1)に代入し、dを求めると下記式(3′)を得る。
【0079】
=d−d・・・式(3′)
すなわち、式(4)が成り立つようなV、Vが存在する場合、d、dはだだ一つずつ求まり、それぞれの値が式(5)、式(3′)によって求められる。また、この液体現像剤を用いた現像装置24は、式(4)が成立する範囲で実施する場合、式(5)から明かなように、電荷担持体9の表面電位{−V}を連続的に変えることで、電荷担持体9に現像される液体トナー層6Bの厚さdを連続的に変えることができる。したがって、液体現像剤を用いた現像装置24は、式(4)が成り立つ範囲で実施する場合、図8に示すように、階調を表現するプリンターとして実施する場合に適している。
【0080】
また、上述した現像装置24をこの2値のプリンタとして実施する場合は、マージンをもって、液体トナー層6を全て現像剤支持体2の側に残留させて白部をつくったり、液体トナー層6を全て電荷担持体9側に現像させて黒部をつくったりすることができる。
【0081】
これは、図15及び図16に示すように、{V−V}と{−V+V}が等しくならない場合である。
【0082】
まず、図15に示すように、正に荷電した液体トナー層6が全て現像剤支持体2の側に残留するような場合を考える。このときのVの値をV1(t)とすれば、この場合の電位の状態は、−V>V1(t)−V(V=0)・・・式(6)
となる。
【0083】
式(6)は、現像剤支持体2の側の電位{V1(t)−V}が、電荷担持体9側の電位{−V}よりも低いことを意味し、正に荷電した液体トナー層6は、全て現像剤支持体2の方に引きつけられたままの状態を保持する。その結果、電荷担持体9の方に現像される液体トナー層6Bの厚みはゼロとなる。すなわち、式(4)の場合には、必ずd=d、d=0となる。
【0084】
したがって、液体現像剤を用いた現像装置24は、例えば白黒のみの2値のプリンタとして実施する際、式(6)の条件で、マージンをもって、液体トナー層6を全て現像剤支持体2の側に残留させることができ、白部をつくる場合の条件に適している。
【0085】
次に、図16に示すように、正に荷電した液体トナー層6が全て電荷担持体9の側に現像されるような場合を考える。このときのVの値をV2(t)とすれば、この場合の電位の状態は、−V+V2(t)<−V(V=0)・・・式(7)
となる。
【0086】
式(7)は、正に荷電した液体トナー層6が全て電荷担持体9側に現像されても、依然、電荷担持体9側の電位{−V+V2(t)}が、現像剤支持体2側の電位{−V}よりも低いことを意味し、正に荷電した液体トナー層6は、全て電荷担持体9側に引きつけられたままの状態を保持する。その結果、現像剤支持体2側に残留する液体トナー層6Aの厚みはゼロとなる。すなわち、式(4)の場合には、必ず、d=0、d=dとなる。
【0087】
したがって、液体現像剤を用いた現像装置24は、2値のプリンタとして実施する際、式(7)の条件で、マージンをもって、液体トナー層6を全て電荷担持体9側に現像させることができ、黒部をつくる場合の条件に適している。
【0088】
この後、電界印加ローラ3及び現像剤支持体2上に残留した液体現像剤57は、スクレーパ56によって電界印加ローラ3の表面からかきとられて、回収容器54に回収される。回収された液体現像剤は、トナー粒子の濃度の適性を図った後に再使用される。
【0089】
なお、電荷担持体9は、導電性基体9Aの表面に感光層9Bを形成したものに限られるものではなく、誘電体の表面に静電潜像層を例えば帯電針等により形成したものであっても良い。
【0090】
次に、理論の実験による検証を行う。本実験に用いた液体現像剤は、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名:CBR−405を濃度5%(重量%)になるように、エクソン化学社製の商品名:アイソパーGを用いて希釈したものである。
【0091】
液体トナー層6の形成は、以下のように行った。50μmのギャップを持った金属電極間に液体現像剤を入れ、500Vを印加する。マイナス電極側に荷電トナー粒子5Bが泳動し、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層6が形成される。帯電直後のトナー層表面電位は約200Vとなる。この液体トナー層6の表面電位は、図17に示すように、時間ととも減衰するが、電位がピーク値の1/eになるまでの減衰の時定数τは約23秒である。
【0092】
次に、上記金属電極間に形成された液体トナー層6に電荷担持体を圧接して現像を行うが、オーガニックフォトコンダクタ(以下、OPCと略す。)の代わりに、透明電極を蒸着した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムを使用した。まず、液体トナー層6を形成してから数秒後に、各種電位に一様帯電しておいた上記PETを圧接し、本発明の現像を行った。なお、液体トナー層6を支持している上記金属電極には、液体トナー層形成後、−60ボルトのバイアス電圧が加えられている。
【0093】
図18は、PETフィルムの帯電電位{−V}を変化させて現像した後に測定によって得られたPETフィルムに現像された液体トナー層6Bの透過濃度と、PETフィルム上に現像された液体トナー層6Bの表面電位{−V+V}と、現像剤支持体2上に残留した液体トナー層6Aの表面電位{V−V}との関係を示す。
【0094】
現像後のPETフィルム上に現像された液体トナー層6Bの表面電位{−V+V}と、現像剤支持体2上に残留した液体トナー層6Aの表面電位{V−V}とは、ほぼ等しい値で、PETフィルムの帯電電位{−V}のマイナス方向の上昇に伴い、減少していることがわかる。また、PETフィルムに現像された液体トナー層6Bの厚みは、PETフィルムの帯電電位{−V}のマイナス方向の上昇に伴い、増加していることがわかる。これより、本実験が、式(4)が成立することを確認する実験であり、かつ式(5)を検証する結果になっていることがわかる。
【0095】
なお、実験例は、静電潜像と逆極性の荷電トナー粒子5Bで現像する正現像装置について説明したが、電荷担持体9の帯電極性と同極性の荷電トナー粒子を用いて電荷の抜けた所を現像する反転現像装置も当然に可能とされる。
【0096】
また、これまで、正に荷電した荷電トナー粒子5Bを、負に帯電した電荷担持体9に現像する場合の検証を行うために、式(4)、式(6)、式(7)を使って説明したが、ここで、これらの条件式は、文字は正負の値をとるものとして一般式として、
+V=V+V・・・式(4′)
>V1(t)+V(V=0)・・・式(6′)
+V2(t)<V(V=0)・・・式(7′)
として表される。式(4′)、式(6′)、式(7′)は、静電潜像と逆極性に荷電した荷電トナー粒子5Bで現像する正現像装置だけでなく、電荷担持体9の帯電極性と同極性に荷電した荷電トナー粒子を用いて電荷の抜けた所を現像する反転現像装置に対して、それぞれ現像条件を表すことができる。
【0097】
すなわち、式(4′)は、平衡電位分離現像が起こる条件を表す一般式、式(6′)は、液体トナー層6が、全て現像剤支持体2の側に残留するような条件を表す一般式、式(7′)は、液体トナー層6が、全て電荷担持体9の側に現像されるような条件を表す一般式である。
【0098】
以上、本発明の液体現像剤を用いた現像装置及び画像形成装置の実施の形態について感光体を用いる間接転写方式の電子写真プリンタを説明したが、本発明の現像装置及び画像形成装置は、電子写真式の複写機、マイクロフィルムリーダープリンタ、ファクシミリ等にも当然に適用される。
【0099】
また、これらの装置のうちで、感光体を用いず電荷担持体にイオンフロー方式やマルチスタイラス方式等で静電潜像を形成する画像形成装置にも当然に適用される。
【0100】
さらに、電荷担持体である記録体に静電潜像をイオンフロー方式やマルチスタイラス方式等で形成し、記録体を直接現像する直接方式の静電プロッタ又はプリンタにも当然に適用される。
【0101】
さらにまた、感光体を用いる直接方式として、電子写真製版機等にも当然に適用される。
【0102】
また、液体現像剤を用いた現像装置の実施の形態では、単色、いわゆるモノクロのプリンタについて説明したが、カラープリンタにも適用される。
【0103】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置によれば、現像ローラに液体現像剤を付着させるとともに、電界を印加することによって荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を形成し、現像ローラに液体トナー層を転移した後に、電荷担持体と圧接して現像するので、電気泳動現像のように荷電トナー粒子を移動するのではなく、圧接とともに当該液体トナー層中に形成される電界の方向により当該液体トナー層が分離されて現像が行われ、高速現像が可能とされる。
【0104】
また、この液体現像剤を用いた現像装置は、現像ローラ上に荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を転移した後に電荷担持体と圧接するので、電荷担持体上に余分な液体現像剤層が形成されず、従来の電気泳動現像では必要であった、余分な液体現像剤層のスクイズ処理が不要とされる。
【0105】
さらに、この液体現像剤を用いた現像装置は、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が現像ローラ上に転移されていれば、圧接とともに当該液体トナー層中に形成される電界の方向により当該液体トナー層が分離されて現像が行われるので、電荷担持体上の電荷の密度に忠実に対応した荷電トナー粒子が現像され、これにより容易に中間調濃度の均一な現像剤画像を得ることが可能とされる。
【0106】
さらにまた、この液体現像剤を用いた現像装置は、現像ローラに荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が転移されればよいので、使用する液体現像剤の荷電トナー粒子の濃度が高くても、従来の電気泳動現像装置における地肌汚れ、画像部への余分な荷電トナー粒子の付着といった問題がなく、高濃度の液体現像剤の使用が可能とされる。
【0107】
したがって、本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置によれば、現像速度が速く、スクイズ処理が不要で、中間調濃度の均一性と粒状性とが容易に得られ、さらに、高濃度の液体現像剤を用いることができるので、液体現像の高精細画像を、高速に、かつ小型の現像装置で容易に実現することが可能とされる。
【0108】
また、この液体現像剤を用いたい現像装置は、電界印加ローラが中間ローラの表面に付着した液体現像剤に電界を印加することにより、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を高速に形成することができる。
【0109】
さらに、この液体現像剤を用いた現像装置は、中間ローラが弾性部材を有していることにより、現像ローラに対して均一に当接され、液体現像剤の現像ローラへの確実な供給が図られ、現像ローラを形成する材料の選択範囲が拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置を備えるレーザプリンタを示す模式図である。
【図2】本発明に係る液体現像剤を用いた現像装置を示す模式図である。
【図3】同現像装置を構成する供給ローラを示す断面図である。
【図4】同現像装置によって中間ローラ上に液体現像剤層を形成する状態を説明するために示す模式図である。
【図5】供給ローラのセルに含まれた液体現像剤層の重量と中間ローラに供給された液体現像剤層の重量との関係を示す特性図である。
【図6】液体現像剤層の濃度と中間ローラに供給された液体現像剤層の重量との関係を示す特性図である。
【図7】同現像装置によってドラム感光体上に現像剤画像を形成する状態を示す模式図である。
【図8】同現像装置によってドラム感光体上に現像剤画像を形成した状態を示す模式図である。
【図9】電界印加ローラ及び中間ローラの線速度と電界印加ローラによる帯電電位との関係を示す特性図である。
【図10】電流測定に用いた測定回路を示す構成図である。
【図11】電流測定により測定された電流値を示す特性図である。
【図12】同現像装置を構成する他の供給ローラを示す断面図である。
【図13】同現像装置を備える他のレーザプリンタを示す模式図である。
【図14】平衡電位分離現像が起こる状態を説明するために示す模式図である。
【図15】液体トナー層が全て現像剤支持体側に残留する状態を説明するために示す模式図である。
【図16】液体トナー層が全て電荷担持体側に現像される状態を説明するために示す模式図である。
【図17】トナー粒子の表面電位を示す特性図である。
【図18】現像後測定によって得られたPETフィルムに現像された液体トナー層の透過濃度と、PETフィルム上に現像された液体トナー層の表面電位{−V+V}と、現像剤支持体上に残留した液体トナー層の表面電位{V−V}との関係を示す特性図である。
【図19】従来の液体現像剤を用いた現像装置によって電荷担持体上に現像剤画像を形成する状態を示す模式図である。
【図20】同液体現像剤を用いた現像装置によって電荷担持体上に現像剤画像を形成した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
5A 荷電トナー粒子、 5B 帯電された荷電トナー粒子、 6 液体トナー層、 7 ドラム感光体、 24 液体現像剤を用いた現像装置、 51 中間ローラ、 53 電界印加ローラ、 54 供給ローラ、 63 現像ローラ

Claims (7)

  1. 少なくとも着色剤と樹脂とからなる荷電トナー粒子を電気絶縁性液体中に分散させた液体現像剤が収容された現像剤収容部と、
    上記現像剤収容部から上記液体現像剤が供給ローラによって表面に一様に付着され、液体現像剤層が形成される中間ローラと、
    上記中間ローラと逆方向に回転するとともに、所定のニップ幅を形成するために上記中間ローラに圧接され、上記中間ローラに圧接された領域において、上記中間ローラの表面に付着した液体現像剤に電界を印加することによって、上記中間ローラの表面に一様に付着された上記液体現像剤層から、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を形成する電界印加ローラと、
    上記中間ローラから荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が転移される現像ローラとを備え、
    上記荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が転移された現像ローラを、静電潜像が形成された電荷担持体に対して圧接して現像を行うことを特徴とする液体現像剤を用いた現像装置。
  2. 上記中間ローラは、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層に電界を印加することによって、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層を上記現像ローラに転移することを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤を用いた現像装置。
  3. 上記中間ローラは、荷電トナー粒子が集合された状態の液体トナー層が上記現像ローラ側に吸引される方向に電界を印加することを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤を用いた現像装置。
  4. 上記中間ローラは、芯金に積層された導電性弾性層である弾性部材を有することを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤を用いた現像装置。
  5. 上記中間ローラは、芯金に順に積層された導電性弾性層及び導電性表層である弾性部材を有することを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤を用いた現像装置。
  6. 上記中間ローラは、現像ローラの回転方向と反対方向に回転駆動されることを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤を用いた現像装置。
  7. 上記中間ローラは、線速度が上記現像ローラの線速度と等しいことを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤を用いた現像装置。
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